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百合天ウィッチーズ/アンソロジー

共有

著者: アンソロジー
巻数: 1巻

アンソロジーの新刊
百合天ウィッチーズの新刊

最新刊『百合天ウィッチーズ


出版社: オークス
シリーズ: OKS男性向けコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

jp10667101 百合天ウィッチーズ (OKS男性向けコミックス): [2010/07/24] http://amzn.to/dh1CUX

ストライクウィッチーズ』(STRIKE WITCHES)は、島田フミカネ及びProjekt Kagonish原作・角川書店企画のメディアミックス作品。コラム、漫画、小説、アニメーション作品で展開されている。ファンからは「ストパン」の通称でも呼ばれている『ストライクウィッチーズ 白銀の翼』STGで初体験! アニメ第1期後の戦い」 ジーパラドットコム、2010年4月13日。「メガミマガジン」2008年12月号発売! 表紙は「パンッ! パンッ! パンッ!」「ストライク3〜 ノックアウト〜〜」」 アキバ総研、2008年10月31日。

概要

島田がコンプエース創刊号から連載していた、大戦中の空軍・陸軍兵器を擬人化したメカ少女のイラストコラム系企画であり、当初からメディアミックス企画として展開される事を念頭に置いて立ち上げられたものである「スオムスいらん子中隊シリーズ」第1巻後書きより

しかし、OVAが出たのは2007年であり、同年には島田がキャラクター原案として携わった『スカイガールズ』が先にテレビアニメ化された。『スカイガールズ』と比較して、「ストライカーユニットと呼ばれる脚に装備する機械で飛行する」という島田の独特なデザインになっている。そのためか、クレジットでも原作と表記されている。また、作品の舞台となる世界では魔法が存在し使用されている。戦闘服は軍服及び普段着の上着であり、島田のデザインの特徴が表れている

OVA版制作は発表されたものの、その後の本作アニメの制作を担うGONZOの親会社であるGDHの経営不振によるアニメ制作の方針転換の影響をまともに受ける形で、販売時期と形態について二転三転、2007年1月1日にフィギュア・イラスト集とのセット販売で「ストライクウィッチーズ 2×2+3Dボックス 〜機械化乙女秘めごとパック〜」がとらのあなで限定発売された。

その後、2007年12月に再度アニメ製作が発表、2008年7月よりテレビアニメが放送開始され、同年10月まで全12話が放送された。漫画版も、月刊コンプエースで2008年3月号より再度、連載開始され、2009年1月号まで連載された。

アニメ版は平成20年度(第12回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選ばれている出典:文化庁メディア芸術プラザ

DVD第6巻とアニメ公式サイトにおいて第2期の制作が発表され、2010年7月から同年9月まで放送された。

ゲームはニンテンドーDS版、プレイステーション2版、Xbox 360版が発売されている。

2010年10月28日ニコニコ大会議2010秋にて劇場版の制作決定が発表された。

ストーリー

地球とよく似ているが魔力が存在する世界の20世紀初頭、突如出現した異形の敵「ネウロイ」の圧倒的な戦力と瘴気の汚染による大陸侵略が進んでいた。人類は唯一の希望として、魔導エンジンによる飛行脚「ストライカーユニット」を唯一駆ることの出来る魔力を持つ少女「魔女(ウィッチ)」による「機械化航空歩兵(ストライクウィッチーズ)」に望みを託した。

小説版「スオムスいらん子中隊シリーズ」

1939年、ネウロイの攻撃により欧州本土が危機に晒されるなか、戦場から遠く離れた扶桑皇国では陸海軍のウィッチを義勇兵として派遣することになった。皇国近海で起こったネウロイによる襲撃事件「扶桑海事変」において活躍し、国民的英雄となった陸軍のウィッチ・穴拭智子は、欧州カールスラントへの派遣を前に意気上る心境でいた。しかし、彼女が送り込まれたのは、欧州最北の辺境・スオムスであった。他にも本来の所属国で活躍出来ず、つまはじき同然の扱いでやってきた実力もやる気も半人前のウィッチたち。そんな彼女たちの寄せ集め集団「いらん子中隊」こと「スオムス義勇独立飛行中隊」は、様々な問題を抱えながらもネウロイの脅威に立ち向っていく。

アニメ版第1期

1944年、既に欧州本土の大半がネウロイの勢力に落ちてしまっていた。世界各国は事態の打開を図るために一大反攻作戦を計画。そのための戦力の一環として連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」OVA版では部隊名は「STRIKES」となっていた。テレビアニメ版の開始に伴い改名され、5本の魔法の箒をモチーフに星型にした部隊マークも新たにデザインされた。を組織し、各国のトップエースや将来有望な若いウィッチを招聘することとなった。そんな中、扶桑皇国の一女学生であった宮藤芳佳は、その類い希なるウィッチとしての素質を見込まれて「STRIKE WITCHES」の教官・坂本美緒にスカウトされる。父親の死のトラウマから戦いを嫌い当初は入隊を拒んだ芳佳だったが、戦火の中で人々を守るために自分の果たすべき役割を悟り、父親の遺産とも言えるストライカーユニットと共に戦列に加わることとなった。

アニメ版第2期

1945年春、第504統合戦闘航空団による人型ネウロイとのコミュニケーション実験が行われているヴェネチア上空に、突如巨大なネウロイの巣が新たに出現し、以前のネウロイの巣は破壊されてしまい、人類は再びネウロイとの戦争を余儀なくされてしまう。第501統合戦闘航空団解散と共に除隊して扶桑皇国に戻っていた芳佳は中学校を卒業し、診療所を継ぐことを決めていたが、そこに亡くなったはずの父親からの2通目の手紙が届く。手紙のことで美緒を訪ねた芳佳は、欧州で緊急事態が発生したことを伝えるリネットからの無線を聞くが、一度は美緒にお前はもはや軍人ではないとして追い返されてしまう。その後、美緒が飛行艇で欧州へ向かうことを知った芳佳はストライカーユニットを装着して美緒を説得し合流、再び欧州へ向かうのだった。

