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屍姫/赤人義一

共有

著者: 赤人義一
巻数: 17巻

赤人義一の新刊
屍姫の新刊

最新刊『屍姫 17



屍姫の既刊

名前発売年月
屍姫 1 2005-09
屍姫 2 2006-03
屍姫 3 2006-09
屍姫 4 2007-01
屍姫 5 2007-06
屍姫 6 2007-11
屍姫 7 2008-03
屍姫 8 2008-07
屍姫 9 2008-10
屍姫 10 2009-02
屍姫 11 2009-08
屍姫 12 2010-01
屍姫 13 2010-07
屍姫 14 2010-12
屍姫 15 2011-06
屍姫 16 2011-11
屍姫 17 2012-04

屍姫』(しかばねひめ)は、赤人義一による漫画作品。『月刊少年ガンガン』2005年5月号より連載中。同名の読み切り作品が3本、連載前に掲載されている。

テレビアニメが、2008年10月から12月までは『屍姫 赫』(シカバネヒメ アカ)、2009年1月から3月までは『屍姫 玄』(シカバネヒメ クロ)のタイトルで放送されたアニメ化の公式なメディア初発表は、月刊少年ガンガン2008年7月号およびガイナックス公式サイトでされた。

あらすじ

強い未練によって動く死体 - 屍(しかばね) - を狩る屍の少女たち、それが屍姫。彼女たちは「光言宗」の僧侶と契約を結び、屍を殺し続ける。彼女たちが屍を殺す理由、それは「光言宗」と結んだ3つの戒律(ルール)の為。その戒律とは、

  1. 108人の屍を殺せば天国ここで言う天国は俗称であり、意味合いとしては浄土に近い。へと行ける。
  2. 一度選んだら途中退場は出来ない。
  3. たとえ殺されても文句は言わない。

人を殺す屍と、屍を殺す屍姫。両者の戦いは激しさを増していく。

用語

屍(しかばね)
未練妄執によって動く死体の総称。多くの場合、生きている人間を襲う。いわゆる「ゾンビ」や「リビングデッド」と類似しているが、脳以外の場所を再生できる再生力を持っている。その生命力と身体能力は強く、呪いの核となっている脳を粉砕するか、身体を完全にバラバラにするなど、再生力を越えるダメージを与えないと「死なない」。生前の知性こそ存在するが、生前は凶悪犯であったりと危険な性格を持つ者が多く、また屍となった時点で理性を失い、殺人を楽しむと言った狂気に支配されるものが多いため、大半は目先の欲望に従い行動する。
また、外見もその多くは生者と掛け離れた姿と化しており一般社会に溶け込んでの活動はあまり見られない。大半の屍は人型を保っているが、一方である程度強力な屍の中には人体の一部が突出して肥大化していたりと明らかな"異形"となっているものも数多い。それらは通常の屍とは明らかに区別され、呪い憑きには及ばないまでも強力な屍として認識されている。
一般に屍が生息する場所は死んだ所や未練に関する所であり、これを応用して光言宗では遺留品に宿った未練から屍を探索すると言ったことも行っている。また、屍が好む場所としてあまりに多くの人間が死に、人が寄り付かなくなったために穢れた土地「忌土地」が挙げられ、その場にある屍に力を与えることもある。さらに、特定の場所に常駐する屍も存在し、その場合は壁抜けなどの特殊能力を持つこともある。
通常は7-8年で自然消滅するが、稀に強い未練を「性(さが)」という思想に変質させて時間に抵抗する個体が存在する。故に「性」を持つ屍の危険性は大きい。彼らはある程度物事の筋道をわきまえているため、短絡的行動を取ることがないが、同時に自らの性を最優先するためである。
屍は個々の抱く行動原理「未練」にしか興味がなく、協調性にも乏しい存在であるため、大半は単独行動が主である。ただし、同時期に同じ場所で死ぬことによって未練を共有するか、強力な未練を持つリーダーに率いられることによって、一部の屍は「群れ」と呼ばれる集団を形成していることもある。
呪い憑き
呪い」と呼ばれる特殊な能力を備えた一部の屍のことを指す。屍の妄執によって、時になんらかの物質を媒介する事によって、通常では考えられない物理的現象を引き起こす。後述の座壇にも言える事だが、触媒を得ることによって、呪いの効力は増大する。
呪いは屍の「未練」が限界を越えることで発現するものであり、前述の「性」を加え、呪い憑きは通常の屍に比べ、遥かに強力である。また、呪いは個々の屍の未練によって発現するものが異なる。代表的なものに対象と縁を結び、受けた傷を数倍にして返す「共有」、多くはマンションの一室と言った規模の異空間を作り出し、対象を閉じ込める「陣地」など多種多様なものが存在する。
死を呼ぶ不吉
知性ある屍同士(作中では死面、狭間など)で使われる隠語。「人間が死ぬ場面に引き寄せられる人間」の俗称であり、劇中ではオーリがその人。一万人に一人の確率で存在し、生まれながらに「死」と強い縁を結びその予兆を幻視する。その性質上、屍に好まれるが、同時に屍と出会う確率が高くなるため寿命が長くない。
ヒトガタ
「大群」が「死の国」建国のために、死体に死霊を詰め込み作成した人にあらざるモノ。性格の近い屍に比べ生命力に劣るが、中身の怨霊は不滅であるため、死体を乗り換え復活する。最大の特徴として縁(後述)を持つことが挙げられるが、人間とはかけ離れたモノであるため、縁は悪縁である。
まったく道徳心に欠けた存在であり、社会に溶け込みながら犯罪行為などを積極的に行い、また消滅する際にも悪意を撒き散らすため、光言宗本山「山磨市」を忌土地化する上で格好の存在であった。総数として120体ほど生産されたようだが、最終的には生産を行った「七星」自らの手により、すべて消滅させることを見越されていたようである。
大群(おおぜいのけがれ)
強力な屍をリーダーとする謎の一団。他の屍の集団や、道を踏み外した人間の呪術者達も組織に組み込んでおり、数多の不死王を抱えるその有様はまさに質・量ともに史上最大の屍の群れといえる。転生なき世界=死者の国の建設を目的としている。
七星(しちせい)
体に北斗七星を模した7つの星が刻まれた屍たちの集団、七名の極めて狂暴で強力な屍で構成されている。一年半前、星村家の人々を皆殺しにし、主人公マキナの運命を変えた者たちで、マキナにとっては不倶戴天の仇敵。特に明確な結果を求めて動いているわけではなく、光言宗からは「病のように現れ殺し、霧のように消える群れ」と認識されている。「大群」に組み込まれ、彼らと共に殺戮を行なう。
屍に信奉者を持つ、数少ない群れの一つ。その実体は実質的指導者である「狭間」が頂点に立つ「北斗」を屍の「あるべき姿」として知らしめんがための広告として創った群れである。「北斗」によって多くの屍を引き寄せる一方で、七星の徴を与えられた個々の屍もまた強大な未練「性」の持ち主であり、その実力は高い。なお、加入条件は己の性に生きることは勿論だが、性に従って死ぬまでを含んでのものである。
大群内では知と理を兼ね揃えた群れとも見なされており、「狭間」の定めた指針の下、各個の「性」を最優先しつつも、理的な活動を行っている。
正式名称は癲棺(クルイヒツギ)。「大群」が「死の国」建国のために百八人分の末期の血を詰め込み作成した箱。また、それ自体が「未練というエネルギーを詰め込んだ電池」と言えるものであるため、呪い憑きにとっては増幅器としてあらゆる方向に使用できる規格外(特級)の媒介である。よって、王復活の儀式や戦闘の際にも流用された。数を含め、二十八宿にちなんでいるとされる。
棺を持つ屍はそのまま「棺持ち」と呼ばれ、上下の区分けが曖昧な「大群」の中でも上位者となっている。現在確認されている「棺持ち」は5人の教主及び、教主の配下に当たる「七星」とヴラウプニル、都合上「棺」を持っていた赤紗の13名。
大神殺し(たいしんごろし)
ギリシャ神話などに稀に出現する特殊な子宮を持つ女の事。代表例としてはテティスが挙げられる。父親となった個体を超える個体を生み出せる能力を持っており、本来なら何百世代も経なければならない生物の進化を、わずか一世代で行なうことが出来る。大群はこの能力を利用して王を最強最高の状態で甦らせようとした。元は骨だけしかなかったが(アイギスが来日時に運び込んだ)、ロギアが200体以上の死体からパーツを選り分け、内臓にいたるまで完璧に付肉し、復元した。後に王の復活と共に破壊された。
死の国
大群の最終目標。実現した暁にはすべての死者がことごとく屍と化し、際限なく死者に力を与え続けるとされる。いわば実現するのは輪廻転生の存在しない世界であり、この屍のみに都合の良い理想を掲げたことによって、本来まとまるはずのない「大群」を成立させたと言える。

