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小林さんちのメイドラゴンカンナの日常/クール教信者

共有

著者: クール教信者
巻数: 1巻

クール教信者の新刊
小林さんちのメイドラゴンカンナの日常の新刊

最新刊『小林さんちのメイドラゴンカンナの日常 3


小林さんちのメイドラゴン』(こばやしさんちのメイドラゴン、Miss Kobayashi’s Dragon Maidコミックスでのタイトルの英語表記は、"The maid dragon of Kobayashi-san"となっている。)は、クール教信者による日本の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメ。『月刊アクション』(双葉社)において、2013年7月号(創刊号)から連載中。

スピンオフ作品として、木村光博作画の『小林さんちのメイドラゴン カンナの日常』(2017年2月号から連載中)、カザマアヤミ作画の『小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記』(2017年10月号より連載中)の2作品がある。

あらすじ

朧塚(アニメ版では埼玉県越谷市の風景を使用)『「ゆゆゆ」で町おこし 声優・照井春佳らが“聖地巡礼”ライブ』28行目(2月18日閲覧)という街に住むOLの小林さんは、酔った勢いから異世界のドラゴン・トールを助けた。トールは多大な恩を感じ、そして理由があって故郷に戻れないこともあり、人間のメイドに姿を変えて、小林さんの自宅に住み込んでお世話を始める。そして、小林さんのもとには、トールをはじめとしたさまざまなドラゴンが集まるようになっていくのだった。

登場人物

主人公

小林さん(こばやし -)
声 - 田村睦心
本作における人間側の主人公。フルネームは不明。地獄巡商事北千住事務所(アニメでは地獄巡システムエンジニアリング)にシステムエンジニアとして勤めている25歳の独身女性。仕事先でのスタンスについては、「やる気があるわけでもない底辺」を自称しているが、滝谷によると「有能で大切な会社の柱」であり、バレンタインデーには同僚からチョコを大量に貰うほどであるまた、コミックス第5巻の時点で3匹のドラゴンを同居させていることに加え、カンナの学費まで賄っているものの、特に生活に困窮している描写がないことから、年齢に比して高給取りであることもうかがえる。。職場に不満をもつことがある一方で、やや仕事中毒の気があり、本人曰く「一日8時間は働かないと落ち着かない」とのこと。
マンションに1人暮らしで、仕事の忙しさに追われて疲弊した毎日を過ごしていたが、酔っぱらった際に電車を乗り越した挙句に迷い込んだ山でトールを助けたことから、生活に変化が生じる。アニメ版第3話では、トールとカンナが同居したことで部屋が狭くなってきたことから、別のマンションに引っ越したものの、仕事で疲れていたこともあり、元のマンションに誤って足を運んでしまうというドジを踏んでいる。
普段はだるそうに淡々と振る舞うが、根っからの西洋の給仕フリークで、メイド・執事(初老)関連の話題があがったときや酒酔いしている際には饒舌かつ暑苦しいオタクに変貌する。引っ込み思案で、休日は基本的には家にいることが多く、子供のころからあまり外では遊ばず、ゲームばかりしていた。自動車免許は持っているが、自家用車は持っていない。悩みの種は腰痛であり、苦手な食べ物はひじきと茄子。トールからは目つきのことを「死んだ魚の目」「混沌勢のよう」と言われている。
貧乳であることにコンプレックスを抱いており、トールやルコアたちの巨乳に嫉妬するような発言を漏らすこともある。外見に加え言動や立ち居振る舞いにもフェミニンな要素が希薄であり、トールとイルルからは最初は男性と間違われたイルルの手で一時的に男性にも変えられたことがあるが、元々が中性的なためにトール以外からは気づかれなかった。。才川家を訪れたときにカンナから「私の保護者」として紹介されたが、それを聞いたリコから「カンナさんのおかーさん」と言われて(老けて見られて)ショックを受ける(第34話でもカンナから「コバヤシはお母さんっぽい」と言われている)。
巽町出身で、家族は両親の他に下に兄弟が2人いるが、家族は回想内のみの登場。仕事で忙しかったことから授業参観に出席したことはなかったとのこと。
トールが来るまでは食事はコンビニ弁当等で済ませており、アニメ版第13話でもトール不在時には白米のみ炊飯し、おかずは惣菜などを購入していた。しかし、料理ができないわけではなく、アニメ版第8話ではトールとのお弁当勝負でベーコンエッグを作っていた。
高校時代に初めてのアルバイト代でメイド服を買い、試着して家族に見せたところ総スカンをくらう憂き目に遭っている。以後「自分に可愛い服は似合わない」と思うようになり、日常生活から仕事に至るまで男らしい服装に傾倒する原因となっている。メイド喫茶で働こうとしたこともあったが「ダメだった」とのこと。後に「コスプレがしたかっただけ」と語っており、自分では可愛くなれないことから嗜好が様式美や奥ゆかしさへ振れていき、それをこじらせた結果現在のようなメイドオタクになってしまったことをトールに話している。またトールに対しては、メイド喫茶のメイドに対して否定をしているわけではないとも打ち明けている。
トール
声 - 桑原由気
本作におけるドラゴン側の主人公。異世界のドラゴン(雌)で、人間界では、小林さんのマンションに向かう飛行中にメイド喫茶のビラを配っている女の子たちをスキャンして、メイド服を身にまとい、先端が平らな二又の角と尻尾を生やしたブロンドのツインテールの成人女性本来は腰辺りまで伸ばしたロングヘアー。小林さんとの同居を始めるまでは髪を結っておらず、服装も裸体の上に外套を身に纏っただけである。に変身する。表向きは小林さんの親戚となっている。本来の姿は、いわゆるスタンダードなタイプのドラゴン。
元の世界では、破壊を信条とし、人間とは敵対的な立場にある「混沌勢」の中核として何らかの戦いに従事していた。その終結を願って「神さえ潰せば戦いが終わる」と単身で特攻した結果、背中に神剣を突き刺される重傷を負う(ただしこの戦いで何体かの神は深手を負っており、トールの攻撃は無意味なものではなかった)。落ち延びた人間界のとある山中で孤独のままに死を待つばかりだったが、酔っぱらった小林さんに剣を抜いてもらいこのときのトールの言によると、神剣を抜こうとした人間は精神を破壊されてしまうが、小林さんには信仰心がないので

