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無限の住人/沙村広明

共有

著者: 沙村広明
巻数: 29巻

沙村広明の新刊
無限の住人の新刊

最新刊『無限の住人 29


出版社: 講談社
シリーズ: アフタヌーンKC


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

1113Ranmaru RT @inoueyusuke: DVDにて映画『無限の住人』を見た。 いやぁ、めちゃくちゃすごい殺陣の数々。 一体、何人の人が参加してるのだろうという程の圧倒的な殺陣シーン。 すごかったなぁ。 あと、木村拓哉さんをはじめ、全ての演者の方々がカッコ良かったなぁ。 漫画、アニメは…
roido5smap RT @puyokumaeight: 5月19日のWOWOWシネマは、HERO2007、HERO2015と無限の住人があって、木村拓哉デーだ。 https://t.co/CFgIRmKK7F
goforward7264 RT @muchudoku: WOWOW 5月放送 5/19 11時00分「HERO (2007)」 5/19 13時15分「HERO (2015)」 5/19 22時15分「無限の住人」 5/26 14時15分「無限の住人」 5/29 13時15分「無限の住人」…
spidernutcrack ナイス 【無限の住人(30) <完> (アフタヌーンKC)/沙村 広明】切ない、あまりにも切ない...そして、全ての伏線が回収されるラスト。ここまで読んできてよかった、と思える最終巻です。 → https://t.co/MMSxTu57tp #bookmeter
ebk3sale 無限の住人(15): 15 (アフタヌーンKC (337)) / 沙村広明 http://t.co/FwLVdlktJd #無限の住人(15):15(アフタヌーンKC(337)) #沙村広明

無限の住人』(むげんのじゅうにん)は、沙村広明による日本の漫画作品。講談社『月刊アフタヌーン』にて1994年から連載されている。作者のデビュー作であり代表作。

アフタヌーン四季賞で1993年に四季大賞を受賞した同名の作品を連載化したもので、受賞作は同年に『月刊アフタヌーン』に掲載され、単行本第1巻に「序幕」として収録されている。単行本は講談社より2010年5月現在26巻まで刊行されている。

1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。また、英語版が2000年にアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞している。2008年夏よりテレビアニメ全13話も放送された。

概要

江戸時代を舞台にした剣客アクション。人物造形・所作などが写実的な絵柄で描かれている一方、主人公が不死の肉体を持つという設定や、時代考証を半ば無視した奇抜な衣装、様々なギミックを施した独創的な武器、擬音(描き文字)に漢字を使用するなどの作風から、しばしば「ネオ時代劇」という宣伝文句が謳われている。

連載初期は主人公・万次が敵を一人ずつ倒していくわかりやすい活劇ものであったが、連載半ばから登場人物が多数登場し、複数のエピソードが同時に進行する入り組んだ物語が描かれるようになった。また、初期にはパンクロッカーのような出で立ちの人物が登場したり、戦闘シーンで背後に花や鳥を配して花札を思わせるような画面作りがなされたが、こうした派手な表現も連載途中より控えられるようになった。作風が変化した経緯については沙村広明#『無限の住人』を参照。

作品の大きな特徴として、作中の見せ場となる場面に鉛筆描きの絵が差し入れられていることが挙げられる。「鉛筆描き」といっても下描きのことではなく、ペンでは不可能な微妙な陰影を鉛筆の濃淡で表現した美麗もので、各話の扉絵もこの方法で描かれている。沙村広明#画風も参照。

あらすじ

「剣道とは勝つことへの道」を標榜する剣客集団・逸刀流。彼らに両親を殺された少女・凜は仇討ちを遂げるため、不死の肉体を持つ男・万次に用心棒を依頼する。

※話数(第~幕)は単行本収録時のもの。

序幕

万次と凜が出会う数年前。「百人斬り」万次は、八百比丘尼によって与えられた不死の肉体を持て余しながら、気のふれた妹・町と生活していた。しかし、序仁魚仏を殺害したことから「新鮮組」四道菱安の恨みを買い、妹を拉致されてしまう。自分の不甲斐なさから目の前で妹を殺された万次は、その場で新鮮組を壊滅させ、「悪党を千人斬る」ことを誓う。(第1巻)

第一幕〜第二十幕

国中の剣という剣を滅ぼし、あらゆる流派を統一せんとする剣客集団、逸刀流。彼らに両親を奪われた少女・浅野凜。復讐を誓いながらも、己の剣技が逸刀流には遠く及ばぬことを八百比丘尼に諭された凜は、「最強の用心棒を雇え」という助言のままに万次と出会う。凜に妹の面影を見た万次は用心棒を引き受け、黒衣鯖人・凶戴斗・閑馬永空・乙橘槇絵・川上新夜ら逸刀流剣士たちと血みどろの戦いを繰り広げることとなる。(第1巻 - 第5巻)

第二十一幕〜第三十一幕

幕府の役人・吐鉤群の訪問を受けた逸刀流統主・天津影久は、逸刀流を幕府の指南役とすることを承諾する。同じ頃、各地で逸刀流の剣士が謎の集団・無骸流に襲撃されるという事件が起きていた。そんな折、万次と凜の元に無骸流の剣士・尸良が訪れ、加賀へ向かう天津影久を協力して討とうと持ちかける。(第5巻 - 第6巻)

第三十二幕〜第四十五幕

加賀へ向かう天津を待ち伏せる作戦は、敵の替え玉により失敗、さらに尸良の暴走により仲間割れという結果に終わる。しかし無骸流・百琳の言葉に感化された凜は、万次を置いて単身で天津影久を追ってしまう。天津を追う凜、さらにそれを追う万次は、それぞれ通行手形の入手に苦労しながら加賀の地を目指す。(第7巻 - 第8巻)

第四十六幕〜第七十九幕(加賀編)

無事に関を抜けた凜は、加賀の地でついに天津影久に出会う。剣では適わないと見た凜は、隙を窺うため強引に天津の道連れとなるが、その道行きで、天津が傘下に収めたはずの心形唐流剣士から襲撃を受ける。心形唐流の裏切りが幕府の差し金であったことを知り仲間の下へ急ぐ天津、その彼についていく凜だったが、心形唐流剣士によって彼らは次第に窮地へと追いやられる。

同じ頃、無骸流は尸良の裏切りによって逸刀流の剣士達に襲撃され、真理路が死に、百琳が誘拐される。百琳はそこで逸刀流剣士達から凄まじい拷問を受けるが、真理路が百琳を救うために命を賭して残したダイイングメッセージによりアジトを突き止めた偽一に、間一髪で救出される。

一方、傷を癒すために足止めを食らっていた万次は、かつて引き分けた逸刀流剣士・凶泰斗と鉢合わせる。凶は親しい女性を殺した尸良を探していた。尸良の襲撃を予想していた万次は凶と協力関係を結び、二人連れで加賀へ向かう。(第8巻 - 第13巻)

第八十幕〜第八十九幕

尸良の襲撃を切り抜けた万次・凶と乙橘槇絵の参戦によって、凜と天津は窮地を脱する。しかしその頃、吐鉤群の謀略により、統主不在の逸刀流は幹部9名が殺害されて剣士の多くが脱退。既に壊滅状態に陥っていた。さらに再会を果たし住処に戻った万次と凜の元に、いまや無骸流の黒幕であることが明らかとなった吐の使者として無骸流・偽一が訪れる。(第13巻 - 第14巻)

