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幻魔大戦 2

共有

『幻魔大戦』(げんまたいせん)は、SF作家 平井和正と漫画家石森章太郎との共作で『週刊少年マガジン』に連載された漫画作品に始まる一連のSF作品。

概要

過去・現在・未来を通じて宇宙全域の消滅を企てる幻魔と人類との攻防を幻魔大戦と総称し、かつ平井和正および石森章太郎の共作・単独作の作品名であり、またそれらを映像化・音楽化したものなど一連の作品の総称でもある。

とりわけ一連の小説による幻魔大戦シリーズはSF作家平井和正のライフワーク作品として知られ、ベストセラーになった。ハルマゲドン(最終戦争)ものの代表作とも評価される。また、前世から転生した超能力者たちが悪の勢力と戦うというモチーフは、新宗教と精神世界へも影響を与え、オカルト雑誌の投稿欄には前世の記憶を共有する仲間探しが氾濫するきっかけともなった。ノストラダムスの1999年に人類が絶滅するという解釈の予言から触発されたことを平井自身が明らかにしており、『新幻魔大戦』で世界が破滅するのは1999年になっている。

少年マガジン版「幻魔大戦」

1967年、『週刊少年マガジン』に平井和正と石ノ森章太郎との共作として連載された。

超能力に目覚めた主人公が、宇宙的規模の敵・幻魔と闘わねばならない運命に直面し、世界中の超能力者を結集するために苦闘する姿が描かれた。しかし連載は、地球に急接近する髑髏模様の月と、その前に立ち尽くすかのように見える超能力者たちを描いた見開きの絵をもって、人類の敗北を暗示して終了する(打ち切り)。

「新幻魔大戦」

連載の終了後、ストレートな形での続編ではない『新幻魔大戦』が「S-Fマガジン」で1971年から連載される。これはパラレルワールドのアイディアを用いて、漫画連載とは別の時空に属する江戸時代が舞台となり、破滅した未来から過去に遡り、幻魔に対抗できる超能力一族を産み出すことが目的とされた。当初は漫画作品であったが、途中から平井の文に石森の絵がつくという絵物語と漫画の折衷になっていき、やがて完結することなく中断を迎える。(小説版と漫画版はほぼ同一の内容である)。

「真幻魔大戦」とリュウ版「幻魔大戦」

1978年になって、平井と石森の2人は個別に『幻魔大戦』シリーズを継続することとなった。

平井は、「SFアドベンチャー」(徳間書店)誌上で小説『真幻魔大戦』を連載。これは『新幻魔大戦』を受けて、幻魔に勝利する未来を描くとの構想で開始され、「SFアドベンチャー」の巻頭を飾る人気作品になる。 『真幻魔大戦』は徳間ノベルズを経て徳間文庫に収められ、1980年から1983年にかけて30冊とほぼ月に1冊のペースで執筆された。しかし、『真幻魔大戦』は主人公・東丈が失踪して復帰しないまま物語は進行し、完結には至らなかった。

一方、石森は、同じく徳間書店の漫画誌「リュウ」に、漫画版で破滅を迎えた後の未来世界を舞台とするリュウ版の漫画『幻魔大戦 』の連載を開始した。しかしその後、リュウ版『幻魔大戦』は打ち切りとなる。

「幻魔大戦(小説決定版)」「ハルマゲドン」

平井にとって本命となる作品は、完結編として人類の勝利を描く『真幻魔大戦』だった。『真幻魔大戦』は、少年マガジン版『幻魔大戦』と『新幻魔大戦』を受ける形で成立していた。そこで補完の意味もあり、少年マガジン版『幻魔大戦』を平井は小説化する。

少年マガジン版『幻魔大戦』の小説化版である『幻魔大戦(小説決定版)』は角川書店の小説誌「野性時代」に連載され、角川文庫から刊行された(これが後に角川映画によるアニメ映画に繋がっていく)。

