常習盗賊改め方ひなぎく見参!/桜野みねね

『常習盗賊改め方 ひなぎく見参!』（じょうしゅうとうぞくあらためがた ひなぎくけんざん）は桜野みねね作の漫画作品。

概要

1998年7月から2001年9月にエニックス（現スクウェア・エニックス）刊『月刊ガンガンWING』にて連載。全21話（＋外伝1話）。

エニックスお家騒動により、エニックスからマッグガーデンに移籍し、続編にあたる『ひなぎく見参! 一本桜花町編』が2006年4月から2007年6月まで『コミックブレイドMASAMUNE』にて連載。掲載雑誌の休刊とともに連載も終了してしまい、中途半端に終わってしまった。2話をのぞいて他は書き下ろしの内容で最終巻（2巻）が2008年8月6日に「フェアリアルガーデン」2巻と同時に発売され、初回は桜野みねね書き下ろしのイラストがついてきた（※特定の書店販売分のみ）。

桜野みねね短編集『ショーウィンドウのエミリー』に収録の『大怪盗 石川剣推参!』がこの漫画の基となっている。ささらの姿が人である点、如月家が登場しない点、剣が本名のまま盗賊をしている点が本編と異なる。

あらすじ

主人公である如月雛菊が、盗賊の13代石川夢幻斎を追う物語。舞台は江戸時代のようでもあるが、発信器のような最新科学も含まれている時代。場所は、いつも咲いている桜がたつ麓の村。雛菊は はじめ正義感だけから夢幻斎を追っているが、夢幻斎への恋心が芽生え、また、自らが所属する石川夢幻斎対策課につとめる石川剣にも少なからず恋心を抱いてしまい、三角関係に陥る。やがて、なぜ自分の家は代々夢幻斎を追ってきたのかを知り、前へ進むことを決意する。

主な登場人物

如月 雛菊（きさらぎ ひなぎく）

代々、石川夢幻斎を追ってきた如月家の血を濃く継いだ如月三姉妹の次女。16歳。

夢幻斎を追いつつも、彼も同僚の剣も気になる微妙なお年頃の本作品のヒロイン。一度、剣に思いを寄せる弓に言い寄られ、剣を石川夢幻斎対策課からやめさせるが、一本桜花町編にて剣は自らの意志で対策課へもどり、落ち込みがちだった雛菊はこれで元気をとりもどす。

明るい性格だが、実は小さい頃から取り方になるための勉強に明け暮れ、友達が一人もいない（町の人には慕われているようだが）。料理は上手いが、掃除は大嫌い。

如月 椿（きさらぎ つばき）

石川夢幻斎対策課の課長を務める如月家の長女。おっとりのんびりしつつも、夢幻斎を追い詰める一面も。如月家の宿命を知りつつも、雛菊の幸せを願う良き姉。実は早くから石川夢幻斎の正体に気づいていた。漫画に一度も登場しない「父親」と関係があるらしく、鏡堂家に命を狙われている。 鏡堂天城に外傷を負わされた上に、毒を飲まされ、現在石川家で静養している。

如月 小梅（きさらぎ こうめ）

如月家三女。対策課に出入りはしているが、まだまだ子供なので課のメンバーではない。三姉妹で唯一、剣の正体を知っており、雛菊と剣の仲を応援中?

石川 剣（いしかわ つるぎ）

石川夢幻斎対策課に配属された新入りだが、現場に間に合ったことがないので役に立たず、短期間でクビになってしまった。実は大泥棒、石川夢幻斎その人。

一本桜花町編で対策課に復帰。

石川 夢幻斎（いしかわ むげんさい）

悪党から奪って皆に分け与える伝説の義賊、石川夢幻斎の十三代目。石川家の跡取りとして、夜は大泥棒、昼は石川剣として夢幻斎対策課の課員と多忙な日々（…だったが対策課は追い出される）。自分を追う捕り方の雛菊に惹かれている模様。

真砂 弓（まさご ゆみ）（紫紺太夫）

歴代石川夢幻斎に仕えてきた真砂家の娘。夢幻斎が盗みに入る前の情報収集などを主に担当する、後方支援係。夢幻斎＝剣に想いを寄せる幼馴染みでもあり、敵であるはずの雛菊と剣の関係に日々ヤキモキしている。

ささら

代々石川家に仕えてきた言葉を話す猫で夢幻斎が仕事をするときは必ず同行するパートナー。実は一本桜花町、如月家とも因縁の深い女性の生まれ変わり。作品中、最も過去の悲劇と思い出に捕らわれてしまっているキャラクターの一人。

鏡堂天城（かがみどうあまぎ）

雛菊の数少ないともだちであり、幼なじみ。（町の長の跡取りらしいが、はっきりとした記述はない。）小さい頃母が家を出て行ったのは自分が弱いからだと思い込み、雛菊と誓いの桜にて「絶対夢幻斎を捕まえようね」とやくそくする。その後6年間雛菊と離れ、江戸へ勉強するために赴く。

一本桜花町編でこの町に帰ってくるが、性格は一変し、思いを寄せる雛菊のためならいかなる手段も用いるようになる。本作の悪役。

真相

久保剣

天城が、終盤に石川夢幻斎を「久保剣」と呼んだ。ささらも、剣を無理に夢幻斎をやらせていると述べるシーンがある。回想シーンに現れる石川家初代五右衛門は剣と同じ髪の色をしているため、剣はその子孫であることは間違いない。ささらが剣の母親の葉月を「唯一の家族」と述べたことから、本来剣は跡取りではないのに、兄弟がなくなったために急遽引き継ぐことになったと考えられる。

鏡堂家

回想シーンで、「新しい村長は血も涙もない外道と聞く」と述べられ、椿が「昔の鏡堂家がいかに悪い人だったとはいえ」とこぼすシーンがある。鏡堂天城は椿を殺害しようとし、最終幕で石川夢幻斎にボウガンを向ける。

結末

雛菊は天城に肩をボウガンで射貫かれ、石川夢幻斎に助けられるも、夢幻斎も頭にボウガンを向けられる。発射音はあったが、その後無傷で雛菊を抱えて逃げている。天城が「死なずにすんだのに」と言うところがあり、雛菊はそのすべてを夢のようにぼんやりとしか覚えていないため、どうなったのかは不明。

単行本

常習盗賊改め方 ひなぎく見参!（ガンガンWING）

第1巻 1999年6月発売 ISBN 9784757500471

第2巻 2000年9月発売 ISBN 9784757503151

第3巻 2001年10月発売 ISBN 9784757505599

常習盗賊改め方 ひなぎく見参!（BLADE COMICS）

第1巻 2004年9月10日発売 ISBN 9784861270710

第2巻 2004年10月9日発売 ISBN 9784861270864

第3巻 2004年10月9日発売 ISBN 9784861270871

ひなぎく見参! 一本桜花町編（BLADE COMICS）

第1巻 2007年6月8日発売 ISBN 9784861273902

第2巻 2008年8月6日発売 ISBN 9784861275203

外部リンク

• 常習盗賊改め方ひなぎく見参！のお部屋（ファンサイト内）