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怪物くん/藤子不二雄A

共有

著者: 藤子不二雄A
巻数: 4巻

藤子不二雄Aの新刊
怪物くんの新刊

最新刊『怪物くん 第4巻



怪物くんの既刊

名前発売年月
怪物くん 第1巻 2005-06
怪物くん 第2巻 2005-07
怪物くん 第3巻 2005-08
怪物くん 第4巻 2007-07

怪物くん』(かいぶつくん)は、藤子不二雄による日本の少年漫画。テレビアニメはモノクロ版とカラー版があり、それぞれアニメ映画も公開された。2010年4月17日から6月12日まで、日本テレビ系列で特撮テレビドラマ化されていた。

概要

怪物ランドから人間界へやって来た不思議な少年、怪物くんとそのお供であるドラキュラ、オオカミ男、フランケンが巻き起こす騒動を描くギャグ漫画である。彼ら以外にも数々の気の良い怪物達が登場する。時に登場する冷徹な敵役との戦闘描写など、アクションシーンも豊富である。

1965年1月 - 1969年4月迄、少年画報社の『少年画報』にて連載。そして1967年6月 - 1969年5月に『週刊少年キング』でも連載。さらに1980年 - 1982年迄の間リバイバル版が小学館の『月刊コロコロコミック』、『学習雑誌』、『てれびくん』等で連載。

作者によると「お供の3匹のデフォルメ化は簡単だったが、主人公である怪物くんの顔は締め切りギリギリまで決まらなかったため『少年画報』での新連載予告は「後ろ姿の怪物くんと、それを見て恐れおののくお供の3匹」というものであった藤子不二雄「PARマンの情熱的な日々」『ジャンプスクエア』4巻6号、集英社、2010年5月4日、468頁。。第1回目のネーム、大まかな下書きと主人公の顔のイメージは自ら手掛けたが、ペン入れの大半はしのだひでおが行った」という。

2005年に大一商会からパチンコ機化(「CR怪物くん」)された。因みにオオカミ男の声は、神山卓三が故人のため緒方賢一が担当している。フランケンの声は歴代3声優とも故人だが、今作において誰が担当したか(声の設定があったかどうか)は不明。

カメオ出演など

藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』に、「怪物くんぼうし」(単行本未収録)という“被ることで手足を自由に伸び縮みさせることができる”帽子が登場した。また、同作の「なんでも空港」には怪物くん本人がカメオ出演している藤子・F・不二雄「なんでも空港」『ドラえもん』32巻。。劇場アニメ『忍者ハットリくん+パーマン――忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵』のオープニングのワンシーンに登場し、アニメ版ドラえもんスペシャルではドラえもんとの共演を果たしている藤子不二雄原作、桜井正明脚本、笹川ひろし総監督、原田益次監督『忍者ハットリくん+パーマン――忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵』シンエイ動画・小学館・テレビ朝日、1985年。

キャラクター

本作品に登場する主要なキャラクターについて解説する。なお、各キャラクターの説明は、全て原作漫画に準拠している。

怪物くんと怪物3人組

怪物屋敷の住人たちで、怪物くんこと怪物太郎とドラキュラ、フランケン、オオカミ男の怪物3人組の4人。怪物3人組はそれぞれ怪物ランドに息子がおり、時折人間界にやって来ては騒動を起こす。ドラキュラの息子は太陽が平気、フランケンの息子は普通に言葉を喋れるなど、父親の弱点を克服している。