屍姫

光言宗(こうごんしゅう)
当作品における真言密教の一派。信徒数は約600万。空海の流れを汲み

、1100年の歴史を誇る。象徴する図案として、「三色巴紋」を採用している。教義に従い、屍姫を使って屍を狩っているが、僧侶の中には屍姫を「死に迷った者」「悟りに最も遠い存在」「穢れ(けがれ)」として見る者も多い。本山は愛知県山磨市。

作品中では何故か「大元帥系」とする記述と「大師系」とする記述とが混在する。ただし、光言宗寺院の看板が描かれているコマからは、看板に「大師系」と書かれているのが確認できる。
指揮系統が上意下達型の厳然たるピラミッド型組織となっており、それぞれ上位から大僧正・権大僧正・僧正・権僧正・少僧正・権少僧正・大僧都・権大僧都・僧都・権僧都・少僧都・権少僧都・大律師・律師・権律師……、という僧階が定められている。
しかし、内部統制は一枚岩とは言えず、教義解釈や組織の運営方針を巡って、「修法派」と「衆生派」という二大派閥に分断されているのが現状であり、最高幹部である六人の僧正達もどちらかの派閥に属している。なお、前者は主に契約僧らによる現場重視であるが、後者は監査官らを中心とした統制重視であり、屍姫の扱いも大きく異なっている。
屍姫(しかばねひめ)
光言宗が未練ある死体を使って作った『屍』殺しの少女たち。畏怖と憐憫と侮蔑と嘲笑を込めて『屍姫』と呼ばれている。「姫」の名の通り、現在まで女性しか確認されていないが、それは屍姫を作り出す術法が「光言宗の開祖が亡くなった一人娘の為だけに作り出した術」であり、その術法があまりに難解であったために、開祖の弟子の中にも遂に完全に理解出来る者は現れず、その一部だけを流用した不完全なものに過ぎないためである。その他にも元の対象(娘)の性別・年齢・星の巡りなどが近い死体でなければ効果を持たない。
光言宗の僧侶の一人と契約しており、契約者から離れると回復能力が下がったり、契約者の死が自身の死と直結しているなど、通常の屍とは異なる点も多い。第三者が屍や屍姫に触れると、自分の死に顔が見えてしまうという現象が起きるが、一定期間で直る。
術法の効果により、屍の頑強さだけでなく、人間らしさも兼ね揃えており、その点が「屍」と「屍姫」を分かつ境界となっている。
切断された四肢すら即座に接着可能な高い再生能力によって、本来なら筋骨の断裂で得ることの出来ない人間の限界筋力を完全な形で引き出せ、薬や毒が効きにくいという特性も持つ。さらに、空腹にはなっても餓死することは基本的にはなく、水のみで生存することも可能である。
光言宗には教主たる大僧正の「屍姫を集中させることは不吉を自ら呼び込むのと同義」という詔勅があり、その為、屍姫が他の屍姫と共闘することは少ない。極めて稀に「呪い」を持つ屍姫も存在するが、使用した際にはしばし「浄房」行きが定められるなど、その扱いは光言宗内でも慎重を持って行われている。
あらすじの戒律にもある通り、108体の屍を倒すと天国へ逝けるとされている。
食事をしなければ空腹を感じ、運動すれば汗をかき、入浴もすればトイレにも行く等、一応は生前と変わらぬ生体活動が行われているらしい。
アニメでの設定
天国に逝けるという言い伝えは偽りで、理性を失い、永久に生きる「破壊の屍」と化してしまう。108体近い屍を倒した者、もしくは「破壊の屍」なってしまった者は契約僧との縁を切られ棺に封印される。また、屍姫の霊力の源は開祖の娘であり、その棺が北斗に破壊されてすべての契約僧とすべての屍姫の縁が消滅し力を失う描写がある。
契約僧
屍姫と契約を結んだ光言宗の僧侶の事。僧階が大僧都以上の者にしかなる事は許されない。人数は光言宗全体で約90名。
守護
光言宗が対屍戦用に各都道府県に配置した上級僧兵の事。人数は50名。それぞれ1人から5人の契約僧、および監査官長を部下として率いている。
樒(しきみ)
屍に効果のある数少ない毒草の一つで、対象を麻痺させることが出来る。屍に植えつけ、精気を吸い上げるよう品種改良した物も存在する。
神丹酒(ソーマ)
