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封神演義/藤崎竜

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著者: 藤崎竜
巻数: 23巻

藤崎竜の新刊
封神演義の新刊

最新刊『封神演義 第23部


出版社: 集英社
シリーズ: ジャンプコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

littleMweekend 高校の時に夢中になった小野不由美先生の『屍鬼』。スクエアで藤崎先生が連載してっけどなんか違和感。長年の屍鬼イのメージと封神演義のイメージが合わないからなのか…。
_Y419_ 真剣に原作と漫画とビジュアルブック(?)買おうか悩みだした私はふじりゅーにわか。いや封神演義も好きだ。これ漢字当たってるかな。あとワークワークも好きだ。懐かしいなぁ。
folleto @hokkekan 絵は封神演義のフジリューですよ。マンガもでとる
motoyama 封神演義の時も原作小説読んだ後で、フジリューが漫画化して脳内イメージとのギャップに苦しんだのだった
lucifeyu 屍鬼って、封神演義の描いたヒトがマンガ描いてるやつだっけ。

封神演義』(ほうしんえんぎ)は、集英社『週刊少年ジャンプ』に1996年28号から2000年47号まで連載された藤崎竜による少年漫画。原作は安能務訳『封神演義』(講談社文庫)。

いわゆる超古代先史文明や古代宇宙飛行士説の考え方を巧みに組み込み、遥か昔に存在した古代文明を歴史の裏で起きた神々の戦争と繋ぎ合せることで描かれた。

人気が低迷すれば打ち切りにさせられ、人気が高ければ連載が引き伸ばされる『週刊少年ジャンプ』において、円満に最終回を迎えることのできた数少ない作品の一つである。また、藤崎自身が原作について自分自身の解釈を行った上での創作である旨の発言をしているため、単なる二次作品ではなく「封印演義の一つの解釈」として捉えられることもある。

あらすじ

今から3000年前の古代中国、殷の王朝時代。第30代皇帝紂王は文武共に優れた名君であった。しかし邪心を持つ仙女妲己を皇后に迎えて以来、彼女の怪しい術に惑わされ、かつての賢君は見る影も無い抜け殻になってしまった。悪政を続ける紂王と妲己。国は乱れに乱れた。そこで仙人界崑崙山の教主元始天尊は悪の仙道を神界に封じ込め、革命による新たな王朝を作る計画「封神計画」を弟子の太公望に実行させる。

後に太公望は持ち前の頭脳と人を惹き付ける人格で仲間達を集め、宝貝(パオペエ)という仙界の道具を使い、共に封神計画を進めていく。そして順調に進む封神計画の中、新たな事実が次々と判明していくのであった。

作品概要

『封神演義』をモチーフとしているが、翻案・改変をかなり加えた内容になっており、SF要素も強く、若年層向け娯楽漫画のスタイルに徹している。

申公豹が雷公鞭を持ち黒点虎に乗るなど、本来の古典小説には存在しない、安能務訳の講談社文庫版『封神演義』に基づく設定が一部で見られる。そのため途中から安能務訳の講談社文庫版が原作であるとクレジットされるようになった。また、楊戩を「ようぜん」、哪を「なたく」と読む安能務による誤りも、引き継がれている。一方で、安能が「バカ皇帝」と解説した「昏君」という語句に対して、「ばかとの」とルビを振るなどの改善点も見られる。

世界設定

藤崎版における物語の舞台は歴史の道標・女媧によって何度も繰り返されている世界である。女媧自身が望む世界(既に存在する歴史年表)を作るために介入し、歪みが生まれた場合には幾度と無くリセットされる世界でもある。

原作はあくまで古代中国が舞台であるが、藤崎版でも設定上は過去だが、実際は現代より遥か未来のお話と判断することも出来る。また、これは原作における天命とは違いあくまで女媧が起こしている出来事である。そのため本来の歴史(史実あるいは原作通り)の展開とはならず、特に女媧が倒された後は尚更である>。

作品内容

おおまかな相違点と独自の設定を掲げる。

  • 主人公は

もっぱら太公望と呼ばれている。幸田露伴の説の影響を受けて、本名は呂望となっている。

  • 原作では生き残る者が封神されたり、逆に封神される者が生き残っていたりする。
  • 低俗動物霊(妖孽)で小道具扱いだった妲己が最強最高位の妖怪に位置づけられ、太公望の最大の宿敵であると同時にヒロイン的な役割も果たしている。
  • 聞仲が金鰲島における最高クラスの実力・格を持ち、王天君は金鰲島における太公望の格と同じという扱いである。
  • 比干や散宜生、姫氏の一族など普通の人間の政治家や武将の大半は登場しない。或いはしても非常に扱いが小さい。また、十二仙や十天君以外の仙人もほとんど出てこない。西方や天上の世界観も無いため、これに深く関る人物も登場しない

  • 原作では老人であるはずの太公望が、若者として描写されている。仙人が不老不死であるという伝承に基づき、70歳を超える太公望がまだ若い姿であるという解釈をしている。そのため、太公望以外にも実年齢より見た目が若い仙人・道士が多く登場する。
  • 原作の世界観の根底ともいえる道教や仏教、神仙思想の観念が大幅に省かれ、代わりに「超古代文明」を解釈の媒体としている。

その他にも、霊獣が言語を解したり、雲霄美人三姉妹が不美人三姉妹など変更が見られ、仙道側の施設や衣装も独創的なデザインで描かれている。オマージュ的表現も多々含まれ、特に一部のサブキャラクターの服装などは他の二次作品のキャラのものと非常に似たものがある。

これらの改変があったにせよ、前述のように結果としてジャンプ誌上で人気を博した。もっとも、複雑な人物関係と勢力関係を簡略化する目的とは言え、作者自身は登場させなかったキャラクターも描きたかったらしい(完全版9・10巻あとがきマンガより)。終盤のトーナメントも梅山の七怪が出る予定だったが、結局はほとんど登場しなかった。連載終了後、殷周革命に別の解釈を交えた連載版のパロディ(パラレルワールド)とも言える読切『異説封神演義』が発表された。

登場人物

主要人物


太公望(たいこうぼう)
宝貝:打神鞭(だしんべん)、杏黄旗(きょうこうき)、NEW・打神鞭、太極図(たいきょくず)
本作の主人公。崑崙山の道士で元始天尊の一番弟子。元始天尊から封神計画を授かり、周の武王を助け、腐敗した殷を倒すために軍師となる。一見うつけ者を装っているが崑崙で最高の頭脳を持つ策士。元々は羌族の統領の息子で名を呂望といったが、12歳の時両親や家族を殷の人狩りで失い、その後元始天尊からスカウトを受け仙界に上って道士となり、僅か30年の修行で仙人級の力をつけた。仙界での位は高く、また十二仙とも同格であるため彼らの弟子からは師叔(スース)という敬称で呼ばれる。
彼の宝貝は打神鞭→杏黄旗→NEW・打神鞭→太極図(太極図の真の能力については伏羲の項を参照)である。基本的には頭脳戦を得意とし、敵を巧みにペテンに掛け、時には味方からもブーイングを受けるほどの卑怯な手を堂々と使う。自身の乗り物として霊獣の四不象(スープーシャン)を引き連れている。彼自身の実力については、多面的な描写がされており必ずしもはっきりとはしない。知略に関しては作中でもトップクラスの位置付けであるカンナエの戦いでのハンニバルの戦術と同様の戦術を立案・実行させたことがある。これは、現代陸戦学でも「理想的包囲殲滅戦」として名高いものであるが、作中では、その巧みな包囲戦によって敵が戦意を喪失し、降伏したため、殲滅には至っていない。。HPは未知数。
実年齢は72歳→82歳以上なため、少年の外見に反し言動が老熟しているが、甘党で注射と苦い薬を嫌うなど子供っぽい。マイペースで飄々とした性格をしている一方、平和な人間界への確固たる信念を内に秘めており、仲間に対する優しさと厳しさを併せ持つ。女性に対しては一見すると興味がないようにも見えるが、劇中で彼が敵と見なした女性は妲己と女媧だけであり、敵であってもなるべく傷つけずに済ませる等、

