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強殖装甲ガイバー/高屋良樹

共有

著者: 高屋良樹
巻数: 26巻

高屋良樹の新刊
強殖装甲ガイバーの新刊

最新刊『強殖装甲ガイバー 26


出版社: 角川書店
シリーズ: 角川コミックスエース


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

Kanon_Murasame @yuu_touya 石原慎一の強殖装甲ガイバーです。同名のOP曲でした。作者は高屋良樹ですが、実は冥王計画ゼオライマーの作者のちみもりをと同一人物です。http://t.co/4DboNG6zf1
anieffebotchan 漫画『強殖装甲ガイバー』に 登場するクロノスの最高幹部 [獣神将] ゾアロード
the4review RT @the4_ch: ♥12/26発売♥少年エースA 2014年 02月号:好評連載中『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』高橋脩、『しままん』bomi、『強殖装甲ガイバー』高屋良樹 http://t.co/R6YDpqEQpr #eva #EVANGELION
the4reviewer RT @the4_ch: ♥3/26発売♥少年エースA 2013年 05月号:好評連載中『バカとテストと召喚獣ぢゃ』KOIZUMI、『ケロロ軍曹』吉崎観音、『強殖装甲ガイバー』高屋良樹 http://t.co/WWnnpNdOyw #bakatest #keroro
the4reviewer RT @the4_ch: ♥3/26発売♥少年エースA 2013年 05月号:好評連載中『バカとテストと召喚獣ぢゃ』KOIZUMI、『ケロロ軍曹』吉崎観音、『強殖装甲ガイバー』高屋良樹 http://t.co/WWnnpNdOyw #bakatest #keroro

強殖装甲ガイバーの既刊

名前発売年月
強殖装甲ガイバー 1 1998-11
強殖装甲ガイバー 2 1998-11
強殖装甲ガイバー 3 1998-12
強殖装甲ガイバー 4 1998-12
強殖装甲ガイバー 5 1999-01
強殖装甲ガイバー 6 1999-01
強殖装甲ガイバー 7 1999-02
強殖装甲ガイバー 8 1999-02
強殖装甲ガイバー 9 1999-03
強殖装甲ガイバー 10 1999-03
強殖装甲ガイバー 11 1999-04
強殖装甲ガイバー 12 1999-04
強殖装甲ガイバー 13 1999-05
強殖装甲ガイバー 14 1999-05
強殖装甲ガイバー 15 1999-06
強殖装甲ガイバー 17 2000-12
強殖装甲ガイバー 18 2001-10
強殖装甲ガイバー 19 2002-04
強殖装甲ガイバー 20 2003-02
強殖装甲ガイバー 21 2003-12
強殖装甲ガイバー 22 2004-07
強殖装甲ガイバー 23 2005-12
強殖装甲ガイバー 24 2006-09
強殖装甲ガイバー 25 2008-01
強殖装甲ガイバー 26 2009-02

強殖装甲ガイバー』(きょうしょくそうこうガイバー)は、高屋良樹による日本の漫画作品。およびそれを原作にしたアニメ・小説作品。原作は現在「月刊少年エース」で連載されている。

概要

1985年、徳間書店創刊の「月刊少年キャプテン」において創刊号から連載開始。以降1997年の休刊まで同誌に掲載。1999年に創刊された角川書店の「月刊エースネクスト」において連載が再開されるが、2002年に再び掲載誌が休刊する。その後、現在の「月刊少年エース」での連載にいたる。コミックスは2010年3月現在で第27巻までが発刊されており、(徳間書店版・角川書店版・新装版を含む)単行本累計総発行部数は500万部を突破している。

本作品はいわゆる「ヒーロー物」ではあるが、主人公に対して「ヒーロー」という概念は与えていない。人類の創生にも関わる壮大な世界設定と、緻密なキャラクター造形が魅力。敵役の秘密結社が世界征服に成功したり、アメリカ同時多発テロ事件より2年前にワシントンD.C.での高層ビル崩壊を描くなど、常識・日常を超えてしまうストーリー性も備えている。

映像化としては、劇場公開版アニメ1本、オリジナルビデオアニメとして2シリーズ、ハリウッドの実写作品(日本の漫画を原作としたものでは初のハリウッド実写作品※ただし日本資本によるもの)として映画が2本。そして、2005年、WOWOWで新作のテレビアニメが放送された。

他に、早見裕司による小説(ノベライズ)とイメージアルバムが発売された。

連載開始までの経緯

「月刊少年キャプテン」創刊時の編集者であった大塚英志が、「今度、徳間で少年誌を出すから『仮面ライダー』みたいなまんが描いて」と高屋良樹に依頼。当初は隔月連載で6話完結の短期連載、高屋は次にラブコメを描く予定だったが、人気が出たので連載続行となった。

高屋良樹は最初、当時の流行であったメタルヒーローものをモチーフとした「メガダイバー」という作品を描こうとしていたが、担当から「グロテスクなムードが欲しい」と注文が入り、全く逆の「生体と融合し、身体が瞬間改造される」という作品になった。ちなみに「ガイバー」という名称は、前アイデアの「メガダイバー」から。

長期連載となっている背景

連載開始して20年以上経つのに単行本の巻数が少ないのは、掲載誌が休刊したという理由もあるが「休載が多い」という事が大きい。大塚英志も高屋について「まんが家として稀有の才能の持ち主だが、"原稿を書くのが遅い"と言う点でも稀有だった。」と語っている。

あらすじ

遥かな昔、謎の異星人「降臨者」が地球に残した3つの「ユニット」と呼ばれる物体。高校生の深町晶は偶然その1つを手に入れ、殖装体「ガイバー」となってしまい、降臨者の遺したデータを悪用し世界征服を目論む秘密結社「クロノス」に追われることとなる。

「調製」と呼ばれる遺伝子操作により強大な力を持った怪人「獣化兵(ゾアノイド)」達との激闘。 クロノス幹部の殖装体「ガイバーII」の襲撃。 そして獣化兵を遥かに凌ぐ力を持つ「超獣化兵(ハイパーゾアノイド)」。 晶は苦戦しつつもガイバーの能力でこれらの強敵を撃退する。

「ガイバーIII」巻島顎人の暗躍もあり、クロノス日本支部を壊滅させるが、世界規模の組織であるクロノスには到底太刀打ちできず、次第に追い詰められていく晶たち。

「獣神将試作体(プロト・ゾアロード)」である村上征樹やクロノス内部の反乱分子達との出会いを経て、晶たちは降臨者がかつて使用していた生体宇宙船を手に入れる。しかし最高位の調製体「獣神将(ゾアロード)」で構成された「クロノス十二神将」と総帥アルカンフェルの登場により晶たちはなすすべもなく敗北する。

