弁護士のくず/井浦秀夫
著者: 井浦秀夫
巻数: 11巻
最新刊『弁護士のくず 11』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
『弁護士のくず』(べんごしのくず)は、井浦秀夫による日本の漫画作品。『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて連載されている。法律監修に弁護士の小林茂和(第一東京弁護士会)。
概要
型破りで無茶苦茶な言動から「人間のくず」とまで呼ばれる雇われ弁護士九頭元人(くず もとひと)が、弁護士事務所に舞い込んでくる様々な依頼を引き受ける過程で、弁護士とは思えないような方法で依頼を解決する様や、依頼の裏に潜む人間模様を描いている。
2010年2月現在、単行本が第10巻まで発刊されている。平成18年度(第52回)小学館漫画賞一般向け部門受賞。
2006年4月-6月、TBS系列でTVドラマ化された。
登場人物
弁護士
- 九頭元人(くず もとひと)
- 高校中退の後に女性のヒモを経て、なぜか弁護士になれた男。その言動は建前無しの本音100%で貫かれており、時に自らヤミ金対策を教えておきながら報酬を得るためにヤミ金と同じ手口を使ったり、弁護を担当した言動に問題のある被告人を、公判後の記者会見の場で怒りにまかせて殴ったり、事件が解決した後に屁理屈をこねる、所長である白石のいないところでは悪口を言っておきながら白石の前ではわざとらしく必要以上に持ち上げるなど、その言動はしばしば周囲の顰蹙を買っている。依頼案件や裁判を有利に導くために、脅しや騙しといった弁護士らしからぬ非合法すれすれのテクニックを駆使したり、場合によっては利益相反、守秘義務違反等、弁護士としての倫理弁護士職務基本規程(旧・弁護士倫理規定)。なお、単行本第5巻Case41『コドモノココロ』で、九頭の利益相反行為に対し監修の弁護士、小林茂和が「よい子のみんなは絶対にマネしちゃだめ!」と念を押した。違反を犯すなど、手段を選ばないこともある。
- しかし一方で、複雑な背景を持つ事件の本質や、他人の隠している本音を見抜く洞察力に優れており、その言動のお陰で立ち直った者も多く、時折はちゃんとしたことも言うその直後に非常識な言動をとり、武田や依頼人の怒りを買うのがお約束。。事務所の方針でよく引き受けている少年事件は「全然儲からない」「ガキは大っキライだ、純粋で」という理由で好きではないが、非行少女を殴りつけて更生させたこともある。また適用法令等に関する判断は非常に妥当で、弁護士としての能力は決して低くない。さらに、一人娘の秋野美月(あきの みづき)に対して、「(死んだ)お母さんは幽霊になって、いつもお前を褒めている」と言葉をかける優しい一面を持つ。時には暴走しかけた武田に対し、(普段の自身の言動に似合わないような)弁護士としての責務を厳しい口調で真剣に説くこともある。
- 短髪で丸顔、瞳だけ描かれた小さい目、赤い頬、M字形をした口などの容貌はビートたけしに似ており、他の登場人物とは若干違う特徴的な描き方をされている。これについて作者の井浦は「九頭の顔を敢えて『ペルソナ(仮面)的』にしてあるのは、そうしないと恥ずかしい台詞を言わせることができないから」と述べているビッグコミックオリジナル・'06/8/5号 対談「4人のくず、『くず』を語る!!」より。。第8話まで左眉に絆創膏(ばんそうこう)を貼っていた。武田に殴られたり美月に本を投げられたりして鼻血が出たときだけ鼻の上に貼る。
- 武田真実(たけだ まみ)
