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栞と紙魚子/諸星大二郎

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著者: 諸星大二郎
巻数: 3巻

諸星大二郎の新刊
栞と紙魚子の新刊

最新刊『栞と紙魚子 3



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

readafter1 《お買い得Kindle本》 #栞と紙魚子 殺戮詩集 #諸星大二郎 ¥610 http://t.co/OVEjqqGOKZ #読んでたらRT 25
kymg 都市伝説をモチーフにした女子高生アクションコメディです。 元々ワニマガジンのROBOTという本でカラー連載していたのですが、宮下さんの手によって更に面白く進化しました。この女の子二人組&妖怪や都市伝説というチョイスは諸星大二郎大先生の「栞と紙魚子」シリーズからの影響です。
CHICAUMINO 諸星大二郎先生の漫画でありそう!栞と紙魚子とかで!生首でボーリング RT @NHK_PR: @chicaumino それでボウリングをしたら高得点かも!
seki_yoshi 初見時に全く同じ感想を持ちました。RT @kentaro666:影響あるかも。宮崎さん諸星大二郎の大ファンだから。RT @darkboysandmen:諸星大二郎の栞と紙魚子シリーズに団先生一家が登場し巨大な異界の奥さんと明らかに両生類と魚の交じった少女クトゥルーちゃんが//
kentaro666 影響あるかも。宮崎さん諸星大二郎の大ファンだから。RT @darkboysandmen: 諸星大二郎の栞と紙魚子シリーズに団先生一家が登場し巨大な異界の奥さんと明らかに両生類と魚の交じった少女クトゥルーちゃんが登場する。ポニョの家族構成と似ている。 @kentaro666

栞と紙魚子の既刊

名前発売年月
栞と紙魚子 1 2007-10
栞と紙魚子 2 2007-10
栞と紙魚子 3 2007-10

栞と紙魚子』(しおりとしみこ)は諸星大二郎の漫画。少女向けホラー雑誌である「ネムキ」に連載。2008年に、第12回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門の優秀賞を受賞した。

「栞と紙魚子の怪奇事件簿」として連続ドラマ化され、栞役を南沢奈央、紙魚子役を前田敦子(AKB48)が演じる。

概要

諸星大二郎の初めての少女向け作品。基本的に一話完結の短編である。作品名は主人公の紙魚子から。

胃の頭町(いのあたまちょう)に住む主人公の二人が、周囲で起こる怪奇現象に巻き込まれる少女向けホラー作品。作中の脇役達はクトゥルフ神話を元ネタとする奇妙な生き物など、奇々怪々な面構えとなっているが、主人公が非日常に溶け込み、独特の不条理めいてユーモラスな世界観を作り出している。