そして199X年8月17日、世界規模のクーデターの成功により、クロノスの統治する世界が実現する。

それから1年。「巨人殖装(ガイバー・ギガンティック)」という強大な力を得て復活した晶。かつて敵として戦ったが、クロノスを裏切り晶に味方する損種実験体(ロストナンバーズ)アプトム。再調製を受け十二神将の1人として晶たちの前に立ちはだかる、かつての同志村上征樹。晶から巨人殖装を奪い、自らの獣化兵軍団を率いて世界の覇者を目指す、野望の男ガイバーIII・巻島。野心を持ち反逆を企てるが失敗し、力を奪われ組織を追われた元獣神将のリヒャルト・ギュオーの暗躍。そして降臨者自身の手による調製を受け、数万年を生きるクロノスの盟主、獣神将アルカンフェルの真意とは何か。

それぞれの思惑を胸に戦いは続く。

登場人物

カッコ内はアニメ化時の声優。M…劇場公開版、O…OVA版(第一次・第二次とも)、T…テレビ版 (『THE GUYVER』のキャスト)

主人公サイド

「ユニット」を殖装してガイバーとなった主人公・深町晶及びその周囲の人々、クロノスに反旗を翻した人々など。かつてはガイバーIII・巻島顎人も彼等と行動をともにしていたが、現在は事実上袂を分かっている。

深町晶(ふかまち しょう)(M:水島裕 O:草尾毅 T:野島健児)(ジャック・アームストロング)
主人公。ガイバーI、ガイバー・ギガンティックに殖装する。平凡な高校生だったが、ユニットGと接触しガイバーとなった事で人生を大きく狂わされてしまう。運命に翻弄されながらも多くの人達に支えられ、いつしか「"人間の尊厳"を守る戦い」を受け継ぐ決意をする。なお、クロノスとの戦いでコントロールメタルを奪われた際やアルカンフェルとの戦いで肉体を消失しているが、その度にコントロールメタルにより“復活”を遂げており、厳密な意味では既に“本人”ではない。
瀬川瑞紀(せがわ みずき)(M:富沢美智恵 O:水谷優子 T:水樹奈々)(鄔君梅 ビビアン・ウー
晶の幼なじみ。最初は巻島顎人に想いを寄せていたが、次第に晶を愛し,助けになりたいと思うようになる。
瀬川哲郎(せがわ てつろう)(O:塩屋浩三 T:高口公介)
瑞紀の兄。晶の兄貴分にしてよき相談相手。高校ではSF研究会の部長。下校の際、裏道を通って帰ろうと晶を誘ったため、晶がガイバーに取り込まれ、結果的に運命を大きく変えられる原因となった。この事に心を痛めており、自分の出来る事で晶をサポートしようと努力する。
多賀なつき(たが なつき)(O:本多知恵子 T:足立友)
瀬川哲郎の同級生。SF研究会の部員。遺跡基地(レリックス・ポイント)崩壊後は、瀬川兄妹たちの潜伏の手助けをしていた。元々怪獣マニアで、彼女の言によれば同じタイプの獣化兵には人間形態でも共通点があり、見分ける事ができるという。
村上征樹(むらかみ まさき)(O:鈴置洋孝 T:真殿光昭)
ニューギニアの奥地を仲間たちと取材中にクロノスに拉致され、十二神将の1人リヒャルト・ギュオーの試作獣神将として調製された実験体。クロノスから脱走した後はルポライターを名乗り、「ユニット」を追っていた。不完全ではあるがその能力は獣神将であるギュオーに準じ、重力波を使った強力な攻撃のほか思念波で獣化兵を操る事も出来る(ただし、いずれも体への負担が極めて大きい)。ギュオーと戦うが敗れ、死亡(?)する。その後村上はクロノスに捕獲され、アルカンフェルとバルカスの手により蘇生、洗脳と再調製を受け 、13人目の獣神将「イマカラム・ミラービリス」になる。単行本によると"制圧"前の段階で年齢は29歳。
その他、復活後については後述の十二神将-イマカラム・ミラービリスの項を参照。
小田桐佳雄(おだぎり よしお)(T:西村知道)
クロノス遺跡基地最下層の研究分析室主任で実質的な責任者。かつて山村教授の助手を務め、彼に共鳴してクロノスへの反抗を志す。ガイバーや村上達を助けるが、遺跡基地崩壊時に金縛りにされた村上を庇ってギュオーに殺害される。
速水利章(はやみ としあき)(T:大西健晴)
もと遺跡基地最下層研究スタッフである科学者。小田桐と共にクロノスへの反抗を志す。後に、クロノスによって植えつけられたウィルスを無効化するため、そして戦う力を手に入れるために自ら望んで損種実験体となる。冷気を操る技を使うが、技の使用や変身による負荷が原因で余命が短い事を悟っており、カブラールに操られたアプトムを救うために、アプトム復活の苗床として自ら融合捕食された。
アプトム(O:二又一成(回収版:小野健一) T:稲田徹)
損種実験体の1人。損種実験体部隊(ロストナンバー・コマンド)としてガイバー捕獲のために駆り出されるが敗北、仲間を失う。その後バルカスによる再調製で新たな能力を身につけたが、同時に獣神将の精神支配を受け付けなくなり、クロノスを離反して独自の意思で行動するようになる。あらゆる生命体を融合捕食し、遺伝子形質を取り込んでその能力を身につける事が出来る。また脳を含む肉体の大半を失おうとも肉片のひとかけらでもあればそこから再生が可能という、ガイバー並みの高い再生力を持ち更には自らの分身(一個体同士の群体)を創り上げる事も出来る。
地球がクロノスに支配され、晶たちが行方不明になった時にはガイバーが瑞紀たちのところへ戻ってくると考え、瑞紀たちを守っていた。それは"ガイバーIは自分が倒す"という考えによるものであったが、晶の帰還後は反クロノスという立場で共に戦うようになりつつある。
麻生啓介(あそう けいすけ)
写真週刊誌のカメラマン。村上征樹とは大学の先輩後輩で気の合う友人だった。村上が行方不明になった時の経緯から、クロノスの支配には当初より疑問を抱いており、イマカラムの素顔を見た事によりその疑念が確信に変わる。それ以来ガイバーを追い続け、後輩の常盤平とともにクルメグニクたちがプルクシュタールを殺害する場面を目撃してしまう。言葉遣いは荒くべらんめえ調である。
常盤平保(ときわだいら たもつ)
麻生の仕事の後輩。麻生とコンビを組んで写真を取っており、クルメグニクたちがプルクシュタールを殺害する場面を目撃してしまう。呑気者で物事を額面通りに受け取ってしまう傾向があり、しばしば麻生にたしなめられている。

クロノス

秘密結社クロノス。獣神将アルカンフェルを頭として、獣化兵をはじめ現在の科学をはるかに超えたオーバーテクノロジーを擁し、世界征服を企む組織である。しかし世界征服は目標への中間点に過ぎず、最終的には獣化兵の一大軍団を率いて「降臨者(ウラヌス)」に戦いを挑む事を目論んでいる。

