屍鬼/藤崎竜 小野不由美
最新刊『屍鬼 11』
『屍鬼』(しき)は小野不由美作のホラー小説。1998年に新潮社から単行本(上・下巻)が、2002年に新潮文庫から文庫本(全5巻)が発行された。第52回日本推理作家協会賞長編部門候補作。本作を原作とした藤崎竜の漫画作品についてもこの項で解説する。
内容
小野のホラー小説の真骨頂とも言える作品。ホラー小説の金字塔の一つに数えられ、ベストセラーを記録した。どうしようもなく「こちら側」に所属しながらも自らの居場所に違和感を覚え、「あちら側」への恋焦がれるような憧れを持っている者と、「こちら側」とは相容れない本質を持ちながらも「こちら側」に居場所を作らざるを得ない立場に置かれた者の心理的交流と葛藤が主軸となっている。その中で「こちら側」と相容れない者が居場所を作ろうとする足掻きと、「あちら側」からの干渉を排除しようとする「こちら側」の世界の反撃が悲惨な悲劇を引き起こしていく。こうした構図は、『魔性の子』や『東亰異聞』といった小野の他のホラー小説とも共通したテーマを扱っているとも言えるが、破滅を通じて、「あちら側」に恋焦がれる者が平穏な居場所を見出していく過程をつぶさに描いている点が、この作品の特徴と言えよう。また、登場人物はメインとなる人物たちの周りや家族なども事細かに登場し、150人を超える。
上下巻合わせて1000ページを超えるボリュームを誇る本作は後の様々なホラー作品に影響を与えた。特にPS2用ゲームソフト『SIREN』は本作が原作であると間違えられるほど強い影響を受けている。小野本人が後書きで明かしている通り、本作自身もまた、スティーヴン・キングの『呪われた町』へのオマージュである。
また、京極夏彦は連作小説集『どすこい』内で、本作のパロディとして『脂鬼』を発表している。
あらすじ
1994年の夏。周りから隔絶された集落、外場村(そとばむら)。昔から変わることの無いこの村では、今でも土葬の習慣が根強く残っていた。
平和だった村に最初に起こった小さな変化。それはどこからか移築された古い洋館だった。なかなか越して来ない洋館の住人。ある日壊されていた村中の道祖神。次々と増える死因不明の死者。
そして、村の住人達は気付く、「この村は死によって包囲されている」と……
用語解説
- 屍鬼(しき)
- 本作のタイトルであり、登場人物の室井静信が執筆中の小説のタイトルでもある。
- 静信の小説は、カインとアベルをモチーフにしており、弟を殺してしまった兄の心情が描かれている。作中作として、本編とは字体を変えて細切れに作中に挿入されている。
- また、本編に登場する「起き上がり」と「人狼」をひっくるめて指す単語でもある。
- 起き上がり(おきあがり)
- 死した後に、起き上がった存在。外見においてはそう人間と変わるところはないが、下顎から生える歯の一部が、血を吸いやすいよう鋭利な牙となっている。
- 人間の血液を得なければ生きていけないこと、血を吸われた人間もまた人外になること、ほぼ不死だが日光に弱く、また、心臓を杭で打たれても死んでしまう、といった吸血鬼に非常によく似た特徴を持つ。
- 人間を超える存在としての特徴には、外傷を超スピードで再生する、年を取らず成長も老化もしない、といったものがある。
- 人間にはない独自の弱点も多くある。日中は起きていることが出来ず、意思とは関係なく自然と眠りに落ちてしまう。日光を浴びると肌が焼け焦げ、長時間当たっていると死亡してしまう。一般的な人間としての食事は受け付けない。誰かの管理下にある建物には無断で侵入することができず、内部の人間に招かれないと入り込むことができない。幾何学的な図を非常に恐れる、などである。
- 起き上がりに血を吸われた者は全てが起き上がりになるわけではなく、起き上がる者もいれば、そのまま死に至る者もいる。起き上がれるか否かは完全に体質の問題である。起き上がれた者の血縁者は、同じように起き上がれる可能性が高い。
- 起き上がれた者たちは、人間であったころに起き上がりに血を吸われて失血によって完全に死亡した後に、個人差はあるが4日から5日ほどかけて徐々に起き上がりへと変貌していく。
- 人狼 (じんろう)
- 起き上がりとよく似た存在だが、起き上がりの持つ弱点の多くを抱えていない存在。
- 起き上がりよりも発生率が少なく、欠点を多く抱える起き上がりの進化した姿ではないかとされる。名称の由来は、古今の物語の中で、吸血鬼のパートナーは狼男であることが多いから。
- 日光を浴びても焼け焦げたりはせず、日中の強制的な睡眠もなく、普通の人間のように昼間に活動することができる。食事も人間と同様のものを摂ることができる。起き上がりと同じく、不老で、怪我の治りが非常に速いが、やはり不死というわけではなく心臓を突かれると死亡する。
- 起き上がりのように、一度死した後に別の存在として復活するわけではなく、生きながらにして人間から人狼へと変化していく。また、起き上がりのように変化に数日間を要することはなく、短時間で変化を終える。
- 外場村(そとばむら)
- 人口わずか1300人、三方を尾根に囲まれた村。村には尾見川(おみがわ)という河川が流れている。江戸時代初期に竹村・田茂・安森・村迫の四家が拓いたとされ、樅を育てて卒塔婆を作ってきたことからその名が付いた。外場村は、上外場・中外場・門前・下外場・外場・水口の6集落と山入の総称で、近年行われた市町村合併により外場という地名になったのだが、村民は未だに「外場村」と呼んでいる。
- 山入(やまいり)
- 山奥の過疎集落。村迫秀正と村迫三重子、大川義五郎が住む2軒の家屋しか残っていない。
- 尾崎医院(おざき いいん)
- 村唯一の病院。専門は内科医で、現在の医院長は尾崎敏夫。ベッド数は個室を含め19床。入院施設はあるが人手が足りず、基本的に入院患者は受け付けていない。また、敏夫が医院長に就いて以降は空室のままである。
- 兼正(かねまさ)
- 代々村長の家系だった竹村家の屋号。竹村家が村を辞去した後は屋敷のある土地を指している。山の斜面にあり、現在は洋館が建ち、桐敷家が住んでいる。
- 虫送り(むしおくり)
- 村内の穢れを境目であるもりに追い立てる祭。鬼の面を付け、黒染めの衣を纏ったユゲ衆と呼ばれる人々が卒塔婆を背負って祠から祠へと練り歩き、村内部の穢れを道祖神に移し、村の境へと連れて行き祀り捨てる。また、ユゲ衆は成人男性に限られており、女性や子供は参加できない。ベットと呼ばれる藁で作られた人形も用いる。
- 弔組(とむらいぐみ)
- 村には葬儀社がない為、これに代わるもの。寺の檀家組織とは関係が深い。