しかし本来、リメイク程度にとどめるはずだった小説化版『幻魔大戦(小説決定版)』は、漫画版における幻魔との超能力合戦から独自に発展した挙句、主人公・東丈が失踪したまま第一期が完結し、続編の第二次幻魔大戦「ハルマゲドン」に至り、完全に漫画版とは異なるパラレルワールドを形成しつつ収束せずに未完となる。

作品リスト

漫画作品

  • 幻魔大戦(雑誌『週刊少年マガジン』1967年初出。平井和正と石ノ森章太郎との共作。打ち切り)
  • 新幻魔大戦(雑誌『S-Fマガジン』1971年 - 1974年初出。原作を平井和正、漫画を石ノ森章太郎で共作。未完)
  • 幻魔大戦(雑誌『リュウ』1979年 - 1981年初出。石ノ森章太郎単独の執筆。タイトルは連載初期『幻魔大戦 神話前夜の章』と副題が付けられていたが、5話以降削られ『幻魔大戦』と表記される。単行本化の際に改めて『神話前夜の章』『髑髏都市の章』とサブタイトルが付けられた。打ち切り)

小説作品

平井和正による単独執筆

  • 新幻魔大戦(雑誌『S-Fマガジン』同名連載漫画作品の小説化版。同人誌「ウルフ」1975年に一部初出、1978年初単行本化により全初出)
  • 幻魔大戦(小説決定版)(雑誌『野性時代』1979年 - 1983年初出。週刊少年マガジン版の小説化のはずが独自のストーリーへ発展)
  • 真幻魔大戦(雑誌『SFアドベンチャー』、ムック誌『平井和正の幻魔宇宙I〜IV』1979年 - 1984年初出。新たなメインストーリー)
  • ハルマゲドンの少女(ムック誌『平井和正の幻魔宇宙II〜IV』1983年 - 1984年初出)
  • 少年マガジン版「幻魔大戦」原作ストーリー(単行本『平井和正ライブラリー 幻魔大戦』第七集1987年初出。1966年に少年マガジン版原作用シナリオとして執筆されたもの。小説体で執筆。)
  • ハルマゲドン―第二次幻魔大戦(単行本『平井和正ライブラリー 幻魔大戦』第八集1987年初出)
  • その日の午後、砲台山で(e文庫よりCD-ROM『地球樹の女神-最終版-』に収録2004年初出)
  • 幻魔大戦deep(e文庫より携帯電話用向け電子書籍として発表2005年初出。メインストーリーの平行世界にて展開。)
  • 幻魔大戦deep トルテック(e文庫より単行本化2008年初出。幻魔大戦deepの続編。)

各作品のあらすじ

  • 幻魔大戦(漫画/少年マガジン版/平井和正と石ノ森章太郎の共作)
    高校生の東丈は超能力に目覚め、宇宙を無に帰せんとする幻魔と闘わねばならない現実を知る。幻魔に対抗しようと超能力者を結集するが、幻魔の強大な力にはとても及ばなかった。月が地球に急接近する絶望的なシーンで物語の幕は閉じる(ここで打ち切り)。
  • 新幻魔大戦(漫画、小説/漫画版は共作、小説版は平井和正単独作品)
    詳しくは、新幻魔大戦を参照。
  • 幻魔大戦(漫画/月刊リュウ版/石ノ森章太郎単独作品)
    舞台は月を落とされ壊滅した後の地球。文明を失ったヒトは原始的な生活を送り、その管理は知性を持つ獣人が行っていた。幻魔司政官は己の血を受け継いだ子をヒト類に生ませるという不可解な行動を続けていた。
    幻魔を父に持つ双子ルーフとジンはヒト類にはない巨大な超能力を持っていた。二人はお互いに兄弟がいることを知らぬまま様々な経験を重ね、運命が二人を引き合わせると、やがて倒すべき父親の幻魔に戦いを挑む。
  • 真幻魔大戦(小説/平井和正単独作品)
    詳しくは、真幻魔大戦を参照。
  • 幻魔大戦(小説/野性時代版/平井和正単独作品)
    詳しくは、幻魔大戦 (小説決定版)を参照。
  • ハルマゲドン―第二次幻魔大戦(小説/平井和正単独作品)
    詳しくは、ハルマゲドン (小説)を参照。
  • ハルマゲドンの少女(小説/平井和正単独作品)
    真幻魔大戦/第三部の主人公クロノスの前日譚、およびハルマゲドン/第一部の主人公東三千子の後日譚が語られる。ストーリーのクライマックスに、失踪していた東丈が再登場する。
    真幻魔大戦、幻魔大戦、ハルマゲドンでこぼれた登場人物が登場。全三部構成。
  • その日の午後、砲台山で(小説/平井和正単独作品)
    作家平井和正が自らの小説世界に引き込まれたことを発端とした幻魔大戦小説版登場人物も巻き込んだどたばた劇は東丈の登場により終息?する。
  • 幻魔大戦deep(小説/平井和正単独作品)
    幻魔の侵攻を受けなかったパラレルワールドの21世紀で、姉三千子と暮らしていた東丈は、あるきっかけにより別次元に移動し事件に対処する。
  • 幻魔大戦deep トルテック(小説/平井和正単独作品)
    東丈の“娘”雛崎みちるは、横須賀の“校長先生”の紹介で、ナオヤに会おうとするのだが……