魅奈神山でのアルカンフェルによるギュオー粛清の後、表舞台に姿を現し、全世界をその支配下に置いた。 武力統治こそ行っていないものの、獣化兵の獣神将に対する絶対的忠誠心について公表しないまま、民間人に調製を施している。

オズワルド・A・リスカー(O:若本規夫 T:石塚運昇)(マイケル・ベリーマン)
日本支部に派遣された、クロノスの監察官。超獣化兵への調製を約束されていたが、未調製の人間。実験体によって外部に持ち出されたユニット・ガイバー3個のうち、唯一回収出来た1個が突然起動して体に取り付いたため、ガイバーIIに殖装する事になる。
圧倒的な戦闘力の差で、あと一歩のところまでガイバーIを追い詰めたが、破損していたコントロールメタルの暴走による一瞬の隙を突かれてコントロールメタルを完全に破壊され、制御を失った強殖細胞に喰われた。その光景に恐怖したガイバーI=晶のメガスマッシャーで消し飛んだ。
TVアニメ版ではガイバーIはメガスマッシャーを発射しておらず、強殖細胞に喰われたリスカーは日本支部の崩壊に巻き込まれて絶命した。
ヴァルキュリア (M:戸田恵子): 劇場アニメ版のみに登場するガイバーIIで、基本的な設定は原作のオズワルド・A・リスカーのものとほぼ同じ。
原作でも同名のキャラが登場したがこちらは監察官の身分を利用してアリゾナ基地から強殖細胞サンプル、ワシントンの北米支部統制局舎から人造コントロールメタルを強奪。その2つを合わせてユニットとなし、殖装してガイバーII F(フィーメイル)となる。
巻島玄蔵(まきしま げんぞう)(M,O:筈見純 T:緒方賢一)
マックス製薬社長でクロノス日本支部長だったが、ユニット・ガイバーを巡る度重なる失敗の責任を問われ、対ガイバー用試作獣化兵エンザイムに調製されてしまった。ガイバーIのコントロールメタルを抉り出すも、制御を失った強殖生物を始末するためギュオーの命令で自爆して果てた。
ゼルブブス(O:山寺宏一 T:三宅健太)
パナダイン(T:宗矢樹頼)
ギュオーの子飼いの超獣化兵。ゼルブブスは筋力増強と生体ビーム砲のハイブリッド型、パナダインは液体爆薬を発射して相手を爆破する。ともにガイバーIIIに倒された。
TVアニメ版でのゼルブブスは、過剰防衛プログラムにより動いているガイバーIに切り刻まれた挙げ句、ガイバーIIに止めを刺され絶命した。
ソムルム(T:四宮豪)
ダイム(T:酒井敬幸)
損種実験体でアプトムの同僚。単なる同僚ではなく、それ以上に大切なアプトムの親友たち。損種実験体部隊としてガイバー捕獲の為に駆り出されるが敗北、死亡する。
ソムルムは生体細胞を融合させる粘液を吐き、ダイムは大地と融合してこれを操り、仲間を援護する事が出来る。

超獣化兵(ハイパーゾアノイド)五人衆

ドクター・バルカス直属のエリート部隊。獣神将(ゾアロード)を除けばクロノス最強の調製体たちである。

ゼクトール(O:沢木郁也 T:志村知幸)
五人衆のリーダーで、メンバーの中でも最強を誇る。黒いカブト虫に似た超獣化兵で怪力と重装甲、獣化兵としては最強クラスのレーザービーム発射能力の持ち主であり、地中を移動する事も出来る。また羽根から周囲の熱を吸収、それと自らのエネルギーを合わせてガイバーのメガ・スマッシャーにも匹敵する強烈なビーム「ブラスター・テンペスト」を放つ事が出来る。
アプトム及びガイバーIIIとの遺跡基地での戦いで他のメンバーを失い、後に仇を討つため余命数日になるほどの過酷な再調製を受け、損種実験体となりながらも対アプトム専用ハンターとしてパワーアップ、アプトムとガイバーIIIを倒すために最終兵器「ファイナル・ブラスター・テンペスト」を放ち絶命する。
強いエリート意識と共に、仲間を想う心も持っており、クロノスによる制圧後の東京でアプトムを後一歩のところまで追い詰めた。
エレゲン(O:小杉十郎太 T:遠近孝一)
電気ウナギのような超獣化兵。触手の先端から10万ボルトの電撃を放ち、短時間ならイオノクラフト効果で浮遊する事も出来る。アプトムによる融合捕食の最初の犠牲者となった。
ダーゼルブ(O:郷里大輔 T:四宮豪)
筋力強化型超獣化兵。サイに似ている。全獣化兵中最強の筋力と装甲に加えて超高熱火炎を吐き、全身から高熱を発する。アプトムに融合捕食された。
ガスター(O:銀河万丈 T:園部好徳)
生体ミサイルランチャー。肩の巨大な瘤から一度に数十本の生体ミサイルを発射する。中には液体爆薬が詰まっており威力が高く、本人の意思による誘導も可能。腕から液体爆薬そのものを射出する事も出来る。アプトムに不意討ちを受け、融合捕食された。
ザンクルス(O:広中雅志 T:河本邦弘)
高速戦闘型の超獣化兵。筋力は高くないが、高速で振動していかなる物をも切り裂く刃が両腕に備わっている。ガイバーIIIに体を両断されて死亡。原作では、獣化する前の素顔が2カットしか描かれていない(うち1カットは遠景)。

十二神将

クロノスの最高幹部。獣神将(ゾアロード)と呼ばれる最高位の調製体であり、獣化兵はおろかガイバーをも凌駕する戦闘力を持つ。超獣化兵を含む全ての獣化兵は遺伝子レベルで獣神将への絶対服従を刻み込まれており、精神波による命令には逆らえない。ただし、損種実験体には一部例外がある。その能力の源となっているのはゾア・クリスタルという結晶状生命体であり、獣神将の額にはこれが埋め込まれている。アルカンフェルの額に埋め込まれたものがオリジナルであり、他の獣神将に埋め込まれているのはオリジナルから培養したクローンである。一部の獣神将は、人間形態においてもゾア・クリスタルが額から露出している。ギュオーはゾア・クリスタルを奪われた事によって、獣神将としての能力を喪失している。

