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夕凪の街桜の国/こうの史代

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著者: こうの史代
巻数: 1巻

こうの史代の新刊
夕凪の街桜の国の新刊

最新刊『夕凪の街桜の国


出版社: 双葉社
シリーズ:


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

Uh6vmpSlRDAQLsf RT @88Flyinghayaman: それでもここでは平静ではいられません ここに来ようと思ったのは、片渕須直監督がこうの史代さん「#この世界の片隅に」を映画化し公開が近づいて、敬遠していた「#夕凪の街桜の国」と併せて読んでからでした https://t.co/ixVVBs
katsudoren 喜んでもらえてわたしも嬉しいです(^^) RT @ManiHoni: とだ先輩のリツイートでこうの史代さんの「夕凪の街桜の国」を知り、すぐにebookで購入・読了しました。 こうやって自分のテリトリー外の良作と出会えたとき、Twitterをやっていて良かったなぁと本当に思います。
akmo88 この世界の片隅に やっと読み始めたけどもうねおもしろくて切なくて愛おしい。コマ割とかすごいなあ。先月SPドラマやってたらしいね〜夕凪の街桜の国も好き! http://t.co/4AAIO6Z #manga #comic
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夕凪の街 桜の国』(ゆうなぎのまち さくらのくに)はこうの史代による日本の漫画。原爆投下後の広島市を描いた作品で、双葉社より発刊された。

2007年に映画化され、そのノベライズも出版された。映画の公開は2007年7月28日。原爆が投下された広島市では、2007年7月21日から先行公開された。

概要

夕凪の街」は、1955年(映画・小説版では1958年)の広島市の基町にあった原爆スラム(「夕凪の街」)を舞台にして、被爆して生き延びた女性の10年後の心の移ろう姿を描く。

桜の国」は、第一部と第二部に分かれている。主人公は被爆2世の女性。第一部は1987年の春、舞台は東京都中野区および当時の田無市(現在の西東京市)。第二部は2004年の夏、舞台は西東京市および広島市など。映画・小説版では2007年に設定変更され、第二部を中心に(第一部は回想シーンの1つとして)再構成されている。

全て合わせても98頁しかない「夕凪の街」と「桜の国」第一部・第二部の3つの話を通して、3世代にわたる家族の物語がつながる構成になっている。両作とも、主人公に思い出したくない記憶があり、それがふとしたきっかけで甦ることが共通している。更には、そこで終わらず、原爆に後世まで苦しめられながらも、それでもたくましく幸せに生きてきた戦後の日本人を優しい目線で見つめたラストが用意されており、その点がこれまでの原爆漫画とは一線を画していると言える。原爆を真正面から扱った作品ではあるが、原爆当日の描写はわずか数ページしかなく、原爆の重い影を背負いつつ過ぎていく日常を淡々と描写している。

大江健三郎の『ヒロシマ・ノート』などの原爆投下を題材にした文学が参考文献にあげられており、タイトルは広島出身の作家大田洋子の原爆と原爆スラムの人たちに関するルポルタージュ的な小説作品である「夕凪の街と人と」と、太平洋戦争直前の小説家デビュー作「櫻の國」を下敷きにしているが、内容的にそれらとの直接の関連はなく、登場人物に特定のモデルが存在しているわけではない。ただし前者については「原爆スラム」が舞台になっている点で共通しており、「なめくじ」のエピソードなど、作者が当該作品から少なからぬ影響を受けていることがうかがわれる。これに対し後半部と「櫻の國」との関係はタイトルが同じという以外の共通点はない大田洋子の『櫻の國』は、国家総動員法による知識階級総動員体制の1940年に発表された、いわゆる戦意高揚小説である。

評価

2004年度(第8回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回(2005年)手塚治虫文化賞新生賞を受賞した。

それ以外にも朝日新聞で2週にわたって絶賛され、月刊誌『ダ・ヴィンチ』で編集者総出で勧める「絶対はずさないプラチナ本」として掲載、フリースタイル刊『このマンガを読め! 2005』で第3位になるなど、各方面から絶賛され、著者にとって最大のヒット作となっている。日本国外でも高い評価を得ており、韓国、台湾、フランス、イギリス、米国、オーストラリアなどでで翻訳版が出版されている。韓国版のみ「原爆投下は止むを得なかった」との注意書きが足されている。ドイツでも出版が検討されている。