怪物くん
声 - モノクロ版:白石冬美、カラー版:野沢雅子
本名:怪物 太郎。身長99cm、体重28kg。怪物ばかりが住んでいる、どこにあるのか分からない国「怪物ランド」を総べる怪物王家の皇太子藤子不二雄「お骨ダンスでコ〜ツコツ」『新編集怪物くん』4巻、ブッキング、2002年、54頁。。現国王・怪物大王の実子であり、お供の3匹からは「坊ちゃん」と呼ばれている。普通の小柄な少年に見えるが、手足を自由に伸ばし、様々な顔や姿に変身するなど、多くの超能力を持つ。最大の武器は「1、2、3!」と3つ数えて念力で起こす爆発で、映画『怪物ランドへの招待』で使用した際は怪物城を半壊させるほどの威力だった。念力を使わなくても密猟者から鉄砲を取り上げて折り曲げてしまったりと、腕っ節自体もめっぽう強い。頬にある3本線はヒゲ。トレードマークの帽子は寝ている時にも外さないが、最終話でその秘密が読者(視聴者)にのみ明かされる(初めて脱いだ時には、雲で隠れていた)。王位継承にあたって修業のために人間界を訪れ、そこで出会ったヒロシと半ば強引に友人となり、ヒロシ姉弟が住むアパートの部屋の隣室を借りる。太郎の部屋には冷蔵庫しかないが、その中は怪物屋敷の厨房へと繋がる通路になっている。常識外れでプライドが高く、短気でわがままな性格であり、それを諌める者を「うるさーい!」と一喝する。その一方で情に厚く、ヒロシには強い友情を抱いており、怪物大王がヒロシを石に変えた際に反抗するなど彼を傷付ける者に対しては激しい怒りを見せ、ヒロシの面子を立てるために行動することもある。あんみつが大好物。雷が苦手で、雷鳴を聞いただけですくんでしまい何も出来なくなる。
ドラキュラ
声 - モノクロ版:大竹宏、カラー版:肝付兼太
怪物くんのお供の一人。身長183cm、体重33kg。爵位は伯爵。祖父は公爵、父は侯爵という由緒正しい一族の出身貴族の爵位は世襲出来るはずで、この設定は少々おかしい。という経歴を買われ、主に怪物くんのしつけと学問教育を担当するが、あまり言う事を聞いてもらえていない。黒いシルクハットとマント、モーニングコートを普段着としている。潔癖でプライドが高い。「怪物魔物学」の学者でもあるため豊富な知識を持ち藤子不二雄「ミスターシャドー」『新編集怪物くん』6巻、ブッキング、2002年、136頁。、特に怪物や妖怪には詳しい。吸血鬼だが吸血行為を禁じられており、代りにトマトジュースを飲んでいる。吸血の応用として、体内に入った毒素等を吸いだすという、他の吸血鬼には真似のできない高等技術を持つ。愛用のマントの力による飛行能力を持ち、これを着用すれば他の者でも飛べるが、普通の人間が長時間着用するとコウモリになってしまう。下僕として吸血コウモリを使役し、主に偵察を任せる。ベラボー星人ほどではないが藤子不二雄「ベラボー怪星人」『新編集怪物くん』2巻、ブッキング、2002年、15頁。、催眠術で他者を操ることができる藤子不二雄「怪物くんゆうかいされる」『新編集怪物くん』1巻、ブッキング、2002年、63頁。。ニンニクと十字架と日光に弱いが、怪物ランドでは日中でも活動可能。人間界では昼は地下室の棺桶で眠り、夜起きて散歩に繰り出すという生活スタイルである。不死身のため、何度死んでも生き返ることができる(ただし、銀の弾丸を撃ち込まれたら摘出しないと生き返れない)。ふだんは呼吸もしておらず、宇宙空間でも宇宙服を着用せず活動することができる藤子不二雄「宇宙怪獣を襲撃せよ」『新編集怪物くん』5巻、ブッキング、2002年、141頁。。一人称は「あたし」で、語尾に「~ザマス」、「~ザンス」をつけて話す。
オオカミ男
声 - モノクロ版:兼本新吾、カラー版:神山卓三
怪物くんのお供の一人。身長164cm、体重101kg。怪物ランドのガンス地方出身。普段は坊主頭で小太りの中年男性にしか見えないが、満月や丸い物を見ると狼に変身する。ただし単なる丸い物の場合、中途半端な変身となる。満月の場合は太陽が昇ると元に戻る。狼特有の鋭い嗅覚と素早い動作から繰り出される牙と爪が武器。本人曰く「普段の人間体が真の姿」であり、作中でも時折「怪物の中では人間に近い」とする発言があるが、怪物ランドでは常に狼の姿で過ごす。狼に変身しないと力を発揮できず、ほぼ人間並みの能力しか持たない通常時との激しい落差が唯一にして最大の弱点。怪物ランドでは著名な料理人で、怪物屋敷の食卓や家事を担っている。但し月見うどん等の卵黄を見ても変身してしまうため、人間達の前で料理の腕を振るうのは困難。気さくで人がよく、世話好き。好物はバームクーヘン。一人称は「あっし」で、語尾に「~ガンス」をつけて話す。
フランケン
声 - モノクロ版:今西正男、カラー版:相模太郎→兼本新吾
怪物くんのお供の一人。身長297cm、体重252kg。フランケンシュタイン博士の作った人造人間(フランケンシュタインズ・クリーチャー)である。大柄で強面だが、のんびり屋で心優しく泣き虫。頭は弱いが、怪力と手先の器用さを生かし、主に屋敷の手入れや買い物の荷物持ちを担当する。青いコートに赤と黄色の縞模様(ドラマでは白と黒の縞模様)のシャツを着た姿。怪物くんのボディーガードも兼ねるが、総合的な戦闘力は念力を使える怪物くんの方が上なので、その意味での活躍はそれほど多くない。しかし、怪物くんの弱点である雷を操る怪物が現れた際には、雷=電力をエネルギー源とするフランケンがこれに立ち向かって倒し、護衛の任を果たしている。後にグレンケンという弟がフランケンシュタイン博士(カラーアニメ版ではベラボー星人ベム)によって作られるが、兄と違い冷酷非情な性格である。ドイツ語で「空腹」を意味する「フンガー」以外はしゃべらないが(時々「フガー」と発音することもある)、怪物同士では何故か話が通じている(初期の頃は「フンガー」ではなく、「ウー」だった藤子不二雄「怪物くんゆうかいされる」『新編集怪物くん』1巻)。悪魔組織デモーニッシュの刺客であるアーシュランの魔力により、ほんの一時期だが通常の会話を行った。基本はポーカーフェイスであるが、怒る時は怒り、笑う時は笑う。フランケンは『ドラえもん』、『ミス・ドラキュラ』にも登場している藤子・F・不二雄「お化けツヅラ」『ドラえもんプラス』3巻。。アニメの第一作と第二作で体型にかなりの違いがあり、第一作では比較的スリムで手足も長く描かれているのに対し、第二作では身長に対して横幅が広く、手足も短いズングリした体型に描かれている。原作では、これらを組み合わせた姿になっている。

市川姉弟

弟・ヒロシと姉・歌子の姉弟。早くに両親を亡くし、姉弟二人で生活している。両親が登場しないのは藤子作品(A・F共に)ではきわめて異例。
市川 ヒロシ
声 - モノクロ版:松島みのり、カラー版:三輪勝恵
怪物くん達が住む屋敷の近所にあるアパート「アラマ荘」の一室に姉の歌子と2人で住んでいる小学生。弱虫で冴えないが、気のいい少年。ふとした切っ掛けで怪物くん達と仲良くなったことにより、様々な事件に巻き込まれていく。初めて見る怪物には気絶するほど驚くが、一度知り合うと仲良くやっている。
市川 歌子(モノクロ版アニメでは「すず子」)
声 - モノクロ版:向井真理子、カラー版:川島千代子
ヒロシの姉。6月10日生まれ藤子不二雄「怪物アルバイトはいろいろあらあな」『新編集怪物くん』1巻、ブッキング、2002年。、18歳。会社勤めをしつつ弟の面倒を見ている、明るく思いやりのある女性。怪物くんやその怪しい仲間たちにも優しく接してくれるが、初見の怪物に対してはヒロシ以上に驚くこともしばしば。高校を出てすぐに就職したものか、もしくは中卒で就職か?苦労しているとみえて年齢の割りにとてもしっかりしている。放映当時のメモによると、好みのタイプはなんと…?