登場人物

用語

機械化航空歩兵(ストライクウィッチーズ)
魔力を原動力とする「魔導エンジン」により空を飛ぶことを可能にした「ストライカーユニット」を唯一動かすことの出来る少女「魔女(ウィッチ)」により編成された対ネウロイ戦闘部隊。魔導エンジンにより魔力を増幅することによって、通常の人が持つことも困難な銃火器も軽々と持ち、魔法陣による防御シールドを張ることが出来、ネウロイが放つ「瘴気」の中でも影響なく活動することが出来る。
軍人であるため、普段から軍服を着ているが、ストライカーを装備する必要上から上衣のみを着用する。腰の部分にはショーツ状のズボンを穿き、脚部は素足(またはスニーカーソックスのような長さがとても短い靴下を履くか)か、スパッツ・ハイソックス・ニーソックス・サイハイソックス・タイツ・ストッキングなどを履いている。扶桑皇国海軍のみは、スクール水着状のボディスーツを着用し、その上にセーラー服か士官服を重ねて着ている。また、扶桑皇国陸軍では巫女装束に小具足を組み合わせたより戦闘的な服装をまとう者も多く、小説版の主人公である智子もこれにあたる。ちなみに、劇中ではこれらのスタイルは人々には自然なこととして認識されているらしく、彼女らは自分の格好に羞恥心を感じることは無い。
なお、飛行脚を装着する時は使役する使い魔の影響で、その使い魔の耳と尻尾が生えるため、尻尾との干渉を避けるため穿いているものはローライズが多く、スクール水着状のボディスーツには尾部に穴が空けられている。
魔女なら必ずしも航空歩兵になれるというわけではないアニメ版の芳佳は、ブリタニア海域での突発的戦闘での成果からその飛行能力が認められ、美緒の推薦の元、第501戦闘航空団の補充要員として正式採用された。
魔女(ウィッチ)
物語の世界には魔力が存在し、その魔力を発揮でき、唯一ストライカーユニットを使うことが出来る少女達の総称。普段は魔力のフィールドを張ったり、ちょっとした質量の物を動かしたり、ごく稀にほうきで空を飛ぶ程度だが、ストライカーユニットを装着した時は魔力の増幅で様々な能力を発揮できる。魔力を使える人間は圧倒的に女性が多く、しかも魔力の影響か容姿に優れた女性が多い。10代をピークに年齢と共に魔力を失うことが多く、中でも魔法シールドを失うことでネウロイと戦う戦士としての寿命が終わってしまう(ただしごく稀に、アニメ版の宮藤一族の女性のように一生魔力を持つ女性もいる)。この理由から兵役期間がとても短く(これも宮藤一族のように魔力が失われない例外もある)、人々から「儚い花」さながらの憧れの象徴とされている。彼女らのピンナップなどのファングッズは飛ぶように売れ、男達は機材整備担当の部門にこぞって志願するほどである。しかしやはりウィッチを「女性」として見てしまう男性兵士は後を絶たず、特にロマーニャ公国の兵士は元来の協調性の無さから色々と問題を起こした。この解決策として、現場で触れる男性兵士にとってウィッチが必ず「上官」となるよう、ウィッチの入隊時の階級が軍曹となっているのである。
使い魔
ウィッチが魔力を使う時、そのコントロールをサポートする存在。外見は犬やネコなどの普通の動物の姿をしているが、一部の高位の使い魔は人間並みの知性を持ち、しゃべることもできる小説版では智子の使い魔「コン平」がしゃべる描写が序盤にあり、コミック版「天空の乙女たち」でも、一部の使い魔がしゃべる場面がある。。使い魔が使役されている間、ウィッチにはその使い魔と同じ耳と尻尾が現れる。また、ウサギの場合耳がよく聞こえる、ネコの場合夜目が利くなど、使い魔となった動物の特性を得ることもできる。ウィッチ一人につき一匹が必ず契約し、その契約は使い魔自身がウィッチのお尻にタッチすることにより結ばれる。
ストライカーユニット
人類が発明した、魔力を動力にする「魔導エンジン」により駆動される機械装置のことを指す。これを装着することによって、一部の訓練をつんだウィッチにしか出来なかった飛行能力や身体能力強化、防御魔法などを特別な訓練無しに使えるように出来る。基本的な出力は搭載された魔導エンジンによって決まるが、使用者のコンディション次第で許容範囲以上の出力を出すことも出来る。用途によって形態は航空タイプ・陸戦タイプなどがあり、それぞれ現実世界での航空機と戦車・装甲車に相当する。
飛行脚(航空用ストライカーユニット)
魔力で発現した飛行魔法を使い、飛行することの出来る脚に装着するタイプの推進機。他にも魔力を増幅することにより重い銃火器を持つことができ、防御シールドを張ることにより使用者を護る等補助的な役目も果たす。
その装着時の姿は、脚の大腿部までがストライカーユニットの内部に収納されているかのように見えるが、実際はユニット内部は魔導エンジンなどの機器が入っており、脚を収納するスペースはない。装着部にある魔力フィールドによって脚は別次元へ移動し、大腿部でユニットと固定されることになる。プロペラのように見えるものは、高速かつ連続に発生する飛行魔法が大気中のエーテルと反応して可視化したものであり、実体はない。そのため通常のレシプロ戦闘機では不可能な空戦機動が可能で、劇中では偶然の産物ながら超音速飛行も達成している。膝の所で脚を曲げることは出来なくなるため、基本的に地上の移動は考慮されていない。離陸の時は、魔導エンジンの始動によって魔法陣の姿をした魔力フィールドを発生させ、その上を滑走して飛び上がることになる。OVA版では先端に収納式の滑走用車輪が付いている。
なお、機体名は第二次世界大戦時に使われた航空機から引用しており、アニメ版では大戦中・後期の機体(例:零式艦上戦闘機、メッサーシュミットBf109など)が、小説版では大戦初期の機体(例:キ27、ハリケーンなど)が登場している。デザイン面では、イラストコラム版連載時など初期には膝の部分に関節があり通常の脚同様に曲がるという設定が存在した。また増加艇体と呼ばれる別ユニットを腕に装備する、あるいはウィッチがそれにまたがるという現在のそれとは異なるギミックを持ったものもあった。しかしアニメ版開始までにはそれらの設定はオミットされて現在の姿となっている。またイラストコラム版では現実のジェットエンジン・ロケットエンジンに相当する噴流式魔導エンジンを備えた高速機も登場している。