- 人権派弁護士白石誠に憧れ入所した女性弁護士。常識的で正義感も強いが、人を疑うということを知らず、依頼人の嘘や隠し事に騙されることも多い。九頭とコンビを組むことが多く、彼の非常識な言動に振り回されており、時にはきつい言葉で九頭を罵倒することがある。九頭からセクハラを受けるシーンは描かれていないが、第1話で「ちょっとケツ触ったぐらいでグーで殴りやがって」と九頭に言われていることから九頭からセクハラを受けていることがわかる。この台詞の他にも九頭を殴る描写があるが、そのときは必ずグー。九頭の弁護士としての資質は認めているが、直後にとんでもない発言をすることなどは快く思ってはいない。そのためか九頭に「先生」をつけず、そのまま「クズさん」と呼ぶ。一方で九頭から名指しで呼ばれることはない。幽霊が苦手で、そのような場に行ったり話されたりすると過度に怯えたり、泣き出してしまう事もある。
- 白石誠(しらいし まこと)
- 九頭が所属する白石誠法律事務所の所長。少年事件付添活動に熱心な人権派弁護士として知られ、テレビのコメンテーターとして登場することも多い。しかし実際には、依頼人が持ってきたアダルトDVDをこっそり見たり、九頭が記者会見に酔って現れたり、あるいは自分が息子とケンカする姿を見られたりする度に「メンツ丸つぶれ…」と言いながら泣き出したりする、小市民的な人物。悪口を言われたり間違って物をぶつけられたりすると、怒りの表情を露わにする短気な一面もある。
- 加藤公平(かとう こうへい)
- 九頭と同じ法律事務所に所属する男性弁護士。武田同様、九頭の非常識な言動に悩まされている。非常に真面目で堅物な妻帯者だが、一度だけ女性の依頼人に誘惑され(たと勘違いし)て誘いに乗りかけたことがある単行本第3巻Case26『不倫のヒロイン』参照。。また、痴漢冤罪事件の被告になったこともある。
- 白石寿仁也(しらいし じゅにや)
- 白石誠の息子(ジュニア)。弁護士。27歳の時に「釣り銭詐欺事件」単行本第2巻Case13『バカ息子の帰還』参照。を起こして以来、みんなにバカにされていると思いこんで人付き合いがうまくできなくなった。初登場時は派手な服にサングラス、金髪といったヤンキーのような服装をしており、白石誠法律事務所の中に自分の事務所を作っていたが、その後自宅で九頭に「バカだと思われてたほうが得だ」と言われて自らバカになることを決意、事務職員にセクハラをするがその被害を訴えられてしまう。再登場時は少々ナルシスト気味になっており、九頭の忠告を無視して訴訟を起こして失敗。やけくそでアダルトビデオを借りて帰宅する途中交通事故に遭い大怪我をしたが、アダルトビデオ所持がばれるのを恐れて現場から逃げ、その途中で再び車にはねられてもなお逃走を続け、ビデオを川に捨ててそこで気を失い病院に運ばれたレンタル屋より催促のハガキが来たため発覚。単行本第4巻Case29『魚心あれば下心』参照。。父親と同様、小市民的な人物。
その他の人物
- 秋野美月(あきの みづき)
- 九頭がかつてヒモをしていた女性・秋野葉月(あきの はづき)の娘。小学生。シングルマザーだった葉月が交通事故で死んでしまい、葉月の兄夫婦に引き取られたが、そこで冷遇された挙句に虐待を受けて、たまたまテレビに写っていた九頭を頼って家出。実際に九頭と血縁があるかどうかは今も不明で、九頭も美月に会った直後は全く認知する気が無かった「(美月を実子とするには)計算が合わない」と発言している。単行本第1巻Case6『まぶたの父』参照。だが、美月の周りにいる人間の全く思いやりが無く身勝手な言動に激怒した九頭が、勢い余って認知してしまい娘として同居することになるただし、同居後も名字を変えていないので、養子等の戸籍上の親子関係は無いと推定される。。生前の母からは九頭の写真を見せられて「父親は正義の弁護士でヤクザと戦って死んだ」と語り聞かされていたが、現実の九頭の言動にはかなり頭を痛めている。第27話からは帰りの遅い九頭を事務所までよく訪ねるようになった。
