HOME > コミック > 株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん

株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん/こせきこうじ

共有

著者: こせきこうじ
巻数: 12巻

こせきこうじの新刊
株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくんの新刊

最新刊『株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん 12


出版社: 新潮社
シリーズ: バンチコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

harunotomoya 株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん #周りに読んでるひとがいないけど好きな漫画

株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん』(かぶしきかいしゃだいやまだしゅっぱんかりへんしゅうぶいんやましたたろーくん)は、『週刊コミックバンチ』第2号(2001年6月5日号)から140号(2004年4月30日号)まで連載されていた、こせきこうじ原作の漫画作品。全129話。単行本全12巻。

『県立海空高校野球部員山下たろーくん』の続編であり、さらに本作の続編として『山下たろーくん うみとそらの物語』がある。連載時は主人公の境遇の変化に伴いタイトルが変更されており、第3話までは『現在大無職再就職活動中山下たろーくん』、第4話以降『株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん』、第106話以降『発展途上編集部員山下たろー』となるが、コミックスのタイトルは『株式会社大山田出版仮編集部員山下たろーくん』で統一されている。

ストーリー

現在無職で就職活動中の山下たろー。ハローワーク帰りのある日、河川敷の球場で草野球の試合に目をとめる。その一方のチームを率いるのは、下手くそなくせに勝利に固執するおっさんだった。このド下手なおっさんが株式会社大山田出版の社長だったことから、山下たろーは漫画週刊誌の編集に携わることとなり、「史上最高の編集部員」を目指すなかで様々な人々と出会い、自分自身の、そして出会った人々の運命を変えていくことになる。

前作を髣髴とさせる野球の試合を行うシーンはあるものの、あくまでメインは編集部員としてのたろーの奮闘を描いている。

登場人物

山下たろー
株式会社大山田出版第4編集部仮編集部員の28歳、後に正編集部員。10年前、春の選抜甲子園大会で全国制覇を成し遂げたが、酷使に次ぐ酷使で利き腕の右肩はおろか左肩まで故障してしまい、その後野球から遠ざかってしまった。10年後、勤めていた会社を解雇されハローワーク通いをするものの、27社連続で不採用となってしまう(たろー曰く「27連敗」)。しかし偶然から大山田出版の山田社長と知り合い、またその第4編集部に辰巳が在籍していた経緯から、仮編集部員として採用された。野球だけが取り柄だったが、それも10年の間にグローブのはめ方やバットの持ち方まで忘れてしまっていたほど逃げていた。しかし、草野球で「27連敗」という同じ境遇の山田社長と出会ったことにより、一念発起し絶対にあきらめない精神を持った本来の自分を取り戻して様々な困難に立ち向かい、出会った人々の心をゆさぶっていく。

株式会社 大山田出版

山田大蔵
株式会社大山田出版取締役社長。病気で早世した息子・六郎とキャッチボールをして遊んでやらなかったことを悔いており、現在も野球を趣味としている。身体の弱かった六郎が漫画雑誌から様々なことを学んでいたことから、売り上げ不調といえども、自社の出版物から漫画雑誌を外すことはできないと思っている。たろーやコミックショーネンを社内抗争に利用しようとする者達に激しい怒りを覚え、たろー達を守ろうと決意した。
若山さん
社長秘書。当初はたろーと出会って興奮気味の社長を理解できないような描写があったが、次第にたろーに惹かれていく。

「週刊コミックショーネン」編集部(第4編集部)

