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少女ファイト/日本橋ヨヲコ

共有

著者: 日本橋ヨヲコ
巻数: 6巻

日本橋ヨヲコの新刊
少女ファイトの新刊

最新刊『少女ファイト 6


出版社: 講談社
シリーズ: キャラクターズA


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

buriburibububu RT @yowoko: ちなみに少女ファイトもファンタジーバレー漫画として読んでもらえたらありがたいです
ninjin11 RT @yowoko: 第5話は今日いっぱいの配信なので今のうちに!第6話は0時に更新→ 少女ファイト・ピックアップWeb連載第5話「重い合点」ワンポイント解説 | memo | 日本橋ヨヲコ オフィシャルブログ http://t.co/mhT6nupVHa http://t.
crimax32 RT @yowoko: サラといえば、連載前にイメージボードっぽく描いた魔女トリオの画像がでてきたので置いときますね。ちょうどいま少女ファイト4話が無料掲載中です。この頃のサラは002っぽいなー(リンクつながりで)http://t.co/v8REDlZfFu http://t.
runner904856 RT @yowoko: [少女ファイトWeb連載ワンポイント解説] 4話はシゲルのおまそう台詞、2巻から本格的に登場する魔女トリオの登場、陣内監督の「生き方が雑だな」と、序盤の大事な部分が集結してる回だと思います。http://t.co/v8REDlZfFu http://t.
shinbatu RT @yowoko: 少女ファイト第4話「粗い視点」公開されました!「お前がそう思うんなら〜」のシーンが登場してますので、読んでみてくださいね!この台詞の真意は最新刊の10巻で明らかになってます。そちらもぜひー!http://t.co/v8REDlZfFu http://t.

少女ファイト』(しょうじょファイト)は、日本橋ヨヲコによる日本の漫画作品。『イブニング』(講談社)にて2006年2号より連載中。高校の女子バレーボールを扱っている。

概要

本作品のタイトルは、同じ作者の前作『G戦場ヘヴンズドア』に登場させた架空の漫画雑誌『週刊少年ファイト』をもじったもの。2005年12月から講談社の漫画雑誌『イブニング』にて、隔号連載している。現在、『イブニング』は毎月第2・第4火曜日の発売で、本作品が掲載されているのは第4火曜日の号である。第2火曜日の山本直樹の『レッド』と交互掲載のスケジュールが組まれている。その為、休載しても本作品が第2火曜発売の号に掲載されるようなことはない。毎号掲載を希望する声もあるが、月2回の掲載だと作画の都合で時々間に合わなくなると作者は述べている。

作者は小学生の時期にバレーボールをやっており、「人に気を使う球技」・「人生の縮図」として感じたとし、作品の題材にしたかったと述べている。また、作者が30代になり経験を積んだことで余裕が出来たことから、幼少時には読者として好きだったが20代では未熟で出来なかったスポーツ漫画を描こうと思ったとのこと。

ブロスコミックアワード2008大賞受賞作(『TV Bros.』2008年11月8日号(11月5日(水)発売))。

2009年1月にはドラマCD化(第5巻特装版に付属)され、さらに同年10月にはOAD化(第6巻特装版に付属)される。

あらすじ

大石練は、小学生時代にチームを全国準優勝にまで導いた天才的なバレーボールプレイヤー。しかし進学したバレーボールの名門の白雲山学園中等部では、極力目立つことを避けて3年間補欠となっていた。黒曜谷高校へ進学を機に新たなチームメイトを得た練は、バレーボールに対し再び真剣に向き合うこととなった。

