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新ナース・ステーション/島津郷子

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著者: 島津郷子
巻数: 2巻

島津郷子の新刊
新ナース・ステーションの新刊

最新刊『新ナース・ステーション 2


出版社: 集英社
シリーズ: クイーンズコミックス


新ナース・ステーションの既刊

名前発売年月
新ナース・ステーション 1 2001-11
新ナース・ステーション 2 2002-03

ナース・ステーション』は、島津郷子による日本の漫画作品。

概要

『YOU』(集英社)にて連載された。単行本は全20巻、文庫版全12巻。ナース(看護婦)を題とした漫画。大学病院のに勤務する看護婦達が、生と死が交差する病院で、悩み、苦しみながら成長していく姿を描いた。

登場人物

西里大学病院看護婦

主要メンバー

中山桂子
主人公。西里大学病院の外科に勤務する看護婦。松山出身。地元の松山看護専門学校を卒業後、中学時代に父親を亡くして以来、過干渉の傾向にある母親から逃避する意味も含め、上京し、現在の職場に就職する。感情を表に出すことなく、淡々と仕事をこなすが、仕事自体は非常に優秀で、患者、同僚からの信頼も高い。自身の恋愛については、基本的に運命論者で、「いつかきっと自分とめぐりあう誰かがこの世におり、今まだめぐりあわないのはその時機ではないから」と思っている。入院患者・村上連二郎の息子で、ニューヨーク在住の建築プロデューサー・慎二郎と知り合い、恋に落ちるが、長きにわたる遠距離恋愛、看護婦職への執着などで、最終的に別れることを選択する。その後、病院の取材を通して知り合った、カメラマン・竹沢裕哉と交際する事になるが、裕哉は、出会った時にすでに不治の病であった為、短期間で死別することに。裕哉との死別の後、情緒不安定になるが、職場の同僚や実家の知人等に助けられ、どうにか立ち直る。物語の終盤では、多年にわたる仕事ぶりが評価され、主任に昇進する(過去、赤坂晴子の前任者・有森主任の内科への転出の際にも候補に挙がったが、その時は辞退している)。
渡辺淳子
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。桂子の同期。福岡出身。桂子とは、西里大学病院の看護婦寮でルームメイトになって以来の仲で、お互いに認め合った親友同士。口が多少キツく、後輩看護婦から恐れられる面もあるが、仕事は安定してこなしている。物語後半、RN(登録看護婦)を目指し、アメリカに留学するが、物語の終盤では、帰国、及び西里大学病院への復帰を予告する連絡を桂子にしている。アメリカ留学前、送別の意味も込め、桂子と2人で訪れた温泉地で偶然遭遇した、元入院患者・井沢からのアプローチに交際を開始するが、留学後も関係が継続しているかは不明。 
赤坂晴子
西里大学病院の外科看護主任。前任者の有森の内科転出に伴い、後任としてCCU(冠状動脈疾患集中治療病棟)から外科に転属してきた。患者(特に高齢者)からの人気は絶大であるが、プライベートでは男性との交際を経験すること無く年齢を重ね、37歳まで処女を通す。従姉妹・ナオミの紹介で、ナオミの会社の同僚・服部と知り合い、言い寄られる形で交際を始めるが、次第に服部の本性に気づき、破局を迎える。物語終盤、外科看護婦長に昇進する(晴子の昇進に伴い、桂子が主任に昇進する)。恋人である竹沢裕哉の死を看取り帰国した桂子を成田空港まで迎えに行くなど、桂子の良き理解者であり、先輩である。
芹沢渉
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。当初は、ケア方法、勤務態度をめぐり、患者からのクレーム、同僚看護婦から注意を受けても、反省せずに受け流すなど、浮いた存在だったが、心配を掛け続けてきた父親の死、その際の桂子のサポートなどで、看護婦としての態度を改め、仕事に打ち込むようになる。父親の死で天涯孤独の身の上となったが、入院してきた別所拓海と、あまりの第一印象のひどさから、当初はいがみ合うも、周囲に壁を作る拓海を気にかけているうちに好意を持つようになり、拓海の退院後に交際を始め、結婚を前提に同棲するまでになる。性格は、非常に勝ち気だが、反面非常に泣き上戸でもあり、感情が起伏するたびごとに涙を流している。退院する拓海から感謝の言葉を述べられた際、退院後、渉の誕生日にナース・ステーションを訪れた拓海から花束を贈られた際、拓海からプロポーズされた際など、自身に関係する場面は言うに及ばず、拓海と、疎遠だった拓海の父親との交流の際にも涙を流している。ちなみに、淳子のアメリカ留学時の送別会の際には、明石まりと2人で号泣していた。
