新・仮面ライダー/石ノ森章太郎 すがやみつる絵
石ノ森章太郎の新刊
すがやみつる絵の新刊
新・仮面ライダーの新刊
最新刊『新・仮面ライダー』
『新・仮面ライダー』(しんかめんライダー)は、すがやみつるによる日本の漫画作品。原作は石ノ森章太郎。特撮作品『仮面ライダー』のコミカライズであり、秋田書店の『冒険王』に連載された。
本項では、同一期にシリーズとして連載された『新・仮面ライダー』から『仮面ライダーストロンガー』までの5作を、下記の双葉社版コミックス、
- 『新・仮面ライダー』ISBN 4-575-93558-1
- 『仮面ライダーV3』ISBN 4-575-93559-X
- 『仮面ライダーX』ISBN 4-575-93615-4
- 『仮面ライダーアマゾン』ISBN 4-575-93622-7
- 『仮面ライダーストロンガー』ISBN 4-575-93610-3
講談社の『テレビマガジン』版(『仮面ライダー』、『仮面ライダーV3』、『仮面ライダーX』)、ミリオン出版より刊行され、双葉社版における未収録分を収録した
- 『冒険王ver. 完全版 新・仮面ライダー 哀哭編 1号、2号、V3 』ISBN-10: 4813020410,ISBN-13: 978-4813020417
- 『冒険王ver. 完全版 新・仮面ライダー 怒濤編 1号、2号、V3、ライダーマン 』ISBN-10: 4813020453,ISBN-13: 978-4813020455
のほか、すがやが執筆した『仮面ライダー』シリーズの漫画全般についても説明する。
すがやの執筆周辺のこぼれ話の出典はすべて、すがやみつる公式ブログによる。
共通項
すがや版(双葉社版、『完全版』版)に共通する部分は、以下の通り。
- ゲルショッカー壊滅の直後に、デストロンが活動を開始する。
- 1号・2号と相打ちになるのが、テレビバエ(テレビ版はカメバズーカ)。
テレビマガジン
執筆の周辺
細井雄二と、一時的に無職のためパチプロで日々の生活をしのいでいたすがやは、かつて同人サークル「墨汁三滴」に参加しており、当時の仲間だった女性が石森プロで働いている縁から、1971年秋頃に彼女からの緊急呼び出しを受ける。「『怪傑ハリマオ』の再版をするが原稿が紛失しているため、『週刊少年マガジン』の掲載分からトレスして原稿を作り直す作業が必要で、人手が欲しい」と言われ、他の新人漫画家と共に石森プロでこれを担当した。
次いで「墨汁三滴で丸っこい絵を描いていた」という理由で、すがやは『さるとびエッちゃん』のキャラクター商品の絵の仕事を担当する事になった。当時描いた絵はまだ全て石森のチェックを受け、石森がデッサンなどに修正をする事も多かった。
この仕事を始めた直後に「テレビマガジン」が創刊、『ライダー』の漫画を毎月14-18ページほど描く必要が発生したが、『エッちゃん』をはじめ、すがやが描いた絵が石森に似ていたので「だったら『ライダー』も描いてみるか?」と石森が思い『テレビマガジン版 仮面ライダーV3』230頁、すがやに指名がかかった。すがやは石森プロでは自他と共に「絵が下手」で通っていたので不安だったが、石森は「描き続ければうまくなるし結果もついてくる。チャンスだと思ってやってみろ」と言った。またこの時、漫画版のストーリーはテレビと同じにするという暗黙の了解があったが「同じではつまらないので、漫画ならではのオリジナルにしたい」と提案した所、許可が下りる。石森プロとダイナミックプロは、漫画化を生みの親の関係者が手がけていることで、テレビから逸脱した自由な話を描けたという。
第一回を描くにあたり「テレビマガジン70's ヒーロー創世記メモリアル」(講談社、1998年)では「すがや・細井・土山よしきの三人で担当」と書かれているが(これにひおあきらを加えた4人は皆、前述の『ハリマオ』の仕事をしていた)、すがやによれば自分一人で担当したとの事。石森の作風に似せてネーム(コマ割りや台詞のあらがき)を描いたが三度のリテイクを出され、三度目は締切が近いので、下絵を入れて見てもらう。「構図に気をつけろ」と言われたが、話の内容については何も言われなかった。
