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砂の薔薇/新谷かおる

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著者: 新谷かおる
巻数: 8巻

新谷かおるの新刊
砂の薔薇の新刊

最新刊『砂の薔薇 第8巻


出版社: 白泉社
シリーズ: 白泉社文庫


砂の薔薇の既刊

名前発売年月
砂の薔薇 第1巻 1999-12
砂の薔薇 第2巻 1999-12
砂の薔薇 第4巻 2000-03
砂の薔薇 第5巻 2000-03
砂の薔薇 第6巻 2000-06
砂の薔薇 第7巻 2000-09
砂の薔薇 第8巻 2000-09

砂の薔薇』(すなのばら - デザート・ローズ、Desert Rose)は、新谷かおるによる日本の漫画、およびそれを原作としたOVA作品である。

概要

本作は、『月刊アニマルハウス』(白泉社)1989年8月号から1992年4月号と『ヤングアニマル』1992年(1号)から1998年(21号)まで連載された。単行本は全15巻、文庫版は全8巻が刊行されている。連載当時は「正規軍でない民間会社の武力組織とそこで活躍する精鋭たち」という世界観は極めて空想的なものであったが、その後、現実世界の戦争でも民間軍事会社が各分野で広く活躍するようになり、その姿と未来図を予想した作品と評される。ここにも「エリア88」などの戦場物を得意とする独特の新谷ワールドが健在である。

あらすじ

マリーはCAT(Counter Attack Terrorism、米国に所属する半軍半民の反テロリズム専門部隊)の凄腕女性指揮官。薔薇の形に見える傷跡から「薔薇のマリー」と呼ばれる。夫と息子をテロ活動により失った過去を持ち、テロ壊滅に命をかける。テロのある所には、世界中のどこへでも出向く。