地球怪物

基本的には怪物大王の支配下にある「正義」の怪物たちであるが、一部には怪物ランドや大王の存在を知らない怪物たち、さらには叛旗を翻そうとする怪物たちも存在する。
怪子ちゃん
声 - モノクロ・カラー版:増山江威子
本名:怪子姫。身長101cm、体重28kg。怪物ランドの一級貴族であるゴーリキ公爵家の一人娘。怪物くんのガールフレンドでお妃候補。金髪ショートヘアの美少女だが、怒ると髪の毛を自由自在に伸ばして振り乱し、どんな重いものでも絡め取る。怪物くんと同様にわがままで嫉妬深く短気である。
ドクター・ノオ
声 - モノクロ版:永井一郎、カラー版:野本礼三
怪物ランドから医学の勉強のために人間界へやってきた怪物専門の医師。小柄で白髪、眼窩の割に小さい目に突き出た歯とグロテスクな顔の持ち主だが、その外見に反して気さくで心優しい。首から第三の手を生やした姿で描かれることもある。整形外科が得意らしく、事故で顔がぐしゃぐしゃになった人間の手術を行った事もある。モノクロ版アニメでは関西弁を話し、怪物くんを「ボンボン」と呼ぶ。
ゴリラキング
声 - カラー版:水島鉄夫
ゴリラ型怪物。ドラキュラが見つけた。初登場時ではゴリラの鳴き声のような声しかしゃべらなかったが、途中からしゃべれるようになった。
ガブロ
声 - カラー版:宮村義人
怪物くんが見つけた卵から生まれた怪物。ドラキュラからは「カバワニ」と呼ばれている。ゴリラキングと同時に出る話が多い。
半魚人
声 - モノクロ版:富田耕吉、カラー版:千葉繁
怪物ランドの湖に住んでいる、人間と魚が混ざった姿の怪物。怪物ランドの湖は、怪物屋敷の、庭の池に繋がっている。怪物にしては、礼儀正しい。怪物ランドの怪物調査官を務めており怪物ランドでも未登録の怪物を調べに来ることもある。原作とアニメでは、姿が異なっており、原作とモノクロ版では、全身緑色で痩せた体系、カラー版では、全身紫色で太った体系。
ノウルス(ノンビラス)
声 - モノクロ版:八奈見乗児、カラー版:相模太郎、緒方賢一
食いしん坊でのんびり屋、頭は悪い(脳が留守=ノウルス)が気のいい恐竜型の怪物。ヒロシは彼を同級生に見せて驚かせようと考えたが、世間に広まり大騒ぎになることを恐れて断念した。自身は目立ちたがり屋で、ひょんなことから怪獣映画に出演し好評を得た。『コロコロ』版以降および新作アニメでは「ノンビラス」に改名された。一人称は「おら」。
グレンケン
声 - カラー版:加藤清三
フランケンの弟。兄とは違い、言葉を話し、性格は冷酷。最終的には、兄に倒された。
ガメロ
声 - カラー版:緒方賢一
亀型の怪物で甲羅にはトゲが生えている。海の副大統領になることを条件にグラゴンと組んでシーラカンスじいに対して反乱を起こしたことがある。
ガメル
声 - カラー版:峰あつ子
カメ型怪物。人間界での芸能界デビューを夢見て上京したが、考え方のピントがずれている上に図々しい性格。騒ぎを起こさないよう怪物屋敷に匿われたのを「大きな屋敷に下男4匹(怪物くん達のこと)を抱える身分になった」と言う手紙で親族を呼び寄せた。
フニャラ
声 - モノクロ版:野沢那智、カラー版:山本圭子
長い鼻でタコ人間の様な軟体怪物。種族全体が怠惰な性格ですぐ居眠りしてしまう。ヒロシの学級に転入してきたフニャラの少年は父が種族の怠惰を直そうと入学させたと言うが、実はその父も息子が就職できれば自分は怠けられると考えただけだった。家が地上げ屋に壊されそうになった時、少年は怪物くんからの父を貶す言葉で発奮、地上げ屋を撃退して自分でもやる気を出せる事を自覚した。
クローばあや
声 - カラー版:堀絢子
ゴーリキ家に仕える女中。怪子のわがままにいつも頭を抱える苦労人。カラスに化けて飛ぶことが出来るがそのままの姿でも飛ぶことが出来る。
グリムばあさん
声 - モノクロ版:麻生みつ子、カラー版:峰あつ子
9999歳の魔法使い藤子不二雄「空飛ぶタコくん」『新編集怪物くん』5巻、ブッキング、2002年、39頁。。ふだんはドイツに住んでいるが藤子不二雄「空飛ぶタコくん」『新編集怪物くん』5巻、ブッキング、2002年、38頁。、日本を何度か訪れ怪物くんの危機を救う。怪物くんに「魔法のほうき」を与えたり、デモーニッシュとの戦いで危機に瀕した怪物くんを救うなど、怪物くんにとっては魔法の師といえる存在。優秀な弟子を多数輩出しており、特に一番弟子のサタンは天才と謳われたが藤子不二雄「魔法塾へどうぞ」『新編集怪物くん』5巻、ブッキング、2002年、75頁。、のちに悪魔に魂を売り渡したため破門した藤子不二雄「魔法塾へどうぞ」『新編集怪物くん』5巻、ブッキング、2002年、84頁。。魔法で人間の大きさを変化させることもできるが藤子不二雄「巨人対豆人間」『新編集怪物くん』2巻、ブッキング、2002年、143頁。、魔法と科学とは異質な力であるため、科学技術を用いて小さくされた人間を元に戻すことはできない藤子不二雄「巨人対豆人間」『新編集怪物くん』2巻、ブッキング、2002年、140頁。
郵便屋コンドル
声 - カラー版:井上和彦
怪物ランドからの郵便物を届けに来る。
グラゴン
声 - カラー版:鈴木清信
巨大なクラゲ型の怪物。肢を絡めての電撃が得意。シーラカンスじいに対して反乱を起こしたことがある。
ビンの中の巨人
声 - カラー版:兼本新吾
もともとはアラビア大魔術団の花形スター。ビンの中に住んでおり、ビンから出すと願い事を三つも叶えてくれる。夢は何者にも束縛されず自由になること。怪物くんの三つ目の願いで自由になり、何でも言うことを聞くようになった。
ハニワくん
声 - モノクロ版:太田淑子、カラー版:菅谷政子
本名:埴輪 進(はにわ すすむ)。ヒロシの通う小学校へ転校生としてやって来た同級生。埴輪そっくりの少年だが、その正体は日本の怪神の化身。生真面目で正義感が強く、融通が利かない。怒ると特撮映画『大魔神』に登場する阿羅羯磨に酷似している巨大な怪神に変身する。怪物くんらとは対立関係にあったが、一騎討ちののちに和解。
馬毛野先生(ばけのせんせい)
声 - カラー版:八奈見乗児