平気だったのだろう、とのこと。、恩を返すために小林さんとの同居を始める。

普段は、メイドらしく柔らかい物腰で、誰に対しても丁寧に接しており、ドラゴン同士の素の状態でもその態度は全く変わらない。以前は他のドラゴンたちと同じで人間に対して尊大な口調を用いていたものの、小林さんとの初対面時に「その話し方辛くない?」と言われたのを機にややフランクな口調へと改めている(現在でも敵対者やエルマに対しては元の口調で話すことがある)。小林さん以外の人間については「劣等種」「下等生物」として蔑視・敵視しているが、これは「勢力に迎合しなければトールが迫害されてしまう」と考えてやむなく「人間は害悪」と教え込んだ父親の影響が強い実際に、盗賊の少女や小林さんに対して「殺す」と豪語しつつも、実際には脅しだけで済ましており、見下している以外には意外と穏便にことを済ませている。。しかし、表面的な愛想は振りまいているため、トール自身は自覚していないものの、近隣住民や商店街の店主らとは良好な関係を築いており、人間世界で生活している内に、限りある生を謳歌している人間に関心・理解を示すようになる。
メイド喫茶の店員たちを元に変身しているため、小林さんから酔っぱらった時に「メイドじゃなくコスプレ」としばしば威圧されている。服自体はうろこを変化させたものであるため自由に変化させることが可能。角は人間態の時でも常に生やしているが、これは作中における当該部位が魔力の塊であるほか純粋な攻撃に用いるなど、ドラゴンの象徴として扱われていることによるエルマや登校中のカンナが角の有無を切り替えているのは、正体の露見を防ぐ以外にも、魔力の節約という点が大きい。
元々、他のドラゴンからも一目置かれるほどの強大な力を持っていたこともあり、人間態でもドラゴンの炎(ブレス)や超人並の脚力や腕力を見せる。洗濯物が乾かないという理由で、ブレスで曇り空を消し去ったこともある。それらの能力が仇となって何事も力尽くで解決しようとして失敗を重ねたり、小林さんへの独占欲から過激な行動に出たりしてしまうこともある。また、デパートの建物を見ただけで、「あの白いカラーリング…聖騎士共の本拠地を思い出す」と嫌がったり、クリスマスを「あいつの息子の(誕生日)?」と嫌悪するなど、特定宗教に関する事柄には負の反応を示すことがある。生贄文化には懐疑的であり、特に「村の娘を差し出せ」というロリコン志向をドラゴンの一般的イメージにされることに少なからず不満を持っている。
胸はDカップ(本人曰く「ドラゴン」なだけに。ただし、ドラゴン基準でのDカップなので実際には人間基準のDカップよりも大きい)。自分の尻尾第1話では、自切してもしばらくすればまた生えてくる様子が描写されている。を自分で食べて美味いと信じており、ことあるごとに小林さんに食べさせようとしていたなお、尻尾の味は「甘くてクリーミー」と当人自身から評されているが、肉には毒があるため、毒抜き無しでは食べられない、とされている。また第49話では、食べれば腰痛の治療に効果があることを明言している。アニメでは、見た目に特徴があるため、黙っていてもすぐ小林さんに見抜かれてしまう。小林さんから「挽肉にすれば良いのでは?」と提案を受けるが「それじゃ自分の肉だとわからない」と自ら却下している。が、滝谷に「異世界の食材や薬を無闇に口にさせることの危険性事実、風邪で寝込んだ際にトールが探してきた風邪薬を(それが獣人用のものとは知らされず)飲んだ小林さんは、翌朝から半日ほどの間半獣人化が解けなかった。」を日本神話を引き合いに指摘されて以降は「小林さんには人間世界で普通の人間として生きてほしい」との想いから控えることにした。48のメイド技を備えており、コミックス第5巻の時点で、ステルス機能のような「認識阻害」や「分身」などの技が判明している。イルル曰く「トールは特別」であり、自前でマナを生み出して魔力に還元できる(他にできるのはルコアぐらい、とのこと)。このため基本的にトールの周りにいるカンナやイルルは魔力には困らない(ただし、イルル曰く「トールのマナ くそまずい」)。また、上述された人間態での身体能力は魔力によって底上げされたものである。
小林さんのことは種族や性別の垣根を超えて本気で愛しており、小林さんに親しく接近してくる者には男女を問わず敵意を剥き出しにし、機会さえ巡ってくれば小林さんとの軽度なスキンシップから性交まで厭わない。それゆえ小林さんのおだてに乗り、その思惑に沿った頼まれごとを安易に引き受けてしまうこともある(この様子を小林さんからは「ちょろゴン」と称される)。
多少自信過剰気味なところがあり、仕事に慣れてからは(自らの技量を棚に上げて)小林さんに貢献していることをたびたび口にし、小林さんからジト目で見られたりしている。また第47話では、自分こそは究極のメイドと断言し、小林さんからそれを否定されたり皮肉を言われたりしても、全く意に介していなかった。
名前の由来は本人曰く「親が言うにはこっちの世界(=人間界)の作家から取った」とのことで詳細は不明であるが、少なくとも北欧神話のトールとは無関係とされている。
小林さんとの宿命の邂逅をした思い出の地には認識阻害と滅多なことでは破られないはずの防御結界を張って保存していたが、イルルに大地ごと吹き飛ばされる憂き目を見る。