- 読書好きで、よく九頭に古典や神話、偉人の名言などの話を持ちかけてくるが、ほとんどバカ話かエロ話にされてしまう多くの場合、これが本筋への導入部分となっている。。霊が苦手なようで、幽霊や生き霊の登場する小説を読んでは怖がっている。第10話から眼鏡を掛けるようになった。
- 小俣夕花(おまた ゆうか)
- 白石誠法律事務所の事務員なお、白石誠法律事務所には他にも「大原広子」(おおはら ひろこ)と、氏名不詳の中年女性の事務員がいる。単行本第8巻までで確認できる事務所スタッフは、弁護士5名、事務員3名となっている。。おとなしい性格だが、依頼人の小説家にナンパされ、そのまま付き合っていた事がある。その後、女性弁護士との三角関係が発覚して別れた単行本第2巻Case10『生き霊』参照。浮林亜衣(ふりん あい)という従姉妹がいる。武田と仲が良く、武田の事を「マミ先生」と呼び、よく一緒に食事をする。
- 国光裕次郎(くにみつ ゆうじろう)
- 九頭の友人の古書店店主。当初はTVドラマ版のオリジナルキャラクターだったが、逆輸入の形で登場するようになった。
- 設定はTVドラマ版と同じで、人物のモデルもTVドラマ版で国光を演じていたモト冬樹。
掲載差し止め請求問題
2008年2月13日、弁護士の内田雅敏が「1月5日号から連載された3話のストーリーが、自著の『乗っ取り弁護士』に酷似しており、著作権を侵害している」と主張して、『ビッグコミックオリジナル』発行元の小学館と作者の井浦に対し、第4話の雑誌掲載と単行本収録中止を求める仮処分申請を東京地方裁判所に申し立てた。しかし東京地裁が雑誌発売までに結論を出さなかったため、第4話(エピソード完結編)は予定通り雑誌掲載された。そのため、同年3月3日に内田側は仮処分申し立てを取り下げ、正式に提訴を行った。
井浦と小学館側は、同年4月18日、東京地裁で開かれた第1回口頭弁論で「両作品の類似点は実在の事件のものであり、似ていても著作権侵害にはなり得ない」として全面的に争う姿勢を見せ出典:スポーツ報知 2008年4月19日版、2009年12月24日に「漫画の表現は内田氏の著書と似通った表現が使われている部分があるが、実在の事実を選択して記述しており、内田氏の創作的表現を用いたわけではない」として、内田の請求を棄却する判決が出された産経ニュース(2009年12月24日)。
『ビッグコミックオリジナル』2010年2月5日号には井浦と小学館代理人のコメントご心配おかけしました。『弁護士のくず』訴訟、完全勝訴しました。 小学館 コミック関連NEWS 2009年12月27日(雑誌掲載のものとほぼ同様)が掲載されたが、挿絵として井浦と、登場人物の九頭と武田が描かれており、九頭の台詞として「公開された社会的事実は誰が参考にしてもいい、…という当たり前のことが確認されたってことだ」と書かれている。単行本第10巻初版の帯にも裁判経緯とともに描かれている。
内田はこの判決を不服として控訴したが、知的財産高等裁判所は2010年6月29日に東京地裁の一審判決を支持し控訴棄却した『弁護士のくず』訴訟、一審に続いて知財高裁でも全面勝訴!(平成22年6月29日小学館広報室)。
該当のエピソード「蚕食弁護士」は、現時点での単行本収録は見送られ後のエピソードが先に収録されている単行本第7巻・巻末脚注を参照。。
備考
- 本作で登場するキャラクターの名前や弁護士名・判事名、会社名等には、そのストーリーに関する駄洒落的なものがつけられている場合が多い。