登場人物

※1巻収録分まではプロローグ的な意味合いが強いため、学年は単行本2巻以降のものである。

※キャストは特記のない限りドラマCD版・OAD版共通。

主要人物

大石 練(おおいし ねり)
声:水樹奈々
本作の主人公。黒曜谷高校スポーツ科学科1年。旭谷小学校の後、私立白雲山学園中等部を卒業後、私立黒曜谷高校へと進学。4月27日生まれ、身長158cm、体重49kg。
姉のことが大好きで、姉を熱中させるバレーボールを嫌っていた。しかし小学3年生の頃から姉とバレーをするようになり、小学4年から学校のクラブ活動ではバレーボール部に入部した。それでも一人では出来ないことや、失敗を仲間に責められることを恐れ、バレーボールを好きにはなれなかった。小学校5年生になる前の春(つまり4年生の3学期)、姉が所属する黒曜谷高校は春高に出場する。しかし準決勝に勝利した帰宅途中で姉の真理は交通事故で亡くなる。練は姉の死を忘れさせてくれるバレーボールに没頭するようになる。そのプレイはチームメイトの誰一人も付いてこられないほどで、「狂犬」とあだ名された。
小学校のチームのキャプテンを務める。6年生の時に転入してきた唯隆子と一時的にコンビを組み地域で最強のチームとなった。その後、チームを全国大会準優勝に導いた。準優勝に留まったのは、決勝になるとバレーボールの時間が終わってしまうとして興味を失って緊張の糸が切れてしまうため。隆子は転入してきた3ヵ月後に再びアメリカに転校してしまい、隆子を除き旭谷小チームのレギュラー全員が千葉県の名門の私立白雲山学園にスカウトされ、中等部の推薦入学試験を受けることになる。しかし、練以外のメンバー全員が面接を辞退した。チームメイトに裏切られたことにより、以後は幼馴染みの滋と未散以外の同年代の誰とも距離を置くようになる。
その原因は自分の猛烈なバレーに対する意気込みにあったと考え、白雲山では自分の実力を出さずに補欠で通そうとしていた。3年生時に些細なことでレギュラーの千代に怪我を負わせてしまい、対飴屋中学の公開練習試合にスタメンとして出場することとなる。試合開始当初は自分を抑えていた練だが、無意識に闘争心に火が点いてしまいチームメイトの京極小雪と接触・落下、2人とも体を痛めて練習試合は打ち切りになった。保健室に向かう途中、観戦していた幼馴染の式島滋に強引に男子トイレに連れ込まれマッサージを受けるが、それを監督に逢引きしていたと誤解され、自宅謹慎処分となる。白雲山の高身長優先の方針から高等部への特待生としての進学は絶望的となり、練の学力では通常の進学は無理だったことから卒業まで自宅療養するようになる。
前日にチームメイトの真理が交通事故で死んだにもかかわらず、動揺を見せずに春高の決勝戦で完璧な勝利を収めた黒曜谷高校を練は嫌っていた。しかし真理の墓前で真理のチームメイトで現女子バレー部監督の陣内笛子に出会い、黒曜谷高校にスポーツ特待生として入学する。
運動神経は人並み外れて優れている。勉強は苦手だが、記憶力も目覚ましく、小学生時に一度対戦しただけの厚子やナオのプレイスタイル、さらにその時のスコアまで記憶していたことで周囲を驚かせる。しかし映像で記憶するタイプの為に、小学校の同級生であった学のことは、再会したものの容姿が変わっていたこともあり言われるまで気付いていなかった。実家は銭湯を営んでおり、現在は父・母との3人暮らしで、「ニコ」という猫を飼っている。姉の形見である四つ葉のクローバー型のネックレスを試合時以外は身に付けている。愛用しているボールのブランドは3CASA。好きなアーティストは宇多田ヒカル(特に好きな曲は「In My Room」)週刊日本橋ヨヲコ:http://nihonbashi.jugem.jp/?eid=87;。
ネーミングは「多い試練」からで、第1話のサブタイトルにもなっている。
式島 滋(しきしま しげる)
声:中村悠一
黒曜谷高校スポーツ科学科2年。大石家の向かいに住んでいる練の幼馴染み。実家はスポーツ整体で有名な式島整骨院。跡取りとして厳格に育てられ、マッサージや選手の体調管理など、トレーナーとしての力量は高校生ながらプロフェッショナル級。練が嫌っていた黒曜谷高校へ進学したことから、練には卒業まで会わないと言い渡されていた。練の飴屋中学との練習試合を観戦し、再会。そして中学を実質退学となってしまった練を黒曜谷高校へと勧誘する。練の入学、そしてバレー部への入部と時を同じくして男子バレー部を退部、女子バレー部の専属トレーナーとなる(ただし練への償いが目的ではないと本人は述べている)。
父母弟との4人暮らし。容姿は父親似。目が悪いため眼鏡をかけている。他人にそっけない態度から、未散には「人を声で見分けていて顔は見ていない」と冗談めかして言われるが、練の顔はよく見ている。性格は至って真面目、冷静沈着、合理主義的。異性からはモテているが、本人にその意識はあまりない様子。普段から常に冷静だが、練の事になると冷静ではいられなくなることも少なくなく、練が合宿から抜け出したことを知るや否や探しに走ったり、練を見付け出して川の土手で押し倒してキスをした。それ以後、周囲公認の恋仲となった。
父親から施術の手技や日常の作法に至るまで、様々な事を厳しく躾られているが、それは嫡男だからという理由ではなく、同じ遺伝性疾患である網膜色素変性症を患っていることからの経験的な事から来る教育である。
小田切 学(おだぎり まなぶ)
声:能登麻美子
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。6月30日生まれ、身長178cm、体重61kg。
小学生時代に、肥満を理由にクラスメイトにいじめられているところを練に助けられ、叱咤激励される。その出来事から、練を憧れ尊敬している。中学入学直後に、原因不明の高熱で1週間寝込んでから、肥満体形から現在の様な細身の体形になった。趣味は漫画。漫画の目的は、当初はいじめからの逃避だったが、練と出会ったことで、練を理解する為に練を主人公にしたバレー漫画を描くようになった。そして、漫画家を志望するようになる。但し、絵は下手。
学業成績は非常に優秀で、中学では首席。高校受験直前になっても授業中に漫画を描いているが、日本でも有数の難関校である開成や麻布を連想させる「開布高校」の受験を薦められるほどの成績。しかし当人曰く、テストにおいては、誤字や計算ミス等のケアレスミスが多く、満点を取れた経験はあまり無いとのこと。
バレーボールどころか部活動の経験すら無いが、自宅付近でスポーツ科学科のある黒曜谷高校のスポーツ科学科に入学し、偶然にも再び練の同級生となる。運動部が目的の入学がほとんどのスポーツ科学科の生徒にもかかわらず、全校で入試試験結果第1位の総代となる。バレー漫画の参考としてバレー部にはマネージャーとして入部するつもりだったが、マネージャーは滋で決定していたこと、入部人数が最大10人に制限されたこと、練に目的(学の場合バレー漫画を描くこと)がはっきりしている奴が優先だと言われたことなどからプレイヤーとして入部した。運動神経は鈍いが、高身長と、状況把握など頭の良さを持ち合わせていることから、笛子や鏡子に高く評価されている。
入部と共に髪型をショートに変え(真理と同じ髪型だが、これは過去に真理の髪を切っていた奈緒の母が、学と同じくらいの身長である真理のいつも注文していた髪型に切ったため)、眼鏡からコンタクトレンズに切り替える。箸は左利きで、鉛筆は右利き。
頭脳だけではなく、優しく豊かな人間性も持ち合わせており、場の空気や他人の気持ちを推し量る能力に長けており、練や未散の相談に対して的確なアドバイスを与えている。家族構成は、父・母・弟の4人暮らし。容姿は父親似。未散と共通した大切な存在である練を守る為に、形式的に未散と付き合い始めた。
式島 未散(しきしま みちる)
声:鈴村健一
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。滋の弟で、練の幼馴染み。容姿は母親似。滋と違い放任されて育てられ、中学時代は(ひきこもりとは反対の)出ずっぱりの不登校児だった。同級生や教師からは事あるごとに出来の良い兄と比較されるが、兄が家で強いられている苦労を知っておりその事で不満は抱いてはいない。中学校のバレーボール部で部員の不真面目さに嫌気が差し3年生の時に辞めたが、地域のバレーボールサークルで引き続きバレーボールを続けており、サークルでは由良木龍馬に鍛えられる。ポジションは滋と同じくセッター。学業が満足でなく高校の進学先が決まっていなかったが、三國智之の強い推薦もありバレー部を退部する滋に代わるセッターとしてスポーツ特待生となる。
練を好いているが、何でも自分に譲ってくれる兄の本当に大切な物(練)は奪わないと誓い、自ら練とは距離を取っている。未散が練を好いていることは滋も察しているようだが、滋との間には練に対する想いに関して口に出してはいけないという暗黙の不文律があると言う。小学生の頃、居眠りしている練に思わずキスしてしまい、それを隆子に見られたあげく写真に撮られ、それをネタに脅されて交際を強いられていた。隆子は中学に進学する前に海外に移住してしまったが、隆子のことが心の傷となり中学時代にはあまり学校へ行かず、遊び歩いていた。その為、不良にも顔が利く。遊び歩いていた経験からか、社交術に長けている。自分に偏見を抱いていた小田切の母親と、引きこもり状態の弟にも、いとも容易く自分に心を開かせた。
小中高と同じ学校に進学している学とは仲が良い。高校1年時に帰国した隆子に再会し再び交際を迫られるが、練を混乱に巻き込まないように隆子に交際を断る為に学と形式的に交際するようになった。
滋が自らプレーヤーを引退した理由、また日頃から父親に厳しく育てられていた理由が、遺伝性疾病による失明の可能性にあったことを知ってしまい、ショックを受ける。