主な登場人物

夕凪の街

平野 皆実(ひらの みなみ)
本作の主人公。原作では平野家の次女となっているが、映画・小説版では平野家長女として設定が変更されている。
1945年8月6日に、広島市で原子爆弾(以下「原爆」と略す)の被害に遭うが、生き残る(広島市への原子爆弾投下)。父、姉、妹が原爆の犠牲(下記参照)になった。本作の時点では母と2人で夕凪の街(旧相生通り、通称・原爆スラム)のあばら家で暮らしながら、建築設計事務所「大空建研」で事務員をしている。
戦時中に水戸市の伯母の家(石川家)に疎開させた後広島に帰らず伯母の養子となった弟の旭のことを気にかけており、弟に会いに行くのと、伯母から借りた学費を返済するため倹約生活を送っており、草履作りのため竹の皮を集めている。
左腕と左のこめかみに大きな火傷の跡が残っており、この火傷の跡を誰にも見せたくないため、前髪でこめかみの傷跡を隠し、夏でも長袖を着ている。
原爆投下直後の修羅場の中、多くの人々を見捨てて生き延びた故に、何か幸せを感じるたび被爆の記憶が蘇り苦悩を抱えながら暮らしており、自分に幸せになる資格はないと思っている。打越氏に口づけをされてから逃げ出したあと、被爆の記憶が急速に蘇る。しかしそれを直視し、死んだ人たちのことを忘れず記憶し語り継いでゆくことを決心して、ようやく自分は自分の人生を生きてもよいと考えられるようになる。だが、それと時を同じくして原爆症を発症し、床に伏す。
闘病の後、被爆の後遺症により、1955年9月8日、23歳(映画・小説版では1958年8月25日、26歳)で死去。
平野 フジミ(ひらの フジミ)
皆実の母。夕凪の街で洋服の仕立てや修理をして暮らす。被爆の影響で1ヶ月ほど目が見えなかったため、直後の惨状は目の当りにしていない。
石川(旧姓:平野) 旭(いしかわ〈ひらの〉 あさひ)
皆実の弟。原作では皆実の回想シーンにのみ登場。1945年の初夏(原爆投下のおよそ1ヶ月前)に水戸にある伯母の家(石川家)へ疎開していたため、平野家では唯一被爆していない。
終戦から5年後(映画・小説版では7年後)に広島から皆実と母・フジミが迎えに来た際に、広島へ帰るのを拒みそのまま、石川家の養子となる。広島行きを拒んだのは、被爆直後の広島を特集した写真雑誌を偶然目にしてしまい、「自分もああなっていたかもしれない。もう家も家族も友達も昔のままではない。」と「ヒロシマ」そのものに対するトラウマが形成されてしまったことが最大の原因となっている

姉・皆実の危篤の際に急いで広島へ向かうが、原作版ではすでに皆実の目は見えなくなっており、その場面は描かれていない。映画・小説版では河川敷で幼少期の思い出を語り合い、打越とともに皆実の最期を見届けた。
打越 豊(うちこし ゆたか)
皆実の勤務先の同僚で、皆実と親しい仲になるも、直後に先述の通り皆実の死去に立ち会うことになる。叔母が原爆投下時に広島市に住んでいた為、被爆して死去したらしい。
皆実の父・天満の若い頃に似ており、「桜の国(二)」で旭と再会した時には皆実の予想通り見事にハゲていた。
古田 幸子(ふるた さちこ)
皆実の勤務先の同僚で、皆実が死去する直前にも同僚たちと何度か見舞いに訪れている。職場の向かいにある「フタバ洋装店」のショーケースにあったワンピースに憧れ、皆実と一緒に自作している。
「桜の国(二)」にも玄関先のシーンが2コマ登場する。映画・小説版では皆実と一緒に作り上げた思い出のワンピースを大切に保管し続け、皆実の五十回忌を機に訪ねてきた旭に、皆実と一緒にワンピースを作ったりした当時の思い出を語る。
太田 京花(おおた きょうか)
皆実の家の近所に住む小学生。小学生ながら太田家の家事をこなしており、おっとりした性格が皆実に気に入られている。「夕凪の街」では映画・小説版にのみ登場。
平野 天満(ひらの てんま)
皆実と旭の父。映画で旭が持っていた写真の父はハゲていた(原作でもハゲていたらしく、打越が天満の若い頃に似ていることからハゲると予想した皆実の台詞が原作にある)。職場(原作では職業に関する記述なし)で被爆し、翌日の1945年8月7日に死亡が確認された。映画・小説版では建築会社に勤務しており、横川町にあった職場で被爆。骨すら見つからないまま8月6日に死亡として処理されている。享年41。
ちなみに、映画・小説版で「大空建研」の社長として登場する竹内氏は、皆実の父と同じ職場で勤務していた同僚だった。
平野 霞(ひらの かすみ)
皆実の姉。原作にのみ登場。
被爆の翌日・8月7日に家族と再会するが、被爆から2ヶ月ほどたった1945年10月11日に被爆の後遺症により15歳で死去。
平野 翠(ひらの みどり)
皆実の妹。原作では被爆時の状況は不明。結局自宅に戻らないまま1945年8月6日に死亡として処理される。映画・小説版では壊滅した広島市内で姉・皆実と偶然再会し、皆実の背中におぶわれたまま息を引き取る。原作では12歳、映画・小説版では10歳で死去。

