王家の紋章/芙〜みん 細川智栄子
最新刊『王家の紋章 18』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
王家の紋章の既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
王家の紋章 1 | 1996-12 |
王家の紋章 2 | 1996-12 |
王家の紋章 3 | 1997-06 |
王家の紋章 4 | 1997-12 |
王家の紋章 5 | 1998-12 |
王家の紋章 6 | 2000-10 |
王家の紋章 7 | 2002-12 |
王家の紋章 8 | 2005-02 |
王家の紋章 9 | 2005-11 |
王家の紋章 10 | 2006-05 |
王家の紋章 11 | 2006-11 |
王家の紋章 12 | 2007-05 |
王家の紋章 13 | 2007-11 |
王家の紋章 14 | 2008-05 |
王家の紋章 15 | 2008-10 |
王家の紋章 16 | 2009-04 |
王家の紋章 17 | 2009-10 |
王家の紋章 18 | 2010-04 |
『王家の紋章』(おうけのもんしょう)は、細川智栄子あんど芙〜みんによる日本の漫画作品。
概要
秋田書店発行『月刊プリンセス』1976年10月号より連載開始、2010年7月現在、第29部進行中、単行本は55巻まで刊行。文庫本は18巻まで刊行。
第36回(平成2年度)小学館漫画賞少女部門受賞。
現代と古代、エジプトを舞台とする3000年の時を経た恋と壮大な歴史ロマンの物語。
本作品を長年にわたり掲載してきた『月刊プリンセス』は2005年新年特大号にて創刊30周年を迎え、また2006年9月6日発売の10月号で本作品は連載30周年を迎えた。それらを記念して、『プリンセス』誌では付録を付けるなどの様々な催しが行われた。
あらすじ
アメリカ人で16歳の娘であるキャロルはエジプトに留学中で日々熱心に考古学を学んでいる。ある日、リード家がアイシスの弟であるメンフィスの墓を暴いたため、彼女は下エジプトの女王であり神殿の祭祀でもあるアイシスの呪術により、古代エジプトにタイムスリップしてしまう。
古代エジプトでのキャロルは、金髪碧眼に白い肌の容姿と21世紀連載開始当時は“20世紀”の設定だったが、連載の途中で21世紀に突入したため、変更。近年増刷・発売されたコミックス及び文庫本は、初めから21世紀の設定になっている。の人間としての知識や考古学の知識が古代エジプトの人々の耳目を集め、尊い予言を語る「ナイルの娘」「黄金の姫」と謳われ、崇められるようになる。古代エジプトの若き王メンフィスに見初められ、やがて2人は愛し合うようになるが、キャロルの存在を憎むアイシス一派や、現代人の英知と可憐な容姿を兼ね備えたキャロルの奪取を狙う諸国の王族が2人の間に立ちふさがり、数々の危機に直面する……。
登場人物
古代キャラ
- キャロル・リード
- カイロ学園在学中のアメリカ人。16歳。リード・コンツェルンの社長の娘(ライアンが跡を継いだ後には妹)であり、一家の末っ子。古代エジプトの王メンフィスと結婚しエジプト王国王妃となる。朗らかな性格で好奇心旺盛。考古学が大好きでエジプトに留学中。リード家が貢献する事業の一環として王(メンフィス)の墓を暴いた為、現代にやってきた王(メンフィス)の姉アイシスの呪いにより古代エジプトにタイムスリップする。考古学の知識と現代の英知を持ち、黄金の髪と白い肌を有する美しい容姿からナイルの神の娘と崇められるようになる。当初はメンフィスを恐れていたが、やがて彼を深く愛するようになり、古代に留まることを決意する。人を思いやり、命を尊ぶ心を持ち、残虐をもって力とみなした古代人に臆することなく苦言を呈する場面も多く、国民や臣下から篤く慕われる。
- メンフィス
- 古代エジプト王国の王(ファラオ)。17歳。長い黒髪と女と見まごうばかりの美貌を持つ少年王であり、火のように激しい気性、勇猛果敢で有能なエジプトの統治者。21世紀人ならではの英知と、白い肌に金髪を有する容姿、明るく優しく、王者である自分にも屈しない強い心を見せるキャロルに惹かれ、熱愛するようになり、幾多の障害を乗り越えて妃にする。
- アイシス
- 古代エジプト王国第一王女でメンフィスの異母姉。下エジプトの女王と呼ばれていたが、バビロニア王国の王・ラガシュに嫁ぎ、バビロニア王国王妃となる。妖艶な魅力を持つ絶世の美女。幼い頃から弟であるメンフィスを熱愛し、妃となる事を望むが、自分が連れてきたキャロルによってメンフィスの心を奪われる。嫉妬に苦しみ、キャロルを憎悪し、あらゆる手を使ってキャロルを死に至らしめようと目論むが、後に謀をメンフィスに知られてますます距離を置かれる事になる。ミタムンを殺害した張本人。