私立黒曜谷高等学校

東京都練馬区にある高等学校。遊園地『しじまえん』と同じ経営で、経営者の趣味で『しじまえん』の拡張工事と併せて設立された。校舎は悪魔城的なデザインで、最寄り駅は『静寂園』。『しじまえん』と共に三國財閥系列である。理事は鏡子の母親。普通科の単科の高校だったが、数年前にスポーツ科学科を設立しスポーツ特待生制度を導入、運動部の強化を行う。三國兄弟の入学を見越しての判断でもある。スポーツ科学科の生徒の7割がスポーツ推薦入学。

黒曜谷ストレイドッグス

黒曜谷高校女子バレーチーム。練の姉である真理の世代は、理由不明だがインターハイを辞退したもののその年度の春高では優勝し、「春高優勝世代」と呼ばれている。その後は理由不明ながら部員不足になり廃部状態になっていた。鏡子らが1年生の年にバレー部は復活するが、部員の退部による人数不足で対外試合も行われなくなり、部員減少に一層の拍車をかけた。部員は鏡子・沙羅・由佳の3人にまで減ってしまったが、やる気の無い部員は不要として積極的な部員勧誘は行っていなかった。文武両道が部の方針で、定期テストで赤点になるとレギュラーから降格される。これは、練習のし過ぎによる故障で現役を引退した笛子の自分の体験から、バレーボールを引退した後のことを考えての配慮である。

黒曜谷の女子バレー部は校内外ともに「魔女」と呼ばれている。鏡子・沙羅・由佳の2年生の3人は、中学時代から都内では有名なプレイヤーで、鏡子がセッターを務めるときの沙羅と由佳は「風神雷神」との異名をとる。次世代の新入生では練を筆頭とした10数人に目星を付け、何らかのスカウト活動を行っていた。実力はあるが他校では推薦では入学させないような癖のある生徒を積極的に獲得していた模様。

