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犬夜叉/高橋留美子

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著者: 高橋留美子
巻数: 24巻

高橋留美子の新刊
犬夜叉の新刊

最新刊『犬夜叉 24巻


犬夜叉』(いぬやしゃ)は、高橋留美子による日本の少年漫画。1996年から2008年まで、小学館『週刊少年サンデー』にて連載された。全56巻。第47回(平成13年度)小学館漫画賞受賞。前作は『らんま1/2』。連載期間は11年7か月。『週刊少年サンデー』2013年10号では、東日本大震災復興支援企画『ヒーローズ・カムバック』の一環として最終回の半年後を描いた読切(特別編)が5年ぶりに掲載された。また同作品は2013年4月30日発売の単行本『3.11を忘れない ヒーローズ・カムバック』単行本『ヒーローズ・カムバック』、発売日:2013年4月30日、ISBN 9784091853202。および2015年6月発売のワイド版『犬夜叉』30巻に収録されている。

==概要== 戦国時代を舞台にした、半妖・犬夜叉と女子中学生・かごめを中心とした一行が四魂の玉のかけらを探す旅に出る冒険活劇。攻撃的な描写の多い連載作品であるがギャグの融合もある。作中では時の流れも非常に明確で、最終回の後日談である特別編を含め、4年半の時間が経過している。

2000年には劇団☆新感線とパルコの共同プロデュース公演として舞台化。犬夜叉役は佐藤アツヒロ。好評で終わり、翌年2001年には再演も行われた。

テレビアニメは、2000年10月から2004年9月までよみうりテレビを制作局として日本テレビ系列で単行本第1巻から第36巻までをベースとした『犬夜叉』が放送された。また、劇場版は東宝により4作が上映された。原作完結後、単行本第37巻から第56巻(最終巻)までをベースとした『犬夜叉 完結編』が日本テレビ系の一部系列局にて2009年10月から2010年3月まで放送されていた。

あらすじ

戦国時代かごめの生年が1981年であり、四魂の玉の出現周期が500年であることを考えると、桔梗の死は西暦1496年の出来事ということになる。かごめが犬夜叉達と旅をするのはその50年後なので、この物語は西暦1546年の話であると思われる。の日本、あらゆる願いを叶えるという宝玉・四魂の玉を巡り人間と妖怪の争いが続いていた。四魂の玉を守る巫女・桔梗は、半妖・犬夜叉と心を通わし愛し合っていた。しかし、罠にはまり、お互いに裏切る。桔梗は玉を奪った犬夜叉を最後の力で封印し、自分もまた力尽きる。遺言により、四魂の玉は桔梗の亡骸と共に燃やされ、四魂の玉はこの世から一度は消え去った。

そして500年後の現代、神社の娘・日暮かごめは15歳の誕生日に、神社の祠にある古びた井戸から戦国時代へとタイムスリップする。そこは犬夜叉と桔梗の争いから50年が経過した時代であった。桔梗の生まれ変わりであるかごめの体内から再び四魂の玉が現れ、犬夜叉は蘇る。そして玉を巡って妖怪たちが動き出す。

戦いの中で四魂の玉はとんでもないハプニングにより無数のかけらに飛び散った。四魂のかけらを集めるために旅することになった犬夜叉とかごめ。最初は嫌々だったが、2人は次第に惹かれ合っていく。その旅の中で、50年前、犬夜叉と桔梗を罠にかけた張本人・奈落の存在が明らかに。二人は奈落を追う中で、旅の中で出会った子狐妖怪七宝、奈落に呪いをかけられた法師弥勒、妖怪退治屋珊瑚の仲間と共に、宿敵奈落を倒すため、玉の因縁を断ち切るために戦っていく。

