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怪異いかさま博覧亭/小竹田貴弘

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著者: 小竹田貴弘
巻数: 5巻

小竹田貴弘の新刊
怪異いかさま博覧亭の新刊

最新刊『怪異いかさま博覧亭 5



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

Minemori_H いやー保存版ですな今回のタイムスクープハンター。人魚のミイラを見せられて信じちゃう沢嶋さんが可愛い。今回の放送で見せ物小屋(+近世の妖怪事情)に興味を持たれた方には小竹田貴弘さんの「怪異いかさま博覧亭」が超おすすめですよー。
asariyositotter RT @hadukinei: #好きなんだけどなかなか同士がいない漫画 【BREAK-AGE】【宇宙家族カールビンソン】【ぱら★いぞ】【すくらっぷぶっく】【究極超人あ~る】【怪異いかさま博覧亭】【P.A.】なるしまゆり【With!!】草川為【GAME*OVER】 ぇ、書き ...

怪異いかさま博覧亭の既刊

名前発売年月
怪異いかさま博覧亭 4 2009-11
怪異いかさま博覧亭 5 2010-08

怪異いかさま博覧亭』(かいいいかさまはくらんてい)は、小竹田貴弘による日本のギャグ漫画作品。『Comic REX』(一迅社)にて、2007年1月号から2010年7月号まで連載された。話数全四十二幕、単行本は全5巻。

概要

元々は『Comic REX』2006年2月号に載った読み切り(序幕としてコミックス1巻に収録されている)が人気を博し連載化したもの。主にゲーム系アンソロジーで執筆してきた作者にとっては初のオリジナル連載である。

内容は江戸・両国に店を構える貧乏見世物小屋「博覧亭」の住民が妖怪や怪異現象等を巡って珍騒動を起こすドタバタ漫画だが、人情的なシリアス要素なども織り交ぜられている。1820年代頃の江戸時代の江戸が舞台だが、ギャグ漫画ゆえか、時代考証はさほど厳密ではない。

なお、コミックスの余りページには作者による江戸時代の風俗や文化などの薀蓄が載せられている。1巻の後書きには安彦良和が一枚絵とコメントを、2巻の後書きには小池一夫がコメントを、3巻の後書きには山崎峰水が一枚絵とコメントを、4巻の後書きには美川べるのが一枚絵とコメントを、5巻の後書きにはG=ヒコロウが一枚絵とコメントをそれぞれ寄せている。

単行本5巻発行分をもっての『Comic REX』での打ち切りが決定しているが、その後作者のブログにて『電撃コミックジャパン』での連載再開が告知されている小竹田貴弘の生存を確認しました。 - 情報解禁になったので。