なお、アニメ版では航空用ストライカーユニットを開発したのは芳佳の父である一郎であり、以前からの艇体にまたがったり別のエンジンユニットを必要とした形から、彼の「宮藤理論」と呼ばれる魔導理論を元に脚に「履く」スタイルに昇華されたのである。その時テストを担当するウィッチとして深く開発に関わっていたのが、当時の若き坂本美緒である。また、ストライカーユニットは分割する事で小スペースで収納する事も可能で、美緒が負傷し扶桑へ帰還する際、車椅子に収納していた。
歩行脚(陸戦用ストライカーユニット)
飛行脚と同じく脚に装着するが、飛行能力はなくキャタピラ状の装置で時速30km程度で陸上を移動する。魔力の大半を飛行するために使う航空歩兵よりも大威力・大重量の火器を携行可能で、シールドの防御力も遥かに強い。また、作戦行動の持続時間も長く、対ネウロイの地上戦の切り札として各地の戦線に投入されている。だが、空からの攻撃には無力に等しいので、航空歩兵による制空権の確保が絶対条件となっている。飛行能力を必要としないので、ネウロイとの戦闘に参加するウィッチの中ではむしろこのユニットを装備して地上で戦う者の方が多い。
なお、機体名は飛行脚と同様に、第二次世界大戦時に使われた戦車から引用している(例:マチルダII)。
ネウロイ(異形の軍)
1939年、突如世界各地に出没した正体・目的共に不明の謎の軍隊。外形は金属で出来た航空機や陸上兵器のような姿をしている小説版では第二次世界大戦時の兵器に似た姿をとり、金属の地肌を見せた銀色の物体となっており、アニメ版ではハニカムブロックで形成された黒い金属の構造体になっている。。大きな建造物も一瞬で破壊しうる圧倒的な攻撃力を持つ上、「瘴気」を撒き散らしながら進行するため、通常の人間では遠距離からの攻撃以外なす術がない。大地を腐らせ金属を根こそぎ吸い尽くし、さらには金属や廃材などで兵器を生産、増殖を繰り返す。侵略された土地は瘴気によって人が住めなくなるため、数々の国が滅ぼされた。幸いにも大河・海洋などの水を渡るのを嫌い、山脈を越えるのに手こずっているため、人類はそれらを防衛線としている。名称のNeuroiは北欧でその存在が確認された事に因む。
種類は小型の戦闘兵器から超大型兵器まで様々な物が存在する。周囲の金属を同化して自己再生する能力を持つため、通常兵器で撃破することは困難である。弱点は、魔力による攻撃に弱いことであり、ウィッチが使う魔力を付加した弾丸・刀剣などで再生能力を大きく減ずることが可能である。これを利用すれば機関銃などの歩兵の携行できるサイズの兵器で、十分なダメージを与えることが出来る。また逆にネウロイ側の対空攻撃も防御魔法でほぼ防ぐことが出来る。コアと呼ばれる中核部分を破壊されることで無力化、崩壊する。
小説版では学習能力もあるらしく、年々改良・大型化され、「ウィッチと同じ力を持ちたい」と、ウィッチを真似て創った「ウィッチもどき」までもが登場した。アニメ版にも登場し、小説版では実弾で攻撃しているが、アニメ版ではビームなどの光学兵器で攻撃している。
ネウロイの目的では小説版では「侵略」という純粋な目的で侵攻しているかのように見える描写がされている。一方、アニメ版では1939年に巣が現れた時はただ静観するだけで、巣の中に戦闘機が入り込んだ後に兵器が現れ侵攻を開始し、受動的に反撃したとも取れる動きを見せている。ウィッチもどきが芳佳と接触した際にも自分のコアに触れさせようとするなどむしろ友好的な態度を示し、巣の中にも危害を加える事なく招き入れていたりする一方、明らかな敵意を持って攻撃した美緒・ウォーロックに対しては容赦なく反撃している。これらの事実から、ネウロイが必ずしも「侵略」という目的だけで行動しているわけではない可能性も出てきている。
魔導エンジン
魔女の持つ魔力を増幅させ、推進力などのエネルギーに変換するエンジン。OVA版では球体型をしているが、アニメ版ではモデルとなった現実の航空用エンジンに近いイメージの機械として描かれている。16世紀、ブリタニアのウィッチ、ジェイミー・ワットが魔法力を蒸気機関で増幅させる「魔導機関」を発明したことが始まりとされている。1903年12月には、リベリオンの魔女姉妹、ライト姉妹が魔力を機械で増幅して飛行する「動力式飛行機械」で、世界で初めての単独飛行に成功した。アニメ版の時代では、ストライカーユニットの推進機関に使われている他、交通機関や産業の動力にも使われているなど様々な分野で活用されている。なお、魔法力に頼らない現実世界のそれと同様の蒸気機関や内燃機関も並列して存在し、ウィッチ以外でも動かせる航空機・自動車・船舶・鉄道車両などが普及している。
連合軍統合戦闘航空団
世界各国の激戦区にて、それぞれの国から優秀なウィッチを募り編成した戦闘航空団。ブリタニア連邦の第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」の他、ロマーニャ公国の504、東部戦線の502、503、ウラル方面の505やスオムスの507などがある。
元々は1939年にスオムスで編成された「いらん子中隊」ことスオムス義勇独立飛行中隊がはじまりであり、違う国の違う人種が協力しあって戦果を挙げたのが世界各国の軍に高く評価された。しかし初めの内はそれぞれの国は自国のエースを他国に輩出させる事に躊躇い、実現は困難とされたが、当時のブリタニア空軍大将ヒューゴ・ダウディングは義勇独立飛行中隊の戦果を最も高く評価し、カールスラント・ガリア・オストマルク3カ国のブリタニアへの国民大撤退作戦「ダイナモ作戦」にて優秀なウィッチもブリタニアに集結したのを機に首相のチャーチルに積極的に進言・尽力し、初めての連合軍統合戦闘航空団である第501戦闘航空団「STRIKE WITCHES」が結成された。
やがて第501戦闘航空団の成果は他国でも認められ、次々と連合軍統合戦闘航空団が正式採用された。スオムス義勇独立飛行中隊も正式採用された後に第507連合統合戦闘航空団に昇格した。

