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将太の寿司/寺沢大介

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著者: 寺沢大介
巻数: 27巻

寺沢大介の新刊
将太の寿司の新刊

最新刊『将太の寿司 27


出版社: 講談社
シリーズ: KPC


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

PLDO1V9UjqKGOMP マンガ将太の寿司っぽい極意を言ってみた
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wsmaga_y 将太の寿司 (寺沢大介) 1992年37号 - 2000年34号、2000年44号、2008年19号 Yahoo!オークションで検索☞ http://t.co/wlDb4JE20P #ヤフオク #yauc #相互フォロー #少年マガジン
sstter_ 【完了】(55 res) 最強の料理漫画は「将太の寿司」に決定したが、異論ないか? http://t.co/DtFLZRfrbp

将太の寿司』(しょうたのすし)は、寺沢大介による日本の漫画作品(料理漫画)、およびそこから派生したドラマ・アニメ・小説作品。この項目では、直後に開始された続編『将太の寿司〜全国大会編〜』(しょうたのすし ぜんこくたいかいへん)についても扱う。

概要

将太の寿司』は1992年から1997年の『マガジンSPECIAL』および『週刊少年マガジン』(共に講談社)誌上で連載され、単行本が全27巻(文庫では全14巻)刊行されている。続編『将太の寿司〜全国大会編〜』も1997年より2000年まで同誌に連載され、こちらは単行本が全17巻(文庫では全8巻)刊行されている。

第1作『将太の寿司』は第20回講談社漫画賞少年部門を1996年に受賞するとともに、テレビドラマ・アニメ・小説など各種メディアでも展開された。

東京の名店「鳳寿司」で働く関口将太が、創意工夫を凝らした寿司によって新人寿司職人コンクールを勝ち進むというストーリーを主軸に、寿司によって人間関係を修復したり悪人を倒したりなどのエピソードが挿入される構成を基本としている。

『全国大会編』では、アニメ版『ミスター味っ子』ほどではないにせよ、寿司を食べた者の過剰なリアクションが散見された(審査員が想像の中で空を飛ぶなど)。

宮廷女官チャングムの誓いの原作者がこのマンガから料理勝負の着想を得たことでも知られている。

あらすじ

『将太の寿司』(『マガジンSPECIAL』連載)

『マガジンSPECIAL』に連載。巴寿司・小樽の面々・佐治やシンコなどの存在しないパイロット版である。 将太は東京出身で陸上に打ち込んでいたが高校を中退し寿司職人を目指す設定になっている。大政・親方も既婚であり妻子を持っているが後の連載版とは異なった家族構成になっている。単行本では1巻から2巻、文庫版では14巻に収録されている。

東京の名店「鳳寿司」の追い回し(雑用係)として働く関口将太と、彼を取り巻く職人たちのドラマを描いた短編・中編集となっている。最終エピソードである大政の寿司握りコンテスト出場から独立までの話には、今後の週刊連載での縦糸とる「寿司バトル漫画」の骨格がみられる。また初回から最終話までの中で、マグロ尽くしや魚の目利きが勝敗を左右するエピソード、手数の差を克服するエピソードなど後の週刊誌での連載の重要な役割を果たすアイディアも既に垣間見ることが出来る。

『将太の寿司』(『週刊少年マガジン』連載)

『週刊少年マガジン』に連載。舞台は北海道の小樽から始まる。主人公の関口将太の実家は「巴寿司」という寿司店を営んでいたが、巨大チェーン店の「笹寿司」による度重なる嫌がらせのせいで最低の材料しか手に入らず、店は廃れていた。将太は笹寿司の鼻をあかすために「寿司握りコンテスト」の出場を父親に提案するが、父親は笹寿司の手による海難事故で重傷を負い、コンテストに出場できなくなってしまう。代わってコンテストに出場した将太は、東京の名店「鳳寿司」の親方である鳳征五郎に職人としての心がけを認められ、一人前の寿司職人になるため単身東京へ向かう。

鳳寿司にて修行を続ける将太に、征五郎親方は「新人寿司職人コンクール」出場を勧める。先輩・佐治安人との出場権を賭けた四番勝負に将太は勝利し、佐治は「入りたての新人に負けたとあってはメンツが立たない」と言い残して鳳寿司を去っていった。

こうして新人寿司職人コンクールは幕を開ける。強敵たちとの戦いをくぐり抜ける最中、再び登場した佐治によって将太は、この大会が全国新人寿司職人コンクールの東京大会であったことを知らされる。

決勝戦・プレーオフと勝ち進み全国大会への切符を手に入れ、将太はついに鳳寿司のツケ場に立つことを許された。未だ見ぬ寿司職人との戦いを、そして京都代表・佐治安人との再戦の日を待ちながら、将太は寿司を握るのであった。

『将太の寿司〜全国大会編〜』

『将太の寿司』に引き続き、『週刊少年マガジン』に連載。全国大会に参加した将太を待ち受けていたのは、孤高のハイパー寿司職人・大年寺三郎太を始めとする圧倒的なライバル達、強化される勝負の課題、そして笹寿司の魔手であった。

笹寿司の一人息子・笹木剛志は、将太の行く先々に待ち受けて材料を買い占めるなどの妨害を行い、またコンクールの勝利と将太の破滅の為に「笹寿司四包丁」なる凄腕の職人たちをも雇っていた。

数々の苦境を跳ね返し、将太はより強靱な職人へと成長していく。

連載終了後の読み切り

韓国編

『週刊少年マガジン』2000年44号に掲載された読み切り作品。当初は『全国大会編』に組み込む予定であったが、諸事情により果たせなかった(全国大会決勝戦でその設定があったことが伺える)。『全国大会編』最終巻に掲載されている。

かつての悪事によって業績が悪化した笹寿司が奮起しようと韓国へ進出したものの結果が思わしくなく、最終回で将太と和解した笹木剛志がかつての宿敵だった将太に助けを求めたところ将太はそれに応じて韓国へ向かった。そこで雑用に不満を持つ新入り職人の泰志(テジ)と共に新しい食材を求めて奔走する。

創刊50周年特別編

『週刊少年マガジン』50周年特別企画として2008年19号に掲載された読み切り作品。連載終了から8年が経過しているため作画タッチが大幅に変化している。連載終了時点から3年後が舞台で、将太とその父の物語が描かれている。また、コンテストの観客の中に作者の別作品である『喰いタン』の高野聖也、並びに出水京子と思われる人物が描かれている。こちらは2009年現在、単行本などには収録されていない。