- 高砂運送(たかさご うんそう)
- 夜中に度々現われる謎の引越し業者。高砂松の模様が箱型トラックの荷台に描かれている。
登場人物
主要人物
- 小出 夏野(こいで なつの)/結城 夏野(ゆうき なつの)
- 15歳、高校1年生。戸籍上は小出姓だが、普段は結城姓を名乗る。男性なのに名が女性的であることを気にしており名で呼ばれることを嫌う。また、その名は清原夏野に由来する。両親と共に暮らしているが都会育ち故に村での生活を嫌っており、都会の大学を志望している。度々勉強を教わるために武藤家を訪れており、武藤徹と仲が良い。清水恵とはクラスメイト同士で、彼女の好意に気付いているが、付きまとってくるため鬱陶しく思い忌み嫌っている。複雑な環境に生まれ育ったため、ドライな性格をしている。起き上がりの存在に早期から気づき、立ち向かおうとしたが、起き上がりと化した徹を退けることが出来ず、無抵抗のまま死亡した。
- 桐敷 沙子(きりしき すなこ)
- 村の外から、一家で兼正の家に越してきた少女。幼く小柄な体型をしている。日光を因子とした全身性エリテマトーデスを患っているからと、日中には外を出歩かない。静信の小説のファンであり、村にやってきたのは彼女の意向が強かった。小説を通して静信自身にも関心を持つようになっており、夜になると度々、静信の元を訪れている
- 13歳の中学1年生だと公称しているが、何十年も前に起き上がりとなった存在であり、不老によって幼い外見をしているが、実年齢は公称を大きく上回っている。桐敷一家の一人娘という立場を取っているが、両親としている男女との血のつながりはなく、大人の姿をしている彼らよりも年上である。村に住まう起き上がりと人狼たちを統べる存在である。西洋人の起き上がりに襲われたことで今のような体となった。
- 読書好きで、見かけとは裏腹な豊かな語彙と聡明さを見せる。一方で、まるで本当の子供であるかのような感情的で幼稚な言動をすることもあり、アンビバレンツな性格をしている。「ちゃん」等の敬称を付けられることを嫌う。
- 尾崎 敏夫(おざき としお)
- 32歳。村で唯一の病院の院長。既婚者。先代である父が病で亡くなった為、大学病院を辞めて尾崎医院の院長職に就いた。「若先生」とも呼ばれる。専門は内科だが、必要とあればどんな容態でも診ている。ぶっきらぼうで不用意な憎まれ口をすることが多いが、医師としての責任感は強く、スタッフからの信頼も厚い。尾崎家の地位・権勢を第一と考える父を嫌っており、その父同様の考えを持つ母・孝江にも嫌気がさしている。妻との仲は冷めており、半ば別居しているような状態にある。室井静信と安森幹康とは幼馴染みの仲。ヘビースモーカー。
- 体調の悪い者を診る医者という立場から、次々と起こる村人たちの死が病によるものではなく、未知の何者かが意図的に起こしているものだといち早く気づき、村を守るために起き上がりたちへの抵抗を試みる。
- 室井 静信(むろい せいしん)
- 32歳。寺院の息子。独身。村の人々からは「若御院」と呼ばれている。本業は僧侶で、住職である父・信明が寝たきりになっているため、代行して寺全体を取り仕切っている。副業として小説を書いている。ワープロに抵抗感があるため、未だに原稿用紙を使う。
- 尾崎敏夫と安森幹康とは幼馴染みの仲。性格は温厚で、繊細で理想主義なところがある。学生時代に自殺未遂を起こしたことがある。
- 起き上がりの存在と、彼らが人間を屠って生きていることを知った後も、起き上がりたちを否定することができず、擁護する。事件の全容を知る前から交流を重ねていた沙子に対し、哀れみを感じていた。人狼となった後に村で鬼狩りが行われ、かろうじて沙子と共に村を脱出。その後は二人で生きていくようになる。
- 清水 恵(しみず めぐみ)
- 15歳、高校1年生。8月26日生まれ。夏野のクラスメイトで、夏野に一方的な好意を抱いている。田中かおりとは幼馴染みだが、彼女の田舎じみた行動に対してうんざりしている。生まれ育った村での生活を嫌っているため、夏野と同様、都会の大学を志望している。また、村を明らかに見下すような発言や奇抜な格好などのため、年長者からの評判はあまりよくない。村外の者である兼正の家に関心があり、憧れを抱いている。桐敷家に招かれたところ襲撃された。死亡後、起き上がりとなる。
- 武藤 徹(むとう とおる)
- 20歳。夏野と仲が良い。就職しており、現在は研修活動中。スモーカー。清水恵により血を吸われ死亡。起き上がりとなって夏野を殺害。夏野を殺害してしまった罪の念に囚われ、苦悶する。
- 村迫 正雄(むらさこ まさお)
- 高校2年生。武藤保と田茂広也は同じ高校に通う同級生。よそ者であるためか夏野を毛嫌いしている。甥の博巳を目の仇にしており度々いじめている。兄弟と年が離れていたために甘やかして育てられ、少々わがままで底意地が悪い性格をしている。柚木の襲撃を受け死亡し、起き上がりとなる。
- 田中 かおり(たなか - )
- 中学校3年生。昭の姉。清水恵とは幼馴染みで、親友だと思い慕っている。ラブという名前の長毛種の雑種犬を飼っている。お下げが特徴。野暮ったく、怖がりな性格。村の異変に早い段階で気が付き、弟・昭とともに兼正を探っていたところ夏野と出会う。
- 田中 昭(たなか あきら)
- 中学校1年生。かおりの弟。夏野を実の兄のように慕っている。好奇心旺盛な性格。村の異変に早い段階で気が付き、かおりと共に兼正の家を見張るなど様子を窺っていた。夏野死亡後、伊藤郁美宅に潜入するも辰巳に捕えられ起き上がりの餌にされる。
外場村の人々
寺院
- 室井 信明(むろい しんめい)
- 静信の父。住職。脳卒中で倒れて以来、四肢に麻痺を生じ、寝たきりの生活を送っている。長年寺を治めてきた住職という立場と、それに見合う人柄から村中から尊敬の目で見られており、体が不自由になってからも厳格な態度を崩さない。しかし内心はままならない体を抱えて死を待つだけという生活に強い恐怖を感じていた。健常な体を求めて自ら起き上がりに志望したが、蘇った彼が手に入れたのは起き上がりになる直前と同じ不自由な体だった。
- 室井 美和子(むろい みわこ)
- 静信の母。旧姓・山村。寺の奥方として村人からの尊敬を受けていたが、起き上がりを狩る夜に暴徒と化した村人たちに嬲り殺しにされる。
- 田所 光男(たどころ みつお)
- 寺で雑務をしている。
- 田所 克江(たどころ かつえ)
- 光男の母。
- 池辺(いけべ)
- 信明の弟子にあたる人物。村外から通勤。
- 角(すみ)