国・地域

この物語における国家の版図は、現実での1930年代から1940年代に近い設定になっている。地理的にも現実世界と似たものになっているが、アメリカ大陸にあたるリベリオン大陸は星型の大陸となっている。また、中国と中近東のうちイラン・イラクにあたる部分はそっくり存在せず、巨大な湾となっている。しかしテレビアニメ版では、現実世界と同様にこれらの地域が存在している。

帝政カールスラント
欧州中央部に位置する大国で、実在のナチス・ドイツとドイツ帝国に類似した領域を持つ。
早くからネウロイとの戦闘を続けており、その陸軍力は欧州随一を誇る。今次大戦においても人類連合軍側の中心的な戦力となっている。しかし、アニメ版開始の時点では国土のほとんどがネウロイの勢力下に落ちてしまい、多数の国民、皇帝一家、技術者や産業が南リベリオン大陸の南端にあるノイエ・カールスラントに疎開することになった。常に準戦闘状態にある軍事国家であり、軍人の地位は高い。同時に凝り性の民族性を持ち、現皇帝フリードリヒ四世の新しい物好きな気性もあって、高い技術によって数多くの高性能な兵器を生産している。
ブリタニア連邦
欧州の西にある島国で、実在のイギリス、大英帝国に類似した領域を持つ。
早期から海洋貿易に特化し、大西洋からインドまでの貿易をほぼ独占している。扶桑皇国とは貿易権益をめぐって衝突したこともあったが、現在は親密な同盟国家である。世界一の海軍力を有しているが、その戦力は戦艦中心であり、航空歩兵用の航空母艦は少ない。欧州本土からはドーバー海峡を隔てているため、欧州での人類側のネウロイに対する反攻拠点となっている。
ファラウェイランド
リベリオン大陸北部のブリタニア連邦の加盟国で、実在のカナダ(カナダ連邦)に類似した領域を持つ。
ブリタニアの連邦に属し、この地の出身のウィッチが多数欧州本土の戦地に赴いている。その一方、本国で航空歩兵の訓練施設に入れなかった者が、この国でウィッチとしての訓練を受けたのち、ブリタニア軍に入隊する例も多い。
扶桑皇国
ユーラシア大陸の東端に位置する島国で、実在の日本、大日本帝国に類似した領域を持つ。
現実の日本とは異なり、16世紀に天下統一が実現した安土時代以降鎖国することなく海外進出を積極的に行い、早期に海洋貿易国家に成長した。太平洋からインドまでの貿易をほぼ独占し、海洋国家としてブリタニアと並び称されるまでになっている。また安土時代には太平洋上にパシフィス島(扶桑名:南洋島)と言う新島が発見された。扶桑本土よりも大きく、しかもほぼ無人の地域であったこの島には有力大名が入植し、現在では扶桑の重要な資源供給地になっている。貿易の必要上、素材を高度に加工する技術が発達し、小型で高付加価値・信頼性の高い工業製品を多数開発・生産している。海上防衛に重点をおいた海軍力を有し、多数の航空歩兵用の航空母艦を持つ。
過去にネウロイが領海域に中規模で侵攻してきた事があったが、その時偶然にもストライカーユニットの試作型を扶桑で製造しており一郎率いる研究・技術部がブリタニアの研究所で製作した設計図を元に、当時最も工業技術が発達して、そして航空実験に適した海域の多い扶桑で製造されていた。、それを装着したウィッチ達により殲滅された。その時の出来事は後に「扶桑海事変」と呼ばれるようになり、人類が初めてネウロイに勝利した記念すべき日でもあり、この出来事は後に「扶桑海の閃光」というタイトルで映画化され、その結果ウィッチの入隊者数が大幅に増えた。
リベリオン合衆国
北リベリオン大陸中央に位置する国家で、実在のアメリカ合衆国に類似した領域を持つ。
諸民族の融合国家であり、世界の縮図とも言える社会を築いている。工業化が進んでおり、巨大な生産力を誇る。広大な国土を生かしての自給自足が可能であり、本土が戦場から遠いこともあって、欧州戦線への軍事物資の供給源となっている。
ロマーニャ公国
欧州南部にある半島の西部、南部に位置する国家で、実在のイタリア王国とイタリア社会共和国に類似した領域を持つ。
黒海、地中海方面の戦線に参加している。古来より神殿などウィッチ養成学校が多々存在しており、優秀なウィッチを輩出しているが、基本的に個人主義の国家であり集団戦には向いていない。ことに女性関係には熱心な男が多い国民性ゆえか、一般兵がウィッチを口説こうとするなど世界各地で問題が発生、そのため世界各国の軍隊は協調性を持たせるべくウィッチの階級を軍曹から始めるようになったと言われる。現在アルプス山脈を防衛線としており、隣国・ガリアのネウロイと激戦を繰り広げている。
1945年7月、連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」の活躍によりネウロイの完全消滅が確認され、人類の手に戻った。これをもって、正式に第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」は解散した。
オラーシャ帝国
欧州最東端の国家。実在のソビエト連邦とロシア帝国に類似した領域を持つ。
ネウロイの侵攻によって、ウラル川地域より東と、中東方面に分断してしまった。扶桑皇国の支援を受けながら、東部戦線での主戦力となっている。
オストマルク
欧州南東部に位置する多民族国家で、実在のオーストリア=ハンガリー帝国(現在のポーランド、チェコ、スロバキア、オーストリア、ハンガリーの占める地域)に類似した領域を持つ。
長らくネウロイとの緩衝地帯であったが、その防衛力は低く、カルパティア山脈の地形を頼りに防衛線を築いていた。諸国からの援軍による国境監視部隊が駐留し、ネウロイに睨みを利かせていたが、今回の戦役で真っ先に侵攻を受けて国土が蹂躙されてしまった。
ガリア
欧州中央西端にある国家で、実在のフランス共和国と自由フランスに類似した領域を持つ。
温和な農業国であり、軍事的戦力と戦意は低い。今次大戦の開戦当初はむしろ農業力を活かして、欧州戦線への後方からの食料援助を中心とした役割を負っていた。しかし、南方の一部分を除いてほぼ全ての国土がネウロイに制圧されてしまった。この時にカールスラントのような組織的撤退が行えなかったため、亡命政府が錯綜して存在することになり、一部はヒスパニア、一部はブリタニア、さらにコルシカ島や南リベリオンにまで拡がっている。
1944年9月、連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」は解散しWITCHESの活躍によりネウロイの完全消滅が確認され、人類の手に戻った。
スオムス
北欧の小国で、実在のフィンランド共和国に類似した領域を持つ。
北方での欧州戦役の最前線である。人口が少なく、武装面でも極めて貧弱な軍隊しか持たないが、優秀な航空歩兵を多数輩出し、各国からの義勇軍や軍事物資の援助によりネウロイの攻勢をよく防いでいる。
ヴェネチア公国
欧州南部の半島の北東部とアドリア海周辺に位置する。実在のヴェネツィア共和国、ユーゴスラビアに類似した領域を持つ。
地中海交易の拠点であり、海洋貿易を中心に成り立つ国家だが、ブリタニアと扶桑の勢力拡大に伴なって国力は低下しつつある。それでも優秀な海軍力を保持し、黒海・地中海方面での欧州最大の戦力となっている。
ヒスパニア
欧州西端のイベリア半島に位置する国家で、実在のスペイン国に類似した領域を持つ。
ガリアがネウロイに侵攻された後も、国境に位置するピレネー山脈のおかげで比較的平穏を保っており、ガリアの亡命政府の一つも存在する。
ヘルウェティア
欧州中央の山岳国家で、実在のスイス連邦に類似した領域を持つ。
アルプス山脈がネウロイに対する天然の要害の役目を果たし、ヴェネチア・ロマーニャ軍による欧州南方の防衛線が引かれている。
アフリカ
地中海を挟んでヨーロッパの南に位置する広大な大陸で、実在のアフリカに類似した領域を持つ。
キュレナイカの都市トブルクが堅固な要塞と最大の港を持っている他、空港までも備えているためブリタニア・カールスラント・ロマーニャ軍により結成された「人類連合軍アフリカ軍団」の拠点となっている。主にハルファヤ峠付近で激しい攻防戦が繰り広げられている。
尚、普段ウィッチはストライカーユニットを始動する際の魔力の消費が激しいため、主に発進促進システムによる魔法陣などの補助機関で離陸をするが、砂漠の多いアフリカでは発進促進システムが使用できる場所が少ないため、発進の際は魔導エンジンにエアを送り込んでエンジンの回転数を補助して離陸をするという独特の発進方法がある。