光言宗特製の肉体強化薬。銃弾の動きにも対応できる屍に拮抗できるなど、効果は強力だが持続時間はそれほど長くなく、副作用も強い。ちなみに神丹酒のラベルデザインは田神景世がしているが、それは本人の趣味を反映したものであるため、センスはかなり悪い
座壇
僧兵自らが座主(領主)となった儀式壇の中で経典(または法具)を使用し、僧を守護する星や神々の力を一部借り受け奇跡を行う儀式で、光言宗僧兵が行う術式最強の戦闘術。作中に再三登場するものとして、赤紗の奇想蓮華(キソウレンゲ)、莉花の金爪異掌(コンソウイショウ)、嵩柾の六道調伏(リクドウチョウブク)等がある。
法具
僧兵が座壇を使用する上で用いるシンボル的な器具、仏具。持った神秘性によって、特級~9級までの10段階のランクが存在する。
光言宗偉家十聖(こうごんしゅういかじゅっせい)
光言宗開祖の高弟十人の末裔で、神生(かみう)・紫央(しおう)・高峰(たかみね)・荒神(あらがみ)・土門(つちかど)・葵・総角(あげまき)・標(しるべ)・宮宮(ぐうみや)・星村(ほしむら)の十家。いずれも高位の優秀な僧を輩出してきた。作中では星村が断絶となっている。
屍法姫教典(しほうききょうてん)
偉家十聖の家に代々引き継がれてきた秘奥。「未練ある死体」から「屍姫」を作り出す技術が記されており、光言宗最大の禁忌であると同時に最大の秘儀でもある。この教典の独占こそが、十聖を他家と隔絶する象徴であるという。星村が所持していた教典は屍襲撃の際に焼失したか行方不明となっていたが、アニメでは北斗が身体に巻いて使用している。
五諒山(ごりょうさん)
光言宗の霊山。一時期は本山としても利用されていた。
人と人を繋ぐ、目に見えない繋がり。運命や宿星と同義。屍姫と契約僧の縁は生命のエネルギー「霊気(ルン)」をやりとりするパイプの役目をしており、契約僧が死ぬと縁が絶たれ、屍姫の能力は激減する。この縁を感覚的に掴むことが契約僧の第一条件であり、縁を辿れば離れた場所にいる相手の居所も探知できる(屍姫の方から探知することも可能)。
縁切り
屍姫は生者とは異なり、結べる縁に限りがあるため、最も強い縁(=契約僧との縁)以外の縁を切り捨てなければならない。その際に行われる儀式の総称である。
結縁灌頂(けつえんかんじょう)
契約僧と、それを守護する仏尊との縁を明らかとし、自身の能力と可能性を見出すための儀式。具体的には曼荼羅の上に目を閉じたまま樒の葉を投げ、着地点にある仏尊との間に縁ありということになるが、曼荼羅の外に葉が落ちた場合は仏縁無しとして、契約僧としての資格を失うこととなる。多くは特定の仏尊と縁を結ぶことによって、特殊な技術や知識などの加護を得ることが出来、また専用の法具も与えられる。ただし、相性には個人差があるため、以後能力を伸ばすにあたって伸び悩む者もいる。
なお、本来は「けえんかんじょう」と読む。
ZENBU NOSE(ゼンブ ノセ)
魔法少女(巨乳ネコミミセーラーメイド)。「屍姫」の世界に存在する魔法少女アニメ、またその主人公の名称。
あらすじは、何の特徴もないごく普通の女子高生である主人公「無色透子(むしょく とうこ)」がある日萌え星の力を得て、多重萌え属性魔法少女「ZENBU NOSE」に変身する力を得て、敵を倒していくと言うものである。
各話に登場する敵にはそれぞれ異なった萌え属性の弱点が設定されており、「ZENBU NOSE」はその属性を自分に上乗せすることによって敵を倒していくが、次第に属性は自身の許容量を越えた「全部乗せ」状態になっていく……。
そして、迎えた最終回では自身の萌え質量が限界を越え、臨界点を達してしまうことを知り、地球を守るため自ら太陽に突入するという『鉄腕アトム』を彷彿とする終わり方をする。作者曰く、萌えに警鐘を鳴らす内容でもあったとのことである。
近畿限定のフィギュア、オルゴールの共鳴箱などグッズもあり、光言宗内にも景世や鉦近などの確固たるファンもいる模様。
ライバルは呪術闘士(貧乳しっぽツインテールエルフナース体操服)THUYUDAKU FULLSET(ツユダクフルセット)
アニメでは更に派生作品として登場キャラをデフォルメした『ZENBU NOSE プチッと』が主流となっている。