蝋人形作りの専門家。カラーアニメ版では声優が八奈見氏の為か、ボヤッキーみたいなしゃべり方をする。体中が毛むくじゃらでベロにも生えている。オオカミ男をモデルに蝋人形制作にかかるが、思う様にできず遂にはオオカミ男当人を蝋で固めて作品にしようとした。それが怪物くんにばれて怒りを買い、馬毛野自身が固められて人間蝋燭になってしまう(カラーアニメ版では自分の意志で作品となった)。
ゴールドフンガー
声 - カラー版:勝田久
全身が黄金でできている怪物。普段は、山の中に住んでいる。ナイフで身体の一部を削って(痛みやダメージはない様子)金銭代わりにすることもある。初期の頃は方言のような訛りでしゃべっていたが、再登場では敬語でしゃべれるようになった。
透明人間
声 - モノクロ版:山田康雄、カラー版:田中崇
怪物ランドの情報機関「M・B・I」の一員。裸になると透明で、いつも包帯を巻いている。語尾に「~デス」をつけて話す。
ブラックバット
コウモリ怪物。ドラキュラに嘘を付いて、怪物くんに毒入りスープを飲ませようとするが、怪物くんには毒は効かず、代わりに自分が味見したせいで食中毒した。最終的には、ドラキュラに噛み付かれた。
ホラ貝ホーラ
声 - モノクロ版:大平透、カラー版:八奈見乗児
貝の王子様を自称しているが、実は詐欺師。「カイな~」のついた関西弁で話す法螺貝怪物。いびきは「ボー」。特技はホラ吹き。
パック
怪物大王が怪物くんへ贈ったバクの怪物。前に立った人の見たい夢を見せる能力を持っており、また自らがイメージした夢を見せることも出来る。ヒロシは亡き母の夢を見せてもらった。
ミイラ男
声 - カラー版:蟹江栄司
全身包帯まきの大男。エジプト式の骨接ぎ法を体得しており人間の弟子をとったことがある。
スケルトン
声 - カラー版:二又一成
文字通り骨だけの怪物。テレビ番組に出て有名になることを夢見て人間界へ来た。
サルー酋長
地底に住む猿人たちの長。地底世界に迷い込んだヒロシを保護した。
カイシャーン
怪物ランドのカメラマン。怪物大王の命令で怪物くんの様子を見に来た。弟子は取らない主義であるが、必死に頼み込んできた人間のカメラマンを一時的に弟子にした。語尾に「~シャーン」をつけて話す。
ゴロニャーン
声 - カラー版: 滝口順平
ピンク色のペット怪獣。巨体だが人懐っこく泣き虫。猫が好きで仲間に入りたがっているが、怖がられて逃げられてしまう。ヒロシのアイデアで猫耳に見立てたリボンを着け、また猫達をいじめたキザオの犬を追い払った事で猫達に懐かれた。
風のマタクル三(かぜのマタクルゾウ)
声 - カラー版:北川智絵、白石冬美
風の怪物タイフーンの息子。基本的にはまさしく台風の目の姿であるが、人間体のときは目をイメージした顔に虎縞のパンツを履いた子供の姿。大事にしていた風の団扇をヒロシに出会って貸した際、ヒロシはうっかりマタクル三を扇ぎ飛ばしてしまい、団扇を盗られたと思い込んだ父親は暴風を起こし暴れた。
ドタマカチン
声 - モノクロ版:加藤精三、カラー版:笹岡繁蔵
岩石怪物。人間のプロレスに飛び入りし、優勝者を倒してベルトを奪う行為を繰り返した。体は無数の小石で組みあがっており、衝撃でバラバラになってもすぐ復元できるが、心臓(ハート型の石)にひびが入ると復元できない。
お化けヒラメ
ドラキュラが海岸で見つけた空飛ぶ巨大ヒラメ。保護色で隠れることができ、上に乗った者が知らずにこのヒラメを傷付けると絨毯が丸まる様に巻き込んで絞ってしまう。ドラキュラはこの釣果を自慢したかったが、屋敷で暴れて置けなくなったので魚拓を取った。
キングペンジン
ペンギンが進化して知性を持った怪物・ペンジンの王。南極観測や観光で住処が荒らされる事を抗議しに来日した。
カビーラ
声 - カラー版:木原正二郎
カビの怪物。初め小さな「カビのもと」の状態で歌子が買って来たケーキにくっついて怪物くんの腹に入り、彼の顔をカビだらけにした。吐き出された後に台所の湿気で成長、カビの巨人と化して暴れる。触れるとカビを移されるので手が出せなかったが、怪物くんはドライヤーに化けて乾いた風を吹きつけ、カビを枯らした。
セミラ
声 - カラー版:緒方賢一
巨大なセミの怪物で自称「セミの王」。人間がセミ取りに夢中になっていることに腹を立て逆に「人間採集」をはじめた。
疫病神
声 - カラー版:北村弘一
乗り移った者の元気を吸い取るという老人。骸骨の顔に、黒いマントをつけた男のような外見。
プカドン先生
怪物ランドの音楽家。鼻はラッパ、腹は太鼓、頭に鈴が付いている。音楽のセンスはいいが、歯軋りは別。
ピーコック
声 - カラー版:青野武
半人半孔雀。怪物ランドで有名なファッションデザイナー。オオカミ男の普段着を高く評価した。
マンモラス
声 - カラー版:和久井節緒
ネッシーの様な体形にマンモスの様な牙と体毛を持つ怪獣。大昔から根須湖の山向こうで静かに暮らしてきたが、偶然根須湖に迷い込んでしまい写真に取られてしまった。性格はおとなしくのんびり屋。
ドラン
声 - カラー版:井上和彦
マンモラスの仲間で根須湖に迷い込んだ彼を迎えに来た翼竜型の怪物。口からヘリコプターを分解することが出来る衝撃波を放つことが出来る。
ドクター・イエス
声 - カラー版:津村隆
ドクター・ノオと同じく怪物の医師だが、金のためなら何でもイエスと言うため同業者からは嫌われている。怪物ランドでは違法とされている人間への整形手術を売りにして金儲けを目論んだ。
ナンジャモンジャ
声 - カラー版:峰あつ子
落語好きの怪物。巨大な花びらがついており顔を覆うことで表情を変える顔芸を得意としており人間の落語家に弟子入りする。後に大スターとなるがそれを鼻にかけて高慢な態度をとったため怪物くんの怒りを買い花びらを全部むしられてしまう。
干し首男
南米アマゾンに住む怪物。半魚人からの紹介で怪物屋敷にやってきた。目に付くものならなんでも干し首にしようとする悪癖がある。
死神将軍
声 - カラー版:水鳥鉄夫
ドクロ顔の怪物。モンスター部隊を組織して人間界征服をもくろんだ。怪物くんを人質に取ろうとしたがあえなく失敗、ジラゴに踏み潰されたあげく怪物くんのパンチ1発でばらばらになってしまった。
アイスマン
声 - カラー版:徳丸完
氷柱型の怪物。元々北極に住んでおり東京見物のために来たが、暑さで苛ついて出会った人間や動物を凍らせて暴れまわった。
キョーダイゴン
声 - モノクロ版:富田耕吉、増岡弘  カラー版:広瀬正志、野島昭生