しかし下絵で待ったがかかり、デッサンが狂っていることで石森も頭を抱えた。特に冒頭で一文字隼人が少年を抱えてバイクで電車を飛び越えるコマが描けず、すがやはとうとう住んでいた下宿からタクシーを飛ばして、石森がいつも打ち合わせをしている桜台駅近くの喫茶店で石森を待ち、現れるとすぐに下絵の補佐を頼んだ。「ヒーロー創世記メモリアル」では「石森が1話から4話の下描きをした」と書かれているが、実際に石森が描いたのはここだけだと言う。色塗りの許可が出た時には、表向きの締切は過ぎており、塗った色もケバケバしいとの事で石森が背景に黄緑を塗り、奥行きをうまく調節した。
連載も三回目になると、石森からの添削は色鉛筆でタッチをつけただけになった。
内容の特徴
- カラー(3色、2色など)ページでの掲載が多いが、『~V3』以降は白黒ページが多くなる。また、立花藤兵衛、滝といったレギュラーキャラクターは登場しない。少年ライダー隊の隊員は登場するが、ナオキ、ミツル、シゲルは登場しない。
- テレビマガジン版『仮面ライダーX』は、『仮面ライダーアマゾン』ISBN 4-575-93622-7に収録されている。
仮面ライダー
『テレビマガジン版 仮面ライダー』ISBN 4-8130-2021-6の目次より(連載期間、1971年12月号 - 1973年2月号)。
- サブタイトル
- ありくい怪人アリガバリの巻 - 2号編
- いなづま怪人エイキングの巻
- れいとう怪人トドギラーのまき
- オーロラ怪人カメストーンの巻
- 人くい怪人イソギンチャックの巻
- どくちょう怪人ギリーラの巻 - 今回より新1号編
- ゆうれい町のうみへび男の巻
- こんちゅうはかせカブトロングのまき!
- 新サイクロンときょうふのセミミンガーのまき
- でんげき怪人 カミキリキッドのまき
- エレキボタルの巻
- 2号ライダーがゲスト(ブーツとグローブは白)
- 怪奇ガニコウモルと少年仮面ライダー隊の巻 - 今回よりゲルショッカー編(ショッカー壊滅は描かれず)
- イソギンジャガーの巻
- 妖怪ネコヤモリの巻
- にせ仮面ライダーの巻 - 新2号ライダーがゲスト
当時の東映作品は撮影がアップすると、石森プロの近くのスタジオで、製作関係者を集めて初号フィルムの試写会を行っていた。この時すがやが「こんちゅうはかせカブトロング」で描いたオリジナルの演出(はりつけにされたライダーに怪人が爆弾を投げて殺すが、実はライダーは人形で、「こうして本物を殺せ」と子供に命令する)がそのままテレビで使われた事があり、担当編集が「アイデアが良かったんだよ」とすがやを誉めた。
仮面ライダーV3
『テレビマガジン版 仮面ライダーV3』ISBN 4-8130-2027-5の目次より(連載期間、1973年3月号 - 1974年2月号)。
- サブタイトル
- V3誕生!の巻 - ブラック将軍の死も描かれる
- 怪人マシンガンスネークの巻
- ナイフアルマジロとノコギリトカゲの巻
- ピッケルシャークとドリルモグラの巻 - 【マグネボタル】登場
- バーナーコウモリとミサイルヤモリの巻 - ドクトルG、【プリズムバット】登場
- ドクバリグモとギロチンザウルスの巻 - 【スパナサンゴ】登場
- ヒーターゼミとカマキリメランの巻 - 【ノコギリトンボ】、【ゼミライト】登場
- カニレーザーの巻 - 【ブーメランクワガタ】登場
- キバ一族とツバサ一族の巻 - 【ナメクジレンズ】登場
- 死人コウモリの巻 - 【エイジェット】、【ゴキブリエレキ】登場
- ライダーマン登場の巻 - 【タイヤタイガー】登場
- シーラカンスキッドの巻 - 【カブトガニアーチェリー】、【コブラペンチ】登場、ライダーマンが共闘を誓う場面で終了
- 特別収録1カニレーザーの巻(『ディズニーランド』版)