女性に優しい面もある。意外と子供にも優しく、武吉を可愛がったり、ウイルスに冒された天祥を伝染するのを承知で抱き上げ助けたりしていた。左利きであったが、殷郊との戦いで左腕を半分ほど失い、太乙真人製の万能義手を付けていた。

「主人公らしくない」「影が薄い」と度々作中で仲間に指摘されているが、ジャンプ本誌で行われたキャラクター人気投票では2回とも圧倒的な票数を集めて1位だった。また作者の遊び心で時々簡略化して描かれるのが特徴であり、完全版の最終巻の限定予約特典としてぬいぐるみにもなった

アニメでは少し熱血漢になり、右利きのような描写もしばしば見られた。
四不象(スープーシャン)
所有物:復活の玉
白いカバのような外観(動物のシフゾウとはまったく異なる)と、「〜ッス」という口調が特徴の太公望の霊獣。大人しい性格で、主に太公望のツッコミ役。元々は北欧にあるスープー谷という故郷でスープーパパ、スープーママと暮らしていた(ムーミンのパロディ?)が、元始天尊の乗り物をしていたスープーパパが趙公明の突然の襲撃により、大怪我をし引退を余儀なくされ、一家を支える為、幼いながらも奉公に出された。普段は乗り物用で、戦闘形態になると飛行能力が上がったり、相手の宝貝の能力を食べたりする。

通常は温厚でお人好しだが、戦闘形態になると性格がやや粗暴になり言葉遣いも荒い。太公望にとって良き理解者であり、欠かせない相棒。初期設定ではドラゴンだったらしい。

哪(なたく)
宝貝:霊珠(れいじゅ)、乾坤圏(けんこんけん)、風火輪(ふうかりん)、混天綾(こんてんりょう)、金磚(きんせん)、火尖鎗(かせんそう)、九竜神火罩II(きゅうりゅうしんかとう・ツー)、金蛟剪(きんこうせん)
崑崙山の道士で蓮の化身である宝貝人間。陳塘関の李靖の妻、殷氏に太乙真人が宝貝人間を作る宝貝「霊珠」を授けそこから生まれたが、一度肉体を失い、蓮の花の化身として再生する。自分を気味悪がって処分しようとした父(李靖)を恨み追いまわしていた所で李靖に助けを求められた太公望に出会い、太公望に敗れその後仲間となる。作中では一応の生みの親(太乙真人)から宝貝や本体自身の改造、修理を施され、強化されていくロボットのような扱いを受ける。強い敵を感じると真っ先に向かっていく戦闘狂的な性格。基本的に仲間に対しても無愛想だが、母(殷氏)と、天祥には心を開いている

。生まれたときから3つの宝貝(乾坤圏、風火輪、混天綾)を身に纏っていて、更に金磚、火尖槍、九竜神火罩IIも追加。最終的にはスーパー宝貝・金蛟剪を内蔵し、黄金の竜を召喚するほどまでにパワーアップする。本体が宝貝であるため、太極図の宝貝無効化能力の前では停止してしまう。

アニメ版では多少感情豊かになり、雷震子にツッコミを入れたり天然ボケ気味な一面を見せていたりしている。
なお、名前の読み方は安能版の誤読とされる「なたく」という読みになっているが、本来は「なた」である。
楊戩 (ようぜん)
宝貝:三尖刀(さんせんとう)、哮天犬(こうてんけん)、六魂幡(りくこんはん)(尚、変化能力により、見たことのある宝貝も使える。)
崑崙山の道士。変化(へんげ)の術の使い手。実は通天教主の息子で妖怪仙人。幼い頃、金鰲と崑崙の不可侵条約の為に王奕とトレードされたが、出生を隠匿し、崑崙十二仙である玉鼎真人の門下で育つ。師をも凌ぐ実力を身につけ仙人の免許も持っているが、弟子に時間を割くよりも自身の技を磨きたいが為に道士を名乗る。仙人名は清源妙道真君。美形、自信家、犬好きのナルシスト。プライドが高い故に少々態度が傲慢な所があり、初登場時には、太公望が自分の上に立つ実力を持つか否かを試すも、太公望の器を知り、即座に自分を恥じ謝罪するという実直な面も見せている。それ以後は、太公望の戦略を良く察し実行する右腕となり共に戦う。生物や物体に変身できる変化の術を宝貝無しで使うことができる唯一の道士で、天才道士とも呼ばれる。道士や仙人に変化した場合にはその相手が持つ宝貝も使う事ができるが、自身以上の実力者への完全な変化はできない。戦闘外の場所で妲己に楽しんで変化する事が多い為、女装趣味の疑惑あり。物語後半では体の一部分だけを変化させる部分変化も習得し、出会ったことのある宝貝をいくつも同時に操るなど、圧倒的な強さを見せる。半妖態になるとその力はさらに増す。最終的には、人間と妖怪を繋ぐ者として新たな仙人界の教主となった。
アニメ版では太公望の監視役であり、太公望が封神計画に背く行為をした場合彼を抹殺するように命じられていたが、結局は太公望との間の友情を捨てきる事ができず、太公望に味方した。漫画版の傲慢さはあまりなく、叫名棍の弱点を知っていながらも引っ掛かってしまったりするなど、ちょっとドジな面を見せていた。
名前の読みに関しては哪同様に安能版の誤読とされる「ようぜん」という読み方になっているが、本来は「ようせん」である。
武吉(ぶきち)
元は西岐で木樵をしていた天然道士の少年。自称・太公望の弟子。太公望に憧れ弟子入りを志願するもあっさりと断られるが、その後太公望に命を救われ、結局行動を共にするようになった。耳がとても良い。性格も天然で、純粋で真面目。視力10.0、赤外線を感知できるため暗闇でも目が見えるなど身体能力が人間離れしており、こと脚力においては水の上を走ることまで出来るほど。感情が高ぶった時の戦闘力は意外と高く、声やパンチで仙人相手にすらダメージを与えるほど。膨大かつ意外なバイト遍歴を持ち、(本人曰くバスケでインターハイに出たこともあるらしい)それによって習得した数々の技能を披露する。宝貝は使えないが、持つ事はできる。