登場人物

声は、テレビアニメ版における声の出演者。

光言宗

==== 主要人物 ====

星村眞姫那(ほしむら まきな)
声 - 秋山奈々
  • 年齢:享年15(読み切りでは14)
  • 誕生日:11月28日
  • 身体:151cm・48kg A型
  • 好きなモノ:星空、キャベツのみそ汁、コーンポタージュ
  • 嫌いなモノ:ムカデ、香りの強い食べ物、船酔い
  • 特技:足でカギを開けられる、サクランボのヘタ一般に「ヘタ」と誤用されているサクランボの部位の正式名称は「柄」であるが、2巻カバー裏及び『屍姫パーフェクトガイド 屍解教典』の記述にのっとり記述する。を口で結べる、暗算
連載作品及び読み切り3作目の主人公。光言宗開祖の高弟十人の家系である『偉家十聖』の一つ、「星村」の娘であり、優しい父母の下で何一つ不自由なく育ったが、「七星」に襲われ、家は断絶、自身も八つ裂きにされ殺されてしまう。その際に、屍姫としての素養が認められたため、かねてより親交のあった景世に身請けられ、彼の屍姫となる。戦闘に赴く際はジャケット型のセーラー服を身に纏い、武器としてMAC11サブマシンガンをよく使用する。
飾りより実用性を重んじ、質実剛健を地で行く性格で、かなりのリアリスト。嘘やごまかしのなく、ハッキリと物事を断じるその言葉は無愛想で冷たい印象を他者に与えがちであるが、反面率直で爽やかと言える。また、戦場を離れた彼女は情に厚い一面を多く見せ、信頼する人には一途で純情な年頃の少女らしいところを多く見せることも。
一方で、屍との戦闘に当たっては一切の油断も容赦もなく、敵を滅する冷徹さを持っている。敵を倒すためならば、自ら傷つくことを恐れず、時には敵の懐に飛び込む「覚悟」も持ち合わせる。その由縁とは、彼女の未練である「七星」への復讐心に他ならない。よって、彼女は108の屍を越えた地になど興味はなく、ただ七星を討つためにのみ邁進する。それはかつてあった幸せの記憶を取り戻し、戦いの中途で散った戦友である景世の姿を無価値なものとしないためである。
景世の死に際しては強く悲しみ、一時は戦う理由さえ見失ってしまったが、「七星」狭間との戦いの中で再び屍姫として戦う道を見出す。だが、景世を想う心はそのまま彼への未練へと転じ、「縁切り」の儀式にも失敗してしまう。その未練は「呪い」に変質し、それに魅入られた彼女は、景世に託されたオーリのことも冷酷なまでに突き放した。
しかし、ヒトガタとの戦いの中で、オーリにかけられた言葉、捨て身の行動によって、彼が景世を過去のものとせず、景世を想う気持ちは自分と同じだと分かち合った。そして、共にその「呪い」を宿したままに再び戦うことを誓う。なお、彼女の「呪い」とは驚異的な回復力と身体能力強化による強大な戦闘能力と、七星の呪いに干渉し破棄・無効化する力である。その呪いは対七星に特化したものであり、現に雷輪に続いて重無と忌逆、3名の七星を葬っている。ただし、その分契約僧にかける負担は非常に大きく、「霊気」を急速に奪い、下手を打てばオーリの命を奪いかねないほどリスクが大きい。ちなみに景世死後も景世への想いは変わってはいないらしい。
実は出生時には双子のきょうだい(原作では男女は不明。アニメ版では黒白という名前で男)がいたが、彼女のみが生き残ったらしい。
ほとんどの場合、彼女の名前の表記はカタカナの「マキナ」であり、漢字の「眞姫那」で書かれることはめったにない。
田神景世(たがみ けいせい)
声 - 藤原啓治
  • 年齢:享年33
  • 誕生日:1月11日
  • 身体:184cm・80kg O型
  • 好きなモノ:梅茶漬、塩昆布、日本酒
  • 嫌いなモノ:特になし
  • 特技:凧揚げ、オオクワガタ飼育
依海市・八名津市地区の守護を務めるマキナの初代契約僧。僧階は少僧正。
幼少の頃、両親を亡くすが、「田神」が「星村」の分家である縁もあり、マキナの父である星村天遣(-てんけん)の世話の下で育った。中学卒業後は、光言宗傘下の高校、短大を卒業後、本山に入り本格的修行を開始する。後、10年前から、長く放置され荒廃していた『世空寺』を住職として立て直す一方、光言宗系児童福祉施設『大麟館』の管理・運営を行ってきた。
それらが軌道に乗ってきた頃、屍へとなりかけたマキナと再会を果たす。彼女は怒りと未練に身を焦がし、放置すれば屍と化していたため、半ば苦渋の決断を下し彼女の契約僧となる。元々突発的に契約僧となったため、術法や座壇について専門的な教育を受けておらず、座壇も所有していない。そのため、彼の戦闘は恵まれた体格を活かした近接戦が主で、神丹酒や経典等と言った多種多様な法具や道具を利用した体への反動が強い無茶な戦い方が多い。
ただ、度々怪我をこしらえては帰ってくる彼であるが、日常においてはバカをやってばかりの生臭坊主に見えないこともない。茶髪にサングラスと言う僧侶らしくない姿に加え、大麟館の子ども達に変なことを教えたり、オーリにエロ本のコレクションをこっそり進呈したり、「ZENBUNOSE」の大ファンであったりと、その例は枚挙にいとまが無い(アニメではオーリの引っ越し祝いに「ZENBUNOSE プチっと」のグッズを大量にプレゼントして部屋に飾りつけた)。あと、巨乳好き。
もっとも、それは周囲に対するいたわりや人情に満ちた上での態度であり、聖職者としてもきっちりとした死生観を持っている。マキナに対しても、光言宗としての理でなく、一人の人間として接するなど、包容力のある大人としての態度を見せ、その信頼関係は極めて強い。
自らの霊的障害を省みずカウンターアタックで「棺」を破壊し、「七星」雷輪(アニメでは赤紗)との戦いに辛うじて勝利したものの、「棺」を破壊されたため本腰を入れてきた赤紗と死面(アニメでは赤紗と「七星」湖惑)の策にかかり、瀕死の重傷を負う。死を覚悟した彼は大切な人々とマキナを守る為、オーリにマキナとの契約を譲渡し息を引き取る。それは最後まで「家族」を想ってきた彼にとっては苦しい決断だったが、それでも死に際して彼らを見つめる顔は穏やかなものを保っていた。彼の死によって、いかに多くの者に涙を流させたかが彼の影響の大きさを偲ばれようものである。
花神旺里(かがみ おうり)
声 - 羽染達也、小林由美子(少年時代)
  • 年齢:16歳
  • 誕生日:7月7日
  • 身体:167cm・52kg O型 Rh-
  • 身分:依海高校1年生。マキナの契約僧
  • 好きなモノ:甘味(特にあんこ)、牛乳、ネコ
  • 嫌いなモノ:刺激の強い香辛料、クール系、ミント系の食べ物
  • 特技:必ずハズレを引くこと
幼少の頃に景世に拾われ、景世の寺『世空寺』の隣にある児童福祉施設『大麟館』で育てられた少年。寮を出てからは肉体労働系のバイトをしつつ、近隣の古いアパートで一人暮らしをしている。不器用で、何かと貧乏くじを引く日常を送っているが、反面誠実で責任感が強く、誰からも好かれる人柄の持ち主。本人も自覚して諦めるほど極端に運が悪く、自販機でおしるこを買おうとしたらなぜかホットのコーラが出てきたりとあり得ない事態に遭遇することも多いらしい。