主要登場人物

・少年マガジン版&野性時代小説版

東丈(あずま じょう)
高校生。出来の良い弟・卓に対するコンプレックスなどから鬱屈した日々を送っていたが、ルナとベガにより強力な超能力に目覚める。当初は力の強大さに酔いしれていたがやがて自身の使命に覚醒、幻魔との戦いに身を投じる。
使用できる超能力は当初はサイコキネシスだけだったが、終盤では高温の熱エネルギーを発する「ノヴァ」、周囲の熱エネルギーを自らの体に取り込む「絶対零度」の超能力も獲得した。
小説版では幻魔の存在を人々に知らしめるべく活動し、幻魔への対抗集団「GENKEN」の代表となる。
プリンセス・ルナ
オリジナル漫画版ではルーナ姫。小国トランシルヴァニアの姫。年齢は漫画版では19歳。強力なテレパシーと予知能力の持ち主。旅客機で飛行中に幻魔に抹殺されかかるがフロイに救われ、自身の使命に覚醒する。当初は育ち故にワガママで人種差別的なところがあり、丈やソニーと反目する事もあったが、やがて真の慈愛に目覚めていく。
ベガ
異星のサイボーグ戦士。過去の幻魔との戦闘に敗れて屈辱の眠りについていたが、ルナのテレパシーにより覚醒、地球で再び幻魔との戦いに挑む。全身に武器を内蔵している。
アリエータという恋人がいた。
東三千子(あずま みちこ)
丈の姉。丈を母親代わりに育ててきた。彼女も強力なエスパーであり、オリジナル漫画版では幻魔に殺された後も残留思念として丈を見守る。小説版では東丈を精神的にささえる。『ハルマゲドンの少女』では後半部の主人公としてハルマゲドンで活躍する場面も。
ソニー・リンクス
オリジナル漫画版ではサンボ。ニューヨークに住む黒人少年。テレポートや壁抜けの能力を持ち、幼いながらギャングのボスとして君臨していた。幻魔に襲われて一度は逃げ出したが、戦士の誇りに目覚めて参戦する。
フロイ
オリジナル漫画版ではベガの戦友で、犬のような姿をした異星人。テレパシーでルナを覚醒させ、さらに子犬の姿の101匹の息子達を地球に送って丈達を助けた。遂には幻魔大王との決戦のため自らも地球に降り立つ。
小説版や劇場アニメ版では宇宙を漂うエネルギー生命体となっている。
ドクター・タイガーマン
オカルト研究者。オリジナル漫画版での名前は「レオナード・タイガー」、通称ドク・タイガー。興奮すると虎の姿になる特異体質の持ち主。催眠、サイコキネシス、テレポート、四次元空間移動などの強力な能力に目覚め丈達に接触するが、身勝手で利己的で平気で人種差別を行い、獲得した超能力を自分の欲望に使うような性格から早期に丈達と反目した。オリジナル漫画版では丈たちの超能力者軍団のリーダーになれないと知るや、丈たちを人類の反逆者に仕立て上げたりなどの妨害や嫌がらせを行ったり、地球を幻魔に売り渡そうとしたりしていたが、最後は幻魔の奴隷にまで落ちぶれた。
トランシルバニアの超能力者達
オリジナル漫画版においてプリンセス・ルナが連れてきたトランシルバニアに住む超能力者たち。すさまじい生命力の持ち主たちで体をバラバラにされても体の破片に土をかけるだけで再生できる。
ナオミ
オリジナル漫画版にのみ登場。エスパーの少女で、丈と同じくサイコキネシスの能力を持つ。シグの攻撃で石化した丈をサイコキネシス・マッサージで元に戻すなど、幼い少女とは思えないほど知識が豊か。
ザメディ
エスパー狩りを命ぜられて地球に現れた下級幻魔の一人。ニューヨークで警察署長オライリーに憑依してソニーを捕らえ、巨大なエネルギー・ボールと化して街をパニックに陥れるが、丈やベガの活躍により敗北。その後周囲の人間達を引き寄せて融合させるという残虐行為を行うも、ベガにより異次元に放逐された。オリジナル漫画版での名前は「サメディ」。
ザンビ
ザメディの相棒。三千子を襲うが、超能力に目覚めた彼女の逆襲に遭う。オリジナル漫画版での名前は「ゾンビー」。
シグ
オリジナル漫画版における幻魔の地球侵攻の司令官。文明滅亡の悲壮美を好む芸術家を名乗る。東丈を追い小説最新作『幻魔大戦deep トルテック』に再登場する。
幻魔大王
宇宙のあらゆる物の破壊・消滅を本能とする凶暴なエネルギー生命体。オリジナル漫画版ラストでは人類に不気味な宣戦布告を行う。

