究極!!変態仮面/あんど慶周
著者: あんど慶周
巻数: 6巻
最新刊『究極!!変態仮面 第6巻』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
究極!!変態仮面の既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
究極!!変態仮面 第1巻 | 1993-05 |
究極!!変態仮面 第3巻 | 1993-09 |
究極!!変態仮面 第4巻 | 1993-11 |
究極!!変態仮面 第5巻 | 1994-01 |
究極!!変態仮面 第6巻 | 1994-04 |
『究極!!変態仮面』(きゅうきょく!!へんたいかめん)は、あんど慶周による日本の漫画作品。
あらすじ
紅優高校拳法部のエースであり、殉職した元刑事の父を持つ正義感溢れる少年・色丞狂介には、他人に言えないある秘密があった。彼は女性のパンティを被ることで、SM嬢の母親から受け継いだ変態の血によって潜在能力が発揮され、超人的パワーを持つ「変態仮面」へと変身するのであった。思いがけず意中の女生徒・姫野愛子のパンティを入手したことで、冴え渡る数々の変態秘技を駆使し、今日も悪人達を懲らしめる。
変態仮面
変態仮面(へんたいかめん)とは、狂介がパンティを被ると「フオオオオオオオオッ!!」と雄叫びを上げながら同時にブーメランパンツと網タイツ以外の衣服を脱ぎ捨て、パンツの両脇を伸ばして交差させるように肩に通すことで変身する異形のヒーローである。変身動作において「気分はエクスタシー!!」「クロスアウッ!(Cloth out=脱衣)」と叫ぶ。バレエのチュチュで変身してエリマキトカゲ状態で登場したこともある。
股間は無理に伸ばしたブーメランパンツによってちまきやいなりずしのように強調されており、犯人が現場になぜか落ちているいなり寿司を食べようと箸でつまむと「それは私のおいなりさんだ」と登場するのがお約束であった。
作中では、人間は通常、潜在能力の30パーセント程度しか力を発揮することができないが、変態仮面はパンティを被ることによって力を100パーセント発揮することができるとあった。父親譲りの正義の血と母譲りの変態の血が、悪に怯むことなく立ち向かわせる。身体能力は非常に高く、その場に落ちているロープで犯人を亀甲縛りにしたり、蝋燭で攻撃したりとSMを活かした多彩な技を使いこなす。基本的な決め技は、顔に自分の股間を押し付けるなどの精神的ダメージを与える技であり、その際にじわじわと恐怖心を与えたり、「Welcome(ようこそ)」と言いながら自身の股間に誘導することが多い。この正義の裁きは非情であり、犯人がいかに命乞いをしようとも見逃すことなく執行される。ほとんどの場合、圧倒的な実力で悪人にお仕置きをするが、純粋に変態仮面の能力を超える腕力の持ち主の単純な力技や、ナイフ投げなどの特殊な技能を持った悪人に苦戦する場面もある。
発揮する力の大きさはパンティの持ち主の外見・年齢などに左右される。肉親のものでは変態仮面に変化できない。劇中では愛子や春夏のパンティが変態仮面の強さを最大限に引き出している。モチベーションによっては、変身前に受けた捻挫・打撲などの負傷もある程度治癒することができる。ただし、発揮する力が大きいほど肉体的負担も大きく、酷い時にはミイラのごとく痩せこけてしまうことも少なくない。持ち主の特技をコピー、また一度だけ持ち主の記憶とシンクロするような能力を発揮したこともある。ちなみにパンティの効果は狂介自身の思い込み、モチベーションによっても左右されるらしく、履いた持ち主のいないパンティでも変身可能であり、仮に醜女や老婆、オカマのパンティであってもその力は発揮できるが、持ち主のことを知った時点で狂介自身が萎え、変態仮面としての力も大幅にパワーダウンする。
登場人物
色丞家
- 色丞 狂介(しきじょう きょうすけ)