- 信明の弟子にあたる人物。実家は同宗派の寺で、次男。村外から通勤。
- 鶴見(つるみ)
- 信明の弟子にあたる人物。既婚。
尾崎医院
- 尾崎 恭子(おざき きょうこ)
- 敏夫の妻。子供はいない。敏夫との結婚を「医者なら誰でも良かった」とまで言っており、敏夫に対して愛情を抱いていない。村での生活を嫌っており、村外の市街部のマンションに1人で暮らしている。また、アンティーク・ショップを経営している。月に2、3回ほど村に戻ってくる。姑の孝江とは折り合いが悪い。30歳。
- 敏夫が異常に気が付いた頃には既に末期状態であり、死亡した後に起き上がりとなる。敏夫によって起き上がりの生態を探るための実験台にされ、激しい苦痛を繰り返された後に、敏夫の手により起き上がりとしても死を迎える。
- 尾崎 孝江(おざき たかえ)
- 敏夫の母。恭子のことを好いていない。尾崎家の地位・権勢を第一と考えるが、尾崎医院の業務には一切関わろうとしない上、看護師らを使用人同然に扱っている。「大奥さん」とも呼ばれる。
- 寺は誰もが死後に世話になるが、病院は健常な限り必ずしも必要なものではないからと、病院よりも寺を上のものとして見る村人たちに対して憤りを感じ、一方的に寺を敵視している。敏夫が、寺の息子である静信と懇意であることを厭っている。家に忍び込んだ大川篤を起き上がりと知らずに高圧的に叱りつけるも、逆上した篤に惨殺される。
- 尾崎(おざき)
- 敏夫の父で先代院長。故人。3年前、膵臓癌で倒れた。地位や名誉に価値を置く、非常に気位の高い人物。
- 国広 律子(くにひろ りつこ)
- 尾崎医院で働く看護師(原作・漫画版共に、作品中では「看護婦」と表記)。太郎(たろう)という名前の柴犬の子犬を飼っている。村外の人間からプロポーズを受けているが、結婚して生まれ育った外場村から離れることを拒んでいる。母と、保育士の妹との3人暮らし。通称・律ちゃん。28歳、独身。起き上がりとして目覚めた後も他者の血を吸う事を拒否し、飢餓と闘う。
- 永田 清美(ながた きよみ)
- 尾崎医院で働く看護師。既婚。小学校6年生の娘がいる。
- 橋口 やすよ(はしぐち - )
- 尾崎医院で働く看護師。看護師の中では最年長。
- 汐見 雪(しおみ ゆき)
- 尾崎医院で働く看護師。村外出身で、村外から通勤している。井崎聡子と仲が良い。
- 井崎 聡子(いさき さとこ)
- 尾崎医院で働く看護師。村外出身で、村外から通勤している。汐見雪と仲が良い。
- 高野 藤代(たかの ふじよ)
- 尾崎医院でパートとして働いている。孫がいる。
- 関口 ミキ(せきぐち - )
- 尾崎医院でパートとして働いている。夫は既に他界しており、子供は全員遠方に出ている。
- 武藤(むとう)
- 尾崎医院の医療事務の事務長。息子の徹がまだ幼かった頃に村に引っ越してきた。既婚。妻と子供3人の5人家族。
- 十和田(とわだ)
- 尾崎医院の医療事務をしている。
- 下山(しもやま)
- 尾崎医院のレントゲン技師。村外から通勤している。既婚、子持ち。
兼正
- 桐敷 正志郎(きりしき せいしろう)
- 桐敷の当主で沙子の父とされている。元は会社社長であった。年齢は40代半ば。妻の千鶴同様、垢ぬけた風貌をしている。
- 実際は沙子とは血縁関係はない。起き上がりや人狼ではなく、ただの人間である。沙子たちが起き上がりであることを知った上で、生きにくい起き上がりたちの支援を願い出た風変りな人物である。起き上がりに対して憧れのようなものを感じている。血を吸ってもらっても起き上がれずに死んでしまう可能性があり、死んでしまえば人間の立場から起き上がりたちを支援することができないため、人間のままで在り続けている。
- 桐敷 千鶴(きりしき ちづる)
- 沙子の母とされている。外見は20代後半〜30代前半だが、実年齢は不明。美しい容姿をしている。娘・沙子同様、SLEを患っていて、それが沙子にも遺伝していると公言しているが、戦中に起き上がった起き上がり。そのため沙子とは血縁関係はない。妖艶に男性を誘うような言動を好む。
- 辰巳(たつみ)
- 桐敷家の使用人の男性。「辰巳」は名字。外見は20代だが、実年齢は不明。
- 笑顔を浮かべていることの多い、人当たりのいい青年である。沙子に血を吸われたことによって人狼となっているが、沙子を恨むことはなく、彼女を支え続け、自分の命すらも投げ出すほど献身的に接している。
- 江渕(えぶち)
- 桐敷家の医者。初老の男性。沙子の家庭教師でもある。楠ガソリンスタンドの隣の空き家に奇妙な診療所を建て、話題になる。
- 倉橋 佳枝(くらはし よしえ)
- 桐敷家の使用人の女性。人狼の一人であり山入を任される。
山入
- 村迫 秀正(むらさこ ひでまさ)
- 三重子の夫。後藤田ふきの兄。8月6日、変わり果てた姿で発見される。享年75。
- 村迫 三重子(むらさこ みえこ)
- 秀正の妻。8月6日、秀正と共に遺体で発見される。享年68。
- 大川 義五郎(おおかわ ぎごろう)
- 大川富雄の伯父。高血圧の為、尾崎医院から薬を処方されている。1人暮らし。8月6日、変わり果てた姿で発見される。享年77。
結城家
- 結城(ゆうき)
- 夏野の父。工房を経営している。都会生れの都会育ちで、田舎暮らしに憧れて1年前に村に引っ越してきた。喫茶店「クレオール」の常連のひとり。30代後半。呪いや幽霊といったオカルトが嫌い。
- 小出 梓(こいで あずさ)
- 結城の同居人で、夏野の母。夫と同じ都会生れの都会育ち。結城と共に工房を経営。夏野は大学生のころに産んだ子だが、改姓を拒んだ為、入籍はしていない。夏野の死後に工房を出て行き、現在は行方不明。
その他の村民
- 大川 富雄(おおかわ とみお)
- 「大川酒店」を経営。消防団の1人。豪放な性格で、一度激昂してしまうと手がつけられない。息子の篤とは対立ばかりしている。
- 大川 かず子(おおかわ かずこ)
- 富雄の妻。
- 大川 浪江(おおかわ なみえ)
- 富雄の母。篤たちの祖母。篤に対しては口うるさく、何か起こる度に富雄に言いつける。
- 大川 篤(おおかわ あつし)
- 富雄とかず子の長男。高校卒業後も定職につけず、家業の手伝いをしており、村を出て行きたいという気持ちはあるものの抜け出せずにいる。気が荒く、配達のバイクの運転も荒い。コンプレックスが強く、父親と祖母とは対立ばかりしている。20代。
- 大川 瑞恵(おおかわ みずえ)
- 富雄とかず子の長女。篤の妹。
- 大川 豊(おおかわ ゆたか)
- 富雄とかず子の次男。篤と瑞恵の弟。高校1年生。