岩石状の身体に頭が2つある地底怪物。この2つの頭は兄弟だが仲が悪い。兄弟喧嘩の延長で暴れだしたが、怪物くんに身体を分離してもらい(カラーアニメでは角を折られ)仲直りした。
ハエ男
声 - カラー版:たてかべ和也
ハエの頭を持つ怪物。ハエを叩いた人間に報復し、コレラ、チフス、ペストの菌が混じった息を吐きかける。実は不潔な生活をしていた人間が変化したもので、消毒液を飲まされて元に戻る。
木人(きじん)ウドー
声 - モノクロ版:塩見竜介、カラー版:今西正男
森の王。伐採された他の木の仇を討つために、森に踏み込んだ人間に樹液をかけて木人に変える。怪物くんの足を樹液で木に変えるが、キツツキに顔を変えた怪物くんにつつかれ降参した。
ドタドン
声 - カラー版:宮村義人
豚人間の怪物。怪物お手伝い協会に所属する料理人で一時帰省しなくてはならなくなったオオカミ男の依頼で怪物屋敷にやってきた。料理の腕は一流で特にトンカツは絶品だったがその肉はなんと自分の腹の肉をくりぬいたものだった(カラーアニメではツケで高価な食材を購入し、大赤字を招いた)。
砂魔人
声 - モノクロ版:八奈見乗児、カラー版:
砂の怪物。姿を自在に変えることができ、またどんな隙間からでも自在に部屋に入り込むことができる。打撃技はまったく通用しないが石膏液をかけられて固められた。
蚊男モスキートマン
声 - カラー版:津村隆
半人半蚊。ドラキュラと同じように血を好むが、ドラキュラの血を吸ったときはなぜか腹痛を起こした。飛行能力も有しておりスピードはドラキュラを上回る。怪物くんに退治された後血液銀行に強盗に押し入った。
ネムール
声 - モノクロ版:神山卓三、カラー版
悪人の寝言と悪夢から生まれた怪物。体は相手を眠らせる眠りガスで出来ている。眠っている人に乗り移ることが出来る。
雪小僧
声 - カラー版:千々松幸子 
ヒマラヤ山脈の雪男と雪女の息子。顔の輪郭は雪の結晶、目鼻立ちは雪だるまに似ている。東京見物をしに家出してきた。
コンドル魔人
幼い頃から鳥に憧れ続けた男が変身した。鳥に味方すれば鳥の仲間に入れて貰えると考え、鳥をいじめた人間を攻撃する。
モンストロ
怪物保険の訪問員。死んだものを生き返らせるふろしきを持っている。最後に交通事故死するが、自身は保険に入っていなかった。
ウラニドン
天才少年のアトム博士(はくし)が開発した、ウラニウムに生えたカビが変異した怪物。一つ目の赤いキノコ雲の様な姿。アトム博士いわく「世界最強の怪物」。あらゆるエネルギーを吸収し、攻撃を受ければ受けるほど大きくなっていく。アトム博士の言うことだけ聞くが、調子に乗った博士が自衛隊演習場に持ち出したところ攻撃を受け過ぎて制御不能なほど巨大化してしまった。アトム博士に化け巨大化した怪物くんの命令で元に戻る。
ペラぺーラ
声 - カラー版:羽佐間道夫
3枚舌を持ち、目、手、足も3つずつある怪物。怪物俳優を自称するが今までに舞台やテレビに出たことは無いとのこと。怪物芝居コンクールの練習をしていた怪物くんたちの元へ半ば強引に参加する。怪子ちゃんの要望で「白雪姫」をやる事になったが、彼女と怪物くん(白雪姫と王子の役)に無断でアレンジし、その内容は観客の怪物達を怒らせてしまった。
ロドン
声 - カラー版:加藤修
怪物芸術家。怪物大王の像を作りその中に家族を住まわせていた。魂を込めた彫刻は命を持つという信念を持っており、実際に怪物大王の像の目も動いた。
ロダン
声 - カラー版:つかせのりこ
ロドンの息子。人間に姿を変えることがすることができ、ヒロシのクラスに転入してきた。父親と同じ信念を持っており、命を持ったオオカミ男の像を作ったが暴走させてしまった。
ゴーゴン
声 - カラー版:山田栄子
歌声は美しいが顔がひどく醜い女怪物。怪物としても醜すぎて彼氏が出来ない事を恨み、歌声で人を引き寄せて目から放つ化石光線で固まらせる(解除させるにはもう一度光線を浴びる必要がある)。怪物3人組を引き寄せて固まらせて蝋燭スタンドやソファー代わりにした。その後助けに来た怪物くんを固まらせ、さらに怪子ちゃんを固まらせようとしたがかわされてしまい大格闘戦になった。
爺や
声 - カラー版:槐柳二
怪物大王の執事を務める老怪物。小柄で青白い顔、白い口ヒゲに短い一本角といった風貌。ドラマ版では、ヒゲは生えておらず角が二本生えている。
イーグルマン
声 - カラー版: 飯塚昭三
ゴーリキ公爵家の使用人。逞しい体格の鳥人。
怪物王妃
声 - カラー版:
怪物くんの母親。怪物ランドの掟により怪物くんを産んでからずっと禁断の地といわれた「幻の園」で暮らしていた(立ち入りできるのは怪物大王のみ)。
怪物大王
声 - モノクロ版:高塔正康、カラー版:金井大
怪物くんの父親で怪物ランドの最高権力者。怪物そのものの巨大な体格と怖い顔の持ち主で怪物たちからは最も恐れられつつも厚く敬われている。怪物平和戦争を終結させ、その後も長らく自由と平和を守っている。近年では、宇宙怪獣による地球侵略を防ぐため尽力している藤子不二雄「宇宙怪獣を襲撃せよ」『新編集怪物くん』5巻、ブッキング、2002年、124頁。。息子同様に頑固で短気だが、寂しがり屋で子煩悩な所があり、怪物くんを呼び戻すために仮病を使うことがある。また、思いつきで「怪物オリンピック」の開催を決めるなど藤子不二雄「怪物ランドのオリンピック」『新編集怪物くん』4巻、ブッキング、2002年、4頁。、気まぐれな一面もある。目から放つ物体を溶かす閃光や生物石化能力、瞬間移動など様々な超能力を持つ。石化は大王の涙に含まれる成分で解ける。息子とはまったく異なる容姿だが、最終回で身体のある一部分のみは同じであると判明する。若い頃、日本の山奥にある『妖怪ランド』を留学生として訪れており、当時の学友だった妖怪大王とも親交がある。また、シーラカンスじいを「海の大統領」に任命し、海中の怪物たちに対する統治権を委任している藤子不二雄「大海底大探検」『新編集怪物くん』3巻、ブッキング、2002年、137頁。。笑い声は「ゲボハハハハ」。
ゴーリキ公爵 と ゴーリキ夫人
声 - カラー版:小林修, 北浜晴子
怪子ちゃんの両親。巨大な獣人型の怪物だが娘と違い温厚な性格。ゴーリキ家は怪物ランドで大王家に次ぐ貴族の家柄。