ドラゴン

カンナカムイ / 小林 カンナ(こばやし カンナ)
声 - 長縄まりあ
異世界のドラゴン(雌)でウシシル島出身の幼竜。雷を操るため、電気をエネルギーの源としているが、人間界では尻尾をプラグ型に変形して、コンセントから代用していることが多い(カンナ曰く「コバヤシの家の電気もいいけど天然の雷もコクがあって捨てがたい」『カンナの日常』「台風の時間」より。)。アニメでは「マジやばくね」を口癖としているアニメ第2話では、携帯電話で話をしていた通行人の男がこのセリフを言っており、それを見掛けたトールが「魔法の言葉」「たいていの会話はそれでいけるので覚えておくといい」とカンナに説明して、カンナも真に受けたのが切っ掛け。。人間態は民族衣装のようなドレスを身に纏う小学生ぐらいの少女人間態のときでも角と尻尾は出たままであるが、学校に行っているとき(または才川と会っているとき)は必ずそれらを隠しており、完全な人間態となっている。だが、本来の姿は羽トールやファフニールのような蝙蝠状の翅ではなく、鳥類のような羽。このとき、人間態で髪飾りとしている宝玉は羽の両端についている。の生えたやや小柄な体格のドラゴンただし、ウロコではなく、体表面は羽毛ないし毛で覆われている。この毛並みはかなり手触りがよく、トールに座ると腰を痛める小林さんでさえも乗ったまま居眠りしてしまうほどである。。愛称はカンナ
寡黙だが、好奇心旺盛でいたずら好きな性格であり、見知らぬ小さな生き物を食べてしまう悪食な面もあるアニメで確認できる限りでは、「蝶」、「カニ(市販される食用ではなく、海水浴場を練り歩いている種)」、「セミ」など。また、夏休みの自由研究で食べた昆虫の食感として「バッタ」(しっとり)、「蝶」(パサパサ)、「セミ」(サクサク)を書き記していた。。トールやエルマなどの目上のドラゴンには「様」と敬称を付けて呼ぶが、人間に関してはトールたちと同じで基本的に見下しているスピンオフ作品『カンナの日常』において、「小さな力しか持たないモノたちが一生懸命その生命を全うする姿はいとおしい」としてウサギたち小動物と人間を同列で見ているセリフを言ったことがある。ため、敬語を使わず、呼び捨てにしているそれは普段親しくしている小林さんや才川についても例外ではなく、親愛の情の有無で区別することはないものと推定される。
度重なるいたずらが災いして、故郷を追放されてしまう。トールを頼りに人間界におもむき、前述のトールの曇り空に向けたブレスから居場所を突き止め、訪ねた先の小林さんに対し、自分が慕うトールが小林さんと親しくしていることへの嫉妬心を顕にした。自分の現状を打ち明けたが、トールでも帰郷許可はできないことから故郷に戻れるまでの間、一緒に暮らさないかと小林さんから誘われた。当初はその誘いを信用していなかったが、「友達になろうなんて言わないよ。一緒にいよう、そんだけ」という小林さんの発言がきっかけで心を開くようになり、以後はトールと共に小林さんのもとに居候を始め、初対面時とはうって変わって彼女を慕うようになる。
小学校に興味を持ったことから、トールの能力で作り出した戸籍を用いて、小林さんの親戚の「小林 カンナ」として、朧塚小学校に通い始める。学年は3年でクラスは2組。勉強もスポーツも優秀にこなし、クラスメイトたちとの交流も上手くいっている。入学祝いとして小林さんからウサギのキーホルダーをもらったこれはアニメでは入学準備のために買い物をした際にカンナが見つけて気に入り小林さんに買ってもらおうとするがランドセルの値段に驚いた小林さんを見て諦めその様子を小林さんが見ており、後に小林さんがキーホルダーを購入しカンナにプレゼントした。
我が子を強い子に育てたいという思いからカンナカムイの名を与え放任主義の姿勢を取る両親の下に育った影響もあって、両親の気を引きたい気持ちが強く、それがいたずらを繰り返していた一因となっている。
人間界におもむいて以降は「大好きなコバヤシに嫌われたくない」というスタンスから、多少のわがままは言うものの、いたずららしいいたずらを行ったことはほぼ無い。時折、周囲の者たちのやり取りやしぐさを見ては、冷静かつ毒舌的な感想を述べたりすることもある例として、第11話ではトールを口車に乗せる小林さんのことを「コバヤシ悪党」と言ったり(実際、このときの小林さんはいわゆる「悪い顔」をしていた)、第21話ではドッジボールの助っ人をしてくれたにもかかわらず、トールたちのことを「最低最悪の奴等!」と言ったり、など。
子供ながらもドラゴンゆえに超人じみた身体能力の持ち主だが、イルル襲来時には力不足から戦力としてはカウントできないことがエルマから語られるなど、未熟さを匂わせる場面も多い。また、ドラゴンの3勢力(「混沌勢」、「調和勢」、「傍観勢」)のいずれにも属している描写がなく、どの勢力の格上なドラゴンたちに対しても物怖じすることなく対等に仲良く接している。
アンソロジーコミック第2巻巻末の原作者コミックによると、カンナが肉体的に(少なくとも胸が)トールほどの年頃になるには約百年の歳月を要する模様。原作コミックスでは華奢な体格だが、アニメではやや肉付きの良い体型に描かれた。
スピンオフ作品『カンナの日常』においては、主人公を務める。また、同作内では、チョコケーキが好物となっている。
エルマ / 上井 エルマ(じょうい エルマ)
声 - 高田憂希
異世界のドラゴン(雌)。人間態は暗い髪色のセミショートヘアをした成人女性に変身する初登場時は、草履を履いて淡い紫の女性の着物(和服)のような服装(足の部分に切れ込みが入っており肩をはだけている)をしていた。また、ポセイドンの三叉の矛のような武器を持っていたが、これは元の世界にいたときの定着したスタイルのようである。なお、人間界に定住してからは、会社勤めをし、市井に紛れて暮らすため、普通の服装(会社ではスーツ、それ以外では緑色のデニムパンツに水色のパーカー、青色のダウンベストに黄色いマフラーを着用)をしている。カンナと同じく、人間態でも角と尻尾は出ていることがあるが、正体を知らない人間との対面時や会社勤務時などは必ずそれらを隠し、完全な人間態となる。。本来の姿は、手足が無く鰭がある細長いリヴァイアサンのような体にイッカクのような一本角を持ったドラゴン。