- 大川 長太郎(おおかわ ちょうたろう)
- 茂の父。
- 大川 規恵(おおかわ のりえ)
- 茂の母。
- 大川 茂(おおかわ しげる)
- 長太郎と規恵の息子。会社員。33歳、独身。
- 前田 巌(まえだ いわお)
- 勇の父。元子との折り合いが悪い。壮健で、病気ひとつしたことがない。
- 前田 登美子(まえだ とみこ)
- 勇の母。元子との折り合いが悪い。医者嫌い。
- 前田 勇(まえだ いさみ)
- 元子の夫。JA勤務で、清水武雄は同僚。
- 前田 元子(まえだ もとこ)
- 勇の妻。一男一女の母。両親は既に他界しており、村内にいる兄は家を継いでいる。心配性のせいかヒステリックになりがちなところがある。息子の茂樹が交通事故に遭って以来、ひょんなことで我が子を失ってしまうのではないかという恐れに異常に囚われるようになり、子供たちに対して過保護気味になっている。ドライブイン「ちぐさ」でパートとして働いていており、矢野加奈美と仲が良い。
- 前田 茂樹(まえだ しげき)
- 勇と元子の息子。小学生(低学年)。
- 前田 志保梨(まえだ しおり)
- 勇と元子の娘。6歳(小学生)。
- 前田 時夫(まえだ ときお)
- 勇の年上の従兄弟。消防士。
- 前田 利香(まえだ りか)
- 時夫の妻。元子と同い年。村内から嫁いだ。
- 武藤 静子(むとう しずこ)
- 尾崎医院で働く武藤の妻。
- 武藤 葵(むとう あおい)
- 武藤と静子の長女。徹の妹で、保の姉。18歳、高校生3年生。商業科に通っている。
- 武藤 保(むとう たもつ)
- 武藤と静子の次男。17歳、高校2年生。夏野とは違う高校に通っている。村迫正雄と田茂広也は同級生。
- 安森 義一(やすもり ぎいち)
- 徳次郎の兄で、一成の父。パーキンソン病で寝たきり。74歳。
- 安森 一成(やすもり かずなり)
- 義一の息子。「丸安工業」を経営。
- 安森 厚子(やすもり あつこ)
- 一成の妻。
- 安森 和也(やすもり かずや)
- 一成と厚子の息子。「丸安工業」を経営。
- 安森 淳子(やすもり じゅんこ)
- 和也の妻。奈緒と仲が良い。
- 安森 徳次郎(やすもり とくじろう)
- 義一の弟で、節子の夫。檀家総代のひとり。「安森工務店」を経営。
- 安森 節子(やすもり せつこ)
- 徳次郎の妻。
- 安森 幹康(やすもり みきやす)
- 徳次郎と節子の息子。奈緒の夫。「安森工務店」を経営。尾崎敏夫と室井静信の幼馴染み。28歳。
- 安森 奈緒(やすもり なお)
- 幹康の妻。6歳の頃に両親に捨てられた過去を持つ。淳子と仲が良い。村外から嫁いできた。26歳。
- 安森 進(やすもり すすむ)
- 幹康と奈緒の息子。3歳。
- 安森 誠一郎(やすもり せいいちろう)
- 米子の夫。
- 安森 米子(やすもり よねこ)
- 誠一郎の妻。
- 安森 弘二(やすもり こうじ)
- 誠一郎と米子の息子。母親の米子には頭が上がらないマザコン。
- 安森 日向子(やすもり ひなこ)
- 弘二の妻。姑の米子とは折り合いが悪い。
- 田中 良和(たなか よしかず)
- 佐知子の夫。かおりと昭の父。役場に勤める公務員。
- 田中 佐知子(たなか さちこ)
- 良和の妻。かおりと昭の母。専業主婦。口うるさく、少々短気。
- 清水 徳郎(しみず とくろう)
- 武雄の父。恵の祖父。熱血漢で激昂しやすい。
- 清水 武雄(しみず たけお)
- 恵の父。JA勤務。冷静で理論家。喫茶店「クレオール」に度々訪れる。
- 清水 寛子(しみず ひろこ)
- 恵の母。
- 清水 雅司(しみず まさじ)
- 隆司の父。「清水園芸店」を経営。
- 清水 隆司(しみず りゅうじ)
- 雅司の息子。41歳。
- 清水 裕美(しみず ゆみ)
- 隆司の妻。
- 清水 祐(しみず ゆう)
- 隆司の息子。雅司の孫。高校3年生。
- 村迫 宗秀(むらさこ むねひで)
- 良子の夫。「村迫米穀店」を経営。
- 村迫 良子(むらさこ りょうこ)
- 宗秀の妻。故人。
- 村迫 英輝(むらさこ ひでき)
- 宗秀と良子の次男。遠方に出ている。33歳。
- 村迫 宗貴(むらさこ むねたか)
- 宗秀と良子の長男。35歳、既婚。
- 村迫 智寿子(むらさこ ちずこ)
- 宗貴の妻。息子の博巳が正雄によるいじめを受けていることに気付いており、正雄のことを嫌っている。
- 村迫 博巳(むらさこ ひろみ)
- 宗貴と智寿子の息子。智香の兄。正雄に度々いじめられている。9歳。
- 村迫 智香(むらさこ ちか)
- 宗貴と智寿子の娘。小学校2年生。
- 加藤 義秀(かとう よしひで)
- 澄江の夫。
- 加藤 澄江(かとう すみえ)
- 義秀の妻。
- 加藤 ゆきえ(かとう - )
- 実の母。裕介の祖母。
- 加藤 実(かとう みのる)
- 30代半ば。裕介の父で、妻は故人。電気店を経営。喫茶店「クレオール」に度々訪れる。大人しく、物静かな性格。
- 加藤 裕介(かとう ゆうすけ)
- 小学校1年生。実の息子。人見知りが激しく、兼正の家を不審に感じている。
- 矢野 妙(やの たえ)
- 加奈美の母。後藤田ふきと仲が良い。
- 矢野 加奈美(やの かなみ)
- 妙の娘で、妙と二人暮らしをしている。女手ひとつでドライブイン「ちぐさ」を経営している。夫と2人の子供がいたが、夫の女性関係が問題で5年前に離婚している。子の親権は夫に渡った。前田元子と仲が良い。38歳、独身。
- 後藤田 ふき(ごとうだ - )
- 秀司の母。山入に住んでいる村迫秀正の妹。矢野妙と仲が良い。67歳。
- 後藤田 秀司(ごとうだ しゅうじ)
- ふきの息子。末っ子で、兄達は結婚して村を出ている。内向的だが激昂しやすい性格。39歳、独身。
- 後藤田 久美(ごとうだ くみ)
- 響子の母。衣装店経営。
- 後藤田 響子(ごとうだ きょうこ)
- 久美の娘。40歳。
- 田茂 定市(たも さだいち)
- キヨの夫で、定次の兄。実質上の村長。
- 田茂 キヨ(たも - )
- 定市の妻。
- 田茂 定文(たも さだふみ)
- 定市とキヨの息子。中学校教師。
- 田茂 広也(たも ひろや)
- 定文の息子。高校2年生、陸上部所属。武藤保、村迫正雄は同級生。
- 田茂 定次(たも さだじ)
- 聡美の夫で、定市の弟。「スーパーたも」を経営。
- 田茂 聡美(たも さとみ)
- 定次の妻。「スーパーたも」を経営。
- 田茂 悠子(たも ゆうこ)
- 定次と聡美の娘。既婚。
- 松尾 誠二(まつお せいじ)
- 有香子の夫。弔組の世話役。
- 松尾 有香子(まつお ゆかこ)