悪魔

怪物たちとは長年にわたって対立している種族。人間界へ混乱をもたらすことも多々ある。
デモキン
声 - カラー版:山田栄子
本名:プリンス・デモキン。悪魔ランドの王子。本来怪物族と悪魔族は敵対していたが、デモキンは怪物大王に呪いをかけた悪魔組織デモーニッシュの首謀者で父の悪魔王デーモンに一人反発し、悪魔ランドへ乗り込んで来た太郎を案内し呪いを解かせ、怪物大王を憎む父を改心させる。これを切っ掛けとして時々人間界へ遊びに来るようになるが、太郎以上の世間知らずのためによく騒動を起こす。学研発行の『トップラーン』にて、デモキンが主人公の漫画『プリンスデモキン』というスピンオフ作品が連載された。
ドラマ版では服装と設定が大幅に異なっており、ギャグ的な描写は皆無で純粋に冷酷非情な悪キャラに描かれている。最終回にて怪物くんとの一騎打ちに敗れるが、怪物くんによって説得された事である程度は改心したようで、自らが手をかけたデモリーナの亡骸を引き取り、必ず復活させる事を約束していた。
悪魔大王デーモン
声 - カラー版:塩見竜介
デモキンの父親ですべての悪魔の王。
サタン
声 - モノクロ版:内海賢二、カラー版:宮内幸平
グリムばあさんのかつての一番弟子だが、悪魔に魂を売って破門された。魔法塾を開いて人間の子供を生徒として勧誘するが、普通の人間に術を教える事は怪物憲法で禁止されており、サタンの本当の目的は魔王デーモンに子供の心臓を捧げることだった。怪物くんがサタンを攻撃するとデーモン像に捕われたヒロシもサタンと同じ目に遭うので手が出せなくなってしまうが、駆けつけたグリムばあさんの出した十字架に触れると塵となって滅びた(モノクロアニメではカエルに怯えて逃げ帰った)。
ミスターシャドウ
声 - モノクロ版:内海賢二、カラー版:辻村真人
デモーニッシュの幹部。元は影であり大悪魔によって実体となった。影を立体化させる能力がありさまざまな影を実体化させて挑んだ。
マジックペンシル
声 - カラー版:大木民夫
デモーニッシュの幹部。書いたものが実体化する鉛筆が武器で、怪物くんと怪物3人組の偽者を描いて戦わせて消耗したところを倒そうとしたが失敗した。
ミスタードール
声 - モノクロ版:内海賢二、 カラー版:大竹宏
デモーニッシュの幹部。人形を自由自在に操り犯罪を起こさせ、また攻撃すれば本人にダメージを与える人形を作ることが出来る。本体は腹話術の人形のような姿だが、それを欺くために人型サイズの人形を本体のように見せている。
シャボンアワール
声 - モノクロ版:富田耕吉、カラー版:加藤修
デモーニッシュの幹部。人間を閉じ込めて夢遊状態にするシャボン玉が武器でこれを使って人間のやる気をなくさせることが目的。シャボン玉は自身が持っている特殊な針でしか割ることができないが、それを怪物くんに奪われてしまい最後は自らがシャボン玉に閉じ込められてしまった。
メフィスト
声 - カラー版:吉田理保子
デモーニッシュの幹部。美少年に化けてヒロシのクラスに転校してきて、ヒロシにサタン帽を渡し自らの僕とするために契約書にサインを書かせた(ただし鉛筆で書かせたので怪物くんにあっさり消されてしまう)。サタン帽は目深にかぶることによって怪力を発揮できるようになり、また相手かまわず殴りたくなるという特性を持っている。最後は正気に戻ったヒロシに吹っ飛ばされた。
マダン
声 - カラー版:加藤修
怪物ハンター。怪物の殺し屋とも呼ばれている。その正体はデモーニッシュ所属の悪魔で、怪物くんが作った十字架に負けて倒された。
フータン
声 - モノクロ版:富田耕吉、 カラー版:上田敏也
デモーニッシュの幹部。熱帯魚店からピラニアを盗み出して改造を施してピラニア半魚人を作り出し人間を襲わせようとたくらんだ。
マスクフェレス
声 - カラー版:蟹江栄司
デモーニッシュの幹部。かぶると身も心もかぶった怪物となってしまう肉付きの面を売り、怪物の評判を落とそうとした。
ラ・クカラチャ
ゴキブリ使い。怪物くんの帽子の下が見たくて、ノイローゼになりそうな悪魔。