拾われた当時は、親の存在や道具の使い方が記憶になく、感情を「知らなかった」などその出生は謎に包まれている。しかし、飼っていた猫の死と、景世の思いやりを切っ掛けに初めて涙を流し、以後は人間らしい感情を表すようになった。普通の人間は全て眠ってしまう誘眠香が効かないなど常人とは違う「何か」を持ち、黒猫や「大群」いわく「死を呼ぶ不吉(前述)」。実は「奇縁」なる数奇な運命の持ち主で、前述の運の悪さや「大群」等から向けられる興味はそこに起因するらしい。予測不明で、持ち主の心持しだいで自在に変化するという星の下に生まれた彼は「七星」にも、マキナと共々に「敵」と布告された。
「物事の本質を見る」七星・北斗の目には「ねこ」と映り、黒猫にも「元々お前の体は俺たちの物」と言われるなど、その過去には猫と強いつながりがあるようである。
16歳の誕生日に、不用意な行動を取った事によって死面の罠にかかり、操られての上のこととは言え、景世を刺してしまう。正気を取り戻した後、瀕死の景世から契約譲渡され、新たにマキナの契約僧となった。景世のことは長く「アニキ」と呼んで慕っていたが、目の前で大切な人を失う無力感を知り、それを自分にも他人にも味わわせないことを決意。光言宗に入信し、マキナと共に戦う。
契約僧としては新米中の新米なため「座壇」はおろか法具の扱い方まで手探り状態の危なっかしい彼であるが、多くの人々に支えられ、日々努力を重ねる。また、『結縁灌頂』を行った際に、途中で樒の葉が飛散し全て曼荼羅に落ちるという結果となり、例外上の特例として仏尊ではなく『光明真言』と結縁している。守護となる『光明真言』には、最初は加護による恩恵も専用の法具も存在せず、未来への可能性が広がっただけである。
自他共に認めるあんこ党で、あんころもちに至っては放っておくといつまでも食べており、時々チョコシェイクをかけて食べるほどの好物らしい。さらに、自宅には尊敬するアンコ職人オスマン・アンコンのポスターまで貼っている。
アニメ版では屍と化した母親から生まれた子供である事が判明。その事を指して歪質に屍の子と呼ばれている。歪質の策謀によって黒猫と同化してしまい屍としての本能が開花。本能に従い子供達を喰らおうとするがオーリの人としての心とオーリの心情を察した黒猫によってすんでのところで止、マキナによって人としての姿と心を取り戻す。屍である歪質と自分は同じかもしれないと認めるも、それでも生者として生きる事を決意し、彼を打ち滅ぼした。
マキナと同じく、名前の表記は大概カタカナ(ただし「オウリ」ではなく「オーリ」)である。
黒猫
声 - 堀江由衣
人の言葉を語る不思議な黒猫。他の人間には見えず、その姿と声はオーリにしか見えないし、聞こえない。ただし、神生真世はその存在を感じ取っており、また「七星」忌逆と対面した際には、その存在を看破された上で、頭を叩き潰されている。
黒猫もまた、オーリを「死を呼ぶ不吉」と呼び、彼を屍との戦いの場に導き、時には助言をする。登場した当初は普通の黒猫の姿だったが、人語を語るようになってからは右目が人の口のようになった。自らのことは「俺達」「僕等」などと呼び、その人数は「11人」であると発言している。教主ミラムの表現を借りると、「実体化した未練として存在する混成意識の集合体」ということになる。
姿の見えない時も、常にオーリの側にいて見守っているようであり、必要に応じて姿を現す。霊気(ルン)が尽き屍にとらわれたオーリの身体を借りて屍と戦う。彼が「表」に出ている時は髪が黒く染まり猫のように逆立ち、その他瞳や仕草も猫のようになる。「11人」の子供の影を操り、屍の影に触れさせた部分の動きを一時的に封じる「死の錯覚」を使う。また、「死の錯覚」を応用する事で、致死性の攻撃を事前に感知する事が出来る。ただし、その性質ゆえに直接命の危険には結び付かない行動を予測する事が出来ない。
アニメではオーリが飼っていた猫が死んだ後から姿を現すようになった描写がされている。また、マキナにも一応感知はできるが、普通の猫との差は気付いていない。その正体は「オーリの母が殺した子供たちの精神の集合体」であり、歪質によりオーリと一体化し体中に眼(黒猫の眼と同じ形)と鋭い歯が並んだ口があるという醜悪な黒い巨体に変貌するが、オーリの意思を汲み歪質と戦い消滅する。
荒神莉花(あらがみ りか)
声 - 千葉紗子
  • 年齢:23歳
  • 誕生日:4月3日
  • 身体:171cm・55kg O型
  • 好きなモノ:花、春、掃除
  • 嫌いなモノ:毛虫、汚れているところ
  • 特技:料理(免許を持っている)
偉家十聖の一つ「荒神」の出身で、高峰の副官を務める女性。
物腰が丁寧というよりも堅く、自分より僧階の低い景世にも敬語で話すなど、生真面目な様が見て取れる性格。若くして権僧正という高位に上ったことを、実家「荒神」の力と卑下することもその表れである。一方、結構感激屋で涙もろいところがある。
彼女は幼い頃から、多くの契約僧を輩出してきた「荒神」の一員として様々な修行をさせられ、自由のない生活を送ってきた。そんな中、小学5年生の時に出会った早季が唯一の友達だった。しかし、早季に対して何をすることも出来ず死なせてしまったと、自責する彼女は早季を屍姫として、再会することを決意する。彼女はそれから髪を伸ばすことを止め、10年の修行の後、冷凍保存していた早季の死体を屍姫としたのである。
彼女を屍との戦いに駆り立てる理由は十聖としての責務だけでなく、親友である早季と共に在るためでもある。同門の出である景世のことはかねてより慕っており、彼を殺した「大群」のことを強く憎む。そして、現在は残されたマキナとオーリの世話をしたりと彼女らのことを何かと気にかけている。それも彼女の責任感の強さと心細やかさが見て取れる一例である。
スタイル抜群の美人であり、サイズFの巨乳は自分の屍姫である早季にとっては格好のいじりネタである。公的な場では袈裟でしっかりと服装を固めているが、戦闘においてはショートパンツにビキニ風の下着、その上に羽織というきわどい服装になる。
「荒神」の家は医療技術に長けており、彼女自身も優れた医療技術を持つ。普段は大学院に在籍する傍らで本山の専属医師として常駐し、契約僧や屍姫の治療を行っているが、戦闘時には切り札として「荒神」の医療技術を最大限に高める鉤爪状の法具「金爪異掌(こんそういしょう)」を右手に装着、同名の座壇を展開する。メスのような長い爪と、大木をも切り裂く極細の糸を使って攻撃し、糸は相手の体内に潜り込むと、自分の神経のように自在に操る事が可能。
天瀬早季(あませ さき)
声 - 菊地美香
  • 年齢:享年10(精神も10歳)
  • 誕生日:8月8日
  • 身体:121cm・28kg B型
  • 好きなモノ:(主にしょっぱい系の)お菓子、ジュース
  • 嫌いなモノ:ピーマン、苦い薬
  • 特技:ポテチ銘柄当て