・月刊リュウ版(神話前夜の章)

ルーフ
「リュウ」版の主人公の一人。ジンの双子の兄。マ族としての血が濃かったため、マ族の王子として育てられるが、ある日を境にマ族としての力を失ったため、王宮から追放される。その後、長い旅を経てジンと再会し、兄弟でマ王に挑むこととなる。
ジン
「リュウ」版の主人公の一人。ルーフの双子の弟。ルーフとは誕生後まもなく生き別れたため、中盤まで双子の兄がいることを知らなかった。村では父親がわからなかったことから、差別を受けて育っていたが、母親が殺されたことで超能力を発現した。
ヌー
マ王の部下であるが、ジンの側にいて彼の母親と共に彼を育てた人語を喋る犬のような生き物。村を出る際も彼についていったが、ダンに殺害された。
ミーナ
旅の途中でルーフが知り合った女性。周囲をすべて滝に囲まれた村に住んでいるが、不思議な能力を持っていたため、村から追放され、村から離れたところに住んでいた。村の壊滅後はルーフと共に旅をしていたが、マ族との戦いで死亡する。
巨大ビルのコンピュータ
旧世界の遺物である巨大ビルの地下に設置されている巨大コンピュータ。波調の合ったヒト族の女性を「ヒミコ」として操り、人々を支配していた。ミーナをヒミコとして操ろうとするが最終的にルーフの妨害で失敗、自爆して果てた。
ダン
山奥に住む、特殊能力を持ちマ族の支配に抵抗する者達の集団とされている「ニンジャ」の長。だが、「ニンジャ」の実態は超能力を悪用して近辺の村から食料を奪い取るものであったため、ジンと対立、超能力合戦の後、ジンに倒された。
ラン
「ニンジャ」の一員の女性。後に吐いた唾を火に変える能力を習得した。
ダー
ダンとランの息子。ランを操ってジンを殺害しようとしたため、妊娠六ヶ月でジンによって無理矢理母体から「引き出され」た(後に安全性の確保のためにランの胎内に戻った)。赤ん坊であるが極めて高い知能と能力を持っている。ルーフとジンの仲間の中では二人を除いて唯一最後まで生き延びている。
マ王
マ族の王であり、幻魔軍の地球司政官。辺境の惑星に過ぎないうえ、戦闘能力の低い人間ばかりの地球に派遣されたことを嘆き、破壊本能を満たすために、ヒト族の女性に自らの種を仕込んでは自らの能力を受け継いだ子との戦いを楽しんでいた。
マ王の妃
ルーフの義母であるが、彼に対する愛情は一切無かった。最終決戦の際に凍結の能力で次々とルーフとジンの仲間たちを葬っていくが、最後はランと刺し違える形で戦死した。
女性
マ王によって飛ばされた先の世界(1980年代の東京)に住んでいた女性。職業は会社員。ルーフ、ジン、ダーをわが子や弟のようにかわいがっていたが…
レイ
1980年代の東京に住んでいた超能力をもった盲目の少女。祖母と二人で住んでいる。猫を操って物を見たり、未来を予知することができる。
晶(あきら)
元は暴走族の一員であったが、ひょんなことからレイと知り合い、能力を覚醒していった。
松平宇瑠平
小説家。霊感が強く、幻魔の存在を察知し、これを小説にしようとするが、スランプでさんざんストレスを溜め込んだ挙句、首を掻き切って死亡(他殺の可能性あり)。実は彼の妻は人に擬態した幻魔であり、彼女によって復活した後は妻の操り人形となってしまった。モデルは原作者の一人である平井和正。ちなみにルーフ達とは最後まで一切関わることはない。