犬神 鏡子(いぬがみ きょうこ)
声:大原さやか
黒曜谷高校スポーツ科学科2年。6月12日生まれ、身長173cm、体重59kg。キャプテンでポジションはセッター。基本的にマイペースな性格。母親が黒曜谷高校の理事長である事から、「多少のおねだりは利く」と言うが、女子バレー部メンバーの赤点には手心を加えられることはない。
虚弱体質で喘息を患っており、全力でのプレイは1ローテーションしか持たない。その為、試合では重要な場面にしか出場しない。喘息が発症した場合を考えて学校ではあまり練習は行わずに自宅の体育館でサラと行うが、人知れず練習している事は公にはしていない。夜に喘息の発作が起きて眠れないと、気を紛らわす為に工作をすることがある。バレーボール型モーニングスター、バスケットボールで作った偽バレーボール、有刺鉄線ネット等、思い付きによる作品が多い。しかし、単行本2巻の巻末(『月刊アフタヌーン』に出張連載)でプールとバレー用のネットを組み合わせた練習法を考案し、動き辛さから正確なパス回しの鍛錬として効果があった様だ。
鎌倉 沙羅(かまくら さら・サラ)
声:伊倉一恵
黒曜谷高校スポーツ科学科2年。9月2日生まれ、身長178cm、体重58kg。長身で、キレのあるスパイクを打つ。鏡子の速いトスアップに部内で唯一合わせられる。速攻のキレが良すぎるため「死神の鎌」と呼ばれている。常に感情を表さず無表情で寡黙、誰に対しても敬語で接する。小さい頃から母親と共に犬神家に住み込んでお手伝いさんをしており、鏡子のことを「お嬢」と呼んでいる。料理の腕前は抜群で、アレルギー体質の鏡子の食事はほぼ沙羅の手作り。その為、鏡子はサラのことを嫁と称することもある。また、鏡子の自宅での練習にも付き合ってもいる。
蜂谷 由佳(はちや ゆか・ユカ)
声:柚木涼香
黒曜谷高校スポーツ科学科2年。4月17日生まれ、身長168cm、体重78〜63kg(ダイエットの状況により変動)。常にヘアバンドをしている。大抵鏡子の奇行にツッコミを入れる役回りになってはいるが、本人自身も癖のある性格らしい。彼女のオープン攻撃をレシーブすると腕が腫れ上がることから、「スズメ蜂」と呼ばれている。白雲山学園の蜂谷千代とは従姉妹で、容姿は少し似ている。少々メタボ気味なのが悩みの種。
伊丹 志乃(いたみ しの)
声:ゆかな
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。8月20日生まれ、身長159cm、体重47kg。
練と同じくらいの身長だが、努力家で総合的な実力も1年生の中では最も高い。低身長の自分を活かせるセッターを志望しているが、どのポジションもそつなくこなす。実力に裏付けされてプライドが高く、同学年だけでなく上級生、特に鏡子に対しても毒付くことがある。チームメイトも今のところレギュラー争いのライバルとしか見ていない。由佳曰く、試合中に味方のミスを指摘するなど「包容力が足りない」。また、頭に血が上り易く、冷静さを失うとプレーの質が落ちるなどメンタル面の鍛錬が課題となっている。身体能力は中学校時代では学級でもトップクラスだったが、黒曜谷メンバーの中ではそれほど高くないことを思い知らされた。
神戸出身で、寮生活をしている。母方の祖父は雨口組系の阪神地域を仕切るヤクザ菱巻組の組長として関西では有名。その為、関西ではヤクザの孫娘として知れ渡っている。母は駆け落ちして志乃をは関東で生まれ育ったために訛りは無い。その後、祖父に両親の仲を認められ、親子共に神戸で暮らすようになった。中学生の時に父が逮捕されたことが知れ渡り、ヤクザの孫だけでなくヤクザの娘とのレッテルを貼られることとなった。中学の部員を自分のヤクザの悪評に巻き込まない為に、誘われていた浅葱高校を蹴って問題児を集めているという東京の黒曜谷高校に進学した。春高優勝が目標だが、それはヤクザの孫というだけで八百長していると言われたことを見返すのが目的とのこと。
入学時のエキシビジョンで恥をかかされて以来、鏡子を敵視していたが、白雲山との練習試合では鏡子にフォローされるなど、徐々に心を開きつつある。
延友 厚子(のぶとも あつこ)
声:渡辺明乃
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。11月27日生まれ、身長174cm、体重66kg。
城南小学校バレー部ではキャプテン。栄中学校から黒曜谷に進学。男勝りな性格で口調も男言葉(一人称は「私」)。一部の人にだけ心を許し、それ以外の周囲を敵視する傾向にある。群れる事を嫌い常に単独で行動していたが、小学3年生時に初経となり、生理経験は奈緒と学級に2人だけだったことから仲良くなり、その後は2人で過ごすことが多くなった。親友であるナオを護るという意識が強いが、逆にナオを保護するという意義に逆に自らが依存している側面もある。その為、ナオの本間との交際には反対している。
ナオと共に学力は弱く、“特待生待遇でバレーが出来て且つ進学も出来る”として入学してきた。が、チーム方針が赤点でレギュラーから降格することを知り、半ば義務である学校側の期待に応えられなければ退学に直結する特待生であることから、ナオに対しても赤点にならないように説いている。
小学生の時に練のチームに完敗したことがあり、練を激しく敵視していた。練が自分達のことを覚えていたことに驚き、チームメイトとなった練の能力や精神の不安定さにも驚くが、今ではわだかまりはなくなっている様子。
早くに実母を失い、父親が再婚した若い義母を父親と共に一方的に敵視しており、家から離れたくて入寮した。家を出る為に実業団入りを目指し、その為に春高優勝を目標にしている。
男子バレー部の三國智之に「女性とは思えない」と評される筋肉の持ち主。
電車内で賭けバレーのチケット購入を迫られている三國広之を助けて以来好意を抱かれているが、彼の世間離れした行動や強引さに振り回されることが多い。
早坂 奈緒(はやさか なお・ナオ)
声:世戸さおり
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。2月26日生まれ、身長164cm、体重56kg。
見た目も中身もギャルで、性格は軽く、学力は弱い。恋多き少女で、駄目な男と付き合っては泣いて厚子の下に帰ってきて、その度に厚子に説教されている。中学時代に厚子が父親の再婚で荒れるようになってから、奈緒の異性遊びが激しくなった。基本的には母親譲りの天真爛漫で優しい性格だが、厚子曰く「付き合う友人によって、性格や素行が影響されてくる」とのこと。作者曰く、「チームの潤滑油」特捜版5巻付録ドラマCDの作者コメントより
厚子とは城南小学校の3年生の頃からの親友。厚子と一緒にいたいが為に厚子を追うようにバレー部に入部した。厚子曰く「やる気にムラがあるしサボり魔だが器用で穴がない」「栄中学校時代、うちのチームは奈緒で持っていたようなもの」とのことコミックス第2巻Fight.12より。栄中学校から黒曜谷にスポーツ特待生として入学する。
本間豪徳と交際し始め、本間が主催する池袋ベットバレーを知る。賭けバレーのメンバー不足になったことで、メンバーから「バレーが出来なくなる」と泣き付かれて、断れずにプレイヤーとして参加する。ベットバレー以後も非合法ビジネスから手を引いた本間と交際している。やる気にムラがありサボリ魔だが、ベットバレー以後は周囲に迷惑を掛けたことを悔いて真面目に取り組む様になった。容姿は母親似。
長谷川 留弥子(はせがわ るみこ・ルミ)
声:小林ゆう
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。9月28日生まれ、身長171cm、体重54kg。
実力・ルックス共に優れ、飴屋中学バレー部でキャプテンを務め、小雪とアイドル的人気を分け合う。スパイクやブロックは巧いが守備が苦手で、本人もそのことを自覚している。中学時代に一度だけ練のチームと対戦した際、本気を出さないでプレーしていた練の実力を見抜いた。バレーが上手い人に対してはかなりミーハーで、白雲山中との試合でも小雪にサインをねだっていた(飴屋中学の女子バレー部は体育会系体質だが、チーム全体がルミと同様にミーハーである)。サラの大ファンを公言し、寡黙なサラを度々動揺させている。一人称は「ルミ」で、周囲もルミと呼ぶことがある。
人懐っこく穏やかな性格だが、「あきらめる」という言葉に関して普段からは想像できないほど殺気立った表情を見せたこともあり、気の強い志乃と厚子さえも青褪めたほど。「交際している人はいないが、結婚したい人はいる」と公言し、20歳近く歳の離れた男性に片思いしていることを隠していない。片思いの男性から結婚の条件として春高の優勝を挙げられたことで、春高優勝を目標としているが、チームメイトは「目標を達成されても次の条件を持ちかけられる」と予想して、「暗に避けられているのではないか」と指摘されている。
実家は近くなく、自宅通学では寝坊で遅刻することもあり、寮生活をしている。母親は女優の組子。組子が子持ちであることを公開していなかったことから、留弥子の存在の発覚で隠し子としてイジメられていた。その事から、自分と同様に親の事が原因で苦労を重ねてきた志乃に対しては、特別な感情を抱いている様子。常に笑顔を絶やさず周囲への気遣いを欠かさないのは、イジメの経験から敵を作らない様に無意識に予防線を張ってしまう為。
作者の通例として過去の作品から引き続き登場するキャラクターの1人。作者の前作『G戦場ヘヴンズドア』のヒロインである久美子(組子は芸名)は、高校3年生の時に主人公の1人である鉄男との間にルミを妊娠し、10歳の娘として最終話に登場している。両親の高校時代の同級生で前作のもう1人の主人公である漫画家の堺田町蔵に対し、お嫁さんになってあげると持ちかけるなど世話女房的な様子が描かれている。ちなみに久美子も中学時代にバレー部だったが、手首の故障で戦力外通告を受け引退している。
陣内 笛子(じんない ふえこ)
声:桑島法子
黒曜谷高校女子バレー部監督。常に着物の喪服姿。練の姉の真理の黒曜谷高校時代のチームメイトで、現役時代のポジションはセッター。真理が事故死した日の春高バレーの準決勝の試合では、真理の故障を知っていながら真理にトスを上げ続けた。それが真理の死亡の原因だとして、練は笛子と黒曜谷高校を敵視、黒曜谷高校に入学した滋にも滋の卒業まで会わないと決意した原因となった。その笛子は、交通事故の直前に真理を制止しようとしたが、膝の痛みで転倒し出来なかったことを悔やんでいる。真理の死の翌日の決勝戦で、真理への弔い合戦であるかのように、自らの膝の故障を全く感じさせない完璧なプレーをしたことが仇となり、選手生命を絶たれた。それが原因で笛子は今でも杖を携帯している。その故障の原因は練習のし過ぎのようで、監督就任後は「怪我をしないこと」と(バレーを引退した後の生活への配慮として)「赤点を取った者はレギュラーから降格させる」という方針を打ち出した。
高校進学で悩んでいた練は滋にその決勝戦のDVDを観せられ、バレーに集中することで真理の死を忘れようとしている自分を重ねた。笛子は真理の墓参りを毎日欠かしておらず、真理の墓前で泣き崩れていた練に声を掛け、黒曜谷にスカウトした。
白雲山学園バレー部の現監督である別所とは16歳から交際を始め、バレー部の活動を抜け出して逢引するほどの恋仲だったが、真理の死に遠慮して別所とは距離を置くようになった。普段は寡黙で無表情だが、別所監督との過去を話された際には赤面しながら狼狽する。
由良木 政子(ゆらぎ まさこ)
声:本田貴子
黒曜谷高校女子バレー部のコーチ。黒曜谷高校男子バレー部の由良木龍馬の姉で、顔はよく似ている。練の姉の真理や監督の笛子とは春高優勝世代のチームメイトで、笛子とともに春高の決勝戦に勝利し優勝する。その後、Vリーグに参加していた。ポジションはセンター。しかし、腰の調子が悪く、療養のためにリーグを一時退団し、療養期間中にコーチに就任した。コーチ就任により、バレーを自分主体の視点ではなく俯瞰して見ることが出来たとしている。豪快な性格で、笛子のバレーを「バレーを辞めた後のバレー」と評し、自分は飽くまでも勝利を求めるとしている。家業は江古田駅近くにある寿司屋『ゆらぎ』で、一応寿司も握ることができる模様。