- 単行本第4巻の帯で、弁護士の北村晴男が推薦文を書いている。この理由には、北村自身が原作のファンだったことと同時に、北村と原作者の井浦が高校の時の同級生(長野県長野高等学校)だったからという逸話がある。なお、両者は学部は違うが大学も同じ早稲田大学である。また、先述の北村の推薦文の中にあった文章を引用したふきだしの横に「by北村晴男」という記述された話がある単行本第5巻Case42『パンツを脱がないサル』参照。。
- TVドラマ版放送終了後、漫画版に国光が登場したり、TVドラマ版ストーリーを基にした漫画が掲載されたり、主題歌の『GO MY WAY』が、やはり漫画版のタイトルになったりと、両者間の結びつきが非常に強い。
テレビドラマ
2006年4月13日から6月29日までTBS系列で放送された。放送時間は毎週木曜日22:00〜22:54。
主演は豊川悦司。これまでクールな役や繊細な役が多かった豊川だが、本作ではキツいパーマヘアに頬紅原作における頬の赤さを表現したもの。でのメイクによる個性的なビジュアル、そして豊川のキャリアに裏打ちされた演技力で、九頭のキャラクターを強烈に打ち出している。
また、原作では女性だった武田真実は男性に変更され、名前の読み方も「まさみ」に変更、伊藤英明が演じる。これは、男女のコンビだと恋愛のイメージが出やすいため、あえて男2人にしたとのこと信越放送「井浦さん通信No.2」。また、原作では男性だった九頭の同僚、加藤公平を「加藤徹子」(高島礼子)という女性に変更し、重要な役割を持つキャラクターとなっている。
ドラマオリジナルのキャラクターとして、古書店を営む法廷マニアで九頭の飲み友達、国光裕次郎役をモト冬樹が好演している。
スタッフ
- 原作:井浦秀夫(小学館刊『隔週刊ビッグコミックオリジナル』連載)
- 脚本:荒井修子、瀧本智行、中島敦彦、きだつよし
- 音楽:梅堀淳(super soniQ inc.)
- サウンドデザイン:石井和之
- 主題歌:『GO MY WAY』歌:hitomi レーペル:avex trax/LOVE LIFE RECORDS
- 法律監修:本山信二郎(弁護士・第二東京弁護士会)
- 法律実務指導:本村健太郎(弁護士・東京弁護士会、俳優:浅井企画)
- 原案協力:宮坂保志、成田明弘、大村信(小学館『隔週刊ビッグコミックオリジナル』編集部)
- プロデューサー:貴島誠一郎、橋本孝(ドリマックス・テレビジョン)、川西琢(ドリマックス・テレビジョン)
- 編成担当:高野阿弥子(TBS)
- 演出:今井夏木、酒井聖博、竹村謙太郎、森嶋正也
- 製作:TBS、ドリマックス・テレビジョン
出演
キャラクターの年齢についてはドラマ版の公式サイトより抜粋。
- 九頭元人:豊川悦司
- 40歳。白石誠法律事務所に所属する弁護士。女好きでよくナンパをしたり実際は情報収集目的の場合が多い。、「区役所職員」と身分を偽ってキャバクラに毎日のように通いつめるなど、弁護士とは思えぬ下品な発言や型破りな行動が多い。その一方で依頼人や当事者のちょっとした言動を鋭く把握する洞察力に長けており、その能力は事務所の同僚にも一目置かれている。また、新人の武田には難しい案件の検証を遅くまで一人で行ったり、国光の営む古書店で必要な知識を仕入れたりなど案件解決のための努力を怠らなかったり、かつての恋人である秋野葉月に対する思いやりを持ち続け、葉月の見合い相手の無神経な言動に激怒したりするなどの真摯な一面も持ちあわせている。
- ドラマ版オリジナルの設定としては、初対面の相手には「弁護士のくずです、ヨロシク!」と自己紹介する。浪費癖があり、前述のキャバクラ通いやパチンコのせいで、金銭的に困窮するときがある。手品(特にカードマジック)が得意。事務所の机の上は様々な玩具で埋め尽くされている。好物は生卵を入れた日清カップヌードル(味問わず)。携帯の着メロはイヌ、ネコ、カラス、ウマ、ウシ、セミ、ゾウといった動物の鳴き声。鼻か頬に絆創膏(ばんそうこう)を貼っており、見せ場では剥がす本段記載の言動はドラマオリジナルの設定。。