登場人物

メインキャラクター

榊(さかき)
主人公。博覧亭の若旦那。眼鏡をかけている。妖怪馬鹿で、妖怪ネタには目が無く、妖怪の知識も豊富。度が過ぎた妖怪馬鹿ゆえに「おどろおどろしいもの」以外は妖怪と思っていない。閑古鳥の鳴いている経営状況について柏によく責められるが、あまり気にしておらず柏には嘆かれている。着ている羽織は妖怪「小袖の手」が憑りついている(榊いわく便利なからくり細工)。珍品・古物の収集癖がある。蓮花の父親がやっていた「博覧亭」を親方の死後引き継いだ。博覧亭は親方が生きていた頃は10人近くの座員がいて繁盛していたが、親方の死と共に離散した。榊の妖怪馬鹿は、親方譲りのもの(英才教育の賜物)であり、その影響がもろ私生活から商売にまで出ている。髪は総白髪だが、これは子供の頃死にかけてなったものらしい。以来15年、髪の色は戻っていない(本人談)。甘い物と肉は嫌い。妖怪騒ぎが起こったとあれば飛んで行き、その度に居候を増やしている。柏曰く居場所を追われた者を気遣っており、自分たちが妖怪であることなども承知の上で気付かない振りをしているのではないかとのこと。蓮花より1つ年下の21歳(15歳の八手とは6歳違いらしい為)。彼の部屋は収集した古物達が付喪神となり住み着いており、懐かれている。榊曰く、自分が九十九髪(白髪)だから言霊の力で付喪神に懐かれるのではとのこと。元軽業師なので意外と握力が強く、軽業、手妻の類は一通りできる。空木曰く「珍奇な運命の持ち主」。
蓮花(れんげ)
ヒロイン。榊の幼馴染で貧乏絵師。瓦版の絵仕事をしている。博覧亭の看板等も描いており、その件で榊に金を貸している(榊が看板代を未払いの為)。貧乳であることを非常に気にしており、それに触れるものについては容赦なく制裁を加える。15の時に絵描きの修行で3年家を空けており、その際に博覧亭の親方であり、榊の雇い主でもあった父親を病で亡くしている。大食いで、修行中に江戸中の大食い大会を総なめにした経歴があり、妖怪として一時期瓦版をにぎわせた。ちなみに親方と榊は当時この妖怪が蓮花だとは知らず、捕まえようと江戸中を回った。博覧亭を継がず、絵の道に進んだ。ちなみの蓮花も榊同様に親方の英才教育によりでかなりの妖怪馬鹿だがそれをうまく絵の道に生かしているため榊ほど表立っていない。料理はまったくできない様子。また底なしの大酒飲みで、蓮華のことを知らずに酔わそうと下心丸出しで近づいて来た者が逆に餌食になっている(行きつけの飲み屋、蓮華の住む長屋連中はこの光景に慣れており、協力して上手く誤魔化しながら処理している)。推定年齢は、榊より1つ年上かつ杉忠より1つ年下の22歳。
柏(かしわ)
博覧亭の番頭を務める少年。正体は妖怪「そろばん小僧」で、そろばんを大量に出せる。元地縛霊。客入りの悪い博覧亭の経営に気苦労が絶えない。経営に苦労しているためか守銭奴な所があるが、あくまで博覧亭としての収益に対してであって金銭自体にはさほど執着していない(博覧亭の台所事情は榊の貸本と蓬と八手の傘貼り内職で十分成り立っている)。榊と共に親方が生きていた頃からの座員。こちらも榊同様に親方の英才教育によりかなりの妖怪馬鹿だがそれをうまく隠す賢さを手に入れたため榊ほど表立っていない。蓬から恋文を貰ってからは少し蓬に好意を寄せている。
蓬(よもぎ)
博覧亭の家事担当。正体は妖怪「ろくろ首」。大人しく、少々天然ボケ気味な性格。3年ほど前に抜け首の父親から虐待を受けていた所を榊に拾われ、以後博覧亭に住み着いている。本物の妖怪なのだが、榊は「首が伸びる体質(身体的特徴)」と言い切っていて妖怪であることを理解していない(ただし、榊は初対面の際に、彼女のろくろ首の証である首の赤い横筋を見ており、父親にもそれを指摘していた為、承知の上で気付かない振りをしている可能性もある)。そのため本人も妖怪の自覚が薄れてきている。博覧亭に来た当初は部屋の隅で膝を抱えて寝ていたが、今は皆と一緒に寝ている。博覧亭に来てからは語尾を伸ばすしゃべり方をするようになった(蓬曰く「ここにある幸せを噛み締めるため」である)。野良をよく拾ってくるらしく、見事に調教されており、点呼の時には軍隊のようにキッチリ整列している。そのためか、一部の動物達から「恩返し」の対象になっている(中にはいやらしい恩返しをしようとしていた者もおり、榊や柏に阻止されている)。箒オタクな一面がある。
八手(やつで)
最近に入ってきた新入りの忍者娘。巨乳。怖がりで妖怪ネタは苦手。棒手裏剣の達人。傘張りをして博覧亭の家計を手伝っている。ペットに獺のゴマ(冗談半分に非常食として見られている)を飼っている。4年前に生まれ故郷をなくし、追っ手から逃げていた途中で鎌鼬騒ぎを起こし、真犯人を捕らえに来た榊と出会い、拾われたが、最近は追っ手のこともすっかり忘れてゆるんでしまっている。天然のドジっ子、レベルアップしてダメッ娘。15歳。

四ツ目屋

杉忠(すぎただ)
榊の親友で悪友。推定年齢は23歳ほど。四ツ目屋(いわゆる江戸時代のアダルトグッズショップ)で商品開発と抜け荷を担当している。坊主頭で筋肉質(坊主なのはある理由の為に髪を剃っているだけ)。榊には助平ハゲ呼ばわりされており、その通りかなりの助平。下なことに関する勘は外れたことが無いと豪語する。昔、瀕死で倒れていた榊を見つけ運んだのは彼である。腹部を縫うほどの重症だったらしく、彼の師匠が治療した(その師匠は老衰で大往生したとのこと)。当時は何かと榊の世話を焼いていた。妖怪はおろか瑞獣である麒麟まで薬の材料にしようとする、榊曰くバチ当たり。女子供や友人の涙には弱い。
柊(ひいらぎ)
四ツ目屋の住人。杉忠を「杉忠様」と呼んでいる。美人で巨乳。作者曰く江戸のMVP(モスト・ヴァリアブル・ポユン)。常に目を瞑っているが、帳面を見ていることが多い為、見えないわけではない様子。露出が多い。

玄能寺

空木(うつぎ)
おかっぱ髪の尼僧。同じく尼僧の石蕗と共に寺に住んでいる。酒飲みで自堕落な石蕗に対して厳しい。石蕗が問題を起こすたびに鞭打ち・言葉責め・放置プレイできつく折檻する、札に封印した悪霊達に鞭を振るってなじり弄ぶ、商売繁盛の札を作り売るも、その利益が全て自分の元へ来るように仕込むなど、可愛らしい外見とは裏腹に腹黒かつ凶悪。
石蕗(つわぶき)
尼僧。酒飲みで自堕落な性格。酒代の為にインチキな札を売ったり、空木のお色気な絵が描かれた札を売るなどしてよく空木に折檻されている。何度折檻されても懲りる様子はない。巨乳。

