HOME > コミック > 弑逆契約者ファウスツ

弑逆契約者ファウスツ/星野泰視

共有

著者: 星野泰視
巻数: 4巻

星野泰視の新刊
弑逆契約者ファウスツの新刊

最新刊『弑逆契約者ファウスツ 4


出版社: 講談社
シリーズ: 少年マガジンKC


弑逆契約者ファウスツの既刊

名前発売年月
弑逆契約者ファウスツ 1 2009-01
弑逆契約者ファウスツ 2 2009-03
弑逆契約者ファウスツ 3 2009-05
弑逆契約者ファウスツ 4 2009-07

弑逆契約者ファウスツ』(しぎゃくけいやくしゃファウスツ)は星野泰視による日本の少年漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて2008年46号より2009年27号まで連載していた。

あらすじ

かつてある村で羊飼いをしていた少年の元に一人の紳士が降り立ち、今より良い暮らしを与えると言い、条件としてある本に署名するよう迫った。不審に思った少年は主人に相談し、署名をすれば悪魔に魂を奪われていただろうということを伝えられ、助かるための方法を教えてもらう。再び紳士と出会った少年は主人の教えを実行し、署名することなく紳士を退け、結果として紳士の持っていた本を手に入れた。その本こそ後に「奇跡の書」と呼ばれる…正式名称アッピンの赤い本。解読すると不死になると伝えられるこの世に一冊しかない究極の「聖書」であった。

そして現在、「アッピンの赤い本」を解読すべく様々な分野の天才が集められた山奥の病院に、とある少年が転院してきた・・・

登場人物

主要人物

田宮 六登(たみや ろくと)
若くして数学界の権威であるフィールズ賞の候補者。犬が苦手。病弱であるため、東京の病院から長野の施設へ転院してきた。「聖書の会」の存在と「アッピンの赤い本」の解読という活動を知った後、ヒロトを救うべく解読に挑んだところ18文字だけ解読に成功するなどその才能を発揮する。暴走したヒロトを抱きかかえながら飛び降り、教会に屋上に飾られている十字架に突き刺さって死亡したと思われたが、バアルと契約し蘇生、飛散した「赤い本」の回収に奔走する。
母親は法務大臣、父親は死刑囚として服役しておりほとんど会った事はない。
クロ
ヒロトの病室で飼われている黒い犬。ヒロトが暴走すると人語を話すようになり、さらにヤジットによって弑逆世界の存在であることが明かされる。
関口(せきぐち)
言語学の権威であり、「聖書の会」の会員である老人。ヤジットとの契約により暴走するヒロトの手からただ一人生き残り、「赤い本」確保のため弑逆世界から生還した六登のサポートをする。スズキ・フロンテ360を愛車に持つが運転は苦手。
名護 マキ(なご マキ)
ビッチ系女子高生。彼女の周りには常に男子がつきまとう。散らばった「アッピンの赤い本」のページを持っていると思われていたが誤解だった。同級生のオザケンが持っていた頁を回収後も六登の元を訪ねており、六登が父の暴走によりエヘン・メタンと行動してからも何故かついて来ている。
鐙 英伍(あぶみ えいご)
六登の父親。18人を殺害し服役中の死刑囚だったが、「アッピンの赤い本」の中でも最も強い魔力を持つ「ブランク・ページ」と契約したことで力を得て脱獄。かつて自分を捕まえた刑事や法廷での検事、弁護士、判事を次々と殺害。強大な魔力で自らを絶対者たる神にしようとする。IQ400の超絶頭脳と、凶悪な人格、強欲さを併せ持つ。

悪魔

ヤジット
ヒロトに呼び出され、能力を与えるとともに対立した田宮を殺すよう煽る悪魔。64年前にアドルフ・ヒトラーとも契約していた。失態を犯したためバアルに喰われる。
バアル
「奇跡の書」の持ち主であり、弑逆世界の王。「アッピンの赤い本」を取り戻すことを条件に六登と契約する。実父のベリアルをブランク・ページに封印したが、その時に重い傷を負ったことで弑逆世界の外には出られなくなったという。
ステュクス
散らばった頁を拾ったオザケンと契約した悪魔。多数の目と触手を持っており、オザケン以外にマキに近づく男達を襲うが、六登によって弑逆世界に戻される。
コバロス
弑逆世界の亡者と思われる。
ベリアル
バアルの父。息子との争いに破れ、ブランク・ページに封印されていたが、「アッピンの赤い本」の散逸を機に鐙英伍と契約を結ぶ。
トイレにいた悪魔
現実世界で人間を困らせて楽しんでいた悪魔。六登に姿を目撃されるが、自分は元々「アッピンの赤い本」に名前が載っていなかった(バアルに真の名を知られていなかった)ため、頁に封印できなかった。「アッピンの赤い本」について詳しく知っている。

エメン・ヘタン

真鍋(まなべ)
六登とヒロト担当のシスターであったが、その正体は「アッピンの赤い本」を利用して破壊による新世界創造を企てる「エメン・ヘタン」のグランドマスター(GM)であり、シスターになりすまして「アッピンの赤い本」を解読できる者を探していた。一部が解読できたため、「アッピンの赤い本」を持ってヘリで逃亡しようとするが本の力が発動し、各地へ散らばってしまった。
その後は組織の力で散らばった頁を集めていたが、ブランク・ページの力で暴走した六登の父から法務大臣を警護した際に六登と再会し、非常事態として六登達と共に施設に向かう。
刑部(おさかべ)
六登やヒロトが入居している施設の神父兼院長であり、「アッピンの赤い本」の解読に携わる「聖書の会」の主催者。フィールズ賞候補者である六登を東京の病院からわざわざ呼び寄せた張本人。ヒロトが暴走したとき身を隠して生き残り、解読した本を奪うとしたが能力を持った六登にあっさりと吹き飛ばされた。「聖書の会」では真鍋の上司を装っていたが、実際はただの組織員。

その他

円堂 博人(えんどう ヒロト)
六登のルームメイトであり、前回のフィールズ賞候補者。4年前から長野の施設へ入院している。吐血したのにもかかわらず「アッピンの赤い本」を解読する「聖書の会」に出席するが、六登に説明した後倒れて危篤状態に陥る。六登が解読した「アッピンの赤い本」の一部を読み、容態が回復するがその後様子が一変、人々に転移し六登らを襲うようになる。実はヒロトの読んだ文は悪魔の名前で、その悪魔と契約し能力を得たのであった。その後六登に襲い掛かるが、十字架に突き刺さり死亡。
オザケン
マキの幼なじみ。マキのことを関口のサイトに相談したが、その目的はマキを孤立させ、自分だけのものにすることだった。「アッピンの赤い本」のページを持っており、悪魔と契約していた。
小出(こいで)
ヒロト担当のシスター(看護師)。ヒロトの意識が回復した後看病していたが、能力に目覚めたヒロトによって体を奪われ、死亡。

用語解説

アッピンの赤い本
かつてイエス・キリストが所持していたという聖書。しかしその実態は悪魔から奪い取ったもの。
ブランク・ページ
ベリアルが封印されたページ。封印の際にベリアルが真の名を明かさなかったため、他と違い白紙になっている。契約者はベリアル配下の悪魔の力も自在に行使できる。

備考

  • 作者の星野にとって連載作品事態はこれが3作目であるが、原作なしの単独製作作品としては初の連載である。
  • 「弑逆」は「身分の低い者が身分の高い者を殺すこと」、ファウスツ(fausts)は「悪魔に魂を売り渡した者たち」を表す。
  • 単行本では収録話の合間に2ページを使ったオマケ漫画が掲載されている

外部リンク