莉花の屍姫。契約僧である莉花でも手を焼くほどの毒舌家。莉花の巨乳や性格をネタにしてからかっている。見た目は幼いが戦闘能力は高く、双刃の長柄斧(アニメでは巨大なハンマー)を武器として莉花とのコンビで戦う。お菓子が大好物。
生前は莉花の親友だったが、土蔵で二人で花火をしようとした際の事故で全身に大火傷を負い、死亡した。しかし屍姫の才能がある事が分かった為、その死体は冷凍保存され、10年後に莉花の手によって復活。莉花には生前以上の友情を感じており、どんな相手からも彼女を守ると誓っている。その為莉花の生存の為なら光言宗を見捨てても構わない考えている。
送儀嵩柾(そうぎ たかまさ)
声 - 川島得愛
  • 年齢:19歳
  • 誕生日:12月29日
  • 身体:172cm・60kg O型 視力は両眼とも裸眼で0.4
  • 好きなモノ:たまご焼き、鯵(アジ)の開き
  • 嫌いなモノ:時間をもて余すこと
  • 特技:たいてい何でも得意、非常に多趣味な男
読み切り2作目で初登場した、黒縁眼鏡をかけた少年。依界・八名津守護。2年前、実家である送儀家が代々伝えてきた少僧正の世襲僧名の1つ『弦拍』を継いだ。しかし、本人は光言宗についての事情もよく分からないまま、弦拍の力を欲したイツキによって、なかば強引に彼女の契約僧にされてしまう。
そのような事情から窺い知れるように読み切り版では普通の少年だったが、それからはイツキと共に修練を重ね、守護就学寺を首席で卒業、現在は天才と称えられ、光言宗最精鋭の武闘派僧侶としてその名を轟かせる身となっている。
本編には景世の死後、師である梅原の推薦により、彼の後任として依海市・八名津市地区の守護役に就任した際に登場し、この際に「弦拍」銘を正式に継承した。なお、彼の記録である19歳での守護就任は歴代2位タイとなる。その履歴には確かな実力と覚悟が裏付けされ、かつて救えなかった人々への思いと、イツキへの想いによって成り立っている。
結縁灌頂の結果、観世音菩薩の加護を得た彼専用の法具は弓矢であり、冴えない眼鏡に似合わない高い視力と洞察眼という恩恵を得ている。そのため、戦闘においては鏃に真言を刻まれた矢を、時には同時に数本も放ち、イツキを後方からサポートする役目が主である。また、数々の法具を用途に応じて使いこなす確かな力量を持ち合わせる。なお、「弦拍」継承のもう一つの必要条件として彼も座壇を得ており、「六道調伏(りくどうちょうぶく)」の名を持つそれを切り札として持つ。矢を高速で連射し、ホーミングして敵に襲い掛かるそれの威力は高い。
常に冷静沈着で、年齢に見合わない大人の雰囲気を持つ彼は、契約僧として未熟なオーリにとっては、頼りになる人物だが、彼の決断を計算して事前に上層部に入信許可をもらっていたなど、少し手回しがいいと言うにはあまりな一面も持っている。ただし、それも過去の事件(後述)によって、今は一線を引く形になってしまったイツキという屍姫と自分という契約僧との関係を、新たな可能性で切り開いてくれるのでは……という一抹の期待を含んでのものである。
なお、一人称の表記は「拙(ボク)」。
山神異月(やまがみ いつき)
声 - 中村知世
  • 年齢:享年16
  • 誕生日:3月18日
  • 身体:154cm・44kg O型
  • 好きなモノ:アイス(味の濃いバニラ系ほど好き○ーゲンダッ○とか)、パスタ、ピザ
  • 嫌いなモノ:辛いモノ(カレーは平気)
  • 特技:体操競技
読み切り2作目で初登場した、嵩柾の屍姫。主に生前に通っていた高校の制服を着用しており、使用武器は経文の記されたS&W M945コンパクトとS&W M60の二丁撃ちであるが、デリンジャーを用いることもある。 死因は交通事故で、夢も恋愛もすべて絶たれた未練から屍姫となる。作中に登場した屍姫の多くが「未練」に囚われ、天国に至る戦いを二の次にしている点と、後述の戦闘スタイルの違いにも鑑みると、逆に異色の存在と言える。
そそっかしい性格で、うっかり嵩柾を戦いに巻きこんでしまった例から見て取れるようにかなりのドジっ娘、天然。生前は喧嘩もしたこともない普通の女子高生で、かつ温和で泣き虫な性格なため、屍姫としても戦闘能力はあまり高いとは言えない。そのため、戦いでは嵩柾のフォローに回る事が多い。戦闘スタイルもマキナのような攻撃的なものでなく、回避を前提とした防御的なものである。
しかし、当初は天国に至るという打算で生まれた関係が恋心に変わるまでに要した時間はさしたるものではなかった。誰にでもにこやかに接し、他者の痛みに心を通わせる優しさを持った彼女、それでありながら、天真爛漫で隠しごとの出来ない彼女はストレートに好意を嵩柾に向けていった。そして、不器用ながらに関係を深めていったが、共通の友人であった鞆春が屍となった事件をきっかけとして、自分の恋心がはっきりとした「未練」と変じており、屍姫と言う自分の存在は確かに異形であると互いに自覚してしまう。そして、その日以来2人に埋めがたい溝は生じたものの、一途に彼女は彼を想い続けている。
マキナら同様に、主にカタカナで「イツキ」と名前が表記される。
壬生貞比呂(みぶ さだひろ)
声 - 諏訪部順一
権僧正であり契約僧。『十大寺』の住職。顔を横切る一文字の刀傷が特徴。面倒事を嫌う性格だが、交渉力、実行力の高さは評価されている。高峰の弟子で修行時代の景世や赤紗と同房。特に景世に対する親しみは深い。本編では御霊封神に於いて呼び寄せられ、初登場となる。『貞比呂の愛のメモリー』なる近辺の女性の詳細なデータが記録されたファイルを持っており、かなりの女好きである。
赤紗によると「秘密主義者」とのことであり、彼に対し使用された座壇術法「光脈軌天」についても、未だ全容は明らかにされていない。
また、「天暁(てんぎょう)」という銘を持つ コミック第10巻カバー裏によるが、これについても作中ではまだ語られていない。
アニメでは喫茶「パルテノン」の店長で、前後に店名の入ったTシャツを着ている。うっかり失言しそうになることが多く、その都度アキラからきつい肘鉄を食らう。5年前は監査部にいたが、現在は高峰僧正にも存在が明かされていない光言宗の遊撃班にアキラと属している。詳細な効力は明かされていないが最強の座壇術法といわれる「修羅天眼」を使いこなし、アキラの弾丸で放つこともある。最終回で、七星による浄房襲撃のため落命した紫央権大僧正の後継者として指名されている描写がある。日頃の言動や「偉家十聖」の出ではないことも併せ考えると、前述のごとくその実力に対する評価の程がうかがい知れる。
遠岡アキラ(とおおか あきら)
声 - 悠木碧
  • 年齢:享年15
読み切り1作目の主人公でもあった、貞比呂の屍姫。主な武器はショットガン。
貞比呂をこき下ろす場面もあるが、心の奥底では信頼している。戦闘では複数のショットガンを使った距離を問わない戦い方を好み、時には自分の肉体ごと屍を撃つという捨て身の戦法を行う事もある。
アニメでは旺里がアルバイトをしている喫茶「パルテノン」で、旺里と一緒に働いている。屍姫の真実を知っており、人を傷つけることが出来ない屍姫の中で唯一人を殺すことを許されている屍姫。