妲己三姉妹

妲己(だっき)
宝貝:傾世元禳(けいせいげんじょう)、五火七禽扇(ごかしちきんおう)、金霞帽(きんかぼう)、その他
本作のヒロイン。金鰲島出身の仙女であり殷の皇后。原型が狐の1000歳を越す妖怪仙人。聞仲、趙公明と並ぶ金鰲三強の一人。その絶世の美貌により歴代の皇帝を意のままに操ってきた。夏王朝では末喜(ばっき)、60年前の殷では王氏(おうし)を名乗っていた。スーパー宝貝「傾世元禳」により完成させた誘惑の術(テンプテーション)を使い、殷の紂王を誑かし贅沢三昧の悪政を行う。語尾にハートマークをつける可愛らしい喋り方をし、どんな時にでも余裕の表情を崩さない。残酷な性格をしている反面妹想い。太公望以上に恐ろしく切れる頭脳の持ち主で、他人の心理を読み取り思うがままに利用することが得意。戦闘面においても圧倒的な力を誇るが、自ら戦いに赴くことは滅多にない。セクシーポーズをとることで宝貝の効果を上げるという妙な能力を持つ

借体形成の術の使い手でもあり、魂魄だけで移動し、他の人間の肉体を乗っ取ることができる。現在の姿は冀州侯・蘇護の娘(妲己)の体に憑依したもので、本来の名前や形態は不明。尚、蘇妲己に乗り移る時に一カットでのみ、妖狐と思われる姿を見せている。

末喜時代に女媧と出会い、手を結び、表面的には女媧の肉体を開放するための手足となっていたが、彼女の唯一の望みとは地球と一体化し永遠の存在になる事。そのため永久氷壁に封印されていた女媧の肉体を乗っ取った後、太公望(伏羲)に別れを告げ、地球と融合する。その後、女媧の自爆に巻き込まれた伏羲を救い出した。
アニメでは、歴史の黒幕が時の王朝を衰退させるため用いてきた傀儡という設定。
胡喜媚(こきび)
宝貝:如意羽衣(にょいはごろも)
妲己の義妹で正体は雉鶏精(時間を行き来できる雉の妖怪仙人)。三姉妹の真ん中。自称悪徳ロリータで、妖怪たちにはアイドル的な扱いを受けている。子供っぽい見た目や言動が目立つがそれに反してかなりの実力者で、何にでも変化することが出来る如意羽衣を使いこなす。如意羽衣と傾世元禳を同時に使える。歴史の道標の力でパワーアップした後には素粒子への変化も可能とし、楊戩以上の変化の使い手と言わしめ、スーパー宝貝すら凌ぐ能力を得るこれは当初戦う予定だった「梅山の七怪」の首領・袁洪の設定を丸ごと喜媚に入れ替えたものと思われる。可愛いものに興味を惹く傾向があり昔は黒点虎、その後四不象に好意を持つようになり、挙げ句四不象には一方的に婚約者を名乗っている。彼女の原型・半妖態時に撒かれる羽には、触れたものの時間を退行させる作用があり、これにより太公望を封神しかけた。語尾に「☆」をつけるのが特徴で、効果音も「ロリッ☆」などというもの。
王貴人(おうきじん)
宝貝:紫綬羽衣(しじゅはごろも)
妲己の義妹でその正体は玉石琵琶の妖怪仙人。三姉妹の末妹。序盤で太公望と戦うが敗れ、その原型を晒す羽目に。以後、太公望に並々ならぬ復讐心と執着心を抱くようになった。口癖は語尾に「っ!!」をつける事。世間を超越した姉二人と比べて、比較的常識的な思考と振る舞いをする。
紫綬羽衣は毒蛾の鱗粉と飛行能力、防御能力を持つ

。終盤歴史の道標の力でパワーアップした後は、琵琶の弦での攻撃をメインとし、紫綬羽衣の防御力も格段に向上したが、対戦した哪の金蛟剪に破れ、ふたたび原型の姿となる。最終話前編では、妲己の力ゆえにか、人間の形に戻っていた。

人間界

人間

姫昌(きしょう)
西伯侯であり後に文王と呼ばれるようになる偉人。26人の妻と100人の子(実子99人+雷震子)を持つ。温厚な性格で、的確な判断力を持ち、民からの信頼も厚い。妲己の策にはまり数年間幽閉され、挙句長男の伯邑考を殺され、その肉を使用したハンバーグを食事に出される。その後太公望と出会い彼を西岐に迎える。伯邑考の死に端を発する拒食症により衰弱し、全てを太公望と次男・姫発に託し生涯に幕を下ろした。
アニメ版では末子である雷震子とも再会し、指導者としての有能な面も漫画版以上に見せている。死因は「長年の幽閉生活で衰弱していた上に、遠征での過労」に変更され、最終回で亡くなった。
姫発(きはつ)
姫昌の次男で周公旦の兄。女好きでだらしない性格な反面、正義感が強く根は真面目で周囲からの人望は厚い。姫昌の死後武王を名乗り西岐を周と改め、周の初代王となる。若い頃の父(姫昌)に生き写し。牧野の戦いで腹に深手を負い、それによるものかはたまた王の仕事からくるストレスからか、以後はやつれた姿で描かれていた(実際の歴史ではその後死ぬことになっている)。
姫旦(きたん)
姫昌の息子で姫発の弟。西岐で最高の政治家と言われ、民は敬意を込めて彼を本名では呼ばず周公旦と呼ぶ。冷静沈着で生真面目な性格。太公望との初対面の時点では10代の青年であったが、老け顔のせいかとてもそうは見えない。趣味として象を多頭飼っている。よくハリセンで太公望にツッコミを入れる。
史実では武王の死後、武王と呂邑姜の子、成王の摂政となる。孔子の尊敬する人物としても有名。
姫伯邑考(きはくゆうこう)
姫昌の長男。真面目で有能な美男だったが、姫昌を救うため殷の都・朝歌に赴いた際、妲己に殺され肉餅(ハンバーグ)にされてしまう。
南宮适(なんきゅうかつ)
周の将軍。黄飛虎が周に来たためNo.2に落ちてしまい、事ある毎に飛虎に食って掛かっていたが、彼の死後には張り合いをなくした様子。マッチョな熱血漢。暴走しがち。意外と料理は得意。
黄家一族
黄飛虎 (こうひこ)
武器:大鉄棒→飛刀(ひとう)
元殷の鎮国武成王。4児の父親。宝貝すら素手で破壊する怪力、強力な毒にも耐える肉体、更にはスーパー宝貝による洗脳にすら耐える鋼の精神力を持つ、天然道士の中でも屈指の強さと強靭さを持つ男。先祖代々殷王家に仕えており、紂王に忠義を尽くしていたが、妲己の圧政に対してはただ耐えるほかなかった。妲己を倒しに来た太公望と出会い、互いに信頼関係を結ぶ。数年後、妲己の策略により妻(賈氏)と妹(黄氏)を失い殷を見限る。その後、周の姫昌に開国武成王に任命された。大雑把で明るい性格で豪快そのもの。聞仲とは親友だったが、相容れぬ道を歩んだ末に仙界大戦において激突し、己の命を賭け聞仲にかつての心を取り戻させた後封神される。
黄天祥 (こうてんしょう)
武器:槍→飛刀(ひとう)
黄飛虎の四男、末息子。天然道士で父親譲りの怪力少年。哪と仲が良い。当初は槍を振るっていたが、父の死後、妖精・飛刀を振るうことに。あの趙公明すら認める類稀なる才能の持ち主。
黄天禄(こうてんろく)
黄飛虎の長男。父と行動を共にしている。ゲーム・仙界大戦では黄天爵と取り違えられている。
黄天爵(こうてんしゃく)
黄飛虎の三男。兄・天化よりも身長が高い。ゲーム・仙界大戦では黄天録と取り違えられている。
黄飛彪(こうひひゅう)
黄飛虎の実弟。殷を離れるなど兄と行動を共にしている。
黄飛豹(こうひひょう)
黄飛虎の実弟。殷を離れるなど兄と行動を共にしている。
賈氏(かし)
黄飛虎の妻。4児の母親でもある。美貌と仲の良い義妹(黄氏)を訪ねたことを妲己に利用され自ら命を絶つ。
黄氏(こうし)
黄飛虎の妹。紂王の第三王妃であり黄貴妃とも呼ばれる。妲己の策で賈氏を失い、さらに今までの怒りで紂王を殴り賈氏と同じく楼閣から身を投げる。
黄明(こうめい)
黄飛虎と義兄弟の契りを結ぶ四大金剛の一人。首に「轟」という文字がある。ちょびヒゲで武人らしい荒々しい性格の持ち主。
周紀(しゅうき)
黄飛虎と義兄弟の契りを結ぶ四大金剛の一人。長髪で丁寧な言葉遣いで話す。かなりの美形。
竜環(りゅうかん)
黄飛虎と義兄弟の契りを結ぶ四大金剛の一人。両目の下に縦線のようなものがある。
呉謙(ごけん)
黄飛虎と義兄弟の契りを結ぶ四大金剛の一人。背が高く鼻が長いのが特徴。