登場人物

カッコ内は異名/読み仮名(異名の無いキャラクターは読み仮名のみ)。

鳳寿司

関口将太(せきぐち しょうた)
北海道は小樽の寿司屋「巴寿司」の長男。怪我をした父親の代わりに寿司握りコンテストへ出場したのを切っ掛けとして家業を継ぐ決心を固め、中学卒業と同時に東京の名店「鳳寿司」へ修行に入る。鳳征五郎や父を非常に尊敬している。
「スポ根もの」に通じる、いわゆる努力の才能を持っており、技術や知識の習得に余念がなく、また負けず嫌いでもある。経験の浅さを創意工夫と努力で補うことを信条としており、食べる者への真心を込めた寿司は人の心を打つ。彼の中学の同級生からも慕われ、何度となく彼らに助けられている他、笹寿司の横暴に苦しむ人々にとって彼の存在は希望となっている。
全国大会編の終盤において18歳で優勝を果たし、鳳寿司での修行を終えて巴寿司へ錦を飾り、大団円を迎えた。
『全国大会編』の3年後を描いた2008年の読み切りでは、渡辺久美子と結婚しており、妊娠が告げられて父親になる予定。『全国大会編』最終話では和解した笹木との関係も北海道に進出する東京のチェーン寿司店の手口を「汚い」と評する彼に対し「お前が言うな」と的確なツッコミを入れている辺り、連載時の険悪な関係は感じられない。
小畑慎吾(シンコ/おばた しんご)
鳳寿司の追い回し(雑用係)で、将太よりは半年ぶん先輩。「コハダになっていない」という意味合いで、名前をもじって「シンコ」と先輩や将太からは呼ばれている(作中でシンコを下魚とみなすシーンがあるが、実際には超高級寿司ネタなので注意)連載の終盤では佐治からは普通に「慎吾」と呼ばれるようになった。。山口県の農家出身。
追い回しとしての仕事には手抜きがなく誠実だが、精神的に脆い面があるようで、失敗を気に病んで逃亡したことがある。将太の説得により鳳寿司に復帰した後は職人になるため一層の努力を行っており、その仕事に手抜きは一切ない。その仕事ぶりは征五郎に「ワシにとっては、上得意のお客様を失うよりも慎吾を失うことのほうが遥かに辛い」と言わしめるほどで『全国大会編』ではその成果を見ることができ、コンクールにも出場。1回戦を満点トップ通過するも2回戦で敗退した。連載の最終回ではその仕事が実を結んで、ツケ場に立った。
吾子飛男(あこ とびお)
将太の後に入ってきた鳳寿司の追い回し。素行不良で高校を中退し、母親からの要望で鳳寿司に入ってきた。甘やかされて育ったために当初は自分勝手でこらえ性がなく、ジャンクフード漬けで寿司の味が分からない、隠れて煙草を吸う、失敗にふて腐れて飲酒をするなど、問題の多い少年であったが、将太のフォローや叱咤によって真っすぐな性根を取り戻し「天下の鳳寿司のパシリ」を自認するようになる。『全国大会編』では将太の助手を務めることが多かった。
タレントとして芽が出ずにやさぐれていた先輩・北岡を「叩いて香りを立てた紫蘇の実と歯ごたえがよくなる様に切った刺身のツマ(大根)をシソの葉で巻いた」物を食わせて「努力すれば普段は大したことなくても直に芽が出る」と立証させて立ち直らせるなど、将太や大政からも「いい刺身のツマになった」と褒められるほどになった。最終回では佐治のマンツーマンの指導で魚の捌き方の特訓中の様相が見受けられた。
鳳征五郎(おおとり せいごろう)
当代の名人と言われた鳳寿司の親方。創業者ではなく婿入りして店を継いだ。話によって五代目だったり六代目だったりしている。妻は病弱のため店には出てこない。征五郎本人も身体の衰えによって既に一線を退いており、将太がツケ場に立ってからはほとんど寿司を握らなくなる。ただし、その握りは今なお岩崎民次が褒め称えるほどのもの。
『全国大会編』にて右手の痺れから白魚の尾を折ったことで引退を決意し、大政小政の独立に合わせて店を畳む予定だったが、鳳寿司に戻ってきた佐治を親方へ迎え入れたことにより安心して隠居生活を送る一方、岩崎民次の熱望により本人の後を継いで「全日本寿司協会会長」の職につく。
藤田政二(大政/ふじた せいじ)
親方に次ぐ年長の職人。「大政(おおまさ)」または「政(まさ)」と呼ばれている。作中ではあまり料理の腕を振るうシーンは無いが、その腕は確か(片手一回だけで鮨を握る「小手返し一手」も実は習得している)。鳳寿司で「盛り込み」(寿司の盛り合わせで、味はもちろん、全体的なバランスや色合いなどの美的感覚なども求められ、出来次第で「その店を表す」ともされている)の制作が許されているのは征五郎と彼だけである。体が大きく厳ついため怖く思われるが性格は温和そのもの(ツッコミは厳しい)で、苦境から子供を道連れに自殺を考えていた男を自身で作った鮭とイクラの親子丼に準えて鮭の親としての偉大さを語って自殺を止めたこともある。既婚で娘が1人いる。『全国大会編』の最終回にて「鳳寿司」の屋号を引き継ぎ下北沢で独立。
岡村秀政(小政/おかむら ひでまさ)
大政と並んで鳳寿司を支える職人。「小政(こまさ)」または「秀(ひで)」と呼ばれる。自身が参加していたコンクールの東京大会決勝ではかんぴょうを使った海苔巻きを締めに使って優勝した(審査員だけでなく、世間のかんぴょうの扱いに絶望してかんぴょう作りを止めると言っていた職人の心をも揺さぶった)。
第1部終盤にて雅子の財産目当てで近付いてきた高山信一郎と婚約の座を賭けて対決(この当時は婚約者のフリでしかなかったが)、オレンジを使った高山のサバ寿司に対し、雅子の父親が作る豆腐を使ったサバ寿司で勝利し、それをキッカケに雅子と付き合うようになる。
『全国大会編』の最終回にて雅子と結婚し、「鳳寿司」の屋号を引き継いで谷中の雅子の実家の隣に独立。
佐治安人(さじ あんと)
将太より5年先輩だがツケ場には入っておらず、材料の仕込みや米炊きを担当していた。
当初はかなりの自信家で将太のことが気に食わず、勝手の分からぬ将太にいきなり米炊きを命じて放置する、小樽からの将太への手紙を勝手に処分するなど、見下すように陰険な嫌がらせを繰り返すが、2年かけてアナゴのツメを作るなど人知れぬ努力もしていた。新人寿司職人コンクールの出場権を賭けて将太と激しい三番勝負を繰り広げるうちに、将太を一人の寿司職人として認めるようになり、敗北を契機に鳳寿司を去る。
その後は各地を放浪したのち(北海道で将太の父関口源治とも会っている)京都へ流れ着き、ここから改めて新人寿司職人コンクールへ出場。『全国大会編』の終盤からは、塩一粒の差異も見逃さぬ「絶対味覚」を習得し、将太の前へ再び立ちはだかる。
実家は千葉で海苔の生産業を営んでおり、既に死亡した父・重人(なお、叔父の高人がいる)とは母の死をきっかけに絶縁したままであったが、勝負をきっかけに父を理解する。『全国大会編』では切島傀の妨害でアサクサノリが使用不能になった際、海岸に漂着したアサクサノリを絶対味覚で選び分けて精製したこともある。
コンクール終了後は、征五郎や職人達の強い要望により鳳寿司に復帰、親方となる。
その激しい性格から、慎吾によると「サージェント(軍曹)」の綽名を持つが、初登場時の紹介以外では、ごく小さいコマにて一度しか使われておらず、それ以降は専ら「安(ヤス)」と呼ばれている。
名前の表記に揺れが多く、単行本初版では「やすと」だったり「あんと」だったりと一定していなかった。
富山雅子(とみやま まさこ)
配膳係の女性。はっきりと物を言う気っ風のいい性格をしている。
実家は谷中にある老舗の豆腐料理屋。第1部の終盤にて実家の財産目当てで近付いてきた高山信一郎との婚約を父親に迫られ、断る口実を作る為に小政を引き合いに出した。
小政の高山との寿司対決勝利後、互いに妙な雰囲気になって付き合うようになったとのことで、『全国大会編』の最終回では小政と結婚し、その実家の隣で寿司屋を開業することになる。