人類連合軍兵器・軍用機材

航空用ストライカーユニット

使用軍隊:扶桑皇国海軍
主な使用するウィッチ:宮藤芳佳、坂本美緒、迫水ハルカ、竹井醇子
扶桑皇国の主力ストライカーユニット。長い活動時間と高い運動性が特徴であり、魔力が少ないウィッチでも扱える上に、身体への負担も少ない。技量に優れたベテランのウィッチが操れば、その運動性能を生かして大きな戦果を挙げることができる。反面、防御力が低く、被弾すれば致命傷になりやすいので、空戦技術でカバーできない新人ウィッチでは生存性が著しく落ちることになる。特に、長い活動時間を必要とせず、むしろより高い攻撃力と防御力を要求される欧州の空戦ではその弱点が顕著に表れることとなり、後継機の開発が急がれている。
今次大戦の開戦当初、試作型の十二試艦上戦闘脚がスオムス戦線を初めとした欧州派遣部隊に投入された。その運用結果は良好で、魔導エンジンを瑞星から栄12型に換装してパワーアップを図った上で一一型としての制式採用にいたる。その後、空母艦内の狭い通路でウィッチがストライカーユニットを装備して移動する際に邪魔になるため航空母艦での本格運用を考慮して翼端を折りたためるようにした二一型が本格的に量産され、同国海軍の主力となった。後に、さらに魔導エンジンをパワーアップすべく栄21型に換装し、活動時間を犠牲にして攻撃力と防御力、機動力を向上させた三二型、そしてそれを航空母艦用とした二二型が開発された。また、欧州戦線向けに航続距離を切りつめる代償に、機体構造と防御力を強化した五二型(中尉へ昇進した迫水ハルカが使用。他にも栄31型へ換装した五三型や、金星62型へ換装した五四型。欧州で栄エンジンの不足からリベリオン製R1830へ換装した、現地改修機材も存在している。『第五○一統合戦闘航空団全記録 第一集』での機体カラーイラストでは、更なる発展型の五二型が描かれている。2期BD/DVD初回生産分付属ブックレットに、より詳細な設定が追加
モデルは大日本帝国海軍の零式艦上戦闘機『オフィシャルファンブック』174、178項より。
使用軍隊:扶桑皇国海軍
主な使用するウィッチ:坂本美緒、菅野直枝、竹井醇子、小村定恵
扶桑皇国海軍の零式に代わる、新世代のストライカーユニット。山西航空機の開発した、水上用ストライカーユニット「強風」を原型とした上で、改良を重ねて完成した。魔導エンジンには長島飛行機製「誉」が搭載されており、零式に比べれば旋回性能は劣るが、速度、上昇力、降下性能共に大きく向上している。現行の主力モデルは二一型のようで、扶桑皇国海軍航空隊の他に、各地の統合戦闘航空団に所属する扶桑皇国海軍のウィッチが使用している。坂本美緒が使用した五三型は誉エンジンの生産量不足を補うべく、宮菱製マ四三型魔導エンジンを搭載した、最新のモデルである。最高速度は坂本少佐の試験で、高度三〇〇〇メートルで毎時三五〇ノット以上と、零式を大きく突き放している。現在、更に高々度性能を上昇させた、性能改善型の開発も進捗している。
モデルは大日本帝国海軍の局地戦闘機、紫電改。
使用軍隊:扶桑皇国海軍
主な使用するウィッチ:宮藤芳佳
扶桑皇国の紫電改五型と並ぶ最新鋭ストライカーユニット。一時は開発がとん挫していたが、宮藤博士の技術理論が記された手紙(レポート?)により完成へ至る。ヴェネチア方面へ向かう扶桑皇国連合艦隊、旗艦大和に格納されていた。
芳佳の膨大すぎる魔力を十分に受け止める性能を持つ。初出撃においては、大和を含む連合艦隊を翻弄しリネットを苦しめた大型ネウロイを、一撃で粉砕した。
モデルは大日本帝国海軍の試作局地戦闘機、震電。劇中に於いても美緒の言葉により「J7W1」(J=局地戦闘機、W=渡邊鉄工所・九州飛行機)と、震電の機体コードが明言されている。
使用軍隊:ブリタニア空軍
主な使用するウィッチ:リネット・ビショップ、エリザベス・F・ビューリング、ウィルマ・ビショップ
ブリタニア連邦の代表的ストライカーユニット。基本設計が極めて優秀で、様々な改良を加えつつ、今次大戦の開戦から終戦まで第一線で活躍した。稼働時間が短いが、防空戦闘が主だったブリタニア空軍にとっては大きな問題にならなかった。しかし、反攻作戦が本格化し、長い航続距離が必要とされるようになった時には同機の改造では対応しきれず、結局侵攻作戦用に別のユニットを用意する必要があった。
広くバリエーションが存在するが、イラストコラム版では、1941年当時の量産型であるMk.II、小説版ではマーリン45魔導エンジンを搭載するMk.V、アニメ版では同60エンジンに換装して性能向上を図ったMk.IXが登場している。中でも、Mk.IXはその新兵でも扱える癖の少なさと、基本性能の高さからMk.Vと並んで大量生産され、大戦中の主力ユニットとして活躍している。第2期では魔導エンジンをマーリンから、2000馬力級のグリフォンへ換装したMk.22が使用されている。
モデルはイギリス空軍のスーパーマリン スピットファイア『オフィシャルファンブック』166項より。
使用軍隊:ガリア空軍、自由ガリア空軍
主な使用するウィッチ:ペリーヌ・クロステルマン
ガリア国営航空工廠が開発したストライカーユニット。宮藤一郎博士の研究成果を元に、既に開発途中だったユニットを改良したVG.33が開発されたが、ネウロイのガリア侵攻時には試作機が作られた段階でしかなく、実戦には間に合わなかった。ガリア壊滅後にヒスパニアへ疎開した同工廠は、引き続き開発を行い、VG.33の非力なクワドラ12Y-31魔導エンジンを、より強力なクワドラ12Y-89魔導エンジンに換装したVG.39を完成させた。この機体は従来より出力が1.4倍も向上し、速度や機動性も大幅に改善した。この機体のテストは、主にペリーヌによって行われ、良好な成績を収めた。
しかし、同工廠は生産能力が低く、ガリアのウィッチ達の大半にはこの機体は行き渡らなかったため、VGシリーズを使用したウィッチよりもブリタニアやリベリオンから供与されたユニットで戦った者の方が多い。そう言う意味では不遇な存在のユニットと言えるが、稼働時間は短いものの基本性能は悪くなく、使用するウィッチの技量によっては十分に戦える機体である。第2期においては、さらなるエンジン出力増大などの、性能改善が図られたVG.39bis2型に更新されている。
モデルはフランス空軍のVG.39『オフィシャルファンブック』162項より。
使用軍隊:ロマーニャ空軍
主な使用するウィッチ:フランチェスカ・ルッキーニ
ロマーニャ製の機体に、カールスラント製のエンジンを組み合わせた、いわば混血のストライカーユニットである。
そもそも、ロマーニャ公国は優秀な魔導エンジンの開発が思うに任せなかった。一方でアルプス防衛に多くのカールスラント軍が派遣されていた経緯もあって、そのストライカーユニットの整備・修繕を行う場合も多かった。その中で、既存のロマーニャ製機体にカールスラント製DB 601魔導エンジンを搭載する試みが行われ、成功を収めた。これがMC.202フォルゴーレ(稲妻)である。