主な登場人物

栞(しおり)
名前は本に挟む栞から。主人公であり、「生首事件」から登場。
新刊書店の娘。バラバラ死体の生首を持ち帰ったり、幽霊と噂される生物を虫取り網で捕まえたり、変わった実が流れてきたからと自殺者のある川に近づいたりと、ネジが抜けた性格を持つ女子高生。
ロングヘアの美少女であり、その容姿が怪現象を引き起こす事もしばしば。
紙魚子(しみこ)
名前は本の隙間などに生息している紙魚という昆虫から。主人公であり、栞同様「生首事件」から登場。
古書店「宇論堂」の娘。三つ編みで眼鏡を掛けた理屈屋な女子高生。栞の好奇心を諌める役割を持つが、一方で古本・珍本マニアであり、希少本を目の前にすると見境を失くしてしまう。また性格は豪胆で、本を立ち読みする幽霊を相手にハタキで挑発する他、悪霊をひっぱたいて説教する事もある。
ボリス
栞の飼う6歳の雄猫。人間に化けられるが、ネコとしての性別や年齢に比例した姿である「禿げ気味の中年男性」にしかなれない。その姿で、やはり人間に化けた相棒の野良猫・シマキチともに雑貨屋「ねこや」を経営している。
モデルは作者の飼い猫ムサシ。
クトルーちゃん
名前はクトゥルフ神話のクトゥルーから。
栞がベビーシッターのアルバイトを通じて出会った幼稚園児。ボサボサの髪、大きなリボン、大きく影の濃い目、暗めの色のドレスと不気味な容姿をしている。「テケリ・リ!」と叫び、ぬいぐるみを振り回しながらはしゃぐ、虫を食べる、首が180度回る、股間と首が入れ替わるなど、奇行が多い。
段一知(だんいっち)
名前はハワード・フィリップス・ラヴクラフトのダンウィッチの怪から。
クトルーちゃんの父であり、連載初期に胃の頭町のボロ屋敷に引っ越してきたホラー作家。容姿はラヴクラフトによく似ているが、作中では常に黒いスーツを着ている。
民俗学に通じており怪異には好奇心旺盛な態度を見せるが、妻には頭が上がらない。
クトルーちゃんの母
巨大な顔を持つ、段一知の妻。「外国人」だが、日本以外の国家出身という意味ではない。太古の邪神「プープーピヨマンガ」を遠縁の叔母に持つ。世界滅亡を図る魔道師の呪文によって呼び出されたところ、偶然段一知と出会い、それをなれそめとして婚約に至った。色白で整った巨大な顔と長い腕、節足動物や軟体動物を彷彿とさせる足を持つが、作中で全身が描かれたことはない。しかし物語中盤のエピソードをきっかけに、文字通り「外国人風」の白色人種的な姿でも登場するようになる。
性格は至って普通の妻であり、良き母親。段一知を熱烈に愛しており、一同で「百物語」を開いた折、なれそめをのろけながら周囲に語る程。しかし夫の浮気を疑えば猛烈に攻め立てる。
胃の頭七不思議「お化け屋敷の小説家の奥さん」に数えられている他、町の物の怪達からも胃の頭イチの実力者として認知されており、菱田きとらや長姫、更には弁財天ですら一目置いている。
鴻鳥友子(こうのとりともこ)
栞たちの同級生であり、「蔦屋敷」と呼ばれる大きなお屋敷に住むお嬢様。人肉料理のために一生を捧げた血縁の鴻鳥和子・友子母子の幽霊に取り憑かれることがあり、たびたび人肉を求めて包丁を振り回して暴れまわる。大変な美食家で、カップラーメンを食べたことがない。
ゼノ奥さん
胃の頭町の奥地に住み、奇怪な生物を飼う品の良い奥さん。
毛むくじゃらのペット2匹が執事として仕えているが、彼らはその都度場に合った名前でしか呼ばれない。
菱田きとら(ひしだきとら)
ロングヘアーで背が高い女流詩人。代表作は死体を切り刻むありさまを表現した限定500部の詩集「殺戮詩集」。「血だまりの詩」「胆嚢を堪能」「腸でなわとび」などの作品が収録されている。なお、「腸でなわとび」は、中原中也の詩に似ている。
恋人を殺し、死体を解体しながら詩を書いたとされるが、心神喪失で無罪となり精神病院に入院、その後退院し、公園などで放浪生活を送っている。段一知へ想いを寄せており、不倫の関係にもつれ込むべく暗躍する。
凶暴且つ豪胆な性格であり、物の怪に監禁されたり体がカニと融合したりと受難のたびにパワフルな破壊活動を見せている。
頸山城の長姫(くびやまじょうのながひめ)
胃の頭の地に代々住み続ける女妖怪。平安時代の10世紀頃から江戸時代まで、長姫に関する奇怪な記録が各所に残されている。若い修行僧をたぶらかして怨霊に換え、栞に取り付いて学校を乗っ取るなど、霊力は相当なものである。しかし長姫でも、クトルーちゃんの母にはかなわない。
なお、長姫の出るエピソードは妖怪ハンターのような作風になり、稗田が描かれるセルフパロディも存在する。
ムルムル
胃の頭界隈に住む、謎の生物。ハトほどの大きさで、人のような顔と4本の手足、長い尾を持ち、背には翼を持つ。段先生の奥さんとともに、「外国」からやってきた帰化生物とされており、月の夜に集団で円舞すれば生殖活動なしに増殖する。
なお食用でもあり、鍋料理にすれば菱田きとらの大好物になる。また段先生の妻は、ムルムルの佃煮を周囲への贈答品にしている。
結界
胃の頭町で見られる一般的な結界。火の玉に簡素な顔が描かれた物体が手を繋いでいるだけであり、「結界ですよー」と警告を発することくらいしかできない。胃の頭町の物の怪たちが集会する時に登場するが、一般人である栞たちにも簡単に潜られている。
弁財天
胃の頭弁天堂に祀られる神様。湯浴みを欠かさない美貌の神だが、盗撮された事により胃の頭町に怪異を巻き起こす。
但し年に1回の裸弁天のご開帳は律儀にこなすほか、盗撮されても条件反射でポーズを取ってしまうなどお茶目な一面もある。
管正一(くだしょういち)
連載後期に登場した転校生。
代々クダキツネを使役するクダ使いの家系にあるイケメン。