『将太の寿司』の寿司職人たち

清川流也(きよかわ りゅうや)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場した「牛若丸」の異名を持つ寿司職人。名店「寿司玄」の店主で「愛宕の大天狗」と呼ばれる父・参次郎から5歳の頃からスパルタ指導を受け、10歳でツケ場に立ち、大会参加時にはベテラン職人の小政でさえ「化け物」と呼ぶほど凄腕の職人になっていた。性格は「天狗」と呼ばれる父に似て傲慢でエリート意識が強く、自分の作った寿司の味は凡人には分からないと考えている。
流也の父の参治朗はかつて鳳寿司で働いており、征五郎の兄弟子だった。しかし先代の親方は傲慢な参治朗ではなく征五郎を跡継ぎに選んだ。参治朗は征五郎を恨んで、30年以上も鳳寿司にたび重なる嫌がらせをしてきた。息子の流也も父の憎しみを受け継いでおり、対決が始まる前は将太を完全に見下していた。
将太とは新人コンクール2回戦・早握り勝負で対決。普通の職人は寿司を5手で握るが、流也は長年の修行で体得した「小手返し」という技を使って3手で握る。その為、早握り勝負では流也が圧倒的に有利かと思われたが、新たな技「たて返し」を会得した将太は流也と互角の勝負を行う。結果、数ではわずかに流也が上回ったが、味では早握りの中でも寿司を握る際の基本を守った将太が勝っており、流也は敗北した。敗れた流也を参治郎は罵倒と共に激しく打ち据え、自分達の親子関係の醜さを晒した。
将太達の前に敵として現れてからの勝負後に改心した様子が見られなかった、作中では稀有なキャラクターでもあるこのようなキャラクターは他には高山信一郎、武市半平、加藤以蔵しかいない(もっとも、武市、加藤はさほどの悪人には描かれていない)。また、将太と直接対決した中では唯一である。
下山鉄雄(しもやま てつお)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している将太と同年代の母親思いの職人で「芝浜鮨」にて修行。物心付く頃から父親の漁船でエビに触れるようになり、父親が他界してからは海女をしている母親を助けるべくエビの勉強をしていた(彼のその生い立ちに将太は彼も自分と同じだと涙した)。その結果、エビの見立てと扱いに関しては百目の辰も一目置くほどのエビ名人となった。中学卒業と共に海女を続けて心臓が弱くなった母親を楽にさせてあげたいと、生活の為に得た知識を生かせる寿司職人を目指して、芝浜鮨で修行を始めた。
将太と勝負する前はエビについて気楽に考えて、質の落ちたエビばかりを選んでいた将太を叱咤した。将太との勝負で使ったクルマエビとボタンエビは共に母親から送られてきたものである。
将太との勝負に敗れた後は母親のために寿司職人を辞める決意を固めていたが、応援に駆けつけた母親の説得により思い留まった。
『全国大会編』の終盤でも登場し、母親と一緒に「鮨しもやま」を経営している。
紺屋碧悟(こうや へきご)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している、高級寿司割烹「碧寿司(みどりずし)」の2代目店主兼寿司職人。
父親義郎は技術と共に人間性に優れていたが、息子の碧悟は幼い頃から甘やかされて育った為に手に負えないくらいワガママになり、その結果、天才的な技術と欲求の為には手段を選ばない上に負かした相手をも徹底的に罵倒する高慢な心を持つ職人になった(小学生時代、自分より足が速かったというだけで同級生を階段から突き落としたことすらあった)。
コンクールではその技術を(恫喝混じりに)見せつけることで相手を棄権負けに追い込み、将太との勝負ではテーマの「光りもの」を築地中から買い占め、さらに将太達が苦労して取って来た黄金のサバが入っている冷蔵庫のコンセントを抜いて腐らせようとした。自身は鯛の子供カスゴを使った姿寿司で挑むも材料の良さと自身のテクニックによる自惚れにより敗北(碧寿司の常連である五十嵐大臣によると、“今の碧悟は親の七光りをまとっている未熟なカスゴでしかない”と評した)、さらにそれに激高して自身の悪事を思わず白状してしまった為に寿司協会から追放され、結果、碧寿司を廃業することとなった。
その後は日本料理界に身を置き(ここでも先輩職人が気に食わずに、車で大怪我させた)、武藤鶴栄の力を借りて料理番組で将太と対決。その際にも自ら指定したテーマの「サンマ」を築地中から買い占め、番組の打ち合わせを騙って、部下の黒スーツの男(二人いる。片方はサングラスを掛け、もう片方を「牧さん」と呼んだ)に将太を自身の車に乗せてドアで左手を挟んで怪我をさせ、さらに一般審査員を金で買収した。しかしながらサンマを自分で取る、右手だけで寿司を握ると言った将太の頑張りに黒スーツの男達は心を揺さぶられ、インチキの採点(3人の審査員は全て将太の寿司にポイントを入れていた)で碧悟が勝利した後に彼が働いた悪事の全てを白状した。その結果、日本料理界からも追放されるハメになった。
『全国大会編』にもわずかに登場し、ここでは高いプライドと上記の悪事が災いして職にもありつけずどん底の生活を送っていたところ、たまたまテレビ中継されていた新人寿司職人コンクールでの将太の努力に触発され、再起する決意を固めている。
奥万倉新一(おくまぐら しんいち)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している包丁の名人で、落ち着いた雰囲気の漂う長身の若者。包丁技術を生かした細工寿司を得意とする。家庭の事情から不良になっていたところを「磯銀」の親方に救われ、寿司の道に入った。
東京大会の開会式で将太と隣同士になり、緊張のあまりアクシデントで飲み物を上着にこぼしてしまい、涙目でオロオロする将太に自分の上着を貸して慰め、そのおかげで将太は落ち着きを取り戻す。
さらに一回戦でいきなり将太と対戦するが、包丁技術の向上のみにとらわれていた将太と違い、味の点にまで心を配る余裕があり、勝負は奥万倉の完勝。本来なら将太はここで敗退するはずだったが、将太自身の包丁技術も一回戦で落とすには忍びない腕と評価され、特例で二回戦進出を許され、九死に一生を得る。もっともこの際の審査委員長の話によると参加者は152名で、将太のような「例外」「特例」なしで大会を運営すると次戦がベスト16(勝ち残るのは152人からせいぜい約15人)になり、3回戦がベスト8でその次に決勝戦(ベスト4)を行うことになる。所が実際には4回戦の後に決勝(ベスト4)を行っていることから1回戦から32人が勝ち残らないとその後の展開とつじつまが合わなくなる。従って将太のような「特例」での2位での通過が多くあったか敗者復活の制度があった蓋然性が高い。なお下山との試合でこれ以上2名通過は難しいと言っていることからこの制度は1回戦のみに適用したと考えられる。