- 武田真実:伊藤英明
- 28歳。白石誠弁護士事務所に所属する、生真面目で熱血漢の新人弁護士。「人権派の弁護士、白石誠」に憧れ鹿児島から上京したが、九頭とコンビを組まされる。感情の起伏が激しく、興奮すると鹿児島弁が出てしまったり、映画を見て号泣したり、不遜な態度をとる担当した弁護人を怒りに任せて殴ろうとした事もある。女性への免疫が極端に弱く、女性経験は2.5人。結構鈍臭いところがあり、失敗しては「しもた〜!」と叫んでいる。剣道五段で、携帯電話の着メロはアニメ版「赤胴鈴之助」のオープニングテーマ『がんばれ!赤胴鈴之助』DVD版では著作権の関係で通常の着信音となっている。。徹子に憧れており、最終回で「徹子と結婚する」と宣言。
- 加藤徹子:高島礼子
- 40歳第7話までは39歳。Case8冒頭で誕生日を迎え40歳になる。白石誠法律事務所に所属する弁護士。以前、大企業の顧問弁護士として九頭と対決したことがある。その裁判の後、九頭の弁護士としての考え方に共感し、白石誠法律事務所へ入所。九頭のことを憎からず思っており、武田は可愛い後輩と見ている(すなわち恋愛対象とは思っていない)。結婚していない事を非常に気にしており、年齢や恋愛の話になると機嫌が悪くなる。
- 小俣夕花:星野亜希
- 26歳。白石誠法律事務所で働く事務員。グラマラスで合コン好きで男の扱いが上手い、いわゆる今風の女性。事務所のマスコット的存在で、お嫁さんにしたい女を目指している。しばしば九頭に尻を触られるが全く意に介さない一方で、武田の同様の行為に対してはセクハラ呼ばわりする。
- 国光裕次郎:モト冬樹
- 48歳。九頭の飲み友達。古書店を経営している、離婚歴ありの独身。法廷マニアであり、頻繁に公判を傍聴している。会話の中で小説の一節をつぶやくなど、マニアックな知識を発揮する。また、ヤクザの事務所の電線を切断したり、異なる小説作品の作者が同一人物かどうかを推定するなど、九頭のバックアップを行う時もある。テレビドラマ版のオリジナルキャラクターであったが、番組終了後より全く同じ設定のキャラクターとして漫画版に登場している。
- 白石誠:北村総一朗
- 60歳。白石誠法律事務所の所長。テレビのコメンテーターとしてよく出演しており、認知度も高い。人権派として知られるが、実態は小市民的であり、テレビの姿と実際の姿にかなりのギャップがある。「事務所の職員はファミリー」と考えており、型破りな一面を見せる九頭をクビにしない。愛妻家で、妻を「ワイフ」と呼んでいる。「クリリン」という犬を飼っている。毎週、事務所の掛軸に自筆の一言(ことわざなど)を書いている。民事訴訟を得意としているが、自分の信条で少年事件の付添人、家事事件、破産事件等の、いわゆる「金にならない事件」を多く引き受けており、そのせいか事務所は飾り気の無い小規模なものとなっている。小市民的な面を見せながらも真面目な人物だが、九頭もツッコミを入れるボケ的なキャラクターとなっている。
- 秋野美月:村崎真彩
