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彼岸島/松本光司

共有

著者: 松本光司
巻数: 33巻

松本光司の新刊
彼岸島の新刊

最新刊『彼岸島 33


出版社: 講談社
シリーズ: ヤングマガジンKC


彼岸島の既刊

名前発売年月
彼岸島 1 2003-04
彼岸島 2 2003-04
彼岸島 3 2003-07
彼岸島 4 2003-10
彼岸島 5 2004-01
彼岸島 6 2004-04
彼岸島 7 2004-07
彼岸島 8 2004-09
彼岸島 9 2004-12
彼岸島 10 2005-03
彼岸島 11 2005-06
彼岸島 12 2005-09
彼岸島 13 2005-12
彼岸島 14 2006-03
彼岸島 15 2006-05
彼岸島 16 2006-07
彼岸島 17 2006-10
彼岸島 18 2007-01
彼岸島 19 2007-04
彼岸島 20 2007-07
彼岸島 21 2007-10
彼岸島 22 2007-12
彼岸島 23 2008-03
彼岸島 24 2008-07
彼岸島 25 2008-11
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彼岸島』(ひがんじま)は、週刊ヤングマガジンに連載されている松本光司の漫画、およびそれを原作としたゲーム、映画。

最終章突入にともなって、タイトルが「彼岸島」改め「彼岸島 最後の47日間」となることが発表された。

概要

キャッチコピーは「吸血鬼サバイバルホラー」。

2005年4月28日、この作品のPSPのゲームが、ナウプロダクションにより「彼岸島(higanjima)」と言うタイトルで発売された。しかし、原作が続刊中の為、彼岸島に来た時のストーリーはオリジナル(パラレル)となっている。

実写映画は2010年1月9日に日韓同時公開された。

吸血鬼の住む島からの脱出や、吸血鬼や化け物との対峙をメインとした作品だが、バトル漫画・ファンタジー漫画・SM漫画の要素も持つ。 また、この手の「閉鎖・限定空間」を舞台とした作品では珍しく、島の大きさや人口、戦力差などの「現況」がほとんど描写されない。設定の変更で幾分かはフォローされているものの、後に明かされる新事実や描写、舞台となる島、人口の肥大化に伴い、矛盾が少なからず発生している。