宇宙怪物

べラボー怪星人ベム(後述)や宇宙怪物スパイ組織BEMのように地球侵略をたくらむ怪物達が多く存在する一方、それ以外の目的の怪物も存在する。
ベラボー怪星人ベム
声 - モノクロ版:堀絢子、 カラー版:大竹宏、八代駿
怪物くんにとって最大のライバル。モノクロアニメ版ではベラボー星の王子という設定。地球を征服するため、ベラボー星から一つ目の円盤に乗って来た宇宙怪物。ハンプティ・ダンプティの様な卵型の胴と頭、一つ目にタコの漏斗状の鼻といった容姿。怪物くんに何度敗れても懲りずに現れる。
ウル・マッスル
声 - カラー版:
ソー星出身の宇宙怪物。宇宙旅行中に怪物屋敷を訪れ、丁度行われていた怪物運動会に飛び入り参加。普段は卵形の身体に短い手足と鈍重そうだが、念力で筋肉を状況に合った形態に変更できる。その能力でオオカミ男以上の走力、半魚人以上の泳力、フランケン以上の腕力を発揮して三冠に輝いた。
ビッグ・ハンド
声 - モノクロ版:大塚周夫
四本指の手の姿をした宇宙人。赤いボディに目が一つなのが特徴。警察に狙われているところを怪物くんに助けられ、最終的には自分の国へ帰った。
コスモキラー
怪物大王を暗殺しようとした宇宙怪物の殺し屋。仮の姿で騙し、怪物大王を倒そうとしたが、怪物くんによって倒された。
メーデル
コスモキラーの仮の姿。貝料理が好物(オオカミ男の嫌がらせで)。ヤドカリのような姿をしている。
アタマデン
声 - モノクロ版:中村正、 カラー版:田の中勇
頭が脳みそのようにでかい宇宙怪物。空き地で番野が見つけた。宿題が書いてあるノートを食べさせると、答えが出る。好物は、難しい本。超脳波を出して相手にショックを与えたり、他者に乗り移ったりできる。世界征服を企み怪物くんをも超脳波でノックアウトしたが、頭が空っぽのノンビラスには超脳波が素通りしてしまい、逆に踏み潰された。
ゴルゲン
声 - カラー版:玄田哲章
ケン星から武者修行のためにやってきた宇宙怪物。手から放つレーザーリングと胸から伸びるトゲ(ミサイル槍)が武器。ドラキュラやノンビラスなどを倒したが怪物くんに倒されて故郷へ帰った。
サボーラ
声 - カラー版:野本礼三
サボテン型の宇宙怪物。最初は手のひらに収まるほどの大きさだが短時間で急成長して人間大になる。緑がない都市を好み、人間を襲っては栄養分を吸収する。モノクロ版ではBEMの下級怪物の一人だったがなぜか出身はメキシコ。

コワイ山の妖怪

コワイ山とは、妖怪たちが住むという山。

三つ目小僧
声 - カラー版:
コワイ山で、怪物くんが始めてあった妖怪。怪物くんに三つ目を見せたが、怪物くんが彼より、目を多くしたため、三つ目小僧は怖がって逃げた。
大入道
声 - カラー版:
三つ目小僧は弟。ビンの中の巨人と対決するが、互角でどちらともKO。
唐傘
声 - カラー版:
大入道の相棒。大入道を迎えに来た。
化け狐の親子
声 - カラー版:
道に化けて、怪物くんたちを騙した。ビンの巨人のビンを壊してしまったため、巨人にボコボコにされた。息子は母のかたきをとるために、巨人に立ち向かった。巨人は、息子狐の根性に負けて、母を返した。
妖怪カニモドキ
声 - カラー版:
体も足も木でできているカニのような妖怪。オオカミ男を浚った。
餓鬼
声 - カラー版:
10年間も修行をしてた老人妖怪。好物は人間の子供。怪物くんにだまされて、貝オバケに食べられた。
おんぶおばけ
声 - カラー版:
体が石のように重い妖怪。女の子に化けることができる。
妖怪大王
声 - カラー版:
コワイ山の大王。昔怪物ランドに留学したことがあり怪物大王とも親交がある。

ヒロシの同級生たち

キザオ
声 - モノクロ版:堀絢子 、 カラー版:はせさん治
番野といつもつるんでいる。モノクロアニメでの本名は木佐キザオ。裕福な家庭らしく、いつも自慢している。
番野
声 - モノクロ版:肝付兼太、カラー版:山下啓介、鈴木清信
学校のガキ大将。通称:番長。モノクロアニメでの本名は番野長太。手下的な存在の男子が3人いる。キザオと共にヒロシに意地悪をするが、基本的に小心者である。怪物絡みでしばしば騒動を引き起こす。顔つきとスタイルはストーリーによって多少異なっている。
アコちゃん
声 - モノクロ版:恵比寿まさ子、 カラー版:潘恵子
優しくてしっかり者だが、時折気が強い所を見せる。ヒロシの憧れの女の子。
みっちゃん
本名:不詳。癖毛っぽいおさげ髪で、ややお転婆な女の子。『パーマン』に登場するみっちゃんとは無関係。
先生
声 - モノクロ版:大山豊、 カラー版:津村隆
ヒロシが通っている学校の先生。口先がとがっており、ヒゲがたてに生えている。

2つの最終回

『少年画報』『少年キング』の2誌での連載であり、最終回では「『怪物ランド』へと帰ってゆく」というアウトラインは共通であるが、それぞれ少しずつ異なる内容となっている。なお、『少年画報』版の最終回はモノクロページで始まり、物語の最終2ページが見開きでカラーとなる異例の演出が行われた。

少年キング版
カメラマン怪物「カメラ魔」に人間界の様子を事細かく撮らせる太郎。ヒロシは太郎が怪物ランドへ帰るのではないかと感じ始めた。アルバムを見せてもらったヒロシは、太郎が常に帽子を取らないことを不審に思い、帽子の下の正体を知りたがる。太郎がついに帽子を取って見せると、その下は禿げ頭。実はそれはかつらであり、太郎の頭には怪物大王と同じ2本の大きな触角があった。そして怪物ランドへと帰っていく。
少年画報版
ヒロシに別れを告げられず、屋敷に書き置きだけを残し怪物ランドへ帰る。そこで怪物大王からの王位継承、そして怪子を妃として迎え入れるという話が持ち上がる。父の命により、禁断の地である「幻の花園」へ婚約発表パーティで使う花を摘みに来る太郎。そこには大王の妃、つまり太郎の母の姿があった。怪物ランドには「王子が生まれた場合、妃はすぐに離れなくてはならず、彼が王位を正式に継承するまで別れて暮らす」という掟があったのである。

アニメ版2作目の最終回は、これらの原作を一つに組み合わせた内容となった。

書籍

「怪物くん」は当初『少年画報』や『週刊少年キング』など少年画報社の各誌に連載されたため、同社の「キングコミックス」に収録され、全10巻として発刊された。その後、『月刊コロコロコミック』や「小学館の学習雑誌」など小学館の各誌に連載されたことから、こちらは同社の「てんとう虫コミックス」に収録され、全13巻として発刊された。しかし、「キングコミックス」版、および、「てんとう虫コミックス」版は、どちらも絶版となっている。