- 10歳(小学4年生)。第5話で登場、以降レギュラー出演。母親である秋野葉月が交通事故死し、伯父に引き取られる。しかしその家庭が経済的に苦しかったせいもあり、義理の伯母に冷遇されて原作では引取先の両親に虐待された描写があるが、ドラマ版では伯父は美月を冷遇していない。ドラマ版Case5参照。家出、母親が生前に父親と言っていた九頭の姿をテレビで偶然見て、白石誠法律事務所を訪ねてくる。実際に九頭と血縁があるかどうかははっきりしていないが、紆余曲折の末、九頭が親子関係を認知して共に暮らすことになる。そのため、九頭との血の繋がりのはっきりしない親子関係に悩み、九頭に慰められることもある。偶然会った九頭の依頼人に「父がいつもお世話になっております」と挨拶したり、弁護士事務所を訪れてお菓子を出されたときに「ありがとうございます」とお礼を言ったり、朝は九頭を起こしたり食事を作ったりと、言動は年齢の割にとても大人びている。似顔絵を描くのが得意。作文で「将来の夢は弁護士になる事」と書いた。原作では眼鏡をかけているが、ドラマではかけていない。
- キャバクラ店長・真崎:北原雅樹
- とろサーモン(久保田和靖・村田秀亮)
- キャバクラ嬢・ナナ:伊藤あい
- キャバクラ嬢・ラム:太田彩乃
- キャバクラ嬢・トモコ:滝ありさ
- キャバクラ嬢・カワニシ:豊田梨沙
- キャバクラ嬢:諸岡愛美
ゲスト出演
- 第1話
- 川田郁夫弁護士:佐野史郎
- 矢賀照代:安めぐみ
- 関原仙一:宇梶剛士
- 田部井順二:伊藤正之
- 京塚克彦:吉永雄紀
- 柴木健吉:掛田誠
- 第2話
- 古沢真琴:三津谷葉子
- 須永貴史:小川直也
- 佐橋准哉:波岡一喜
- キャバクラ嬢・さくら:有村実樹
- 第3話
- 豪田珠美:片桐はいり
- 瀬能セリ:北川弘美
- 緒形郁也:正名僕蔵
- 編集者・宮園:蒲生純一
- 元おねだりGIRLS(セリ以外の2人)
- アヤ:石橋奈美
- ミナ:シトウレイ
- 第4話
- 猪狩吾郎(蕾の父):平田満
- 猪狩聡美(蕾の母):筒井真理子
- 山村真介:斉藤慶太
- 猪狩蕾:小町桃子
- 佐藤栄:佐藤二朗
- 真壁栄作:ノッチ(デンジャラス)
- 第5話
- 秋野美月:村崎真彩(第6話以降レギュラー)
- 富田賢次郎:川崎麻世
- 秋野葉月(写真):和久井映見
- 秋野月夫:小市慢太郎
- 秋野美恵:栗田よう子
- 小塚陽子:矢部美穂
- 小塚新平:有吉弘行(元・猿岩石)
- 矢島民雄:中条きよし
- 青木裕子(本人):青木裕子(TBSアナウンサー)
- 小塚サキ:稲垣鈴夏
- 北岡頌栄(写真):風見しんご
- 第6話
- 黒田真吾:沢村一樹
- 黒田幸造:石田太郎
- 黒田真希:椋木美羽
- 古沢裕樹:深水元基
- 水原理沙:松下萌子
- 大谷薫:一戸奈美
- オカマ
- ポン太:深沢敦
- ヒト美:坂本ちゃん
- ケメ子:弓田真好杜
- 第7話
- 高井霧子:三浦理恵子
- 亀有房子:ふせえり(ビシバシステム)
- 徳大寺貴弁護士:須賀貴匡
- 羽根田真一:神保悟志
- 高井悦子:佐々木すみ江
- 羽根田仁:高橋元太郎
- ミサ:インリン・オブ・ジョイトイ
- 霧子の息子(ユウタ):小室優太
- クラブ魔法の手の店員:大隈いちろう
- 第8話
- 湯川みちる:石田ひかり
- 保住京子:深浦加奈子
- 湯川良純:甲本雅裕
- 根津友紀子:渋谷琴乃
- 美月の担任・横山:青木伸輔
- 第9話
- 鈴木克雄:塩見三省
- 鈴木博美:岡本麗
- 岡田常務:森次晃嗣
- 高井武:東根作寿英
- 第10話
- 岡部省吾:塩谷瞬
- 赤地杏里:酒井彩名
- 高橋和彦:脇知弘
- 須永貴史:小川直也(再登場)
- 末木琢(覗きマニア):肥後克広(ダチョウ倶楽部)
- 第11話
- 大塚平太:田辺誠一
- 大塚小百合:杉本彩
- 川上真由美:久保恵子
- 弁護士四天王(白石以外の3名とプロデューサー)
- 片岡三郎(行政訴訟):小林茂和(弁護士。原作の法律監修)
- 岡島敬一郎(医療訴訟):本村健太郎(弁護士、俳優。ドラマの法律実務監修)
- 山岸敦夫(企業訴訟):橋本孝プロデューサー
- 同番組のプロデューサー:川西琢プロデューサー