第九十幕〜第百三十四幕(不死力解明編)

偽一に連れられ吐邸を訪れた万次は、吐に謀られて監禁され、不死の源を解明するための人体実験に供されてしまう。万次が帰らないことを不審に思い、偵察を始めた凜の元に、宿を求めて逸刀流の残党・瞳阿と夷作が現れる。互いの素性を知らぬまま3人での生活を送ることになる凜たちだったが、ある日、瞳阿が狼藉を働いたことにより夷作が役人に引き立てられてしまう。偵察により万次たちが江戸城地下に監禁されていることを知った凜は、瞳阿と共に万次・夷作の救出に向かう。(第14巻 - 第20巻)

第百三十五幕〜(最終章)

万次の救出により、不死実験は失敗。江戸城を混乱に陥れた責任を問われ切腹を命じられた吐は、残された期日を逸刀流の殲滅に費やすことを決意、新たに私兵隊「六鬼団」を結成する。一方市中に潜伏していた逸刀流残党は、志を同じくする他流派の剣士を新たに引き入れ決起に臨む。逸刀流の顛末を見届ける旅に出る凜と万次、さらに百琳・偽一・尸良も巻き込み、物語は終結へ向かう。(21巻 - )

関連用語

血仙蟲

血仙蟲(けっせんちゅう)。チベット仏教のラマ僧によって作り出された延命術。これを施された人間は体内で無数の「蟲」が培養され、傷を負ってもその「蟲」が損なわれた体組織を代用し直ちに修復されるようになり、また年も取らなくなる。ただし、施術される以前にもともと欠損していた肉体の部位は修復されず、また傷を負う際の痛みがなくなるわけでもない。「血仙蟲」を持った人間を殺害するには「血仙殺」(けっせんさつ)という毒で血仙蟲を無効にするか、首を斬り落とすしかない。

登場人物

無限の住人に登場する数名の主要人物の名前、「卍」「宗理」「辰政」「戴斗」「為一」「魚仏」等は、頻繁に改号を行った事で知られる葛飾北斎の改号名から引用されている。

主人公とその周辺人物

卍/万次(まんじ)
主人公。隻眼の剣士。元は旗本・堀井重信の腰物同心だったが、堀井の不正を見かね、彼を斬殺したためにお尋ね者となった。その際に追っ手100人を斬ったことから「百人斬り」の異称で呼ばれるようになる。その後、八百比丘尼によって血仙蟲を身体に移植され、不死の肉体を持つに至った。着物の中に多数の武器を隠し持っており、しばしば気に入った敵の武器を自分のものにする。
凜に請われて彼女の用心棒となり、逸刀流の剣士と次々に切り結ぶ(1-5巻)。無骸流と接触後は、単身で天津を追跡する凜を手形の入手に窮しながら追い、加賀の地で再会を果たす(5-13巻)。加賀から戻った後、吐鉤群によって捕らえられ不死力解明の実験台にされるが、凜によって救出、しかしここでの死闘により左手を失うことになる(13-20巻)。
浅野凜(あさの りん)
ヒロイン。無天一流統主・浅野虎厳の一人娘。16歳。天津影久率いる逸刀流に両親を殺害され、仇討ちを誓う。道場主の娘であるため自身も剣の心得があるが、力不足を感じて万次に用心棒を依頼(1巻)。しかし無骸流と組んでの天津襲撃が失敗した後、「男に守られて強くなれるはずがない」という百琳の言葉に触発され、万次を置いて一人天津を追い加賀に向かう。道中で天津と遭遇後、命を狙うべく彼に同行するが、結果的にその逃避行に付き合うことになる(7-13巻)。加賀の地で万次と再会した後は、吐に捕らえられた万次の救出のため江戸城地下に潜入、役人たちの手をかいくぐり救出に成功した(14-20巻)。
八百比丘尼(やおびくに)
万次を不死にした謎の老婆。自身も不死の体を持ち、既に800年の歳月を生きている。両親の墓前で仇討ちを誓っていた凜に、万次を用心棒にするよう促した(1巻)。伝説上の八百比丘尼については人魚#八百比丘尼を参照。
町(まち)
万次の妹。夫・斎藤辰政(さいとう たつまさ)が万次を襲い、返り討ちに斬られるのを目の当たりにし、気がふれて幼児退行してしまう。その後万次に養われていたが、新鮮組・司戸菱安によって拉致され、万次の目の前で斬られた(1巻・序幕)。
葉(よう)
万次や町・八百比丘尼らの集う茶屋で働く娘。司戸菱安ら新鮮組の連中が町を拉致したことを、負傷しながらも万次の隠れ家まで伝えに来た(1巻・序幕)。
宗理(そうり)
浅野虎厳の幼い頃からの友人。本業は絵師だが、実は幕府の隠密で非常に腕が立つ。芸術に人生を捧げており、隠密になったのも鎖国下で西洋の絵画を入手するためであった。凜に助力を請われ、剣での協力は断ったものの高額の資金を提供(1巻)。その後万次が加賀への通行手形奪取に失敗して負傷した万次に療養のための宿を貸し、結果的にそこで万次と凶を引き合わせた(9巻)。娘の辰と二人暮らしで、家事は娘に任せきりにしている。
辰(たつ)
宗理の娘。かなりのしっかり者で、生活力に乏しい父親に代わり家事全般を取り仕切る。一時呉服屋の次男へ嫁入りしていたが、勝気な性格が災いしほどなく離縁し宗理邸に戻った。

逸刀流

(いっとうりゅう)特定の流儀・格式を持たず、あらゆる武器・剣技を用いることを認められ、「一対一で戦うこと」を唯一の身上とする剣客集団。元は約50年前、無天一流の門弟であった天津三郎が、師である浅野虎秀を助けるために振るった剣が「邪道」とみなされて破門されたことへの遺恨から、自身の正しさを証明するために興した流派である。天津三郎の孫にあたる天津影久が統主になってからは、近隣の道場を次々と併呑し、江戸に千人の門徒を抱えるようになる。