その後、さらに強力なDB 605エンジンが開発された際に、それを搭載したユニットの開発がロマーニャでも行われた。MC.202はMC.205に発展し、ファロット社は頑丈で空力的にも優れた機体、G55を作り上げた。G55はチェンタウロ(ケンタウルス)の名称がつけられ、制式採用とされた。高高度性能、実用上昇限度ともに優秀で、公国軍の期待は高かったが、生産は遅々として進まなかった。加えてカールスラントから輸入したDB 605エンジンは数が不足し、同エンジンをライセンス生産したファロットRA1050RC58ティフォーネ(台風)も完成が遅れた。そのために完成した機体は一部のエースの専用機として使用された。第2期でのフランチェスカの使用機体はG55S(スペシャル)と呼ばれ、対大型ネウロイ用に何らかの攻撃力強化が行われた、一種の専用機である。
モデルは旧イタリア空軍のフィアットG55チェンタウロ『オフィシャルファンブック』148項より。
使用軍隊:リベリオン陸軍、扶桑皇国陸軍
主な使用するウィッチ:シャーロット・E・イェーガー、黒江綾香
欧州戦線で不足するストライカーユニットの生産を補うため、ブリタニアはリベリオンのノースリベリオン社にユニット生産を打診した。その時にブリタニア側は他のリベリオンのメーカーの機体をライセンス生産することを持ちかけたが、同社は敢えて自社開発の道を選び、計画立案からわずか9ヶ月で試作機を完成させた。
当初は、搭載されていた魔導エンジンの問題で高高度性能が不足していたが、スピットファイアなどと同様のマーリン系エンジンに積み替えるとこの問題は解決、高速と長い航続距離、高高度性能を兼ね備えた優秀な機体に変身したのである。そして、マーリンエンジンをリベリオンでライセンス生産することになり、P・マーリンV-1650型として量産された。こうしてP-51B型・C型が完成し、後には機体形状を変えてさらに性能がアップした決定版、D型が作られた。D型は、魔力配分の効率化とマッピング変更を容易にする改良が施され、戦場での使用目的に合わせたセットアップがその場で可能である。
扶桑皇国陸軍においても、C型をデータ収集の目的に入手して使用していた。
モデルはアメリカ陸軍のP-51『オフィシャルファンブック』144項より。
使用軍隊:カールスラント空軍、スオムス空軍
主な使用するウィッチ:ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ、エーリカ・ハルトマン、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、エルマ・レイヴォネン、ミカ・アホネン、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン
メッサーシャルフ社が製作したストライカーユニット。世界的に最も有名なユニットの一つであり、大戦を通じてカールスラント空軍の主力機として活躍した。
同機は、小型で空力特性に優れる機体に大出力を誇る魔導エンジンDB系を搭載することによって、これまでのストライカーユニットを大きく凌駕する速度をマークすることが可能となった。反面、航続距離は短く、ウィッチにとっては癖があり扱いにくい機体となっている。これは、開発にあたったメッサーシャルフ社の設計主任がウィッチではなく、しかも運用性よりも絶対性能を重視する設計思想を持っていたためだと言われている。
実戦投入後は、現場から問題点が数多く指摘され、特に後に戦闘機隊総監となるウィッチ、アドルフィーネ・ガランドからは大きな改善の要求が寄せられた。これらによって同機は次々と改良が進められ、多くのバリエーションを生みながら性能・生産数共に世界トップクラスを誇るユニットであり続けることになる。E型からF型になった時は機体構造が大きく改修され、運用性も少しは改善された。このF型のバランスの良さを好むウィッチは多い。そして、魔導エンジンをDB 601からDB 605に換装したG型が製作され、大戦後期の主力ユニットとなった。
同機はカールスラントの他にも周辺諸国で数多く使用された。特にスオムスでは多くのエースが愛用し、戦果を挙げることになった。また、生産工場が南リベリオン大陸のノイエ・カールスラントに疎開しており、ネウロイの攻撃に晒される事なく安定した生産が可能だった事も、同機の評価を高める一因となった。第2期で第501統合戦闘航空団で使用されているのは、最新鋭のK4型である。
モデルは旧ドイツ空軍のメッサーシュミットBf109『オフィシャルファンブック』136、158、170項より。
使用軍隊:オラーシャ陸軍
主な使用するウィッチ:サーニャ・V・リトヴャク
オラーシャ帝国のMig(ミール・ガスゥダールストヴァ)設計局が開発した最初のストライカーユニットである。
同設計局は、伝統的に奇数番号を戦闘機に、偶数番号を爆撃機に使用しており、ストライカーユニットには新たに50番台を加えて番号が付けられることになっていた。しかし、オラーシャにおけるユニット開発は難航し、他の設計局と共同開発が行われた。そこで製作されたいわば共通フォーマットのユニットをベースに、各設計局が独自にアレンジを加えていったのである。Mig設計局はこうして誕生したユニットに50番台ではなく60番を与えた。これは、一説には同局が完全自主制作したユニットに51番を与える予定だったためと言われている。だが、工場の疎開で品質が安定しなかったことや、設計を急いだことによりMig60には数多くの不具合が発生、実用化までにはそれらを克服する必要があった。
同機は、他の設計局のユニットに比べて高速性が勝っていたが、航続距離や機体強度に問題を抱えていた。これらを改良して、魔導エンジンをAM-35Aに積み替えた結果、高高度性能に優れた機体となった。
オラーシャの戦線は東と西に分断したため、欧州方面に残されたウィッチは本国からの補給を受けることが困難になり、カールスラントやブリタニアで入手可能な部品でユニットに現地改修を行う例が多かった。劇中のサーニャの機体もこれに当たる。
実在機のモデルはなく『オフィシャルファンブック』140項より。、メカ娘にて初出の完全な架空機である(しかし、Yak-1を参考にしていると思われる)。
使用軍隊:カールスラント空軍
主な使用するウィッチ:ゲルトルート・バルクホルン、ウルスラ・ハルトマン
フラックウルフ社が開発したストライカーユニットであり、Bf109のバックアップ用のユニットとして開発された。