登場キャラクター

用語

黒真珠(くろしんじゅ)
妖怪の墓場(あの世とこの世の境)に繋がっている。犬夜叉の右目に隠されていたが、犬夜叉に鉄砕牙を与えるという役目を終えたことにより消滅した。
四魂の玉(しこんのたま):声優 - 古谷徹
妖怪の妖力を高めると言われる玉。妖怪に強い力を与え、どんな願いも叶えると言われることから人間や妖怪の間で幾度となく玉を巡る争いが繰り広げられてきた。桔梗の亡骸と共に燃やされ一度は消滅したが、50年後に現代から来たかごめの体内から再び出現し、無数のかけらに砕け散り新たな争いを呼び起こす。
不滅とされており、砕け散り、災いを振りまきながら再び玉へと戻り、時空すら越える。同時に現代において、所有者が「正しい願い」を願った時、玉はこの世から消滅するという伝説が残っている。
1000年前に巫女(翠子)が多数の妖怪が合体した妖怪との戦いで、魂を奪われそうになった時、最期の力で妖怪の魂を自分の魂とともに玉として外へ吐き出したものである。翠子の霊力と妖怪の妖力が集約され、それが持ち主に願いと力を与える。玉の中では翠子の魂と妖怪たちの魂が今でも戦い続けている。
善悪の概念は無く、その存在は手に取った者の心に左右され、妖怪や悪人が持てば汚れが増し、清らかな魂を持つ者が持てば浄化される特性を持つ。願いを叶えることも事実ではあるが、持った者の欲望を玉に閉じ込めて存在を保つためであり、さらに欲望をかきたてるべく所有者の本当の願いだけは叶えない。善行に使用された例はない(弥勒談)。四魂とは、荒魂(あらみたま)・和魂(にきみたま)・奇魂(くしみたま)・幸魂(さきみたま)を指す。玉が蘇る周期は500年である(作者談)。
この世にあり続けるために奈落すら操った、物語の根幹を成す真の黒幕。最終的には奈落によって1つの玉に戻ったが、かごめが四魂の玉の消滅を望んだことにより、玉を巡る戦いが終わる。
正しい願い(玉の消滅)以外、玉の破壊は不可能であり、殺生丸の爆砕牙でさえ傷一つ付かない。
四魂のかけら
かごめの矢によって細かく砕け散った、四魂の玉の破片。持つ者に強大な力を与える(例:能力の強化、病や怪我の進行の抑制、死者蘇生など)。かけらの合計24個。
死人(しびと)
一度死んだ人間が何らかの方法で、生前の姿で蘇った存在(例:桔梗や七人隊)。りんや琥珀は生きた人間であり、死人ではない。一見すると普通の人間との区別はつかないが、脈がなく骨と墓土の匂いしかしない。清浄な力にも弱い。
桔梗は、鬼女裏陶の鬼術によって、遺骨と墓土と火を元に体が作られた存在である。七人隊は、遺骨に四魂のかけらを埋められたことで蘇り、傷つくと流血する。
神(かみ)
人間でも妖怪でもない存在。人間によって社に祀られ、その土地を守る。湖の神殿に住む水神、宿り蛹に寄生された狐神、御神体を漬物石に使われていた猿神などが該当する。珊瑚曰く「怒らせると妖怪よりも始末が悪い」。姿形は妖怪に近いが邪気や妖気はなく、巫女などの霊力に近い技を使い、扱う神器は妖気を浄化する。
精霊(せいれい)
神の眷属であり、神に仕える存在。人間並の知能を有するが妖気はない。神とは神器の有無以外はほとんど相違なく、神器を得た精霊は神と同等の能力と権力を持つ。水神に仕えていた半魚人や、猿神に仕える小猿の三精霊などが該当する。
半妖(はんよう)
人間の血を継ぐ妖怪の総称。主に人間と妖怪の間に生まれた者を指すが、奈落のように人間の体と魂をつなぎに誕生した者も含まれる。妖怪でも人間でもない概念から、双方から蔑まれ迫害されている。七宝も当初は犬夜叉を蔑み、殺生丸も一族の恥さらしと蔑んでいた。人間に比べると寿命は非常に長く、力も妖怪に劣っていない。
妖怪としての能力を失い、普通の人間のようになることがある。人間界・妖怪界の双方から疎まれている半妖にとっては、自らの生存に関わることなので、決して他の者に明かさない(例:犬夜叉の場合は朔の日(新月)、奈落はその時期を自らの意志で自由に選ぶことができる)。
基本的には半妖としてと妖力を失った時の2つの姿を持つが、犬夜叉の様に受け継いだ血の妖力が強力だと血の力が体を支配している妖怪としての姿を持つこともある。
映画4作目では蓬莱島が半妖の居場所だった。
作中では犬夜叉、奈落、地念児、紫織、出雲(牛王)、沙蘿、神久夜、浅葱、藍、萌黄、紫苑、橙、緑。(注:出雲以下はアニメ、映画オリジナルキャラクター)
骨喰いの井戸(ほねくいのいど)
現代ではかごめの住む神社の祠の中、戦国時代では森の中にある枯れ井戸。元々は退治した妖怪の残骸の捨て場で、中に放り込んだものはしばらく経つと消える。時代樹から作られた井戸。時を越える力があり、かごめと犬夜叉はこれを使って2つの時代を行き来する。なぜか井戸を通り抜けられるのはその2人しかいない。奈落の死とともに一時的に消えたが、その3日後に元の形に戻る。現代にかごめ、戦国時代に犬夜叉を帰した後、3年間行き来できなくなるが、かごめが犬夜叉と共に生きることを望んだことにより、彼女を再び戦国時代に送り届けた。
巫女(みこ)
お祓いや妖怪退治を行う。各地を行脚し手当を施して回る者もいる。妖怪退治には法師や退治屋に並び大きな役割を持っており、その戦力は犬夜叉曰く「妖怪相手ならたった1人で侍100人分に相当する」。
妖怪(ようかい)
戦国時代に存在し、人間たちを脅かす存在。太古から存在し、平安時代には既に存在していた模様(珊瑚談)。現代でも、ごく少数が存在している。多くは基本的には凶暴で、人間を喰らうことから人間たちと対立している。人間に襲い掛からない妖怪も多く存在し、ごく稀に人間との間に子供を成す妖怪も存在する。人間に近い姿や人間に変身できる妖怪ほど、知能や格が高い。
妖力を持ち、様々な術や技を使う事ができる。霊力や法力などの神通力には弱く、強力な神通力をまともに喰らえば跡形もなく消される。
特に強力なものは大妖怪と呼称される。
妖気(ようき)
妖怪が発する特有の気。妖力が強い程発せられる妖気も強い。妖怪が吐く炎や毒、雷撃などの源でもある。特定の妖怪などは、発する妖気の量をある程度調節できる。また妖気自体を消すことはできないが、結界などで気配を遮断すれば妖気を感知されない。不妖壁を持っている間は妖気を完全に消すことができる。
妖力(ようりょく)
妖怪の力の源。妖力の高さと妖怪の強さはほぼ比例する。