主な登場人物

登場する化け物

吸血鬼
現在彼岸島に棲息する、吸血鬼ウィルスに感染した人間のこと。一応人間の心は持ってはいるが、人間を軽蔑している。雅に吸血鬼にさせられたのに、彼を恨まずにむしろ崇拝している。殆どの吸血鬼が編み笠、着物、ゴム手袋、長靴を着用しており、農家のおじさんのようなスタイルである(女性の場合はこの限りでは無い)。興奮すると髪が白く、白目が赤黒くなり、三白眼になるが、普段は鋭く尖った犬歯(牙)以外は人間と同じ風貌をしている。人間の血を吸う事で新陳代謝を永続させることができ、不老である。発症した時点で年齢が固定される(ただし、子供や赤ん坊は成長するが、大人になった時点で年齢が固定される)。常人の3倍程の腕力を持つうえ、普通なら致命傷となる程のダメージを受けても死なない。ただ、頭を斬り落とされたり潰されると死亡するため不死ではない(雅は例外で、不老不死)。彼岸島の島民が元々どれくらいいたのかが不明であるため、吸血鬼の総数は語られていない。
人間の血は食料ではなく、邪鬼や亡者に変態しないための薬らしい。飲食は人間と同じ様に行っている。牙(唾液)には強い麻酔効果があり、体内に入ると涙や小便等を垂れ流しながら動けなくなる。唾液には吸血鬼ウィルスも混ざっているが、感染力は低い。彼等の血を人間が(瀕死の重傷であっても)粘膜・傷口等から摂取してしまうと、一度死亡した後に吸血鬼として復活する。吸血鬼の血を吸血鬼が摂取すると殆どの場合は体が耐えられずに破裂してしまうが、それを耐え抜いた場合には、さらに高い力を得る事ができる。人間だけではなく、犬や熊やモルモット等の動物も吸血鬼になったことがある。
過去に彼岸島に棲息していた吸血鬼は人間と共存しており、血を介して人間に吸血鬼の性質が感染することも無かった。現在の吸血鬼と違い、子供や赤ん坊も吸血鬼になった段階で成長が止まっていた。太平洋戦争中、軍事利用を企んだ軍部によって彼岸島へ送り込まれた五十嵐陸軍中佐らが雅に施した生体実験により、吸血鬼の血液が変質し、伝染性を持つ吸血鬼ウィルスが誕生してしまった。
邪鬼(オニ)
一定期間人間の血液を吸わなかった吸血鬼が発作を起こし変化した姿。理性を持たず、怪力や驚異的な生命力を伴う。読み方は「ジャキ」ではない。
吸血鬼がそのまま変態する者や、身体中から糸を噴き出し繭になり、その繭から生まれる者もおり、様々なバリエーションが存在する。普通の吸血鬼同様、首を完全に切断されると死亡する。
人間・吸血鬼の関係なく、視界に入った生物を本能のままに襲う。そのため吸血鬼たちもその力を恐れている。雅のみがこれらすべての邪鬼を、脳波干渉(サイコジャック)を使って完全に操ることが出来る。邪鬼使いと呼ばれる吸血鬼(田中ナオトのように邪鬼使いになれる人間もいる。)もおり、彼等も脳波干渉(サイコジャック)で邪鬼を操ることが可能だが、雅と違うのは、苦痛を与える事で邪鬼を支配する事をカバーしている点である。しかし、サイコジャックは苦痛によって解けるので苦痛で支配している部分は矛盾している。また初期設定では「まれに」体質により適応できない場合に亡者になるという説明があり、亡者にされた人間が「邪鬼にもなれない」と役立たずの烙印を押されたが、その後の描写で邪鬼の数はかなり限定され、逆に亡者の数が多く描写されていることで設定が変えられたものと思われる。
亡者(もうじゃ)
身長:200cm〜 体重:120kg〜
必殺技:分裂
一定期間人間の血液を吸わなかった吸血鬼が発作を起こし変化した姿。悪臭や驚異的な生命力を伴う。
邪鬼の成り損ない。いくつもの顔が生えてきて、膿を噴き出しながら無限増殖する。その醜悪な姿から吸血鬼たちからも忌み嫌われており、普段は集団で森の中などで虫などを食べながらひっそりと過ごす。その為か非常に寂しがり屋の性質を持ち、集団で身を寄せ合ったりする特性も。また邪鬼とは違い幾分かの記憶や感情を残すとは思われているが、人語を解し、話せるものは稀であり、また時間と共にそれも失われていくようである。
刀等の刃物で斬り刻んでもそこからまた増殖する(破片からも増殖する)ため、完全に殺すには、丸太等で打撃攻撃を与え、その死体を炎で燃やすのが唯一の方法である。作中では明の仲間のポンが吸血鬼にされた挙句、人間の血液をあえて与えずに邪鬼を人工的に作り出す試みに失敗した例が描かれている。
混血種(アマルガム)
他の吸血鬼の血液を体内にし、生き延びた吸血鬼。他の吸血鬼よりも高い身体能力を持ち合わせている。斧神いわく、混血種(アマルガム)になる確率は、1%にも満たないという。
雅、師匠、斧神、まり子がこれに当たる。
霊鬼(れいき)
ゲームオリジナルの吸血鬼。原作に登場したガタイが大きい吸血鬼に相当する。