アルカンフェル(T:松本保典)
  • 身長(人間時):177cm
十二神将の長であり、クロノスの創設者にして総帥。降臨者の手によって調製された唯一の"オリジナル・ゾアロード"であり、降臨者のデータを元にしてバルカスが調製した他の神将とは次元の違う戦闘力を持つ超獣神将。
太古の昔、降臨者の手により獣化兵軍団の長となるべく生み出された存在であり、母なる降臨者への忠誠は非常に厚かった。しかしある事件をきっかけに、降臨者は人類とともにアルカンフェルの廃棄、処分を決定する。降臨者と共に地球を旅立つことを拒否され、電磁パルスで身体機能を破壊されながらも、その後、降臨者が転送した「超巨大隕石」を破壊し、エネルギーを使い果たし数万年の眠りにつく。この時の後遺症により、アルカンフェルは周期的に「休眠期」と呼ばれる深い眠りに囚われることになった。現在のアルカンフェルの目的の1つは、ガイバーからユニットを奪い、自ら殖装して体調を万全の状態に戻し、休眠期を克服することである。
非常に慎重な人物で、他の獣神将を信用せず、休眠時の自分の護衛のためにイマカラムをつくったとバルカスが述べている。
実は、ギュオーばかりかカブラールたち3名の神将が造反を企てる前から全神将を信じていなかった。絶対の忠誠が報いられなかった事からか「慎重」というよりも真に信頼することをしなくなっている。シラー島で自分に遭遇した瞬間に本能的に忠誠を誓ったバルカスや彼と同様に死を賭して忠誠を捧げるシン、プルクシュタール、剡魋、ワフェルダノスらをも信じず、例外は自らがゾアクリスタルを与え精神をリンクさせたイマカラム(村上)のみ。
リヒャルト・ギュオー(O:柴田秀勝 T:有本欽隆)
  • 身長(人間時):212cm
十二神将の中で最後に調製された獣神将。アルカンフェルを除いたメンバーの中では最強の戦闘力を持つ。4人の実験体(試作獣神将)からの実験データを得て調製された(村上征樹は4人の実験体の1人だった)。
強殖装甲の真の力を知っており、それを手にする事でアルカンフェルへの造反を企んだ。しかしそれを見抜いていたアルカンフェルに追われ、ゾアクリスタルを抉り取られそのまま魅奈神山の火口に落ち、死亡したと思われていた。後に生存が確認されるが、ゾアクリスタルを奪われたため獣神将としての力を失っていた。クルメグニクにより新たなる力を手に入れ復活する。
ハミルカル・バルカス(O:加藤精三 T:亀井三郎)
  • 身長(人間時):193cm
400年以上前、新大陸(アメリカ)を目指す航海の途中遭難し、大西洋に浮かぶ孤島・シラー島に漂着。そこで眠り続けていたアルカンフェルと出会い、半ば本能的に臣従を誓う。クロノス最古参の幹部であり、アルカンフェルの命により組織の基を築き上げた。降臨者の遺跡から得たデータと生来の高い知性、長年蓄えた豊富な知識を持ち、調製技術に関しては最高権威者。「怪物頭脳」と呼ばれる事もある。ギュオーなど大半の獣神将の調製を行った。
外見は、禿頭で白い髭を長く伸ばした老人で、獣神将の特徴であるゾア・クリスタルが額に露出している。戦闘能力も有しているようだが、「アルカンフェルを守るための物である」としてその能力を使っておらず、獣神変した姿も見せていない。
シン・ルベオ・アムニカルス(T:松本大)
  • 身長(人間時):198cm
370年前にアルメニアでバルカスに見出された、獣神将の中でも古株の1人。人間体においてもゾア・クリスタルの一部が額に露出している。北米支部の統制を担当。クロノスの組織の実質的な統括役でもある。親アルカンフェル派の1人で、バルカスからの信頼も厚い。プルクシュタールとは古い友人で、共にバルカスからアルカンフェルの「眠り」の事実を明かされる。
フリドリッヒ・フォン・プルクシュタール(T:土田大)
  • 身長(人間時):195cm
親アルカンフェル派の獣神将。天候を操作し、通常の数百倍に増幅された雷撃を操って目標を破壊するという強力な遠隔攻撃の持ち主だが、反面近接戦闘には弱い。215年前にウィーンでバルカスに見出された。アルカンフェルに対して強い忠誠心を持ち、「眠り」の事実を知る数少ない人物。世界制圧後の日本支部統括者で、クラウドゲートを襲撃したガイバーやそれに合流したアプトムについて情報操作し、一般市民に「他天体への進出を阻む異星人の尖兵」と喧伝した。
クルメグニクらの策略によりギガンティックと戦う事を余儀なくされ、力尽きたところをクルメグニクらに惨殺される。死体はアリゾナ本部に冷凍保存されていたというが、本部崩壊後にどうなったかは不明。
ラグナク・ド・クルメグニク(T:麻生智久)
  • 身長(人間時):210cm
アルカンフェルに叛意を抱く獣神将の1人で、アフリカ支部を統括している。顔に走る文様めいた意匠とスキンヘッドが印象的な黒人風の男。ゾア・クリスタルが埋められていると見られる部分が盛り上がっている。
ギュオーの叛意の根拠はユニットにあると考え、代わってユニットを手に入れようと、同じく叛意を抱くカブラール、ジャービルと共に謀略をめぐらす。彼らのリーダー格である。
カブラール・ハーン
  • 身長(人間時):152cm
他の神将に「老師」と呼ばれる、満州族(或いは遊牧民)風の衣装を纏った老人。常に結跏趺坐を組み浮遊している。
強力な思念波を使いこなし、脳の部分に埋め込んだダミーブレインを通してアプトムの肉体を操り、ガイバーI及び速水利章と戦わせた。その後アプトムの肉体が倒された事で激しい精神ダメージを受け激怒、奥の手である巨獣神変化(ドラゴニック・バースト。周囲の獣化兵を融合吸収して全長100mを越す巨大な龍のような姿に変身する)を行った。
巨大化したガイバー(ギガンティック・エクシード)との最終兵器の打ち合いに敗れるも、カブラール本体は間一髪のところ生体ミサイルに便乗して脱出する。が、待ち構えていたアプトムにより倒される。
ジャービル・ブン・ハイヤーン(T:園部好徳)
  • 身長(人間時):189cm
アルカンフェルに叛意を抱く獣神将。人間態は髭を蓄えターバンを巻いた男性の姿をしている。クロノスが世界を制圧した後はオーストラリア支部を統括していたが、クルメグニク、カブラールとともにアルカンフェルへの謀反を企み、共謀してプルクシュタールを殺す。カブラールがガイバー達に敗れ、謀反が組織に露呈した現在は、クルメグニクの秘密のアジトに身をよせている。
ワフェルダノス
  • 身長(平常時):203cm
現在判明している中では、十二神将の中で唯一人間ではなく、厳密には調製体ではない。「ワフェルダノス」の名前も、元々は彼個人を指すものではない。太古の昔、降臨者によって作られた実験生物だったが、それに興味を覚えたバルカスによってゾアクリスタルを与えられた結果、獣神将となる。そのため他の獣神将のような人間形態/戦闘形態への変化は無い。超高密度の生体繊維「臣毛」(巨人殖装したガイバーを絡めるほどの威力がある)を用いて戦うが、一定以上の時間は維持出来ない。最後はゾアクリスタルをバルカスに返し、本来の姿である植物的な群体生命体へと変化し、ギガンティック・ダークに戦いを挑むが敗れ去る。
自分が何者であるかを教え、獣神将として生きる意義を与えてくれたバルカスに心から恩義を感じており、敗れても悔いはなかった。
李剡魋(リエンツイ)(T:四宮豪)
  • 身長(人間時):186cm
空間その物に不可視の穴を空ける能力を持った獣神将。この能力によって離れた地点をつなぐ事が出来、穴を通り抜ける事で疑似的な瞬間移動が可能(ただし相手に穴の位置を把握されると逆利用される危険もある)。またそのつながりを閉じる「絶空斬(ジェカンヅァン)」によってあらゆる物を断つ事が出来る。
左目のみの隻眼で、普段は右目を前髪で隠している。「化獣神」すると右目がフィルター状のものに覆われる。
アルカンフェルの行動に疑念を抱きながらもワフェルダノスとともにアリゾナ基地地下の遺跡宇宙船を守ってギガンティック・ダークと戦い、その忠誠を全うした。
エドワード・カールレオン
  • 身長(人間時):197cm
十二神将の1人。アルカンフェルに対して不穏な発言をしていたが、アポルオンによる方舟襲撃の際にはプルクシュタール、李剡魋、ワフェルダノスのゾアクリスタルを守る為に戦った。敗れて彼自身のゾアクリスタルまでも奪われ、極度の老衰状態にある。
トゥアハ・デ・ガレノス
  • 身長(人間時):241cm
岩のような肌をしており、魅奈神山では口から火