- 特別収録2『仮面ライダー』ショッカー怪人「後楽園ゆうえんち」を襲う!! - 後楽園ゆうえんちのパンフレット、「ショッカー基地・後楽園ゆうえんち それ行け!!仮面ライダー」に収録(1972年の春頃、発行された)
- 1号・2号は再登場しない。
- 【】でくくった怪人のデザイナーはすがやではなく、掲載誌で行われた読者投稿企画である。デザインはデストロン前期怪人同様、動物+兵器や凶器がモチーフで、すがやの漫画ではモチーフの似ているTV版怪人と意図的に競演させている。双葉社版では当時の投稿者の都道府県と氏名も転記されている。こうした読者投稿怪人は映像作品本編では『仮面ライダースーパー1』で実現することになる。
- 原稿がかなり遅れた時は、新人だった担当編集がカラー入稿をした事がなく、別の編集が出てくる朝まで何も出来なかったため、漫画家デビューする前に編集プロダクションでの仕事の経験があったすがやが、原稿を持ってタクシーで講談社まで行き、自身で入稿作業をしたこともある。
仮面ライダーX
『仮面ライダーアマゾン』ISBN 4-575-93622-7の目次、349頁より(連載期間、1974年3月号 - 10月号)。
- サブタイトル
- 仮面ライダーX誕生!
- ヘラクレスの陰謀
- あばけ!!マッハアキレスの弱点 - アポロガイスト登場
- 日本列島改造作戦!
- 闇夜を切り裂く!怪人キャッティウス
- サソリジェロニモの復讐! - アポロガイスト退場
- カブトムシルパンの脅迫状!
- ゴッドの最期
冒険王
「冒険王」でのタイトル(『新・仮面ライダー』)は、他誌(原作(石ノ森)版、テレビマガジン版(作画:すがやみつる)、他)との区別による。ただし連載時は第2回までしか使用されていない。単行本はこのタイトルで刊行された(石ノ森章太郎、すがやみつる 『テレビマガジン版 仮面ライダーV3』ISBN 4-8130-2027-5 ミリオン出版、2005年254頁)。
執筆の周辺
1972年5月から連載開始となり、この時も石森から指名がかかった。だが第一回が45ページもあるため、石森プロのマネージャーによって、石森のアシスタント希望者だった山田ゴロがすがやのアシスタントについた。
ところがその後京王プラザホテルのロビーで石森やすがや達が打ち合わせをしていると、壁村耐三編集長(当時)が激怒しつつやって来て「こんな下手な漫画を載せられない。別の奴に替えろ」と、ゲラ刷りを叩きつけた。石森は全然慌てず「自分が責任を持って監修するから、少し長い眼で見てくれ」「クレジットも『まんが・石森プロ』でなく、すがやの名前を出して欲しい」と言い、壁村は渋々これを認める。石森は「名前が石森プロだと、俺が描いてると思われる。こんな下手だと思われるのもシャクだ」と言ったが、マネージャーによると「名前を出した方が張り合いが出て、上手くなるのも早い」が理由との事。これを機会にクレジットは「原作・石森章太郎、まんが・すがやみつる(石森プロ)」に変わった。結局交替にはならなかったが、すがやはこの理由を以下に挙げている。
- 編集長が成田清美に交代、壁村は「週刊少年チャンピオン」「月刊少年チャンピオン」の編集長に異動した。
- 『新・仮面ライダー』がアンケートで断トツの一位になっていた。
- 「週刊少年ジャンプ」で、絵がまだイマイチの新人漫画家がヒットを飛ばし、漫画は画力より熱意ととられるようになった。
- 石森章太郎と石森プロというネームバリューがあった。
秋田書店ではこの後「まんが王」が休刊になり、「別冊冒険王・映画テレビマガジン」にリニューアル。ここでも『ライダー』が連載開始し、すがやの元には成井紀郎もアシスタントとして加わった。
当時の『ライダー』に限らないが、テレビ作品の放送が進むとスケジュールが遅れがちになり、漫画に使うためのシナリオや美術デザインが間に合わなくなる。すがやの仕事でもある時、新怪人が間に合わなくなり、マネージャーから「オリジナルの怪人を描いて」と言われ、作ったのがクラゲウルフだった。作中でクラゲウルフがくわえている生首を描いたのは、成井だという。このクラゲウルフも、すがやのオリジナルがテレビ版に流用された。