「週刊コミックショーネン」
創刊以来売り上げが伸びず、大山田出版の大荷物、日本一活気のない編集部と言われ、15時を過ぎても誰一人出勤してこないありさまだった。しかしたろーが関わったことで、編集部員や作家達の意識が変わり急激に発展、連載開始当初は発行部数10万部程度だったものが、後に100万部を超えることとなった。
辰巳亮介
主任。かつて3番、サードでたろーとともに甲子園で全国制覇。小野田部長の娘・由紀恵と婚約したことで出世コースに乗れるはずだったが、仕事そのものにはやる気がなかった。しかしたろーと10年ぶりに再会し、「本性がでで」昔の自分を取り戻していく。たろーといるときが自分らしくいられる時らしい。実は総資産10兆円の辰巳財閥の御曹司で、30歳になったら後を継ぐことになっていたのだが、敷かれたレールをただ進むだけの人生に疑問を感じている。
村西忠男
編集長。かつては凄腕の編集者として有名だったが、今はすっかりやる気を失い、昼間仕事中でも酒をかっくらってだらだらと過ごしていた。しかし良い作品や作家の力量などを見抜く目は健在であり、たろーとの出会い後は本腰を入れ、コミックショーネンのため様々な手を打っていく。
モデルは元週刊少年ジャンプ編集長の西村繁男
山崎
副編集長。ひどくあたりまえの、まったく正しい、反論できないような、しかし全然面白くないことしか言わないと言われている。
藤井
相談役派の編集部員で、スパイのようなことをしているが…。いかにもやる気がなさそうな、ヘラついた男。
古池
編集部員。たろーに影響され、仕事に力が入るようになった。
ミノムシ長谷川
編集部員。寝袋に入って机の下で寝ていることから、この名で呼ばれているらしい。
大塚
アルバイト。編集志望で、「もんもんモンスターの大冒険」外伝のストーリーを趣味で書いている。
折原未緒
コミックショーネンの増刊号を出す際に配置されたアルバイト。少々動作がとろい。犬井のたろーに対する行動に嫉妬するような描写があった。

その他

相談役
大山田出版の相談役だが、山田社長を解任し、自派の佐藤常務を社長にしようと考えているらしい。たろーに「困ったら相談にのってくれる人」と誤解されてしまう。
小野田部長
第1編集部々長。娘が辰巳の婚約者であることから、辰巳に目をかけていた。
本山
販売部員。元高校空手チャンピオン。コミックショーネンの販売部数増加に驚愕する。

株式会社 戯画出版

間野
株式会社戯画出版取締役社長。仕事に感傷を持ち込むことが、虫ずがはしるほど嫌いだという。

「週刊少年ギーガ」編集部

「週刊少年ギーガ」
発行部数600万部を誇る。もうこれ以上の本は二度と現れないだろうと言われるほどの怪物雑誌。
五島
編集長。かつては村西の下で「大冒険ブック」の編集をしていた。会社が倒産し、ともにコミックショーネンに移るはずだったが、種々の事情でギーガへ。その際大冒険ブックの作家を強引に引き抜き、編集に村西のノウハウを使ったため、後ろめたい気持ちを抱いていた。
モデルは西村の次に週刊少年ジャンプ編集長となった後藤広喜
間野総太郎
副編集長。社長の息子。600万部の王者は常に王者でなければならないと言い、コミックショーネンとの草野球試合に勝つために、ボーナスで釣ろうとするなどした。血を見ただけで気を失いそうになる。けっこうおっちょこちょい。
山田健太
かつて甲子園でたろーと戦った「鉄腕」。早乙女に連れてこられた「究極の未完璧編集部員」。
早乙女龍之介
新編集長。完璧を目指し、また何事も完璧だと称しているが、常にどこか間違えている。その金さえあればなんでもできるという考え方には、間野総太郎でさえうんざりしてしまった。