- 本作品の主人公。紅優高校の1年生で拳法部に所属する少年。父親ゆずりの正義感を持ち、拳法の腕前はかなりのものを持っている。銀行強盗の仲間に化けて犯人を捕まえようとした際、マスクと間違って女性用パンティを被ってしまったことがきっかけで正義のヒーロー・変態仮面に目覚める。最初はそのことに戸惑いを憶えていたものの、後には正義のために自ら変身するようになり、変身の反動に耐えられるように独自の特訓を重ね、身体能力や変態秘奥義にもますます磨きがかかることになる。後に父親と同じく刑事の職に就き、四季春夏と結婚して一児の父親となった。
- 変態仮面(へんたいかめん)
- 狂介が顔面にパンティを被り、覚醒した姿。詳細は変態仮面の節を参照。
- 色丞 魔喜(しきじょう まき)
- 狂介の母。ブティックを経営する傍ら、SMの女王様のバイトをしている。商売がら顔が広く、出かけた先でよくSMクラブの常連客と鉢合わせする。旧姓は佐戸川(さどがわ)。
- 色丞 張男(しきじょう はりお)
- 狂介の父であり、元刑事で故人。SMクラブにガサ入れに突入した時に、当時SM女王だった魔喜と出会い、お互い一目惚れして結婚したが、狂介が小学生の頃に殉職した。正義感溢れる刑事で、デートの時によく観に行った映画は『ダーティーハリー』であるが、正義感溢れすぎて職務外でも44マグナムを持ち歩き、何かと発砲していた。
- 色丞 狂太郎(しきじょうきょうたろう)
- 狂介と春夏の間に生まれた子供。父親同様パンツを被ると変態仮面Jr.に覚醒する。
姫野家
- 姫野 愛子(ひめの あいこ)
- 大財閥姫野グループの総帥の一人娘で紅優高校拳法部のマネージャー。狂介および変態仮面に好意を抱いている。箱入り娘で変態仮面の変態技を見ると気絶することが多い。性格は非常に優しく、自分がお嬢様であるということを鼻にかけるようなこともなく、誰に対しても好意的に接する。事件に巻き込まれて危険な目に遭うことが多い。主人公である狂介とは両思いだったが、春夏の登場以降は徐々に出番が少なくなった。後に姫野グループ総裁となるために帝王学を学びにフランスへ留学する。
- 世羽(せわ)
- 姫野家の執事をしている老人。小柄で眼鏡をかけている。愛子からは「じい」と呼ばれている。愛子に悪い虫がつかないよう愛子の父親から厳命されており、愛子の交友関係などには口うるさい。狂介に対しては敵意むき出しで接するが、それはあくまで職務に忠実なためである。愛子が危険に巻き込まれやすいことを理解しており、愛子に護衛つきのリムジンで登下校するように懇願しているが、普通の生活を送りたい愛子に断られ続けている。
- ゴルゴ
- 姫野家の番犬。
- 姫野 王権(ひめの おうけん)
- 愛子の父親。文庫版5巻の書下ろしエピソードに登場する。
- 姫野 后(ひめの きさき)
- 愛子の母親。文庫版5巻の書下ろしエピソードに登場する。
四季家
- 四季 春夏(シキ シュンカ)
- 紅優高校に転校してきた中国人の少女。拳法の達人であり、自分の強さに自信を持っていたが、狂介と変態仮面の両者に敗れたため、両方を勝手に許婚と決め付ける。狂介と変態仮面が同一人物であることに気づいていない。後に狂介と結婚する。必殺技である「四季流必殺奥義御色拳(しきりゅうひっさつおうぎ・おいろけん)」は、スカートをめくってTバックを見せて敵の意表を突く「悩殺的茶罰苦(のうさつてきティーバック)」や、腹痛が起こったふりをして相手が心配して駆け寄ってきたところを不意打ちする「誘惑的腹痛(ゆうわくのふくつう)」など、色気を活かして敵の隙を作り、そこを突く技である。その一方で、狂介との日常では普通の女の子と同様に恥じらいの表情を見せる。非常に不器用であり、料理スキルや芸術面での才能は弟に完全に負けている。後に狂介と同じく刑事の職に就き、狂介と結婚して一児の母親となった。
- 四季 秋冬(シキ シュウトウ)
- 紅優高校に転校してきた中国人の美少年で拳法の達人。四季春夏とは双子の弟である。真面目であり、物静かで優しい性格の持ち主だが、非道な行為については怒りの感情を示す。中国武闘家選手権ジュニア第一位の実力者だが、拳法部の主将との一対一の勝負で負けて以来、彼を苦手としている。狂介とは仲が良く、大会に向けての練習相手も狂介となることが多い。姉と違って手先が器用で、料理・絵画と何でもこなす。春夏が料理を褒められると、それは本当は自分が作ったものだと暴露し、その都度姉から制裁を受ける。後に中国に帰国し、拳法と中華料理の修業に勤しむことになる。