秩序を重んじ、人間に対してやや融和的な立場をとる「調和勢」に属するドラゴン。同じ調和勢のクレメネからは様付けで呼ばれており、同勢力の中ではある程度の高位の存在であることがうかがえる。トールの父親と同じく、人間界の均衡を乱しかねないという理由でトールを連れ戻すために小林さんの家へやって来た。ドラゴンとしての強さや戦闘力はトールとほぼ同等とされているその強さはトールからも認められており、イルル襲来時には「トールが敗れたら自分が戦い、小林さんも街も守ってみせる」とも断言している。特にパワーにおいては素の状態で魔力による身体能力強化を施したイルルを上回るほどであり、腕相撲ではドラゴンの中で唯一魔力なしで戦いながらもトールと互角の勝負を繰り広げているが、異世界に渡る能力は本来持っておらず、人間界に来る際にもトールの開けた門を利用したため、自力では元の世界に帰れない。
基本的に生真面目な良識人だが、食べ物(特に甘味食品)に対する執着心が非常に強くただし、1か月程度であれば空腹に耐えることができることが明言されている。、登場当初「人間界に干渉しない」という理由で食事を摂っておらず空腹だった所に、小林さんに渡されたクリームパンを食べてその美味しさに涙が出るほど感激してしまい、「帰ってくれたら今の奴10個あげますよ」とトールに言われると、トールを連れ帰るという当初の目的を忘れて本当に帰ってしまった。
その後、生活費を稼ぐために魔法を用いて、人間としての経歴を作り出し、「上井 エルマ」の名で小林さんの会社に就職する。しかし、当初はパソコンの使用法を知らなかったため、コピーやお茶汲みの仕事しかできず、ブラインドタッチを覚えたてのころは繁忙期でありながら戦力外扱いされる等、職場のマスコット的な扱いとなっていたがアニメ版では、お茶汲みに関する描写が省略されている。、元々の性格やドラゴンとしてのスペックの高さの他、小林さんからの丁寧な指導もあって短期間で小林さんや滝谷から驚かれ、かつ小林さんと勝負になるほどの速度で仕事をこなせるようになる。現在ではかなり職場に馴染んでいるものの千里眼を用いて社員のスケジュールも細かく把握している。、駅前の限定スイーツ目的で定時への帰宅に繋がる待遇改善を訴えるなど、食欲を優先するあまり部署全体を巻き込むこともある。
得た給料で人間界の食べ物を買い漁って楽しんでいるようで、その後物語に登場する際には、大抵の場合食料を入れた買い物袋を幾つも提げており、特にたい焼きやアイス、プリンなどを好んで食べている様子。「季節限定」や「期間限定」などの限定モノにも弱く、周囲の迷惑をかえりみずに組み合わせなどに長時間悩むこともある。
人間界での居住先はコミックス第6巻までの時点では不明だが、家賃についての言及があるため、どこかの賃貸物件に落ち着いていることが示唆されている。
遥か昔に、人間たちの争いや対立をドラゴンの力を用いることで収め、調和に向かわせようとしたことから、人間たちから「奇跡を起こす聖海の巫女」と呼ばれて崇められていた。これらの行動を「ルール違反」として粛正を図ったトールとはこのころに知り合い、「人間の本質を見極める」ためにしばらく行動を共にしていた人間を生贄に差し出させることについては当初から反対の意を示すなど、ドラゴンの間でも変わった考えの持ち主として知られていたことが示唆されている。トールも、まだエルマ当人と面識が無いころでもルコア経由でそのことを耳にしていた。。しかし、彼女の崇拝者たちがやがて宗教を作り、組織と階級を生み出していったことから意見の食い違いが生じたため、ドラゴン態での壮絶な大喧嘩を経て、袂を分かつことになったこの際エルマは、忌み嫌っていた「人間同士の争い」の火種に自らの存在自体がなってしまうと予想はついていながらも、崇拝者たちからのお供え物である食べ物に釣られて、それを看過・黙認していた。このことについてトールから責められた際にも、「美味しかったんだから仕方ないだろう」と開き直っている。。以後、トールとは互いに仲の悪さを公言しているが、小林さんからは「喧嘩する程仲がいい関係」であると見られているほか、ファフニールはトールのエルマへの態度は「形だけの怒りや殺意による照れ隠し」であると語っているスピンオフ作品『エルマのOL日記』においては、トールを連れ戻したい理由として、「(トールが暮らすことで)人間界の均衡を乱しかねない」という上記のもの以外に、「(聖海の巫女としてトールと行動を共にしていた頃のような)楽しい日々をまた過ごしたいから」という個人的な目的も含まれており、エルマがトールに対して友好的な想いを抱えていることが描写されている。
巨乳で抜群のプロポーションの持ち主。着物に似た普段着や、スーツの上着を両肩脱ぎにして着ている事が多い(職場ではきちんと着ているが、胸部がはみ出している)。
ケツァルコアトル
声 - 高橋未奈美
異世界のドラゴン(雌)。人間態は明るい髪色のウェーブヘアで、基本は細目で頭から角を生やした高身長かつオッドアイの成人女性に変身する。ボーイッシュな雰囲気ながら、小林さんから「痴情アジテーターみたい」と称されるほど巨乳で豊満なスタイルをしており、普段はノースリーブに丈の短いショートパンツにニーソックスを履き、野球帽を被っている。「痴情」という単語があることと、卑猥と非常識を意味することは理解しているが、肝心の「どういう行為が痴情」なのかを分かっておらず、基本的に露出の多い服を好んで着ており、イベントや行事に参加した際は警備員に連行されることが多い。愛称はルコア。トールからはエヘカトルの渾名で呼ばれることもある。ドラゴンとしての姿は名前の意味通りの「羽毛ある蛇」。途方もなく長大な胴体は山や水平線をまたいでなおも伸び、尻尾の先にいたっては霞んで見えない。カテゴリとしては「元神」。アニメ版オープニングにてデフォルメされているものの全体像の大まかなシルエットが先行して判明した。