高い性能を持ちながらも癖のあるBf109に対し、同機は設計主任が元ウィッチだったこともあって、ウィッチ側から見た「自分が使うならばどのようなユニットがよいか」という視点が設計に徹底的に反映された。無骨で頑丈な構造や操作性の良さ、ウィッチ個人に合わせてのセッティングも容易になるなどBf109に比べて運用性は大きく向上し、整備性や生産性も高くなった同機は、軍にとってもウィッチにとっても理想的なユニットになった。だが、フラックウルフ社は会社規模が小さく、ノイエ・カールスラントへの疎開の際にも現地工場の立ち上げに手間取り、量産体制に遅れが出た。このことから、Bf109を押しのけてカールスラント軍の主力ユニットになるまでには至らなかった。
当初はBMW小説版第3巻89ページより。なお、ここではメーカー名も「フォッケウルフ」とモデルになった機体の名をそのまま使っている。製の空冷魔導エンジンを搭載していたが、高高度性能向上のために液冷エンジンを搭載した発展型が作られた。これがD型である。この型はいくつかのプロトタイプが製作されており、A-6型にユングフラウマーギッシュバウ(Juma)213A-1魔導エンジンを搭載した機体がD-6型と仮称され、第501統合戦闘航空団のゲルトルート・バルクホルン大尉によって実戦テストが行われた。大尉によるテストの結果は良好だったが、機体安定性の強化などの問題が新たに浮上した。これらを解決するために機体の延長や細かい改修を行った機体が、D-9型として量産化された。D-9型は汎用戦闘機として活躍し、さらに高高度性能を高めた改修型も開発されている。
モデルは旧ドイツ空軍のフォッケウルフ Fw190『オフィシャルファンブック』154項より。
使用軍隊:扶桑皇国海軍
主な使用するウィッチ:坂本美緒
宮藤博士が、自らの「宮藤理論」を確立する以前に製作したストライカーユニット。魔導エンジンは別艇体に搭載されており、それをウィッチが片手で保持して飛行する必要があった。美緒らの手によって扶桑海事変にこの機体が参戦したことにより、様々な問題点が判明した。それらを克服するための研究が、後のストライカーユニットのスタイルを確立することになってゆく。
97式戦闘脚
使用軍隊:扶桑皇国陸軍
主な使用するウィッチ:穴拭智子
中島飛行脚が開発したストライカーユニット。優れた格闘戦能力を持ち、その軽快さを活かして接近戦を行えば敵を翻弄することができる。だが、搭載されたマ1型乙魔導エンジンは出力が低く、速度面ではすでに時代遅れになりつつある。
モデルは大日本帝国陸軍の九七式戦闘機。
一式戦闘脚「隼」
使用軍隊:扶桑皇国陸軍
主な使用するウィッチ:加藤武子、黒江綾香
キ27の後継機として開発されたストライカーユニット。マ25魔導エンジンを搭載し、高速性能が向上している。しかし、陸軍上層部の要求によりキ27に負けない格闘戦能力を盛り込んでもいる。劇中では、小説版の序盤で登場するのみで、モデル機の有名さに比べて目立たない存在である。
モデルは大日本帝国陸軍の一式戦闘機「隼」。
二式戦闘脚「鍾馗」
使用軍隊:扶桑皇国陸軍
主な使用するウィッチ:穴拭智子、中島錦
中島飛行脚が開発したストライカーユニット。マ1型乙に対して1.5倍の出力を持つマ41魔導エンジンを搭載。エンジン直径が太いため、ややずんぐりしたシルエットの大振りなユニットになっている。その高速を活かした一撃離脱による戦法を得意とするが、反面、鋭敏すぎる操縦性や高い着陸速度により、技量の優れたウィッチでなければ扱いにくい機体でもある。
モデルは大日本帝国陸軍の二式単座戦闘機「鍾馗」。
三式戦闘脚「飛燕」
使用軍隊:扶桑皇国陸軍
主な使用するウィッチ:諏訪天姫、加東圭子
扶桑皇国では珍しく液冷魔導エンジン「マ40」モデル機の開発経緯と劇中の記述から、DB601魔導エンジンを扶桑皇国でライセンス生産したものと思われるが、詳細は不明。を搭載したストライカーユニット。Bf109とよく似たスマートな機体が特徴。P-51と同様に胴体下部に放熱器(ラジエーターとオイルクーラー)の空気取り入れ口(インテーク)が見られる。
モデルは大日本帝国陸軍の三式戦闘機「飛燕」。
使用軍隊:ロマーニャ空軍、スオムス空軍
主な使用するウィッチ:エルマ・レイヴォネン、ジュゼッピーナ・チュインニ
ロマーニャのファロット社が開発したストライカーユニット。今次大戦の開戦時において既に旧式化しており、二線級のユニットとして扱われていた。スオムスに余剰になった機体が供与され、それでも貴重な戦力となった。
モデルは旧イタリア空軍のG50。
使用軍隊:カールスラント空軍
主な使用するウィッチ:ウルスラ・ハルトマン
カールスラントのハインツェル社が開発し、Bf109と主力機の座を争ったユニット。結局Bf109に破れ、制式採用されなかった。少数生産されたうちの1機が、ウルスラと共にスオムスへ送り込まれたと思われる。
モデルは旧ドイツ空軍のHe 112。
使用軍隊:ブリタニア空軍
主な使用するウィッチ:エリザベス・F・ビューリング
ブリタニアのストライカーユニット。スピットファイアが採用される前の主力機であった。速度性能・旋回能力共にスピットファイアに劣っていたが、射撃時の安定性はこの機体のほうが優れていた。
モデルはイギリス空軍のホーカー ハリケーン。
使用軍隊:リベリオン海軍、スオムス空軍
主な使用するウィッチ:キャサリン・オヘア、エイラ・イルマタル・ユーティライネン
リベリオンのビヤスター社が製造したストライカーユニット。直径の大きいサイクロン魔導エンジンを搭載し、短い機体のため、極めてずんぐりしたスタイルになっている。F4Fが配備されたことにより旧式となり、スオムス空軍で使用された。しかし、当地では優れたウィッチの手によって戦果を挙げ、高い評価を得ることになった。秘め声CD第5巻Track#16にて、エイラは同機を「あれもいい機体だった」と評している。
モデルはアメリカ海軍のF2Aバッファロー。
使用軍隊:リベリオン海軍
主な使用するウィッチ:キャサリン・オヘア
1939年時点でのリベリオンの新型艦載用ストライカーユニット。バッファローに比べて最高速度、運動性能、特に旋回性は大幅に向上している。小説版の序盤にてキャサリンが使用。第3巻以降に再度彼女の愛機となっている。
モデルはアメリカ海軍のF4Fワイルドキャット。
使用軍隊:カールスラント空軍
主な使用するウィッチ:ゲルトルート・バルクホルン
ノイエ・カールスラントの開発局にてウルスラ・ハルトマンが開発した試作型ジェットストライカーユニット。翼上に噴流式魔導エンジンを左右2基搭載している。
実戦テストのためロマーニャの501基地に搬入され、ゲルトルートによるテスト飛行および実戦では従来のレシプロ式ユニットを圧倒する性能を示したが、過剰に装着者の魔力を吸収して消耗させる(あまつさえ装着者の制御が喪失しても、装着者からの魔力の抽出が止まらない)という致命的欠陥が露呈し、機体も全損したためウルスラにより回収された。
モデルは旧ドイツ空軍のメッサーシュミット Me262。