作中に登場する武器

鉄砕牙(てっさいが)
犬夜叉の父が自分の牙を刀々斎に与え鍛えさせた妖刀。普段はただの錆び刀だが、犬夜叉の妖力によって巨大な牙のような刀に変化する。その力は一振りで百の妖怪をなぎ倒すとされる。元々、犬夜叉の母を守るために鍛えたといわれ、人間を慈しみ守る心がなければ扱えないただし、四魂のかけら入りの人間の腕があれば殺生丸でも扱えていたため、必ずしも慈愛の心が必要かどうかは不明。純粋な妖怪は結界により触れることが出来ず例外的に作成者の刀々斎は普通に触れる事が可能な他、変化させなくても鉄砕牙が吸収した新たな能力を把握することも出来る。、人間は触ることはできるが妖力がないため錆び刀のまま変化しない。つまり、基本的に半妖である犬夜叉にしか扱えない。また、切った対象の妖力を取り込む能力に加え、犬夜叉の妖怪化を抑える能力も持つ。妖刀故に意思の様な物が宿っており、所有者の危機には結界を張ったり、脈打つ事で進むべき道を示す事がある。鞘は敵の攻撃や鉄砕牙の一振りを防ぐほど強固であり、結界を張ることも出来、さらには鞘を通して呼びかけることで手放した鉄砕牙を呼び寄せることもできる。
風の傷、奥義爆流破、結界破りの赤い鉄砕牙、金剛槍を無数に放つ金剛槍破、敵の妖力を吸い取ったり妖穴を切る竜鱗の鉄砕牙、映画オリジナルの金剛爆流破を使用する。後に、天生牙から冥道残月破を受け継ぎ、奈落との戦いの最中に斬る技の冥道残月破が発現した。
天生牙(てんせいが)
犬夜叉の父が自分の牙を刀々斎に与え鍛えさせた妖刀。遺言により殺生丸に受け継がれる。「癒やしの刀」とも称される。この世のものは斬ることができないが、曲霊や牛頭馬頭など「あの世の存在」を斬ることができる。死者に対して抜くとあの世からの使いが見え、それを斬ることで一度だけ死者を甦らせることができる。ただし、肉体が消滅する死に方や、一度天生牙で甦っていた場合、すでに他の手段で生き返っていた場合のは効果がない。真に慈しむ心があれば一振りで百の命を救うも可能とされる。鉄砕牙と同様に意思の様な物を持ち、結界を張ることも可能な他、所有者を別の場所に移動させる事も出来る。後に刀々斎に鍛え直され、相手を冥界に引き込む冥道残月破が使えるようになった。犬夜叉と殺生丸の父が天生牙と名付けていなかったら、刀々斎によって「棺桶いらず」と命名されかけたらしい。
後に、かつては鉄砕牙と同体であり、分割された後もあくまで鉄砕牙が主で、天生牙は従の扱いであったことが判明する。冥界における犬夜叉と殺生丸による鉄砕牙の真の継承者を決める戦いにて折れ、冥道残月破の力は鉄砕牙に吸収される。戦いの後、冥道残月破が使えない新たな天生牙として復活し、再び殺生丸の手に渡る。
闘鬼神(とうきじん)
殺生丸が悟心鬼の牙を灰刃坊に与えて作らせた宝剣。見た目こそ簡素な直剣だが、飛来骨さえ易々と一刀両断しており、鉄砕牙以上の鋭い切れ味を持つ。また、軽く振るっただけで剣圧を発生させ、離れた敵を切り刻む。悟心鬼の怨念により灰刃坊にとりつき犬夜叉たちを襲撃した。凄まじい邪気を放ち、並の者では触れることもできないが、殺生丸は力で邪気をねじ伏せた。殺生丸が一番長く使っていた武器。映画及び、アニメ完結編にて奥義蒼龍破を放っている。魍魎丸との2度目の闘いで折れる。
爆砕牙(ばくさいが)
曲霊との戦いで誕生した、殺生丸の刀。斬った対象を凄まじい爆発で打ち砕き、その後も周囲に伝播し破壊を続ける持続性がある。無敵に近い奈落にも効果がある数少ない武器であり、この攻撃を受けた体の一部を奈落が切り離すシーンがある。
