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格闘探偵団/小林まこと

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著者: 小林まこと
巻数: 5巻

小林まことの新刊
格闘探偵団の新刊

最新刊『格闘探偵団 5


出版社: 講談社
シリーズ: イブニングKC


格闘探偵団の既刊

名前発売年月
格闘探偵団 1 2003-09
格闘探偵団 2 2004-05
格闘探偵団 3 2004-12
格闘探偵団 4 2006-01
格闘探偵団 5 2006-01

格闘探偵団』(かくとうたんていだん)は、小林まことによる日本の漫画作品。 『イブニング』(講談社)に連載された。単行本は全5巻。

小林の代表作である『1・2の三四郎』、『1・2の三四郎 2』の続編であるが、前2作ではプロレスラーだった東三四郎がリングを離れて私立探偵としてさまざまな事件を解決するのを描く。

あらすじ

前作『1・2の三四郎 2』のラストで赤城欣市を破り、前途洋洋だと思われていた東三四郎率いるドリームチームであるが、とある大手興行会社から持ちかけられた八百長試合を大失敗試合に負けるはずだったのだが、試合開始早々に三四郎が放った牽制のパンチ一発で相手はノックアウト。自分から倒れ込んで完全に気絶した相手から腕ひしぎ逆十字を受けている形になって負けるという八百長以前のしょっぱい試合だった。し、格闘界から完全に干されてしまう。

そして数年後。五頭信と結婚し、クリーニング店を経営していた元ドリームチームのほたる(旧姓:本間)は、公園で見かけたやけにガタイのいいホームレスが消息不明となっていた三四郎であることに気づき、愕然とする。ついにここまで落ちぶれてしまったのか……と嘆く五頭夫妻だったが、実は三四郎は私立探偵として個人事務所を開いており、浮気調査の張り込みのために変装していたのだ。

かくして、リングの上で最強だった東三四郎が、頭脳を使わずその動物的カンと格闘能力を活かして力づくで事件を解決する異色探偵ストーリーが始まった。単行本1巻はいくつかの事件が収録された短編で、2巻以降は単行本2冊分の長編ストーリーとなっている。

序章

単行本1巻。

突如、大柄なホームレスが登場。彼こそは、かつてのドリームチームのエース、東三四郎その人であった。現在探偵を職業としていた。浮気調査の為にホームレスに変装していたのだが、図体がデカいため、何に変装しても目立ってしまう。前半はオムニバスの短編形式でウ・チーノとの出会いのエピソードなどもある。かつての仲間も小出しに登場する。

金本家編

単行本1巻。

12年間行方不明であった金本陽二の所在探しを妹・紀美子から依頼された三四郎。居所を付き止め、陽二宅を訪問したのだが、そこにあったのは陽二の無残な死体であった。運が悪い事に、三四郎は犯人にでっち上げられるのだが…。真犯人究明の為に動き出した東探偵事務所の面々、しかし真犯人は意外な人物であった。

ブラックマンバ編

単行本2巻~3巻。

大学教授より、行方不明となった娘の捜索を依頼された三四郎。その捜査の過程で、警察より同様の美女が行方不明となる事件が多発していることを知らされる。実は「ブラックマンバ」を自称する大金を持つ謎の人物が、誘拐団を組織し、閉鎖されたホテル内で飼育性的な意味ではなく、快適な環境だが外には出られないガラス張りの部屋内に半裸で閉じ込めた被害者たちを外から眺めて楽しむだけの「飼育」。していたのだ。

末端の誘拐グループの1つを叩き潰すなど、事件の核心に徐々に迫りつつあった三四郎だが、ブラックマンバの魔手は三四郎の妻である志乃にまで及ぶ。ドリームチーム軍団はブラックマンバ本拠のある孤島に乗り込み、約100名の誘拐団との決戦に挑む。

走れ!タッ君編

単行本4巻~5巻。

かつてドリームチームを格闘界から追放した興行会社社長が三四郎の事務所を訪れる。彼の幼い孫娘が、三四郎に遺恨がある中国人系犯罪組織「猫頭(にゃとう)」に誘拐され、その身代金10億円を三四郎に持って来させるように要求したというのだ。孫娘を心配する社長の必死の懇願に、三四郎は自分の命を狙った罠であることを承知の上で依頼を受けることに。

だが、警察には知らせていないはずの身代金取引現場には、何故か大量の警官が張り込んでいた。猫頭とは無関係の誘拐事件が発生しており、偶然にも2つの事件の身代金受け渡しが重なっていたのだ。猫頭のことが警察に知られると人質が殺されるため、三四郎は警官たちをなぎ倒してその場を脱出する羽目に。