- 四季 華蓮打(シキ カレンダ)
- 春夏と秋冬の母親。
- 四季 歴(シキ レキ)
- 春夏と秋冬の父親。
紅優高校関係者
- 早乙女(さおとめ)
- 紅優高校拳法部の主将。モンゴル風のいかつい風貌だが実は男色家である。狂介や秋冬に妖しい視線を注ぐ。拳法の実力は狂介より上である。後にゲイバーに就職し、源氏名は「セーラ」である。
- 石田(いしだ)
- 紅優高校拳法部の副将。変態揃いの拳法部の数少ない常識人であり、早乙女の手癖の悪さに日々嘆いている。後に、旅行代理店の営業マンになる。
- 山崎 里美(やまざき さとみ)
- 紅優高校拳法部のマネージャー。銭湯「山ノ湯」の娘で、おばは旅館の経営者である。さばさばした性格であり、銭湯の手伝いをしていることから男の裸を見ても動じない。愛子の親友であり一番の理解者で、ことあるごとに愛子と狂介の仲を取り持とうと尽力している。損な役回りを与えられていることが多い。
- 部留臼 裏異(ぶるうす りい)
- 紅優高校拳法部の顧問。容姿はブルース・リーに似ている。
- 大金 玉男(おおがね たまお)
- 紅優高校空手部の主将。超大金持ちで、空手の段を金で買い取り、学校の教頭を買収した。四季春夏・秋冬を日本に呼び寄せたのも彼である。名前を「だいきんたまおとこ」と読まれることを物凄く嫌っている。拳法部を廃部に追い込み、愛子を恋人兼マネージャーとして引き入れようとするが、ことごとく失敗し、変態仮面からも制裁を受けた。その後、空手部は廃部となる。
- 脇野新(わきの あらた)
- 後述の『帰ってきた変態仮面』に登場する。
その他
- 集英会(しゅうえいかい)
- 暴力団。登場する度に悪さを働くが、毎回変態仮面にお仕置きされる。
- 天狗丸(てんぐまる)
- 天狗流忍者の末裔。文庫版5巻の書下ろしエピソード『究極!!変態仮面外伝 TENGUMAN』においては、20歳になった天狗丸が「テングマン」として、変態仮面と同様に悪と戦う姿が描かれている。
派生作品
帰ってきた変態仮面
『ジャンプスクエア』2008年2月号に創刊記念特別読み切り第3弾として掲載された。原作:あんど慶周・作画:小林尽。狂介と愛子が離れ離れになった後のストーリーで、愛子に代わって新キャラクター・脇野新(わきの あらた)が登場する。
また、同誌ではあんど慶周と小林尽両者が変態仮面のコスプレをして行った仮面対談会が写真付きで掲載された。『帰ってきた変態仮面』は単行本未収録だが、仮面座談会の方は集英社ジャンプリミックスに完全版が収録された。
書誌情報
単行本
- 変態仮面 誕生!の巻 ISBN 4088713664
- 嵐の新入部員!の巻 ISBN 4088713672
- 究極のイナリ寿司!の巻 ISBN 4088713680
- 我が名は天狗丸!の巻 ISBN 4088713699
- いじめちゃ…いやの巻 ISBN 4088713702
- 8年後の未来!の巻 ISBN 4088711009
ジャンプ・リミックス
- ISBN 4081095388
- ISBN 4081095469
- ISBN 4081095531
- ISBN 4081095612
文庫版
書名が「THE ABNORMAL SUPER HERO HENTAI KAMEN」と英語表記になっている。
文庫版第3巻・第4巻には、単行本未収録だった作者の読切作品が収録されている。
文庫版第5巻には、後日談となる120ページにおよぶ書下ろしの新作エピソードと、『小栗旬のオールナイトニッポン』2009年12月30日放送で作者がサプライズゲストとして登場した時の模様を漫画化した書き下ろしが収録されている。
- ISBN 4086190168
- ISBN 4086190176
- ISBN 4086190184
- ISBN 4086190192
- ISBN 4086190370