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甲子園の空に笑え!/川原泉

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著者: 川原泉
巻数: 1巻

川原泉の新刊
甲子園の空に笑え!の新刊

最新刊『甲子園の空に笑え!


出版社: 白泉社
シリーズ: 白泉社文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

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甲子園の空に笑え!』(こうしえんのそらにわらえ!)は川原泉による日本の漫画作品。『花とゆめ』(白泉社)にて連載された。少女漫画には珍しい、高校野球漫画。ちなみに、このタイトルは庄司陽子『甲子園の空にちかえ!』のパロディである。

続編にプロ野球を舞台とする『メイプル戦記』がある。

ストーリー

九州にある私立豆の木高校に赴任した新任教師、広岡真理子。広岡は野球の知識も経験も無いにも関わらず、なぜか「県予選1回戦突破」を目標とする部員9名の野球部の監督になってしまった。有名プロ野球選手の著書を参考に、独自の野球理論で練習を行う。

一方、県高野連では、シード制を廃するという大英断が実施。その年の県予選大会は強豪高同士が早い段階で潰しあう一方、豆の木高校は強豪を避け、決勝戦進出。持ち前の機動力、守備力を活かして、甲子園出場を果たす。

甲子園大会でも豆の木高校ナインの機動力、守備力は健在で、ついに決勝戦進出。豆の木高校と同じ宿舎に泊まっている北斗高校と決勝戦を戦うことになる。

登場人物

豆の木高校

九州のA県B郡豆の木村にある私立高校。田舎のうえ無名のため、全校生徒389名と生徒数も少なく、少し貧乏。クラブ活動も少人数で、サッカー部7人・ラグビー部8人・演劇部2人・バレー部は男女合わせて3人などという状況。オーケストラ部はあるがブラスバンドも応援団もない。

そんな中、野球部は9人いるものの今年の新入部員はゼロ。しかも監督不在であった。1回戦突破が部創立以来の悲願だったが、ふと気がつくと甲子園出場が決まっていた。部員は全員農家の家の子供で、繁忙期になると家業を手伝っている。常日頃田畑を駆け回っているため、皆足は速く、泥にも強い。なんと県外に出たことがあるものが一人もいなかった。

広岡真理子(ひろおか まりこ)
豆の木高校の生物の新任教師として採用された。22歳。豆の木高校は教師全員がどこかのクラブを担当し、指導するという方針。外部から招聘する予算がなく、他の教師が高齢なため若いのだからと言う理由だけで、全く自分には縁のない野球部の監督就任となってしまった。生物の世界はひたすらクールで、燃える闘魂には縁がないと思っていた。しかし、部員達にシートノックを頼まれた際、それが意外に上手であることがわかり、そのことを今まで本人も自覚してなかったためか「隠れた才能」と評価される。これに気分を良くして野球理論の勉強を開始。大きな獲物が目の前にぶら下がったとたん、かえって無欲になるらしいが、それ以前は七転八倒する性格。
春日晴彦(かすが はるひこ)
3年生、投手。結構ぼーっとしている。捕手である朝比奈と2人揃うと春の日だまりのよう。球は速くないが、コントロールだけは良く、丹念にコーナーを突く。堅い守備にも助けられ、甲子園では1・2・3回戦はすべて完封。
朝比奈周(あさひな しゅう)
3年生、捕手でキャプテン。少女のよーにおっとりし、花のよーに大人しい。いつもニコニコ、細い体でリードする。『メイプル戦記』では数学教師として豆の木に赴任し、野球部監督になることが描かれている。
田畑耕作(たばた こうさく)
3年生、左翼手。いかにも少女漫画的な金髪の少年。新入部員がいないのは自分のせいと落ち込むキャプテンを慰める。広岡にノックをしてもらおうと、キャプテンに耳打ちした。
時宗正(ときむね ただし)
3年生、中堅手。広岡に監督を頼もうと言う相本たちの意見を、考え方として悪くないと評した。眼鏡をかけている。
林覚(はやし さとる)
3年生、右翼手。部員はいるが、監督のいない自分達も可哀想だと言う。今年こそは1回戦の壁を破りたいと抱負を述べる。
相本朱里、樹里、杏里、悠里(あいもと しゅり、じゅり、あんり、ゆうり)
2年生。朱里は一塁手、樹里は二塁手、杏里は三塁手、悠里が遊撃手。広岡に監督を頼もうと進言。広岡のノックを褒めちぎる。守備においてのコンビネーションは絶妙。見た目が全く同じ四つ子である。メイプル戦記には妹である由花、美花、里花、流花(ゆか、みか、りか、るか。これも四つ子)が登場する。
校長先生
いつもニコニコしていて、丸い体型、優しい雰囲気。広岡は最初、野球部監督就任を断れなかったことから、人の善さそうな顔をして意外に腹黒いなどと評したが、そんなことはなく、本当に人が善い。
教頭先生
野球部長。校長とは違って細身のロマンスグレーだが、やはり優しい雰囲気を醸し出す。女性の野球部監督は異例だが、広岡ならばきっとできる!と断言。広岡を暖かく見守り、アドバイスする。

北斗高校

昨年度優勝校で優勝候補。西東京代表。宿舎が豆の木と同じ「ホテル甲子園屋」だったことから交流することになるが、決勝で激突する。

高柳邦彦(たかやなぎ くにひこ)
監督。対戦校等のデータを詳細に記した「高柳メモ」が有名。広岡との初対面では嫌味のような言葉を発したが、次第に打ち解け、後にはメモを貸すなどもしている。勝つことを求め選手に気合いをかけるなど、広岡が苦手とする熱血系の面も。10年前の甲子園では選手宣誓をしたが、それを知らない広岡に揶揄されて傷ついた。豆の木を「地獄の天使が守り神についているよう」と評した。選手達によると、30歳を目前に春が来た(広岡に恋をした)らしい。

その他

A県高等学校野球連盟・大会運営委員会の委員達
委員の一人が、シード制は高校生を差別する事だから今年から止めようと提案。それが全会一致で通ってしまい、結果「強豪」同士が1回戦から次々とぶつかり合って消えてゆき、豆の木の甲子園出場となった。
豆の木村のみなさん
貧乏のため甲子園出場辞退も危ぶまれた野球部のため、善意の寄付金を出してくれた。また、徹夜でバスに揺られ、甲子園まで応援に駆けつけた。
穴田アナ
MHKアナウンサーで、実況中継担当。複数の川原作品に登場する人物。
池虹
解説担当。

関連項目

  • メイプル戦記 -続編