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月詠/有馬啓太郎

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著者: 有馬啓太郎
巻数: 16巻

有馬啓太郎の新刊
月詠の新刊

最新刊『月詠 16


出版社: ワニブックス
シリーズ: ガムコミックス


月詠の既刊

名前発売年月
月詠 1 2000-04
月詠 2 2000-10
月詠 3 2001-05
月詠 4 2002-01
月詠 5 2002-07
月詠 6 2003-03
月詠 7 2003-11
月詠 8 2004-06
月詠 9 2005-01
月詠 10 2005-08
月詠 11 2006-04
月詠 12 2006-11
月詠 13 2007-05
月詠 14 2007-12
月詠 15 2008-08
月詠 16 2009-04

月詠』(つくよみ)は、有馬啓太郎による日本の漫画作品。1999年9月号から2009年3月号まで『COMIC GUM』に連載された。2004年10月に『月詠 -MOON PHASE-』(つくよみ ムーンフェーズ)のタイトルでアニメ化された。

あらすじ

なぜか心霊写真ばかりを撮ってしまうカメラマンの森丘耕平は、取材に行ったドイツの古城で、ヴァンパイアの少女である葉月と出会った。その城に幽閉されていた葉月は、耕平の血を吸って、僕(しもべ)として城から脱出しようと考え、血を吸うも、全く効果が現れなかった。だが耕平が城の封印装置を壊したことにより葉月は城から脱出し、そしてあろうことか、生き別れの母の行方を求めて、耕平と共に(別行動だが)日本へ向かった。

登場人物

葉月(はづき)
又の名をルナ。吸血鬼(純血種)の少女。ドイツの古城・ノイシュバルツクヴェレ城に幽閉されていたところを、耕平の力を借りて逃げ出した。天真爛漫かつ我儘で、耕平の事を「下僕」(ドレイ、アニメではシモベ)と呼んではばからない。城に捕らわれて以来離れ離れになってしまった、母親の清音(セイネ)を探している。
中盤でデイ・ウォーカーであることが判明するが、キンケルの能力とは異なり本当に陽光を浴びることができる。
森丘 耕平(もりおか こうへい)
カメラマンの青年。霊感がまったくないにもかかわらず、何故か撮る写真が70%もの高確率で心霊写真になってしまうため、普通の写真が撮りたい本人は苦悩しているものの、ひろみには職業の関係で重宝されている。
実は見えないだけではなく霊的な影響を一切受け付けない体質で、吸血鬼に噛まれてもその支配を受けない。このような人間は「吸血鬼の恋人」(アマ・ヴァンパイア、アニメではアマ・ラーミア)と呼ばれる。
御堂 成児(みどう せいじ)
耕平の従兄弟で、「御堂晴爾」の名で活躍する正真正銘の霊能者。ひろみの雑誌に連載を持っている。愛車は日産の「シルビアS14(後期)」。
エルフリーデ
キンケルの下僕である吸血鬼(転向者)。小悪魔(グレムリン)を召喚し使役する能力を持つ。城から逃げ出した葉月を連れ戻すため、キンケルと共に日本へやってくるが、内心ではキンケルの支配から逃れたいと思っている。そして耕平の血を吸った事で、キンケルの支配から逃れられた後、マルミ堂に居候するのであった。
ハイジ
葉月の使い魔。今の姿になる前は灰色の猫であったため、「灰次郎」を略してハイジと名付けられた。元々は葉月の母・清音の使い魔で、更に遡ると耕平の母・静流の式神であった「白灰達」(アクダ)なのだが、どのような経緯で清音の使い魔となったのかは本人も憶えていない。
安西 ひろみ(あんざい ひろみ)
耕平と成児の友人で、オカルト雑誌の編集者。
御堂 竜平(みどう りゅうへい)
耕平と成児の祖父。かつては成児同様の霊能者だったが、現在は骨董品店「マルミ堂」の店主。
御堂 光(みどう ひかる)
御堂本家当主の娘で双子の姉。成児の婚約者。高い身体能力を持つ。すごいお転婆な性格をしていて、同じ性格をである葉月とよくケンカをする。だが、成児の前では、清楚に振舞っている。最初、葉月の事を、魔なる者と認識していて、妹の婚約者を護るため彼女を退治しようとしていた。
御堂 薫(みどう かおる)
御堂本家当主の娘で双子の妹。耕平の婚約者。魑魅魍魎を操る能力を持つ。姉とは違い、すごく内気な性格をしているが、時々腹黒い陰口を一言しゃべる事がある。
御堂 弥生(みどう やよい)
御堂裏本家の初代(先々代)当主で、鬼御堂と呼ばれている。竜平の父。30年以上見た目が変わっていない。
御堂 小春(みどう こはる)
ハインリヒ・フォン・キンケル
伯爵位を持つノイシュバルツクヴェレ城の留守居役。吸血鬼(転向者)だが、表向きは画家として知られている。光を操る能力を持ち、特に自分に降り注ぐ陽光を逸らすことで、日中でも外で活動する事ができる(「日中蠢く者」デイ・ウォーカー)。
ビゴー
キンケルの配下で、葉月の世話役。
アルト
葉月の妹。影を操る能力を持つ。葉月と同じ猫耳カチューシャをする。無口無表情で、姉とは正反対の性格の持ち主。
まりお
バルガス
ジェダ
加来 徹也(かく てつや)
著名なプログラマー。ネコミミ・メガネ・メイドに非常に弱い。父親の達也はホテルの支配人で、こちらもホテルに備品としてネコミミを置くほどのネコミミ狂い。いずれもアニメ版には登場しない。