仙人・道士

雷震子 (らいしんし)
宝貝:天騒翼(てんそうよく)
幼少の頃、姫昌に拾われた百人目の子供。唯一仙人骨があるということで、変人(スプーキー)のあだ名を持つ崑崙山脈の仙人・雲中子の弟子になったが、彼の改造により、黒い肌になり雷と風を発生させる翼状の宝貝・天騒翼を背中に生やした体となってしまう。その力を持って雲中子の横暴から逃れることに成功し、父親の元に帰ろうとしたが、姿形のことを気にし、せめて名を挙げてからと義賊働きをしている最中に太公望と戦い、敗れる。それを機会に盗賊団を解散、崑崙山で修行したのち殷周革命に参加。翼が改造により巨大化したり敵に捥がれたり6枚になったりと忙しいが、その割には作中ではあまり活躍の場がない。終盤近くでは出番が比較的多く出る。
西岐で多少育てられた後に雲中子によって引き取られ、姫昌の死に目にすら会えなかった。
アニメ版では姫昌が四大諸侯の宴に向かう道中で拾われ、その直後白鶴童子によって仙人界に連れて行かれるという経緯だった。姫昌との縁を重要視され、拾われる場面から朝歌脱出直後の再会、そして姫昌の死を看取るなどが丁寧に描かれ、大幅に出番が増やされている(また、天騒翼も結構気に入っているようである)。駄洒落を連発する等若干コメディーリリーフ的な役割をする事もあった。担当声優の所為もあって「水系は電気に弱いと昔から相場が決まってる」とのパロディ的なセリフもあった。
黄天化 (こうてんか)
宝貝: 莫邪の宝剣(ばくやのほうけん)、鑚心釘(さんしんてい)、火竜鏢(かりゅうひょう)、莫邪の宝剣II(ばくやのほうけんツー)
崑崙山の道士で黄飛虎の次男。十二仙の清虚道徳真君に非常に荒っぽいスカウトを受け道士になった。殷に造反し追手に追われる父を助けに現れる。父親譲りのまっすぐな根性と戦闘力、そして母親譲りの黒髪の持ち主。一人称が俺っちで語尾が沖縄弁のような「〜さ」、喫煙家なのが特徴。ライトセーバー状の宝貝・莫邪の宝剣を主な武器とし、後に四聖戦で炎を放出するブーメラン型宝貝・火竜鏢、小型の宝剣・鑚心釘を手に入れ、最終的には柄の両側に刃が伸びる莫邪の宝剣IIと莫邪の宝剣の二刀流を使うようになる。接近戦には絶対の自信を持ち、戦士としての気質が高すぎるために非常に負けず嫌い。趙公明配下の妖怪仙人(余化)に呪いの傷をつけられ、結果それが間接的に彼の命を縮めることとなる。その後禁城にて母の仇(紂王)と一騎打ちをしこれを破り、戦線から退くことを決意するが、その直後名も無き一般兵に虚をつかれ、背後から刺され封神された

アニメ版では生き残っており、煙草が岩鬼正美ばりの小枝に変更されている。
土行孫(どこうそん)
宝貝:土竜爪(どりゅうそう)
崑崙十二仙の一人・懼留孫の弟子。根っからの女好き。男らしい性格だが、モグラのような体型のため一度もモテたことがなかった。蝉玉に一方的に一目惚れされたことから、蝉玉・九公の鄧親子を周側に引き入れる役割を引き受ける。以降蝉玉にずっと付きまとわれる。本人は竜吉公主や碧雲のようなタイプの女性が好みらしいが、蝉玉を本心から嫌がっている様子ではない。姫発や天化とは結構気が合う。地中に潜ることができ、指部をミサイルとして飛ばす事も出来る宝貝・土竜爪を持つ。後に蝉玉と結婚させられた。
鄧蝉玉(とうせんぎょく)
宝貝:五光石(ごこうせき)
元は金鰲出身の道士で殷の聞仲から周に派遣された自他共に認める美少女スパイ。崑崙から太公望の助っ人に来た土行孫に惚れ、結果父(鄧九公)と共に周側に寝返ることとなった。思い込みが激しく、一途で明るい性格。カバやカピバラのようなフェイスラインに弱いらしく、四不象とも仲が良く、土行孫をハニーと呼んで慕っている。鳥型宝貝を操る道士にストーカー被害に遭って以来大の鳥嫌いになる。投げると必ず当たる上にくどくて濃ゆい顔になる効果を持つ宝貝・五光石を持つが、彼女に合わせてリミッターで出力を1/5に抑えられていた。リミッター解除後は能力と破壊力を増し、五段分身魔球も可能になる。登場してから暫くは準ヒロイン的な扱いをされていたが、仙界大戦以降、何故か急激に地味な扱いに。最終的には土行孫と半ば無理矢理結婚する。
妲己に負けず劣らずのかなりセクシーな衣装が多いが、一部の戦闘服がテイルズ オブ デスティニーのヒロイン(ルーティ・カトレット)と似ている。封神の書では陳桐の左隣に書かれていた。
名前の表記は安能版の誤記とされる玉になっているが、本来は玉である。
李靖(りせい)
宝貝:玲瓏塔(れいろうとう)
哪・金・木の父親で、陳塘関の総兵官。かつては崑崙山の度厄真人の元で修行していた道士。妻(殷氏)が建てた哪の墓を暴き、本体の霊珠を河に捨てたため、哪に恨まれている。本人も彼を嫌っているが、根本的には完全に互いを忌み嫌ってはいない様子。夫婦仲はいい。最初は宝貝を持っていなかったが、後に怨念パワーで敵の自由を奪い呪い殺す宝貝・玲瓏塔を授かる。それなりに強くも見えるが、呪いが哪に効く事はなかった。最終的には人間界に戻り、妻と暮らしているようだ。
崇黒虎(すうこくこ)
崑崙出身の若い道士。北伯侯・崇候虎の弟。兄(崇侯虎)が妲己に捕らわれていたため殷を裏切れずにいたが、姫昌の説得により周側の味方になる。宝貝は持たないが崑崙で武術は仕込まれており、また全ての鳥を統べる霊獣・神鷹を引き連れて鳥を操る。妙に悟ったような話し方で、かなりマイペースな性格。
アニメ版では姫昌の暗殺を企むなど、少々過激な性格になっていた。