桜の国

石川 七波(いしかわ ななみ)
本作の第一部、第二部を通して主人公。先述の皆実の姪にあたる(皆実の弟である旭の娘)。原作では1976年生まれ。第一部では小学校5年生、第二部では28歳の会社員。野球好きで、第一部では少年野球チームに混じり、ショートを守る。プロ野球広島東洋カープのファンでもある。
苗字のせいで、同級生からは「ゴエモン」とあだ名される。男勝りな性格で、将来の夢は後述する親友の東子のようなおとなしい子になることで、転校先ではしばらくそのように振舞っていたが、数ヵ月後には諦めた。
祖母の死後、弟の入院先の近くに住むため、東京都中野区から同田無市(現・西東京市)に転居する。
第一部で住んでいた中野区の桜並木の街のことはすべて、東子のことも含めて思い出したくない。そこは母と祖母の2人を失ってしまった場所だからであり、何かのきっかけで、そのときの記憶が蘇ることがある。最終的に母と祖母の人生と死を受け入れ、松が丘の「桜並木の街」とも和解する。
石川 凪生(いしかわ なぎお)
七波の弟。原作では明確な年齢の記載はないが、七波より1つか2つ下と思われる(映画・小説版では27歳)。第一部では体が弱く喘息でずっと入院しているが、第二部では喘息も回復し、研修医として病院に勤務している。勤務先で姉と同様に「ゴエモン」とあだ名されてしまう。研修医として入った病院で東子と出会い恋仲になるが、彼女の両親の反対に遭い自ら身を引き、東子に別れの手紙を書く。
平野 フジミ(ひらの ふじみ)
「夕凪の街」から32年後の第一部で、七波の祖母として姿を現す。息子の結婚と転勤と同時に、東京の中野区へ移住していた。夫、娘3人に先立たれ、皆実と同様に生き延びてしまったことで苦しむ。息子が被爆者の京花と結婚することに、これ以上身内の死は見たくないと抵抗があった。最後の病で倒れた後、七波を原爆で帰ってこなかった末娘の友達と混同するようになっていた。被爆の後遺症と思われる病により1987年8月27日、80歳(映画・小説版では1990年9月27日、83歳)で死去。原作第二部及び映画・小説版では回想シーンのみ登場。
石川(旧姓:平野) 旭(いしかわ〈ひらの〉 あさひ)
前述の皆実の弟で、七波と凪生の父。会社を定年退職した後で、自分と子供たちの3人暮らし。
広島が故郷だが、水戸へ疎開していたため被爆せずに済んだ。石川姓なのは伯母夫婦の養子となったためで、旭が広島の大学へ進学する際に「石川の姓を名乗り続けてほしい」と伯母に泣かれたため、そのまま石川の姓で通している

広島の大学に進学し、母と2人で夕凪の街で暮らすことにする。そこで後述の京花と出会い、勉強を教えたり京花の兄に野球を教えたりするが、母から、被爆者の京花と結婚することに抵抗感を持たれた。
退職後、携帯電話の料金が増え、何も告げずに突然どこかに行き数日間帰らないことが多い。それを子供達に認知症がかっていると誤解されるが、実は何度も広島へ行き姉の皆実の生前の事をゆかりの人たちに聞いて回っていた。
28歳の七波に恋人がいないことを心配している。原作では思わず七波に自分の入っている合コンサークルを勧めてしまったことから、携帯料金の増加は広島の人たちとの連絡のせいだけではないと思われる。
姉の皆実と、娘の七波がどこか似ていると思っている。七波には、早逝した皆実のかわりに幸せになってほしいと望んでいる。
石川(旧姓:太田) 京花(いしかわ〈おおた〉 きょうか)
七波と凪生の母。原作では第二部の回想シーンのみ姿を現す。旭が大学入学で広島に来て出会ったときは、フジミの手伝いに時々来る近所の小学校6年生。「ちいととろい子」(フジミ談)で、「赤ちゃんの時に被爆したからとろい」と周囲からは言われている。後に父を亡くし、旭のすすめで平野家の家業の洋服直しを手伝いに来る。指先が器用で、裁縫の腕前は「いいお弟子さんができた」と旭が母・フジミに話すほど。
旭が東京に転勤するときにプロポーズを受け結婚。1983年、38歳の時に、自宅で血を吐いて倒れているところを七波が発見する。同年死去。死後、水戸にある石川家の墓に弔われる