- イズミル
- 古代ヒッタイト王国第一王子。近隣国にもその令名を謳われる聡明なイケメン王子。メンフィスの戴冠式に名代としてエジプトに行った妹、ミタムンを殺害され、復讐の為にキャロルを誘拐するが、その後キャロルを熱愛するようになる。メンフィスと相見える事数度、宿年のライバル。キャロルに激しい執着心を抱いており、妃に迎えたい為に、キャロルの元にルカを送り込み、動向を探っては何度も奪取・拉致を試みる。自分を犠牲にしてまでも、キャロルを守ろうという優しさがある。
- イムホテップ
- 古代エジプト王国の名宰相と呼ばれる賢い老人。キャロルの英知と心根をいたく気に入り、王家の新たな血として王妃となることを賛成した。
- ミヌーエ
- 古代エジプト王国の将軍。女官長ナフテラの息子。メンフィスの片腕とも言うべき人物で、幼い頃から常にメンフィスの傍につき守ってきた。武勇に優れ、徳のある将軍として民にも知られている。ごく初期にアイシスに恋を打ち明ける描写が見られたが、手厳しくはねつけられて後は全くその様子は見られず、近年ではアイシスに対してはその危険な思惑を警戒するのみで、彼女を思慕した設定は無かった事のようになっている。
- カプター大神官
- 神事を司る神官の長。禿頭。尊い地位にありながらその心は俗であり、黄金に目が無い。数々の黄金の美術品を秘密の部屋に収集し、愛でている。キャロルを最も尊ぶべき生きた黄金とみなしており、いつか我が手にと企んでいる。キャロル自身は大神官の魂胆は知らぬものの、彼を薄気味悪く思っており、後のカプターの計画がきっかけで、酷く嫌うようになる。
- ウナス
- メンフィスの部下でエジプトの兵士。幼い頃に濡れ衣を着せられ殺されそうになるところをメンフィスに助けられ、それ以来メンフィスに忠誠を誓う。ミヌーエに次ぐ忠実な部下の一人。メンフィスに命じられてキャロルの護衛(兼見張り)を務める。キャロルの傍近くで彼女の英知を目の当たりにする機会が多く、感嘆する。同時に苦労も多い。生真面目で責任感が強く、キャロルとメンフィスの為に一命を賭す覚悟で仕えている。
- ルカ
- イズミルの腹心。エジプトの王位継承権を望むイズミルが、キャロル及び宮廷の動向を探らせるために遣わした間者。見事キャロル付きの従者となったが、キャロルも含めエジプト王宮内の人間は彼の正体に一向気づかない。同じ従者である隊長ウナスとともに、キャロルを幾多の危険から守ってきた。キャロルを敬う一方で彼女のお茶目な一面をほほえましく思っている。イズミルに対する忠誠心は人一倍強い反面、キャロルの幸せを願うが故に自分の立場に葛藤する。ちなみに、ルカの衣装は初登場当時から一度も変わっていない。
- ハサン
- 砂漠を渡る古代の商人。背が高く痩身で飄々とした男。金儲けの為にキャロルに近づいたのが最初であったが、その人柄に触れ、のちは騎士道的精神で彼女を守る。エジプト王妃であるキャロルにもいたって気さくな態度であり、旅から旅への豊富な経験と薬草に関する知識は幾度もキャロルを助けた。キャロルの命令しか聞かないと決めている。
- ヒッタイト王
- ヒッタイト王国の王で、イズミルの父。キャロルを狙っていたが、キャロルを捕まえた後、手放した。女好き。
- アルゴン
- 古代アッシリアの王。非常に好色、残酷な君主として名高く、先王の皇太子を殺して王位を奪った。エジプトを狙い、キャロルをおびき寄せ強引に妃にしようとするが失敗。激怒したメンフィスによって右腕を切断された。いつも舌がペコちゃんのようにでている。
- ラガシュ
- 古代バビロニアの王。頭の切れる狡猾な人物で、アイシスの美貌に魅了され、キャロルを殺す代わりにバビロニアの王妃にと申し込む。後に、キャロルにも得がたい価値を見い出して、バビロンの塔に監禁する。
- ミノス
- ミノア王国の若き王。14歳。過換気症候群という病にかかっていたが、キャロルの看病のおかげで完治する。そのことがきっかけでキャロルに恋するようになり、意識のないキャロルを強引に妃にしようとしたこともある。
- アトラス
- ミノスの兄。ミノアの第一王子だが、その姿のために隠されて生きてきた。キャロルに恋するようになり、求愛するが拒まれ、キャロルを憎み、殺そうとしたが、失敗し負傷する。
- フォティア
- ミノスの世話係で王太后お気に入りの貴族の娘。ミノスを慕っている。ミノスに毒をもったとの濡れ衣を着せられ処刑されそうになったが、キャロルに助けられる。その後の出番はない。
- ミタムン
- イズミルの妹でヒッタイト王国第一王女。メンフィスに好意を持っていたが、嫉妬したアイシスにより殺される。
- ナフテラ
