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聖伝/CLAMP

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著者: CLAMP
巻数: 10巻

CLAMPの新刊
聖伝の新刊

最新刊『聖伝 第10巻


出版社: 新書館
シリーズ: ウィングスコミックス


聖伝の既刊

名前発売年月
聖伝 第1巻 1995-11
聖伝 第2巻 1995-11
聖伝 第3巻 1995-12
聖伝 第4巻 1996-01
聖伝 第5巻 1996-01
聖伝 第6巻 1992-12
聖伝 第7巻 1994-04
聖伝 第8巻 1995-10
聖伝 第9巻 1995-08
聖伝 第10巻 1996-05

聖伝-RG VEDA-』(せいでん-リグ・ヴェーダ-)はCLAMPによる漫画作品。

概要

『月刊ウィングス』(新書館)にて1989年9月号から1996年5月号まで連載。CLAMPの商業デビュー作品である。

古代インドの神話世界をベースとしており、登場人物にはその神々の名前が使用されている。「約束」をキーワードとする、壮大な物語である。

あらすじ

最強の武神将夜叉王は、天界を過酷なやり方で統治する天帝帝釈天に反旗を翻し、帝釈天に滅ぼされた阿修羅族の最後の生き残りである幼い阿修羅王を守り、「天を滅ぼす」と予言に示された六星を糾合する旅に出る。多くの犠牲を払いながらも集まった五星は、帝釈天の居城に討ち入って帝釈天と対峙する。その最中、阿修羅王はその真の姿を現わし、予言を成就させようとするが……。