漫画家・原作者

須永
かつての海空高校1番打者。人呼んで「さすらいの賭博師」。少年ギーガにて、「巨大な流星」「Tomorrow is another day」という同誌の中でも飛び抜けて人気が高く、アニメ化までされている作品の原作者。後にギーガを離れ、たろーに漫画の原作を託すことになる。
中津川誠
コミックショーネンにて「遙かなる幻愛」を連載していたが、だんだん魂のこもっていない、絶妙に手を抜いた作品しか書かなくなり、打ち切りリストの第1位に挙げられていた。しかしたろーと出会ったことで、昔の自分を取り戻し復活した。
もりかわはじめ(森川くん)
「改造ねずみハムちゅー仮面」作者。以前から漫画の持ち込みをしていたのだが、辰巳に酷評され追い返されていた。たまたまたろーが初めて大山田出版に来た際に出会い、編集者と勘違いし原稿を見せたことで、運命が激変した。後にハムちゅー仮面はアニメ化されることになる。
犬井わん(犬井圭子)
「もんもんモンスターの大冒険」の作者である女性漫画家。コミックショーネン誌では人気1位の作品だったが、次々と新しいモンスターを登場させろという編集の要望に応えた結果であって自分の書きたいものとかけ離れたものになったことに疲れはて、一度は逃亡する。たろーと出会って、逃げてはいけないと気づかされる。たろーに次第に好意を抱くようになる。
小松崎たかし
村西によって発掘され育てあげられた漫画家だが、村西と袂を分かって後、坂道を転がり落ちるように人気が落ちてしまい、もはや終わった漫画家と言われていた。しかしたろーとの出会いで昔を取り戻し、「素浪人スペースゴクドー」を書き上げた。

アニメーション関係

川柳比呂志
シースカイアニメーション社長。かつて勤めていた会社が倒産し途方にくれていたときに、たまたま海空と山沼の地区大会決勝を観戦し、海空の強烈な粘りに感動。以後海空を見続け、海空高校野球部員にもらった感動・勇気・希望を多くの子供達につたえようとアニメーション会社を興した。息子の「海」という名前は海空高校にちなんでいる。息子ともども川柳をひねる。ハムちゅー仮面のアニメ化を企画する。
熊田猪一郎
かつての海空高校野球部員。「スタジオがぶり」にて宮畑監督のもとで助監督をしていたが、ハムちゅー仮面の監督に抜擢される。あいかわらず少々気が弱く、泣き虫。
虹野響子
ハムちゅー仮面にキャスティングされた、七色の声を持つベテラン声優。しかしたろーは納得せず、結局は敵キャラのネコにゃー魔人を演じることとなる。
上川美英
声優になるために北海道からでてきたばかり。たろーと同じアパートに住み、近所の公園で子供達相手に紙芝居を見せていた。たろーによってハムちゅー仮面の声優に抜擢された。たろーの頼みならばなんでも聞くと言っていた。

その他

新開
高校時代、たろー・辰巳と共に甲子園で活躍した元チームメイト。作内では某スポーツの編集部員となっていた。プロローグの1ページしか登場しない。たろーと同じ28歳だと語り、故障をした たろーのその後の進路を心配している。
花田佐智枝
クレーター化粧品会長。夫の訃報ニュースの放送中に乱入したたろーのおかげで生きる力を取り戻したと言い、ハムちゅー仮面アニメ化のスポンサーを買って出る。視聴者層と業種の接点がないかと思われたが、ハムちゅー仮面石けんやハムちゅー仮面ハムなどを発売し、確実に商売に結びつけていく。
反省堂書店々主
「海よりも深く反省だ」が口癖の、町の書店経営者。
小野田由紀恵
辰巳の婚約者。いったんは婚約解消となるが、後にプロポーズされることとなる。自分は辰巳が好きだが、辰巳はそうは思ってくれていないと、長いこと悩んでいた。
近藤
かつての山沼高校野球部員。今はあすなろ園の園長代理をしているが、経営は苦しく、苦労している。たろーと辰巳が黙って援助してくれたことに感謝し恩義を感じており、たろーへの協力を惜しまない。
残場組長
留置所内にいたやくざの親分。たろーは同じ留置所で会ったことで、漫画作品「もんもんモンスターの大冒険」を更に面白くするためのキャラクター「史上最高のモンスター」を創るきっかけを掴んだ。たろーは自分との出会いが為になったと考えており、釈放の際にそんなたろーを激励する。

関連項目

  • 県立海空高校野球部員山下たろーくん