登場人物

真理子・ローズバンク(まりこ - 、旧姓:森永、ディビジョンM指揮官)
本作の主人公で、日本出身の女性。通称マリー。CAT内ではトップクラスの成績を誇るチーム・ディビジョンMを率いる美しき女性指揮官で、物語開始時点で26歳。シドニー空港にて夫ハロルドと息子ティミーを爆弾テロで失い、自らも胸元に薔薇の形をした傷跡を負う。その後、CATに入隊し、テロ撲滅に執念を燃やす。
連載開始当初は暗い過去を引きずる陰のある女性だったが、物語が進むに連れて明るい性格になり、中盤以降は明るく優しく有能な理想的指揮官として描かれている。過去の実績、指導力などからほぼ全ての隊員から絶対的な信頼を受けており、また他のディビジョンの兵士達からも“薔薇のマリー(ローズ・マリー)”と称えられ敬愛されている。CAT上層部の信頼も厚い。過去の悲惨な体験からテロを憎む気持ちは人一倍強く、テロリストに対しては全く容赦がない。卑劣なテロに対して感情が昂ぶると、胸の傷跡が紅潮し深紅の薔薇の花のように紅く染まる。
物語序盤は「真理子・ローズバンク、ニックネームはマリー」と名乗っていたが、途中から「マリー・ローズバンク」と名乗るようになり、書類上でしかマリーを認識してなかった学生時代の友人と偶然出会った時も困惑された(マリーをヨーロッパ系アメリカ人女性だと思っていた)。日本には父と姉たちがおり(母は幼少時に死亡)、家族にはアメリカの情報処理会社で勤務していると言い、自分がCATにいる事を内緒にしている。訓練所時代からの親友ヘルガが亡命する際に持ち出せた数少ない所持品である彼女の時計を大切にしている。
ヘルガ・ミッターマイヤー(ディビジョンM副官)
旧東ドイツ出身。ディビジョンMの副官。長い黒髪と鋭い目つきが印象的な女性。かつてタス通信の東ベルリン支局に勤務中、恋に落ちた男性ウォルター・ヘインズがアメリカのスパイだったため、結婚式当日に彼は射殺され自身も同様に容疑をかけられてしまう。過酷な取調べと親友であった女性がKGBの監視員であったことから東ドイツに嫌気がさし、ベルリンの壁の検問所を越えて西側に亡命(その際に重傷を負って流産)。CAT訓練所でマリーと同期となり、厳しい訓練を通じてマリーとは無二の親友となる。訓練所卒業後、マリーとは別の部隊に配属されていたが、新設されたディビジョンMに副官として着任した。
肝が据わり、行動力に富んだ女傑タイプ。自他共に厳しく、一見冷徹な印象を与えるその言動から彼女を知る一部の人間からは"鉄の処女(アイアン・メイデン)"と呼ばれている。しかし親友であるマリーに対する親愛の情は強く、マリー最大の理解者であり公私に渡る強い支えになっている。
戦闘力は高く、作戦中は率先して前線に赴くことが多い。その反面、血の気が多く直情径行に走る一面もある。本編中、マリーが作戦中に隊と離散した時とマリーが負傷入院したときの2回、作戦指揮権がヘルガに移ったことがある(1回目はデライラとの確執を起こしそうになったが、2回目は臨時の指揮官として的確に役目を果たした)。
隊長であるマリーをファーストネームで呼ぶことはヘルガのみ許されており、他の隊員達は「隊長」または「コマンダー」と呼ぶことがディビジョンM内での暗黙の了解となっている。
アイリーン・サンダース(第一分隊・突撃分隊長)
以前はアメリカ海兵隊の航空部隊に勤務していた女性隊員。給料の高さにつられてCATに入隊するも、子供を巻き込んだあるテロ事件をきっかけに心底テロを嫌悪するようになり、その撲滅に力をそそぐ。小柄な体格で、非常にボーイッシュで気性は荒く口も悪い性格であり、非協力的な関係者などには率先して食ってかかる。プライベートでの異性交遊も奔放で、時々相手が変わっている。しかし根は優しく責任感が強く、結婚に憧れる女性らしい一面も見られる。CAT入隊当初は、デライラと共に問題のある隊員が多く所属するクィンシー隊長率いるディビジョンQに配属されていた。ディビジョンMに異動後はマリーの優しさと部下への信頼に接するうちに彼女に対して絶対の信頼を置くようになる。過去の海兵隊所属経験から、ヘリコプターや小型航空機など、あらゆる航空機の操縦を得意とする。
デライラ・カンクネン(第二分隊・後方支援分隊長)
スウェーデン出身、元ファッションモデルの女性隊員。通称デラ。常にサングラスを掛けており、細身ながら非常に長身なので、威圧感がある。アイリーンとは一見仲が悪そうに見えるが、実は親友であり互いに信頼し合っている。アイリーンと共にディビジョンQからディビジョンMへ異動してきた。異動した当初は孤独癖があり、昼間からウォッカを暗い酒場であおりながらモーパッサンやスタンダールを読むなど、アイリーンと同様に問題児扱いされていた。Mに配属後は、「マリーに対して銃口を向ければ大統領であれ射殺する」というセリフが示すように強い信頼を置いている。制御の難しいマイクロ・ウージーで正確な射撃をするなど射撃能力が高く、作戦中は狙撃手を任されることが多い。アイリーンとの会話から、男性関係は希薄である。
鈴 龍姫(りん りゅうひ)
幼く見える素振りや容姿からは想像も出来ないが、香港の『白九龍(ぱいくーろん)』と呼ばれる闇組織出身の女性隊員。

通称リン(ディビジョンMの中では、ファミリーネーム(名字)で呼ばれている)。白九龍時代に刺姫(女性の刺客)としての教育を受けたため、格闘技や毒物にかけては専門家。CATから支給された武器以外にも、髪や体に様々な暗器を隠し持つ。普段は料理好きで少女趣味の若い女性。ディビジョンM結成当初に新入隊員として配属された生え抜き隊員。白九龍とは現在でも友好関係を保っており、ディビジョンMの作戦を数回、後方支援的に補佐してもらっている。