明石まり
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。岩手出身。要領が悪く、ミスも多いが、そこが患者に受け、フォローされている稀有の存在。あまりのミスの多さに、当初は淳子からも目をつけられ、ICU(集中治療部)から転属してきた千堂ゆかりの注意の標的にされたことも。恋愛経験に乏しく、患者からの感謝の気持ちを、恋愛感情の表れと錯覚してしまうことが多い。手芸が趣味で、同僚のぬいぐるみを作り、プレゼントしたりする。1年後輩の渉とは、当初は渉にいいように便利屋使いされていたが、それでも渉の境遇に対して気にかけ続けるなどして、改心した後の渉とは良いコンビとなる。渉に負けず劣らず涙もろく、夜勤時ナース・ステーションの休憩所で見ていたテレビの感動的なシーンで、渉とともに泣き出してしまい、その後、お互いの泣き顔を見合って笑いあうことも。
浜名里美
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。まりの同期で、まりと違い、看護婦としての仕事は着実にこなす。正義感も強いが、反面、看護婦としてある意味必要不可欠である、真実を自らの中にとどめておく事が苦手で、患者に嘘をつくことを嫌がり、医師の承諾を得ることなく癌患者・秋永乃里子に病状を告知してしまい、桂子他同僚看護婦に注意を受けることに。本人も乃里子に告知したことを悔やんでおり、乃里子の死後、死化粧を施す際に涙ながらに陳謝することに。
千堂ゆかり
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。ICUから転属してきた。元々看護婦を目指すきっかけは、早くに亡くなった実母の担当看護婦にあこがれたからで、看護婦を目指すと決めた際には、その看護婦を訪れて決意を述べている。看護婦としては非常に優秀で、そのケア、的確な判断は誰しもが認めるが、自分の気持ちを素直に表現するのが苦手で、それに加えて、ICU時代と比べて緊張感の無い(とゆかりが判断している)外科の雰囲気に納得がいかない。その為、同僚看護婦ともいさかいを起こすことも多く、正論を通そうとするあまり、淳子とたびたび対立し、とっくみあいの喧嘩をしたこともある。桂子に対しても、当初はその看護姿勢に懐疑的であったが、ゆかりのICU時代の知人・相田利恵の入院に伴い、様々なフォローをしてもらうことで、桂子に対しては一目を置くようになった。ICUからの移籍当初は徒党を組む動きを見せたが、その後は基本的に一匹狼的存在を貫く。容貌は、桂子も認める美人で、身なりについて本人もかなり気を使っているが、化粧の匂いがキツイとのクレームを一部患者からもらったことも。
魚住里加
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。高校時代からの恋人・神坂和史とのなれ合うような付き合いに思い悩み、いったんは別れを決意するが、妊娠や先輩看護婦・菅野のアドバイスを契機に和解し、結婚。結婚後も看護婦を続け、無事男の子を出産する。
花咲千代美
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。他の看護婦と交わることのない非常に孤立した存在。複雑な家庭環境、幼少期の体験などを背景に、なぜか同僚看護婦の中で、ほぼ唯一千代美を攻撃することのなかった桂子を目の敵にするが、後に、桂子や、同僚・玉木との交流、患者とのふれあいなどを通して精神的に成長し、心を開く。後に内科に転属し、同時に自活(一人暮らし)の道を選ぶ。外科勤務時代の患者・小暮幹也とは、一時期半同棲状態になり、結果的に別れることにするが、復縁を迫る小暮に襲われそうになることも。
玉城
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。千代美の同期。病院内の医師・片岡との不倫など、男性関係を噂されることもあり、多少浮いた存在。同期の千代美とはソリが合わず、揉めることも多々あったが、後に和解。物語終盤では、一人暮らしを始めた千代美のアパートに立ち寄るまでになり、元入院患者で、元半同棲相手・小暮幹也に襲われそうになった千代美の危機を救うことも。