兄として元春がおり、原作では回想シーンに後姿で一コマのみ登場している。年齢は京花より4歳上と推定される。第二部の時点で存命しており、広島電鉄の宮島線沿線(または宮島)に住んでいる模様。
利根 東子(とね とうこ)
第一部では中野区の石川家の向かいに住んでいた。七波とは同い年で、親友。しかし、第一部から第二部の間の17年間、全く会っていなかった。七波の母(京花)に顔つきが似ている(七波談)。おしとやかな性格でピアノが得意。作文の宿題で出た「将来の夢」には最初、母も通った私立の学校に行ってピアニストになると書いたと思われるが、凪生を見舞いに七波と病院に行ったあと、将来の夢を夜遅くかかって書き直した。
第二部では、看護師になり、凪生と同じ病院に勤務。更に凪生と恋仲になるも、両親から凪生の家系の被爆を理由に、今後彼には会わないようにと言われる。凪生からの手紙を受け取り会いに行く途中、旭の突然の外出を追跡中の七波と17年ぶりに出会い、旭の乗った広島行きの高速バスに強引に七波を連れて乗る。
初めて広島に行き、平和資料館で衝撃的な展示の数々に気分を悪くするが、広島での経験でこの街の過去を理解し、凪生の家系の被爆のことも逃げずに受け入れようと決める。

家系・相関図

登場人物名の由来

登場人物の名前の一部は広島市の町名より取られている。

  • 平野 - 広島市中区平野町
  • 平野天満 - 広島市西区天満町(天満川もある)
  • 平野フジミ - 広島市中区富士見町
  • 平野霞 - 広島市南区霞
  • 平野皆実 - 広島市南区皆実町
  • 平野翠 - 広島市南区翠
  • 打越 - 広島市西区打越町
  • 古田 - 広島市西区古田地区。古江・山田の2地区の総称。現在は行政上正式な地名ではないが、地元住民には今もこの地名を使う人が多く、小学校や公民館、新興住宅地(古田台)等の名前にも使われている。
  • 石川(旧姓平野)旭 - 広島市南区旭
  • 太田 - 太田川
  • 石川(旧姓太田)京花 - 京橋川。京子では東子と混同するので京花とした

    • 太田元春 - 元安川。安芸の毛利家の武将に吉川元春がいる。

    主な舞台

    夕凪の街

    • 広島県産業奨励館跡(現・原爆ドーム)
    • 旧「相生通り」(原爆スラム。現在の相生通りとは異なる)
    • 平和大橋
    • 西平和大橋(およびその前身である新大橋)
    • の乃野屋・大空建研(雑居ビル)
    • フタバ洋装店(桜の国では「洋服のフタバ」)

    桜の国

    • 野方配水塔(通称「水の塔」)・水の塔公園
    • 中野通り・片山橋(陸橋) -

    桜並木の名所として 知られ 「桜の国」 の由来

    • 東京都中野区松ヶ丘 -

    七波・凪生・ 東子たちが 幼少期を過ごした街。

    • 西武新宿線・新井薬師前駅・田無駅
    • 西東京総合病院(田無駅北口にある佐々総合病院がモデル)
    • 東京駅八重洲中央口
    • ニューブリーズ号 - 東京八重洲南口・広島駅新幹線口をむすぶ、高速夜行バス。
    • 広島駅
    • 広島平和記念公園、広島平和記念資料館
    • 相生橋
    • 広島バスセンター
    • 広島電鉄(路面電車・被爆電車および高速バス)

    劇中歌

    夕凪の街

    • お富さん(1954年:春日八郎)
    • 月がとっても青いから(1955年:菅原都々子)
    • 赤とんぼ(1921年:童謡)(映画・小説版のみ)

    桜の国

    • Diamonds(1989年:プリンセス・プリンセス)(映画・小説版のみ)