その後も勝ち進み、決勝戦で将太を始め、清水、藤吉と共に決勝を争うが、他者の技術に(一回戦では全く寄せ付けなかった将太にさえ)驚く描写が多い、藤吉と共に途中経過順位で最下位争いをすることが多いなど、一回戦での余裕ぶりとはあまりに対照的であった(逆に、奥万倉でさえ最下位争いとなってしまうところが決勝のレベルの高さを表現しているとも言えるが)。
将太以外の3人は皆、「米名人(藤吉)」「マグロ哲(清水)」「包丁名人(奥万倉)」という異名があり、前2人はその名の通り得意とする米、マグロ勝負で他者を寄せ付けず圧勝(ただし、どちらも将太には一度同程度の評価に並ばれている)しているが、奥万倉だけは圧勝確実と見られた包丁勝負でも将太に一勝を許してしまい、会場の評価もガタ落ちになってしまったことを負けた清水にさえ同情される始末であった(その後の一勝負で初戦の「取りこぼし」を帳消しにするだけの圧勝を演じるわけだが)。
右利きであるが、亡き後輩・修一の形見である左利き用の包丁も大切に持っている。
幼くして亡くなった息子の面影を自分に重ねていた養父母と縁を切ったことが、長く心のわだかまりとなっていたが、東京大会決勝戦で思い出の炙りイカを作り和解する。
年齢は当初は28歳となっていた(そのため自己紹介でも、28歳でありながら修行はまだ3年、歳が高いのに不思議に思われるでしょうが、と語っている)が、後に23歳と何の告知もなく変更されている。ただし、『全国大会編』の将太VS佐治では、23歳の設定では年上になる佐治を「佐治君」と呼んでいるなど、28歳の設定でないと不自然なシーンもある(奥万倉の現在の性格なら、年上の佐治を、本人に直接言うわけでないにしろ、君付けになるとは考えにくい)。
なお将太のことも当初(東京大会・1回戦前後)は「将太くん」と呼んでいたが決勝で再開してからは「関口くん」と呼んでいる。
木下藤吉(きのした とうきち)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している海苔作りと米利きの名人で、将太と同年代。元々農家の跡取りで裕福な為傲慢な所があったが、あるきっかけで自分を変え今に至る。
活発でともすれば不遜とも見られるような性格をしているが、料理人の第一である「食べる者のことを考える」という基本をしっかりと押さえており、課題が得意な米だったのもあり決勝戦前半を大きくリードする。
海苔作りのルーツとなっているのは佐治の父・重人が書いた本。
清水哲也(マグロ哲/しみず てつや)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場しているマグロ寿司の名人で、新人コンクールとしては年嵩な方。「マグロ哲」の通り名は伊達ではなく、マグロのみならずカツオ類の扱いでも他の追随を許さない。
あくどい経営をする「寿司金」の雇われ職人で、マグロを安値で買い叩き高値で売り捌くという非道な商売をしていたが、これは初美という心臓病を抱えた妹の手術費用を稼ぐためのものだった。
その寿司金に見捨てられるが、将太達対戦相手や大和寿司の親方の助けによって初美は全快、譲り受けた大和寿司の屋号を「初美寿司」と変え独立し、再び東京大会決勝戦に臨み、将太とのプレーオフでもその実力をいかんなく発揮する。
大和寿司の親方
中国残留孤児の息子・北川潤一を待ち続けてアナゴの寿司を作り続ける老人。佐治との三番勝負のヒント探しに奔走していた将太と知り合って以来、彼を自分の息子のようにかわいがっており、数々の助けを行う。
後に息子との再会を果たし中国へ渡り、内陸部で寿司屋を経営するようになるが、この際に「自分の信頼する将太が助けたいと思っているなら、その者は信頼できる人物なのだ」という理由で清水哲也に妹の手術費用として数百万円と、無用となった大和寿司の物件を譲渡している。
吉野寿司のお内儀
伊豆半島で亡き夫の跡を継いで寿司職人をしている。代変わりで客が離れる中、小学生の息子裕一が懸命に育てた芽ネギで作った握りで客を呼び戻すが、その息子までも失い生気を失っていた。将太の再現した息子の芽ネギを見て、生きる気力を取り戻す。
富寿司の親方
出前を中心とした寿司屋の職人。鳳征五郎と共に働いたことがある。昔気質で、あまりの指導の厳しさに弟子がつかなかったが、将太は食らいついてきた。ぶっきらぼうではあるが、ひたむきに食べる人間のことを考えている。将太に出前寿司のイロハを叩き込んだ。
大年寺三郎太(東北の竜/だいねんじ さぶろうた)
作中で「東北の竜」「幻の寿司職人」「ハイパー寿司職人」などと評される超人。佐治安人と並び『将太の寿司』『全国大会編』の二編に跨って将太と対戦する寿司職人である。
『将太の寿司』では、鳳征五郎の命によって仙台寿司コンテストに参加した将太の前に、仙台笹寿司の職人として現れている。コンテストでは将太と同等の寿司を作り二店同時優勝を飾るが、笹木のやり口を知り笹寿司と絶縁。その直後に武藤鶴栄の計らいで将太との三番勝負を行い、大年寺はこれに圧勝。いい勝負だったと語り、将太との再戦を誓う。
その後の『全国大会編』では、宮城県代表として新人寿司職人コンクール・全国大会に参加。将太が乗り越えるべき巨大な壁として立ちはだかる。彼に敗れた後も、ちょくちょく将太の応援に現れる。
無駄も隙もない完璧な技術は長い経験に裏打ちされたもので、25歳にして既に15年の修行期間を経ている。だが実際に寿司職人として店に入っていた期間は短いために定義の上では「新人」であり、新人寿司職人コンクールへの参加資格を持っているのだ……と征五郎によって説明されている。
常識外れの体力を持っており、特に『全国大会編』では、「熟れ寿司を作るために寿司を持ったまま数十kmを全力疾走する」「崖から冬の海へと飛び込み素潜りを決行し、5分以上耐えてタコを捕獲する」「濡れた身体を闘気で乾かす」「あまりの握りの早さと正確さに腕がたくさん生えたように見える(千手握り)」「電車にはねられたその日にアンコウを解体して寿司を握る」などの技術もさることながら規格外の精神力と熱意を持ち、その精神力や体力には将太も絶対に近い信頼を置いている。
高山信一郎(たかやま しんいちろう)
第一部終盤で登場した雅子の婚約者(ただし親が勝手に決めたことであり、雅子本人は否定している)。フランス料理にも精通しており、パーティーでフォアグラの寿司を披露したり、オレンジに漬け込んだサバでフランスの大統領を絶賛させるなど料理人としての腕前は超一流であるが、パーティーで小政の足を踏みつけながら挑発する、小政の元へオレンジに漬け込んだサバを送りつけた後わざわざ電話をかけてきて嘲笑する、雅子に接近した理由が実は財産目当てであったなど性格の悪さは笹木剛志や紺屋碧悟に匹敵するほどである。
婚約の座を賭けての対決で小政の編み出した豆腐を使ったサバ寿司の前に敗れた挙句、豆腐を馬鹿にしたことで雅子の父親の逆鱗に触れたため叩き出されてしまった。