単行本

  • 栞と紙魚子の生首事件(1996年9月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257902805
  • 栞と紙魚子と青い馬(1998年5月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257903420
  • 栞と紙魚子 殺戮詩集 (2000年1月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257903932
  • 栞と紙魚子と夜の魚(2001年8月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257904410
  • 栞と紙魚子 何かが街にやって来る(2004年2月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257904946
  • 栞と紙魚子の百物語(2007年6月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日新聞出版)ISBN 978-4022131201

栞と紙魚子の怪奇事件簿

栞と紙魚子の怪奇事件簿』(しおりとしみこのかいきじけんぼ)は、2008年1月5日から日本テレビのサタデーTVラボ枠内で放映されたテレビドラマ。各話テレビ放送終了後に日本テレビのウェブサイトで動画配信も行なわれた。また、2010年4月3日より6月26日までサンテレビにて、2010年7月13日から10月5日まで札幌テレビ放送(火曜日24:49~25:19)でも放送されていた。

スタッフ

  • 原作:諸星大二郎「栞と紙魚子」(朝日新聞社「ネムキ」連載中)
  • プロデューサー:大野哲哉(NTV)、植野浩之(NTV)、太田裕輝(バイオタイド)
  • 音楽:平野義久
  • 主題歌:「赤い胃の頭ブルース」eastern youth(VAP)
  • 脚本:渡辺雄介、ブルースカイ、江本純子(毛皮族)、小林雄次、伊勢尚子
  • 演出:井口昇、富永まい、清水厚、高橋巌、落合崇、大野哲哉
  • 企画制作:日本テレビ
  • 制作協力:バイオタイド
  • 製作著作:D.N.ドリームパートナーズ、VAP

キャスト

  • 栞:南沢奈央
  • 紙魚子:前田敦子(AKB48)
  • 洞野:山根和馬
  • 鴻鳥友子:松山メアリ
  • 早苗:中村朝佳
  • マチコ:坂本亜里紗
  • 仁美:大和田美帆
  • 校長:伊藤幸純
  • 宇論:橋本じゅん
  • 段一知の妻:高橋惠子(特別出演)
  • 段一知:井上順