書誌情報

有馬啓太郎 『月詠 〜MOON PHASE〜』 ワニブックス〈GUMコミック〉、全16巻

  1. 2000年4月、ISBN 4-8470-3342-6、税込893円
  2. 2000年10月、ISBN 4-8470-3361-2、税込893円
  3. 2001年5月、ISBN 4-8470-3395-7、税込893円
  4. 2002年1月、ISBN 4-8470-3423-6、税込893円
  5. 2002年7月、ISBN 4-8470-3432-5、税込893円
  6. 2003年3月、ISBN 4-8470-3443-0、税込893円
  7. 2003年11月、ISBN 4-8470-3457-0、税込893円
  8. 2004年6月、ISBN 4-8470-3469-4、税込893円
  9. 2005年1月、ISBN 4-8470-3486-4、税込903円
  10. 2005年8月、ISBN 4-8470-3509-7、税込903円
  11. 2006年4月、ISBN 4-8470-3535-6、税込903円
  12. 2006年11月、ISBN 4-8470-3578-X、税込903円
  13. 2007年4月、ISBN 978-4-8470-3597-5、税込903円
  14. 2007年11月、ISBN 978-4-8470-3619-4、税込903円
  15. 2008年7月、ISBN 978-4-8470-3647-7、税込903円
  16. 2009年3月、ISBN 978-4-8470-3677-4、税込987円

アニメ版

月詠 -MOON PHASE-』のタイトルで、2004年10月から2005年3月の間、テレビ東京・テレビ大阪で深夜アニメとして放送された(25:30~26:00)。全25話。第26話についてはテレビ放送はされず、DVD第13巻に追加収録された。

特筆すべき特徴として、舞台劇のセットを思わせるカメラワーク、唐突に降ってくる金ダライや停電時に懐中電灯で顔を下から照らす所作など、『8時だョ!全員集合』を意識した『別冊オトナアニメ シャフト超全集!!』101ページより演出が多用されている。また、オープニング映像内のカットでしりとりを行う、終了テロップに毎回有名作家によるイラストを用いる、といった特徴的な表現を含んだ作品であった。総監督を務めた新房昭之にとっては、この作品が、「小ネタ」を多用した新たな作風、スタイルを確立するきっかけとなり、『ぱにぽにだっしゅ!』や『ネギま!?』といった以降の監督作品にもこの作風が継承されている。また、当作品以降はほぼ全ての新房監督作品でシャフトがアニメーション制作を担当するようになっており、他の制作スタッフも本作を担当した人物が多い。