コリーン・アンダーソン
CAT唯一の理系博士号を持ち、15歳で博士課程に進んだ天才的な頭脳を持つ女性隊員。理系専攻であるため科学や数学は得意だが、歴史や哲学などは大の苦手である。作戦時は主にジェシカと共に爆発物処理を担当する。あらゆる爆発物に関する知識を有し、技術的にはジェシカに及ばないものの知識では右に出るものはいない。後に爆弾を解体をした時に性的な快感を持つと告白している。また温和で機転の利く聡明な性格から、ディビジョンMの参謀的な役割も担う。マリーとは彼女が副隊長を務めていたディビジョンSの頃からの付き合いで、ディビジョンSの隊長が引退し新たにマリーがディビジョンMとして隊を引き継いだ際に、多くの隊員がマリーとの信頼関係を築けず除隊する中、彼女とジェシカだけが残留した。「CATの仕事をしていると、特定の男性とのお付き合いは難しい」という趣旨の発言をしていることから、付き合っている男性はいない模様。
ジェシカ・クレアキン
旧ソビエト連邦陸軍から亡命してきた女性隊員。コリーン同様爆発物処理のエキスパートであり、その技術は男性部隊も含めたCATのトップクラス。また並の男性よりもはるかに体格が良く力も強いため、男性にも負けない力仕事に駆り出されることもある(作中ではドアノブを引っこ抜いたり、プール排水溝の激流に飲み込まれる2頭のイルカを鷲掴みにしたまま耐え切るなど)。コリーンと共に前の部隊から残留。"赤い星のガリル"事件で衛星通信を介し、嘗ての僚友ユーリ・ソボロフと爆弾解体に臨んだ。温厚かつ冷静な性格で、時にはトラブルの火種になるアイリーンとデライラや、直情径行にあるヘルガを抑える役割も担う。
キム・ヴァスケス
米海兵隊出身の女性隊員。湾岸戦争時に、兵士が残していった武器をおもちゃにして遊んでいた子供を誤って射殺してしまった過去を持つ。軍法会議にてパトロール中の事故と判決が下り無罪となるも、告発したのが元恋人の男性であったため、一時期男性不信に陥っていた。新兵訓練でディビジョンMに割り当てられ、入隊後は正式にディビジョンMの配属となる。
サマンサ・マクミラン
CAT総合事務局の女性事務員。通称サム。実戦には参加しないが、マリーを敬愛しておりディビジョンMのメンバーとも仲が良い。ディビジョンMの準メンバーとも言える。普段はおとなしいCATの案内兼営業担当だが、コンピューターに精通しておりネットでの情報を駆使し様々なバックアップを行う。ときに国家機密やCATの社内機密をクラッキングしたことも。過去に実戦部隊の訓練を受けたことがあったが、体力不足で失格になっている。
ウエルズ隊長
ディビジョンMと並ぶトップチーム、ディビジョンCの女性隊長。マリーよりかなり年配で元女学校の教頭をしていた。マリーと仲が良く、互いに協力、支援しあっている。マリーと共同作戦をした時には作戦の総司令官となるものの年齢もあり、マリーから作戦実行部隊への参加を止められた。またマリーが作戦中の過失致死の嫌疑で査問委員会にかけられた際には、マリーの弁護を担当した。
アーノルド隊長
セクションM(男性部隊)ディビジョンAの男性隊長。元シークレットサービスのメンバー。禿げた頭頂部に逆立った横髪、カイゼル髭、サングラスといったエキセントリックな風体の中年男性。言動もその風体に劣らず、セクハラや獣姦など性的に奔放な面があるため、周りの隊員には呆れられている。また、マリーやヘルガをはじめディビジョンMのメンバーに対しても度々セクハラ行為を働く為、「セクハラ大王」と毛嫌いされている。しかし指揮官としては超一流で彼の率いるディビジョンAはセクションMのトップチームとされている。新谷の短編作品『ALICE12』に登場したモーガン機長を基にしたスター・システムキャラである本作の他に、「クレオパトラD.C.」と「RAISE」にも同じ容姿のキャラクターが登場している。
スミノフ教官
マリー、ヘルガのCAT訓練所時代の教官。片目をアイパッチで隠したモヒカン刈りの中年男性。厳しい訓練を通じてマリー達に対テロ戦闘術を叩き込む。その後カランビア国の麻薬シンジケートに雇われた傭兵部隊の隊長となり、敵としてマリー、ヘルガと再会する(シンジケート壊滅のための潜入工作員だった可能性も示唆されているが、敵として登場した真偽は不明である)。性的不能者であり「File3:白い皇帝」(3) - (4)を参照。、マリーがその事を知っている事から(同じ訓練生のヘルガは知らなかった)個人的に深い関わりがあった事が伺える。また、薔薇の花言葉を持ち出してマリーを諭すなど、顔に似合わず詩人である。
ハンツマン大佐
CATでのマリーの直接の上官にあたる人物で、通称「大佐」。作中で容姿はほとんど描かれておらず、ディビジョンMの任務は全て大佐からマリーへと下される。時にCATの原則を無視した緊急の依頼を押し付けたり、隊員達の生命の安全を無視して作戦を強行させるなど食えない人物である。
グリフォン
シドニー空港でのテロで、マリーの夫ハロルドとその息子ティミーを始めとする大勢の人を殺傷した男性テロリスト。マリーが追い続けている。本名や顔などは一般には知られておらず、正体は不明である。ちなみにグリフォンとは有翼獅子のこと。神出鬼没であり、直接グリフォン自身が手を下さないにしてもテロを行なっている組織や国を支援・指揮していることもある。最終話で、その意外な正体が明かされることに…。