破魔の矢(はまのや)
桔梗、かごめなどの強力な霊力を持つ巫女が放つ矢。弓矢に己の霊力をこめて放ち邪気や瘴気を打ち砕き、浄化する力を持つ。妖気を払うことによって、一時的にだが鉄砕牙の変化を解くこともできる。
錫杖(しゃくじょう)
弥勒が常に手にする僧特有の杖。形状こそ普通の錫杖だが、その強度は全力で振り切った鉄砕牙とも組み合える程強い。先端部分は、落ちた葉が触れただけで切れるほどの切れ味を持ち、攻守共に優れた武器である。
破魔札
強い法力を持つ者が使用する破魔の護符。法力により妖怪にダメージを与えられる。
飛来骨(ひらいこつ)
ブーメランのような形をした、2m近くある珊瑚の武器。かつて妖怪退治屋たちが退治した妖怪の骨を集めて作られた武器であり、敵の一群を一掃可能なほどに範囲は広く破壊力もある。強度も強い。終盤で骨喰い妖怪との戦いで弥勒を守るために毒を塗り、溶かしたが薬老毒仙の手により再生する。その後は邪気を巻き込み邪気を砕く飛来骨となり奈落の体すら打ち砕くほど強力になった。重量もかなりあり大きいので楯にもなり、踏み台や足場にもなる。
人頭杖(にんとうじょう)
殺生丸が従者である邪見(じゃけん)に与えた杖。翁と女の顔を持ち、強力な炎を放つことができる。
五雷指(ごらいし)
妖狼族の聖域に納められていた妖爪。奈落を倒すために鋼牙が手に入れる。鋼牙の右手と同化、戦闘時には右手から光が出て巨大な爪に変化する。妖狼族代々の魂がこもった武器であり、腕を振るうと強力な雷撃を放ち敵を打ち砕く。その威力は並の妖怪なら一撃で粉砕し、魍魎丸の金剛槍破すら薙ぎ払う。鉄砕牙とのコンビネーションでは、冥王獣の鎧甲を得た魍魎丸をあと一歩のところまで追い詰めた。
潰し独楽(つぶしごま)
七宝がよく使う武器。狐妖術で独楽を巨大化させる。幻術なので実際に加わるダメージは少ない。
蛇骨刀(じゃこつとう)
蛇骨が使う蛇腹剣。半月型をした刃同士の特殊な開きによるうねりで、蛇のような動きが可能。一振りで遠距離の敵を一掃できるが、構造ゆえに近距離戦闘には非常に不向きであることが難点。
蛮竜(ばんりゅう)
蛮骨が愛用する巨大な矛。石突の部分に半月状の刃が付いている。人間より大きく、大の男3人がかりでやっと持てるほどの大重量。武器の性能や外観は大太刀に近い。七人隊が討ち取られた後、ある城に納められていたが、生き返った蛮骨によって取り返される。鉄砕牙の風の傷を防ぐほどに頑丈である。犬夜叉との最後の闘いでは、風の傷と互角の威力の熱風を出せるようになった。アニメ版では傷はついたまま蛮竜閃竜雷閃を放つ事も可能になった。その後、人を千人斬り、最後の闘いの最中、妖怪を10匹斬って、それまで斬った人と妖怪合わせて二千の恨みを吸い取り妖刀となった。
三叉戟(さんさげき)
奈落が阿毘姫に貸し与えた三つ叉の戟。奈落の骨でできている。結界を張ったり、瘴気を纏って突くことが可能。
奪鬼(だっき)
刀秋が鍛えた最も邪なる妖刀。竜人の鱗で出来ており、鉄砕牙と同じく敵の妖力を吸収することができ、その力は鉄砕牙をはるかに凌駕する。鉄砕牙の妖力を吸い尽くすが、犬夜叉と鉄砕牙の捨て身の攻撃に敗れる。その後、鉄砕牙に吸収され敵の妖力を吸う「竜鱗の鉄砕牙」となる。
雷撃刃(らいげきじん)
飛天が持つ、雷を模した刃を持つ矛。雷を纏って攻撃し、鉄砕牙と互角の戦いを繰り広げたが、飛天もろとも鉄砕牙によって両断され、消滅した。