人間

紂王(ちゅうおう)
殷王朝の第30代王(メディアによって皇帝という表現もされるが、本来秦の始皇帝以前にはありえない位・称号)。文武共に優れた賢君であったが、女癖が悪いという欠点を妲己に突かれ、以来ふぬけた昏君(フンチュン)になってしまい、以後妲己に操られたまま悪政を続け民を苦しめる。
妲己の改造により、殷の初代王・湯王が歴史の道標に授けられた「殷王家の力」を引き出されており、容姿は年齢に見合わない若々しさを保っている。また、改造中の段階でも天然道士の黄飛虎に勝つほどの武力を持ち、完成に近づくに従い四聖を圧倒して葬り去るほどの力を得たが、それに比例して人としての心は失われてしまう。
改造が完成をみた牧野の戦いでは、最初は子供の姿で登場。あらゆる攻撃に耐え、自らの意思で体を自在に強化するという「殷王家の力」の全貌を見せ、凄まじい強さで楊戩ら崑崙の道士たちを圧倒した。しかし、戦いの途中で妲己が離れたために誘惑の術が解けて理性を取り戻し、完全に怪物と化した己の姿と怯える殷の兵士たちに気付く。そして自分にはもはや王の資格が無いと悟り、戦意を喪失。改造で得た力も失い、城へ戻って周軍に城を明け渡す。
単に妲己の誘惑の術に掛かっていただけと思いきや、術が解けてなお想いは消えず、最期まで彼女を思いながら殷の民の目前で武王の剣に討たれ、封神された。作中である意味一番不幸な目にあったキャラ。
原作における紂王も仙人を圧倒する力を持つ人物と描かれているが、人間にしてなぜそのような力を持つのかという理由については言及されていない。前述の「殷王家の力」は藤崎による解釈ないし補完であると思われる。
殷郊(いんこう アニメ版ではインチャオ)
宝貝:番天印(ばんてんいん)
紂王の第一子。殷の皇太子。母(姜妃)が自殺をしたのち立場が危うくなり、朝歌脱出を試みるが、護衛を名乗っていた方弼・方相が実は追っ手だったことが判明し、窮地に陥るところを、太公望に助けられる。民と父親を見捨ててきたことを申公豹に激しく責められるが、元始天尊が仲裁に入り、仙人界で広成子の弟子として修行する。それ以降も申公豹の言葉が頭から離れず、下山後、殷の王太子として太公望らと敵対する道を選択する。太公望との戦いの最中、弟を討ってしまったことに錯乱しその隙を突かれて太公望により封神される。
アニメ版では黄飛虎と決闘を演じ、悲しい最期を遂げた。
殷洪(いんこう アニメ版ではインホン)
宝貝:陰陽鏡(おんみょうきょう)
紂王の第二子。殷郊の弟。兄同様に太公望に助けられ、仙人界に入った。赤精子の弟子。妲己を倒し父を救うことで崑崙への義理と民への責任を果たそうと考えている

。崑崙を裏切った兄を説得するが、太公望と兄の戦いの最中、兄の攻撃から太公望をかばって封神される。

アニメでは漫画では使わなかった陰陽鏡も披露し、胡喜媚を撃退する大活躍を見せるも、妲己には通用しなかった。
姜妃(きょうひ)
姜桓楚の娘で殷郊・殷洪の母。元は紂王の第一王妃であったが、妲己にその座を奪われる。その後、牢獄に入れられ自害、その魂魄は封神台に飛んだ。
アニメ版ではデザインが一新され、扱いも大きく変わった。
梅伯(ばいはく)
殷の上大夫。乱れる国を憂い紂王を昏君と諫言するが、処刑される。
商容(しょうよう)
聞仲が呼び戻した政治のエキスパート。
原作では非常に出番が多いが、漫画版では数えるほどしか登場しない。
比干(ひかん)
聞仲が呼び戻した政治のエキスパート。
朱氏(しゅし)
約300年前、まだ道士となる前の聞仲と共に殷の将軍となった女性。その後、当時の王に気に入られ第二王妃となるが、当時の殷は弱く度々他国(羌族)に攻め入られていてその戦争のさなか命を落とす。絶命間際、自分の子を聞仲に託した。