CAT

概要
本編の主人公である真理子・ローズバンクが所属する対テロリズムの傭兵組織。正式名称はカウンター・アタック・テロリズム・タクティカル・オーガニゼーション(Counter Attack Terrorism Tactical Organization)。本部の所在地はワシントンD.C.。
組織は基本的にアメリカ国防総省の管轄下に置かれるが、外交チャンネルで活動を保証された超法規的な民間組織であり、経営システムは民間企業と同じ。国家的な制約の強い軍隊とは違い、要請があれば政治的な国境を越えて世界中に対テロの実行部隊を派遣し、調査・監視・実行・技術指導を行う。体面上は民間組織ということもあり、国家、自治体、企業、団体、個人問わず依頼をすることが可能である。但し依頼の受理には厳格な審査が必要。最終審査はCAT局長と実行本部長、国防総省長官により行われる。
組織は対テロリズムのプロフェッショナル集団である実行部隊を中心に、その他作中に出てくる主なものでは、オペレーションセンター、情報センター、事務局、内務部等があり、実行部隊の活動をサポートする。世界中の各都市に支局がある模様(作中ではフランクフルトと東京の支局が登場)。またカナダとアリゾナには新兵を訓練する総合訓練所が存在する。
実行部隊は大きく分けて、男性部隊のセクションM(Male)と女性部隊のセクションF(Female)から成り、さらにセクションMは8つ、セクションFは5つの小隊(ディビジョン)に分かれる。ディビジョンの数はCATの活動計画に基づき、変化している模様。多くの場合、依頼内容を作戦本部で検討し過去の作戦データを解析し最適のディビジョンを派遣する。経費は作戦内容や規模・作戦日数により異なる。
実行部隊には訓練により適正が認めれれば、人種、出身国、年齢問わず入隊可能である(アメリカ国籍取得の有無は不明)。前歴も、一般企業勤務、教師、シークレットサービス、ファッションモデル、闇組織のメンバーと多岐に渡る。が、武装したテロリストとの戦闘や、爆発物の処理など危険な任務に赴くことが多いため、元軍関係者や元警察関係者といった戦闘訓練を積んだり、専門知識を身につけた者が多いようである。
実行部隊の報酬は一般企業と比べて破格のものらしく、作戦中の死亡は保険金の額も高額になる。そのため貧しい生活環境にある者や多額の借金を背負った者なども在籍している。また殺人を趣味とする者など、一般社会では問題のある者も少なからず在籍している。実行部隊とはいっても、民間企業の社員と同じで軍隊のように任期があるわけではない。作戦中は認められないが作戦が終了すれば辞表を提出することができる。
組織内には独自の内務規定が敷かれている。重大な内部問題が発生した際に開かれる査問委員会は、軍事裁判と同じように一般の刑事・民事訴訟法の適用外となる。また時折チームAと呼ばれる内務部の査察官が各ディビジョンに潜入し内規違反を犯していないか調査を行ことがある。
隊員達のプライベートに関する規定は、作中の描写では緩やかなようである。しかし司令部が依頼を受け、作戦本部が作戦を発動させた時にしかテロリストに対する強制力を持たないため、隊員がプライベートな時間にテロリストに遭遇しても、逮捕や拘束はできない。
ディビジョン