を吐いて攻撃を行っていた。

イマカラム・ミラービリス
粛清されたギュオーに代わり新たに加わった神将メンバー。アルカンフェル直属のエージェントであり、統治には参加せず独自の行動をとる。その正体は、アルカンフェルによりギュオーのゾアクリスタルを移植され蘇生した村上征樹本人である。バルカスによると村上の人格は破壊されている。
ギュオーの重力制御能力とアルカンフェルの空間操作能力を併せ持つ。新参者でありガイバーの仲間であったことからアルカンフェルとバルカスを除く神将メンバーからは反感を買っていた。ギガンティック・ダークに敗れた後、蘇生の過程でアルカンフェルの過去の記憶を垣間見た。
彼は村上征樹としての記憶を持つが、意識レベルでアルカンフェルとリンクしており、事実上アルカンフェルと同一個体(クローンというより体の一部)といえる存在である。このリンクは非常に密接であり、イマカラム側からアルカンフェルに干渉する事も可能。しかし「本来そんな事は出来ない筈」のイマカラムが、なぜその様な真似が出来たのかは不明。
なお「イマカラム」(IMAKARUM)は「村上」(MURAKAMI)を逆に読んだものであり、「ミラービリス」はラテン語で「驚異」の意味である。

ゼウスの雷

巻島顎人の組織した、クロノスに対抗するレジスタンス。ガイバーIIIに加え現在は超獣化兵すら瞬殺し獣神将の思念波も受け付けない超々獣化兵「リベルタス」の軍団とそれを束ねる擬似獣神将「グリセルダ」を擁する一大勢力となりつつある。なお「ゼウス」のネーミングは「ウラヌスを倒すもの」として「クロノス」がネーミングされたように「クロノスを倒すもの」の意味が込められている。

巻島顎人(まきしま あぎと)(O:田中秀幸 T:小西克幸)
ガイバーIII、ギガンティック・ダークに殖装する。クロノス日本支部長・巻島玄蔵の養子で、高校では生徒会会長。自分や実の親の人生を力ずくで捻じ曲げられたため、どんな手段を用いても絶対的な"力"を手に入れようとする。知略に長け、常人離れした戦闘センスとカリスマ性を持つ。
遺跡基地が崩壊しクロノスが世界征服を成し遂げるとアメリカで反クロノスのレジスタンス「ゼウスの雷(いかづち)」を組織する。その後晶の入った蛹を追って日本に帰還、速水から「獣神将の思念波を受けにくい損種実験体を故意に生み出す為のデータ」を得たのを最後に、晶たちとは袂を分かった。
元々晶たちに対して仲間意識は持っておらず、仲間を演じながらも常に有効に利用する事を考えていた。リベルタス軍団を生み出すためのデータと巨人殖装のコントロールを手に入れた事で晶たちの利用価値が無くなったと判断し、これを切り捨てる。しかし後に獣神将カブラールとの戦いにおいて晶に巨人殖装を奪い返された。
だが、同時期にクロノスアリゾナ本部を襲撃して手に入れた遺跡宇宙船の航行制御球を使用して敢行した「ダイブ」で何かを掴んだらしい。
ガイバーIII(M:小杉十郎太):劇場アニメ版では、ガイバーIIIの正体は明らかにされていない。
尾沼志津(おぬま しづ)(O:川村万梨阿 T:根谷美智子)
尾沼与平の孫。顎人を慕い、「ゼウスの雷」のメンバーに加わる。後に獣神将と同じく獣化兵、特に後述するリベルタスを精神支配する能力を持った「グリセルダ」に調製される。ダミー・クリスタルないしそれに近い物を埋め込まれており、思念波による支配のほかリベルタス達の活性化の能力も持つ。単体での戦闘力も高い。また本作に登場している中では唯一の女性調製体である。
尾沼与平(O:緒方賢一 T:麻生智久)
巻島の別荘番の老人で志津の祖父。元は顎人の実父一家に仕えていた使用人で、顎人に忠実。イマカラムとの戦いの際、エンザイムIIIから顎人を庇って死亡。
アルフレッド・ヘッカリング
元クロノス調製局のナンバー2。獣神将の調製にも関わった天才科学者。ギガンティックダークにアリゾナ本部から拉致されるが、ドクター・バルカスに対する対抗心から顎人に手を貸し、「獣神将の支配を受けない獣化兵」であるリベルタスと「擬似獣神将」であるグリセルダを生み出す。
現在の目的は「巻島顎人の野望の行く末を見届ける事」に推移しつつある。
リベルタス
ヘッカリングが開発した獣化兵に類似、かつそれより強力な調整体。人為的に作り出された「思念波の影響を受けにくい損種実験体」であり、グリセルダの精神波の援護によって獣神将の精神支配をも跳ね除ける。近接戦闘モードのA、砲撃戦モードのB、自爆モードのCの3つにその場で変態することが出来、しかもそれぞれの形態で超獣化兵をはるかに上回る能力を発揮する。しかしその代償として数年しか生きられず、生殖能力を失っている。「リベルタス」はラテン語で「自由」、転じて「解放奴隷」の意味。作中では「魂を解放されし者」とリベルタス自身が名乗っているが、名称とは裏腹にグリセルダの精神支配下にある。