『将太の寿司〜全国大会編〜』の寿司職人たち

坂田利人(さかた としひと)
回転寿司「力寿司」に勤務する大阪府代表。幼い頃に同店の親方に励まされたのを切っ掛けに寿司の道へ入った。包丁技、早握りが得意で1回戦の早握り勝負では大年寺と共に最高記録を打ち立てた。子供にも手軽に食べてもらえる100円寿司の職人であることを誇りに思っている。子供が大好きで、子供達からの支持も厚い。大阪弁を使う。
高田早苗(たかだ さなえ)
デパートの地下食品売り場で持ち帰り専門の寿司店「寿司仙」に勤務する福岡県代表で決勝進出者の一人。宮崎県出身だが、15歳から福岡に上京。現在は福岡暮らしの方が長いため「オイは──」「ばってん」「──とよ」など、福岡の方言を使う。「高田」は親戚の苗字で、旧姓は「宮下」。完全な独学で寿司握りを習得した変わり者だが、漬け込み(特に沖漬け)の技術は相当に高い。決勝では他3名と比べるとやや見劣りしたが、それでも得意分野を生かして最後まで食らいついていた。
かつては家族を助けるべく、“ラッシュ高田”と言う名前でボクシングで世界チャンピオンを目指していたが、不運なパンチで目を痛め、引退を余儀なくされた過去を持つ。
名の由来は、早稲田大学の設立者高田早苗か。女性のような名前の為に、将太は対面するまで笹寿司四包丁の紅一点ではないかと勘違いしていた。
切島傀(きりしま かい)
北海道「笹寿司」の代表で、笹寿司四包丁以上に笹木が本命と目して後援する職人。決勝進出者の一人。針麻酔を使い食材を仮死状態にすることで、その鮮度を最高の状態に保つことが出来、殻を剥き頭を外したエビの生命を保たせたり、生きて泳ぐマグロにさえも、直接針を打ち込んで活け作りにしてしまう「瞬殺鮪」(しゅんさつしび)という能力がある。気性は極めて荒く、氷のような目をしており、将太に敵意をむき出しにする。
額に大きな傷跡が残っており、名前が不明だった頃は「傷の男」という通称で呼ばれていた。
当初は「切島傀」であると思われていたが、飛男と将太の調べによって、弟「切島由太(きりしま ゆうた)」の身体に兄「切島傀」の人格が同居している多重人格者ということが明らかになった。彼らは長崎の寿司割烹「きりしま」に伝わる針麻酔の奥義継承に兄弟揃って挑戦するものの失敗、その際に傀は由太の目の前で父親を道連れに入水自殺してしまった。兄の無念を感じとった由太は「切島傀」を身体に宿し、家を飛び出して独自に修行を続けていたのだった。
人を支配する寿司を否定した将太の人を幸せにする寿司に敗れ腕の腱を切ろうとするが、そんな由太の前に幽霊として傀が現れて、"俺達が目指すべきは関口将太のような人を幸せにする寿司作りだ"と彼を導き、切島傀から本来の切島由太に戻って、幼馴染・天宮万里子と共に新たにやり直すこととなる。
叶崎精二郎(鋼の精二郎/かのうざき せいじろう)
笹寿司四包丁の一人で、「小竹寿司」から参加する高知代表。「おんしゃ──」「──やきに」など高知県の方言が特徴で、坂本龍馬を連想させる豪放な性格。自分と互角以上に渡り合う将太を気に入り、敗北後、将太との対戦で汚い裏工作をした笹寿司と決別する。
「鋼の精二郎」の異名は高い包丁技術と焼き物の技術を習得していることの現れである。目にも止まらぬ速さで繰り出される必殺技・秘包丁カマイタチは、切り口の滑らかさから醤油が全て弾かれるほど鋭利な切れ味を持つ。
「アホウが握ったトンマ寿司に、変態じじいが興味を持った」という名ゼリフ(?)も残している。
武市半平(包丁修羅/たけち はんぺい)
笹寿司四包丁の一人。「修羅の包丁」の異名を持つ。四回戦で外国人向け寿司創作勝負で世界三大珍味を使った寿司を握るが、フォアグラ以上の上手さを持つアンキモの握りを作った大年寺に敗れる。名前のモチーフは武市半平太と思われる。
加藤以蔵(包丁鬼/かとう いぞう)
笹寿司四包丁の一人。四包丁ではエース格で「包丁鬼」の異名を持つ。四回戦の3番勝負で佐治から1勝を挙げるが、最後はえびの沖漬けという離れ業をした佐治に敗れる。名前のモチーフは岡田以蔵と思われる。
四包丁の女
笹寿司四包丁・最後の一人にして紅一点。武市半平と大年寺の勝負に際し、大年寺を電車のホームに突き落とした。武市が敗れた後はぱったりと登場しなくなり、連載が完結した後も名前や素性は明らかにされなかった(この点は単行本ラストで、作者自身もネタにしている)。
月岡アキラ(つきおか あきら)
新潟県代表の職人。関口将太の全国大会第三回戦の相手。
幼少の頃、実の親から折檻を受け続け家出する。長岡で浮浪者同然になったところを、伝説の寿司職人「握り克」こと岡田克郎に見込まれ、寿司職人を目指すことになる。「神の右手」を持ち、僅か0.01gの狂いもなく酢飯を握ることができる技術を持つ。
将太との最初の勝負で引き分けた際には岡田を一度見捨てたが(心臓発作を起こした際にも冷たく突き放すような言い方をしていた)、二度目の勝負で蟹の握りの欠点を見抜けず敗北した際に岡田と和解、2人で心の寿司作りを目指すようになる。