両国の面々

苺(いちご)
ある見世物小屋の看板娘。蛇女を演じている。第六幕から登場していたが第二十八幕まで一度も名前で呼ばれていなかった。弟分の手長には「姐さん」と呼ばれている。ある神社の巫女であったが変なしきたりが多い為、七面倒になり家出した。芸達者な所を生業として今に至る。常に連れ添ってる一反木綿のいっちゃんは自分がいた神社の御神体。巨乳。
茜(あかね)
苺の妹。苺より10歳意年下。苺が家出した後に神社の一切合切を受け継ぐ事になってしまった為、苺を恨んでいた。しかし神社を出たのは、実は苺の姉心から出した行動と聞き、和解し仲直りする。その後は両国に住み、苺と共に見世物小屋で蛇女を演じている。赤い一反木綿の朽葉と常に行動している。さらに10歳年下の弟がおり、神社のしきたりの全てを弟に任せている。微乳。
手長(てなが)・足長(あしなが)
苺と同じ見世物小屋の座員の兄弟。両者とも本名は現時点では不明。手長は腕、足長は脚が長いのが特徴であるが、歴とした人間(ちなみに、本編登場数は手長の方が多い)。
手長は杉忠と仲がいい。足長は脚を生かし、飛脚を副業としている。
軽業師の青年
軽業を生業としている長髪の青年。第一幕から登場しているが、本名は現時点では不明。意外に本編に登場している。八手の投擲術の腕に見惚れ、スカウトしようとした事がある。
大力芸兄弟
「怪力くらべ」を生業としている兄弟。両者とも本名は現時点では不明。背丈の小さい方が兄だが、大人顔負けの怪力を持つ。

妖怪

小袖の手(こそでのて)
序幕から登場している妖怪で榊の着ている羽織がこの妖怪の本体。常に筆談にて会話をする。袖から出る数本の腕は伸ばす事が出来、八手の棒手裏剣を受け止めたり相手を絡め取るなど、極めて有能。榊とは浅はかならぬ因縁を持つ。
閑古鳥(かんこどり)
序幕から登場している妖怪(かどうかは不明)。連載初期と後期で大きく容姿が変わっている。
貧乏神(びんぼうがみ)
第一幕に登場した妖怪。一般的に知られている貧乏神の容姿とは裏腹に、筋肉質で暑苦しい。
狢(むじな)
第十幕に登場した妖怪。出遭ったのは6年前であり、当時は人間の姿で蕎麦屋の主人をしていた。「のっぺら坊」の怪異の張本人で、杉忠に薬の材料の調達の為に捕まりそうになった所を榊の説得により命を救われる。以降は杉忠邸にて暮らしている。命の恩人の榊を慕っており、「榊様」と呼んでいる。
河太郎(かわたろう)
第十一幕に登場した妖怪。正体は見ての通り河童である。潜水夫を営んでいるがよく足をつっている。

付喪神

八咫(やた)
熊野の起請文の付喪神。起請文を核に複数の烏の集まりから成る。遊女の朝霧の部屋で動くことはおろか死ぬことも出来ず追いつめられていたところを榊に救われた。その後ほとんどの烏は熊野に帰ったが、数羽が榊のもとに残り、榊から名前を貰い現在に至る。
榊には敬慕以上の気持ちを抱いているようで、杉忠から「人の女」呼ばわりされたときは榊の恋人と解釈し赤面した。また嫉妬深い一面もあり、玉兎と張り合って自らにも寵愛を求めたり、予想以上に榊に懐いたトラツグミの霊に対し縄張り主張をしたこともある。
五徳猫(ごとくねこ)
五徳の付喪神。榊の付喪神の中では古参。元々は猫又たちをまとめるリーダー的存在であったが、ある出来事から博覧亭に居着くようになる。ツンデレ。
靴(かのくつ)
靴の付喪神。狐の姿をしており、頭に靴を被って陰陽師風の服を着ている。詩を書くのが好き。
鳴釜(なりがま)
釜の付喪神。頭部は釜でこの状態でもきちんと目は見えている(目は釜の方に存在していると思われる)。肉球は触ると気持ちいいらしい。
玉兎イ捌號東照宮八郎定宗(ぎょくとイはちごうとうしょうぐうはちろうさだむね)
楊弓屋の景品として手に入れた蓬の高級座敷箒の付喪神。自称の名は「さだ」であるが、榊たちからは「玉兎」と呼ばれる。蓬を主人として慕い、毎年十五夜に蓬相手に猥褻行為を企むが、その都度榊や柏に妨害され計画は全て未遂に終わっている。

脚注

単行本

REX COMICSより、全5巻。

  1. 2007年7月9日発売 ISBN 978-4758060622
  2. 2008年3月8日発売 ISBN 978-4758060875
  3. 2008年12月9日発売 ISBN 978-4758061230
  4. 2009年11月9日発売 ISBN 978-4758061735
  5. 2010年8月9日発売 ISBN 978-4758062008

関連項目

  • 江戸時代
  • 日本の妖怪一覧