メディア展開

  • 超能力戦士ジェネス(漫画と小説で表現した作品/永井泰宇・ 永井豪、共作)1983年
  • 真幻魔大戦(同名小説のイメージ・アルバム/難波弘之)1984年
  • 幻魔大戦 神話前夜の章(リュウ版のアニメーション作品/イージーフイルム)2002年

アニメーション映画『幻魔大戦』

角川アニメーション映画 1983年

幻魔大戦最初の映像化作品。角川文庫版1-3巻付近の展開及び少年マガジン版をベースにした物語にオリジナルの結末を付け、1本で完結する物語として描いている。当時角川所属のアイドルだった原田知世がタオ役で出演。

スタッフ

  • 製作:角川春樹・石ノ森章太郎
  • 原作: 平井和正・石ノ森章太郎
  • 脚本:桂千穂・内藤誠・真崎守
  • 監督:りんたろう
  • キャラクターデザイン: 大友克洋
  • 作画監督:野田卓雄
  • 美術監督:椋尾篁
  • 美術:男鹿和雄・窪田忠雄
  • 撮影:八巻磐
  • スペシャルアニメーション:金田伊功

キャスト

  • 東丈 / 古谷徹(幼年期:恵比寿まさ子)
  • ルナ / 小山茉美
  • ベガ / 江守徹
  • 東三千子 / 池田昌子
  • 沢川淳子 / 潘恵子
  • フロイ / 美輪明宏
  • 幻魔大王 / 佐藤正治
  • カフー / 穂積隆信
  • ザンビ / 永井一郎
  • ザメディ / 滝口順平
  • 江田四郎 / 塩沢兼人
  • ソニー / 林泰文
  • タオ / 原田知世
  • ヨーギン / 槐柳二
  • アサンシ / 田中秀幸
  • サラマンダー / 内海賢二
  • オライリー署長 / 寺田誠
  • 女占星術師 / 白石加代子
  • 侍従長 / 宮内幸平
  • アナウンサー / 矢田耕司
  • 黒人ギャング / 塩屋翼・塩屋浩三ほか

備考

  • 2001年に公開された映画『メトロポリス』も監督:りんたろう、脚本:大友克洋である。
  • アニメ版の制作者の角川春樹は、自身のオカルトへの傾斜からこの作品に入れ込んでおり、「実際に、この世に東丈が現れる」と語っていた。21世紀になって吉田豪がこの件についてインタビューすると、「救世主としての東丈は現れなかったが、自分(=角川)が救世主だったんだよ」と答えた。
  • 漫画家の大友克洋は角川アニメーション映画「幻魔大戦」への参加がきっかけとなり、その後もアニメーション制作に関わって行く。 1988年、アニメーション映画『AKIRA』の原作・監督をしたが、超能力の表現や大規模な都市破壊シーンなどに「幻魔大戦」の影響が見られる。なお、平井は大友のデザインした東丈について、デコっぱちにされた、と批判している。
  • 当初、キャラクターデザイナーの候補に上がっていたのは、同年『装甲騎兵ボトムズ』の作画監督で業界内外の注目を集めることになるアニメーターの谷口守泰であった。