その他の人々

笹木剛志(ささき たけし)
北海道を中心に全国展開するチェーン店「笹寿司」社長の一人息子で、『将太の寿司』『全国大会編』のほぼ全編を通しての関口将太の宿敵。寿司を握ることはなく、経営陣に編入される形で家業を手伝っている。
同郷・同業かつ学校も学年も同じだった腐れ縁の将太に対してコンプレックスを持っており、何かと目の敵にしているため、巴寿司と将太に対して親子揃っての嫌がらせ(明らかな犯罪(侮辱罪をはじめ、営業妨害、窃盗、暴行、殺人未遂、放火、詐欺、恐喝、器物破損など)を含む。また嫌がらせに興じる余り、店の印象を自ら悪くするような愚行(コンクールでの罵倒、店を視察に来た際に他の客の前で腐った食材を突き付けるなど)に走る場面もある)を続け、かつてのクラスメイト達からも嫌われていた。しかし、上記のような嫌がらせにも決して屈することなく、正当に成長を続ける関口将太を見るうちに、自分がやっていたことの愚かさに気がつくようになっていく。
最終話では将太と和解。その後を描いた読み切り『韓国編』では笹寿司韓国支店の苦境を打破すべく将太に協力を依頼する。さらに3年後も将太とは友人であり続けているようだ。現在は改心している為、東京から北海道進出を狙ってコンクールを開催したりする寿司チェーンの手口を何度も「汚い」と評し、そのたび関口兄妹に「お前が言うな(将太)」「おたくもやってたことでしょ(美春)」と突っ込まれている。
笹寿司の社長
笹木剛志の父で、金を積んで巴寿司を傘下に収めようとし、それを拒否されると息子とともに数々の嫌がらせをしてきた。
息子同様将太の成長に比例し嫌がらせをエスカレートさせていったがことごとく失敗。将太の奮起に心を動かされた息子を殴り飛ばすなど最後まで悪役を貫き通したが、買収した傘下の寿司店に暖簾を返され、愛想を尽かされた幹部に逃げられるなど自ら築き上げていった「笹寿司」を崩壊させてしまった。起死回生を狙い韓国に進出するも上手くいかず、『韓国編』では将太や渡辺久美子が唖然とするほど腰が低い人物に変貌している。
渡辺久美子(わたなべ くみこ)
将太のクラスメイトだった女性。中学卒業と同時に東京へ渡った将太とは、離れ離れになっても電話や文通で応援を続けている。
『全国大会編』ではウィーンへの音楽留学を果たす。一時期周りのレベルの高さからスランプに陥ったが教師の「ピアノは心で弾くもの」という言葉により自分を取り戻し、賞を獲るまでに成長する。『全国大会編』の3年後の間に将太と結婚、現在彼との間に誕生した新しい命も体に宿っている。
関口源治(せきぐち げんじ)
将太の父親で、巴寿司の親方。若い頃には東京での修行経験もあった。妻の春子とは死別している。小樽一の寿司屋と評判であったが、笹寿司の妨害に遭って店は凋落、さらに物語の開始から間もなく海難事故で重傷を負い、将太に寿司握りコンテストの出場を託す。
東京へ将太が修行に出てからは、帰る家を守る為に痛めた身体を押して店を開けている。
将太が全国大会の決勝戦に進んだある日、身体への無理が祟り昏倒、意識不明となってしまうが回復し、大団円に花を添える。番外編にも登場し、そこでの寿司コンクールでの将太との共闘を最後に引退する決意だったが、孫の存在を知り現役続行を決意する。
関口美春(せきぐち みはる)
将太の妹。父と共に小樽で将太が修行を終えて店を盛り立ててくれる日を心待ちにしている。
関口春子(せきぐち はるこ)
将太の母親。笹寿司の妨害にあって悩んでいる夫・源治を常にそばで支え続けた理想的な妻。夫同様、料理の腕と知識もなかなかのもの。無理がたたっての過労から若くして逝去(享年は恐らく30歳代後半~40歳代前半)。
鶴丸芳喜(つるまる よしき)
関口家とは古くからの付き合いになる、漁師。連載初期は笹寿司の妨害の恐怖から彼らへの協力に躊躇していたが、苦労しながらも笹寿司に立ち向かっていく将太に感銘を受け、全面的な協力をするようになる。性格は豪快かつ情熱的な感動家で、将太の職人としての大成を自分のことのように喜んだ。
神亀鮨(しんかめずし)
本名は最後まで明かされなかった北海道出身の男で、源治の船に細工をして事故を起こさせた張本人。しかしそれは、北海道で寿司屋を営んでいた当時、笹寿司に何かといいネタを仕入れてもらっていたが、その代金を支払うように脅されてやむにやまれずにやったことだった。しかも笹寿司の策略によって店まで奪われて北海道を追われてしまう。その後は東京で工事現場の職員として働き、鳳寿司で初めて将太に対面した時は激昂した将太に殴られそうになるが、征五郎に説得された将太と「マグロ尽くし」を介して和解、工事現場の親方からの餞別として受け取った屋台を引いて北海道で再起を図る。
その後、北海道での仕入れの帰りに笹寿司の嫌がらせに遭っている巴寿司の現状を目撃、「自分のせいだ」と屋台を引く意欲を失って、せめてもの償いとして魚河岸に転職して新鮮な魚を店に届けていた。しかし、「寿司屋なら自分の握った寿司で勝負しろ」と源治に諭されて仲間と認められた。
宇崎辰巳(うざき たつみ)
通称・百目の辰。将太とあまり年は変わらないが、築地で知らぬ者はいないという目利きの名人(通称「百目」の由来)。当初は将太を冷たくあしらっていたものの、その熱意を認めてからは(将太の境遇が自分に似ていると感じた為)目利きの技を伝授したり、いい食材を提供したりと積極的に支援している。
彼の父親もまた目利きの名人であったが、食材を提供した店側のミスで1人の女の子が食中毒で死に追いやられ、その責任をなすりつけられたことにより信用を失い、それが元で他界した。彼の父親によれば、責任を自分になすりつけられたことより娘を死に追いやられた母親の表情が頭から離れないとのことで、死ぬ間際には辰巳に目利きの重要さを諭した。
前田貴志(まえだ たかし)
母親と死別した少年。生活は相当に苦しく、親戚が引き取ろうと申し出るほどだが、それでも父親の元にいようとする。将太を兄のように慕っている。卵焼きが好物。
貴志の父
妻とは死別。借金を抱えて生活は苦しいが、男手一つで息子を育てている。船に乗っていた経験があり、世話になった将太のために嵐の中でも漁をしたりする。貴志の学校の弁当も彼が作るが、一度忙しさにやむなく納豆だけを入れてしまい、それが原因で貴志はしばらく苛めに遭うことになった。
北川潤一(きたがわ じゅんいち)