- 誠二の妻。
- 松尾 康志(まつお やすし)
- 高志の父。
- 松尾 高志(まつお たかし)
- 康志の息子。静と潤の父。
- 松尾 静(まつお しずか)
- 高志の娘。潤の姉。11歳。
- 松尾 潤(まつお じゅん)
- 高志の息子。
- 小池 昌治(こいけ まさはる)
- 弔組の世話役。痩躯だが頑健な身体つきをしている。
- 小池 保雄(こいけ やすお)
- 昌治の息子。NTTに務める電話技師。
- 小池 董子(こいけ とうこ)
- 保雄の娘で、昌治の孫。中学3年生。田中かおりの同級生。
- 小池 郁生(こいけ いくお)
- 保雄の息子で、昌治の孫。
- 国広 康恵(くにひろ やすえ)
- 尾崎医院で働く国広律子の母。田畑からわずかな収穫を得て生活している。夫は律子らが幼い頃に他界している。
- 国広 緑(くにひろ みどり)
- 康恵の次女。律子の妹。保育士。
- 楠 正也(くすのき まさや)
- 村で唯一のガソリンスタンドを経営。既婚。2人の息子がおり、長男は既婚。
- 楠 章二(くすのき しょうじ)
- 正也の次男。
- 広沢(ひろさわ)
- 中学校の教師。担当は英語。既婚、4歳の娘がいる。喫茶店「クレオール」の常連のひとり。
- 広沢 豊子(ひろさわ とよこ)
- 高俊の母。
- 広沢 高俊(ひろさわ たかとし)
- 豊子の息子。28歳。
- 広沢 麻由美(ひろさわ まゆみ)
- 以前は村外の信用金庫で働いていたが、結婚を機に退社、「スーパーたも」のレジで働きだした。三世代同居で、子供はいない。既婚(旧姓は「大川」)。
- 広沢 武子(ひろさわ たけこ)
- 「タケムラ文具店」で井戸端会議に興じるひとり。
- 広沢 隆文(ひろさわ たかふみ)
- 林業と農業を営んでいる。既婚。
- 竹村 源一(たけむら げんいち)
- 金物屋を経営。
- 竹村 美智夫(たけむら みちお)
- 村に住む男性。
- 竹村 ムネ(たけむら - )
- かつて木工所を開いていた。後に引越しし、その場に一風変わった葬儀社が建つ。引越し後の消息は不明。
- 竹村 タツ(たけむら - )
- 村外に嫁いでいたが、夫が戦死し、死別した為に村に戻ってきた。現在は「タケムラ文具店」を営んでいる。店の立地条件から、日中に村を出入りする者は必然的にタツの前を通ることになるため、村人や車の出入りには詳しい。また、暇を持て余した老人達の噂話に付き合っていたこともあって、村の異変にも早い段階から気付き始める。
- 佐藤 笈太郎(さとう おいたろう)
- 「タケムラ文具店」で井戸端会議に興じる老人のひとり。都会に息子がいる。趣味はカメラ(フィルムが入っているかは不明)。
- 大塚 弥栄子(おおつか やえこ)
- 「タケムラ文具店」で井戸端会議に興じる老人のひとり。
- 大塚 吉五郎(おおつか きちごろう)
- 隆之の父。家業の「大塚製材」で働いている。
- 大塚 隆之(おおつか たかゆき)
- 吉五郎の息子。家業の「大塚製材」で働いている。
- 大塚 浩子(おおつか ひろこ)
- 隆之の妻。
- 大塚 康幸(おおつか やすゆき)
- 隆之と浩子の息子。家業の「大塚製材」で働いている。内気な性格。35歳、独身。
- 伊藤 郁美(いとう いくみ)
- 祈祷師の真似事をして生計をたてている。奇妙な言動からか、村の人々からは神がかっていると思われ、娘の玉恵と共に親子で孤立している。村外から嫌々嫁いできたが、夫は既に他界しており、2人の息子も儲けるも早くに亡くした。度々「タケムラ文具店」の井戸端会議に顔を出す。
- 明確な根拠を持つわけでもないのに、日頃からの宗教めいた思考の末に、起き上がりの存在に早くから気づいた者の一人である。
- 伊藤 玉恵(いとう たまえ)
- 郁美の娘。常に母に振り回されている。痩せた母親とは対照的な肥満体型。気が弱い。35歳前後、独身。
- 石田(いしだ)
- 役場の保険係。
- 石田 千枝(いしだ ちえ)
- 石田の妻。
- 長谷川(はせがわ)
- 喫茶店「クレオール」を経営。商社に勤めていたが、息子を亡くしたことを機に退社し、4年前に村に引っ越してきた。既婚。
- 長谷川 ちよみ(はせがわ - )
- 長谷川の妻。喫茶店「クレオール」を経営。
- 松村 安造(まつむら やすぞう)
- 「大川酒店」勤務。気が小さい。大川富雄より10歳年上。
- 松村 康代(まつむら やすよ)
- 安造の娘。父親に似ず、しっかり者。20代半ば。
- 田代 正紀(たしろ まさき)
- 留美の夫。村で唯一の書店である「田代書店」を経営。喫茶店「クレオール」の常連のひとり。34歳。
- 田代 留美(たしろ るみ)
- 正紀の妻。「田代書店」を経営。
- 田代 孝(たしろ たかし)
- 正紀と留美の息子。10歳。
- 太田 剛造(おおた ごうぞう)
- 健治の父。
- 太田 健治(おおた けんじ)
- 剛造の息子。高校教師。53歳。
- 太田 道代(おおた みちよ)
- 清水武雄宅の隣家の住人。
- 行田 文吾(ぎょうだ ぶんご)
- 悦子の夫。
- 行田 悦子(ぎょうだ えつこ)
- 文吾の妻。
- 高見(たかみ)
- 駐在警察官。2人の子供がいる。
- 高見 秀子(たかみ ひでこ)
- 高見の妻。
- 森(もり)
- 薬局を経営。尾崎医院の薬剤師である。村外から通勤している。
- 前原 セツ(まえはら - )
- 村に住む独居老人。注射嫌いで、狭心症の傾向がある。
- 千代(ちよ)
- 雑貨屋を経営。寡黙で表情に乏しい老女。夫は既に他界。毎朝、勤行に訪れる。
- 支倉 糸子(はせくら いとこ)
- 勤行に度々訪れる独居老人。
- 本橋 鶴子(もとはし つるこ)
- 村に住む独居老人。
- 奈良(なら)
- JA勤務。
- 今泉(いまいずみ)
- 辞職した所長の後任の出張所所長。
- 小川(おがわ)
- 出張所次長。
- 田村 弘岳(たむら ひろたけ)
- 木工所で働く老人。腰部脊椎症で、度々病院を訪れる。
- 山崎 和歌(やまざき わか)
- 村に住む女性。夫、2人の子供(娘と息子)がいる。
- 滝 重造(たき じゅうぞう)
- 加藤ゆきえの同級生。
- 富幸(とみこう)
- 荒物屋を経営。
- 柚木(ゆずき)
- 図書館の男性司書。子供好きで子供のためならどんなことでもする優しい人物。起き上がりとなってからは、好んで男児の血ばかりを狙い襲うようになる。
- 速見(はやみ)
- 村に新しくできた葬儀社の社長。一風変わった形式での葬儀が話題になる。
- 三上(みかみ)
- 喫茶店「クレオール」勤務。
- 武田(たけだ)