テレビ放送時の中盤や終盤での紙芝居のような表現のシーンが、DVD版では大幅に動画が追加・修正されている。

キャスト

  • 葉月 - 斎藤千和
  • 森丘耕平 - 神谷浩史
  • 御堂成児 - 櫻井孝宏
  • エルフリーデ - かかずゆみ
  • ハイジ - 山崎雅美
  • 安西ひろみ - 根谷美智子
  • 御堂竜平 - 麦人
  • 御堂光 - 門脇舞
  • 御堂薫 - 松来未祐
  • 御堂弥生 - 小杉十郎太
  • 御堂小春 - 丸山裕子
  • キンケル伯爵 - 松山鷹志
  • ビゴー - 立木文彦
  • アルト - 石毛佐和
  • まりお - 成田剣
  • バルガス - 西前忠久
  • ジェダ - 矢薙直樹

スタッフ

  • 原作 - 有馬啓太郎
  • 総監督 - 新房昭之
  • 監督補佐 - 鈴木利正
  • シリーズ構成 - 関島眞頼
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 相澤昌弘
  • ビジュアルディレクター - 武内宣之
  • 設定協力 - 尾石達也(第17話、第18話)
  • 美術監督 - 桑原悟
  • 背景 - スタジオ天神
  • 美術担当 - 諸熊倫子
  • 色彩設計 - 日比野仁
  • 撮影監督 - 小澤次雄(第1話 - 第19話 第20話以降表記なし)
  • ビジュアルエフェクト - 酒井基(第24話)
  • 編集 - 関一彦
  • 音響監督 - 亀山俊樹
  • 音響効果 - 山田稔
  • 音楽 - 久米大作
  • 音楽プロデューサー - 福田正夫
  • 音楽制作協力 - VS&P(第1話 - 第14話)→N.W.S.I.、ナポリス、スリー・ディー
  • 音楽協力 - テレビ東京ミュージック
  • タイトルロゴデザイン - 萩原栄一
  • プロデューサー - 吉田博、尾留川宏之
  • アニメーション・プロデューサー - 久保田光俊
  • アニメーション制作 - シャフト
  • 音楽制作 / 製作 - ビクターエンタテインメント

主題歌

オープニングテーマ

「Neko Mimi Mode」
作曲 - Dimitri From Paris / 声 - Chiwa Saito played Hazuki
(第1話 - 第8話、第10話 - 第13話、第15話 - 第24話)
「Tsuku Yomi Mode」
作曲 - Dimitri From Paris / 声 - Chiwa Saito played Luna
(第9話、第14話)

第25話・第26話はオープニングなし。「Neko Mimi Mode」を第25話、第26話のエンディングとして使用。

エンディングテーマ

「Pressentiment triste」
作詞・作曲・編曲 - 橋本由香利 / 仏語詞訳:yuka / 歌 - marianne Amplifier feat. yuka
(第1話、第2話、第9話、第14話、第19話TV放映版)
  • 「悲しい予感」のフランス語バージョン。
「悲しい予感」
作詞・作曲・編曲 - 橋本由香利 / 歌 - marianne Amplifier feat. yuka
(第3 - 6話、第8話、第10 - 13話、第15話、第16話、第18話、第20 - 24話)
「波のトリコになるように」
作詞 - サエキけんぞう / 作曲・編曲 - 菊地成孔 / 歌 - 小川範子
(第7話)
「Just for my love」
作詞 - 伊藤利恵子 / 作曲 - 北川勝利 / 編曲 - 桜井康史 / 歌 - 巫女ツインズ(門脇舞・松来未祐)
(第19話DVD版)