陸戦用ストライカーユニット

使用軍隊:ブリタニア陸軍
主な使用するウィッチ:マイルズ
ブリタニア王国陸軍が使用する陸戦用ストライカーユニット。火力は平凡なものの、その高いシールド強化能力には定評がある。
北アフリカの戦線にも派遣され、同地での地上型ネウロイを相手に大きな戦果を挙げている。
モデルはイギリス陸軍のマチルダII歩兵戦車。

扶桑皇国軍(アニメ版)

赤城
扶桑皇国海軍の航空母艦。史実での近代化改装後の姿であるが、塗装は真珠湾攻撃以前のもので、飛行甲板にミッドウェー海戦時のような巨大な日の丸は描かれておらず、艦載機に零戦も含まれていない。アニメ版第1期第1・2・8・11・12話で登場。
遣欧艦隊の旗艦として、美緒と芳佳を乗せてブリタニアに向かう途上、ネウロイの襲撃を受ける。この時は艦橋の上半分を吹き飛ばされたり、ビーム兵器の命中弾を受けて中破したが、美緒らの活躍で沈没は免れた。
その後、ブリタニアにて修理を終えた同艦は、ガリアへの反攻作戦の第1陣として攻撃に加わる予定だったが、マロニー大将の謀略によって「STRIKE WITCHES」が解散させられたため、美緒と芳佳、ペリーヌを乗せて扶桑への帰路につく。だが、今度は暴走したウォーロックに襲われ、多数の命中弾を受けて沈没。その後ウォーロックによって艦体を利用され、巨大なネウロイの浮遊兵器と化した。
陽炎型駆逐艦