その後、中央公論社が藤子不二雄の全集「藤子不二雄ランド」を発刊することになり、「キングコミックス」版と「てんとう虫コミックス」版の双方を収録した新編集「怪物くん」として全21巻に纏められた。「藤子不二雄ランド」は絶版となったものの、「復刊ドットコム」に復刊を望む声が多数集まったことから、ブッキングが新編集「怪物くん」を含む各作品を復刊させた。なお、藤子・F・不二雄からは復刊の許諾が得られなかったため、「藤子不二雄ランド」の中から藤子不二雄の作品を抽出し、「藤子不二雄ランド」と称して復刊された。

なお、少年画報社の各誌や小学館の各誌での連載時の名義は、「藤子不二雄」である。絶版となった「キングコミックス」版、「てんとう虫コミックス」版、「藤子不二雄ランド」版も、いずれも「藤子不二雄」名義であった。藤子・F・不二雄とのコンビ解消後は「藤子不二雄」名義となっており、「藤子不二雄ランド」版には「藤子不二雄」と表記されている。

=== 書誌情報 ===

  • 『怪物くん』少年画報社〈キングコミックス〉全10巻(絶版)
  • 『新 怪物くん』双葉社〈パワァコミックス〉全3巻(絶版)
  • 『怪物くん』小学館〈てんとう虫コミックス〉全13巻(絶版)
  • 『映画まんが怪物くん 怪物ランドへの招待』小学館〈カラーコミックス〉 全1巻(絶版)
  • 『怪物くん』小学館〈カラーコミックス〉全3巻(絶版)
  • 『怪物くん デーモンの剣』小学館〈カラーコミックス〉全1巻(絶版)
  • 『怪物くん』中央公論社〈藤子不二雄ランド〉新編集 全21巻(絶版)
  • 『怪物くん』中央公論社〈愛蔵版〉全2巻(絶版)
  • 『怪物くん』ブッキング〈藤子不二雄ランド〉全21巻
  • 『怪物くん』小学館〈ぴっかぴかコミックス〉
    1. 2005年4月発行 ISBN 409148171X
    2. 2005年6月1日発行 ISBN 4091481728
    3. 2005年7月1日発行 ISBN 4091481736
  • 小学館〈ぴっかぴかコミックススペシャル〉
    • 『怪物くん 怪物ランドへの招待』ISBN 4091480543(上記のカラーコミックスの復刻)
    • 『怪物くん デーモンの剣』ISBN 978 4091480576(上記のカラーコミックスの復刻)
  • 『怪物くん ベスト・セレクション 友情篇』小学館〈ビッグコミックスペシャル〉
  • 『怪物くん ベスト・セレクション 奮闘篇』小学館〈ビッグコミックスペシャル〉

アニメ

モノクロアニメ

TBS系にて、1968年4月21日 - 1969年3月23日に放送。15分2話構成で全48回96話放送当時、出来上がったフィルムが放送前に紛失してしまった回があり、未放映のエピソードがあった。紛失してしまったフィルムは後に発見され、1989年に『ギミア・ブレイク』の中で20年以上の時を経て放送された。。OPアニメは漫画のコマ割り仕立てになっている。映画評論家の淀川長治による、登場した怪物の解説及びエンディングのナレーションが行われた。

シナリオを担当した山崎敬之の著書によると、山崎が書いた最終回のシナリオに対して、原作者の藤子不二雄はOKをなかなか出さず、結局は最後のタイミングというべき日の早朝に、TBSのロビーを訪れてまで打ち合わせを行い、ようやくOKが出たというエピソードが残っている。山崎は「あとから思えば、これほど手ごわい原作者もいなかった」と語っている山崎敬之『テレビアニメ魂』講談社、2005年、55頁。。カラー制作のパイロット版も存在するという。

本編はしばらくソフト化されていなかった(OPはされていた)が、2010年10月、12月にDVD-BOX上下巻として本編全話が発売予定で、これが初ソフト化となる。下巻には劇場版2作も収録される予定。

スタッフ

  • 製作:東京ムービー、スタジオ・ゼロ、TBS
  • 監督:大隅正秋
  • 演出:鈴木伸一、大隅正秋、石黒昇、秦泉寺博、岡部英二 他
  • 作画:鈴木伸一、富永貞義、秦泉寺博、甲藤征史 他
  • 音楽:岡本道夫

主題歌

  • OP・ED1:「おれは怪物くんだ」
    • 作詞:藤子不二雄/作曲:筒美京平/歌:白石冬美、大竹宏、兼本新吾、今西正男
  • ED2:「怪物くん音頭」
    • 作詞:藤子不二雄/作曲:渡辺岳夫/歌:白石冬美、石川進
    • レコード:コロムビアレコード、朝日ソノラマ他
      • OPとEDでは、怪物くんとペコちゃん(声・斉藤尚子)が共演している。『不二家の時間』の藤子アニメ作品で、双方ともペコちゃんとの共演が見られるのは『怪物くん』のみ(『オバケのQ太郎』は双方とも散逸。『パーマン』はOPのみ散逸)。
      • OPは3バージョン有り、第2バージョンは第1バージョンのマイナーチェンジ版(タイトルが後方から出る。第1は漫画になってる絵の右上から)となっている。「東京ムービーアニメ主題歌全集」(ビデオソフト、LD)ではOP1・OP3・ED2のみが収録されていたが、今回のDVD化で全てのOP・EDが日の目を見た。

ネット局

TBS(キー局)-北海道放送、青森放送※、岩手放送(現・IBC岩手放送)、東北放送、秋田放送※、山形放送※、福島テレビ※、新潟放送、信越放送、山梨放送※、北日本放送※、北陸放送、福井放送※、静岡放送、中部日本放送、朝日放送(当時はTBS系列)、山陽放送、中国放送、山陰放送※、山口放送※、西日本放送※、四国放送※、南海放送※、高知放送※、RKB毎日放送、長崎放送、熊本放送、大分放送、宮崎放送、南日本放送、琉球放送

無印=同時ネット局 ※=時差ネット局

劇場版

1969年3月18日公開の『東映まんがまつり』内で、「砂魔人をやっつけろの巻」と「怪物くんとハニワ怪神の神」のブローアップ再編集版が上映された。

  • 併映は『長靴をはいた猫』『ひみつのアッコちゃん』『ひとりぼっち』『チャコとケンちゃん』の4本。
  • 東映系における東京ムービー作品の上映は、1965年12月25日公開の『オバケのQ太郎』以来であり、『東映まんがまつり』としては唯一にして最後(『オバQ』は『まんが大行進』内で上映)。この後、東京ムービー作品は『東宝チャンピオンまつり』内で上映される様になる。

カラーアニメ

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