女子バレー部春高優勝世代

現在女子バレー部の指導者となっている笛子と政子と、男子バレー部の監督に就任した榊監督は別項を参照。この他に背番号7のメンバーが登場しているが、名前を含め素性は一切不明。真理が欠けたことでレギュラー入りしたと推定される。真理を目当てに春高へ行きたい者が多数、黒曜谷に入学入部した。しかし榊監督の地獄の特訓などで10数名にまで部員は減ってしまった。しかし連帯感は人数が減ってからの方がより強くなっている。練が日頃身に付けている四葉のクローバーをかたどったペンダントは、真理の形見。それは春高優勝世代のチームメイトがお揃いで所持している物で、笛子や政子は今も身に着けている。笛子と政子は、そのペンダントを再び春高に持って行かせたいと考えているようだ。

大石 真理(おおいし まり)
故人で、練の7歳年上の実姉。ジュニアから全日本入りしていたプレイヤー。オールランドプレイヤーで、黒曜谷のエースアタッカーとして注目を浴びる名選手だったが、春高の準決勝に勝ったその帰宅途中に、風邪に罹っていた練のためにアイスクリームを買おうと寄り道し、横断歩道で交通事故に遭い他界した。その事故による死は、道を渡ろうとした真理を制止できなかった笛子にとって深い後悔をもたらすものであった。中学時代は練よりも少し背が高い程度だったが、高校では178cmにまで成長した。
練・滋・未散がバレーをしているのは真理の影響。チームメイトには「今、小学生男子に夢中」と公言し、滋や未散にキスをしたり、「将来は4人で一緒に住もう」と提案したりと、性格は大らかで変わり者だった。他人を否定しない性格で、和を最も大事にしていた。物忘れがひどくメモ魔で、試合中でも身に着けている青い革の手帳にメモを取っていた。
村上 環(むらかみ たまき)
春高世代のレギュラー。ショートヘア。現役時代は真理を目当てに黒曜谷に入学してきた1人。現在は寛治を婿養子に迎えて結婚しており、鬼嫁だと冗談交じりに自己紹介している。家業のスポーツ用品店『ムラカミスポーツ』旭谷店の店員をしている。黒曜谷高校の運動用具などの備品納品業者となっており、店の経営は安泰な様子。チームメイトの田上を今でも何故か嫌っている。
延友 知花(のぶとも ちか)
春高世代のレギュラー。現役時代は低い位置で束ねたポニーテールだが、現在はウェーブの掛かったロングヘアで左右で束ねている。延友信玄の後妻で厚子の義理の母親。真理の法事で妻と死別していた信玄と出合い、結婚する。旧姓は不明。厚子に受け入れてもらうために色々と努力するが、反発されてしまっている。しかし、裏表無く真正面から反発する厚子には好感を抱いている。厚子のプライドを傷付けない様に春高優勝メンバーであることは今のところ内緒にしている。春高決勝戦を除いては何時も笑顔で、性格はおっとりしているが、笑顔で「呪いだ」とか口にすることから政子や環からは怖がられている。霊感が強く、写真に写った学を指し「真理の様に強くなる」、鏡子を「チームに強運をもたらすが、周囲の穢れを一身で受け止めていて相当身体が弱い」と予言・指摘している。
田上 繭(たがみ まゆ)
春高世代のレギュラー。全日本チームのメンバー入りしているが、彼女を嫌っている環に言わせると「政子の代わり」。

男子バレー部

千石の世代の春高は、決勝戦を長崎県の大賀工業高校と戦い、準優勝。全国レベルの強豪チームだが、決勝戦の常連というほどではない。マスコットはバボアちゃん。部員は少なくないが、一部の部員が頻繁に登場する。

千石 雲海(せんごく うんかい)
声:杉山大(ドラマCD版)
黒曜谷高校スポーツ科学科3年。男子バレー部主将で、全日本ユースのメンバー。老け顔で高校生には見えない。小雪より留弥子派。父親が犬神家専属の庭師である事から、鏡子・沙羅とは幼馴染。鏡子には隠しつつも特別の感情を持っている。池袋ガールズベットバレー参加時に鏡子が負傷した際は、彼女を抱きかかえて薬局へ連れて行ったが、その際、池袋駅北口周辺のラブホテル街を走っていたところを、バレー部の後輩に目撃され、あらぬ誤解を受けてしまう事になった。
『月刊バレー天国』(定価980円)の愛読者で、バレーボール川柳コーナーの常連投稿職人。一度だけ佳作を受賞した事がある。
好きなアーティストは中島みゆき(特に好きな曲は「わかれうた」)
好きなゲームはモンスターハンター。
由良木 龍馬(ゆらぎ りょうま)
声:浪川大輔(ドラマCD版)
黒曜谷高校スポーツ科学科2年。ポジションはセンター。現キャプテンの千石から次期キャプテンに指名されている。滋への愛情表現として似顔絵入り弁当(味は松花堂弁当を軽く凌ぐ程絶品との噂)を持参し、そして滋の目の前で自分で食べる。言動は常識を少し逸脱していて、1年生女子バレー部員からは少し避けられている。鎌倉に思いを寄せているようだがまったく相手にされていない。「浦見」という偽名で、社会人(元ヤンから更生した製薬会社の営業マンという設定)に変装して、地域(練馬区)の旭谷たんぽぽバレークラブに参加していた。これは滋の引退を見越して、次期セッターとしてミチルを鍛えるため。恐姉家で、姉の政子の言う事には逆らえない。自称天才。実家は寿司屋。
好きなアーティストはゆらゆら帝国(特に好きな曲は「グレープフルーツちょうだい」)
好きなゲームはワンダと巨像。
図子 一平
黒曜谷高校2年。レギュラーで背番号7。背は高くない。他のメンバーとは同じデザインだが配色が違うユニフォームを着ている。つまりポジションはリベロ。
伊佐坂 敏郎(いささか としろう)
黒曜谷高校2年。オカッパ頭と眼鏡タラコ唇の男子。千石の世代では補欠。
上村 正(かみむら ただし)
黒曜谷高校2年。太っていて丸刈りの男子。
三國 智之(みくに ともゆき)
黒曜谷高校スポーツ科学科1年。黒曜谷高校を運営している遊園地『しじまえん』を傘下に持つ三國財閥の御曹司(長男)。西中学出身。黒曜谷高校の入試試験は、学に次いで第2位。黒曜谷高を志望したのは憧れている先輩がいるからという噂(噂なので真偽は不明)がある。中学バレー大会MVPの実力者で、「ジュニアの貴公子」と呼ばている。1年男子の中での実力は頭抜けている。上述の設定や整った顔立ちから、ファンも多いようである。性格もポジティブ&さわやかだが、それが過剰なために一部からは疎まれている。
何かにつけて練の行動に感激している。資金力は高く、部室に収まらない程の掃除道具を女子バレー部に贈ったり、練習試合に来た桃園女子学園にモルテンのバレーボールを10ダース進呈しようとするなど、どこかズレているところがある。
子供のころに七夕の短冊に書いたお願いは「バレーが上手いお嫁さんをもらえますように」というものだった。
榊 忠孝(さかき ただたか)
黒曜谷の男子バレー部監督。風貌は白髭に長髪の好々爺といったイメージ。真理の世代では女子バレー部の監督をしており、その当時はかなり厳しい監督だった。しかし、真理の死(「監督人生で一番悲しい出来事」とまで述べている)をきっかけに、現在は仙人のように落ち着いてしまった。