アニメ

テレビアニメ

無印

原作単行本第1巻から第36巻までをベースとし、読売テレビを制作局として日本テレビ系列にて2000年10月16日から2004年9月13日まで4年間放送された日本テレビ系列局のうち、四国放送は2004年3月までは、本来の放送時間に『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系列)をネットしていた関係で、木曜深夜に遅れネットで放送されていた。その後同局での『クレヨンしんちゃん』の打ち切りに伴い、2004年4月から最終回までは同時ネットで放送された。。放送時間は毎週月曜19:00 - 19:30(JST)。全167話。改変時期の特番放送のため、前番組『金田一少年の事件簿』終了(2000年9月11日)から一カ月以上空いてスタートしている。また、テレビ宮崎(フジテレビ系列・日本テレビ系列およびテレビ朝日系列トリプルネット局)でも劇場版のみ放送されたことがある。

これまで『うる星やつら』、『めぞん一刻』、『らんま1/2』など高橋留美子原作のアニメ作品の製作を担当していたキティ・フィルムがアニメ事業から撤退したため、今作はサンライズが担当することとなった。

出演声優が前作『らんま1/2』においてレギュラー、脇役、チョイ役などで出演していた声優陣が数多く出演しており、前作の主人公、早乙女乱馬を演じた山口勝平は、原作者である高橋留美子の希望により、今作でも引き続き主人公の犬夜叉を演じることとなった。