映画からのメディア展開

  • 幻魔大戦(角川アニメーション映画のオリジナル・サウンドトラック/キース・エマーソン、青木望)1983年
サウンドトラック『幻魔大戦』(C28Y-0044)はオリコンLPチャートで最高10位『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年-平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、333頁。ISBN 4871310256を記録した。
  • キャラクター・オブ・幻魔大戦 WARNING!(角川アニメーション映画のキャラクターデザイン集/ 大友克洋) 1983年
  • シナリオ幻魔大戦(角川アニメーション映画のシナリオを文庫化/桂千穂・内藤誠・真崎守) 1983年
  • 幻魔大戦(ポニカ)角川アニメーション映画版のストーリーを元にしたパソコン用アドベンチャーゲーム。PC-8801、FM-7、MZ-2000等当時主流だった複数の機種に対応したパッケージが発売された。
  • レーザーディスクゲーム(データイースト)1983年 - 同社のレーザーディスクゲーム第1弾。本作品の映像を流用した、スペースインベーダー風のシューティングゲーム。LDゲーム自体が短命に終わったため、現在稼働している場所は無いと言われている。
  • 幻魔大戦(バンダイDOシリーズのテーブルトークRPG)1983年
  • CR幻魔大戦(映画版を原作としたパチンコ/西陣)2006年

豆知識

  • 最も初めに作られた少年マガジン版幻魔大戦は原作が「平井和正/いずみ・あすか」となっている。この「いずみ・あすか」というのは石森章太郎の別名。少年マガジン版は現在扶桑社から文庫で刊行されているが、「いずみ・あすか」の名が消されている。
  • 少年マガジン版の物語終盤にはジョン・ダンの詩『霊魂の進歩』が引用されている。
  • 平井和正による小説版の幻魔大戦シリーズでは、表紙・挿絵画家、イラストレーターとして国際的に評価が高い生頼範義(おうらいのりよし)を起用。ほかに加藤直之、大友克洋、山田章博、寺田克也、泉谷あゆみらが単行本のイラストを描いている。
  • 小説版・アニメ映画版では少年マガジン版から一部登場人物の名前が変更されている。「ルーナ姫」から「ルナ姫」、黒人の超能力少年「サンボ」から「ソニー」など。
  • 平井和正は単独のヒーローである『8マン』に関わったが、群像としてのヒーローを描いた石森章太郎の『サイボーグ009』に影響を受けた、ただ、9人というのは多すぎるという発想があって、『幻魔大戦』の構想につながった、と述べている。
  • 『ハルマゲドン』の一部と二部では初出の箱入りハードカバー版と、次に発刊された新書判とでは順番が逆になっている。また新書判では何枚分か原稿が書き足されている。
  • 平井和正は『ハルマゲドン』を指して「これはルシフェル伝」と明言している。
  • 『超能力戦士(サイコ・アーマー)ジェネス』は、「平井和正の幻魔宇宙II」に第1回が掲載され、その後、1984年の「SFアドベンチャー」2月号から5月号まで連載された。作品内容は幻魔大戦シリーズの世界観を共有するものであったらしい。中断。
  • 漫画版及び小説版『新幻魔大戦』の初出時のタイトルは『新・幻魔大戦』。『真幻魔大戦』の初出時のタイトルは『真・幻魔大戦』だった。
  • 野性時代版『幻魔大戦』は、『真幻魔』、『新幻魔』などのシリーズに対して、『無印幻魔』と呼ばれることもある。

脚注

関連項目

  • S.I.C.#派生商品

外部リンク