その他の登場人物

深町史雄(ふかまち ふみお)(O:島香裕 T:宮田浩徳)
晶の父親で父子二人暮し(母親は早くに亡くなっている)。晶に対する人質としてクロノスに誘拐され、後に晶に助け出されるも、その時は既に対ガイバー用獣化兵・エンザイムIIに調製されており、思念波に操られて晶を攻撃、その脳を破壊した。しかし殖装者の危機に反応した強殖装甲は自衛プログラムを起動させ、晶の意識の無いまま戦闘を続行しエンザイムIIをメガスマッシャーで消滅させた。自らの手で父を殺してしまった事は晶に重大な心的外傷を与え、その後襲ってきた別のエンザイムIIを見た途端、突如殖装が解除され、一時期殖装不能になってしまった。
山村晋一郎(やまむら しんいちろう)
作中では既に故人。村上征樹の恩師で彼を試作型獣神将に推挙した人物。物語の開始5年前にアリゾナで村上ら自分に賛同した4人の若者を試作型獣神将とし、彼等とともにクロノスに反乱を起こす。反乱自体は失敗するも村上を脱出させる事には成功し、また遺跡基地の小田桐主任や速水、そして深町晶にもその志は受け継がれて行く事になる。
ヴァルキュリア (M:戸田恵子)
ガイバーIIから得られたデータを元に開発された試作版人造コントロールメタルによる"人造ユニット"の殖装者であり、クロノス幹部候補の1人でありながら反旗を翻した女性の監察官。
原型は初期のOVA版のキャラクターでもある。正体は来日時に明らかとなった。
アポルオン
ゾアクリスタルの回収を目的としている謎の人物。ガイバーのコントロールメタルに近似した組成と特徴を持つ兜(外部から眼らしきものは見えない)をつけている。カブラールのゾアクリスタルを回収したのを皮切りに、方舟に収められていたプルクシュタール、ワフェルダノス、李剡魋のゾアクリスタルを強奪した。なお、強奪する際にアルカンフェルにも匹敵する”力”を示し、ゾアクリスタルを守っていたカールレオンを圧倒し、彼のゾアクリスタルをも奪い取った。

用語

降臨者
はるか昔、地球に降り立った異星人の集団の呼称。アルカンフェルには「我々はウラヌスである」と名乗った。多くの異星種族で構成されていたと考えられている。地球をガイアと呼び、超高度な科学力を駆使して生命体の進化をコントロールしていた。彼らの目的は兵器としての生命体の開発であり、汎用兵器の素体として人類を開発した(先に恐竜族を開発したが、命令遂行に必要な知性や多様な環境に対する適応能力に欠けるとして抹消した)。「獣化兵(ゾアノイド)軍団」を作り出し星間戦争に駆り出す予定であったが、後述の理由によって計画を破棄し、地球を去った。
人類
降臨者が遺伝子操作の果てに作り出した、用途に合わせて「調製」され獣化兵となる汎用戦闘生物。遺伝子に降臨者に対する「絶対的服従」が刻み込まれている。また、強殖装甲の殖装によって降臨者を上回る圧倒的な戦闘能力を発揮するが、それと同時に降臨者の精神支配からも解放されてしまう事が判明した。強殖装甲ユニットは汎用品であり降臨者のいるところには必ず存在するため、彼らは人類とユニットの接触を危険視し人類の廃棄、抹消を決定した。
強殖装甲
接触した生物を融合・強化する「強殖生物」とそれを制御する「制御装置(コントロールメタル)」で構成されている「瞬間改造システム」である。降臨者の標準装備品であり、別の惑星の異種族から構成された降臨者それぞれに適合するよう、汎用性を持ったシステムとなっている。これを人類に装着した場合は、降臨者の予想を上回る能力を発揮した。
装着した時に肉体構造が変わり、内臓等も戦闘用のものに造りかえられる(食事によるエネルギー補給をしなくなるため消化器官は退化してしまう)。作中では強殖装甲を装備する事を殖装と呼び、また殖装した生物の事を殖装者、殖装中の強殖装甲を含めた殖装者を殖装体と呼んでいる。
未使用時は「ユニット」と呼ばれる直径30cmほどの円盤状の物体で、制御装置が押されると中の強殖生物が解放されて直近の生物に取り付き、融合した生物の特性を読み取るとともにその体型に合わせた強殖装甲の外殻を形成し、またその体の一部に強殖装甲を呼び出すために使う「誘殖組織」を植え付ける。以後「ユニット・リムーバー」に制御装置の情報が初期化されるまでは外殻の形を保ち続ける。
強殖装甲は強靭な外殻と身体能力の強化に加え、さまざまな武器を内蔵している。さらに、殖装者が意識を失い戦闘不能となった場合、自動的に過剰防衛行動を取るようプログラムされている。
なお、殖装体の性能は殖装者自身の能力

や精神状態、意志力に多大な影響を受ける。また、ユニットは基本的に全て同じ性能であるため、殖装した者の能力の差がそのまま力の差になる。

殖装中は、食物の摂取を一切必要としなくなり、老化もしなくなる。さらに、殖装体が損傷しても制御装置が無事であれば、そこに記憶された情報を基に殖装者・強殖装甲ともに復元でき、たとえメタルに付着した一片の強殖細胞からでも全身を復元させる事が可能。逆に制御装置が機能を失うと、強殖生物が暴走して殖装者は侵食されてしまう。
殖装していない時の強殖装甲は通常空間には存在せず(これについては作中で瀬川哲郎が、異次元空間へ移動して殖装者の傍に常時待機しているのだろうと予想している)、殖装者の殖装するという意思によって保護バリアとともに現れる。
制御装置を介して殖装者同士で念話する事ができる。
ガイバー
「ガイバー」とは本来、降臨者の言葉で「規格外品」を意味する単語。作中では主に

人類の殖装体の事を指す。強殖装甲ユニットがユニット・G(ガイバー)と呼ばれる事もあるが、これは人間側の呼称で正式な名称ではない。強殖装甲の本来の機能は身体機能の維持であり、圧倒的な戦闘能力を持ちながら降臨者の精神支配を受けつけないガイバーはまさに「規格外品」である。