トールたちと親しいが、本人は混沌勢・調和勢の争いに関与せず、中立的な立場をとる「傍観勢」に属している。伝承の通り妹と肉体関係を結んだ過去が示唆されており、あまり触れられたくない話題の一つとされているアニメではトールがこの話題に触れる度に大慌てで核心部分に言及するのを妨げる。
一人称は「僕」で、世捨て人ながら温和で心優しい性格をしており、人付き合いは良い。人間から神と崇められた時期もあることから、本作に登場するドラゴンの中では珍しく人間の倫理観に沿って思考することができるタイプで、トールには洗濯から風邪の治療法に至るまでたびたび(常識の範疇で)アドバイスをしている。
危険な悪魔の召喚を試みた翔太を救うべく、自身が割って入って召喚されたことで翔太が言うには「悪魔は呼べてもドラゴンは簡単に呼べるわけがない」と指摘しており、この要因も(簡単に召喚されたことになる)ルコアの正体を信じてもらえない理由の一つとなる。、使い魔として、翔太の家で暮らし始める翔太の役に立つべく、使い切れない程の黄金や農耕技術、強烈なカリスマ性や膨大な魔力を提案した。いずれも、「錬金術師の父親がいるから、お金には困っていない」「農家になりたいわけではない」「カリスマは今の自分には必要ない」「膨大な魔力は自分の努力で身に付けないと意味がない」と却下されている。
過去の過ちから居場所を持つことを恐れていた自分に使い魔という形で居場所をくれた上に、さらに強大な自分に見合うよう1人前の魔法使いになろうと努力してくれる翔太に少なからず好意を持っている。翔太との親睦を深めようと、就寝中や入浴中にスキンシップを図ろうとするが、結果的に翔太を余計に困惑させてしまっている。
元神を自称するだけあってさまざまな能力を持ち、コミックス第5巻までの時点で確認できるだけでもトール同様の空間転移や物体の修復の他、記憶操作、対象に尿意を催させる光線、時間の逆行などが可能。また、戦闘力もトールが勝ったことが無いほどに強大らしく、劇中では腕相撲などでその片鱗を見せる。
ファフニール / 大山 猛(おおやま たけし)
声 - 小野大輔
異世界のドラゴン(雄)。人間態はトールから渡された写真を元に長髪で丸メガネをかけた若年の執事の姿に変身する。本来の姿はその片鱗しか見せていないが、瘴気を放つような描写が多い。ルコア同様アニメ版オープニングで全体像の大まかなシルエットが描かれた。なお、原作第8話・アニメ第3話の登場シーンでの姿は本来のものではなく、本人の認識では「人型」の範疇の姿に化けたものである。
長らく財宝の守護に務めていたことから警戒心が非常に強いため、人嫌いで無愛想な振る舞いが多く、やや物騒かつ刺々しい発言が目立つただし、トールやエルマ、ルコアとは異なり、原作・アニメ版共にドラゴンとしての派閥については不明である(「傍観勢」でもルコアのように人間と友好的とは限らないため)。ただし、「人間には『当たり』と『外れ』の2種類がある。『外れ』は一目でわかり、『当たり』は時間をかければわかるが、その時間がもったいない」との持論を持っており、一応人間という種族について理解しようとはしているようである。なお、滝谷は『当たり』であるとのこと。。しかし、普段の振る舞いとは裏腹に甘い物好きな一面もある。
トールとは住処にしていた洞窟を彼女が寝床にしようと侵入してきたことで争いになり、お互いの実力を認め合って友人同士となった。
本格的に人間界で暮らすことにした際トールから「大山 猛」の名を与えられ、滝谷の部屋に居候することになった。その後は滝谷の趣味に染まり、テレビゲームを通じて親しくなり、滝谷の作成していた弾幕系同人ゲームの問題の指摘やスクリプトソースの改良にも力を出すほどにもなった。
トールに対しては度々人間界の影響を受けすぎている旨を警告しているものの、彼女からは「(サブカル趣味や滝谷の影響を受けた性格のオタク化のせいで)あなたが一番おかしくなっている」と言われている。
他のドラゴンとは違い、人間からは(趣味を除いて)一歩引いた立場をとる傾向にある。第43話時点では人間との交流を「わからなくはない」と認めつつも、「だからこそ危険なことには変わりない」と、あくまでも自意識的にはドラゴンとしてのスタンスを崩していない。
ドラゴンと人間が触れ合うことについては「ドラゴンが人間側に近付いた人間ごっこ」として捉えているが、トールが小林さんとのふれ合いに後悔は無いと断言したことや小林さんが彼女の父親を退けた事実に「どうしてそこまでするのか気になった」とも考えるようになり、自身にとって強い主従関係を結ばれるリスクがあると知りつつも、滝谷には固有の愛称である「ファフ君」と呼ばれることを受け入れるようになる(第54話)。小林さんから「ファフッさん」と呼ばれたこともある。
夏のコミケでサークル参加をして『呪いアンソロ』(千円)トール曰く「本当に効果がある呪い」が「その掛け方まで載っている」ゆえに「これを使えば呪殺すら可能」であるため、「安い!これはお買い得」らしい。なお、小林さん曰く「売れて広まったりしたらやば過ぎ」とのこと。を出展したが、1冊も売れずに終わる。また、アニメ第11話での冬のコミケには『呪いアンソロ2』を出展したが、同じく1冊も売れなかった。
終焉帝(しゅうえんてい)
声 - 菅生隆之
異世界のドラゴン(雄)にしてトールの父親。本名は2017年の時点で不明。
人間態は髭を長く生やした白髪の老人で、襟を立てた茶色のマントで身を包んでおり、中の服装は不明。
ドラゴンの姿はトールとほぼ同様の姿だが、ウロコの色は茶色掛かった黄土色、角は左右に三対、鼻先の両側面から中国の竜のようなヒゲがのび、マントの色がそのまま翼の色となっている等の差異がある。
思慮深いが厳格な人物。人間に対しても中立な立場をとり、むやみに人を殺めることはしない。世界の均衡を保つ管理を担っている立場なのは自身の口からは説明されているが、所属勢力は調和勢ではなく、混沌勢である(しかも、「混沌勢の代表格」とまで呼ばれている)。トールを筆頭にドラゴンが人間界に住み込み始めていることに懐疑的で、いずれ侵略を試みようと狙うドラゴンたちが現れるのではないかと恐れているが、それと同じく、トールの能力も恐れている様子。