- リュサ:村崎真彩(美月と二役)
- 第12話
- 笹野優司:坂本昌行(V6)
- 金盛みはる:畑野ひろ子
- 川田郁夫弁護士:佐野史郎(再登場)
- みのもんた:みのもんた(友情出演)
各話タイトル
基本的には全話が原作の単行本1巻 - 3巻に収録された話を基に作られている。ただし、設定の一部だけを残し、ほぼオリジナルストーリーとなった話もあるドラマ版Case.6『痴漢!女性専用車両の秘密』。なお、作者の井浦はこれに触発され、ドラマ版終了後に漫画版で非常に似た構図の「性同一性障害」の話を描いている単行本第5巻Case37『中の人』。。 {| class=wikitable border="1" |- !各話||サブタイトル||原作タイトル||放送日||視聴率 |- |case.1||踊るセクハラ裁判||『ヤブの中』(第1巻・Case1)||2006/04/13||14.1% |- |case.2||ちょいワルおやじvs不良少女||『少女A』(第1巻・Case3)||2006/04/20||11.9% |- |case.3||美人作家の盗作||『シンデレラ大作戦』(第1巻・Case8)||2006/04/27||11.2% |- |case.4||死者の声!冤罪の真犯人||『死者の声』(第1巻・Case5)||2006/05/04||10.5% |- |case.5||私の父は九頭さんです!||『まぶたの父』(第1巻・Case6)||2006/05/11||13.1% |- |case.6||痴漢!女性専用車両の秘密||『魔の電車』(第3巻・Case23)||2006/05/18||14.3% |- |case.7||不適切な遺産相続||『美徳の人』(第2巻・Case11)||2006/05/25||12.6% |- |case.8||名誉毀損!噂の女||『噂の真相』(第2巻・Case14)||2006/06/01||14.2% |- |case.9||夫婦三十年の追憶||『人間失職』(第2巻・Case9)||2006/06/08||11.4% |- |case.10||名門大学生の犯罪||『聖なる戦い』(第3巻・Case19)||2006/06/15||12.2% |- |case.11||働く妻vs専業主夫||『「リュサ」の童話』(第2巻・Case12)||2006/06/22||16.1% |- |case.12||愛と金||『愛と金』(第1巻・Case2)||2006/06/29||11.3% |- !colspan="5"|(※平均視聴率:12.74% ビデオリサーチ・関東地区調べ) |}
ドラマ版備考
- コメディードラマということもあり、有名映画、他局のドラマなどのパロディシーンが多かったり、行きつけのキャバクラの名前が毎週変わり、そのシーンでもパロディが施された、出演者の他のドラマでの設定をそのまま持ち込んだりなど、様々な仕掛けがあった。「1クール」「最終回が近い」などの台詞、あからさまにカメラを意識して台詞を言ったり、ピースしたりする場面があるなど、いかにも撮影と思わされる台詞や業界用語、楽屋落ちも多い。
- スポンサーの1つであるトヨタ自動車は4月中は提供部分でクレジット表記をしていたが、5月以降は30秒CMを続行しつつ、クレジット表記を自粛している。
- 裏番組のフジテレビ系列のドラマ「医龍-Team Medical Dragon-」の原作は、小学館発行の『ビッグコミックスペリオール』で連載されていた。当ドラマの原作も同社発行の兄弟誌『ビッグコミックオリジナル』に連載されており、奇しくも「同士対決」となった。
脚注
外部リンク
ca:Bengoshi no Kuzu