天津影久(あのつ かげひさ)
逸刀流二代目統主。22歳。色白で線の細い優男だが、祖父・天津三郎から幼少の頃より鍛錬を受けたことで、天才的な剣才を持つに至る。祖父の遺志を継ぎ、あらゆる流派の垣を取り除くことを目指す。黒衣鯖人・凶戴斗・川上新夜ほか計30人で無天一流の道場を襲撃し、門下生全員と凜の父親である統主・浅野虎厳を殺害する。幕府の軍事力を逸刀流の理念で染め上げることを悲願としていた。
心形唐流を傘下に収めるため加賀へ向かうが、吐鉤群に謀られ窮地に陥ったうえ、統主不在の間に逸刀流壊滅の危機に晒される(5-13巻)。わずか10名となった逸刀流を率い、吐に対し決起を誓う。
黒衣鯖人(くろい さばと)
天津影久を幼少の頃から知る逸刀流の古参。無天一流襲撃に参加し、凛の両親を殺害した人物。鎧兜を身に纏った巨漢であり、「女性への究極の愛情表現は死」と考える猟奇的感性の持ち主で、殺害した自身の妻と凜の母親の首を剥製にして肩に縫い付けていた。凜に恋愛感情を持ち、孤児となった凜に毎日恋文を送り、最終的には凜を殺害してその首を肩に縫い付けて自らも剥製となるつもりであった。凜の用心棒となった万次の最初の対戦相手であり、万次の不死を知らず油断したところを斬られた(1巻)。
土持仁三郎(つちもち にさぶろう)
逸刀流剣士。禿頭にワシ鼻の男。宗理邸を訪れた万次と凜を仲間数名とともに襲撃するが、絵を踏みつけにされて逆上した宗理に斬られた(1巻)。
凶戴斗(まがつ たいと)
逸刀流創設時からの古参で、逆立てた髪と口元を覆う覆面が特徴の青年剣士。西洋由来の「仕込み刀」を使う。もとは百姓の出で、「凶」の苗字は自分で付けたもの。山育ちのため地の利を生かした戦いを得意とする。また幼少時に妹を侍に殺されたという過去のために武士階級を憎んでいる。
凜の父が師範代を務める無天一流の襲撃に参加し(この際、他の剣士による凜の母親の陵辱を止めようとした)、戦利品として凜の親の形見である剣を所持していたことから万次に戦いを挑まれ、引き分ける(1巻)。その後、逸刀流を幕府の指南役とすることに決めた天津と袂を分かち離党。しかしその直後、妹同然に思っていた遊女・恋を何者かに殺され、草履売りをしながら犯人を探していたところ、道中出会った宗理に手掛かりを見出し、留守番役として潜り込んだ宗理邸で万次と遭遇。万次との会話によって恋を殺害した男が尸良であることを知る。尸良からの復讐を予想していた万次との利害が一致したために加賀への道連れとなり、甲州街道で万次を待ち伏せしていた尸良と対決し勝利(9-10巻)。その後、加賀で天津の窮地に駆けつけ、幕府の裏切りを知ったことから逸刀流に復党した。
閑馬永空(しずま えいくう)
逸刀流の刺客。虚無僧のような服装をしている。万次と同じく血仙蟲により不死の肉体を持ち、既に200年の歳月を生きている。元はとある武将の下で戦国時代に活躍した侍で、戦場にて1000人以上の人間を斬っている。万次に天津の抹殺と逸刀流の乗っ取りを持ちかけ、断った万次を、刀に塗った血仙殺を使用して窮地に追い込む。さらに八百比丘尼の偽者を使って凜を誘拐するが、回復した万次により解体された(2巻)。
乙橘槇絵(おとのたちばな まきえ)
天津影久が「揺籃の師」と仰ぐ人物で、彼のはとこに当たる女性。元の姓は春川。10歳のとき、次期無天一流統主と目されていた兄を剣術で破り、割腹に追い込んだことで母親と共に春川家から絶縁され、その後、遊女に身をやつしていたところを天津に身請けされた。
天津をも上回る剣技の持ち主で、刺客として万次を襲い圧勝するが、万次を庇う凜をみて止めを刺さず、また天津の下も去る(3巻)。その後、零落した春川家を訪れ、「自分が斬るべくして斬る筈の唯一の人間」である父を殺そうとするも果たせず。生きる望みを失い白川郷で身をひさいでいたところを天津に見出され、心形唐流に襲われ窮地にあった天津の元に駆けつけた(12-13巻)。その後は天津と連れ添うが、父親と同じ病にその身を侵されている。
川上新夜(かわかみ あらや)
逸刀流の剣士。無天一流の襲撃に参加し、浅野虎厳殺害時に居合わせ、凜の母親の陵辱に加わった。普段は素性を隠し、息子の練造と共に面屋を営んで暮らしており、縁日で面の屋台をしていたところに万次たちと遭遇する。息子に自身の素性が知られることを恐れている。単身で住処に乗り込んできた凜を口封じのために抹殺しようとするが、追ってきた万次に敗れた(4-5巻)。
凜の母親や凜に死出の化粧を施すなど、独特な美的感覚をもっており、彼が製作した面には万次も関心を示した。
八角蔦五(もろずみ ちょうご)
逸刀流の副将。天津影久の加賀行きに際して統主代行を務めるべく、品川から天邦道場へ向かっていたところを偽一に襲われる。同行者を殺戮されたのち自身も拘束され、逸刀流の内情を喋らされた挙句、殺害された(5巻)。
隅乃軒栄(すみの けんえい)
逸刀流の副将。統主代行として道場に向かうところを百淋と真理路の芝居に騙され、毒を盛られたのち百淋に眉間を貫かれ倒れる(5巻)。
阿葉山宗介(あばやま そうすけ)
隻腕の老剣士。天津三郎の友人で、影久の後見役。影久の加賀行きの間は統主代行を務める(5巻-)。天津不在の間、吐鉤群の開いた酒宴の場で他の副将格の剣士と共に襲撃され、ただ一人生還(13巻)。逸刀流残党となり、その後新たに加わった若手剣士達のまとめ役となる。
偽天津影久(にせ あのつ かげひさ)
天津の加賀行きの際、袋田と組み天津影久と名乗りを上げることで敵を炙り出そうとした。万次に倒される(6巻)。
袋田(ふくろだ)
流れの剣士を装い、偽天津影久と往来で喧嘩を始めることで敵を炙り出す役を負った。偽天津を倒した万次に背後から斬りかかるも敗北する(6巻)。
賽河屋(さいかわや)
普段は薬屋を営んでいる二人組の逸刀流剣士。天津の替え玉に引っかかった敵を始末する役を担っていたが、激昂した尸良に2人共嬲り殺しにされる(6巻)。
糸伊(いとい)
逸刀流剣士。葉矢の情夫。葉矢が誘き出した敵を斬る役を担っていたが、偽一に葉矢を人質に取られ、天津の行き先が心形唐流・伊羽指南所だと吐く。その後、一刀流を抜けた(6巻)。
花田(はなだ)
左右非対称のサングラスをかけた長髪の剣士。万次の手形入手のため、宇留間・火瓦と共に百琳の偽書簡によっておびき寄せられる。宇留間と二人がかりで万次に挑むが、奇襲に敗れた(7-8巻)。作者曰く「ジョン・レノンをイメージしたつもりが、でき上がったのは単なるオタク兄ちゃんだった」(7巻巻末付録より)。
宇留間(うるま)
坊主頭の剣士。花田とつるむ。煙管を愛用。万次の囮に引っかかり敗れた(7巻)。
火瓦(ひが)
頭にターバンのような布を巻いた二刀流の剣士。花田・宇留間のまとめ役。彼らとの戦いで手負いとなった万次を追い込むが、駆けつけた百琳、真理路によって倒された(7-8巻)。
珠崎(たまざき)
逸刀流剣士。中山道にて百琳・真理路に襲撃され左目と右腕を負傷(6巻)。その後尸良からの情報をもとに仲間数人で百琳を拉致、拷問にかけるが、救出に来た偽一に左腕を斬り落とされたうえ百琳に斬り殺された(9~10巻)。
稲条(とうじょう)
逸刀流剣士。珠崎と共に無骸流アジトを襲撃する。キリシタンの拷問をした経験から百琳の拷問を担当し、無骸流の黒幕を暴こうとしたが、休憩で用便中のところを偽一に首を刎ねられた(9-10巻)。
志水(しみず)