アニメ化にあたっては、放送コードに触れる残虐な描写を変更するなどの処置が取られた。首から上のない落ち武者の死体があるシーンや顔がもぎ取られるシーンなどは直接映らないようにシルエット処理で済ませた他、やむを得ず放送コードに触れるシーンを登場させる際にはフォローのセリフを入れるなどの処置が取られた例としては、雷獣兄弟 飛天満天が登場する話で兄の飛天が死んだ弟の満天を食らう姿を見たかごめが「食べてるの?」と言ったのに対し、冥加が「いやそうじゃない。満天の額にあった四魂のかけらを体内に取り込んでおるのじゃ」と説明している。。放送コードに触れる描写が多い桃源郷(桃果人)の話にいたっては映像化が後回しにされ、珊瑚の登場がこの話よりも先になった。また、女性キャラクターの乳首が映る描写などは削除された。

日本国外では、アメリカ・カナダでは高橋原作アニメとしては初めて全国規模で放送された。本来は暴力的な内容に分類されるが、残虐行為を受けるのがモンスターであるため、スリラーであるとして放送コードをクリアしている。ただ、部分的に放送できない所は各国で独自に修正されている。このほか、南米、アジア、中東、東欧諸国での放送が確認されている。

画質は、ほとんどのアニメ作品がセル画からデジタル彩色へ交替していく真っ只中に制作された作品ということもあり、本作もオープニングは第3期から、エンディングは第4期から、そして本編は99話から随時デジタルに移行している。

番組本編前に流されるアイキャッチではタイトルの前に「戦国御伽草子」という枕詞のようなものが付けられていた。エンディングクレジットの後に、「犬夜叉のツボ」と題した毎週1人ずつ(2人の時もあった)キャラクターを紹介するミニコーナーが行われていた時期もある。さらに、井戸の枠の中のキャラクター(モザイク付き)当てがその後にあった。

アニメが原作に追い付き、オリジナルストーリーによる継続の限界により、原作単行本第36巻の第8話を最終回として放送終了。続きは4年後に原作が完結したのち「犬夜叉 完結編」にて描かれることになるアニメプロデューサーの諏訪道彦は自身のブログで、「(アニメ無印は)原作の途中で、無理のある終わり方だった。視聴者のみんなから何百というたくさんのコメントが寄せられた。もう一度、放送を再開してほしい、中途半端なので放送を続けてほしい」という意見が多く寄せられたと述べた。http://www.ytv.co.jp/anime/suwa/04_0922.html 「スワッチのアニメ日記」2004年9月22日分。。総話数167話は放送終了当時はサンライズ製作の単一タイトルでは首位だったが、2007年7月に『ケロロ軍曹』に首位の座を明け渡した。