成り行き上、もう1つの事件の犯人と誘拐された自閉症児「タッ君」と行動を共にし、誘拐犯として警官から追われることになった三四郎は、タッ君の自閉症特有の突拍子もない行動自閉症児保護者のブログでは自閉症児が登場するコミックとして本作を取り上げているところがいくつかあるが、本作の自閉症描写は彼らから見てもリアルとの評価を受けている。に振り回されながらも、再度の猫頭との接触を図るのだが……。

登場人物

東三四郎(あずま さんしろう)
八百長によるドリームチーム崩壊後、私立探偵を開業しレスラーは休業中(本人談)。野生の鋭いカンや格闘能力を活かして力尽くによっての依頼遂行率が高い。変装は下手(そもそも図体がデカ過ぎて変装にならない)。
東志乃(あずま しの)
三四郎の妻。浪費家が原因で別居していたが、金本殺人事件を切っ掛けに復縁。健康的な美乳と美脚、さらに露出の高い服装をするため、しばし三四郎を悩ませる。旧姓「北条」。
ウ・チーノ
三四郎が依頼された事件の犯人(ストーカー)。盗聴、盗撮、解錠の特技に目を付けた三四郎に無理矢理探偵事務所の従業員にされてしまった。元職は学習塾講師。
五頭信(ごずしん)
ドリームチーム崩壊後、「五頭クリーニング」を経営。ドリームチーム時代に出会った女子高生・ほたると結婚し、長女「もも」を儲ける。ホームレスに変装していた三四郎を真剣に時給600円で雇おうとした。以後も東探偵事務所に関わっていく。
五頭ほたる
五頭の妻。旧姓「本間」。元ドリームチームの女子プロレスラーで、現在は五頭とクリーニング店を経営。専業主婦になっても、格闘技術は衰えていない。
西上馬之助(にしがみ うまのすけ)
三四郎とは高校からの同級生。ドリームチームでは覆面レスラー「オコノミマン」として活躍。崩壊後は、一度は別れたミス沖縄の妻と復縁し、横浜でお好み焼き屋を経営。五頭同様、東探偵事務所に関わって行く。
成海頁二(なるみ ぺいじ)
ドリームチーム解散後も唯一格闘家として活動していた長身のレスラー。ボブ・サップに8秒でKOされ引退。以後は東探偵事務所で働く事になる。服装はいつもトレンチコート。セリフは『ウガァ』のみ。
美鈴亮(みすず りょう)
ドリームチームのデスマッチレスラー「美鈴拳」の一人息子。レスリングで学生チャンピオンまでになるが、天下無双大学を中退し家出する。三四郎と再会後は、東探偵事務所で働く事になる。夢はレスラーになり三四郎と戦うこと。
南小路虎吉(みなみこうじ とらきち)
三四郎と馬之助の高校からの同級生。現在は売れっ子の漫画家。格闘技の試合には足を運ぶ。
蛇野鱗
警視庁警部。強力な眼力を持ち、催眠術とも誘導尋問とも取れる不思議な力で相手に容疑を認めさせる能力を持っている。一時、三四郎に金本陽二殺害を自白させた。三四郎に「お前は正義の為に探偵をやってる」と暗示をかけ、以後も東探偵事務所を利用して行く事になる。口癖は「だめだ…」。
三条
若年性脱毛症ではあるが、28歳の刑事。学生時代はドリームチームのファンで、赤城欣一戦も会場で観戦していた。
参豪辰巳(さんごう たつみ)
三四郎、馬之助、虎吉の高校へ転校後、3人と格闘部で青春を渡り歩いた。現在はO・U大学柔道部コーチ。
三五十五(さんご じゅうご)
シリーズ前作『1・2の三四郎 2』に続き、同著者作品『柔道部物語』の主人公による友情出演。妻・ひろみとの間に3児を儲け、現在4児目を妊娠している。期待されていたオリンピックに1回戦敗退を雪辱に燃えているが…。
猫雲若(にゃうんにゃ)
中国マフィア、「猫頭」のボス。アジトで三四郎に暴れられ、恨みを持つ様になる。

単行本

  1. 2003年9月発売 ISBN 978-4063520385
  2. 2004年5月発売 ISBN 978-4063520729
  3. 2004年12月発売 ISBN 978-4063520941
  4. 2006年1月発売 ISBN 978-4063521320
  5. 2006年1月発売 ISBN 978-4063521337

脚注