ドラゴンと人は理解しあえる立場になりえないと考えており、トールがルールを破って人間界に居続けることで人間界と異世界の均衡が崩れてしまうことを危惧して連れ戻しに来るも、小林さんの説得とトールが見せた本気の殺意に、納得はしてはいないものの、一時期退散する。原作では人間界に来て、すぐの出来事だったが、アニメ版では小林家を訪れず、買い物中のトールの前に現れて強制的に連れ戻すこの変更のため、小林さんはトールが強制的に帰還させられたことをカンナから知らされる。以降、トールが帰ってくるまでの間、小林さんとカンナの2人だけの生活も描写された。。それから数日後、トールが再び人間界におもむいたことから、トールと本来の姿で親子喧嘩を行うも、カンナの協力で駆け付けた小林さんの説得で退散する構成となった。
イルル
異世界のドラゴン(雌)で、人間態は小柄ながら小林さんが嫉妬するほどの巨乳を誇る少女に変身する。本来の姿は全体像は不明だが、ファフニールと同様に瘴気のようなものが立ち上がっている。「炎酸」という炎を吐けるほか、ガスコンロなどから火を摂取して直接魔力に変換することもできる。
「混沌勢」の最過激派に属するドラゴンであり、破壊目的から人間界に現れその際、トールが認識阻害と防御のための結界を張り、自身と小林さん以外は入れなくしていたはずの思い出の地が、跡形もなく消し飛ばされている。、阻止しようとしたトールと戦闘になる(エルマ曰く「実力はトールのちょっと下」)。街を庇うあまり全力を出せないトールを一方的に攻撃するが、「甘いもの食べ放題」の条件で小林さんに懐柔されたエルマが助けに入ったことで形勢が逆転し、敗北してしまう。その後は回復しきらない身体のまま街を放浪し、今度はカンナを焚きつけようとするが、失敗に終わる。いずれの場合にもトールたちドラゴンと絆を結ぶ小林さんの存在が背後にあることを知り、幼少期から刷り込まれた「人間は敵」という一族の教えと相反する小林さんに興味を持ち接触してきた。小林さんとの問答にも今ひとつ納得が行かず、魔力で陥れようとするも、またも失敗する。
幼少期は人間の子供と遊んでおり、本心では人間と仲良くしたがっていた。その気持ちと一族の教えとの間で葛藤する中、小林さんに諭され、クレメネに粛清されかけたところを小林さんやトールに助けられたただし、トールがクレメネを撃退したのはイルルを庇った小林さんを傷つけられたことへの怒りが大きな理由であるため、あくまで結果論だと言える。ことで心を開くようになり、3人目の居候として小林さんのもとに住むようになる。
トールよりカンナと年が近そうな外見才川は、イルルを初めて見たときには小学生くらいの子だと思っていた。であるが、実際はトールとほぼ同年代とされている(本人曰く「子を産み育てる歳」)。しかしながら、生い立ちのせいか人間との諍いにより両親を早くに亡くし、泥沼の報復戦の中で仲良くしていた人間の子らも殺されている。また、ルコアの言によると、幼少期はその環境のせいで子供らしく過ごすことを許されなかったことも示唆されている。、平穏な生活を得てからは時折子供っぽい一面を見せることもあるカンナよりも年長のはずであるが、カンナからは同年代扱いされている様子がうかがえる。また、第53話でトールがメイド服のことで皆を集めたときには、議論に加わらない子供たちの方のグループに入っていた。
登場したばかりのころは人間に変身する能力が若干不足しており、人間態の際でも手を人間のものに変化させることができなかった(初めて試みた際には手首から先が球状だった)が、人間界で暮らし変身を重ねるうちに、少しずつ人間らしい姿をとれるようになった元々尻尾や角はその気になれば隠せることがトールから語られているが、同時にかなり無理をして人間態を保っていることも小林さんに説明しており、特にもとより大きな胸はさらに大きくなりかねないことが示唆されている。。トールやルコアのようにウロコを服に変化させることに関しては、「そんな器用なことはできない」と語っている。
小林さんのもとに落ち着いてからも、破壊行為をしようとした後ろめたさから仲間内以外に交友を持たなかったが、ルコアの導きにより才川との邂逅を経て屈託のない笑顔を取り戻し、外の世界にも目を向けるようになった。
やりたいことが見つからず家でゴロゴロする日々を送っていたが、ある日とうとう堪忍袋の緒が切れたトールに「働かざる者死すべし」と最後通告を下され、仕事を探すことになり、商店街の「おぼろ商店」という駄菓子屋を訪ねた際、店主の会田さんが店を閉めようか思案している話を聞き、そこで働くことを希望後でタケトにその理由を「子供と遊ぶのが好きだ。でも遊ぶのを仕事にはできない。だから子供が楽しそうな場所にいたい」と語っている。し、会田さんからOKを貰う。仕事のサポートに来た会田さんの孫のタケトを不安がらせるが、仕事を無難にこなし、タケトと親しくなる。
故郷にいたころはカンナと共にいたずらも行っており、作者は「カンナとは似つつも経験したことが違うとこうなる」と語っている。
クレメネ
異世界のドラゴン(雄)で、人間態は面長で痩せ型の青年に変身する。
「調和勢」に属しているが、エルマに比べてやや過激な思想をした「屠竜派」と称されるグループの一員。敵対勢力の竜を殺すことを自己目的化しており、エゴを押し通すためならば不干渉の掟をも勝手な解釈でねじ曲げる「『人間に害をなす竜を庇い立てする人間は殺す』って、掟に背くようなことしていいの?」と小林さんに矛盾を指摘された端から「形ばかりの掟に意味など無い、よしんばあったところで人間ごときの存在は竜同士が取り決めた掟の適用外だ」と一笑に付していた。
弱ったイルルをいたぶり殺そうと執拗に追い回すが、それを庇った小林さんを傷付けたこととトールに関連する禁句を口走ってしまいこのとき小林さんが「それ 神はNGワード」と指摘している。トールの逆鱗に触れ、全身の骨を折られた上に(上述の通り、ドラゴンにとっては重要な部位である)角の片一方を付け根からむしり取られた挙句、記憶を消されて異世界に送り返された。なお、実力は「(イルルが)弱ってなければ本来勝てる相手でもない」程度。