邪鬼のバリエーション

痩身型
身長:4m5cm 体重:750kg
必殺技:特筆するものはない
作中で初めて登場し、最も多く登場する邪鬼。大きな頭部に長い手足を持つ。四つん這いで移動するが、バランス感覚に優れているようで、天井にぶら下がったり決壊寸前の吊り橋をロープだけで渡ったりできる。明曰くサカナ野郎
石頭型
身長:5m10cm 体重:1t
必殺技:硬い体表を活かした頭突き
主に村人がこの邪鬼になる。巨大な身体をしている。頭皮が異様に硬く、頭突きだけで吸血鬼の身体を貫通できる。真皮が剥き出しなので、血管が剥き出しになっている。篤曰くデブの化け物
通常型(変態中)
眼球が顔に一杯付いていて、口が顔に付く者もいる。皮膚がちぎられ、徐々に体が黒ずんで行き邪鬼になる。
魚人型
身長:23m 体重:4t
魚人のような邪鬼で非常に大きい。秋刀魚に似た形態をしている。詳細は良く分かっていないが、彼岸島の周りをぐるりと取り囲んで、島に勝手に出入りする者を殺害、もしくは捕獲するようである。バタフライで泳ぐ。
太郎
身長:15m 体重:3t
必殺技:邪鬼使いの意のままに動くこと
着物を着ている巨大な邪鬼。口には無数の牙があり、長く伸びる舌がある。頭に装着している笠の下には巨大な単眼が存在する。着物を脱げばデブであることが明らかになる。腹には縦に割れた口が存在し、そこから人間の血を一気に吸い尽くす。この口の中にも長く伸びる舌がある。少々の感情を持っているらしく、自分に重傷を負わせた明や篤、主人である邪鬼使いのお仕置きに対して恐怖心を抱いていた。役に立たなかったのか雅に剥製にされる。
百目型
身長:14m50cm 体重:2.6t
主に炭鉱にいる吸血鬼がこうなる。身体中から糸を噴き出し繭になって、数年かけてその繭から孵化(羽化?)する。炭鉱の吸血鬼には神として崇められている。全身に目があり尻尾もある。正面から見ると歯並びが悪く顔が横長く見える。邪鬼の中でも運動能力が高い。傷付けられても身体中の目を傷口に移動させ、瞬時に回復する能力を備えている。その能力で明たちを追い詰めるが、姫(後述)にはあっという間に倒された。
姫(百足型)
身長:31m 体重:8t
必殺技:強酸性母乳巻きつき
その名の通り、炭鉱内のお姫様。初の女性型邪鬼。五十嵐中佐の皮肉によって「姫」と名付けられる。巨大で長い体躯で、普段は炭鉱の螺旋階段の空洞に潜んでいる。若い女性の顔を持ち、頭部にそれと別な巨大な口があり、百足の形をした体、その表面に無数の乳房、背面には背骨、側面の左右には数え切れない程の人間の腕があり、百足や馬陸の様な風貌である。乳首からは母乳を噴き出すが、その主成分は硫酸である。目を合わせると形相が大幅に変わり、生物を執拗に喰い殺そうとする習性を持ち、人間だけでなく邪鬼ですらも喰い殺すため、他の邪鬼とは比類ない恐ろしい邪鬼である。暗い炭鉱内に非常に長い間いたせいか、極端に光に弱い。後に人間たちが制圧した集落を明が不在の隙を突いて襲撃、相変わらずの力で人間たちを圧倒したが、操りにくかったせいか雅に剥製にされてしまう。
あしなが婆さん(蜘蛛型)