尸良に情報提供の見返りとして手形を渡す。稲条と共に用便中のところを偽一に首を刎ねられた(9-10巻)。
鬼抜(きぬか)
白眼の剣士。珠崎とともに無骸流のアジトを襲撃、真理路を葬った。百琳を救出に来た偽一と対戦し敗れる(9-10巻)
奉楽喜(ぶらき)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。吐鉤群の謀によって酒宴中に毒を盛られ、動けなくされたうえで吐と偽一の襲撃を受けた。邪悪な面構えながらあえなく死亡(12巻)。
司鞍黄十郎(しぐら こうじゅうろう)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。いかにも剣士然とした厳めしい風貌を持つ。襲撃する吐と偽一に対して目を見開き応戦するが、首を刎ねられあえなく死亡(12巻)。
久留歳田宗忠(くるせいだ むねただ)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。水玉模様の着物の男。高々としたボーダー柄の帽子の中に恐るべき武器を隠し持っていたが、不意を衝かれあえなく死亡(12巻)。
玩蛇(がんじゃ)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。逸刀流随一の八百八町系悪童。AKIRAの大佐のような髪と耳・鼻・唇につけたピアスで大いに時代を先取りしていたがあえなく死亡(12巻)。
桐舟舞茜(きりふね まいせん)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。丸眼鏡をかけた哲学的風貌の剣士。女達の舞を大いに楽しみ飲み、かつ食った。そのせいで毒にあたって斬られ、あえなく死亡(12巻)。
璃比人(りひと)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。女と見紛うばかりの美貌を持つ謎の美剣士。その憂いを帯びた瞳は女性読者の心を直撃するに十分な素質を持っていたがあえなく死亡(12巻)。
羅生門鼻左衛門(らしょうもん びざえもん)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。顔全体を覆面で覆い隠した怪剣士。その素顔を見たものは死ぬといわれているが、そうなる以前にあえなく死亡(12巻)。
亡安法師(ぼあ ほうし)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。不敵な面構えをした眼帯の剣士。眼帯の下に隠されたその右目を見たものは死ぬと言われているかどうかは不明だが、毒を盛られあえなく死亡(12巻)。
李覺殷(り こういん)
幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。前方に鋭く突き出た鬢を武器とする剣士。吐の挨拶に拍手を送ったりしてるうちに毒にあたり、胴体を上下真っ二つにされあえなく死亡(12巻)。
馬絽祐実(ばろ すけざね)
顔面に真一文字の疵のある剣士で10人の逸刀流残党の一人。天津の依頼で乙橘槇絵の居場所を探すなどの諜報活動を行なう(11巻)。その後壊滅状態になった逸刀流残党の一人となり、六鬼団の一人・佩矢坊から襲撃を受けるが撃退。しかし万次と風貌が似ていたため、この時に作られた人相書きをもとに万次が六鬼団の襲撃を受けることになった(21巻)。元は「志田祐実」という名の幕臣で月滋という名の許婚もいたが、すべてを捨てて逸刀流に入党したという過去を持つ。
圭反藤諒(かそり ふじあき)
逸刀流残党。20人の仲間を殺害した万次に対するけじめをつけるとして、凶・把山とともに万次をおびき出し、万次について来た偽一と対峙する。互いの肉を抉りあう死闘を演じるも、最後は鎖により首を絞めつけられ、苦悶のなか落命する(14巻)。
把山繰重(わやん くりしげ)
逸刀流残党。隻眼の元マタギ。若い頃に熊を突き殺したことがある。閑馬永空の遺品から血仙殺を持ち出して万次を追い詰めるも、回復した万次に敗れる(14巻)。
吉乃瞳阿(よしの どうあ)
逸刀流残党で、幼さの残る少女剣士。もともとは内地の人間で、蝦夷のアイヌの村で育てられたが、村の慣習になじめず夷作と共に本州へ逃れてきた。その後は野盗をしていたが、天津影久に追剥を行おうとして返り討ちにあい、それをきっかけに逸刀流へ加わった。鉄板入りの帽子を着用。天津の人柄に惚れ込んでいる。
逸刀流の残党となったあと、宿を求めて夷作と共に無天一流道場に現れた。その後自身の素行がもとで役人に捕らえられた夷作を救出するため、凜と共に江戸城地下へ潜入、万次の救出にも協力する。救出成功後は夷作と共に逸刀流を退き、南方へと旅立った。凜のことを最初は小馬鹿にしていたが、次第に心を開き、旅立ちの際、見送りに来た凜に「別れても再び出会う」という意味を込めた意匠を彫った短刀と、さらに愛用の剣を送った(15-20巻)。
八苑狼夷作(やそのおおかみ いさく)
逸刀流残党。瞳阿と共に蝦夷から逃れてきた大男。巨大な体躯に似ず純朴な人柄で、世間知らずな瞳阿の面倒を見る。元は異国の宣教師の息子で、本名はフェニーチェ・イサーク・カルワーリョ。戦闘時は手甲など軽装の鎧を身にまとい、その防御力と怪力を生かした格闘を用いる。
役人に目をつけられた瞳阿を庇って役人に捕らえられたのち、不死力解明の実験の犠牲となったが、不死力を得て生還(ただし不死力はその後、薄れて身には付かなかった)。万次の救出に助力した後、瞳阿と共に南方へ旅立った(15-20巻)。
「八苑狼」という姓は瞳阿と旅立つ時に宣教師の父親が授けたもので、「耶蘇の大神(キリスト教の神)」の意。
果心居士(かしんこじ)
逸刀流残党。「水科(みずしな)先生」という名で江戸で薬屋を営みつつ、密かに諜報活動等を行う老人。凜・瞳阿の江戸城潜入に陰ながら協力し、怖畔を援護に差し向けた。(17-18巻)
江戸城騒動の後、常陸へ向かう阿葉山・若手剣士らに随行。
道中、自らの故郷である筑波山南麓へ差し掛かった辺りで追走する六鬼団、伴殷六・杣燎らを相手に自らが「山の民」である事を利用し、村人と共に一計を案じ迎え撃つ。
伴を破り、その後ただ一人残った燎を前に勝利寸前まで追い詰めるも、自らの仕掛けた罠を利用され敗れた。(26巻)
怖畔(おずはん)
逸刀流残党。南方系の装束の男で、常に仮面で顔を覆っている。身体能力が極めて高く、仮面に仕込んだ特殊な笛で周囲を混乱させるなど、奇襲戦法を得意とする。果心居士の命を受け、凜の江戸城潜入に助力した(18巻)。まともな日本語は話さないが、瞳阿など逸刀流の数名とは会話が成立している。
天津三郎(あのつ さぶろう)
逸刀流前党首。かつては無天一流でも一・二を争う剣豪だった。師・浅野虎秀と共に野党の集団に襲われた際、浅野虎秀の実子である浅野虎行(凜の祖父)より5人多い9人を切り伏せるも、無天一流の教則には無い二刀流で戦ったこと、使用した一本が舶来の刀であったことから破門される。その恨みから気を病んでおり、孫である幼き日の天津影久が乙橘槇絵に助けられたことに逆上して2人に激しい暴力をふるった。「何代かけても我らが剣力、あの愚衆どもに知らしめよ」と言い残し狂死する。影久は彼の正しさを信じる一方、恥や体面に囚われた彼の姿勢に、格式と体裁を重んじた無天一流と変わらないとして「負け犬」と評している。