サブタイトル

1.栞と紙魚子とジャックとエミリー(1月5日放映)
  • ベース:「殺人者の蔵書印」(「栞と紙魚子の生首事件」収録)
  • 脚本:渡辺雄介、演出:井口昇
  • ゲスト:中村俊太、長谷部瞳、朱源実
2.自殺館(1月12日放映)
  • ベース:「自殺館」(「栞と紙魚子の生首事件」収録)
  • 脚本:渡辺雄介、演出:井口昇
  • ゲスト:田山涼成、矢部裕貴子、佐伯深雪、高佐一慈
3.異世界への扉(1月19日放映)
  • ベース:「ラビリンス」(「栞と紙魚子と青い馬」収録)
「本の魚」「古本地獄屋敷」(「栞と紙魚子と夜の魚」収録)
  • 脚本:ブルースカイ、演出:富永まい
  • ゲスト:諏訪太朗、森下能幸、上月佐知子
4.ためらい坂十年戦争 ケーキの乱(1月26日放映)
  • ベース:「ためらい坂」(「栞と紙魚子の生首事件」収録)
  • 脚本:江本純子(毛皮族)、演出:富永まい
  • ゲスト:西牟田恵、山本浩司、しのへけい子
5.長い廊下伝説(2月2日放映)
  • ベース:「桜の花の満開の下」(「栞と紙魚子の生首事件」収録)
「長い廊下」(「栞と紙魚子殺戮詩集」収録)
  • 脚本:渡辺雄介、演出:清水厚
  • ゲスト:斉藤陽一郎、本田昌毅、田中いちえ、荒木久美子
6.ゼノ夫人のお茶(2月9日放映)
  • ベース:「ゼノ奥さんのお茶」(「栞と紙魚子何かが街にやって来る」収録)
  • 脚本:ブルースカイ、演出:清水厚
  • ゲスト:広田レオナ、桜庭ななみ(デビュー)、小須田康人
7.闇の中(2月16日放映)
  • ベース:「魔術」(「栞と紙魚子何かが街にやって来る」収録)
  • 脚本:小林雄次、演出:高橋巌
  • ゲスト:柳生みゆ、相葉弘樹、尾関高文
8.フランダースみたいな豚(2月23日放映)
  • ベース:「殺戮詩集」(「栞と紙魚子殺戮詩集」収録)
「夜の魚」(「栞と紙魚子と夜の魚」収録)
  • 脚本:江本純子(毛皮族)、演出:高橋巌
  • ゲスト:中村麻美、斉藤暁、松永玲子
9.首山病院と首之山病院(3月1日放映)
  • ベース:「頸山の怪病院」(「栞と紙魚子殺戮詩集」収録)
  • 脚本:ブルースカイ、演出:落合崇
  • ゲスト:田端玲実、山崎みちる、松村武、佐藤夏希(AKB48)
  • その他:野呂佳代(AKB48、ポスターの写真として出演のため台詞無し3秒ほど、扱いとしてはエキストラ以下)
10.ボリスvsクトルー(3月8日放映)
  • ベース:「それぞれの悪夢」(「栞と紙魚子の生首事件」収録)
  • 脚本:渡辺雄介、演出:大野哲哉
  • ゲスト:前田健、野村たかし、キラ・バーバ
11.ヤマダさんちの幽霊(3月15日放映)
  • ベース:「顔・他より/忘れっぽい幽霊」(「栞と紙魚子と夜の魚」収録)
  • 脚本:渡辺雄介、演出:大野哲哉
  • ゲスト:小林隆、山下容莉枝、柳田衣里佳
12.月光影虫(3月22日放映)
  • ベース:「月光影虫」(栞と紙魚子 1(文庫版) 収録)
  • 脚本:伊勢尚子、演出:井口昇
  • ゲスト:片桐はいり、大島優子(AKB48)、石川ゆうや
13.メビウス!?(3月29日放映)
  • ベース:ドラマオリジナル
  • 脚本:渡辺雄介、演出:井口昇
  • ゲスト:片桐はいり、大島優子(AKB48)、矢部裕貴子

原作との相違とエピソード

  • 南沢奈央の栞は、彼女のボーイッシュ・イメージに合わせてか、やたら活発で物怖じしないアクティブな不思議ちゃんに、前田敦子の紙魚子は、家庭の事情で胃の頭町に単身転校してくるごく平凡な女の子にキャラ改変。
  • 第2話「自殺館」は、ギロチントラップ付きトイレに入るのが原作では紙魚子なのがドラマでは栞にポジションがチェンジ。第5話「長い廊下伝説」でも同様のことがあった。そして最終話「メビウス!?」のラストは、そのポジションチェンジそのものをネタにしたような大胆なオチだった。
  • その「長い廊下伝説」は、原作では古寺が舞台で栞と紙魚子の宿敵キャラ長姫が登場するエピソードだったが、ドラマでは「桜の花の満開の下」のエピソードとドッキングさせた上、舞台もカラオケBOXに変更。更に何故か90年代バブルネタも盛り込まれ、イケイケギャル達のゴーストが踊り狂い、懐かしや荒木師匠まで登場するハチャメチャなサプライズ。
  • 腰に手を当てながら考える栞の推理ポーズは、南沢自身のアイデア。「日経エンタテインメント!」08年4月号掲載のインタビューで南沢は、「撮影に入る前に監督から『推理する時のポーズを考えて』と言われたので、腰に手を当てる形を考えました。2話以降にも同じものを入れられそうなシーンが出てきたのでやってみたら、監督に『それいいね』と言われて、毎週の決めポーズになりました]と語っていた。
  • 第9話「首山病院と首之山病院」には、八嶋智人、山崎樹範が所属する人気劇団「カムカムミニキーナ」の面々が大挙出演した。佐藤夏希と野呂佳代は主演の前田を仲介にしてプロデューサーに直談判した。佐藤は役が与えられたが、野呂は演技があまりにも酷かったため、ポスターのみという結果になったAKB1じ59ふん!2月14日・3月6日放送分。

脚注・参考

外部リンク

栞と紙魚子の怪奇事件簿 - 公式HP

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