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男坂/車田正美

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著者: 車田正美
巻数: 3巻

車田正美の新刊
男坂の新刊

最新刊『男坂 3


出版社: 集英社
シリーズ: 集英社文庫コミック版


男坂の既刊

名前発売年月
男坂 1 2000-12
男坂 3 2000-12

男坂』(おとこざか)は、車田正美による日本の漫画。集英社の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』にて、1984年の第32号から1985年の第12号まで連載された。ジャンプコミックス全3巻、愛蔵版上下巻、文庫版上下巻。

登場人物

日本

東日本

菊川仁義(きくかわ じんぎ)
主人公。敗北よりも死を選ぶ地上でただ一人の男。この時代に生きる硬派のひとり。九十九里の東雲中学1年生。13歳。中学入学早々番長の安岡にケンカを売りこれに勝利するが、アメリカに留学する前に九十九里に立ち寄った武島将に生まれて初めての敗北を喫する。その後伝説となっていた喧嘩鬼に弟子入りし、108つのケンカの心得を習得する。世界の脅威から日本を守る為、日本中から硬派を集める。
黒田闘吉(くろだ とうきち)
99の中学を制圧し、千葉県の南西半分をその傘下に治める闘吉連合のヘッド。13歳。特攻服に身を包んだ非常に血の気の多い男。壊滅した闘吉連合の敵を討つべく仁義に海上で決闘を挑むが、嵐の中で荒れ狂う海を前にカナヅチの闘吉は死を覚悟する。しかし自分を背負って嵐の海を泳ぎきった仁義に深い感銘を受け、仁義と義兄弟の契りを結ぶ。
赤城のウルフ(あかぎのウルフ)
総勢130人の上州、赤城のウルフ軍団を組織する。仁義の下につくべく九十九里に集結し、武島軍団の刺客に襲われる仁義を救った。
昭和白虎隊
梓鸞丸(あずさ らんまる)
総勢300人、会津の昭和白虎隊総長。深い湖のように澄んで美しい瞳を持つ。卑劣な行為をした弟・蘭丸を破門にする。
梓蘭丸(あずさ らんまる)
昭和白虎隊副長。鸞丸の実弟。仁義を怒らせる為に部下に女を襲わせたり、放火をさせたりと、非常な卑劣漢。四節棍の使い手。
奥羽連合
神威剣(かむい けん)
奥羽連合の13人のヘッドをまとめる男。奥羽以外にも北海道全土を手中に収め、日本の北を支配している。作中では名前とシルエットが出ただけで、実際に登場する前に連載が終了。
蛭田徳市(ひるた とくいち)
奥羽連合13人のヘッドのうちの一人。気仙沼を治める。仁義に倒される。
鬼子母弁(きしぼ べん)
奥羽連合13人のヘッドのうちの一人。一関を治める。闘吉に倒される。
剛田五郎(ごうだ ごろう)
奥羽連合13人のヘッドのうちの一人。釜石を治める。ウルフに倒される。
その他
喧嘩鬼(けんかおに)
九十九里の鬼山で昔からケンカの修行をしているとされる伝説の鬼。その正体は不明。将に敗れた仁義にケンカを教える。
島村春奈(しまむら はるな)
東雲中学1年生。仁義の同級生。
安岡(やすおか)
東雲中学の番長。
関根(せきね)
安岡の子分。九十九里の現れた武島一行に難癖をつけて最初に木刀で殴りかかった。
キボウ
世界最高の名門・ケンブリッジ大学コスモポリタン・アカデミーの卒業課程を13歳にして修めた天才。自分の天才的頭脳を必要とする大きな人物に仕えるため祖国・日本に帰国する。

