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四丁目の夕日/山野一

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著者: 山野一
巻数: 1巻

山野一の新刊
四丁目の夕日の新刊

最新刊『四丁目の夕日


出版社: 扶桑社
シリーズ: 扶桑社文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

KandaMori RT @ooyakedo: 10傑 氏賀Y太『真・現代猟奇伝』/神田森莉『37564学園』/関よしみ『マッドハウス』/御茶漬海苔『惨劇館』/日野日出志『地獄変』/結晶水『乙女狩の館』/早見純『純のはらわた』/三条友美『きりきりぎったん』/山野一『四丁目の夕日』/ジョージ秋 ...
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四丁目の夕日』(よんちょうめのゆうひ)は、1985年7月から1986年7月までガロに連載されていた漫画。作者は山野一。

概要

山野一の初期の代表作ともいえる一冊で、初の連載作品。工場労働者の悲惨な環境と、人間の負の部分を嫌というほどに見せ付ける描写は圧巻。

あらすじ

大学受験を目指し勉学に励む主人公別所たけし、そんな彼の人生は母の事故から始まる連鎖反応的な不幸により無間地獄へと墜ちていく……。

登場人物

登場人物

別所たけし(べっしょたけし)
本作の主人公。都内随一の進学校「K高」に通う高校3年生。実家は印刷工場「別所軽印刷」。一ツ橋合格を目指し目下受験勉強中。ある日ガールフレンドの恭子とのケンカがきっかけで、偶然居合わせた暴走族に因縁をつけられ、ボコボコにされてしまう。
立花に助けられて家に帰ると、母親が大怪我を負って救急車に収容されるところだった……。
父親の死後、会社を継ごうとするも倒産。家も引き払い、異常者たちの住むボロアパート「雨宮荘」の二階へと引っ越す。妹たちを育てるために退学して鉄工所に勤務するもそこでもイジメにあい、徐々に精神を蝕まれてゆく。
二年ほどたって少々暮らし向きがよくなり、ある日弟の誕生日パーティーを開いている最中、押し入った不審者(後述する雨宮荘の住人である老人)に弟と妹を惨殺される。老人から斧を奪い返り討ちにするも、そのまま発狂して街へ飛び出し通行人を片っ端から斧で乱打。十数人を殺害する。逮捕後、精神病院に強制入院させられるが、30年後に鮫島清掃で職を得て社会復帰。新しい職場では人気者となり第二の人生をスタートさせる。
別所富茂(べっしょとみしげ)
たけしの父親。印刷会社「別所軽印刷」社長。28年間印刷工をやっていたが、中卒ゆえの学歴コンプレックスから(怪しい金融会社から借金をしてまで)独立。それゆえに子供たちに対して学業には厳しい。
妻の治療費を捻出するために仕事量を3倍に増やし眠る間もなく働くが、睡眠不足でふらついた拍子に印刷機に巻き込まれ死亡。
別所マス江(べっしょますえ)
たけしの母親。自宅の焼却炉でごみを燃やした際に、混入していたスプレー缶が爆発。長期的な入院とリハビリを余儀なくされる。本人の過失のため保険が降りず、このために別所家は莫大な負担を強いられる。三十年のリハビリ生活を経てわずかに回復しかけるが、夜中に痰を詰まらせ窒息死(享年70)。
別所弘子(べっしょひろこ)
たけしの妹で、登場時は中学三年生。富茂の死後は家事を担当して兄弟を陰から支えたが、後述する老人の凶刃に倒れる。
別所ひでき(べっしょひでき)
小学校に通うたけしと弘子の弟。富茂の死後は学校で貧乏さをからかわれる等しており、生活に対する不満を隠さない。自身の誕生日パーティーの最中、後述の老人に殺害される。
三平(さんぺい)
別所軽印刷に勤める中卒の工員。まじめで朴訥とした青年。会社倒産後には登場しない。苗字は不明。
立花英一(たちばなえいいち)
たけしの同級生で親友。大商社、立花物産の御曹司ではあるが、気取ったところがなく嫌味のない性格。転落してゆくたけしを心配していた。最後は慶應義塾大学を首席で卒業後、立花物産の社長に就任。才色兼備な妻を娶り、快適で有意義な一点の曇りも無い人生を送る。
恭子(きょうこ)
たけしのガールフレンドで極めて自己中心的な性格。暴走族に絡まれたところを立花に助けられたことをきっかけに、転落してゆくたけしを早々に見限り立花に鞍替えする。が、立花は内心煙たがっていた様子で、結局最後には立花との関係を金で片付けられ、仕方が無いのでサラリーマンと結婚、平凡な主婦としての人生を送ることとなる。
ヒロシ
かつて悪友のコージと共に別所軽印刷に勤めていたが、富茂と衝突し退職。後に鉄工所に入社してきたたけしを二人で苛める。富茂の死を嘲笑して執拗に「なあ、ぐっちゃんぐっちゃんだったんだろ? 」とたけしに尋ね、作中屈指のインパクトを残した青林堂版ならびに扶桑社文庫版の巻末解説(根本敬)参照。
アラジン社員
サラリーマン金融「アラジン」の構成員。作中では営業の氷室冷蔵と強面の取立て員イサムが登場。別所軽印刷に多額の融資をするが、利息は月額35万円に達し、富茂の葬式にまで取り立てに現れた。たけしに民生委員への相談をうながすなど意外と親切。最終的に別所家の土地と家屋を差し押さえてしまう。
雨宮荘の住人
会社倒産でたけしが家を失って移り住んだアパートの住人。二人登場し、一人は常にマスクとサングラスをつけて、いつも庭に殺虫剤を噴霧しているだけの人物。もう一人は一階に住む精神に異常をきたした口唇裂の老人で、奇声を発しながらひできを追い掛け回すなど異常な行動が多い。後にひできの誕生パーティー中の別所宅に押し入り、弘子とひできを斧で惨殺するも、発狂したたけしに返り討ちにあう。
鮫島清掃の職員
精神病院を退院したたけしが就職した清掃社の職員。中高年の女性が多く、特に信ちゃん(のぶちゃん)なる女性はたけしに好意を示しており、手作りの握り飯を振舞う。

脚注