スタッフ
  • 企画 - 諏訪道彦、植田益朗
  • 原作 - 高橋留美子
  • 監督 - 池田成(第1話-第44話)→青木康直(第45話-)
  • シリーズ構成 - 隅沢克之(第45話-)
  • キャラクターデザイン - 菱沼義仁
  • 妖怪デザイン - 沙倉拓実
  • 美術監督 - 池田繁美
  • 音響監督 - 鶴岡陽太
  • 撮影監督 - 伊藤久美子、大神洋一
  • 色彩設計 - 佐藤美由紀
  • 編集 - 鶴渕友彰
  • 音楽 - 和田薫
  • 原案協力 - 週刊少年サンデー編集部
  • プロデューサー - 諏訪道彦、富岡秀行
  • 制作 - よみうりテレビ、サンライズ
主題歌・挿入歌
オープニング
「CHANGE THE WORLD」(第1話 - 第34話)
作詞 - Rie Matsumoto / 作曲 - Miki Watanabe / 編曲 - Keiichi Ueno / 歌 - V6
「I am」(第35話 - 第64話)
作詞・歌 - hitomi / 作曲 - Masato Kitano / 編曲 - Zentaro Watanabe
「終わりない夢」(第65話 - 第95話)
作詞・歌 - Nanase Aikawa / 作曲 - Hiroshi Shibasaki / 編曲 - KANAME
「Grip!」(第96話 - 第127話)
作詞 - Kaori Mochida / 作曲 - Kazuhiro Hara / 編曲 - HΛL / 歌 - Every Little Thing
「One Day,One Dream」(第128話 - 第153話)
作詞 - Hideyuki Obata / 作曲 - Kei Yoshikawa / 編曲 - CHOKKAKU / 歌 - タッキー&翼
「ANGELUS -アンジェラス-」(第154話 - 第167話)
作詞 - BOUNCEBACK / 作曲 - BULGE / 編曲 - Yasuaki Maeshima / 歌 - 島谷ひとみ
エンディング
「My will」(第1話 - 第20話)
作詞 - Mai Matsumuro / 作曲 - Yasuo Ohtani / 編曲 - Keisuke Kikuchi / 歌 - dream
「深い森」(第21話 - 第41話)
作詞・作曲 - D・A・I / 編曲 - Do As Infinity、Seiji Kameda / 歌 - Do As Infinity
「Dearest」(第42話 - 第60話)
作詞・歌 - Ayumi Hamasaki / 作曲 - Ayumi Hamasaki、Dai Nagao / 編曲 - Naoto Suzuki
「Every Heart -ミンナノキモチ-」(第61話 - 第85話)
作詞 - Natsumi Watanabe / 作曲 - BOUNCEBACK / 編曲 - h-wonder、Asahi Jun / 歌 - BoA
「真実の詩」(第86話 - 第108話)
作詞・作曲 - D・A・I / 編曲 - Do As Infinity、Seiji Kameda / 歌 - Do As Infinity
「イタズラなKISS」(第109話 - 第127話)
作詞 - misono / 作曲 - Masato Kitano / 編曲 - Mitsuru Igarashi、day after tomorrow / 歌 - day after tomorrow
「Come」(第128話 - 第146話)
作詞・作曲 - Kask Mansson Cunnah / 訳詞 - Yuriko Mori / 編曲 - Cobra Endo / 歌 - 安室奈美恵
「Brand-New World」(第149話 - 第165話)
作詞 - MIZUE / 作曲 - Hiroh Oyagi / 編曲 - Masaki Iehara / 歌 - V6

第148話「めぐり逢う前の運命恋唄 後編」ではエンディング曲が「CHANGE THE WORLD」、最終話では「My will」。主題歌を担当した歌手は全員がエイベックスに所属中、もしくはかつてエイベックスに所属していた。これは次番組の『ブラック・ジャック』も同じである。

挿入歌
「卒業 〜さよならは明日のために〜 (ONE VERSION)」
作詞 - 加藤健 / 作曲 - Ryoki Matsumoto / 編曲 - Kaoru Wada / 歌 - タッキー&翼
第124話「さらば愛しき桔梗よ」で使用された。
編分け

完結編前後から無印作品をネット配信する際、下記のように分類するようになった

  • 第1期「出会い編」第1話~第44話
  • 第2期「成長編」第45話~第87話
  • 第3期「七人隊編」第88話~第126話
  • 第4期「激闘編」第127話~第167話

日テレプラスでも第○期の表記はないものの上記の編分けを踏襲している。

各話リスト

※ 話数が多いため、伸縮型のメニューとして掲載する。

国外放送

放送局放送期間
(無印)
放送日時
米国アダルトスイム2002年9月1日 - 日曜 5:00 - 5:59
台湾スーパーテレビ 
フィリピンGMA 7 月 - 金曜 8:30 - 8:55

ネット配信

「バンダイチャンネル」で配信されている。

第1話〜第34話のオープニング映像・音楽、124話の挿入歌及び第128話~第153話のオープニング映像・音楽と、第147話~第165話のエンディング映像・音楽は、都合により放送当時のものとは異なっている。

映像ソフト化
  • 無印のDVDは2001年5月30日~2005年7月27日に発売され無印(全9巻)、2章(全10巻)、3章(全10巻)、4章(全5巻)、『特別篇 殺生丸を愛した女』、『特別篇 弐 めぐり逢う前の運命恋歌』、5章(全8巻)、6章(全10巻)、7章(全3巻)と区別されている。

完結編

原作単行本第37巻から最終第56巻までをベースとした『犬夜叉 完結編』(いぬやしゃ かんけつへん)が、2009年10月より読売テレビを制作局として、一部の日本テレビ系列局で放送された。ハイビジョン制作。全26話。