無骸流

(むがいりゅう)逸刀流を標的にする少数精鋭の暗殺者集団。「百人斬り」万次が逸刀流を追っていることを聞き、共闘を持ちかけた(5-6巻)。その実態は吐鉤群が死罪人により組織した私兵隊である。逸刀流剣士を一人殺害するごとに最低1両2分が支給され、50両を収めれば無罪放免となっている。逸刀流がほぼ壊滅したのを期に解党した(15巻)。

尸良(しら)
短髪・太陽柄の着物を着た剣士。長浜出身。16歳から金銭と引き換えに暗殺をする生活していた。標的の四肢を切断してからの弄り殺しを好み、女を犯しながら刺殺するという手口で性的快楽を得るなど、残虐な性格の男。刀身の背が相手をいたぶるための鋸刃になっている刀を愛用する。百琳の半年ほど後に無骸流に入り、30人以上の逸刀流剣士を殺害。百琳からの獲物として譲られた凶を追っていたが、凶が懇意にしていた遊女・恋を惨殺したことから凶の仇となる(5巻)。その後万次のもとを訪れて共闘を持ちかけ、万次と共に宿場町で天津影久を待ち伏せるが、替え玉に欺かれ逆上、刺客を惨殺したうえに凜をも手にかけようとしたため、万次に右腕を斬り落とされた(5-6巻)。この時の万次への恨みから右腕の肉を削ぎ落とし、骨を削り上げて武器に仕立て、苦痛によって白髪となる。さらに逸刀流に無骸流の情報を売って手形を入手し、甲州街道で万次を襲うが万次の連れてきた凶に阻まれ、死闘の末に左手を斬られたうえ滝壷に落とされた(10-11巻)。
これで絶命したかに思われていたが、左目の視力

を失いながらも生還。幕府に拾われて江戸城地下に幽閉されていたが、凜・万次が江戸城から脱出する際に姿を現し、復讐を宣言する(21巻)。

百琳(ひゃくりん)
金髪・高下駄で姉御肌の女性。騙し討ち専門で真理路と組んで逸刀流を狩っていた。戦闘時は腕につけた折りたたみ式のボウガンのような武器で戦う。
万次達と接触後、加賀へ向かった凜を追う万次に手形を手に入れさせるため、偽の書簡を使い逸刀流をおびき寄せ、さらに彼らとの戦いで窮地に陥っていた万次を助ける(6-8巻)。その後、尸良の裏切りに遭い逸刀流数名に拉致され拷問を受けるが、偽一により救出(9-10巻)。無骸流解党後、吐に捕らえられた万次を探し出すために尽力し、囚人達の家族を扇動して江戸城を混乱に陥れ、万次の救出に力を貸した(15-20巻)。
元は武家・早川霞江斎(はやかわ かこうさい)の妻・早川百(ひゃく)で、病弱を理由に息子を殺害した夫に白刃を突き立て、死罪人となっていたところを吐に身請けされた。金髪は地毛ではなく、息子の血を落とそうと南蛮の薬で脱色したもの。
真理路(しんりじ)
百琳と共に行動する冴えない男。背中に薔薇の柄がある着物を着ている。百琳に惚れている。もとは呉服問屋の丁稚で、盗みを働いて死罪人となった後、無骸流に加わった。無骸流に入ってからは剣を持って百琳の補佐を務める。
尸良の裏切りで逸刀流の襲撃を受けた際、数名を相手に大立ち回り、百琳を救おうとするが斬られる。百琳をさらった逸刀流の居場所をダイイングメッセージによって偽一に伝えた(9-10巻)。
偽一(ぎいち)
サングラスのような黒目鏡をかけた禿頭の男。手錠状の独特の鎖鎌を使い、60人もの逸刀流剣士を殺害した。冷静・寡黙な人物だが、使命で傷を負い戦えなくなった百琳を気遣うなど人情を解する面もある。
東海道にて襲撃した逸刀流の剣士から、天津影久が加賀にある心形唐流の道場へ向かっていることを知り、凜にそれを告げる(8巻)。天津影久の加賀行きの間、吐と共に統主不在の逸刀流を騙まし討ちにし、副将格9名を殺害(13巻)。また加賀から戻った万次を吐のもとへ連れて行くことを条件に、吐に百琳を放免させた。無骸流解党の後、息子の死と帰属すべき組織の解体によって生きる望みを失い、浮浪者として生活していたが、百琳に発破をかけられ、凜に万次救出のための情報を提供した(17-18巻)。
元は船大工であり、病に冒された息子の薬代のため盗みを働き、死罪人となった後、無骸流の一員となった。
真琴(まこと)
男娼をしていたところを身請けされた少年。密偵として逸刀流に潜入し、阿葉山の世話役をしながら無骸流に情報を流していた(5-6巻)。逸刀流壊滅ののち姿をくらましていたが、阿葉山に見つかり、斬りかかったところを返り討ちにされた(14巻)。
葦屋(あしや)・葛屋(くずや)
籠持ちに偽装した二人組。籠に乗った状態の凶を騙まし討ちするが、返り討ちにされた。死に際に首謀者の名を問われ「アカギ」と言い残した(5巻)。吐曰く「二人でようやく一人前」。
吐鉤群(はばき かぎむら)
幕府の新番頭にして無骸流の影の頭目。逸刀流を幕府の剣術指南役とする話を持ちかける(5巻)が、その裏で無骸流を使い、逸刀流剣士の暗殺を行なっていた。自身も剣の腕が立ち、宴席の場で逸刀流副将格9名を偽一と共に撫で斬りにし、逸刀流を壊滅状態に追い込む(14巻)。その一方で万次の不死に興味を持ち、万次を江戸城地下に監禁。不死力解明のための実験を行なうも、凜と瞳阿の潜入により失敗、この時万次の奇襲を受けて左目を失う。城下を混乱に陥れた責任を問われ切腹を申し付けられるが、切腹までの期日を逸刀流の殲滅に費やすことを決意し、新たに私兵隊・六鬼団を結成し、逸刀流残党の捜索を始める(21巻)。

心形唐流

(しんぎょうとうりゅう)加賀藩主・前田家の剣術指南役であった伊羽軒秋(いばね けんしゅう)により開かれた新興流派。この道場に出向くために天津は加賀へ向かうことになる。

伊羽研水(いばね けんすい)
二代目心形唐流師範。逸刀流の考えに共感し、師・軒秋の忘れ形見でもある自身の養女・密花を天津が娶ることを条件に、心形唐流を逸刀流の傘下に組み入れることを提案する。しかし密花の命を形に幕府から脅され、やむなく門下生に天津を襲わせたのち、天津の目の前で自害した(8-12巻)。
伊羽密花(いばね ひそか)
伊羽研水の養女。実父は心形唐流創始者・伊羽軒秋。難病を患い、命を繋ぐため劇薬を服用。その副作用により殆ど眼が見えない。温厚な気質で門下生達から慕われるが、内心では山奥で亡き実父のしがらみに翻弄される己の境遇に絶望している。いつしか自分を解放してくれる者の来現を切望するようになり、天津影久にその姿を重ねた。一時は天津の妻として生きる決心をするも、祝言の翌日には逸刀流が幕府に敵と見なされてしまうことで儚く夢に終わる。心形唐流の仇となった天津を逃がすことで妻の最後の勤めとし、自分に殉じ首一つとなった養父を憐れみ、あとを追うように自害した(8-13巻)。
入谷(いりや)
門下生。どもりがあるが、剣の腕は門下生の中でも随一。密花に恋心を抱いており、天津の来訪を快く思っていなかった。師と密花の自殺を天津のせいだと考え、他の門下生と共に手負いとなった天津を追い詰めるが、駆けつけた乙橘槇絵に阻まれる。最後は隻腕となり、満身創痍の天津と一騎打ちを挑んだが、天津の捨て身の攻撃に敗れた(8-13巻)。
虎杖(こづえ)
門下生。落ち着きのある人物で、入谷の諌め役。伊羽親娘の仇を討つべく、一党で天津を湖畔まで追い詰めるも駆けつけた凶に阻まれる。致命傷を受け、心形唐流の壊滅を目にしながら息絶えた(8-13巻)。
遠野(とおの)
門下生。凜を捕らえ天津の居場所まで案内させるも、そこへ偶然現れた万次と斬り合いになる。喉笛を裂かれ絶命。
滝(たき)
門下生。遠野と共に凜を捕らえ天津を追い詰める。地の利を得た万次に胸を貫かれ絶命する。
水守(みもり)
門下生。師である研水の命により天津の命を狙うが、返り討ちにあう。
大迫(おおさこ)
門下生。師匠亡き後天津を襲うが、腕を切り落とされる。その後の生死は不明。