その他の屍姫と契約僧

藤上(ふじがみ)
嵩柾と同期の契約僧。自己中心的な考えの持ち主で、屍姫を道具としてしか考えていなかった。常に人を見下した態度をとるため、嵩柾からはよく思われていない。ミラム・バルドゥの施した仕掛けによって操られ、自らの屍姫を射殺した後殺された。
伊佐木修二(いさき しゅうじ)
声 - 杉田智和
景世と同じ地区を担当している契約僧(位は大僧都)。既に10程の屍を倒しており、高峰僧正からも信頼される実力者だったが、予想外の屍の群れに遭遇した上、その中に呪い憑きの屍である水島が混じっていたため、自身の屍姫と共にバラバラにされて、殺された。原作ではわずか数コマしか登場していない。
アニメでは景世のサポート役をしており、出番も増えている。屍姫を道具としか見ておらず、一般人を「俗人」と呼び嫌っている。チンピラを一蹴するような体術を持っていたが、水薙生と離れている間にそのチンピラの復讐に遭い殺された。
瑠翁水薙生(るお みない)
声 - 平田裕香
アニメオリジナルキャラクター。伊佐木の屍姫。制服を身にまとい、拳銃を装備していたことのみが推測できる。
アニメではライダースーツを着用し、体術で戦う。伊佐木と共に景世やマキナの活動をサポートする。穏やかな性格で、オーリともすぐに仲良くなった。伊佐木からはかなり酷い言葉を叩かれている。生前、恋人と無理心中を図ったが自分だけが屍として蘇り、その償いとして伊佐木の仕打ちにも耐えていた。伊佐木が死んでただの屍に戻りかけ、貞比呂から「オーリと契約すれば屍姫に戻れるかもしれない」という助言を受けるがそれを断りアキラに撃たれ死亡、亡骸は光言宗に回収された。
梶尾宗設(かじお そうせつ)
兵庫県・神戸護の契約僧。御霊封神に於いて呼び寄せられた。
八滝叶江(やたき かなえ)
梶尾の屍姫。縄で屍を拘束する。
武藤雄彦(むとう たけひこ)
神奈川守護の契約僧。御霊封神に於いて呼び寄せられた。ドレッドヘアを後ろでまとめている。「屍を殺す=徳を積む」ことと考えているらしい。
総本山の戦いに於いて、「七星」の一団からマキナたちを逃がすための囮となり、戦死。
飛鳥堯(あすか あき)
武藤の屍姫。大きな六花の髪飾りが特徴。武藤の考えに同調している。武器はライフル。
総本山の戦いに於いてマキナたちを逃がすため歪質と交戦、武藤らと共に戦死した。
如月刃(きさらぎ じん)
岡山守護の契約僧。御霊封神に於いて呼び寄せられた。おっとりした長髪の男性。法具「朱星笛」を使い脳に直接音を伝えることで敵の動きを封じる。
総本山の戦いに於いて、「七星」の一団からマキナたちを逃がすための囮となり狭間と交戦。いろはとの捨て身の連携で狭間に重傷を負わせ、戦死。
如月いろは(きさらぎ-)
刃の屍姫。武器はサイ。総本山の戦いに於いて、捨て身で狭間に斬りかかり戦死。
永友賀進(ながとも かしん)
北海道・道南守護。御霊封神に於いて呼び寄せられた。面倒くさがりな性格。座壇「糸青統君」は、屍にのみ反応する無数の見えない糸の結界を張り巡らす。屍に対しては鋭利なワイヤーのようになり、切り刻みもすれば破裂させることもできる。北斗を座壇で追い詰めるが、頭屋の攻撃を喰らい死亡。
千ヶ崎杏(ちがさき あんず)
永友の屍姫。主な武器はサブマシンガン。北斗に頭を蹴り砕かれ死亡。
虹島曲(にじしま まがり)
埼玉守護の契約僧。御霊封神に於いて呼び寄せられた。モヒカンで長身の男性。座壇「渾然因果」は、屍姫の再生力の源である「縁」と「霊気(ルン)」を強化できる。ちなみに第11巻の表紙裏のおまけ1コマ漫画「7人の守護誕生秘話」によると、作者自身がキャラクターデザインを担当すると変な奴等になるということでアシスタントに依頼したところ、人数が足りず、結局作者自身が書き足して誕生した『こんな奴ら』コンビその1である。
御ノ上直子(おのうえ すぐこ)
虹島の屍姫。単髪の少女。好戦的な性格。武器はショットガン。表紙裏おまけ1コマ漫画「7人の守護誕生秘話」で作者自身がキャラクターデザインをして誕生した『こんな奴ら』コンビその2。
林田妖光(はやしだ あやみつ)
仙台守護の契約僧。御霊封神に於いて呼び寄せられた。無口で無反応。分身を作り出し敵をかく乱させる座檀を使う。
総本山の戦いに於いて、「七星」の一団からマキナたちを逃がすための囮となり戦死。
潤子=バロック(うるこ=ばろっく)
林田の屍姫。短絡的思考の少女。林田に同意を求めても無視されることが多い。好戦的な性格。主な武器は「ブリトニアン」という名の鋸。
総本山の戦いに於いて「七星」の一団からマキナたちを逃がすための囮となり、歪質と交戦し戦死。
早楯冬斗(はやたて とうと)
四国鎮守府守護の契約僧。御霊封神に於いて呼び寄せられた。酒好きの若者。その酒を使い、屍の「呪い」を封じる空間を作り出すことができる。
総本山の戦いに於いて、「七星」の一団からマキナたちを逃がすための囮となり歪質と交戦、戦死。
六ツ花睦葉(むつはな むつは)
早楯の屍姫。西洋風の格好をしている。主にツッコミ担当。武器は円月輪。
総本山の戦いに於いて、「七星」の一団からマキナたちを逃がすための囮となり狭間と交戦、戦死。