    その他

    • 「夕凪」とは、海岸地方において夕方に海風が陸風に変わるときに無風状態(凪)になることをいう。瀬戸内地方の「瀬戸の夕凪」が有名。
    • 実在する会社とは関係は皆無であるが「おおぞら建研」という会社は広島市西区に実在するらしい。また「の乃野屋・おおぞら建研」の看板のあるビルは、同作者の他の作品にも登場している。ちなみに「の乃野屋」は、作者の同人サークル名。
    • 後に4コマ「みなみさんの休日」シリーズでこの作品のセルフ・パロディを発表している。南国の離島育ちの「浦島みなみ」とそのいとこである平野家の「霞・翠・旭」の三兄弟の珍騒動を描いており、著者のユーモア感覚が伺える。
    • 「桜の国(二)」で広島市内の寺の墓地が出てくるが、そのページで七波の背後にある墓石に書いてある名前、「鈴子」「富良夫」「珠緒」は作者のペット、セキセイインコの「すずしろ」「ぷらづま」、及びカナリアの「たまのを」から来ていると思われる。
    • 単行本のカバーの下の表紙裏表紙は「夕凪の街」のみを同人誌として発行したときのもの。そのため桜は描かれていない。
    • 表紙の絵だが、1955年の時点では皆実の歩いている平和記念公園側には桜の木は植えられておらず、翌1956年に初めて桜の木が植えられたらしい。よってこの絵は1955年の春ではなく、「実現しなかった未来(1956年以降)」の春を描いたものだと推測できる。

    ラジオドラマ

    2006年8月5日、NHK FMラジオ放送「FMシアター」にて放送。脚色:原田裕文、音楽:長生淳、演出:真銅健嗣。

    出演

    • 夏八木勲
    • 鈴木佳由
    • 斉藤とも子
    • 阿南健治
    • 小林トシ江
    • 矢沢心
    • 大和田悠太
    • 茶花健太
    • 三村ゆうな
    • 伊藤ゆきえ
    • 大林佳奈子
    • 木崎優一

    受賞

    • 2006年度文化庁芸術祭ラジオドラマ部門優秀賞

    一人芝居

    2006年8月6日夕方に、島根県津和野町在住の当時17歳の女子高生が、広島市中区の本川左岸「基町ポップラ通り」にて「夕凪の街」を一人芝居で演じたCAQポップラ2006 「夕凪の街」を一人芝!

    映画

    監督は『半落ち』『チルソクの夏』『出口のない海』などの佐々部清。2007年7月28日公開。広島県内では7月21日から先行公開された。

    出演

    夕凪の街

    • 平野皆実:麻生久美子
    • 平野フジミ:藤村志保
    • 石川(旧姓 平野)旭:伊崎充則
    • 打越豊:吉沢悠

    桜の国

    • 石川七波:田中麗奈
    • 石川(旧姓 平野)旭:堺正章
    • 石川凪生:金井勇太
    • 打越豊:田山涼成
    • 石川(旧姓 太田)京花:小池里奈、粟田麗
    • 利根東子:中越典子

    スタッフ

    • 監督:佐々部清
    • 脚本:佐々部清、国井桂
    • 撮影:坂江正明
    • 照明:渡辺三雄
    • 美術:若松孝市
    • 音楽:村松崇継
    • ハープ演奏:内田奈織
    • 製作:「夕凪の街 桜の国」製作委員会(アートポート、セガ、住友商事、讀賣テレビ放送、東北新社、TOKYO FM、双葉社、東急レクリエーション、読売新聞大阪本社、ビッグショット、シネムーブ、広島テレビ、山口放送、福岡放送)
    • 配給・宣伝:アートポート

    受賞

    • 第32回報知映画賞主演女優賞(麻生久美子)。
    • 第81回キネマ旬報ベストテン第9位。
    • 第62回毎日映画コンクール女優主演賞(麻生久美子)。
    • 第50回ブルーリボン賞主演女優賞(麻生久美子)。
    • 第17回日本映画批評家大賞作品賞、審査員特別賞(堺正章)。

    書誌等情報

    • 単行本(初版 2004年10月20日発行) ISBN 4-575-29744-5
      • 夕凪の街 WEEKLY漫画アクション 2003年(平成15年)9月30日号初出
      • 桜の国(一) 漫画アクション 2004年8月6日号初出
      • 桜の国(二) 単行本にて書き下ろし
    • 小説版(初版 2007年7月20日発行) ISBN 978-4-575-23582-1
    • DVD(2008年3月28日発売) TBD1149
    • 単行本文庫版(初版 2008年4月20日発行) ISBN 978-4-575-71343-5

    脚注

    関連項目

    • 広島市への原子爆弾投下
    • 戦後
    • サバイバーズ・ギルト
    • 広島弁
    • この世界の片隅に - 作者が本作に続いて呉市(広島市の近隣)を舞台に描いた漫画作品。

    外部リンク