CAT実行部隊で用いられる部隊編成の単位。一般的な軍隊の小隊に相当する。「ディビジョン」の後に隊長の名前の頭文字を付け、それが部隊名称となる。便宜上男性部隊・女性部隊の区分けはあるが、ディビジョン以上の編成単位はない模様。作戦内容によっては複数のディビジョンが協力し合うことはあるが、基本的にディビジョンごとに独立して任務にあたる。
ディビジョンは隊長以下、副官、各分隊で編成されるが、軍隊のように明確な階級はなく上下関係に関する規律も比較的緩い模様。但し、各デイビジョンの隊長は軍の階級で言えば佐官クラスに相当する権限と待遇が与えられる。
隊員達は対テロに関する厳しい訓練と経験を積んだプロフェッショナルで、最新の武器や情報システムに精通している。そのため私生活の管理や訓練などは各ディビジョンの自主性に任せられる部分が大きい。海外作戦の後は、2週間の休暇(内、4日間の自主トレーニング含む)が原則とされる。
ディビジョンM
主人公真理子・ローズバンク(マリー)が隊長を務める。中近東やアフリカ、世界の火薬庫と呼ばれる危険な地域で作戦を遂行し、作戦遂行率は98%以上(本編初期の頃は90%以上)を誇るセクションFのトップチーム。国防総省や中央情報局の信任も厚い。個性豊かなメンバーはマリーに対して絶大な信頼を置き、一丸となって困難な任務を遂行していく。CATのマニュアルにはない11番目の作戦フォーメーションや、映画会社のセットを借り切って行う大がかりな予備訓練など、独自のシステムを多く持つ。テロリストに対して冷酷なまでに緻密かつ大胆で、手際の良い作戦行動から、「魔女」や「アマゾネス」などと揶揄されることも。
その他本編に登場する主なディビジョン
セクションF(女性部隊)
ディビジョンC:ディビジョンMと並ぶセクションFのトップチーム。隊長のウェルズはマリーと仲が良く、作戦で協力し合うことも多い。
ディビジョンR:隊長のリジェンヌはかつてマリーと同じディビジョンに在籍、親交がある。
ディビジョンF:隊長名は不明。デンバーのテロ事件でかなりの損失を出しディビジョン活動をしばらく休止。
セクションM(男性部隊)
ディビジョンA:隊長のアーノルドのエキセントリックなキャラクターに反して、作戦の成功率は100%に近いエリート部隊。武器を横流しして得た資金をプールし、作戦遂行中の不測の事態に備えるという独自のシステムを持つ。
ディビジョンB:隊長のブルックヤーズは元グリーン・ベレーで、爆発物処理に関してはCATで右に出る者はいない。新型爆弾「ガリル」解体に失敗し、ブルックヤーズ含む数名が死亡。
回想で登場したディビジョン
ディビジョンS:隊長名は不明。マリーが副官として、その他ジェシカ、コリーンが在籍。隊長の引退に伴い、ディビジョンMとして再編成。
ディビジョンQ:隊長はクィンシー。アイリーン、デライラが在籍。問題を抱えた隊員が多く、虐待等が常習化していたため査察が入り解体。
ディビジョンJ:隊長名は不明。ヘルガ、マリーが在籍。
ディビジョンE:隊長はエイレイン。新兵時代のマリーが在籍。エイレインは作戦中の傷が原因で死亡。
ディビジョンL:隊長名は不明。マリー、狙撃手のディアブロ・ロシが在籍。ロシは作戦中に死亡。
ディビジョンR:セクションMの部隊。アフリカでの作戦で全滅。
ディビジョンK