約35巻分をオリジナルストーリーも加えつつ167話で描いた前期に対し、今期は約20巻分を26話で描く。残巻の半数を占める魍魎丸との戦いがわずか6話に簡略化されている為、それに伴い多数のエピソードが省略されている。次回予告については読売テレビ以外の他局では放送せず、読売テレビ公式サイトにて同じ内容のものが最新話放送後から1週間限定で配信されていた。また、無印では提供クレジットのナレーションは犬夜叉役の山口勝平だったが完結編ではそうではなくなっている。

スタッフ(完結編)
  • 原作 - 高橋留美子
  • 原案協力 - 都築伸一郎、林正人、縄田正樹、茂木俊輔、薄谷正和
  • 監督 - 青木康直
  • 副監督 - 佐藤照雄
  • シリーズ構成 - 隅沢克之
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 菱沼義仁
  • 美術監督 - 池田繁美
  • 色彩設計 - 佐藤美由紀
  • 撮影監督 - 小川滋見
  • 編集 - 鶴渕友彰
  • 音響監督 - 鶴岡陽太
  • 音楽 - 和田薫
  • チーフプロデューサー - 諏訪道彦、富岡秀行
  • プロデューサー - 斎藤朋之、浅井認、小形尚弘
  • 製作 - 読売テレビ、小学館、サンライズ
主題歌(完結編)
オープニングテーマ
「君がいない未来」
作詞 - Kyasu Morizuki、Tomiko Van、Kano Inoue / 作曲 - Katsumi Ohnishi / 編曲 - Seiji Kameda / 歌 - Do As Infinity
第26話はOPは無し。
エンディングテーマ
「With you」(第1話 - 第9話)
作詞 - Leonn / 作曲 - Mitsuru Igarashi / 編曲 - ats- / 歌 - AAA
「Diamond」(第10話 - 第17話)
作詞 - Shoko Fujibayashi / 作曲 - Kazuhito Kikuchi / 編曲 - ats- / 歌 - alan
「遠い道の先で」(第18話 - 第26話)
作詞・作曲・歌 - Ai Takekawa / 編曲 - Jun Sato
「君がいない未来」(第26話)
作詞 - Kyasu Morizuki、Tomiko Van、Kano Inoue / 作曲 - Katsumi Ohnishi / 編曲 - Seiji Kameda / 歌 - Do As Infinity
第26話は「君がいない未来」と「遠い道の先で」を続けてEDとした。
各話リスト(完結編)

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!話数!!総話数!!サブタイトル!!脚本!!コンテ!!演出!!作画監督!!放送日 |- |第1話||168話||奈落の心臓||rowspan="20"|隅沢克之||rowspan="2"|青木康直||綿田慎也||中島里恵||2009年
10月3日 |- |第2話||169話||神楽の風||鳥羽聡||杉本幸子||10月10日 |- |第3話||170話||冥道残月破||まついひとゆき||京極尚彦||佐久間信一||10月17日 |- |第4話||171話||竜鱗の鉄砕牙||青木康直||いわもとやすお||しまだひであき
小田多恵子||10月24日 |- |第5話||172話||妖霊大聖の試練||こだま兼嗣||古田丈司||中島里恵||10月31日 |- |第6話||173話||魍魎丸の最期||まついひとゆき||矢野篤||藤森雅也||11月7日 |- |第7話||174話||梓山の霊廟||colspan="2" style="text-align:center"|綿田慎也||佐久間信一
斎藤佑||11月14日 |- |第8話||175話||星々きらめきの間に||戸部敦夫||鳥羽聡||杉本幸子
小磯沙矢香||11月21日 |- |第9話||176話||冥界の殺生丸||こだま兼嗣||古田丈司||佐久間信一
斎藤佑||11月28日 |- |第10話||177話||悲しみに濡れる花||佐藤真人||齋藤徳明||しまだひであき||12月5日 |- |第11話||178話||神無の墓標||こだま兼嗣||京極尚彦||中島里恵||12月12日 |- |第12話||179話||珊瑚の想い 弥勒の覚悟||小島正士||矢野篤||藤森雅也||12月19日 |- |第13話||180話||完全な冥道||加瀬充子||鳥羽聡||前澤弘美
橘佳良||12月26日 |- |第14話||181話||奈落の追撃||佐藤真人||古田丈司||佐久間信一
斎藤佑||'2010年