この話を監修で読んだ石森は「怪人も話もすべて自分で考えたのがいい。絵はまだ下手だが、数をこなせばうまくなる。これだけ描けば漫画家としてやっているから、これから一人で頑張れ」と言われ、1972年夏に石森の監修が終了した。
このエピソードの直前に『人造人間キカイダー』も始まり、すがやは「小学一年生」などを担当。当時はアメコミを買って、ライダーやキカイダーのアクションシーンの参考にしていた。
内容の特徴
世界観や設定は、基本的にテレビ版を踏襲している。キャラクターデザインは原作版(立花、滝など)、
怪人のデザインはテレビ版に準じている。ただし、怪人のデザインが蝙蝠男は原作版、ガラガランダはオリジナルデザインであるなど、必ずしもテレビ版に沿ってはない(後にムックなどで公開された準備稿イラストとの比較で、準備稿イラストをそのまま作画したという可能性が検証されている)。テレビでは毎回一人しか出ない怪人が、毎回数人も出てくる大盤振る舞いで、「冒険王」のページ数が多いから可能だったという。アクション面がクローズアップされており、サイクロン等の疾走・戦闘シーンの他、怪人によって犠牲者が首を切断される等のショッキングなシーンもある。これは石川賢が描いていた『変身忍者嵐』の影響だとの事。
ガラガランダ(地獄大使)の最期、ライダーマンの退場などもオリジナル展開である。『~ストロンガー』に関しては世界観(設定)もオリジナルとしてスタートし、タックルのセミヌードが登場した(『~アマゾン』においても、半裸のアマゾネスや、衣装の破れた赤ジューシャなどのお色気シーンが存在する)。
双葉社版
双葉社から刊行された、『新・仮面ライダー』から『ストロンガー』までの五巻。『冒険王』連載分と『テレビマガジン』連載分の混載だが、大半のエピソードが未収録で、重複する話もある。
新・仮面ライダー
『新・仮面ライダー』ISBN 4-575-93558-1の各扉絵より。
- サブタイトル
- 怪奇フクロウ男 - 新一号編
- 怪人サイギャング
- 怪人セミミンガー - 死神博士編、新サイクロン登場
- 怪人イカデビル - 死神博士ではない
- ゲルショッカー怪人ガニコウモル - ガラガランダ(地獄大使)が、ガニコウモル打倒に協力
- 合成怪人クラゲウルフ - ショッカー残党(シードラゴン4世、5世)登場
- イソギンジャガー - オリジナルデザインのワシガマキリ、ウツボガメスが登場。蝙蝠男、プラノドンも登場
- 怪奇ネコヤモリ - 未完
仮面ライダーV3
『仮面ライダーV3』ISBN 4-575-93559-Xの目次より。なお、『冒険王』本誌以外(別冊、増刊号)に掲載されたエピソードも収録されているため、重複エピソードが存在する。
- サブタイトル
- デストロン怪人登場の巻 - 1号・2号は登場しない(V3は存在に言及している)
- ゲルショッカー最期の日の巻 - 設定編
- ヒルカメレオン(ブラック将軍)の最期、風見の負傷と改造、純子・シゲル姉弟の登場、風見の母と妹(アキコ)の死、1号・2号の退場、滝の退場(アメリカに帰国)
- きょうふの怪人イカファイアーの巻 - 1号・2号の生存
- イカファイアー反撃の巻
- 白骨のライダーの巻 - オリジナル怪人(ハチサーベル)登場
- なぞの男ドクトルG登場の巻 - ピッケルシャークがイギリス出身であり、騎士道精神を尊ぶキャラクターとなっている
- 闇に光る目の巻
- ドクトルG最後の挑戦の巻 - ショッカーの4大幹部が復活し、怪人体で戦う。
- キバ男しゃく
との決戦の巻 - 1号・2号が登場
- デストロンの正体?!の巻 - ライダーマンは首領を庇い、V3のキックを受ける。その後この連載では登場しない。
仮面ライダーX
『仮面ライダーX』ISBN 4-575-93615-4の目次、236頁、428頁より(連載期間、1974年3月号 - 4月号、6月号 - 10月号)。
- サブタイトル
- 仮面ライダーX誕生!