クロノスの科学者の発言によると、エネルギーは獣神将に匹敵し、その小柄な体躯を考慮すればエネルギー変換効率はそれ以上との事。
巨人殖装(ギガンティック)
アルカンフェルの圧倒的な力に危機感を覚えたガイバーIの意志に反応し、遺跡宇宙船(下記)の航法制御球(ナビゲーションメタル)が蓄積された降臨者のノウハウを基に遺跡宇宙船の組織と強殖細胞を融合させ誕生させた武装形態(戦闘型ガイバー)。ガイバーの意思により召喚される「蛹」の中から出現し、ガイバーの上から重ねて殖装する。
腕力はガイバーの状態の約20倍など従来の戦闘機能の強化に加え、バリヤー能力などの装備が追加されており、更に殖装者の意識が無い状態にあっても、自身の防衛だけでなくその周囲の仲間をも保護する行動をとるという性質も付加された。
巻島曰く「対アルカンフェル用」で、それ以外の獣神将ではギガンティックに対抗できないとの事。
エネルギー切れになると殖装が強制解除されてしまう。補充するためには「蛹」の中に収納して異次元空間へ移さなければならず、完了にはそれなりの時間を要する。
登場初期におけるクロノス側からの呼称は「クリーチャー」。
巨人殖装の収納されるケース。通常は殖装前の強殖装甲と同じく異次元に待機しており、巨人殖装の使用前後のみ通常空間に現れる。また、異次元を介した瞬間移動機能も持つ。
巨人殖装が戦闘などで破損しても「蛹」の中に戻せば再構成され、即座に元の形に修復される(ただし残存エネルギー量は減ったまま)。
遺跡宇宙船の航法制御球(ナビゲーションメタル)が形成した肉塊がガイバーIの制御装置(コントロールメタル)と負傷したガイバーIIIを呼び寄せ遺跡基地を脱出した後、ガイバーIIIが覚醒すると肉塊中でガイバーIは復活しておらず、代わりにこの物体が横たわっていた。バルカスが透視すると中身は常に流動しているドロドロの液体だった事から、その呼称は妥当だと発言している。
獣化兵(ゾアノイド)
「調製」と呼ばれる遺伝子操作により第二形態への変身が可能となった人間の事。獣神将に対する「絶対的服従」を遺伝子に刻み込まれている。次世代に能力を継承させるため、調整後も生殖能力を保っている事が「獣化兵」と呼称される最低条件である。(調整で生殖能力を喪失した者達に関しては、後述の「損種実験体」を参照)
筋力増幅型、敏捷性増幅型、生体熱線砲(バイオブラスター)装備型など様々なタイプが存在する。ヴァモアやリベルタス、ゼクトールの説明文の内容から、彼らの運動能力と生体熱線砲の装備及びその出力・稼働能力とは、それぞれの性能の高低が基本的に反比例する関係にあり、故に両者を高レベルでバランスさせた個体の調整は非常に難しい、ということがわかる。
また、クロノス幹部の調製体である「超獣化兵(ハイパーゾアノイド)」と呼ばれるカスタムタイプの獣化兵も存在する。
秘密結社時代、全ての獣化兵は死亡すると体内で分解酵素が働きだし、肉・骨ともども分解され、跡形もなく消滅した。制圧戦後にはゼウスの雷支部を襲った正式部隊や、ピラーズオブヘヴンのような公共施設の職員など、いわゆる「表」の任務に携わる獣化兵は死体が残り、アリゾナ本部等の「クロノスの暗部」に関わる獣化兵は死体が分解する描写がある。分解酵素による消滅は機密維持のための追加処置と考えられる。また、人間体時に強烈なショックを受けて死亡した場合、獣化兵としての姿を現して死亡する(遺跡基地で落石によって圧死したガーゴイル、アプトムに食われた警官ラモチス、死亡してはいないがアプトムに食われかけた速水など)。
小説版では、秘密結社時代において獣化兵に調製される者は「原則、身寄りのない者」という規定があった事が明かされている。
また、グリセルダを見た際のバルカスの台詞から、獣化兵への調整対象は、何らかの理由によってほぼ全て男性に限定されており、女性の調整体は絶無かそれに近いものと類推される。
超獣化兵(ハイパーゾアノイド)
クロノス本部において開発された獣化兵のカスタムタイプ。戦闘力はガイバーに匹敵もしくは上回る者もいる。能力の高さと量産に不向きな事を除けば獣化兵に準じる。基本的にカスタムメイドであり、同型は存在しない。超獣化兵はエリートであり、最低でも階級は幹部候補生である。監察官は超獣化兵への調製が約束されている。作戦行動に際しては獣化兵同様のボディスーツを着用するが、ヘルメットは着用しない。
損種実験体(ロストナンバーズ)
獣化兵への調製の過程で生殖能力を喪失した一代限りの実験体。彼らは失敗作として損種実験体と呼ばれ、その殆どは研究所内で生きたまま標本扱いにされる。ただし、全て失敗というわけではなく、生殖能力を失っただけで要求された能力は備えている者、あるいは思いもよらぬ特殊能力を備えるに至った者もおり、損種実験体部隊(ロストナンバー・コマンド)として実戦投入されている。
逆に人間としての姿、知能までも失ってしまうようなケースもある。バランスを無視した能力の付加や過剰な再調製などは、特に損種実験体を生み出す危険性が高い。旧日本支部においては獣化兵の開発件数に比例して損種実験体の発生件数が非常に多かった。
正式採用された獣化兵と違い完全体ではないため、獣神将からの精神支配を受けにくい個体が生まれる事もある。これを利用して、故意に調製をしくじる事により、クロノスと戦う事の出来る獣化兵を生み出す方法が「ゼウスの雷」によって確立された。ただしこのようにして出来た個体でもバルカス級の強い思念波を受けた場合、影響を受けるらしい。
獣神将(ゾアロード)
降臨者が獣化兵を統括する司令塔として作り上げた獣化兵の上位調製体。降臨者に対する「絶対的服従」が遺伝子に刻み込まれている。それぞれが重力や天候、空間に干渉するなどの特殊な能力を有し、更にその戦闘力は獣化兵や超獣化兵はおろか、ガイバーをも圧倒的に上回る。思念の力で獣化兵の精神を支配し、手足のように扱う事が出来、獣化兵に調製された者にとっては神にも等しい存在。
その力の源は「ゾア・クリスタル」と呼ばれる降臨者の作り出した謎の生命体。アルカンフェル以外の11人はアルカンフェルに圧倒的な思念の力(ただし、獣化兵に対するような絶対的な精神支配でなく畏敬の念に近い)で支配されている。基本的に獣化兵と異なり、獣化しなくてもある程度の戦闘能力を有している上、不老のようである。
調製
主に人間の男性の遺伝子に獣化兵となる情報を付加する作業。液体を満たした調製槽という容器に人間を入れて行う。調製が完了していない獣化兵を調製槽から出すと短時間で分解されてしまうという描写があった。また調製槽は再調製(大改造?)・追加調製(小改造?)・メンテナンス(破損箇所修復など)にも使われる。
ゾア・クリスタル
獣神将の額に埋め込まれているクリスタル状の生命体。降臨者が獣神将をアルカンフェル1体しか作らなかったため、本来は1つしか存在していなかった。他の神将メンバーの持つゾア・クリスタルは、アルカンフェルのクリスタルをクローン培養して作られたレプリカ。形はおおむね縦長の球体だが角があるものや模様があるなど多少バリエーションがある。なお、獣神将の命ともいえるものであるが、ゾア・クリスタルを破損、喪失しても獣神将はすぐに死亡するわけではなく、本来の状態に近づくだけである。そのため直近でゾア・クリスタルを託されたギュオーはクリスタルが無くなっても常人のように行動が可能だがカールレオンの場合は一気に老衰が進んだ。
ユニット・リムーバー
降臨者の装備品。強殖装甲の制御装置の情報を強制的に初期化して殖装を解除、ユニットの状態に戻す事が出来る。作中ではギュオーとアルカンフェルが腕に装着し、そこから生体エネルギーを供給して稼動させていた。現在地球上に存在する唯一のリムーバーは、アルカンフェルがギュオーのゾアクリスタルを回収した際にギュオー共々行方不明となっている(生き延びたギュオーが隠し持っている可能性がある)。
遺跡宇宙船《"RELICS" THE SPACE SHIP》
  • 本体全幅:312m ( 安定翅を含む最大幅:1,008m )/ 全長:1,115m
降臨者の乗っていた宇宙船。船自体が1つの生命体であり、ワープ航法も使用可能。各部の制御や操縦は強殖装甲の制御装置から宇宙船の航法制御球を通した殖装者の意思に反応して行われる。現在地球上にはいくつかの化石化した残骸と、休眠状態で生き続けていた個体1つが発見されており、クロノスの調製技術を始めとする高度な科学力はこの宇宙船の残骸にあった航法制御球から得たデータを元にしている。休眠状態の個体は日本の地中に存在し、クロノスはその上に基地を築いて「遺跡基地(レリックス・ポイント)」と称していた。3個のユニット(及びリムーバー)は、そこで発見された。コントロールルームに強殖装甲ユニット3個とリムーバー1個を収納するスタンド(?)があることから、宇宙船1隻に対し、それらが標準装備されていたらしい。
方舟《THE ENORMOUS BIO SPACE SHIP "ARK"》
  • 全長:51,020m / 全幅:16,030m / 全高:9,950m
クロノスが死海を丸ごと調製槽として遺跡宇宙船から採取した組織を培養・増強し、完成した超々巨大生体宇宙船。死海から浮上した後、しばらく上空に静止していたが、あまりに巨大すぎて全体が霞んで見えなかった。全長50km以上という広大な船体の中には、乗組員である獣化兵を中心とした独立した生態系を形成する事が可能であり、数世代にわたる長期恒星間航行が可能。船体各所には計12基のエネルギーアンプが備えられており、これはそれぞれ十二神将のゾア・クリスタルに対応するようになっている。したがってフルパワーを発揮するには十二神将全員の搭乗が必要。現在方舟は衛星軌道上にあり、地球の自転に逆行して常時昼側に船体を晒し、太陽光をエネルギーに変換して備蓄している段階である。
造反防止ウィルス
未調製の人間で、獣化兵などの研究に従事する者は、「口封じ」のため体内に特殊なウィルスを植え付けられる。このウィルスは、脳の働きを活性化させる作用がある一方で、定期的にワクチンを接種しなければ、体内で過剰に増殖して感染者を死に至らしめるという恐ろしいものである。一度体内に植え付けられると排除する事は不可能で、唯一完全無効化する方法は獣化兵への調製である(獣化兵になればウィルスが死滅するが獣神将の思念で裏切る事は出来なくなる)。