不死実験関係者

吐による不死実験に関わった人物。

孟膳(もうぜん)
不死力解明のために歩蘭人とともに吐に連れてこられた古方派の医師。万次の生体解剖を試みるも失敗、錯乱して去る(15巻)。
綾目歩蘭人(あやめ ぶらんど)
鎖国令を破り7年間異国で医術を学び、帰国後投獄されたところを吐により召抱えられた医師。万次の不死力の解明ができなかった孟膳の後を継ぎ不死力解明の人体実験を行い、その過程で三百近くの囚人を殺める。凜によって万次が救出されたのちは、自身の行為を悔い、囚人の遺族を訪ねて回る雲水となった(15-20巻)。
出羽介(でわのすけ)
盗人(スリ)をはたらいた死罪人で、歩蘭人らによる最初の不死実験の実験台。穏やかな性格で、同じ実験台である万次や医師である歩蘭人と交流する。万次と四肢を交換するという過酷な実験の末、一時的に弱い不死力を得るも著しく衰弱。不死力の程度を検分しようとした吐に胸を貫かれ、そのまま死亡した(15-16巻)。
虎右ェ門(とらえもん)
吐に不死解明実験の助手を命じられた、血生臭いことが苦手な基本的に善良な男。死体の山を築く地下での日々に憔悴し、実験の正当性に疑問を抱くようになる。助手職を後進に譲ろうとしていたとき凜に出会い、万次と囚人達の救出を決意。その手引きを行った(15-20巻)。
狩小澤(かるこざわ)
江戸城地下牢の番をする牢屋同心。不審な動きに気づいた際は万次を縛した鎖を巻き上げ、宙吊りにする役目を負う。
山田浅右衛門吉寛(やまだ あさえもん よしひろ)
斬首請負人。通称「首切り浅右衛門」。不死力解明の人体実験を手助けをする。鉄を寸断する「斬鉄」という技をもち、凜の江戸城潜入の際には万次の前に立ちはだかったが敗れた(16-20巻)。作中の登場人物では唯一、史実に基づく人物(史実の人物については山田浅右衛門を参照)。
弁鬼(べんき)
浅右衛門の弟子。巨漢。実験により不死となった夷作と戦い敗れたのち、生き延びて浅右衛門の辞世の句を世に伝える(16-20巻)。
圭(けい)
江戸城内務めの下女。出羽介を揚座敷で看病した、面倒見が良く愛想もいい元芸妓(16巻)。
鵺一号(ぬえいちごう)
脱出間際の万次らの前に現れた怪物。医師としての領分を外れた歩蘭人の好奇心が反映されており、不死の体のほか様々な加工が施されている。実験過程で正気を失っており、視界に入った者を無差別に襲う。凜、万次、瞳阿と夷作、四人の共闘により倒された(20巻)。
綾目崎久之進(あやめ きくのしん)
歩蘭人の兄。弟に先んじて医者を志し、日本の伝統的な医術を学んだ。病で母を喪い、取り乱して暴言を吐く歩蘭人に鉄拳制裁を加えたことがある。後に蔵多と名を変え奥医師となる。終盤、歩蘭人が堀から流れ込んだ水で溺れ死にそうになったとき、身をもってこれを助けた(15巻-20巻)。
村内(むらうち)
江戸城務めの目玉模様の裃を着た侍。城へ押し寄せた女子供を手討ちにしようとしたところ、百淋に手を射抜かれる。その後、解放された囚人達も加わって騒ぎが本格化してくると、彼らに矢を射かけようとし、今度は部下の篠田に殴り倒された(19巻-20巻)。
篠田(しのだ)
江戸城務めの侍。上司の村内を昏倒させ開門を指示。無血で騒ぎを収めようと試みた(19-20巻)。
清十(せいじゅう)
虎右ェ門の後輩。凜に人質にされた(20巻)。
金二郎(きんじろう)
虎右ェ門の後輩(19-20巻)。

六鬼団

(ろっきだん)吐鉤群が無骸流解体後に新たに組織した私兵団。主戦力である「花組」6名と「蛇組」多数名からなる。「花組」は無骸流と同じく死罪人からなるが、「蛇組」は食い詰めた浪人などを吐の私費で雇っている(21巻-)。

佩矢坊(はいやぼう)
六鬼団花組の一人。独特の仮面を被る薙刀遣い。夜道を行く馬絽を襲うも返り討ちにあう。
杣燎(そま りょう)
吐の隠し子。切腹を命ぜられた父に殉じようと、佩矢坊の空席を埋める形で六鬼に入団する。父から剣の手解きを受けており、初の実戦で逸刀流・勝又を切り伏せてみせた。吐の正妻・志摩と息子・索太郎の死後、吐家の娘として認知を受ける。
伴殷六(ばん いんろく)
六鬼団花組の一人。銃を操る。ガンマンのような風貌。葉巻をくわえている。筑波山の戦いにて燎と共に果心居士を追うも、あらかじめ居士により迎え撃つべく案じられた「壷」の策にかかり、身体の自由を奪われる。その後相対した果心居士を前に、自らの足を撃ち抜く気概を見せながら抗うも、狙いの正確さが逆に仇となり敗北。
荒篠獅子也(あらしの ししや)
六鬼団花組の一人。カイゼル髭の容貌魁偉な大男。大振りの双剣を操る。
弩馬心兵(どま しんへい)
六鬼団花組の一人。ヌンチャクに似た武器を操る中華風の男。
八宗足江進(はっしゅう たりえしん)
六鬼団花組の一人。十文字槍に似た武器を操る片目の男。長髪、バンダナでパンキッシュな格好をしている。
叢咲正造(むらさき しょうぞう)
六鬼団花組の一人。頭巾を被った出っ歯の男。逸刀流門徒の縁者であれ市井に生きる者でも躊躇なく拷問にかける残忍な性格。逸刀流の隠れ家を割り出す。
目黒(めぐろ)
吐の配下にあるくのいちで、六鬼団とともに行動する。宗理に想いを寄せており、絵心はないが彼の弟子に収まっている。驚異的な脚力の持ち主。料理は下手。凶からは「ただ疾いだけの女」、尸良からは「顔と足だけの女」と散々な評価を受ける。本名は「こと」。
たんぽぽ
目黒とともに行動するくのいち。宗理の弟子で絵心があり、佩矢坊を倒した馬絽祐実の人相書きを作成した。驚異的な視力の持ち主。魅力的な肢体を有し、妬む目黒からしばしばブタと形容される。本名は「麗(うらら)」。
御岳(みたけ)
吐の腹心。吐の逸刀流討伐に従い、万次を狙っていた尸良に不死に関する情報と武器を提供する。