最高位の僧侶たちと、その屍姫

神生真世(かみう しんぜ)
声 - 斎賀みつき
  • 好きなもの:うどん[おあげがあるとテンションが上がる]
光言宗を束ねる大僧正で、光言宗最高級の称号「偉家十聖」の一つ「神生」出身。高い実力と威光から”遍照権現”とも称され、深く信徒達から尊崇の念を受けている。ちなみに当年43歳だが、そうは見えないほど若々しい。長い間その姿を見せる事は無く、最高位会議である「求聞持会(ぐもんじかい)」に出席した時も簾の奥に身を隠していた。
オーリの「結縁灌頂」に立ち会った際、オーリ以外の人間には不可視であった黒猫を見通していたなど、実力的に他の僧とは一線を画した感がある。その由縁は「万象輪」と呼ばれる彼の瞳にある。すべてを見通し、人々の縁、ひいては運命さえも見通すという瞳もまた、彼を聖人と呼ぶ一因となろうものである。さらに、大僧正専用の法具として「陀羅尼冠」を所持しており、これを常に被っている。この法具の効果により、彼は屍から受ける精神的プレッシャーを無効とし、求聞持をも可能としている。
教主ミラムに対し発動した座壇「風天」は強力な衝撃波の様なものを生み出す術法であった。
また、彼は屍姫の原典ともいえる「カガセオ」と契約しており、それは光言宗開祖が「屍法姫教典」を表す契機となった神仏の権現そのものであるという。座壇"真我光言縁屍法姫童子"を発動することによって、天井を星空そのものに変化させ、彼を召喚する。また、その瞳は「万象輪」と呼ばれる法具である。
総本山に襲来した「王」の群に対し輝背男を召喚、屍を殲滅し「王」を追い詰める。が、瀕死の状態から自らの本質を屍へと変えた「王」に反撃を食らってしまう。「王」の圧倒的攻撃に勝ち目がないと判断した神生は、「万象輪」を高峰に託し輝背男、総本山と運命を共にした。
輝背男(カガセオ)
その昔光言宗の信仰の果てに生み出された「最初の屍姫」。他の屍姫と違って死体から生み出されたわけではなく、また性別も男である。屍を絶滅させるために存在しうるもの。真世の座壇によって召喚され、その座壇の中では屍はおろか王の力すらも無力化する。かつて王を封じた存在。別名「神殺しの神」「魔王殺しの魔王」。カガセオ自身の能力は石や岩などを降らせる「石降り」しかないが、現代の彼は地球上の石ではなく宇宙に存在する隕石を降らせる、通称「星降り(かみおとしのいし)」を放つことが出来る。
現代に復活した「王」をその能力で圧倒、勝利するかと思われたが屍として蘇った「王」の前に敗北した。
紫央時花(しおう ときはな)
声 - 堀内賢雄
権大僧正。大僧正の下で組織を束ねる光言宗のナンバー2で、常時は俗世から遠ざかっている大僧正に代わって実質的な執務を取っている。頭に鉄輪のような冠や烏帽子をつけている。「十聖」の一つ「紫央」の出身。
意見対立している僧正たちをまとめ上げている有能な人物。大群打倒という目的の為ならあらゆる手段を取るべきだと考えており、外部不干渉勢力(海外の宗教組織だと推測される)も防波堤として利用しようとしている。
立場上冷徹・政治的な言動が多いが、マキナと薬草園で出会った時には亡父の偉大さを諭すなどプライベートでは人情味も見せる。自身も十聖の血族で、天遣と仲が良かったらしく、星村家の家庭環境やマキナの幼時もよく知っている。
彼の座壇「光言曼荼羅」の発動範囲内に入った屍は、あらゆる力を封じ込まれる他気力、体力まで奪われ、為す術がなくなる。
アニメでの設定
「衆生派」の首魁であり、屍姫のあり方に対しても批判的である(屍姫自体への嫌悪ではなく、地獄を味わうことへの憐みから)。さらに七星浄房襲撃では、北斗に重傷を負わされながらも自分の血と命を触媒にした座壇を使う。
高峰宗現(たかみね そうげん)
声 - 中村秀利
光言宗六僧正の一人で、景世の師匠。光言宗総本部の責任者でもある。「十聖」の一つ「高峰」の出身。神佳の契約僧。景世の師であり、彼からは「オヤジ」と呼ばれ信頼されていた。
屍姫を使って屍と戦う現場型の「修法派」に属しており、実務全般を取り仕切る「衆生派」とは対立している。しかし大群という共通の外敵に対しては結束して戦うべきだと考えており、敵を過小評価しない現実的な対応をしようとしている。
轟旗神佳(とどろき かみか)
声 - 堀江由衣
高峰の屍姫で、彼曰く「最強の屍姫」。腰に太刀と小太刀の2本の日本刀を帯びている凛とした雰囲気を持つ知的な女性で、彼の秘書役も務める。「剣姫」(つるぎひめ)の異名を持つ。
生前剣術の師として慕ってきた父親を暴漢に殺され、強さを説いてきた父親への失望しながらも捨てきれない父と最強への憧れが未練となって残った。父の逝去後、自らの戦闘本能を満たすために「最強」と名乗る喧嘩屋となり、その時に現在のパートナーである高峰と出会う。興味本位で高峰と梅原の後を尾行し、沢宮と屍の戦いに巻き込まれて死亡、高峰の屍姫となる。「最強」とは彼女の強さを表すのではなく、未練そのものを表す称号である。本人はこの未練と自分を「ろくでもないもの」と卑下している。その最強への執着心から、剣が折れようが目を眩ませられようが「自分の敵を必ず一刀両断にする」呪い「斬殺呪相」を操る。
梅原鉦近(うめはら かねちか)
声 - てらそままさき
  • 年齢:34歳
  • 誕生日:2月18日
  • 身体:173cm・76kg B型
  • 好きなモノ:ZENBUNOSEシリーズ、いそべもち
  • 嫌いなモノ:生肉系
  • 特技:プラモ・フィギュアの改造
光言宗六僧正の一人であり、嵩柾の師匠、そして冬麻の契約僧。高峰と同じく「修法派」所属だが、アニメにおいては光言宗内の派閥には属しておらず、独自の行動を取っている。僧正という高位にありながら、彼自身は自ら最前線に赴く光言宗きっての武闘派と知られる。
しかし、その実像は初登場時「謎のフランス人」として妙なコスプレをして現れたり、大僧正の勅令による任務中に「ZENBU NOSE」近畿限定(さらに舞妓も?バージョン)フィギュアを買ったり、修行の際にマキナ、イツキ、冬麻の3人に自分特製の「ZENBU NOSE」の衣装を着せようとするなど奇行が目立ち、傍から見てもダメ人間丸出しである。オーリには景世と同じ趣味という理由で親近感を抱かれているが、実のところ、景世に「ZENBU NOSE」を紹介して、彼をその道に引きずり込んだのは彼の仕業であったりする。
しかし、嵩柾の代わりに旺里に稽古をつけたり、その稽古が合理的である所を見ると、中々の切れ者である事と、弟子思いである事が垣間見える。また、嵩柾がイツキに深く入れ込んでいることを看破し、厳しく諭すなど武闘僧侶らしい剛健な様が見て取れる。
戦闘においては『不動明王剣』と呼ばれる両刃の巨大な剣を軽々と操り、狭間ですら視認できない剣速を誇る。座壇も手にした不動明王剣を使用した一撃「金剛撃」であり、契約僧でありながら屍姫のサポートに留まらず戦えるという彼の実力が窺い知れる。
沢宮冬麻(さわみや とうま)
  • 年齢:享年20
  • 誕生日:9月13日
  • 身体:174cm・56kg AB型
  • 好きなモノ:犬、従順なもの
  • 嫌いなモノ:猫、きまぐれなもの
  • 特技:トップブリーダーもビックリなほどの犬の調教
梅原の屍姫。梅原曰く「ドSの宇宙から来たドS怪獣」で、度々問題を起こす鉦近のツッコミ役。事有る事にバカをやっている鉦近をいたぶっては楽しんでいるようでいて、彼との信頼関係は十数年以上前から彼と共に戦い続けたことからもわかるように強い。が、それとは別に彼女の性癖はSであり、梅原をいたぶっては楽しんでいるのは変わらない。
使用武器は杖であり、その用途は投擲武器、捕縛用の檻、近接専用の武器として等、多種多様。「呪い」により暴走したマキナを無傷で押さえ込む等、屍姫の中でもかなりの実力者。
アニメでは17話の嵩柾の回想の中で1シーンだけ登場する(台詞はない)。フレッシュ曰く「休養中」とのこと。
フレッシュ=バックボーン
声 - [[遠藤