その名の通り、足が長い老婆の姿をした女郎蜘蛛(絡新婦)の姿をした邪鬼。胸からとても垂れた乳房が垣間見える。額には5つの蜘蛛の目があり、歯茎から牙を出す。尾と口から糸を吐き、尾は麻痺性の毒針にもなっている。人間を糸でぐるぐる巻きにしてから食べる。命名者は師匠と田中ナオト。元々は田中ナオトの母親で本名は田中美香子。村一番の美人だったらしい。吸血鬼の血が混ざった水を飲んだことで感染し吸血鬼になるが、田中は母親に自分の血を与えて密かに匿うも邪鬼に変態。変態後は他の邪鬼同様に人間たちを襲うが、人間や母親としての感情は微かに残っており、息子のナオトには従う。また、明に瀕死の傷を負わされた際に涙を流して命乞いをしたり、ナオトに助けを求めていた。自分が助からないことを確信すると、残った理性で人間としての死を選んだ。
蛇の邪鬼
水上の村に出現。蔵に幽閉した師匠を監視するため配置されていた。体長は数十メートルで、身体を伸ばすと蔵の天井を軽く突き抜けるほどである。舌には多数の人の顔があり、相手を嘲るような笑い声を上げる。刺激しなければ大人しいのだが、非常に敏感で水溜りに足を踏み入れた際の水音に反応するほどである。興奮すると首の周りに襟巻きが現れる。襟巻きには目があり、相手に相当な威圧感を与える。蛇というだけあり動きは素早い。泳ぎも得意で手漕ぎのボートで逃げ切ることは到底できない。明たちが脱走させた村人を次々と喰らい、壊滅寸前のところまで追い詰めるが、西山が率いる別働隊の自家製のロケット弾による一斉射撃を浴び、森へ逃げ込んだ明たちを見失う。
満腹爺
地獄谷の地下洞窟に封印されていた邪鬼。人間型だが、頭は2つあって腹が非常に大きい。腹以外はほぼ白骨化している。食欲旺盛であり、「いつも腹が減っているようだから」という理由で吸血鬼たちから満腹爺(まんぷくじじい)と命名された。腕が非常に長く、どこまでも伸びる上に指も6本に発達している。視力はほとんどないらしく、匂いで獲物を見つけて捕食する。その嗅覚は離れた獲物の位置を的確に把握し、即座に手で掴むことができる程のものであるが、逆に鋭敏すぎるためか体に塗った糞の匂いで目の前にいる獲物さえ見失う。元々は吸血鬼の管理下にあったが、邪鬼使いを殺してしまい、精神支配を離れて村の吸血鬼たちを襲い、屈強な吸血鬼である斧神と雅の2人がかりで崖下にある洞窟に幽閉されたという。強酸の泉の中でも平気で動き回り、更に酸を口に含んで撒き散らしたりと、住処である地獄谷に順応している。満腹爺の顔をした巨大なゴキブリを産むことができ、追い込まれると腹から一気に放出する。
地獄谷に落ちた明と斧神を襲い、武器を持たない彼らを相手に優位に立つ。明を食らおうとするところまで追い詰めたが、武器(青龍刀と大型の鎖鉄球)を手に入れられ形勢逆転。強酸の泉へと逃げ込み、酸とゴキブリよる遠距離攻撃を行う。斧神の振り回した鎖鉄球に捕まった明に一気に接近され、背中に飛び乗った彼の圧倒的な猛攻によって両腕や肩、両首を斬り裂かれて殺された。
チワワ様
雅のペット。なまはげの顔と虎のような胴体、人間の後肢を持った巨大生物。島はずれの岩島上に立つ五重塔の中に棲息している。前述の通り四足歩行をする獣じみた邪鬼だが、人の脚部が残っており、これも人間から変化した個体のようである。雅配下の吸血鬼からは「チワワ様」と呼ばれており、犬のチワワとは関係なく、それが名前のようだ。首の関節が無いかのように(あるいは、そもそも胴体と繋がっていないかのように)頭部だけを高速で回転させる事が可能。
また原理は不明だが、並の吸血鬼なら一瞬で黒焦げになるほどに超高温の火炎を口から吐き出す。火炎放射の前に長い予備動作を要するが、この際に全身から耐え難い輻射熱を発するので、知識があれば「炎を吐こうとしている」事が分かるようになっている。