- 「安森工務店」勤務。
- マコト
- 加藤裕介宅の近所に住む子供。3歳。名字は不明。
- 大沢(おおさわ)
- 郵便局の局長。既婚。
- 長田(ながた)
- 郵便局の局員。
- 佐々木(ささき)
- 高見の後任の駐在警察官。30歳前後、独身。
外場村以外の人々
- 谷口(たにぐち)
- 村外にある国立病院に勤務。尾崎敏夫の大学の7年上の先輩で、敏夫と同じく内科医。
- 津原(つはら)
- 出版社勤務。室井静信の大学時代の先輩。
刊行情報
- 単行本(新潮社、ハードカバー、1998年9月発行)
- 上巻 - ISBN 4103970022
- 下巻 - ISBN 4103970030
- 文庫版(新潮文庫、2002年1月 - 同年2月発行)
- 第1巻 - ISBN 410124023X
- 第2巻 - ISBN 4101240248
- 第3巻 - ISBN 4101240256
- 第4巻 - ISBN 4101240264
- 第5巻 - ISBN 4101240272
漫画版
本作品を原作にした、作画・藤崎竜によるコミカライズ作品。月刊漫画雑誌『ジャンプスクエア』2008年1月号(集英社)より連載。
概要
2009年9月現在、コミックス累計110万部を突破している。
本作の内容は、ホラー(サスペンス)を強調しており、それぞれの登場人物に個性が付け加えられている。また、「藤崎イズム」ともいえる要素があるのも特徴。『封神演義』と同じくオマージュ的表現も多々含まれている。尚、小説と異なるストーリー展開は小野からの要望によるものである。後述のアニメ版はこちらを基にしている。
2008年12月4日から、集英社音声・動画配信ポータルサイト「ヴォイスコミックステーション」にてVOMICが配信された。全4話。
ストーリー
199X年、周りから隔絶された集落の村、外場村に異変が起き始める。
それは、村全体を大きく揺るがす惨劇の予兆にすぎなかった。
キャラクター一覧
登場人物に「村人ファイルNO.~」が付けられるため、本項でも記述する。 ○は起き上がった者達。
村人ファイルNo. | 姓名(年齢) | 備考 | 死亡日時 |
---|---|---|---|
No.1 | 清水恵(15) | 高校生 | 8/15○ |
No.2 | 結城(小出)夏野(15) | 高校生 | 10/10○ |
No.3 | 室井静信 | 旦那寺の跡取り | |
No.4 | 後藤田秀司(39) | 8/6○ | |
No.5 | 村迫三重子 | 8/5 | |
No.6 | 村迫秀正 | 8/1 | |
No.7 | 大川義五郎 | 8/1 | |
No.8 | 尾崎敏夫 | 尾崎医院の院長 室井静信の幼馴染み | |
No.9 | 田中かおり(15) | 清水恵の幼馴染み 中学生 | |
No.10 | 田中昭 | 田中かおりの弟 | 行方不明 |
No.11 | 矢野加奈美 | ドライブインちぐさ店主 | |
No.12 | 矢野妙 | 矢野加奈美の母 | 10/28○ |
No.13 | 田中佐知子 | 田中かおりの母 | 10/30 |
No.14 | 大川富雄 | 大川酒店店主 | |
No.15 | 大川篤 | 大川富雄の息子 | 10/10○ |
No.16 | 武藤 | 尾崎医院医療事務長 | |
No.17 | 結城 | 結城夏野の父 | |
No.18 | 高見 | 村の駐在 | 8/29 |
No.19 | 国広律子 | 尾崎医院の看護婦 | 10/31○ |
No.20 | 竹村タツ | 下外場 タケムラ文具店店主 | |
No.21 | 佐藤笈太郎 | タケムラ文具店の常連 大工 | |
No.22 | 清水武雄 | 清水恵の父 | |
No.23 | 清水寛子 | 清水恵の母 | |
No.24 | 安森和也 | 安森一族本家 丸安製材 | |
No.25 | 安森淳子 | 安森一族本家 | 10/22 |
No.26 | 安森一成 | 安森一族本家 | |
No.27 | 安森厚子 | 安森一族本家 | |
No.28 | 安森徳次郎 | 安森一族分家 安森工務店 | 10/13 |
No.29 | 安森節子 | 安森一族分家 | 10/5 |
No.30 | 安森幹康 | 尾崎と室井の幼馴染み | 9/10 |
No.31 | 安森奈緒 | 安森幹康の妻 | 8/27○ |
No.32 | 安森進 | 安森幹康と奈緒の息子 | 9/7 |
No.33 | 安森義一 | 安森一族 | 8/17 |
No.34 | 後藤田ふき | 後藤田秀司の母 | 8/21 |
No.35 | 鶴見 | 役僧 | 10/20○ |
No.36 | 池辺 | 役僧 | |
No.37 | 田所光男 | 寺の雑務係 | |
No.38 | 石田 | 役所の保険係 | 失踪 |
No.39 | 武藤徹(18) | 武藤家長男 結城夏野の親友 | 9/17○ |
No.40 | 武藤保(17) | 武藤家次男 | |
No.41 | 村迫正雄(17) | 武藤保と同級生 | 9/21○ |
No.42 | 橋口やすよ | 尾崎医院の看護婦 | |
No.43 | 村迫宗秀 | 外場地区世話役 村迫正雄の父 | |
No.44 | 田代 | 田代書店店主 | |
No.45 | 長谷川 | 喫茶店クレオールのマスター | |
No.46 | 武藤葵(17) | 武藤家長女 | |
No.47 | 武藤静子 | 武藤の妻 | |
No.48 | 小出梓 | 結城夏野の母 | 失踪 |
No.49 | 下山 | 尾崎医院のレントゲン技師 | |
No.50 | 十和田 | 尾崎医院の事務 | 10/5辞職 |
No.51 | 井崎聡子 | 尾崎医院の看護婦 | 辞職 |
No.52 | 汐見雪 | 尾崎医院の看護婦 | 行方不明 |
No.53 | 永田清美 | 尾崎医院の看護婦 | 行方不明 |
No.54 | 清水雅司 | 清水園芸店経営 | |
No.55 | 小池昌治 | 中外場弔組世話役 | |
No.56 | 松村安造 | 大川酒店従業員 | |
No.57 | 大川かず子 | 大川富雄の妻 | |
No.58 | 村迫宗貴 | 村迫家長男 | |
No.59 | 村迫博巳 | 村迫宗貴と智寿子の息子 小3 | 9/19 |
No.60 | 村迫智寿子 | 村迫宗貴の妻 | |
No.61 | 村迫智香 | 村迫宗貴と智寿子の娘 小2 | |
No.62 | 加藤義秀 | 9/22 | |