大和寿司の親方の息子。中国残留孤児。中国の内陸部・吉林省で中華料理店を経営する常夫妻に拾われて育てられ、跡取りとなっている。後に親方を中国に招き、その寿司屋の経営を助けている。中国で経営不振に陥った親方の寿司屋を立て直すべく日本の将太に応援を依頼する。
米村昌幸(よねむら まさゆき)
大手寿司チェーン「寿しとぴあ」の社長。富寿司の親方のやり方に反発して店を飛び出し、格安豪華弁当をひっ提げて富寿司の親方と将太にひな祭り対決を挑むものの敗れ、食べる人の心を教えられて反省し富寿司の親方と和解する。
伏見直子(ふしみ なおこ)
鳳寿司の常連客の孫娘。体調を崩し魚が食べられなくなった祖父を貝の寿司で救った将太に一目惚れしている。鳳寿司の慰安旅行に同伴したり、飛男と共に全国大会決勝戦の応援に行くなど登場回数が多かった。
丸川源介(まるかわ げんすけ)
高級寿司チェーン「大王鮨」の会長。息子の春樹はチェーンの社長である。叶崎精二郎と関口将太の対決の審判を務める。おいしいものを食べると体中から寒いぼが出る。子供っぽい面が強いが、力寿司を冷徹な経営手段で乗っ取ろうとした息子を厳しくたしなめる一面もある。
岡田克郎(おかだ かつろう)
月岡アキラの師匠。若い頃は日本一の寿司職人「握り克」と言われていた。
流れ職人の頃、鳳寿司で修行をしたことがある。あまりの技術の高さに鳳寿司の客、若い職人達は驚き、それを感じた克郎は、征五郎を除く鳳寿司の職人全員(この頃政、秀、佐治達はまだいない)を引き抜き、鳳寿司を辞め独立した。開店当初は連日満員であったが、次第に客足が遠のき、最終的に閉店に追いやられる。閉店がきっかけで昼、夜構わず酒を呑むようになり、心臓を悪くした上に腕が利かなくなり、全国大会第三回戦の最中に倒れたところを、皮肉にも征五郎の弟子である将太に助けられる。
征五郎とは寿司に対する考え方が全く異なり、征五郎が客の好みや、体調の良否、食欲の有無に気を使って寿司を握っていたのに対し、岡田は己の技術の高さを誇っており、自分の思い通りの寿司を握っていれば客は満足してくれると考えていた。しかし将太に助けられた事で、それが間違いだと気付く。
アキラに一度は見捨てられながらも、アキラが自分の二の舞にならぬように将太に懇願したほどにアキラを思っており、後に2人で心の寿司作りを目指すようになる。
加納弥平(かのう やへい)
「加納鮨」の親方。築地では伝説的な目利きの達人で隠してあるアワビさえ嗅ぎ付けてしまう能力がある。空襲で後継者の息子を失ったが、佐治との決勝を控えた将太を後継者と見定め、目利きを鍛える。
田辺容堂(たなべ ようどう)
人間国宝の刀鍛冶職人。東京大会の優勝賞品である4本の包丁をもらい恐縮する将太に対し、包丁は宝物ではなく使ってこそ意味があることを教える。
有津柿太郎(あろうづ かきたろう)
人間国宝の焼物職人、全国大会決勝戦の審査員も務めた。課題用として提供した1枚500万円の皿を切島由太に割られ謝罪する将太に対し「皿は使うためにある、使えば割れるのは当然」と言って許し、代わりに課題用の皿以上の価値のある白い皿を貸し与えた。
溝口安二郎(柏手の安/みぞぐち やすじろう)
新人寿司職人コンクールの東京大会では審査委員長を務め、その後も度々登場する食通。全国握り寿司協会創立者の息子であり、小さい頃から修行していたエリート。現在は父の跡を継いで全国握り寿司協会会長。味覚の水準は同じ素材の1時間の鮮度差を見破るほど。「柏手の安」という通り名を持っており、うまい物を食べるとつい「パァン!」と柏手を打ってしまう(本人はこの癖を恥ずかしく思っており、やめたがっている)。穏和な性格で、ある理由でコンクールをすっぽかした将太たちを見逃す度量も持っているが、不正行為や不誠実な仕事には厳しい。
武藤鶴栄(料理人殺し/むとう つるえ)
東京大会に優勝した将太の元へ現れ、無理難題を吹っ掛ける食通。「探味塾」塾頭。辛辣極まりない評論で「料理人殺し(りょうりにんキラー)」と呼ばれ各界より恐れられている。その異名の通り、生半可な料理を出す料理人に対しては二度と復帰できなくなるほどの社会的評価を下すが、料理に対する知識量と味覚の水準は極めて高い。ただし、紺屋碧悟を担ぎ出して関口将太と対決させ、碧悟が不正をしたために、審査員だった作家・水上勉太郎から一時評論を慎むよう宣告されるなど、味以外の点はお粗末な側面もある。その極めて攻撃的な性格ゆえに息子・剛とは不仲であり、和解することは無かった。
『全国大会編』では審査員としてたびたび登場し、やはり将太たち出場者に難問を課す。
目を付けた料理人への厳しい態度は、その者の成長を願う心からくるものであり、そうなったきっかけとして、生まれ故郷のある港町が都市開発による環境破壊を受け、豊かな自然と豊穣な食材・料理が完全に消え去っていたことに心底落胆した経験があったことを告白している。そのため、単に料理人をこき下ろすだけではなく、認めた料理人には正当な評価を与えるほか、ダメな料理人であっても、評価を受け入れ向上心を持つ者であれば、ヒントを与えた上で再挑戦の場を与えたりもする。しかし武藤自身はそれを敢えて口にも態度にも表すことは無いため作中においての理解者は少ない上、単なる料理人潰しのための口実にしていた時期もあった。
当初はアボカド寿司を食べに来た外国人に「味も分からない野蛮人」と陰口を叩いたり、「寿司は日本料理や中華に遠く及ばない」と寿司業界を激しく非難したりと完全な悪人として登場。幾度と無く将太達に煮え湯を飲まされ、大和寿司絡みの一件でようやく己の愚かさに気づいて改心した。それ以降は純粋に将太の成長を願い、見守っている。最終話で新作を出版するが、奇しくも題名は『将太の寿司』であった。その印税を巴寿司に渡し、借金返済の原資にさせる。
岩崎民次(識味/いわさき たみじ)
全日本寿司協会の会長を務める老人で、「識味(あじしる)」の異名を持つ。プライドの高い武藤ですら頭の上がらない大人物。
15歳で寿司の道に入って70年が経過している。寿司職人だった若い頃に激務と修行によって盲目となっており、その際に視覚以外における異常なまでの感覚を体得している。「絶対味覚」と呼ばれるその味覚は、武藤や溝口でさえ感づかない味の差異を敏感に感じ取る。
常に目を閉じているが、真にうまいものを食べた時のみ目が開き、眉を跳ね上げる反応を示す(うまさによって片眉・両眉と差があるが、両眉を上げたのは30年近くないという)。