用いられたアイテム(道具・武器)、用語等

丸太
この作品で多用される武器。一話から篤が使っていた。驚異的な生命力を誇る吸血鬼を倒すためには頭部を破壊するなど致命的なダメージを与える必要があり、裂傷を与える刃物よりもよく使用される。
その用途は幅広く、吸血鬼・亡者を叩き潰す、投げて飛び道具にする、防御に使う(弓矢を防いだり、血液感染を防いだり)などがあり、事実上の「万能兵器(マルチウェポン)」と称される。第180話のサブタイトルでもある。
雅は、遥かに太い大木を丸太として使用した。
修行を終えた明の主用武器。元は普通の漁村であったはずの彼岸島になぜか大量に存在する。旧日本軍も刀(軍刀)を使用している。
拳銃(ニューナンブM60)
明が亡者と化したポンから貰った拳銃。元々は警官であるポンの兄の所有物で、彼岸島に赴く際にポンが持ち出したものである。事実上のポンの形見。明が雅を谷に落とす際と雅に捕まった少女を救う際に使用した。弾丸を使い切った後も、明はこれで雅を殴った。装弾数は5発。
爆弾
西山が作った爆弾。廃校の理科室にあった薬品を調合して製作した。その威力はトロッコのレールをも破壊する程である。
地雷
吸血鬼の集落を襲撃した時、逃げる吸血鬼を一人たりとも討ち漏らさないために西山が出口周辺に仕掛けたもの。その威力は高く、一発で四肢を吹き飛ばす程だった。明達は地雷の存在を全く知らされていなかった。
金属バット
ケンが主に使う武器。元々野球に使う物で、ケンは序盤からこの武器を使用していた。彼岸島に着いた時や、吸血鬼との戦争にも用いられた。吸血鬼との戦争に用いられた物は、ケンが思い切り吸血鬼を攻撃した為歪んでしまった。また、ケンがあしなが婆さんに捕まった際は、このバットがケン捜索の目印となった。
鉈(なた)
ケンが吸血鬼との戦争の際に用いた鉈。金属バットと併用した。
吸血鬼が主に使う武器。明達も序盤では使用していた。
弓矢
彼岸島に於ける数少ない飛び道具の1つ。ユキは弓道部だった為、これを使用していた。また、吸血鬼の集落襲撃の際、見張りを仕留めるために使用された。
薙刀
修行を終えた篤が最も得意とする武器。大型の為実戦に持ち出す事は少なかった。長柄武器の間合いを駆使し、明を翻弄した。
短刀
主にレジスタンスが使用。
熊の糞
邪鬼・満腹爺に捕食された熊のものと目される糞。ただの排泄物に過ぎないが、その臭気は嗅覚で獲物を追う満腹爺をかく乱できるほどのものだったため、満腹爺から身を守るために全身に塗布するという方法で使用された。当然ながら、洗い流せば効果を失う。
漬物石
当たり前だが武器ではない。だが、失った刀の代わりに吸血鬼の撲殺に使用された。
軽トラック
三菱・ミニキャブ(5代目)。亡者の森を突破する際に明たちレジスタンスが用いた乗り物。主に紅葉が運転した。武器としては、丸太を前面に3本取り付けて亡者の壁を貫くなど、あたかも戦車であるかのように使われた。最後は斧神に斧で真っ二つにされ、爆破された。なお、軽トラックに限らず現在の彼岸島に乗用車は殆ど無く、貴重品となっている。田中によると、これは吸血鬼が嗅覚に優れ、排気ガスを苦手とするためである。わずかに重量物運搬用などの目的で残されたものは吸血鬼が車庫前で厳重に管理している。
その形状は林業やアウトドア用の小ぶりなものではなく、巨大な戦斧である。山羊の姿をした吸血鬼・村田が使用しており、そのためか彼は斧神様という別名を持つ。村田はこの武器を用いて明と壮絶な死闘を繰り広げた。
501ワクチン
血液混合により半不死身となった雅の血液を一時的に再分離する血液分離剤。五十嵐は、後述の大型獣用連続注射器を用い、雅を動けなくし、彼を青山龍ノ介と協力して研究用の冷凍室に封印した。名称の由来は五十嵐の所属していた、帝国陸軍「501部隊」から由来。
大型獣用連続注射器
元々は大型獣を相手に薬剤を注射する為に造られた金属製の頑丈な注射器。多少の事では壊れたりはしない。雅に501ワクチンを注射する為に五十嵐が用いた。その後は、師匠になる前の龍ノ介に託される事になる。
脳波干渉(サイコジャック)
雅や邪鬼使いが使用する技。邪鬼や人間の脳波を操り、意のままにコントロールする。この脳波干渉(サイコジャック)の呪縛から解き放たれるには激痛を伴わなければならないが、邪鬼使いは脳波干渉(サイコジャック)の他にも、邪鬼に苦痛を与えている為、矛盾する。
吸血鬼ウィルス
雅が歩く発生源となった、感染すると吸血鬼になるウィルス。空気感染はせず、血液や粘膜を介して感染し、感染すれば身体中が悪寒や発熱等の症状に見舞われ、人間として「死亡」する。しかし、10数分後、吸血鬼として「復活」する。吸血鬼ウィルスは、ベクターウィルスの一種だと思われる。普段の生活でならまず感染はしない。
吸血椅子
吸血鬼のアジト等にある。この椅子に座らされると、手足は固定され、目と口はふさがれ、叫ぶ事も出来ずただひたすら血を取られ続ける。味方の人間に助けられる以外は死ぬまで座らされる。その間食事は猿轡に付いているチューブで食べ物と水を送られ排泄物は椅子の穴に落とされる。座らせられている人間のうめき声は椅子のむごさを引き立てている。
ライフル
ゲームに登場。冷に扮した雅が使用していた。凄まじい破壊力を誇る。
冷の血液
ゲームでの設定。彼女の双子の弟である雅が苦手とする物。吸血鬼ウィルスを中和する効果がある。明達は彼女の血液を自分達の武器に塗り付け、化け物と化した雅と戦った。
食塩水注射
食塩水の入った注射。人間にはあまり害は無いが、吸血鬼が撃たれると激痛とのどの渇きに犯され、血を吸いたいという衝動に駆られてしまう。要塞寺で捕まったケンちゃんがうたれ、それによりユキを襲ってしまう。
五重塔
彼岸島の切りだった崖の上にある塔。入るには狭い橋を渡る必要がある。中はカラクリだらけで、上に上がるには隠し階段を登る必要がある。どの階にも危険な仕掛けがある。5階には雅が休みに来ていて、剥製にされた邪鬼が飾られている。
更に、外見には見えないが、屋根裏の6階が存在しており、そこは雅の研究室であり、おぞましい実験が行われている。
五重塔の研究室で、生み出された蚊。吸血鬼の血で育てられ、蚊ながら吸血鬼ウイルスを持った蚊。この蚊に刺されただけで、感染して吸血鬼になってしまう。雅はこの蚊で恐るべき計画を企てている。五重塔だけでなく、雅の屋敷も含め、この蚊を大量飼育している施設はいくつもある。
血樽
吸血鬼たちが人間から大量に血液を摂取する時に使用する樽。人間の手足を切り落とし、内側に刃をたくさん仕込んだ樽の中に入れて首から上にフタをし、樽の下にある蛇口から大量に血液を摂取するといったもの。手足を切り落とされるため逃げる事も出来ず、内側の刃により地獄の苦しみを味わいながら出血多量で死に至るもので、吸血椅子のように長期間人間から血液を摂取するものではなく、短期間で大量の血液を摂取するために使用する。