ファイルリスト

全28ファイル(File:1~28と表記、134話)から構成されている。

OVA版

『砂の薔薇(デザート・ローズ) 雪の黙示録』として1993年に東映ビデオより発売された。後に、DVD版も2008年5月21日に発売された。

スタッフ

  • 原作・脚本:新谷かおる
  • 監修:吉永尚之
  • 監督:青木康直
  • キャラクターデザイン/作画監督:山沢実
  • メカニックデザイン/メカニック作画監督:宍戸聡
  • 美術監督:長尾仁
  • 音響監督:渡辺淳
  • エンディング・テーマ「Born under the Stars」歌&編曲:New Roze 作詞&作曲:武藤智

キャスト

  • 薔薇のマリー<真理子・ローズバンク>:佐々木優子
  • ハロルド・ローズバンク:菅原淳一
  • ティミー(ティモシー)・ローズバンク:矢島晶子
  • ヘルガ・ミッターマイヤー:折笠愛
  • デラ(デライラ)・カンクネン:伊倉一恵
  • アイリーン・サンダース:本多知恵子
  • ジェシカ・クレアキン:江森浩子
  • リン(鈴竜姫):水谷優子
  • コリーン・アンダーソン:天野由梨
  • シェリー:萩森侚子
  • リンダ:山崎和佳奈
  • 説明する男&大佐:梅津秀行
  • ジャン・ピエール・モンタン博士:中博史
  • エルンスト・ハイネケン中佐:銀河万丈
  • 英国首相:大山高男
  • アメリカ大統領:河合義雄
  • 秘書:引田有美

砂の薔薇TUGシリーズ

作者の新谷は同人活動を行っている事でも知られるが、本作の同人誌は他作家との競作による、共同執筆者の代表作との競演を売りにしたTUGシリーズとして展開された。

第1弾は妻である佐伯かよのの『燁姫』、第2弾は和田慎二の『スケバン刑事』、第3弾は自身の『クレオパトラD.C.』、第4弾は園田健一の『ガンスミスキャッツ』、第5弾は島本和彦の『炎の転校生』となっている。第5弾を除いて女性を主人公とした作品の主人公との競演ばかりであり、『砂の薔薇』本編の中の話の一つと位置づけるのに遜色の無い話ではあるが、第5弾の競演作である『炎の転校生』がギャグ漫画である為に、これだけ異色な作品となっている。

なお、予定ではTUGシリーズは第6弾、武内直子の『美少女戦士セーラームーン』を以て終了する予定であったが、この第6弾は結局執筆される事は無く、幻に終わっている。

似た世界観を持つ作品

  • PSPゲーム用ソフト「メタルギアソリッド ピースウォーカー」(コナミ) - 主人公スネークが率いる傭兵部隊が戦果により資金を得ることでの組織(マザーベース)の発展、組織の存在が徐々に冷戦やテロの抑止力として機能し始め、最終的に世界を揺るがすテロに対する唯一の抑止力となっていくこと、傭兵の雇用と解雇の概念、閉鎖された空間での戦闘や人命救助ミッションの存在などで、本作と酷似する設定が多く見られる。

脚注・補足