仙人・道士

聞仲(ぶんちゅう)
宝貝:禁鞭(きんべん)
金鰲島出身の道士であり殷王朝の太師(軍師)。金鰲三強の一人。元は仙人骨を持たなかったが、自分の体を虐めるほどにとてつもない修行を繰り返し、腐り掛けるほど肉体を酷使し続けたところ仙人骨が生まれ、通天教主の目に留まり仙人の修行を積むことになった。300年以上前から殷に忠誠を誓ってきた為、殷を害する者には容赦が無い。「殷に害となる」と判断すれば、自分を育ててくれた金鰲列島でさえも滅ぼす。そしてその忠誠心は、いつしか狂気に変わる。人間には宝貝を使用しない主義だが、太公望ら崑崙の仙道にははっきりと敵対感情を示している。半径数キロ以内の敵を打ち据えるスーパー宝貝・禁鞭を持ち、緊急時には宝貝合金以上の硬度を誇るシェルターになって聞仲を守る霊獣・黒麒麟に跨る。仙界大戦にてたった一人で十二仙を次々と撃破し、太公望らを圧倒するが、黄飛虎の封神後自分が本当に取り戻したかったものを思い出し、太公望に人間界を託し自ら崖に身を投げて封神される道を選んだ。
仙界大戦の最終局面では「私が本気を出した以上…仙人界は今日滅亡する!!」という鮮烈なセリフと共に、その言葉通り崑崙最強である十二仙たちをたった一人で全滅まで追い込んだ。
アニメ版では生き残り、最終決戦で太公望と共闘。その後は陰ながら新しい世界を見守る事に決め、黒麒麟と共に去っていった。
張奎(ちょうけい)
宝貝:土竜爪(どりゅうそう)、禁鞭(きんべん)
聞仲の腹心の部下である道士で、メンチ城の守備にあたる。聞仲を誰よりも尊敬している。崑崙版と形は似ているがより高性能で土を自在に操る宝貝・土竜爪を持ち、妻(高蘭英)と俊足の鳥型霊獣・烏煙と行動を共にしている。メンチ城で進軍してきた周軍および崑崙道士と交戦するが、太公望に封神台で聞仲の魂魄と引き合わされ、聞仲に諭されたことで殷陣営から離脱した。後に聞仲の禁鞭を受け継ぎ、太公望らとともに決戦に臨む。聞仲が認めるほど実力は確かで土竜爪の能力と妻と烏煙の連携で崑崙側の道士を一気に足止め、特に実力の高い哪吒、楊戩、黄天化の3人とも互角に立ち回っている。元々金鰲島出身の道士であったため、最終的には妖怪達をまとめ上げる代表者となる。
高蘭英(こうらんえい)
宝貝:太陽針(たいようしん)
張奎の妻で道士。ハリウッド女優のようなセクシーな容姿。見かけに寄らず、夫には献身的で、太公望にもある種の敬意を抱いていた。多数の針を敵に刺し体を麻痺させる宝貝・太陽針を持つ。
陳桐(ちんとう)
宝貝:火竜鏢(かりゅうひょう)
妲己の配下で原型が蟷螂の妖怪仙人。宴会用の塔の建設の労働力として人狩りを妲己から命じられ、軍を率い近くの異民族の村を襲うが村人の安全を確保した太公望に妨害を受ける。そのため半妖態となり太公望と戦うが、火竜鏢を使いこなせていないことを見破られ、自身の周囲に炎が襲い進退窮まり太公望を道連れにしようとするが、打風刃を受け原型に戻る。そして人狩りをしたことは許されないと踏まれ封神される。(アニメ版では自らの炎でそのまま燃え尽きた。)封神第一号だが、彼は妲己麾下でも上位に入る実力者であり、その封神は妲己・王貴人を驚愕させた。
方弼(ほうひつ)、方相(ほうそう)
原型が巨岩の妖怪仙人。兄の方弼のほうが色白で、弟の方相のほうが色黒。妲己の誘惑の術で操られ殷から逃亡した太子の殷郊・殷洪を追いかけ、さらにはそれを餌として太公望の殺害を命じられる。宝貝は持たないが岩をも砕くパワーで太公望に襲い掛かる。熱疲労を起こされ万事休すとなるが両太子に救われ、誘惑の術も解けた。その後は臨潼関で石屋を営み、人間として暮らしている。
高丙(こうへい)
宝貝:蕩魔杵(とうましょ)
殷を離れた黄飛虎らに妲己が放った三人組の一人。原型はパンダ(?)。臨潼関門前で黄飛虎に襲い掛かるが一撃で封神される。アニメ版では少し見せ場が追加された。
黄倉(こうそう)
宝貝:名称不明(槍状の宝貝)
殷を離れた黄飛虎らに妲己が放った三人組のリーダー格。臨潼関・総兵の張鳳を殺害し黄飛虎らを待ち受ける。黄飛虎の父を人質としていたが、黄天化に両断され封神される。
アニメ版では張鳳は太公望に感銘して難民を護衛していた為、存命している。人質にしていたのは殷郊・殷洪兄弟。
呂能(りょのう)
殷を離れた黄飛虎らに妲己が放った三人組の一人。黄飛虎の父を人質として降伏を迫るが、現れた黄天化に瞬殺され封神される。
張桂芳(ちょうけいほう)
宝貝:叫名棍(きゅうめいこん)
聞仲の命令で黄一族を追ってきた道士。青竜関・総兵。黄一族(アニメ版では黄飛虎、天化、雷震子、殷郊・殷洪兄弟、楊戩)、太公望、四不象の動きを止め風林に捕獲させるが、元々神経系の攻撃が効かない哪吒に風林が封神されたため形勢が逆転、哪吒の核を取り出そうと動いたところを黄天化に瞬殺され封神される。
風林(ふうりん)
宝貝:紅珠(こうじゅ)
張桂芳配下の道士。黄一族(アニメ版では黄飛虎、天化、雷震子、殷郊・殷洪兄弟、楊戩)、太公望、四不象、哪吒を捕獲するが、哪吒に紅珠もろとも破壊され封神される。
周保(しゅうほう)
妲己の配下。妖怪仙人と思われる。酒池肉林を諌めた姜桓楚、鄂崇禹を殺害した二人の男の一人。

仙人界

崑崙山脈

三大仙人の一人、元始天尊を教主として、太公望をはじめ多くの仙人や道士たちを養成している。総本山(崑崙山)の他の山々があり、仙人や道士がそこに住み着いて修行を行っている。主に人間の仙人が生活する場所。妖怪仙人も全くいない訳ではない。

元始天尊(げんしてんそん)
宝貝:盤古旛(ばんこはん)、飛来椅(ひらいい)、千里眼(せんりがん)、封神台(ほうしんだい)、ニセ禁鞭(にせきんべん)
崑崙山の教主で三大仙人の一人。太公望の師。封神計画を立案し太公望に実行させた張本人。普段は何もせず怠けているように見られるが、封神台を機能させていたり、千里眼によって人間界を監視している。重力を操ることが出来るスーパー宝貝・盤古旛を有する実力者であるが、先述のように封神台を常に起動させているがために、無理をしても千倍が最高だった。弟子の太公望に劣らずの策略家でもあり、結果として聞仲との一騎打ちで負けたこと以外は全て想定内のことだった。
女媧の思い通りに歴史を操られていることを極端に嫌い、真意を隠したまま自らの筋書き通りに計画を進める。最終的に教主を引退、神界の管理人となる。
白鶴童子(はくつるどうじ)
元始天尊の弟子。鶴の姿をした妖蘖。おだやかな性格。弟子ではあるものの、元始天尊のお使いなどをしていることが多いため、どちらかといえば付き人のような役回り。太公望と仲が良く、登場する崑崙の仙道とは大抵顔見知りである。白鶴の舞という体術を会得しているらしい。
竜吉公主(りゅうきつこうしゅ)
宝貝:霧露乾坤網(むろけんこんもう)、盤古旛(ばんこはん)
崑崙最強の力を持つ美仙女。燃燈道人の異母姉。仙人を両親に持つ純血種

なため仙人界の清らかな空気の中でしか生きられない。実力は妲己、聞仲に匹敵すると言われたが、ダメージを受け続ける地上では評価が下がる。水を操る攻防一体の宝貝・霧露乾坤網を持ち、後に元始天尊の盤古旛を受け継ぐが、地上の空気によるダメージと盤古旛による負担から一度も使う事なく戦闘不能になってしまう。その前に自分の死を予感している発言をしていたが、後の居住地となった蓬莱島の環境が良かったためか、一命は取り留めた模様。

