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気分は形而上/須賀原洋行

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著者: 須賀原洋行
巻数: 19巻

須賀原洋行の新刊
気分は形而上の新刊

最新刊『気分は形而上 19


出版社: 講談社
シリーズ: ワイドKC


気分は形而上の既刊

名前発売年月
気分は形而上 17 1996-10
気分は形而上 18 1997-06
気分は形而上 19 1998-04

気分は形而上』(きぶんはけいじじょう)は、モーニングで連載された須賀原洋行の4コマ漫画。

同作品を原作とするアニメーション作品に、OVA『気分は形而上 実在OL講座』(きぶんはけいじじょう じつざいおーえるこうざ)がある。

概要

お世辞にも上手とは言えない素人的な画風と、哲学的なネタのミスマッチが独特の雰囲気を醸し出す、当時としてはかなり個性的な作品。基本的には4コマ漫画であるが、冒頭部分は(連載時には扉ページになっている)、毎回5コマ作品1本になっている。また、時折8コマ漫画も添えられており、不定期に短編も発表されている。

本作からは、ゴキちゃん、よしえサン、榎田君等、作者が後年発表する諸作品の主人公が多く誕生している。

なお、題名の読み方は「きぶんはけいじじょう」が正しく、「きぶんはうああ」は間違いである。タイトルロゴの「形而上」に「うああ」の文字が絡んでいるため誤読されることが多いが、「うああ」は単なるデザイン上の文字であって振り仮名ではない。 派生品として、ニフティサーブに存在した「酒・バッカスフォーラム」には、この作品より名称を取った電子会議室「形ぅ而ぁ上ぁ亭」があった。この会議室は作品名とは異なり「うああてい」と呼ばれていた。

単行本は、絶版の状態であったがコミックパーク、と電子書籍1にて復刊している。

作品の流れおよび主なシリーズ

第一期(1巻 - 5巻)

連載当初は、哲学漫画だったが人気が芳しくなく、数回で路線変更になったが、身近にあるものをキャラクター化したところ人気が沸騰した。ゴキちゃんは2006年に入ってから「コミックボンボン」にて、けつちゃんは2007にWebコミック「Michao!」にて復活した。連載当時のネタはグリコ森永事件のネタを使われている。

ゴキちゃん

気分は形而上の連載が始まった頃から始まっているシリーズ。『気分は形而上』連載が始まった頃いきなりネタに行き詰まり困っていたときに始めた話である。結構な人気を博し『気分は形而上』の長期連載の足がかりを作ったシリーズである。ストーリーは田中家に住みついたクロゴキブリ、「ゴキちゃん」を中心とした話で、話は推理や人助け、ギャグなど回によって様々である。最初は「ゴキちゃん」だけだったが、その後仲間の虫達も含めた話へと発展していった。

けつちゃん

年齢、経歴などはすべて不詳の不思議生命体「けつちゃん」とキャピピOL沢田恵美子 によるシリーズである。沢田恵美子があまりにもうああなので出現した彼女のボディガードという設定になっている。「けつちゃん」の意味を考えると自己険悪病になってしまう。沢田恵美子の頭が少し良くなってからは「けつちゃん」が見えなくなったが、彼女が(けつちゃんに会うために)危険なことをするたびに一時的に現れていた。けつちゃんが原発反対の運動をして指名手配されることから始まる黒い陰謀編に突入してから再び常時現れるようになった。最後に原発のメルトダウンが発生し爆発事故をおこし日本列島が崩壊する危機に陥ったときにけつちゃんが瞬間移動で現れ原発を宇宙のかなたに飛ばし日本を救った。また原発の下には核ミサイルが隠されていたが、けつちゃんが瞬間移動で原発を宇宙のかなたに飛ばしたため核ミサイルを政府が隠し持っていたことがばれ、このことがきっかけで世界が核兵器撤廃の方向に向かったためけつちゃんは世界を救った救世主となった。けつちゃんは原発を宇宙のかなたに飛ばしたさいに巻き込まれて消滅したと思われていたが、本当は沢田恵美子には見えなかったがけつちゃんは生きていた。

うしとり物語

第二期(6巻 - 13巻)

執筆当初は、既に作者の妻であった女性を実在OL(実在ニョーボ)として登場させたところ、予想以上に人気が出てそのまま作品の主役にまで昇りつめる。作品において、彼女と共に暮らす家族(結婚前は実家の家族・結婚後は作者など)を取り上げたり、また、彼女だけでなく、彼女の周囲の人々やこの作品の読者(あるいは読者の周囲の人々)も「巷の実在OL」として包括してシリーズ化したのも人気が出た要因とも言える。リクルート事件の頃はもし、OLが政治に参加して日本OL党を立ち上げたらをテーマにした話このとき登場した政治家・政党の名前はパロディ(例としては多怪舌、中骨、憂悩、悔負、怒威や、痔民党、斜怪党、混迷党、眠者党、今日惨党など)である。「日本OL党」の委員長の名は「沢口杏子」で、痔民党を離れた悔負を擁し、他の野党と連立を組み政権を奪取した。日本OL党シリーズ最終話は、「本格的OL党政権」の成立を報じる新聞記事で幕を閉じている。。も作られた。しかし、長男の誕生以来、彼女に纏わる漫画の掲載本数が減り、最終的には彼女に纏わるシリーズはよしえサンへ完全移行した。家庭でのネタが主であるよしえサンとは違い、職場でのネタを主に据えて描いている。第一期の漫画も暫く連載されるものの、単行本にして10巻辺りで完全に実在OL(実在ニョーボ)ネタがメインとなる。なお、第三期に移り変わるまでは、一時的に第一期の路線が復活した。

第三期(14巻 - 19巻)

第一期の流れを汲む形での路線変更で、哲学路線を踏まえた形であったが、今度はキャラクターを身近なサラリーマンにしていたため、人気を得た。また、日本語の乱れをネタにしたことも反響を得た。こだわりの榎田君シリーズは特に評価が高かったため、次回作『それはエノキダ!』としてスピンオフしたほどである。また、当初は実在OLネタと実在コドモネタも扱っていたが、すぐに消えていった(別作品で扱うようになったからである)。第三期で使われたネタは地下鉄サリン事件や田代まさし盗撮事件、2ちゃんねるのネタなどが使われている。

OVA

グループ・タック制作、東宝より1994年1月14日に発売された。規格番号:TA-4469R JAN:4988104212313 sku:191794

スタッフ

  • 監督:やすみ哲夫

キャスト

実在OL(実在ニョーボ)ヨシエ:松本明子
ナレーション:来宮良子
ダンナ:安原義人
課長:納谷六朗
主任:野沢雅子
ともみ:松本梨香
エミ子:渕崎ゆり子