物語前半に登場する看護婦

有森
西里大学病院の外科看護主任。プライマリ・ナースを目指し、内科に転出。入院患者・酒井に、親身のケア等を感謝され、プロポーズを受ける。酒井に前妻との子供がいる件、上記転出の件等もあり、いったんは断るものの、桂子のアドバイスもあり、後に受諾、結婚する。転出の際に、後任の主任に桂子を推薦する。
椎名晶子
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。既婚者で、夫・利彦と、一人娘・玖美の3人暮らし。結婚、育児、育児の際から兆候のあった乳がん治療によるブランクを経て復帰した。ブランクを取り戻すためもあるが、非常に勉強熱心で、その気配りは初対面の患者からも驚かれるくらいである。初期の乳がんで、手術をためらう患者・大石妙子に自分の患部を見せ説得するなど、患者に対する思いも人一倍。

物語後半に登場する看護婦

仁科
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。主任となって以降、桂子が持つ初めての部下。臨床実習も西里大学病院で経験し、その際に桂子を知る。桂子に付いて行った重度の床ずれ患者のケアで失神し、治療に向かう車イス患者のサポートにも事欠くなど、精神的、肉体的にも、看護婦としてまだまだ未熟。
国分
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。主任となって以降、桂子が持つ初めての部下。仁科、林和枝と同期。女性にしては立派な体格の持主。ダイエットに挑戦していたが断念、最後には割り切って旺盛な食欲を発揮している。仁科に比較して体力、看護婦としての精神力ともに優れており、要所要所で仁科をフォローする。
林和枝
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。主任となって以降、桂子が持つ初めての部下。小学生低学年の娘・亜依を持つ、未婚の母。欠勤、遅刻などはあるものの、勤務自体はそつなくこなしているが、亜依の養育と仕事の両立に悩みを抱えている。

西里大学病院看護婦(一話のみ)

佐野裕子
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。福島出身。勤務年数が3年を超え、看護婦としての岐路を迎え思い悩んでいた際に接近してきた、研修医・高石と交際するが、高石の院長令嬢との婚約成立に伴い別れを切り出され、ショックのあまり、西里病院を退職し、その足で向かった高石の部屋で睡眠薬を服用して自殺を図る。幸い命を取り留め、入院中に受けた看護婦のケアに、看護婦を目指した当時の思いを蘇らせ、実家に戻って看護婦を再開することを決意する。
立花苑子
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。裕福な家庭に育つ、人と多少感覚のズレた、お嬢様。両親の主治医の息子で本人も医師である日下と結婚。披露宴の際、苑子の思い入れのある入院患者に言及した晴子の祝辞に涙する。白衣の天使を夢見て看護婦になったこともあってか、披露宴での新郎新婦の入場では、白衣で登場する。
大場幸子
西里大学病院の外科に勤務する看護婦。内科から転属してきた。内科勤務時代の入院患者・恒夫に見初められ、退院後、熱烈なアプローチを受け結婚するが、結婚後は、人の愛し方を知らない恒夫のドメスティックバイオレンスに悩まされ、ある晩、ふるわれた暴力が元で頭部を強く打ちつけて意識を失い、救急病院に運ばれる羽目に陥る。程なく意識は回復し、事の重大さ、更には幸子の存在の重大さを再認識した恒夫も改心を誓うが、耐えられなくなった幸子は、しばらく別居し、実家に帰ることを決断する。幸子自身、恒夫への思いは残っての決断であり、見送りを拒否したにも関わらず、出発間際に現れた恒夫を見て涙することになる。

その他関係者

桂子の恋人他

高杉
松山看護専門学校在籍時の桂子の臨床実習先の入院患者。不治の病である急性リンパ性白血病を病み、寛解と再発を繰り返す。桂子の初恋の相手で、高杉自身も桂子に好意を持つ。実習終了後の桂子と再会を果たすため、危篤状態の身体で桂子の通う専門学校を訪れ、フェリー乗り場でつかの間の時を共に過ごし、唇を交わした後、息を引き取る。27歳。
村上慎二郎
建築プロデューサー。桂子の恋人。ニューヨーク在住。実家の建築会社の跡継ぎになることを嫌い、勘当された後、ニューヨークに渡る。父連二郎の入院先である、西里大学病院で桂子と知り合い、遠距離交際することになるが、住む世界の違い、ロージィの存在などで結局、破局を迎える。
ロージィ・アンダーソン
慎二郎の秘書。中学時代に、叔父の紹介で渡米直後の慎二郎と知り合う。知り合った当初より気になる存在であった慎二郎に近づくため、卒業後慎二郎の秘書になり、後に公私ともにパートナー的存在になる。物語後半、慎二郎の招待で渡米してきた桂子に表面上では友好的に、しかし強烈なライバル意識を燃やす。実はロージィの叔父は、慎二郎の米国でのビジネス上の恩人であり、自分は恩人の姪であるがゆえに慎二郎にパートナーとして迎えられたのでは、という負い目を感じていた。
竹沢裕哉
カメラマン。慎一郎と別れた後の桂子の恋人。看護婦の取材で西里大学病院を訪れ、そこで桂子と出会い、交際することになる。出会った時、すでに不治の病に冒されており、終の棲家を20代で訪れたジャマイカに求め、最後の時を桂子と過ごした後、同地で亡くなる。