- 兄と弟 二つの顔のヘラクレス! - ジン・
ステーションが破壊されている、とセリフで説明
- 最強キックボクサー登場! - 立花藤兵衛、アポロガイスト登場
- Xライダーと化けネコ
- パーフェクター争奪戦! - キングダーク登場
- カブトムシルパンの挑戦状! - 『そして誰もいなくなった』をアレンジ
- ゴッドの最期 - V3によるパワーアップ改造
- 番外編 飛べ!!イカルス(1974年5月号付録)
- プロローグ ギリシャの若者
- 第1章 飛行少年ケン
- 第2章 シドニー行き最終便
- 第3章 ダイダロス博士
- 第4章 ミノタウロスの人間狩り
- 第5章 立花藤兵衛
- 第6章 イカルス空へ
- 第7章 イカルス誕生
- 第8章 北極のアトラス
- 第9章 イカルス昇天
仮面ライダーアマゾン
『仮面ライダーアマゾン』ISBN 4-575-93622-7の目次、349頁より(連載期間、1974年11月号 - 1975年3月号)。
- サブタイトル
- 仮面ライダーアマゾン誕生!
- 恐怖!!アマゾンの正体 - 高坂博士死亡、立花藤兵衛登場
- アマゾン対アマゾネス - ジャングラー登場
- 謎のUFO出現!! - 十面鬼死亡、ゼロ大帝登場
- ゼロ大帝の最期 - 黒ジューシャも女性
仮面ライダーストロンガー
『仮面ライダーストロンガー』ISBN 4-575-93610-3の目次より。
- サブタイトル
- 仮面ライダーストロンガー誕生! - 設定編
- 城茂(23号)は、8歳の頃、組織に拾われ軍事教育を受けていた。10年以上が経過したある日、健志(8号)と共に組織を脱走。ボスの隠していた地図を手に、太平洋戦争の財宝を狙う。追っ手と健志はブラックサタンに壊滅させられ、城茂は改造手術を受ける。岬ユリ子(タックル)の手引きによりブラックサタンから脱走した城茂はストロンガーに変身。追跡してきた奇械人を倒し、財宝を手に入れる。タックルのパンチラ、セミヌード有り。
- マンモスタンカー爆破作戦! - タイタン(一つ目)登場。前回とは変わり、通常のヒーロー物のエピソード
- 恐怖カマキリ奇械人
- ストロンガー大あばれ!
- 真の犯人をつきとめろ!