その他

序仁魚仏(じょにぃ ぎょぶつ)
キリシタンの司祭風の恰好をし、懺悔に来た罪人を騙し討ちにするのを得意とした賞金稼ぎで、司戸菱安の弟。賞金首の万次を騙し討ちにしようとするが、返り討ちにあう(1巻・序幕)。
司戸菱安(しど ひしやす)
浪人集団「新鮮組」の副将。弟・序仁魚仏の仇である万次を恨む。町を攫い決闘を要求するも相手にされず激昂、万次の目の前で町を斬殺する。結果、一瞬で解体された(1巻・序幕)。
斉藤応為辰政(さいとう おうい たつまさ)
町の夫であり勝川家同心。寄り合いの席で腹痛を発し、町に介抱されながらの帰路で万次と遭遇する。斬られた堀井重信の不正を聞かされ、万次に一定の理解を示すも、堀井の番方であった父が責任を取らされて切腹したこと、九十九人の同僚を斬られていることから万次に刃を向ける。町の登場によって動揺した万次に襲い掛かるが、切り殺されてしまう(1巻・序幕)。万次が隻眼となるに至る目の傷は、この時に付けられたもの。
浅野虎厳(あさの たかよし)
凜の父で無天一流・浅野道場師範。凜の十四の誕生日の晩、逸刀流に道場に攻め入られる。軍門に下ることを拒み、天津に痛めつけられ、黒井鯖人に斬られる(1巻)。
浅野時(あさの とき)
凜の母。無天一流壊滅の夜、夫の骸の隣、娘の眼前で天津影久率いる逸刀流の面々により陵辱を受け、そのまま拉致される。その後黒井鯖人に殺害され、首だけの剥製として黒井の左肩に縫い付けられていた(1巻)。
浅野虎秀(あさの たかひで)
約五十年前無天一流の師範だった。凜の曽祖父にあたる人物。野盗の集団に囲まれたところを子の虎行と天津三郎により守られたが、天津の剣を邪道と断じ、これを破門した(1巻)。
浅野虎行(あさの たかゆき)
凜の祖父。天津三郎の破門により、無天一流の免許皆伝を受ける。子・虎厳に道場を継がせ、凜が生まれた後も件の破門を悔い、その過ちが一族に災いなさぬことを祈っていた(1巻)。
長崎屋(ながさきや)
宗理に絵の制作を依頼した商人。数ヶ月にわたって遅延させられた末、凜の復讐資金を工面しようした宗理に、当初の6倍の値段をふっかけられ涙する(1巻)。
偽比丘尼
閑馬永空に孫を人質として取られ、八百比丘尼の服装をして凜の誘拐に加担することになる。凜に人を呼ぶと約束するが、あとから追ってきた閑馬に斬り殺されてしまう(2巻)。
乙橘吹(おとのたちばな ふき)
槇絵の母。天津三郎の姉・春川駒会の息子である義明に嫁いだ。槇絵の剣の才がその兄を割腹に追い込んだ結果、跡継ぎを失った義明に離縁される。以後、遊女に身を落とした(2巻)。
初(はつ)
芸妓。天津に身請けされ、遊女から芸妓にとなった槇絵の先輩。自身も以前浅草で郭にいたことがある。父の借金のため、再び遊女に戻ることになったと槇絵に告げ、去る(2巻)。
巻百合(まきゆり)
侍。馴染みの芸妓に袖にされ、腹いせに通りがかった練造を手にかけようとした(4巻) 。
川上練造(かわかみ れんぞう)
川上新夜の息子。物心つく前から母と暮らしていたが、母の死後、今まで面識のなかった父のもとに身を寄せるようになった。父が逸刀流であることを知らず、万次が父を倒したところを目撃、万次を刺して敵討ちをしたと思い込んでいた(4-5巻)。紆余曲折を経て江戸城地下に投獄され、両手を失った尸良に使役されることとなる(20巻-) 。
恋(れん)
逸刀流昵懇の女郎屋・雪待の遊女。母親の薬代を稼ぐため働く。凶戴斗に恋心を抱き、所帯を持つことが夢見ていたが、逸刀流狩りを始めた無骸流・尸良に暴行、惨殺される(5巻) 。
静(せい)
早くから親を亡くし、病の兄を抱え食い詰めて雪待の女郎となる。天津の囮役として尸良と凜を誘き出し賽河屋に引き合わせるが、尸良に右足を斬られ蹂躙される。その後、兄と共に首を括った(6巻)。
葉矢(はや)
雪待の女郎。凶に恋を殺した尸良の着物の柄を教えた。その後天津の囮となり誘き出した偽一に人質にされるが、糸井が天津を売ることで助かる。現在も雪待で働く(6巻)。
八重(やえ)
雪町の新造(若い女郎)。女装して加賀に発ったとされる天津の囮となった、三人の遊女の一人。誘き出した百琳に散々胸を揉みしだかられるも、無傷で解放される(6巻)。
飯盛女(めしもりおんな)
天津を追う凜達が潜伏していた、内藤新宿の宿屋で働く娼婦飯盛女。凜に中屋夫妻を紹介する。(6-7巻)。
中屋 惣八(なかや そうはち)・砂登(さと)
宿屋を営む夫婦。関所につながりがあり、金を受け取る代わりに手形の降りない人間を関抜けさせていた。過去にある大失態を演じ足を洗っていたが、凜の説得で再び関抜けに協力する(7-8巻)。
張吉(ちょうきち)
江戸の裏横丁にある、無骸流馴染みの飯屋の板前。万次と百淋が手形を手に入れる密談を行ったのは彼の店(7巻) 。
島田弥兵衛(しまだ やへい)
小仏の関の奉行。惣八の義妹を騙る凜をいぶかしみ、縁者一切の調書を手に詳細まで詰問した切れ者。一切ボロを出さず帝王切開の痕まで晒した凜の胆力に舌を巻き、通行を許可した(8巻) 。
早川霞江斎(はやかわ かこうさい)
百淋の元夫。三年前、剣による家の再興に固執するあまり、病弱な息子を不甲斐なしと斬殺。自身もその後、理性を失った百淋に殺された。宗理のかつての朋友でもある(10巻) 。
早川真都彦(はやかわ まつひこ)
百淋と霞江斎の子。父と同様に胸を病みつつも、期待に応えようとする健気な少年。腹違いの二人の義兄や自分と一緒に生まれた双子の妹と同じく、父親の手で斬られる(10巻) 。
禿頭三兄弟(とくとうさんきょうだい)
髭・揉み上げ・眉毛と主張箇所がそれぞれ異なる禿頭の三人組。尸良にひとり八両で万次の足止めを依頼される。弓矢による遠隔攻撃や側面からの奇襲などを駆使するも、激怒した万次に凄まれて早々に降伏。受け取っていた前金も没収される(10-11巻) 。
春川義明(はるかわ よしあき)
吹の夫で槇絵の父。息子を失った怒りのあまり妻と娘を放逐する。その後零落。行商で訪れた白川郷にて労咳を患い隠棲、後悔の日々を送る。娘・槇絵と二十年ぶりに再会した際には声を弾ませた。吹の死、槇絵の来訪目的を知ることなく事切れる(12巻) 。
仙じい(せんじい)
マタギ。逸刀流・把山の育ての親だが血縁のほどは不明。人と獣の違いは「死ぬこと」への理解の差である、との持論を展開するも、手負いの熊に左半身を抉られ死亡(14巻)。
後藤先生(ごとうせんせい)
御目見法印にして綾目兄弟の師。二人の母がインフルエンザに罹ったのを治せず、死なせてしまったことを二郎矢(歩蘭人)になじられた(15巻) 。
ナンダ郎(なんだろう)
乞食。仲間とともに不死実験で出た死体を捨てる仕事をしており、その傍ら死体の衣服を剥いでいた。夷作の装具を身につけていたところを凜、瞳阿に見咎められ、以後行動を共にする(17-20巻) 。
咲楽(さくら)
江戸城地下に詰めていた役人。嗜虐的な性格で、自作の罠にかかった凜を私刑にかける。凜たちを追ってきた怖畔にめった刺しにされ死亡(18巻) 。
英于彦(はなぶさ うげん)
元は吐の配下。吐の失脚と共に新番頭に就任する。武力より交渉を重んじる性格で、天津と対面し江戸から去るよう求める(20巻) 。
香(きょう)
吐の愛人で燎の母。江戸城騒動から吐に切腹の沙汰が下されるまでの間に病没したと思われる。