No.63 | 伊藤郁美 | 自称・霊能力者 | 現状行方不明 |
No.64 | 高野藤代 | 元尾崎医院パート | |
No.65 | 室井美和子 | 室井静信の母 | |
No.66 | 室井信明 | 室井静信の父 | ○ |
No.67 | 田中良和 | 田中かおりの父 | ○ |
No.68 | 尾崎孝江 | 尾崎敏夫の母 | |
No.69 | 尾崎恭子 | 尾崎敏夫の妻 | 10/10○ |
No.70 | 国広緑 | 国広律子の妹 | |
No.71 | 広沢 | 外場中学校英語教師 | |
No.72 | 伊藤玉恵 | 伊藤郁美の娘 | |
No.73 | 前田元子 | ドライブインちぐさのパート | |
No.74 | 千代 | 門前町の雑貨屋 | |
No.75 | 田茂定市 | 外場校区区長会会長 | 10/5 |
No.76 | 広沢隆文 | 役場のバイト | |
No.77 | 前田厳 | 前田元子の舅 | 9/27○ |
No.78 | 前田登美子 | 前田元子の姑 | |
No.79 | 加藤実 | 加藤電気店店主 |
原作との相違点・漫画版独自の設定
世界観・物語の内容
- 原作で比較的他者への影響力の強かった結城夏野、尾崎敏夫、室井静信らを主役格とし、各エピソードの主軸にいる人物の名前を冠して「~編 第※話」とエピソードタイトルが付けられ、※に入る数字が死を連想させる漢字の当て字で表されている。
- 原作では表現されてない内容、描写されていない内容が多数付け加えられている。
- 原作通りに事が起こるのではなく、日にち・順番に若干のズレがある。
- 「虫送り」が描写されていない。
- 時代は199X年と表記されているものの、劇中のカレンダーなどの日付より原作と同じ1994年であることが判明している。
- 本来、徹だけで行われるはずだった夏野襲撃に辰巳と恵も参加している。
人物設定
- 『封神演義』同様、時代背景を無視した(現代に近い設定としてか)パンク・ファッションおよびゴシック・アンド・ロリータを着用しているキャラクターがいる。
- 原作の結城(小出)夏野は武藤徹に殺害された後、起き上がりとして蘇らず、物語そのものから退場するが、漫画版では人狼として蘇り、尾崎敏夫と共闘する。
- 原作の尾崎敏夫は不用意な憎まれ口をすることが多いが、漫画版ではその設定が無視されている。
- 漫画版の辰巳は(普段から)個性的な人物として描写されている。また、口癖が「や!」である。
- 漫画版の桐敷一家は外国貴族のような風貌を持つように描写されている。
- 漫画版では擬似的な幼馴染み設定であるためか、武藤徹の年齢が18歳に設定されている。ちなみに、妹の葵と弟の保は共に17歳の設定。
- 松尾静がガブのかしらをつけた文楽人形で腹話術を使って会話する(普通に会話も出来る)。 また、初登場時から幼稚園児の制服を着用している。
- コミカライズにおいて、人間関係の描写が強くなっている。
- 武藤徹が国広律子に明確な好意を抱いている。
- 武藤徹と結城(小出)夏野の関係は親友(擬似的な幼馴染み)であることを強調しており、二人の親交関係を描いた回想シーンが追加されている。
- 桐敷沙子が室井静信の境遇に同情するシーンがある。
- 原作における姑・尾崎孝江と嫁・尾崎恭子の仲の悪さがより強く描写されており、顔を合わせただけでも喧嘩するほどの犬猿の仲である。
- 姑・安森節子と嫁・安森奈緒の関係が擬似的な親子(母娘)であるように描写されている。
- 漫画版の倉橋佳枝は若い女性として描かれており、原作とは年齢設定が異なる。
- 田中かおりの飼い犬・ラブは雑種で短毛種、国広律子の飼い犬・太郎は黒い子犬(もしくは小型犬)であるように描写されている。
- 漫画版では村迫正雄は起き上がり後、すぐに人を襲えずにコップから血を飲んでいる。その後もあまり人を襲えていないようである。
屍鬼の特性
- 原作での屍鬼は下顎に牙が生えているのに対し、漫画版では上顎に牙が生えている。
- 血液以外に、水分(アルコール飲料を含む)も摂ることが出来る。腹を満たすことは出来ないが、吐瀉することはない上、酔いもしない。
- 原作では人狼は生きながら変化するのに対し、漫画版では死んでからでも人狼化出来る様になっている。
- 原作では人狼の身体能力について特記はなかったが、漫画版では身体能力、五感が強化されていることが明言されている。
単行本
- 第1巻:2008年7月4日発売 - ISBN 4088745493
- 第2巻:2008年7月4日発売 - ISBN 4088745507
- 第3巻:2008年10月3日発売 - ISBN 408874585X
- 第4巻:2009年2月4日発売 - ISBN 4088746457
- 第5巻:2009年7月3日発売 - ISBN 4088747070
- 第6巻:2009年10月2日発売 - ISBN 4088747445
- 第7巻:2010年2月4日発売 - ISBN 4088700074
- 第8巻:2010年7月2日発売 - ISBN 4088700775
- 第9巻:2010年10月4日発売 - ISBN 4088701216
VOMIC版担当声優
- 結城(小出)夏野 - 福山潤
- 清水恵 - 飯塚雅弓
- 室井静信 - 杉山紀彰
- 尾崎敏夫 - 白熊寛嗣
- 田中かおり - 井ノ上奈々
- 田中昭 - 折笠愛
- 国広律子 - タルタエリ
- 辰巳 - 疋田高志
テレビアニメ
漫画版『屍鬼』のテレビアニメ版。2010年7月より、フジテレビ、BSフジ「ノイタミナ」枠ほかフジテレビ系列にて放送中。全22話予定。グロテスクな描写は放送時にシルエット加工されている。
声の出演
主要人物
- 結城夏野 - 内山昂輝
- 尾崎敏夫 - 大川透
- 室井静信 - 興津和幸
- 清水恵 - 戸松遥
- 桐敷沙子 - 悠木碧
- 武藤徹 - 岡本信彦
- 村迫正雄 - 高橋伸也
- 田中かおり - 長嶋はるか
- 田中昭 - 川上慶子
外場村の人々
- 室井信明 - 丸山詠二
- 室井美和子 - 安芸けい子
- 田所光男 - 石川ひろあき
- 池辺 - 中田隼人
- 鶴見 - 内匠靖明
- 尾崎恭子 - 水谷優子
- 尾崎孝江 - 山像かおり
- 敏夫の父 - 菅原正志
- 国広律子 - ささきのぞみ
- 橋口やすよ - 沢田泉
- 永田清美 - 池谷香
- 井崎聡子 - 岡田栄美
- 汐見雪 - 葉山いくみ
- 武藤 - 内匠靖明
- 十和田 - 増田隆之
- 下山 - 高橋英則
- 桐敷正志郎 - GACKT