燃燈道人(ねんとうどうじん)
宝貝:飛焔剣(ひえんけん)、盤古旛(ばんこはん)
かつて崑崙十二仙のリーダー的存在だった大仙人。女媧の目から逃れ行動するために、元始天尊と袂を分かつ三日三晩に及ぶ死闘を演じて、崑崙十二仙すら欺き姿を消していた。竜吉公主の異母弟で、彼女を熱烈に敬愛している(周囲はシスコン扱い)。性格は冷酷な言動が目立った原作版とは正反対の熱血漢。当時の仙人界では廃れていたはずのを使いこなし、それ(楊戩曰く只の気合)をもって敵を倒したり、宝貝の攻撃を素手で受け止めたり、仲間を回復したりと、妲己も唖然とするほどの凄まじい実力の持ち主。竜吉公主から盤古旛を受け継ぎ、元始天尊を上回る万倍の重力を発揮する(最終決戦での表記は万古幡)。外見は藤崎が手掛けたWS版ゲームの主人公のデザインを色違いにしたもので、デザインが好評であったため漫画でも流用されることになった。
雲中子(うんちゅうし)
崑崙の仙人で雷震子の師。生物学が得意(医学も得意な模様)。通称・変人(スプーキー)で危険な実験や奇妙な生物を好む。雷震子に対しての師弟愛は皆無に等しく、モルモット同然に扱っている。原作では妲己とも対峙し、聞仲を難なく倒した高位の仙人だが、本作で戦闘したことは一切無く、そういうタイプでない。
韋護(いご)
宝貝:降魔杵(ごうましょ)
崑崙十二仙の一人道行天尊の弟子。仙人界に入ってまだ日が浅い。オヤジ臭いダジャレや酒が好き。見た目より中身を重視するタイプ。敏感肌で感覚が鋭く、それを頼りに戦う。基本は丸い棍棒だが、変形すると切れ味の鋭い武器(変形前よりはるかに見た目が良い)になる宝貝・降魔杵を持つ。現金主義、すぐに怠けるなど、やや太公望に近い一面を持つ。ちなみに金光聖母らと戦ったときのMAXのHPは80000である。
赤雲 (せきうん)、碧雲(へきうん)
竜吉公主の二人の弟子。容姿が似ている。赤雲は姉弟子で碧雲は妹弟子である。碧雲は以前、落石事故に巻き込まれたところを土行孫と楊戩に救われた。碧雲は土行孫に好かれているも、当の本人は楊戩に好意を寄せている。尚、土行孫の感情は楊戩の変身によってよく利用されている。
金(きんたく)、木(もくたく)
宝貝:遁竜椿(とんりゅうとう)、呉鉤剣(ごこうけん)
哪の兄たち。長男の金と次男の木。文殊広法天尊の弟子・金は三つの輪で敵を締め上げる宝貝・遁竜椿、普賢真人の弟子・木は二つ一組の剣の形をした宝貝・呉鉤剣を持つ。
黒鶴童子(こくつるどうじ)
白鶴童子のライバルの妖孽。名前の通り見た目は黒い白鶴童子の上、性格も逆らしく元始天尊をジジイ呼ばわりする。元始天尊と燃燈道人の間でメッセンジャーの役割を果たしていたようだ。
柏鑑(はくかん)
封神台のメンテナンスをする亀の妖怪仙人。聞仲に会いに来た太公望と張奎を案内した。亀だけに歩くのはとてものろい。
崑崙十二仙
崑崙山の多くの仙道の中でも元始天尊の直系の弟子が、晴れて仙人なったエリート仙人の集まり。全員が戦闘に長けた者ではなく、様々な能力のエキスパートが集まっている。崑崙山の仙道達を束ね、監督・指導を行い、元始天尊を補佐する。格は太公望と同等。仙界大戦の折、太乙真人と道行天尊を除く10名が封神される。
太乙真人 (たいいつしんじん)
宝貝:九竜神火罩(きゅうりゅうしんかとう)、金磚(きんせん)、火尖鎗(かせんそう)
崑崙の幹部十二仙の一人。哪の生みの親で師匠。自他共に認める科学オタク。高所恐怖症で目立ちたがり屋な性格。頻繁にカメラ目線をする。太公望曰く親バカ。仙人界最硬の捕獲専用宝貝・九竜神火罩を持つ。宝貝の開発と研究が得意でその能力の高さから十二仙入りしている。戦闘は苦手だが、黄巾力士さばきはかなりの腕前。
アニメ版では封神計画の実行者候補に挙がっていたほどの実力の持ち主。登場早々墜落させており、さらに出番自体もやたら少ないチョイ役扱いだった。
玉鼎真人 (ぎょくていしんじん)
宝貝:斬仙剣(ざんせんけん)
十二仙の一人。楊戩の師であり、また彼が崑崙に預けられた幼い頃から面倒を見てきた父親代わりの存在。弟子の楊戩に超えられたが、その実力は十二仙の中でもトップクラス。理知的で落ち着いた性格でボケ、ツッコミとも真顔。居合の達人で音速で敵を切る宝貝・斬仙剣を持つ。金鰲島に単身で侵入した楊戩を王天君の宝貝・紅水陣から自らの命と引き換えに救出し、太公望に後を託した後封神された。
清虚道徳真君(せいきょどうとくしんくん)
宝貝:莫邪の宝剣II(ばくやのほうけん・ツー)
十二仙の一人。黄天化の師。スポーツ精神に長けた熱血で体育会系の仙人。スキーウェアやスノーボードウェアのような服装をしている。趣味は筋トレ。武吉をスカウトしようとした事も。ダース・モールが振るうような、柄の上下から光の刃を出すライトセーバー状の宝貝「莫邪の宝剣II」を持つ。自らの宝貝・莫邪の宝剣IIを黄天化に渡すよう楊戩に預け聞仲へ特攻、封神された。登場する時は大抵背景にスポーツと書かれている。
普賢真人(ふげんしんじん)
宝貝:太極符印(たいきょくふいん)
十二仙の一人。九宮山・白鶴洞の主。木の師。物理学が得意な仙人。同期で仙界入りした太公望とは幼馴染であり、良き理解者である。頭の上に天使の様な輪を持ち、争いを好まない平和主義者。例え敵であっても話し合いを求め、三度までは説得を試みる。仙人はなまぐさは食べられないにもかかわらず太公望に釣られる魚を哀れみ、太公望にまっすぐな縫い針を手渡した事もある。元素、重力などを操り、また敵の行動パターンを記憶するなど多機能なコンピューター宝貝・太極符印を持つ。聞仲との死闘の際、自ら囮となって自爆し封神されたが、後の伏義と女禍の戦いで伏義が絶体絶命のピンチの際、封神台から復活し、他の封神された崑崙の仙道達を率いて、真っ先に助けに入り、伏義となり、女禍との戦いで正気を無くしていた太公望に正気を取り戻させる。登場当初は耳にピアスをしているが、いつの間にか消えていた。
道行天尊(どうこうてんそん)
宝貝:万能包丁(ばんのうぼうちょう)
十二仙の一人。韋護の師。赤ん坊のような外見と言葉遣いだが怒ると性格と口調が変わる二重人格(本来の意味ではなく、単に二面性があるだけ)。複数の包丁を投げつけ攻撃する宝貝・万能包丁を持つ。仙界大戦の折他の十二仙達と共に聞仲に特攻を仕掛けようとしたが、鄧蝉玉に止められた為、太乙と共に封神を免れている。それからは蝉玉たちとのカラミが多くなった。
広成子(こうせいし)
宝貝:番天印(ばんてんいん)
十二仙の一人。殷郊の師。規律にうるさいミリタリーマニア。押印(ロックオン)した者を100%殺傷する宝貝・番天印を持つ。聞仲との死闘により封神された。一人称は「小官」。
赤精子(せきせいし)
宝貝:陰陽鏡(おんみょうきょう)
十二仙の一人。殷洪の師。刃物好きの仙人。皮肉屋。複数の鏡から光を発射する宝貝・陰陽鏡を持つ。聞仲との死闘により封神された。宝貝のことをパーペーと呼んだことがある。
霊宝大法師(れいほうだいほうし)
宝貝:落魂鐘(らっこんしょう)
十二仙の一人。他の仙人と比べてもかなりの年寄り。鐘の形をした宝貝・落魂鐘を持つ。聞仲との死闘により封神された。
懼留孫(くりゅうそん)
宝貝:梱仙縄(こんせんじょう)
十二仙の一人。土行孫の師。霊宝大法師と同じく、かなりの年寄り。頭から複数の縄を出し攻撃する宝貝・梱仙縄を持つ。聞仲との死闘により封神された。
文殊広法天尊(もんじゅこうほうてんそん)
宝貝:瑠璃瓶(るりへい)
十二仙の一人。金の師。メガネで無精ヒゲを生やし、家庭内害虫を連想させる服装をしている。「死ネ」と書かれた砲弾を発射するバズーカ状の宝貝・瑠璃瓶を持つ。聞仲との死闘により封神された。
黄竜真人(こうりゅうしんじん)
宝貝:不明
十二仙の一人。色黒。巨大なナイフの形をした宝貝を持つが名称は不明。接近戦が得意らしい。聞仲との死闘により封神された。キャラクターブック・封神大全では慈航道人と取り違えられている。
慈航道人(じこうどうじん)
宝貝:不明
十二仙の一人。ガラが悪い。右腕から炎を出す宝貝を持つが名称は不明。接近戦が得意らしい。聞仲との死闘により封神された。キャラクターブック・封神大全では黄竜真人と取り違えられている。