ドラゴン以外の異種族

サハギン、ゴブリン、魔女
声 - 藤井隼(サハギン)、高橋伸也(ゴブリン)、石原夏織翔太との二役であるため、クレジット上は未記載。(魔女)
トールたちがコミケ会場で出会った異世界の住人たち。事故により人間界に飛ばされてしまい、以降は人間界で暮らしているが、いつも人間態のままでは窮屈なので、コミケ会場のようなコスプレイベントのある場所を隠れ蓑にして都合よく本来の姿に戻っている。トールと顔を合わせた際、彼女がドラゴンであることを知ると逃げ出したが、今度のコミケ用に「メイドのドラゴン」を用意することにした。なお、彼ら以外にも異世界の住人たちが幾人か本来の姿で訪れていた、とのこと。

人間

滝谷 真(たきや まこと)
声 - 中村悠一
小林さんの同僚である男性社員で、数少ない友人の一人。普段は人当たりが良く穏やかな性格の好青年だが、メイドや執事関連の隠れオタクであり、そのモードに入ったときには瓶底眼鏡をかけて、語尾に「ヤンス」を付ける(この時は出っ歯になる)。
トールからは小林さんのことでライバル視されている。アパートで暮らしており、後に「大山猛」の名で暮らし始めたファフニールを住まわせることになる。
ドラゴンたちの関係を気遣って親睦会を開いたり、人間を見下すファフニールを諭すなどコミュニティを維持するべくさまざまな行動をとる。作者曰く「都合のいい人間であろうとしてしまう典型的なお人好しタイプ・空気を読むタイプの小林さんとは類友」単行本第4巻の作者あとがきより
初期およびアニメにおいては小林さんとは同期であるとされているが、原作第35話では部署の設立当初からいる小林さんに対して、自分は翌年新卒で入ったとエルマに説明しており、これが単なる矛盾か設定の変更かは、コミックス第6巻時点で不明。
作中ではファフニールを「ファフ君」という固有の愛称で呼んでおり、後にその行為は強制的に彼に強い主従契約を結べる状況を作り出していると知るが、争うことはあっても力ではなくゲームで勝敗を決めるなど2人の関係はあくまで対等なものとして捉えているため、その権利を行使してはいない(トールからは、力を介さずにファフニールとそれなりの関係を築いていることを不思議がられている)。
同人ゲームの壁サークル「水竜堂」のメンバーであり、夏コミにも参加した際に、急病で不参加となったメンバーの代理として、トールに列整理、小林さんに売り子の手伝いをしてもらったこともある。なお、作品は弾幕系STGで、ファフニールの指摘並びにスクリプトソースの修正で改良されている。
堀内(ほりうち) / 辰田(たつた)
声 - 高橋伸也
朧塚商店街で肉屋を経営している男性。トールにクリスマスのことを教えた。
原作では直接登場することは少ないが、アニメでは出番が増えており、名前も堀内から辰田に変更された。
才川 リコ(さいかわ リコ)
声 - 加藤英美里
朧塚小学校に通う女子児童で、カンナの同級生。広めでつややかな額がチャームポイント。高飛車でクラスの女王を気取るような言動に加え、男子に対しては上級生だろうと上から目線を取りがち。実際には素直になれないだけで本心では同級生と仲良くしたがっているが、普段の態度が災いして歓迎されていない。クラスメイトからは「ずるいし、汚いし、負けを認めないどうしようもない性格」「才川が(運動会で)みんなで協力という発言をしたことが信用できない」などと酷評されている他、ドッジボールでの増援を断られた際にカンナからも人望の無さを指摘されている。学校に無断で飴を持ってきている。空手を習っており、大会で優勝したことがあるとのことスピンオフ『カンナの日常』にて、それが「組手」ではなく「型」の方でのことだと明かされている。。アニメ版では、パイナップル入りの酢豚が嫌いなことになっているしかし、そんなことを知らないカンナから無邪気な様子でリコに余ったパイナップルを大量にサービスされた際には、「ぼへえぇぇ」と叫び歓喜していた。
当初よりカンナに関心を持ちつつも(素直になれない自身の性格もあって)その優秀さを疎ましく思っていたが、カンナを泣かせてしまったことしかし、実際には泣いたふりをしているだけだった。を機に態度を軟化させ、友人となる。これ以降、カンナからのスキンシップや好意を示す言葉に身悶えることが多くなり、友情が行き過ぎて少々危険な雰囲気になることがある第29話では「結婚したい」とまで言いきっている。また、アニメ版第11話ではカンナと御揃いのお守りとして「縁結びのお守り」を買うことを勧めていた。。原作では第21話で見せたきりだが、アニメではカンナのことで興奮すると、ことあるごとに「ぼへえぇぇ」と叫び、さながら代名詞と化しているアニメ版第9話では、この興奮のせいでカンナとの二人三脚では惨敗、クラス対抗の綱引きでは勝利に大貢献と一長一短がある。
小林さんのことは、カンナから「私の保護者」と紹介されたことでカンナの母親と誤って認識しているが、小林さんやカンナから明確に否定されていないので、以降も(第6巻までの時点で)そう思い込んでいる。このため、カンナが小林さんのことを「コバヤシ」と苗字で呼ぶこと第34話の授業参観で読み上げた、小林さんについて書いた作文でも「コバヤシ」と呼んでいる。を変に思っているこのことを含め、カンナについていくつかの疑問を抱えているが、「まぁいいか!かわいいし!!」と受け流している。
実姉のジョージーに対しては、普段は「ジョージー」と呼んでいるが、たまに「お姉ちゃん」と素で呼びそうになることもある(スピンオフ作品では基本的に「お姉ちゃん」と呼んでいる)。
『カンナの日常』においては、自身の雛人形は姉のお下がりであることにコンプレックスを抱えていることが明らかとなった。
ジョージー / 才川 苗(さいかわ さなえ)
声 - 後藤邑子
「才川家のメイド」を自称する才川の実姉。アニメの公式サイトによると、本名は「才川 苗」であり、初登場時点で中学3年生
度を越したメイドフェチであり、実妹のリコに対しては家の中でも外でも「お嬢様」呼びを崩さない。小林さんと意気投合し、才川家を訪れたトールは別な意味で危機に直面する。スピンオフ作品にて、カンナがジョージーに憧れてメイドごっこを申し出たときには「ごっこ遊びとはいえ…」とメイドの心構え等の指導を手厳しく行った。