桂子の実家関係

遠野達生
松山市にある高砂第一病院長の息子で、同病院に勤務する医師。桂子の母親の主治医。桂子とは、当初見合いの話があり、実現することはなかったが、自身の勤務先の病院に入院した桂子の母親の主治医となることで接近することに。その後桂子に何度かアプローチするが、結局失敗に終わる。物語終盤、女性医師・真野絢子(まやじゅんこ)と見合いをする。桂子の存在を気にした絢子からいったん交際を断られるも、桂子の後押しで復縁する。高校は桂子と同窓だが、在学中に面識はなかった(桂子の3学年上で入れ違い)。
戸辺みどり
松山市にある高砂第一病院に勤務する看護婦。桂子、千里の高校時代からの友人で、共に松山看護専門学校に進む。専門学校1年の秋祭りの際、高校時代から好意を寄せていた元同級生・神坂に告白し、交際を始める。ほどなく神坂の子供を身ごもった事に気づくが、神坂の思いが桂子にあることを知り、自暴自棄になり、自殺を図る。一命は留めるも、看護に対する情熱を失い、学校も退学し、桂子、千里との関係も途絶える。その後しばらくは精神的・肉体的に病み、入院を繰り返すが、入院時に受けた、桂子と似た印象を持つ新米看護婦の懸命のケアなどで、看護婦に対する思いを蘇らせ、24歳にして看護学校に再入学し、卒業後、現在の職場に就職するに至る。桂子とは、桂子が上京後初の帰省(9年ぶり)に再会を果たし、友情を復活させる。神坂とは、上記桂子との再会の2年前より同棲を始めており、後に結婚する。
千里
桂子、みどりの高校時代からの友人。子供好きで、小児科の看護婦を目指し、桂子達と同じく、松山看護専門学校に進むが、臨床実習の際に遭遇した子供の死にショックを受け、看護婦の道を断念する。進路を保母に変え、資格取得までには至るが、同時期に知り合った男性と結婚し、家庭に収まる。桂子が上京後初の帰省で再会した際、2児の母となっている。

西里大学病院入院患者他

秋永乃里子
西里大学病院外科の入院患者。十二指腸潰瘍の名目で入院するが、実は悪性腫瘍を患っていた。勤務先の先輩、川原和人と婚約中であったが、病状の悪化に伴い式場はキャンセルするも、周囲の励ましで病院内で和人と式を挙げる。挙式後、いったん帰宅を許されるが、ほどなく再度入院。闘病むなしく23歳を前にして亡くなる。
小池美春
西里大学病院外科の入院患者・定子の娘。定子とは、子供のころに生き別れ、その後は一度も会うことなく育つ。西里に入院した時点で定子は末期の直腸がんであり、死ぬ前に美春に会いたいとの要望を受けた桂子の捜索により、出会う直前まで至るが、結局再会までは果たせずに終わる。定子の死後、遺物を桂子から渡され、定子が、生き別れて以降、毎年自分に対してプレゼントを用意してきたことを知り、定子をしのぶ。桂子の捜索当時は水商売をしていたが、その後更生。就職先の会社社長・水谷知也とできちゃった結婚し、西里大学病院で出産する。出産後、同様に母親との縁の薄い渉に、自分の経験、思いを話して聞かせる。
谷村有紀
西里大学病院外科の入院患者。コギャル。援助交際の結果、子宮外妊娠してしまい、西里大学病院に運ばれてくる。元々自分から進んで援助交際を始めたわけではないが、無意識のうちに感じているさみしさや精神的な渇きからくる心の空洞、疎外感への恐怖などから援助交際をしていた模様。親に対しても含め、周囲に気を使うあまり、平気を装っていたが、口うるさい入院患者の中傷に深く傷付き、病院から逃げ出す。元々、押し付けがましいことを口にしない桂子に対しては心を開いており、逃げ出した際も、迎えにきた桂子に感情を吐露した後、付き添われるように病院に戻る。同時期、外科に入院していた大学生・反川と交流することで、今までの自分とは異なる価値観を持つ反川に淡い好意を覚え、将来に対する新しい夢を見定めはじめる。
別所拓海
西里大学病院外科の入院患者。潰瘍性大腸炎を病み、西里大学病院に入院する。非常に美形だが、当初は他の入院患者となじもうとせず、浮いた存在に。出会いの際の印象から、渉と非常に相性が悪かったが、後に彼女の思いを知り、交際することになり、後には同棲をするまでに至る。元々、義理の母親との相性が悪く、それを見て見ぬふりをしていた父親に対しても不信感を抱き、高校1年で家を飛び出して以来、母方の祖母と生活をしていた。その後、祖母の死に伴い、当時交際のあった女性と同棲をするに至ったが、病気の症状を誤解した同棲相手に姿をくらまされるなど、人生に対して屈折した思いを持っており、それが他の入院患者となじもうとしない主な原因だった。父親とは、家を飛び出して以来10年以上音信不通状態だったが、自身の病気をめぐる父親との再会や、渉の橋渡し等で徐々に関係を修復していく。