西日本

武島将(たけしま しょう)
西日本最大の勢力を誇る武島軍団のドン。生まれながらに日本のドンとなるために勝者の教育を受けた男。若年ながら、ありとあらゆる格闘技を極め、その実力において日本に敵はいないと言われている。菊川仁義の最大のライバル。
神代直人(じんだい なおと)
武島軍団三番隊隊長。九十九里がシカゴの侵攻を受けたとき、軍団千人を引き連れて援軍に現れた。
水無月征(みなづき せい)
武島軍団二番隊隊長。武島が日本のドンとなるのに障害となるであろう仁義を抹殺する為に刺客を九十九里に送り込む。
高倉(たかくら)
武島の日本時代の側近の一人。安岡を叩きのめした為に仁義の怒りを買い倒される。
室戸(むろと)
高倉同様、側近の一人。

ジュニア・ワールド・コネクション(JWC)

アメリカ・ニューヨーク

ジャーメィン(Jermaine)
ニューヨークのドン。
アイン(Ein)
世界最高の名門・ケンブリッジ大学コスモポリタン・アカデミーの卒業課程を13歳にして修めた天才。ジャーメィンに仕えるべくアメリカに帰国する。キボウとタイで終わったウォーゲームの決着を何年後かにつけることを誓い合う。

アメリカ・シカゴ

フォアマン(Forman)
シカゴのドン。ライオンの首を素手で引きちぎったことがある。傘下に治めるべく、ドンがいないと思われていた東日本に兵士を送り込む。また武島に勝負を挑んだが完敗した。
フレイザー(Fraser)
東日本制圧作戦の実働部隊の隊長。友好を守る為に年に1回シカゴに100万ドルの支払いを仁義に対して求めるも袖にされる。侵攻部隊を仁義一人に壊滅状態とされ、1対1の対決を挑む。サウス・ブロンクス地区出身。
ラトーヤ(La Toya)
東日本制圧作戦の実働部隊の参謀。
ティト(Tito)
東日本制圧作戦の実働部隊の兵士。仁義に何かを感じ、戦いを挑むも仁義の戦闘力の前に一蹴された。
ノートン(Norton)
東日本制圧作戦の実働部隊の兵士。ティトの敵を討つべく仁義に襲いかかるが仁義の怪力になすすべも無く倒された。

その他

バレンチノ(Valentino)
イタリア・シシリーのドン。
マドモァゼル(Mademoiselle)
フランス・マルセイユのドン。
ドン:サンホセ(San Jose)
スペイン・マドリードのドン。
ドン:シリトー(Sillitoe)
イギリス・リバプールのドン。
ドン:ロンメル(Rommel)
西ドイツ・ブレーメンのドン。
ドン:ルスカ(Ruska)
オランダ・アムステルダムのドン。
ドン:ゴメス(Gomez)
プエルトリコ・サンフアンのドン。
ドン:ダヤン(Diane)
イスラエル・エルサレムのドン。

逸話

  • 車田正美が「この作品を描くために漫画屋になった」とまで言い切る程の意気込みで開始した本作だったが、半年ほどで連載終了となった。その最終ページには大きく「未完」と書かれている。
  • また、最終巻となった単行本3巻で車田は「読者の熱い支持を得られれば、すぐにでも連載を再開したい」とのコメントを書いていたが、未だその機会は訪れていない。
  • この失敗を教訓とし、最初から読者受けするように設定を練った結果世界的な大ヒットとなったのが、次の連載作品である『聖闘士星矢』である。
  • かつて『ファンロード』に記載された、連載終了に抗議する手紙を送った読者に対する編集部の説明では、本宮ひろ志の『男一匹ガキ大将』へのオマージュとするべく、ストーリーを膨らませすぎ、収拾がつかなくなったための終了とされた。つまり編集部が打ち切ったのではなく、車田がこれ以上描けなくなったというのである。しかし後年に車田本人がその主張を否定している。
  • 車田は2000年発行の本作の文庫版のあとがきにおいて、「なぜ打ち切られたのか?何故読者の支持が得られなかったのか?答えはハッキリしている。面白くなかったからだ」と不人気による打ち切りであった事を明かすと共に、「『男坂』に対する作家としてのオレの決着(けじめ)はまだついていない」との一文を寄せている。