金鰲島

主に妖怪仙人が生活している場所。人間の道士もいる。

通天教主(つうてんきょうしゅ)
宝貝:六魂旛(りくこんはん)
金鰲島の教主で三大仙人の一人。魔法使いサリーのパパを思わせる容姿でドラキュラ伯爵を思わせる衣装。包み込んだものを魂魄さえ残さず消滅させるマント状のスーパー宝貝「六魂旛」を身に纏い、名称不明の巨剣を振るう。妖怪の頂点に立つ存在ではあるが、崑崙山との友好関係につとめるなど穏健派で、封神計画にも関わっている。
200年前に弟子であった妲己が離反し、彼女の裏にいる存在に脅威を感じた彼は、一人息子(楊戩)を妲己から保護するため元始天尊に預け、その一番弟子(王奕)を引き取る形で崑崙と不可侵条約を結ぶ。聞仲が人界に下りた20年の間に妲己と王天君により心を奪われ抜け殻にされてしまう。仙界大戦の折、王天君の命令で楊戩と戦い圧倒的戦闘力を見せるが楊戩の呼びかけに反応し、心の葛藤を刺激されて暴走した。王天君をも巻き添えにしたが、六魂旛を使って息子を守り、最期は彼に看取られながら封神される。
高覚(こうかく)
蓬莱島で妲己が主催する大宝貝大会の一番手。女媧の力を受けている植物系の妖怪。巨大な蔓で張奎を地中に引きずり込むが、新たな主として認められた張奎の禁鞭を受け封神される。
馬善(ばぜん)
蓬莱島で妲己が主催する大宝貝大会の二番手。女媧の力を受けている流体系の妖怪。実体はガスのため直接攻撃は効かない体をしているが、楊戩の六魂旛により魂もろとも消滅する。封神という最期さえ迎えなかった。
烏文化(うぶんか)
蓬莱島で妲己が主催する大宝貝大会の三番手・・・であったが、乱入してきた王貴人の琵琶の弦で切り裂かれ封神される。頭に、寄生されると花を咲かせるためだけに破壊活動を行うようになる祈願花がついており、彼が封神される直前、花が咲いた。
袁洪(えんこう)、朱子真(しゅししん)、常旲(日+大)(じょうこう)
蓬莱島で妲己が主催する大宝貝大会で消化試合のため燃燈道人と三対一で戦った妖怪。全員女媧の力を受けているためか翼がある。燃燈道人の術(楊戩いわく気合)で消滅。この三人は、没案になった「梅山の七怪」の設定を流用したものである。
九竜島の四聖(くりゅうとうのしせい)
王魔、李興覇、楊森、高友乾による戦いのプロ4人組。聞仲を敬い、彼、又はその代理たる黒麒麟(彼らはこの霊獣に敬語を使っている)の命に従う。聞仲と共に妲己三姉妹を撃退するなどの経歴を持つ実力者だが、「失われた殷王家の力」によって化け物となった紂王によって封神された。
高友乾(こうゆうけん)
宝貝:混元珠(こんげんじゅ)
殷から離れた黄飛虎を抹殺するため聞仲が要請し来襲した。長髪の道士。西岐眼前で楊森と共に太公望、黄一族と交戦する。水を操作する力を持つ混元珠の使い手で接近戦では鎌状の武器、遠距離では津波を引き起こすなど水を自在に操り太公望たちを苦しめる。次第に押され始めたが聞仲の到来に救われる。その後、聞仲が留守の間、妲己の押さえとなるが紂王に封神された。
アニメ版では雷震子に混元珠を割られ、天化に斬られた。西岐では玩具屋の出店の主人として潜入していたが、子供に「おじさん」呼ばわりされてキレていた。
楊森(ようしん)
宝貝:劈地珠(へきちじゅ)
殷から離れた黄飛虎を抹殺するため聞仲が要請し来襲した。高友乾と共に西岐眼前で太公望、黄一族と交戦する。所有する劈地珠は大地の力を借り、それを操る能力を持ち、岩の楯を作って攻撃を防いだり、疲弊した高友乾の体力を回復するなど味方のサポートを主な役目としている。また、攻撃においては大地を隆起させるなど大規模攻撃がメインとなるが、小回りが利かないため接近戦はやや不向き。戦闘中、次第に押され始めたが聞仲の到来に救われる。その後、聞仲が留守の間、妲己の押さえとなるが紂王に封神された。
アニメ版では天化に斬られてそのまま封神されている。西岐では薬売りをしていた。
李興覇(りこうは)
宝貝:拌黄珠(ばんこうじゅ)
殷から離れた黄飛虎を抹殺するため聞仲が要請し来襲した。小柄な体格で長髪をポニーテールで結んでいる道士。所有する拌黄珠は一抱えほどもあるボール状の宝具で、空を飛ぶ乗り物となるほか、敵の攻撃を自動でかわし、光線を放って反撃するというもの。西岐付近の山岳地帯で哪{{Lang|zh-tw|