私立白雲山学園

千葉県にあるバレーが有名な女子学校。中等部の制服はブレザー。バレー部は全寮制で外出禁止。他校生との会話も禁止されている。高身長の選手を優先する方針で、中学部の低身長のプレイヤーは、高い能力を持っていても高等部への進学において足切りと称して進学に優位的な扱いはしない。その結果、小さい頃から長身長のアタッカーが多く進学してしまう為、守備が手薄。高等部は春高のベスト4の常連で、3年生は実業団や全日本のチームに参加するようになるため引退状態となり、レギュラーは実質的に2年生となる。バレーボール雑誌の白雲山特集の号の表紙は、森繁・柴田・新田・隆子・千代・小雪の6人の集合写真だった。

唯 隆子(ゆい たかこ)
高等部1年。かつて旭谷小学校に転入してきて、全力の練に余裕で付いて行けたプレイヤー。蜂谷 千代曰く「今まで戦った中では練と唯のコンビが最強だった」。転校してきて僅か3ヶ月後に再び海外に移住してしまった為、日本の中学へ進学せず、練の中学入試ボイコット騒動とは無縁である。そのため当時の練は隆子を唯一の友達と考えていた。しかし教室の机で居眠りしている練に密かに未散がキスしているところを携帯電話のカメラで盗撮、それを滋に見せると未散に脅迫して未散に交際を迫り、未散に好意を抱いていたチームメイトの南にその盗撮画像を写メールするなど、その行動は欺瞞に富む。
高校進学時にアメリカから日本に帰国し黒曜谷高校の一般推薦入学試験を受けたが、笛子のチーム編成の考えで合格はさせなかった。その為か笛子に含むところがある模様。結果的には白雲山高校に特別推薦枠で入学することになる。身長は小学校時代から練よりも高かったが、現在は180cmを超えており、それだけでなく身のこなしも軽く、白雲山に入学した帰国子女としてバレーボール雑誌で特集記事になるほど。現在は学校付近で1人住まいをしており、ベットバレー観戦で再会した未散には恋人として部屋のキーを渡している。
その身体能力の高さは叔父の熱狂的なバレーボール好きが大きく影響している。親に捨てられて施設に入っていた自分を引き取り育ててくれた叔父の自分に対する評価はバレーボールの上手さが全てであり、否応無くバレーボールに打ち込まざるを得ない状況に置かれていた為。本来はスロースターターでマイペースだが、叔父が観戦していると知るや余裕が無くなり、全力でプレイせざるを得なくなる。隆子の常軌を超えたプレイは、作者によると『うちゅうのほうそくがみだれる!』イメージとのこと。自分と同じくバレーボールが全てである練に共感を抱いており、練に対し黒曜谷から白雲山学園への転校を薦めた(白雲山学園に対して叔父から寄付が行われており、それによりある程度の融通が利くようになっている)。
蜂谷 千代(はちや ちよ)
高等部1年。

。中等部では、チーム内でも最も実力のあるプレイヤーと目されていた。小学生時代、練の旭谷小学校の隣の学区に住んでいたことから練のことを良く知っており、小学校6年生の時の全国大会で旭小学校と準決勝で対戦して敗退している。理由を知らないながら、中等部で実力を出さずにいた練のことを「猫のふりしてる虎」だと公言し、不用意に練に親身に付き合おうとしている小雪に対して警告していた。練に対し強いライバル意識を持っているが、指摘されると焦って否定する。しかしながら、練に対しては肯定的。滋には好意を抱いており、また、由良木政子の大ファンで、髪型も春高時代の彼女を意識しているとのこと。滋や政子の前では積極的なアピールする行動が多く、自分に対する反応を気にしている(が、関心を持たれていない)。キツイ口調・直情的な性格で、言いたいことはハッキリ言うタイプ。黒曜谷高校の蜂谷由佳とは従姉妹。

京極 小雪(きょうごく こゆき)
高等部1年。中等部時代はキャプテン。その容姿から、中学時代は飴屋中の長谷川留弥子と並ぶアイドル。全日本ジュニア選手でマスコミの取材も多いが、本心では実力が伴っていないと自覚しており、アイドル扱いされることを負担に感じている。またキャプテンという立場上、誰にも気を許せないことにうんざりしている第1巻第1話より。しかし自分に色々とアドバイスをしてくれる練とは友達になれそうだと思っていた。寝静まった夜の練の本気での自主練習を見てしまったことから、その気持ちに拍車がかかった。飴屋中との練習試合で、実力不足に対する焦りと練への対抗心から無理をし、練と接触・落下し左足を負傷。その際に練に対してきつい態度を取ってしまったことを後悔している。基本的に穏やかな性格で、好きな飲み物はソカリプエット。水で割っても美味しいとのこと。
高等部に進学した後も自主練習にも励み、成長している。
日置 真帆(ひおき まほ)
セッター。別所監督曰く、1年生の精神的支柱。笛子に「安定感があり、スパイカーに優しい球を上げている」と評された第4巻第27話より
坂上 昌代(さかがみ ますよ)
舛添 美和(ますぞえ みわ)
渋谷 真希(しぶや まき)
ともに高等部1年。
森繁 フミ(もりしげ ふみ)
高等部2年生でキャプテン。ポジションはセッター。
柴田 あかり(しばた あかり)
高等部2年生。伊丹と同じく関西出身で、自分と伊丹を知らないとモグリだとのこと。伊丹が知られたくない伊丹の身辺状況を知っている。
新田 静香(にった しずか)
高等部2年生。
別所 直樹(べっしょ なおき)
高等部の監督。過剰な高身長優先に疑問を呈しており、中等部の監督に対し高い実力を持つ練の高等部への進学を推していた。大学4年生の時に高校1年生の笛子と交際を始めたことから、今でも周囲からロリコンと囃し立てられている。真理の事故死に責任を感じた笛子は別所と距離を置くようになったが、それでも今でも頻繁に笛子を口説いている。
米田 真治(よねだ しんじ)
中等部の監督。低身長の選手の高等部への進学を有利に扱わない部の方針に対し、中等部の選手を守る堤防となっている。しかし練の才能を特別視した別所は練に例外的な扱いを求めていたが、その意見を余所に忠実に実行した。手を抜いている天才(練)よりも努力する秀才を重用する主義。