第17話はエンディングなし。

挿入歌

「波のトリコになるように」

各話リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督エンドカードイラスト
第1話「おにいさま、私のシモベになりなさい♥」金巻兼一(表記なし)大沼心相澤昌弘秋山由樹子
相澤昌弘
アイキャッチと同じ画像
第2話「御主人様とおよびなさい♥」関島眞頼田中穣鈴木利正田中穣天原埜乃
第3話「おにいさま、私といっしょに暮らしてくださいね♥」金巻兼一武内宣之水上ろんど
岩崎泰介
下北沢鈴成
第4話「おにいさま、…キスしたくなっちゃた♥」鈴木利正江島泰男馬上理絵POP
第5話「おにいさま、ふるふるふるむーん♥」植竹須美男田所修岡嶋国敏大塚舞髙木信孝
第6話「おにいさまと京都で…うふ♥ わくわく♥♥」関島眞頼福田道生尾石達也田中穣かわむらやすひと
第7話「……だって欲しかったんだもん♥」金巻兼一大沼心相澤昌弘島田フミカネ
第8話「母様がきてくれた! うれしい♥」北嶋博明田所修横山じゅんいち糸島雅彦ごとP
第9話「おにいさま、私を夢から助けて…おねがい」大久保智康国崎友也奥野浩行
水上ろんど
山田一豊
原田たけひと
第10話「ゆるさない…初めてのシモベのくせに」米田光宏村山公輔撫荒武吉
第11話「おにいさま、安静にしてなきゃダメ♥」金巻兼一福田道生鈴木利正相澤昌弘Dr.モロー
第12話「ゆるせないの、あいつだけは…!」北嶋博明加藤洋人くりもとひろゆき
尾石達也
田中穣
大田和寛
浜津武広
水上ろんど
西田美弥子
Niθ(イラスト)
りんごキック(彩色)
第13話「おにいさま、みんなで伯爵を倒しましょうね♥」大久保智康加藤洋人山田一豊
田中穣
加藤洋人
E=mc²
第14話「おにいさまといっしょに……お散歩したいです♥」北嶋博明田所修上坪亮樹糸島雅彦ぢたま(某)
第15話「おにいさま、“せきにん”とってくださいね♥」大久保智康大沼心西田美弥子
亀谷響子
いとうのいぢ
第16話「おにいさま、どうしてもふるふる堂のネコミミ饅頭じゃなくちゃだめなんです♥」金巻兼一福田道生平田豊大田和寛おーじ
第17話「おにいさま、なんでこんなことになるわけ!?」草川啓造相澤昌弘中央東口
第18話「ヤッホー♥ ハイホー♥ 今、会いに行きますネ♥」大久保智康福田道生斉藤良成大田和寛☆画野朗
第19話「お山の日 湯けむりのサル ねこのヒゲ♥ …で、あんたたち誰?」金巻兼一田所修上坪亮樹亀谷響子
田中穣
西田美弥子
八雲剣豪
第20話「おじいさま、どーしてそんな格好してるんですか?」北嶋博明鈴木利正大沼心糸島雅彦CHOCO
第21話「おにいさま、それってどこの地方の手まり唄?」関島眞頼米田光宏村山公輔みつみ美里
第22話「おにいさま、そんな人だったんですか!?」金巻兼一田所修草川啓造杉山延寛
亀谷響子
西E田
第23話「おにいさま、わたしってそんなにヘンですか?」大久保智康福田道生鈴木利正西山一人武内崇(イラスト)
蒼月誉雄(彩色)
第24話「サヨナラ、おにいさま……私、ホントに帰っちゃうよ? 帰っちゃうよ?」北嶋博明大沼心大田和寛いづなよしつね
第25話「おにいさま、最終回だそうですよ♥ ずっと私のシモベでいてくださいね♥♥♥」金巻兼一尾石達也相澤昌弘有馬啓太郎
第26話「おにいさま、ゆらゆらきらきらどんぶらこ これって、なーんだ?」DVD第13巻に収録されたOVA。武内宣之タムラコータロー水上ろんど
植田和幸
(無し)

放送局

この2局のみで放送されたアニメ番組は、この作品の他には『銀盤カレイドスコープ』と『陰からマモル!』のみである。
放送地域放送局放送期間放送日時放送系列
関東広域圏テレビ東京2004年10月4日 - 2005年3月28日月曜 25時30分 - 26時00分テレビ東京系列
大阪府テレビ大阪2004年10月9日 - 2005年4月2日土曜 26時40分 - 27時10分

インターネットラジオ

ビクターエンタテイメントの公式ホームページで、2004年9月 - 2005年9月まで「月詠ラヂオ堂」が配信されていた。パーソナリティは、葉月役を担当した斎藤千和。アニメ終了後も全回公開されていたが、2009年2月13日をもって配信停止された。

備考

このアニメのオープニングテーマ「Neko Mimi Mode」はシングル発売後、また、主題歌とは別に、渋谷センター街の期間限定テーマソングとしても使用された。

脚注

関連項目

  • ツクヨミ(語源の日本神話の神)

外部リンク