アニメ版では出番が若干増えており(第9話ではリコの運動会を観覧し、第11話では初詣の付き添い、第13話ではリコの登校のお見送りをし、いずれも自前のメイド服で登場している)、主要キャラに昇格している。
普段は「普通の女子中学生」とのことで、第50話のエピローグ1コマで学生服姿が描かれた。また、同話では「メイド服の資金稼ぎ」として遊園地でマスコットの中の人としてアルバイトしていることが判明した。
才川の両親
声 - 嶋村侑(母)、高橋伸也(父)
才川の両親。母親は娘たちにそっくりの容姿で、父親は和服を着用し、厳格なイメージがある。
原作に先駆けて、アニメ版第9話で初登場を果たす。
長女の苗(ジョージー)が「才川家のメイド」を自称している件については咎めていない。
真ヶ土 翔太(まがつち しょうた)
声 - 石原夏織
朧塚小学校に通う小学5年生の男子児童。クラスは3組。魔法使いの家系であり、故郷に帰る日に備えて、魔法の練習をしている。地道を好む温厚な努力家だが、早く一人前になりたいと焦る気持ちも強い。ブラックコーヒーと近所の怖い犬が苦手。カンナと才川より学年は上だが、2人からはタメ口を叩かれている。滝谷とファフニールとは、ゲーム仲間にもなる。
悪魔の召喚を試みた際に、制御しきれない悪魔を召喚しそうになっており、危険を察知したルコアが代わりに召喚に応じた。以降は、ルコアの主になるが、ルコアがドラゴンだと説明されても信じず、その過激なスキンシップから彼女を「巨乳なサキュバス」だと誤解をしている。
その一方で、強大な力を持ちながらも自分のそばにいてくれるルコアのことを、憎からず思っている側面もあり、小林さんに「もしルコアが自分の友達と仲良く話しているところを見たらどう思う?」と聞かれた際には大いに狼狽えていた。ルコアとは魔力のつながりができているため、離れていてもだいたいどこにいるかを察知することができる。
アニメ版では出番が増えており、就寝時と夢の両面でルコアの巨乳で悶絶する様が毎回の定番となっている。第10話では同じ学校の後輩のカンナと才川に肉まんをあげる先輩らしい気遣いを見せ、ルコアに女装させられた際には、中性的な容姿もあって、トールたちも驚くほど可愛くなっていた。
翔太の父
小林さんの勤務先の専務容姿は原作に先行して、アニメ版第6話で明確化された。また、第7話では、翔太の海水浴の付き添いを小林さんに頼んでいる。
ルコアのことは「呼んでしまったものを責任を持ってどうにかするのが一族の家訓」としながらも、翔太にとっていい勉強になると考えている(小林さんには「息子さんの性癖が歪んでも知りませんよ」と忠告されている)。
一見穏やかな人となりだが相当の狸親父であり、待遇の改善を訴えるエルマを道理と詭弁を使い分けて悉くいなし続けたほか、未来視の能力を用いて別世界の著書を書き写して売りさばき、魔法の研究費に充てるなどしている。
トールの父親とは知り合いであり、彼女の人間界での様子を細々と伝えている。
自社のプログラミング言語を魔法式の羅列に似せた独自のものにしており、これが原因で現場では新入社員が育ちにくく、中途募集をかけても一向に応募が無い状態となってしまっている(小林さんは「新卒を採るにしても教育期間が足らない」と嘆いており、偶然とはいえエルマの入社はかなりの戦力強化であった)。
翔太の母
専業主婦。髪型は息子の翔太に似ている。アニメ版第9話の運動会では、ルコアと共に、翔太を応援した。
小林さんの母
声 - 玉川砂記子
小林さんの母親。娘同様に眼鏡をかけている。原作では回想のみの登場で、アニメ第11話において、小林さんとの電話のやり取りという形で声のみ登場。また、第13話(最終回)エピローグでは、小林さんがトールとカンナを連れて、帰郷した。
山下(やました)
声 - 高橋伸也
小林さんの同僚である男性社員。北海道出身。トールが小林さんに内緒で会社見学に来た日は休暇(アニメでは風邪による欠勤)をとっていたが、その前日に発注ミスをしてしまったため、小林さんは処理に追われることになった。
課長(原作) / 所長(アニメ版)
声 - 高橋伸也
小林さんの上司。本名不明。男尊女卑的思考の持ち主ただし、アニメ版においては男尊女卑的発言は修正されている。で、小林さんに対して度々パワハラを行っているが、小林さん自身から軽くあしらわれつつ、実際にはパワハラの様子を録音されているただし、表面的には気丈にふるまっていた反面、本心ではそのことでも非常に精神面での負担がかかっていたらしく、トールとの邂逅時は酔った勢いもあって涙ながらにその不満をぶちまけている。。内緒で会社見学に来たトールの怒りを買い、何度も足を突っかけられて、その場で転び続ける醜態を晒した。
後日、パワハラ発言の録音データが上層部に渡ったことで、解雇処分に追い込まれたこの顛末については、原作単行本第2巻のエピローグ1コマで描かれており、アニメ版ではこの1コマ漫画も含めてアニメ化されている(第5話Aパート)
笹木部(ささきべ)
声 - 石原夏織
小林さんの右隣に住んでいる主婦。「ギガンテスの四股のようだ」とトールが評するほど、騒がしい音を立てて料理をするが、時々小林さん宅におすそ分けをするなど、当人は至って善良な人物であり、料理についても「味は普通」と評されている。
アニメ第11話ではお節料理のお裾分けで栗金団を小林さん宅に届ける。
谷菜(やな)
声 - 不明アニメ版にもセリフ付きで登場はしているが、担当声優は未記載。
小林さんの左隣に住んでいる男性。職業か趣味か不明だが、自室で音楽を流したり、歌を歌ったりするが、その音楽は「マンドラゴラの断末魔や、ハーデスがヘラクレスに踏み潰されたうめき声」とトールに評されるほど騒々しい。デスメタル系のバンドでボーカルを担当しているらしいが、練習スタジオでの歌唱を聴いたカンナからは「ヘタ」、才川からも「うるさい」と切り捨てられているカンナの日常「メタルの時間」より。
アニメ第11話では年末に実家から届いたみかんのお裾分けをしている。
曽根(そね)
声 - 高橋伸也
小林さんのおむかい(アニメ版では上の階)に住んでいる男性。自室をアトリエとして、木彫りの彫刻を作る仕事をしているトールの訪問時には、自作の木彫りのゴリラを見せている。これとは別物のゴリラがアニメでは第4話以降、小林さん宅のダイニングテーブルに飾られている。が、電動ド