桃園女学園

杉並区にある高等学校。女子バレー部は、ベットバレーで謹慎中の黒曜谷女子バレー部が最初に練習試合を行った相手。今年になって部員がやっと6人(その内、3人以上が1年生)になったことから、チームを維持しようとすることを優先し、保守的である。女子高である上に男女交際禁止となっており、男子に対して普通ではいられない。チームは黒曜谷1年チームよりも弱い。

葛原 若菜(くずはら わかな)
女子バレー部キャプテン。情報通だが、情報が男女関係に偏っていて、しかも噂を信じ切ってしまっている。他の部員と同様に男子に対して接触の機会が少ないことから男子と接することに特別な感情がある。しかしバレーに対する思いは人一倍で、悪い噂に振り回されるのも部員の少なさから予防線を張ってしまう為。しかし言動に問題があることは事実で、それを緩和させる為に責任感などを持たせる対処療法としてキャプテンに抜擢された。
平沢 累(ひらさわ るい)
女子バレー部副キャプテン。葛原と違い常識人。
丸岡 夢子(まるおか ゆめこ)
練習試合で汗で転倒してサラからハンカチを渡された選手。
キヨ・マコ
1年生。厚子と奈緒と同じ城南小学校の同級生で、バレー部ではチームメイトだった。

浅葱高校

神戸にある関西では有名なバレーボールの有力校。守備を重視したチーム作りをしており身長にかかわらず実力のあるプレイヤーが起用されるため、関西の低身長のプレイヤーに人気がある。

紬美奈子
生稲ひより
志乃の中学時代の同学年生で、同じバレー部員だった。志乃を含め身長は高くなかったことから、浅葱高校に進学した。

大賀工業高校

長崎県にある。全国でも名の知れた強豪で、何度も全国優勝している。以下は、千石雲海の代で春高決勝戦で対戦した世代。

先坂 健一(さきさか けんいち)
背番号1でキャプテン。
立花 実(たちばな みのる)
背番号4。
堂本 博美(どうもと ひろみ)
背番号6。

黒曜谷バレー部員の家族

三國 広之(みくに ひろゆき)
声:福山潤(ドラマCD版)
三國智之の弟。中学3年生で、来年は黒曜谷高校に入学予定。
兄と同じく整った顔立ち女装をさせると、志乃曰く「学や厚子は女らしさで負けている」(厚子や学がオメカシすると逆に女装と言われてしまう)、幼少時はオカッパ頭だったと爽やかな性格の持ち主だが、兄と同じく若干ずれた感覚を持っており(リムジンにバラを携えて延友をデートに迎えたり、女装して賭けバレーに参加するなど)、賭けバレーの運営組織の買収提案や志乃の父への業務提携など、三國の政治力を背景とした若干短絡的で強引な行動を取る事が多く、兄に諌められる事もしばしば。また、三國家の配下にある犬神家とその関係者とは幼少の頃より確執があり、その対応は辛辣で腹黒さが垣間見られる。そんな計算高い人間であるが、兄の事は心から尊敬しているようで、彼の行動基準の根幹は兄や三國の将来の為である。
兄と違い身長がかなり低いが、バレーのセンス・実力は兄以上と言われ、兄に続いて中学生MVPのリベロ。その実力は作中の登場人物全てが認めるほどの腕前であり、作中ではスパイクレシーブを直接バックアタックで決める、スパイクレシーブを挙げ易い場所に集めるなど、そのセンスはまさに非凡である。
電車での通学途中、同級生に賭けバレーの観戦チケットの購入を迫られているところを厚子に助けられて以来、厚子に好意を抱いている。なお、子供の頃に七夕の短冊に書いたお願いは「総会屋に負けぬ強いお嫁さんをもらえますように」という子供らしからぬものだった。
大石 遼太郎(おおいし りょうたろう)
練の父親で、銭湯『おおいし』を経営している。練に対して突き放した発言が多いが、その実は気に掛けていて、練に何かが起こると落ち着いていられなくなる。照れ屋で、素直に感情を表せない。典型的な江戸っ子。
大石 のり(おおいし のり)
練の母親。夫の意見を否定せずに立てる良妻である。
ニコ
大石家の飼い猫。生後まもない頃に北江古田公園に捨てられているのをミチルと練が見付け、大石家で飼うようになった。飼うのを反対した父が最もよく世話をしている。
式島 勝(しきしま まさる)
滋・未散の父親。式島整骨院を営み、都内でも有名な整体師で、有名なプロスポーツ選手も診ている。次男の未散に対しては放任主義なのにもかかわらず、長男の滋には何故か厳しく接していたが、それは自身の遺伝によって滋がいずれ視力を失うことになっても『普通の暮らしが出来る』ようにする為であり、それなりの収入があるにもかかわらず家や医院を改装しようとしないのも、滋の感覚を混乱させないようにという親心だった。
式島 百合子(しきしま ゆりこ)
滋や未散の母親。美人。今からでも弟か妹が出来てしまうかと思うほど夫婦仲は良い。家族で滋の春高決勝へ観戦に行ったが、黒曜谷バレー部の知識は全く持っていなかった。
小田切 誠(おだぎり まこと)
学の父親で、菅原総合病院に勤務する眼科医。滋の主治医。娘の学を病院に呼んで視力の検査などを時々行っている。
小田切 道江(おだぎり みちえ)
学の母親で主婦。息子の明がひきこもりで、その世話をしていた学が不在の時には代わって世話をしていたが、暴力を振るわれることが多かった。未散が中学校時代に遊びまくっていた噂から、学が未散を自宅に連れて来たことにあからさまに不快感を表していた。しかし未散の社交力により打ち解けている。
小田切 明(おだぎり あきら)
学の弟で、現在はひきこもりの状態。学が家にいないと母親に対して家庭内暴力を振るってしまう為、学は寮に入りたいものの躊躇っていた。未散が代わりに小田切家を度々訪問すると約束をしたことで、学は入寮できるようにはなっている。容姿は母親似で、姉と同様に身長は高い。
早坂 恵子(はやさか けいこ)
奈緒の母親で美容師で、江古田駅の近くにある美容院『ヘアスラング』で働いている。そしてこの店を奈緒・厚子・学が利用している。厚子は大人の中では恵子にだけ心を開いている。生前は真理も奈緒ママの美容室を利用しており、学がヘアスタイルをショートに変えた際、同じ長身ということから真理のヘアスタイルと同じにした。しかし奈緒ママは真理の名前も死も知らないでいる。
延友 信玄(のぶとも しんげん)
厚子の父親。能願寺の住職。真理の法事を執り行なった。その縁で真理のチームメイトだった知花と知り合う。厚子の生母とは7年以上前に死別しており、現在はかなり歳の離れた知花と再婚している。そのため「ロリコン坊主」との噂が立っており、厚子はそのことで閉口している。
伊丹 耕平(いたみ こうへい)
志乃の父。テキヤでバイトで菱巻組の組長に気に入られて交盃を迫られていたが、組長の娘の綾乃と恋に落ち関東方面に駆け落ちをした。組長は別れさせようと組員を使い画策したが、逆にその組員も惚れ込んで協力してしまうほどの大きな器の持ち主。最終的には組長も折れたことにより耕平と綾乃は神戸に移り住むようになった。事業を興したが、志乃が中学生の頃に組の跡目争いに巻き込まれてインサイダー取引に陥れられて逮捕されてしまったことがある。ヤクザではなくカタギだが、見た目はそうには見えない。
伊丹 綾乃(いたみ あやの)
志乃の母。耕平と結婚してカタギとして暮らしているが、見た目は見るからに極道の妻。
奥平 現(おくだいら -)
菱巻組の組員。組長の危篤を志乃に知らせる為に登場した。志乃の父に組を継いでもらいたいが、逆にヤクザから足を洗う条件で一緒に事業をすることを誘われており、揺れている。
須磨 拓也(すま たくや)
奥平といつも行動を共にしている組員。
曽和田(そわだ)
菱巻組の幹部で、組長の跡目を狙っている。組長が跡継ぎとして娘婿を目していたが、それを妨害する為にインサイダー取引に陥れた。曽和田派が組内で力をつけており、組周辺の一般市民からの評判は悪くなった。
長谷川鉄男(はせがわ てつお)
長谷川留弥子の父。作者の前作『G戦場ヘヴンズドア』のもう一人の主人公。
町蔵との合作で漫画賞受賞後、単独で週刊少年ファイトにて「桜の道」を連載し、一躍時の人となるが、利き腕を負傷し漫画家の道を断ち、父のいる高学館で編集者となる。挙式後、週刊少年ファイトに異動し、町蔵の担当として共に生み出した漫画が「エドガワ排球団」であり、エド球を少年ファイトの看板作品に育て上げるなど、辣腕ぶりを発揮している。父である阿久田鉄人は編集長。
16年前と違い温和さがあるものの、漫画のプロを目指す明に対して覚悟を促し、幅広い教養と体力をつける事を提言するなど、職務に対しての姿勢時には昔の厳しさが垣間見える。久美子と町蔵との関係は本人曰く「不倫以上」。
長谷川久美子(はせがわ くみこ)
長谷川留弥子の母。芸名は「組子」。作者の前作『G戦場ヘヴンズドア』のヒロイン。高校時代の短髪と違いロングヘアとなっている。
高校3年生の時に鉄男との間にルミを妊娠したが、市原の立ち上げた劇団「松屋文庫」の看板女優であり、鉄男も忙しかった為、29歳でゴシップ誌にスッパ抜かれるまで留弥子がいる事を公表できなかった。発覚後に挙式を挙げている。久美子も中学時代にバレー部だったが、手首の故障で戦力外通告を受け引退している。
忙しい中、時間を見つけて料理を作るなど娘への気遣いは多かったが、ルミが町蔵と久美子の関係を気にして、本当の所で母娘の対話は出来ていなかった。後にお互いの事を吐露する。
菅原(すがわら)
菅原総合病院の院長で、留弥子の母方の祖父。菅原病院は上野にあり、学の父・勝が眼科に勤務する。菅原の妻は、学に対してファッションモデルとしてスカウトしているようだ。
村上 寛治(むらかみ かんじ)
元黒曜谷高校のOB。バレー部員だったのかは不明。現在は婿入りした家の家業である『ムラカミスポーツ』旭谷店の店長。