- キャロルが母のように思っている人物。女官長であり、宮廷に仕える侍女たちを統率する役割を担っている。ミヌーエ将軍の母でもある。
- テティ
- キャロルの侍女。明るい性格で主人であるキャロルとも仲が良い。
- アマゾネスの女王
- アマゾンの女王。女でありながら、男にも負けない力を持つ勇猛な女王。キャロルに好意を持っているのか、二度彼女を助けたことがある。
- キャロルを信頼しており重体の妹・ヒューリアを託す。
- ヒューリア
- アマゾネスの女王の妹。ヒットタイト王により瀕死の重体であったが、キャロルの看病によって回復する。その後、帰国。
- マシャリキ
- アビシニアの青の王子。キャロルには好意を持っているが、メンフィスを憎んでいる。
- ウリア
- ヒッタイト王の姉でジダンタシュの母。息子を王にするため、イズミルの命を狙っている。
- ジダンタシュ
- イズミルの従兄弟。母ウリアとともにイズミルの命を狙う大男。
- カーフラ
- リビア王国第一王女。メンフィスの第二の妃になろうと画策し、メンフィスに断られるも諦めていないようである。
- シンドゥ
- 古代インダスの王子。キャロルに自国の運命を予知させるが、その結果に憤慨しキャロルを逆恨みしている。
- アルシャーマ
- メディア国の王。アルシと名乗り、エジプト王宮に出入りしている。
- ネバメン
- メンフィスの弟だと名乗り、エジプトの王宮に入る。元死刑囚。
現代キャラ
- キャロル・リード
- 古代参照。
- ライアン
- キャロルの長兄にしてリードコンツェルンの社長。博識で敏腕、卓越した経営能力で会社をまとめる。クールだが妹を溺愛しており、行方不明になったキャロルの身を常に案じている。他に(登場回数は非常に少ないが)弟でキャロルにとっては次兄のロディがいる。ジミーには、事業の鬼、氷のライアン、アメリカのライオンなどと言われている。
- ジミー
- キャロルの現代での恋人で婚約者。ライアンの事が苦手らしい。考古学者でキャロルの通うカイロ学園で鞭をとるブラウン教授の孫。キャロルに夢中だが、度々行方不明になってしまうキャロルは王の墓を暴いたことによる『王家の呪い』がかかっているのではないかと案じている。連載当初、キャロルと両思いで将来を約束していただけに、報われないキャラクターでもある。
- アフマド
- アラブの石油王。地中海で溺れていたキャロルを救出し、以来キャロルに惚れ込んで付き纏う。キャロルのためならどんな危険も厭わない勇敢な青年。キャロルがメンフィスの子供を身ごもって現代へ帰ってきた際、世間の批判からキャロルを守る為、自分がキャロルの相手だと名乗り出た。
- ブラウン教授
- 考古学を研究している。ジミーの祖父。行方不明になるキャロルを、王家の呪いかも知れないと思っている。
- ロディ
- キャロルの二番目の兄。あまり登場しない。
登場する国など
- 古代エジプト(エジプト、首都:テーベ)
- ヒッタイト(現在の[[トルコ、首都:ハットゥシャ)
- バビロニア(現在のイラク、メソポタミアの南部)
- アッシリア(現在のイラク、メソポタミアの北部)
- ミノア(現在のクレタ島)
- アマゾン(アマゾーン)
- アビシニア(エチオピア)
- リビア(北アフリカに位置)
- インダス
- メディア王国(首都:エクバタナ)
完結について
完結はしないらしく、作者が生きている限り、終わらないと見られる。
派生作品
CD版
- 王家の紋章 イラスト・ストーリー・ビデオ・オリジナル・サウンド・トラック
- 株式会社モモアンドグレープスカンパニー(復刻版CD ABCA-5067(2004年9月25日))
- 製作 - 「王家の紋章」製作委員会
- 音楽 - 久石譲
- 王家の紋章 Part 1
- ポニーキャニオンCD(PCCG-00104(1990年12月15日))
- キャスト
- キャロル - 潘恵子
- メンフィス - 神谷明
- アイシス - 杉山佳寿子
- イズミル - 塩沢兼人
- アルゴン - 加藤精三
- リード - 渡部猛
- ナレーション - 田島令子
- 音楽 - 馬飼野康二
- 挿入歌
- キングオブキングス(高梨雅樹)
- 剣よりも愛(高梨雅樹&潘恵子)
- キャスト
- 王家の紋章 Part 2
- ポニーキャニオンCD(PCCG-00105(1990年12月15日))
- 音楽:馬飼野康二
脚注
関連項目
- 『ナイルの娘』 - 『王家の紋章』(劇中では「ナイルの娘」)に熱中する台湾人少女を主人公とした、侯孝賢監督の1987年の映画。
外部リンク
- Desert Wind(ファンサイト)
ko:왕가의 문장 th:คำสาปฟาโรห์ vi:Nữ hoàng Ai Cập (manga)