- メカゴリラ怒りの逆襲! - タイタン(一つ目)退場。ジェネラルシャドウ登場
- 危うしストロンガー!生と死の2時間 - タイタン復活(百目タイタン)
- 改造魔人デルザー軍団登場! - 百目タイタン退場
- ストロンガーパワーアップ - デルザー軍団によってストロンガーがパワーアップ。タックルのヌード、退場
- 7人ライダー最後の戦い! - 岩石大首領が「人面岩」という名称で、「デルザー軍団の最終兵器」としてシャドウに使われている。
完全版
ミリオン出版にて刊行された『哀哭編』『怒涛編』の二巻。『新・仮面ライダー』および『V3』の冒険王版、テレビマガジン版を完全収録している。
双葉社版と相違する部分は、以下の通り。
- 冒険王収録分は、ネコヤモリ戦後も物語が続き、ショッカーライダーやブラック将軍との戦いが描かれる。
- 一文字隼人(仮面ライダー2号)が冒険王収録分『新・仮面ライダー』後半に登場。
- 風見志郎(『V3』の主人公)が冒険王収録分『新・仮面ライダー』後半から登場。ハンマーの怪人に殺された父の仇を討つべく、本郷に改造手術を懇願する。なお、『V3』序盤では「ハサミジャガーに父を殺された」となっていた。
その後の仕事
漫画は自分の下宿で描く事が多かったが、キャラクター商品などは西新宿次いで代々木にあった石森プロに行き、時々サウナで汗を流し、下着だけ着替えて、一週間から長ければ一ヶ月ほどカンヅメになって仕事をする事が多かった。このため大家が石森プロまで家賃を取りに来たこともある。書ききれないほど多くの漫画・編集・映像製作関係者の顔が見られ、毎日が祭りのように面白かったと語っている。
講談社から「ディズニーランド (雑誌)」が創刊されると、そちらでも『ライダー』が毎月フルカラー2ページで連載開始となる。雑誌の対象年齢が低い事から、判りやすい作品を描く上で勉強になったと語っている。仕事料で財布が潤い、下宿にもこの頃電話が入ったが、編集からの原稿の催促におびえる事にもなる。浅間山荘事件の時はどうしてもテレビを見てしまい、原稿が遅れがちになってしまったが、編集もテレビを見てしまったので、催促の電話が来なかったという。
さらに石森プロの仕事は増えて、すがやの担当分だけで月産300-400枚となり、使うアシスタントの人数も増えたので、少し広い下宿に引越した。
ロクに食うものも無い状況で仕事を続けて栄養失調になっていたのに母が呆れ、旅館で板前をした調理師の腕を活かしてメシスタント(飯を作るアシスタント)となったので、すがやがジョージ秋山のアシスタントをした時の仕事料で近くにもう一部屋借り、母が住んだ。続けてすがやの臨時アシスタントとなった、津原義明やほしの竜一もここで食事をとる。しかし逆に原稿料がほとんどなくなってしまい、従兄弟(芸能プロダクションの仕事をしていた事があり、すがやも漫画家デビューする前に『秘密戦隊ゴレンジャー』で有名な畠山麦のマネージャーをやっていた他、『ストロンガー』の荒木しげるが所属していた)のカメラや母の指輪など、なんでも質屋に入れた。
このため『ライダー』を描きつつ石森プロ以外・漫画以外にも仕事を求め、テレビ特撮に関連したものでは『ウルトラマン』ショーのチラシのイラストなどを描いた。石森プロでも他に絵本の仕事をした際、前述した編集プロダクションでの経験そ活かし、えかき歌の歌詞作詞・構成・絵・色指定まで全て一人で行い、原稿料以外の仕事料も手に入って、おいしい仕事だったという。
すがやはこの後『がんばれ!!ロボコン』なども担当するが、1976年の結婚前後に、石森プロの仕事を一度終えている。
かつて苦情を言った編集者から
- トラブルになった前述の壁村からはその後「月刊少年チャンピオン」から声がかかり、海外映画『ベン・ハー』の漫画化を任される。一回だけと思っていたら、『劇画ロードショー』のタイトルで何本も執筆させてもらった。『ダーティハリー2』は、予告では田辺節夫が描くことになっていたという。さらに「週刊少年チャンピオン」の連載枠ももらえたが、直前にオイルショックでページ数が減って連載企画が没となり、原稿料を前借して新たな仕事場やアシスタントを揃えていたすがやは、思わぬ大打撃だったという。
- 「テレマガ」で『ライダー』の担当だった編集からも突然連絡があり、会うと上等な酒をおごられ謝罪された。当時のすがやの原稿を見て「下手だから1年たたず田舎に帰るだろう」と確信したが(すがやがこれを聞いたのはこれが初めてだった)、逆に漫画家として成功したため、申し訳ないと思って詫びたのだと言う。
関連作品
- ひみつ指令マシン刑事999
- すがやの漫画。『ライダー』の後に『テレビマガジン』で連載され、スーパーカーによるカーアクションが見所となっている。
- ゲームセンターあらし
- すがやの漫画。オリジナル漫画が売れず、編集者から「『ライダー』の頃はメチャクチャだから面白かったのに」と言われ、「だったらメチャクチャな漫画を」と思い、描いた『テレビマガジン版 仮面ライダーV3』231頁。
脚注