関口将太の全寿司勝負

第一回小樽寿司握りコンテスト(将太の寿司3巻)
優勝 笹寿司(将太は巴寿司代表で出場し、「マグロ尽くし」で善戦したが、笹寿司による審査員の買収により敗退)
新人寿司職人コンクール鳳寿司代表戦 対佐治安人(将太の寿司4巻 - 7巻)
一番勝負 鯛 勝者…関口将太
二番勝負 アナゴ 勝者…佐治安人
三番勝負 光りもの 引き分け
四番勝負 巻きもの 勝者…関口将太
(この勝負で将太は、新人寿司職人コンクール鳳寿司代表となり、佐治は鳳寿司から去り、寿司修行の旅に出る)
小樽すずらん祭 ちらし寿司大会(将太の寿司7巻 - 8巻)
優勝 巴寿司
新人寿司職人コンクール 東京大会(将太の寿司8巻 - 10巻)
一回戦 細工寿司 二回戦進出者…奥万倉新一、関口将太
二回戦 握り 対清川流也(寿司玄) 勝者…関口将太
三回戦 エビ 対下山鉄雄(芝浜鮨) 引き分け
三回戦 エビ(クルマエビ以外)対下山鉄雄(芝浜鮨) 勝者…関口将太
準決勝 光りもの 対紺屋碧吾(碧寿司) 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 東京大会決勝(将太の寿司11巻 -
決勝進出者…関口将太(鳳寿司)、奥万倉新一(磯銀)、木下藤吉(銀寿司)、清水哲也(寿司金)
第一課題 米の目利き 勝者…木下藤吉
水の目利き 勝者…関口将太
炊飯 勝者…木下藤吉
第二課題 トロ 勝者…関口将太、清水哲也
赤身のヅケ 勝者…清水哲也
(第二課題終了後に清水哲也が寿司金を解雇され、初美寿司としてコンクールに参加)
第三課題 アオリイカ 勝者…関口将太
ハマチ 勝者…奥万倉新一
第四課題 カツオ 勝者…清水哲也
第五課題 赤貝 勝者…木下藤吉
貝(自由課題) 勝者…関口将太
<この時点での順位>将太…73P、清水…70P、藤吉…66P、奥万倉…65P
最終課題-一人前の寿司-
一品目 将太…ハッカク、清水…ヒラメ昆布じめ、藤吉…アナゴ、奥万倉…星ガレイ
二品目 将太…太刀魚、 清水…ヒラメのエンガワ、藤吉…タイの湯霜造り、奥万倉…コハダ
三品目 将太…ブリトロ、清水…サーモン、藤吉…煮イカ、奥万倉…マグロのヅケ
<中間得点>藤吉…96P、将太…93P、清水…85P、奥万倉…80P
四品目 藤吉…ウニの軍艦巻き、将太…ウニの握り、清水…タイラガイ、奥万倉…煮ハマグリ
五品目 藤吉…タコ、将太…タコの桜煮、清水…タコ、奥万倉…タコ
六品目 藤吉…関アジ、将太…コハダ、清水…シメサバ、奥万倉…サヨリ
<中間得点>将太…123P、藤吉…116P、清水…110P、奥万倉…100P
七品目 藤吉…シャコ、将太…芝海老おぼろ、清水…クルマエビ、奥万倉…炙りイカ
八品目 藤吉…車エビ、将太…小柱軍艦、清水…マグロの皮、奥万倉…海老のケン細工寿司
九品目 藤吉…あぶり大トロ、将太…大トロステーキ、清水…大トロステーキ、奥万倉…大トロ
十品目 藤吉…桜葉の塩漬け、将太…芽ネギ、清水…シソの葉、奥万倉…シイタケ
プレーオフ'
ヒラメ尽くし 対清水哲也 勝者…関口将太(優勝)
新人寿司職人コンクール 全国大会一回戦(千葉県千倉町・高家神社)
第一課題 マンダイのキッツケ 10点満点
第二課題 玉子焼き 0点(20点満点)
第三課題 マグロ勝負 10点満点
総合得点が40点満点中20点で二回戦進出(19点以下は失格)
新人寿司職人コンクール 全国大会二回戦 対叶崎精二郎(高知代表)(和歌山県那智勝浦町)
第一課題 マグロ尽くし 勝者…関口将太
第二課題 クジラ 勝者…叶崎精二郎
第三課題 エビ 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会三回戦 対月岡アキラ(新潟代表)(石川県金沢市)
課題 白魚の握り 引き分け
延長戦 カニの握り 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会四回戦 対大年寺三郎太(宮城代表)(兵庫県明石市)
先に2連勝した方が勝者
第一課題 ネタ当て 勝者…大年寺三郎太
第二課題 タイ 勝者…関口将太
第三課題 牛肉 勝者…大年寺三郎太
第四課題 タコ 勝者…関口将太
第五課題 島の幸 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会決勝(福岡県→九州全域)
決勝進出者…関口将太(東京代表)、佐治安人(京都代表)、切島傀(北海道代表)、高田早苗(福岡代表)
8戦行ううち、上位2名が最終決戦進出
第一課題(福岡県) 白身の寿司の再現 勝者…佐治安人
  • 寿司の味そのものは将太が勝っていた
第二課題(博多発 - 大分行特別列車) 駅弁対決 勝者…関口将太
第三課題(大分県) 県内の海域で獲れる魚 勝者…切島傀
第四課題(宮崎県) ちらし寿司(色指定) 勝者…高田早苗
第五課題(鹿児島県) 魚あて(鯛三種) → シブダイの握り(将太対切島) 勝者…関口将太
第六課題(熊本県) 未知のエビ寿司 勝者…佐治安人
第七課題(佐賀県)寿司の盛り込み(巻き寿司限定) 勝者…佐治安人
この時点で佐治が最終決戦進出確定
第八課題(長崎県/豪華客船) 一人前の寿司(外国人も審査)勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会最終決戦 対佐治安人(東京都・築地市場)
課題 一人前の寿司 勝者…関口将太(優勝)

テレビドラマ

1996年4月19日から9月20日まで、フジテレビで金曜20時から柏原崇主演でドラマ化された。全16話、平均視聴率11.1%。2009年現在、再放送・DVDソフト化されていない。当時、ヤクルト・横浜・中日戦(主に神宮球場・横浜スタジアム・ナゴヤ球場での対巨人戦ホームゲーム)を中心としたプロ野球の中継(さらに関西テレビでは阪神・オリックス戦に、テレビ新広島では広島戦に、テレビ西日本ではダイエー(現:ソフトバンク)戦に差し替えの場合あり、またこれらの局では巨人戦ビジター以外でも本番組を平日午後または週末に後日放送として中継する場合もあった)と特番の乱発の影響で、放送回数が少なく(最大1カ月放送されなかった時期もある)、さらには強力な裏番組もあって人気は今ひとつだった。もっとも全16話は約3カ月で放送する数量であるが、放送するのに5カ月掛かっている状況であり、当時のフジテレビ系列がいかにヤクルト戦を中心としたプロ野球と特番偏重の編成を取っていたかが伺われる。

キャスト

  • 関口将太:柏原崇
  • 佐治安人:杉本哲太
  • 岡村秀政:今田耕司
  • 小畑慎吾:北原雅樹
  • 富山雅子:雛形あきこ
  • 鳳さおり:木村佳乃
  • 宇崎辰巳:金子賢
  • 渡辺久美子:井出薫
  • 関口源治:夏八木勲
  • 関口美春:広末涼子
  • 藤田政二:蟹江敬三
  • 笹木虎雄:石田太郎
  • 鳳八千代:多岐川裕美
  • 鳳征五郎:竜雷太

スタッフ

  • 脚本:友澤晃、樫田正剛
  • 演出:佐藤祐市、西前俊典
  • プロデューサー:森谷雄
  • 音楽:服部隆之

主題歌

  • 小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」

サブタイトル

  1. 究極の大トロ!!父と子の涙
  2. シャリ