映画版

2010年1月9日に新宿バルト9他にて公開された。激しいバトルシーン等により、映画化は不可能といわれていたが、最新の技術と、スタッフにより、完成した。彼岸島の住民の吸血鬼やレジスタンスの忍者を、ヤングマガジンのページで募集が行われた。 3週にわたる審査の上、最終決定が下された。また残酷な描写が多いため、PG12指定。ゲーム同様原作は継続中なので、物語はオリジナルの形で締めくくられる。

スタッフ

監督:キム・テギュン
脚本:大石哲也
エグゼクティブプロデューサー:三宅澄、イ・ジュンホ
企画:ミコット・エンド・バサラ、クラゼピクチャーズ
プロデューサー:亀田裕子、ション・シン、Don Kwon、藤田義則
主題歌:9mm Parabellum Bullet「命ノゼンマイ」
製作:「彼岸島」フィルムパートナーズ(ミコット・エンド・バサラ、ミシガンベンチャーキャピタル、キングレコード、プロダクション尾木、Yahoo!JAPAN、クラゼピクチャーズ)
配給:ワーナー・ブラザース映画

キャスト

『エリートヤンキー三郎』と『彼岸島』はどちらも、『週刊ヤングマガジン』掲載の漫画作品であり、かつ石黒が主演する事になった。スケジュール上は先に後者、続けて前者を撮影したが、公開時期の早さは双方で入れ替わっている。

明:石黒英雄
篤:渡辺大
レイ:水川あさみ
雅:山本耕史
ケンちゃん:弓削智久
ユキ:瀧本美織
ポン:森脇史登
西山:足立理
加藤:半田昌也
涼子:大村彩子
師匠:阿見201

関連商品

関連項目

  • 山本マサユキ - 同じヤンマガで描いている漫画家。作中において担当編集者の顔が吸血鬼そっくりになるなど、『彼岸島』のパロディシーンが時々登場する。
  • 吸血鬼を題材にした作品の一覧

外部リンク