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東京ミカエル/堤芳貞

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著者: 堤芳貞
巻数: 3巻

堤芳貞の新刊
東京ミカエルの新刊

最新刊『東京ミカエル 3



東京ミカエルの既刊

名前発売年月
東京ミカエル 1 2000-10
東京ミカエル 3 2000-10

東京ミカエル』(とうきょうミカエル)は、原作:大塚英志、作画:堤芳貞による漫画。副題は『Seventeen's wars』。

概要

17歳の少年少女だけが巨大な壁に囲まれ閉鎖された東京で目覚め、定期的に彼らを「間引き」しにやって来る軍隊から1年間生き延びるゲームを強いられるという話で、「大人になること」の困難さや不条理さがテーマ。

1992年から1993年にかけて角川書店の『月刊コミックコンプ』、メディアワークスの『月刊電撃コミックガオ!』で連載されたが単行本化されず、7年後の2000年に角川書店の『ミステリーDX』に完結編が連載され、ニュータイプ100%コミックスのレーベルで単行本化された。単行本は全2巻。

大江健三郎の小説『芽むしり仔撃ち』がモチーフになっている下巻の「あとがき」より

あらすじ

巨大な壁に囲まれ脱出不可能な東京。そこで少年少女は17歳になると記憶を消されて目覚める。彼らは「ティーチャー(教師)」を名乗る軍隊によって定期的に「間引き」され、18歳になるまで生き延びれば東京から解放される。そして今、大江朔17歳が目覚める。

登場人物

大江朔(おおえ さく)
主人公。中学生の時に、教師によって校門で圧死させられた女子学生の仇を取るために、教師を射殺したという過去を持っている。そのため他の17歳達から一目置かれているが、本人はその事を覚えていない。
三島由紀(みしま ゆき)
目覚めたばかりの朔を迎えに来た少女。ホテル「サリンジャー」で仲間を集めて生活している。
朔が起こした事件について知っており、朔が自分達の仲間になることを誘う。
中上玄(なかがみ げん)
由紀の仲間の一人。ティーチャー達と積極的に戦おうとしており、ナイフの扱いがうまい。
ミヤコ
由紀の仲間の一人で、中上玄の恋人。18歳の誕生日の前日にティーチャーに銃殺される。
在義一(ざい ぎいち)
17歳の一人で、爆弾魔。あだ名はギー
東京に遠隔操作できる100個の爆弾を仕掛けた。ギーの爆弾は17歳がティーチャーと戦える数少ない武器の一つ。
リカ
17歳の一人。カラオケボックスで暮らしている。
江藤純(えとう じゅん)
新宿のボス。17歳の一人。朔が14歳の時の恋人。
無人になったヤクザの事務所に放置された拳銃を使って、仲間と共にティーチャーと積極的に戦っている。
伊丹赤(いたみ せき)
ティーチャーの一人。18歳。朔の過去について知っている。
17歳達を積極的に殺しているが、数が多すぎるため上司に睨まれている。
シャムロック
ティーチャーの一人の中年男性。17歳達を殺す数が少なすぎるために上司に睨まれ、また17歳達を殺す方法が一瞬で殺せる銃殺ではなく、相手に死を意識させるための絞殺のため、非人道的だと婦人団体からクレームがきている。
大江公彦(おおえ きみひこ)
連続殺人犯。物語の舞台となる東京では記憶を消された死刑囚達がボランティアとして東京内の清掃を担当しており、大江公彦もその一人だった。
しかし、かつて自分が殺しそこねた三島由紀を目撃した事で記憶が戻り、由紀が大人になる前(18歳になる前)に殺そうとする。

他の作品との関係

  • 漫画『多重人格探偵サイコ』(田島昭宇画)、『JAPAN』(伊藤真美画)、小説『夏の教室』と世界観が繋がっている。
  • 大江公彦は『多重人格探偵サイコ(漫画版、小説版、戯曲版)』、小説『冬の教室』、白倉由美のオリジナル作品である漫画『懐かしい年への手紙』にも登場している。

脚註