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独裁君/業田良家

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著者: 業田良家
巻数: 1巻

業田良家の新刊
独裁君の新刊

最新刊『独裁君


独裁君』(どくさいくん)とは業田良家が季刊誌「わしズム」に連載していた4コマ漫画である。VOL.6からVOL24にかけて掲載。なお、小学館「SAPIO」の『ガラガラポン!日本政治』においても一部キャラクターが共通している。

概要

シャルル民主主義人民共和国の大統領(独裁者)「シャルル・ド・クサイ」の独裁政治とその日常を描いた4コマギャグ漫画。主人公のシャルルのモデルは朝鮮民主主義人民共和国総書記・金正日であり、ユーモアを混ぜて彼とその政治体制を批判する内容になっている。

なお、連載初期はシャルル・ド・クサイを中心にシャルル国内の日常が多かったが、次第に天安悶など各国首脳との国際政治 (?) が舞台になっていった。 しかし、最終回は後述する派生作品と同様にシリアスな内容で幕を閉じた。

登場人物

シャルル・ド・クサイII世
主人公。大統領の地位は父親からの世襲。気まぐれや自己中心的な政治で自国民を苦しめている。自分の地位と生命を維持するため部下を相互に監視させ、迷路と化している地下シェルターを建造させたり国民全員の0.5%にあたる数の実子を多数の妻や妾に産ませている(顔は全員彼自身に似ている)。しかし、後半は天安悶やウィンターに訪問され、霹靂されていた。最終的に天寿を全うして生涯を終えたが、その魂は『時間も空間も無い世界』においてそれまで犯してきた罪の重さを思い知らされることになる。
局長
シャルルの側近。彼自身もシャルルに疑われており、友人や家族(子供も含まれる)を諜報員にすり替えられてしまう。それでもシャルルに忠義を尽くしたが、シャルルの死後デジャンに射殺された。
シャルル・ド・クサイI世
シャルルの父でシャルル国初代大統領。常に歯を見せて笑っているのが特徴。表向きは桜国との戦いで英雄となった、とされているが最終回においてシャルルの父はサ連の工作員であったことが明らかにされる。サ連にいたころは天安悶の学友で、彼ら以外の同級生は彼らによって全員粛清された。
ミラン
シャルルの息子の1人。シャルルから死に際して後継者に指名されるが、シャルルが死んだ直後に射殺される。
デジャン
シャルルの息子の1人。シャルルが死んだ直後にミランをはじめ兄弟、局長や医師を殺害して後継者を名乗る。ちなみに、他の兄弟は軍服を着用しているのに対し彼はスーツ姿である。
藪男(やぶお)
シャルルが恐れている『米国(こめこく)』大統領。モデルはジョージ・ウォーカー・ブッシュの風刺パロディ。
天安悶
隣国(実質的宗主国)『大華共和国』主席でシャルルの父親の学友。シャルルは足元にも及ばない殺戮狂の独裁者で、夜になると粛清した部下の怨霊が大挙して出現するほど。自国民を7000万人殺害したとうわさされている。ベチットを侵略し120万人殺害した。農村の田舎者らしく語尾に「っぺ。」を付ける口癖を持ち、痰を弾道ミサイル並の精度で狙った地点・時間で目標地点に着弾させる特技がある。モデルは中華人民共和国初代主席の毛沢東。
明明
天の妻。夫婦喧嘩には私兵を駆り出す。モデルは江青と思われる。
江沢山
天がシャルル国を訪問している留守にクーデターを起こした大華共和国の将軍。最終的に天が放ったロケット弾によって粛清される。モデルは中華人民共和国元主席の江沢民(ただし、実際の江沢民自身は軍人ではない)。
メッシー
唯一の友好国『ドカン帝国』の総裁(独裁者)。シャルル国を訪問した際には妻と母を拉致された。モデルはドイツ第三帝国の独裁者アドルフ・ヒトラーと見られる(しかし、漫画の内容ゆえヒトラーほどの邪悪さは感じられない)。天やウインター将軍の登場で出番が無くなり、最終回にも登場しない。
ウインター将軍
巨大国『サ連』の独裁者で、シャルル父と天の師匠。名前は冬将軍からきており、外国を訪問する際には寒冷前線を伴い(毛むくじゃらの大男に擬人化されている)、帰るときには焦土戦術を行う。無解凍の冷凍食品とウォッカが好物。容貌のモデルはスターリン。

用語解説

シャルル民主主義人民共和国
シャルルが治める国。政治体制は北朝鮮と同じだが、領土は小さい(現実の中朝国境付近)。なお、この漫画で朝鮮半島に相当する地域には、「北恨国」「南恨国」が存在する。
米国(こめこく)
現実で言うアメリカ合衆国。
大華共和国
天が治める国家。現実で言う中華人民共和国。
ドカン帝国
メッシーが治める国。
サビエト連邦
ウィンター将軍が治める国。モデルは旧ソビエト連邦。
桜国
日本をモデルとした国。かつては大陸まで軍を進めた事もあったが現在は謝罪外交が国是。
ベチット 
現実世界のチベット。大華共和国の侵略で120万人が殺害された。政治犯に対する断種手術さえ行われている。

派生作品

シャルル国等独裁国で暮らす人々を主人公に据え、その日常を描いている。内容は4コマ漫画ではなく短編読切になっており、いずれの話もギャグ無しのシリアスな内容である。

シャルルの女
『桜国』にスポーツ選手応援のため派遣された女性応援団員の体験を描く。VOL.18に掲載。
シャルルの男
シャルル国の小学校教師、「ピエール・ゴメス」の日常生活とその悲劇的な最期を描く。VOL.19に掲載。
慈悲と修羅
大華共和国に於けるある少数民族の弾圧と大華民族の思想の根幹を描く。VOL.23に掲載。
それいけ!天安悶
天安悶を主人公に据え、中国と北京オリンピックを皮肉った作品。VOL.25に掲載。