戦闘形態スペック

殖装体(ガイバー)

ガイバーI《GUYVER I》
  • 身長:174cm(頭角含まず) / 体重:261kg
深町晶が殖装した姿。体色は青みがかった緑。攻撃よりも防御を重視した性能となっており,装甲が厚い。これはユニット接触時の晶の精神状態が反映されたもの。
ガイバーII「男」《GUYVER II》
  • 身長:210cm(頭角含まず) / 体重:360kg
オズワルド・A・リスカーが殖装した黄色いガイバー。徳間書店版1巻では頭部以外はガイバーIと同じデザインだったが、1989年のシリーズOVA発売に合わせて新規にデザインされており、徳間書店版6巻以降は現在のデザインとなっている。また、角川書店版では1巻のガイバーIとの戦闘シーンがほぼ全て新規に書き下ろされている。コントロールメタルが損傷している為に動作が不完全で暴走しかかっている。
ガイバーII「女」「1986年劇場版」
  • 身長:186cm(頭角含まず) / 体重:263kg
強殖装甲ガイバーの初アニメ化時、ガイバーIIの殖装者の立場を、男のリスカーから女性監察官のバルキュリア(当時の設定は「ヴァ」ではなく「バ」)にそのまま置き換えている。体色は紫、体型は女性らしく細身で胸が強調されたデザインになっている。ガイバーII「男」と同様、コントロールメタルを損傷している。
ガイバーIII《GUYVER III》
  • 身長:191cm(頭角含まず) / 体重:328kg
巻島顎人が殖装した黒いガイバー。防御より攻撃を重視した性能になっており、ガイバーIより装甲が薄いが、高周波ソードが前腕部に2本装備されている(ガイバーIは1本)。頭部や口部にトゲのようなものがついており、ガイバーIより攻撃的なイメージ。
0号ガイバー《GUYVER-0》
  • 身長:不明 / 体重:不明
イマカラムや晶の回想に登場。降臨者が好奇心から原初の人類にユニットを殖装させたことで誕生した最初のガイバー。降臨者の想像を遥かに超えた戦闘力を発揮したが、降臨者の精神支配から完全に外れたため暴走、反逆した。多数の獣化兵を瞬く間に全滅させたが、アルカンフェルによってユニット・リムーバーでユニットと分離され、殺された。デザインはガイバーIにガイバーIIとIIIを足したようなデザイン。実写版第2作において、主人公の回想中に一瞬ではあるが登場している。
ガイバーIIF(フィーメイル)
  • 身長:181cm(頭角含まず) / 体重:262kg
ヴァルキュリア監察官が試作版の人造コントロールメタルと強殖細胞サンプルを合わせて殖装した紫色のガイバー(原作)。体形はガイバーIより細身で胸が強調されたデザインになっている。(外見はガイバーII「女」と殆ど変らない)人造コントロールメタルはガイバーIIのコントロールメタルを参考にしている為かコントロールメタルの完全な動作を再現出来ず、衣服の再構成が出来ない(殖装を解除すると全裸になってしまう)、殖装に制限がある(限界を超えるとコントロールメタルが機能を停止し強殖細胞が暴走してしまう)などの欠陥がこれまでに判明している。しかし、未だ“人類にとっての脅威”となる要素は明らかにされていない。
  • ガイバーの武装
    • アーム・パワーアンプ
      前腕部にある瘤状の部分。重力制御球から供給されるエネルギーを増幅して、「重いパンチ」を打てるようにする。
    • レッグ・パワーアンプ
      脚部にある瘤状の部分。重力制御の作用によってキック時の破壊力を増大させる。
    • ヘッドビーマー
      頭部コントロール・メタル上部に配置された超高効率の赤外線レーザーであるヘッドビーム発射器官。威力はガイバーの武装としては低いが、チャージにかかる時間が短く連射が可能なため、牽制や多数の雑魚やミサイルを破壊するためなどに多用される。効率の良い排熱効果(レーザークーリング効果)も兼ねている。
    • 高周波ソード
      肘部の突起が伸長して形