登場武器

作品中に登場する武器は単行本巻末にて解説されているが、本編中で武器の名前が登場することはほとんどない。

妹守辰政(いものかみたつまさ)(使用者:万次)
二刀一組の刀。一見普通の日本刀だが、柄の部分で二刀を繋ぐことができる。もとは町の夫の斎藤辰政が所持していたもの。
四道(しど)(使用者:万次)
二刀一組の刀。刀身が十手のように枝分かれしている。元の所有者は司戸菱安。万次の手に渡ったのち、刀身と柄の間の部分に丸い穴が空けられた。万次がこの穴に指を入れて武器を回転させるアクションがしばしば見られる。
烏(からす)(使用者:万次)
大型の手裏剣のような武器。もとは黒衣鯖人が使っていたもの。二枚一組で、刃が3枚のものと4枚のものがある。中央に穴が開いており、ここに指を入れ回転させて使う(作中では投げては使われない)。ギョギョギョと独特な音を発する。
阿吽(あうん)(使用者:万次)
柄の両端に穂がついた槍。もとは土持仁三郎が所持していたもの。折りたたみ式で、二節槍として使うことも可能。また、穂の片側が半円形に欠けており、これで相手の武器を絡め取ることができる。
(無銘)(使用者:万次)
短い柄に湾曲した刃のついた鎌のような武器。二つの同じ形状のものが柄の部分の鎖で繋がれている。
小天狗(こてんぐ)(使用者:万次)
短い柄の先にコの字型に刃がついており、片側が鉤状に折れ曲がっている。四道や辰政に次いで出番が多い。木に登る時にも使う。妹守辰政と連結できる。
男転(おころび)(使用者:万次)
刀身にいくつもの鉤が付いた独特の凶器。凛に貸与された際、数度にわたり尻に刺さる。
女虻(めらび)(使用者:万次)
鋸のような両刃の凶器。歪な形状をしており、斬ることも刺すこともままならないが、斬りつけるたびに接触面を抉りとることができる。解説では「虻」が違う字で表記。
クトネシリカ(使用者:凛)
蝦夷由来の刀で、柄と鞘に独特の文様が施されている。凛の祖父・浅野虎行が道場主であった頃、宝刀として奉られていた。道場が襲撃された際、凶に奪われるが、その後万次が奪還し、再び凛の元へと戻った。不死力解明編で山田浅右衛門に折られてしまう。
黄金蟲(おうごんちゅう)(使用者:凛)
全長約14センチメートルの匕首。凛はこれを着物の中に数十本仕込んでおり、戦闘時に一斉に射出する(殺陣黄金蟲)。
頭椎(かぶつち)(使用者:天津影久)
古代風の直刀と刃が湾曲した斧とある。斧の方は切れ味は鈍いが重量があり、防ごうとした武器ごと相手の頭蓋を叩き割ることができる。
春翁(はるのおきな)(使用者:乙橘槇絵)
三節槍。柄の両端に穂がついている。中央の柄を持って回転させ、遠心力を利用して殺傷力を高めることもできる。普段は畳んで三味線の中に隠し持っている。
グラントルコ(使用者:凶戴斗)
西洋由来の直刀。「仕込み刀」であり、幅広厚身の刀身の中にもう一振り細身の刀が納められている。
井上真改 蟲殺(いのうえしんかい こさつ)(使用者:閑馬永空)
日本刀と脇差とある。峰に毛が植えられ、ここに毒を染み込ませて使う。後の使用者である把山繰重には「無様な剣」と評された。
群踏(ぶらふま)(使用者:百琳)
手首に装着する折りたたみ式の弓。百琳は矢に毒を塗って使用する。弓の両端が鋭くなっており、殴るように刺突して使うこともできる。
錦連 三途ノ守(かねつち みとのかみ)(使用者:偽一)
柄の先に手錠のような構造の刃がついた武器。柄には鎖がついており、鎖の方を持って本体部を投げつけ、相手の首に手錠の部分を掛け(この状態で尋問などを行う)最終的には切り落とす。武器を絡めとることもできる。万次との戦いで破壊された。
ホトソギ(使用者:尸良)
柄は白鞘。片刃の直刀で、棟が鋸刃になっており、嬲り殺すのに使用する。漢字を当てると「女陰削ぎ」。
燕誅丸(えんちゅうまる)(使用者:花田)
二刀一組の細身の刀。レイピアのような形状。殺傷力はあまり高くない。
鬼太鼓桴(おんでこばち)(使用者:宇留間)
巨大な鉈のような武器。
神刃(かむじん)(使用者:火瓦)
南国趣味の大型の直刀。
助広・雨椿(すけひろ あまつばき)(使用者:火瓦)
日本刀。鍔が独特の形状。
鯱鉤(しゃちばり)(使用者:圭反藤諒)
鉤状の刀剣。先端のみ両刃になっている。
断身九印(だんしんくいん)(使用者:阿葉山宗介)
片手で操れることを前提に作られた特注品。失った右腕に仕込んでいる。複雑な形状の柄の両端に刃のついた特異な物。
鴉鷺(あろ)(使用者:吐鉤群)
吐の持つ太刀。柄には竜の紋様。
イペタム(使用者:吉乃瞳阿)
かつて瞳阿が場所請負人たちを殺害した際に入手した槍の、その穂先部分を短剣風に仕立てたもの。黒い刀身。「イペタム」はアイヌの伝説にある邪剣の名で、「人食い」の意。
キウラコンタ(使用者:吉乃瞳阿)
役人の落とした十手の先を尖らせたもの。
ガザミ(使用者:鵺一号)
鵺一号の両腕に取り付けられた武器。二振り分の刀の刀身を、金具によって互いの刃が外側に向くように繋いである。
杉ノ明露(すぎのあけつゆ)(使用者:馬絽祐実)
長大な野太刀。刀身にいくつも穴を開け軽量化されているため、通常より速く振ることができる。見るからに脆そうな作りで、作者自身が「折れそう」と公言している。

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