- 桐敷千鶴 - 折笠愛
- 辰巳 - 高木渉
- 倉橋佳枝 - 喜多村英梨
- 結城 - 遠藤大輔
- 小出梓 - 石川綾乃
その他の村民
- 大川富雄 - 石井康嗣
- 大川篤 - 松田健一郎
- 前田元子 - 坂本智美
- 武藤静子 - 沢田泉
- 武藤葵 - 斉藤佑圭
- 武藤保 - 内匠靖明
- 安森徳次郎 - 塾一久
- 安森節子 - 沢田敏子
- 安森幹康 - 中田隼人
- 安森奈緒 - 伊藤美紀
- 安森進 - 中隈志保
- 安森淳子 - 野浜たまこ
- 田中良和 - 中田隼人
- 田中佐知子 - 安芸けい子
- 清水武雄 - 石川ひろあき
- 村迫宗秀 - 塚田正昭
- 村迫宗貴 - 増田隆之
- 村迫智寿子 - 寺門真希
- 村迫博巳 - 鈴木美咲
- 加藤澄江 - 片貝薫
- 矢野加奈美 - 野浜たまこ
- 矢野妙 - 片貝薫
- 田茂定市 - 広瀬正志
- 松尾静 - 飯野茉優
- 広沢 - 松田健一郎
- 広沢高俊 - 梶川翔平
- 広沢武子 - 安芸けい子
- 国広緑 - 中村知子
- 佐藤笈太郎 - 石川ひろあき
- 大塚弥栄子 - 片貝薫
- 大塚康幸 - 遠藤大輔
- 伊藤郁美 - ならはしみき
- 石田 - 中田隼人
- 長谷川 - 中田隼人
- 田代正紀 - 内匠靖明
- 柚木 - 町田政則
- 速見 - 飛田展男
スタッフ
- 監督 - アミノテツロ
- シリーズ構成 - 杉原研二
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 越智信次
- 美術監督・美術設定 - 立田一郎
- 色彩設計 - 澁谷圭子、馬庭由佳
- 撮影監督 - 佐々木正典
- 編集 - 松村正宏
- 音響監督 - 網野哲郎
- 音楽監督 - 原田扶美子
- 音楽 - 高梨康治
- チーフプロデューサー - 勝股英夫、山本幸治
- プロデューサー - 阿部愛、井上貴允、尾崎紀子、磯野英夫
- アニメーション制作 - 童夢
- 制作 - 屍鬼製作委員会(アニプレックス、フジテレビジョン、集英社、電通、ダックスプロダクション)
主題歌
- オープニングテーマ
- 「くちづけ」(第1話 - 第11話)
- 作詞 - 櫻井敦司 / 作曲 - 今井寿 / 編曲・歌 - BUCK-TICK
- 「カレンデュラ レクイエム」(第12話 - )
- 作詞・作曲 - kanon / 編曲 - kanon、涌井啓一、千葉直樹 / 歌 - kanon×kanon
- エンディングテーマ
- 「walkの約束」(第1話 - 第11話)
- 作詞 - nangi / 作曲・編曲 - 末光篤(SUEMITSU & THE SUEMITH) / 歌 - nangi
- 「月下麗人」(第12話 - )
- 作詞 - 櫻井敦司 / 作曲 - 今井寿 / 編曲・歌 - BUCK-TICK
各話リスト
話数 | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|
第遺血(いち)話 | 杉原研二 | 井出安軌 | 土屋康郎 | しんごーやすし |
第腐堕(ふた)話 | おざわかずひろ | 小林孝志 | 山本健一朗、大和田直之 木下由美子 | |
第惨(さん)話 | 石川あさみ | 山崎たかし | 福本潔 | 渡辺奈月 |
第死(し)話 | 平林佐和子 | 井出安軌 | 岡村正弘 | 輿石暁 |
第偽(いつ)話 | 新宅純一 | おざわかずひろ | 寺澤伸介 | 石川真理子、寺澤伸介 |
第髏苦(ろく)話 | 杉原研二 | 山崎たかし | 土屋康郎 | 酒井智史 |
第弑魑(しち)話 | 新宅純一 | 小林孝志 | 渡辺浩二 | |
第夜(や)話 | 高木登 | おざわかずひろ | 福本潔 | 渡辺奈月 |
第柩(きゅう)話 | 石川あさみ | 寺澤伸介 | ||
第悼(とう)話 | 平林佐和子 | おざわかずひろ | 岡村正弘 | 輿石暁、鳥山冬美 |
第悼と悲屠(ひと)話 | 新宅純一 | 山崎たかし | 福本潔 | 渡辺奈月 |
第悼と腐汰(ふた)話 | 杉原研二 | 池端隆史 | 土屋康郎 | 酒井智史、長谷川亨雄 佐藤敏明、都竹隆治 窪敏 |
第悼と惨(さん)話 | 平林佐和子 | おざわかずひろ | 秦義人 | 奥野浩行 |
第悼と死(し)話 | 石川あさみ | 沼田誠也 | 米田和博 | 江上夏樹、清水勝祐 |
第悼と偽(いつ)話 | 杉原研二 | おざわかずひろ | 福本潔 | 渡辺奈月 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | 2010年7月8日 - | 木曜 25時15分 - 25時45分 | 制作局 ノイタミナ枠第2部 |
近畿広域圏 | 関西テレビ | 2010年7月13日 - | 火曜 26時05分 - 26時35分10月26日からの放送日時。9月21日までは25時59分 - 26時29分。 | アニメわ〜く!第2部10月26日から。以前は第1部。 |
中京広域圏 | 東海テレビ | 2010年7月15日 - | 木曜 26時35分 - 27時05分10月28日からの放送日時。9月23日までは26時45分 - 27時15分。 | |
熊本県 | テレビ熊本 | 2010年7月26日 - | 月曜 26時10分 - 26時40分 | |
日本全域 | BSフジ | 2010年8月14日 - | 土曜 25時30分 - 26時00分毎月最終週のみ『刀語』放送のため休止。 | ノイタミナ枠第2部 BSデジタル放送 |
北海道 | 北海道文化放送 | 2010年10月17日 - | 日曜 25時40分 - 26時10分 |
DVD・Blu-ray
タイトル ! 発売日 ! 規格品番 ! 本編収録話数 |
---|
第1巻
| 2010年10月27日
| ANSB-9401(DVD) ANSB-9401(Blu-ray) | 第遺血話、第腐堕話、第惨話 |
第2巻
| 2010年11月24日
| ANSB-9403(DVD) ANSX-9403(Blu-ray) | 第死話、第偽話、第髏苦話 |
第3巻
| 2010年12月22日
| ANSB-9405(DVD) ANSX-9405(Blu-ray) | 第弑魑話、第夜話、第柩話 |
関連項目
- 小野不由美
- スティーヴン・キング
- 吸血鬼
- 屍鬼二十五話
- 藤田新策
- SIREN - ホラーゲーム。本作の影響を受け、世界観に共通点・類似点が多く見られる。
脚注
外部リンク
ko:시귀