その他

本間 豪徳(ほんま ごうとく)
声:矢尾一樹(ドラマCD版)
灰澤高校3年生で男子バレー部員。“池袋ガールズベットバレー”と称する賭けバレーイベントの元締め。自らに害が及ばないようにベットバレーには直接参加せず、灰澤高校の男子バレー部員が他校の女子バレー部員などを恋人にして、複数のバレーボールチームを編成していた(自らも奈緒を恋人にして参加させていた)。そのことは周囲では有名で、「ビジネスヤンキー」の異名を取っていた。しかしバレーボールをプレイする機会を失った少女らに機会を提供していたなど、一方的に利用していた訳ではなかった。イベント運営の際にギャラリーに出す飲食物は無農薬にこだわり、バレーチームに美味しい弁当を提供するなどLOHASな一面を持ち、八百長を防止する為にチームごとに個別に控え室を用意するなど、見かけに因らない面も持ち合わせている。
賭けバレー試合の後の余興として、ロシアンルーレッツの解散を賭けて、観客から飛び入り参加を募り対戦するプログラムを組んでいた。解散させて奈緒を取り戻したい黒曜谷高校女子バレー部1年生部員5人に広之を加えたチームが参戦し、ロシアンルーレッツを破ったため、公約通りルーレッツは解散した。黒曜谷女子バレー部は、賭けバレーの余興イベントに部員が参加していたとしてインターハイを辞退し、春高を最初の公式戦とすることを決定した。
イベント会場の維持経費など固定費は小さくなく、資金繰りに十分な余裕は無かったが、広之が本間の商才を認め、合法ビジネスへの業態転換を条件に多額の出資を提案し、本間はそれを受け入れた。その後、広之と本間は(互いの彼女がもともと親友だったこともあり)度々行動を共にしている。
本間のバレーボールの実力はそれなりに高く、奈緒の練習に付き合ったことで、奈緒のプレイはより洗練されたものとなった。
赤坂 南(あかさか みなみ)
旭谷小学校での練の元チームメイト。練と共に千葉にある白雲山の推薦入学のスカウトを受けたが、練と未散が恋仲であると誤解し、練と距離を置くために入学試験を辞退した。後日に練と出遭った時に辞退した理由を問い詰められ、全員が練とバレーボールをしたくなかったからと嘘の釈明をし、練の心の傷をさらに広げる結果となった。しかし彼女も練を避けていたことなどに罪悪感を持っていた。中学ではバレーを辞めており、高校にも通っておらず、池袋ベットバレーという非合法の賭けバレーに参加していた。
堺田 町蔵(さかいだ まちぞう)
作者の前作である『G戦場ヘヴンズドア』の主人公。父親は人気漫画家の坂井大蔵。
『週刊少年ファイト』でエドガワ排球団(通称エド球)を連載する人気漫画家。単行本は通算累計1,000万部を超え(作者未監修の数字なので、事