登場人物

阿修羅(あしゅら)
声:伊倉一寿、ドラマCD:林原めぐみ
炎を操る六星の一人。帝釈天に滅ぼされた阿修羅族の最後の生き残りである幼い王。性別は無い。
夜叉王に封印を解かれるまで、300年の間森で眠り続けていた。
夜叉王に懐く『阿修羅』の人格と、破壊と殺戮を楽しむ『破壊神』の人格が混在していた。普段は『阿修羅』が表に出ていたが、実は本来の人格が『破壊神』の方であった。
阿修羅族は天界の守護闘神と言われていたが、実際は血と炎と殺戮の神であり、すべてを破壊しつくすために生れ落ちた者であった。
修羅刀に施されていた2つの封印がすべて解かれた後、『破壊神』として完全に目覚める。その後、『阿修羅』の人格は死んだものとされていたが、最後の最後に目覚め、命をかけて夜叉王を守った。
夜叉王(やしゃおう)
声:速水奨 
六星の一人。天界最強の北の武神将。幼名は耶摩(やま)。知己の仲である星見九曜の予言に従い阿修羅の封印を解く。その事がきっかけで、謀反の意思ありとみなされ、夜叉族を滅ぼされた。
一族の仇を討つ為、阿修羅を連れ打倒帝釈天の旅に出る。武神将ながらその力は四天王をも凌駕する。
「六星が天を滅ぼす」という予言を「天帝・帝釈天を滅ぼす」と信じていたが、その解釈が間違っていた事を知り、また『破壊神』として目覚めた阿修羅を見て動揺する。共に過ごした『阿修羅』との絆を最後まで信じた。
帝釈天(たいしゃくてん)
声:若本規夫
天帝。本来は一介の武将だったが、先帝を殺害してその地位を奪い取った。以降、自分に刃向かう者は一族ごと滅ぼすという苛烈な恐怖政治で天界を統治する。実は、天帝に上り詰めたのも、恐怖政治を布いたのも、とある人物と交わした約束を守るためだった。星宿に逆らう者。
ウィングス本誌掲載時は、『破壊神』となった阿修羅に一瞬で殺されたが、その後出版された最終巻では内容が修正され、最終決戦後も生き残った。
龍王(りゅうおう)
声:山口勝平
龍一族の王にして、西を守護する武神将。水を操る六星の一人。武者修行のために夜叉王に同行する。幼名は那伽(ナーガ)というが、武者修行に出る際に王位と龍牙刀を継承し、龍王と名乗るようになった。『破壊神』となった阿修羅に殺される。
乾闥婆王(けんだっぱおう)
声:安藤ありさ、ドラマCD:本多知恵子
琴の名手。普段は帝釈天の楽師だが、真の姿は東方将軍・持国天。六星の一人。
何よりも強い人を好み、天界最強である帝釈天に従っている。「強い人が好き」という信念は肉親の情よりも優先されるため、帝釈天が自分の父親(先代持国天)を殺した事すら意に介していない。蘇摩のことを本気で愛していたが、帝釈天を狙う彼女を引き止められないことを知り、彼女を殺して自らも自害した。
迦楼羅王(かるらおう)
声:榊原良子
南の武神将で迦楼羅族の長である。最愛の妹(迦陵頻伽)を帝釈天に殺された。自殺したと見せかけて出奔し、復讐のために夜叉王達に合流する。鳥を操る六星の一人。最終決戦で帝釈天と対峙するが、力及ばず死去。
蘇摩(そうま)
声:山本百合子、ドラマCD:土井美加
帝釈天によって殺された蘇摩一族の唯一の生き残り。その血は一生に一度だけ、飲ませた者一人を不死に出来るという。乾闥婆王に助けられて以来、彼女に尽くしている。双月葉(そうげっぱ)を振るう六星の一人。乾闥婆王の剣に貫かれ瀕死の重傷を負うが、自害した乾闥婆王を助けるため自らの血を飲ませようとした。帝釈天に阻まれ、無念のうちに死去。
孔雀(くじゃく)
声:松本保典
魔族を表す紫の眼と黒い翼、そして額に天眼を持つ人物。阿修羅と夜叉王に興味を持ち、彼らの旅に付きまとう。先帝とその実の姉の近親相姦の結果生まれた禁忌の息子。星見の力を持っている。
迦陵頻伽(かりょうびんが)
迦楼羅王の病弱な妹。天界一の歌姫と言われている。帝釈天によって無理矢理居城から連れ出された結果、体調が悪化して病死し、その遺体は帝釈天の飼っている獣に喰われてしまう。
舎脂(しゃし)
声:藤田淑子
帝釈天の妃。元々は先代阿修羅王の妃だったが、天帝の妃になりたいがために阿修羅族を裏切った。自分の欲望のためなら我が子をも殺そうとする非情な女。修羅刀の封印の鍵を握る。
迦羅(かーら)
舎脂の双子の姉。舎脂とは正反対の優しい性格で、舎脂の裏切りを知りながらも止められなかったことに苦悩する。彼女もまた修羅刀の封印の鍵を握っている。
天王(てんおう)
声:辻谷耕史
帝釈天と舎脂の息子にして、阿修羅の双子の弟(異父弟)。親に似ぬ慈悲の持ち主。乾闥婆王に想いを寄せている。四天王に匹敵する武の持ち主。
『破壊神』として目覚めた阿修羅を目の当たりにしたが、予言が成就する様を見届ける役目として生かされた。
九曜(くよう)
声:土井美加
先代の星見。先帝亡き後帝釈天に仕えることになるが、星見をすることを拒否。そのために幽閉されていたが脱走し、夜叉王に六星の予言を残した後、帝釈天の部下、毘沙門天の手の者によって殺される。
般羅若(はんらにゃ)
九曜の妹。帝釈天の為に、顔を焼いて目を潰すという大きな代価を払って、星見に匹敵する力を手に入れる。
毘沙門天(びしゃもんてん)
声:堀内賢雄
北方将軍。天帝・帝釈天の部下。先の聖戦からの腹心で乾闥婆王が東方将軍・持国天だと知っているもう一人の人物。夜叉族を配下に持つ。
吉祥天(きっしょうてん)
先帝の娘であり、毘沙門天の妻。ある役目の為に生かされている存在。
阿修羅王(あしゅらおう)
阿修羅族の先代の王であり、阿修羅の父。帝釈天の謀反の際、最後まで先帝を守って戦ったが、帝釈天との直接対決で命を落とす。予言に逆らい星の軌道を変える為に、ある人物と約束を交わしていた。
先帝(せんてい)
先代の天帝。帝釈天の反乱で殺害された。天地開闢以来、もっとも優れた天帝として善政を布いていたが、実はその裏で「魔族にも劣る行い」をしていた。
尊星王(そんせいおう)
先代の星見であり先帝の姉。
倶摩羅天(くまらてん)
帝釈天が先帝に反旗を翻した際、先帝のために戦うが逆に自分の国を滅ぼされてしまう。帝釈天に対する憎しみが強く、本来阿修羅族の長が持つべき「修羅刀」を奪い、帝釈天に復讐しようとした。
増長天(ぞうちょうてん)
声:屋良有作
南方将軍。豪放磊落な性格。帝釈天の強さに惹かれて仕えているが、その残虐ぶりには疑問を抱いている。迦楼羅族を配下に持つ。
広目天(こうもくてん)
声:玄田哲章
西方将軍。竜族を配下に持つ。帝釈天の命を受け六星を追跡する。
羅刹(らせつ)
夜叉王の腹違いの弟。夜叉王に王位を継がせるため、夜叉族の村を出る。阿修羅達を追う広目天を食い止めようとし、殺される。
沙羅(しゃら)
羅刹の妻。阿修羅達を匿い逃がした後、羅刹の後を追うようにして自害する。
技藝(ぎげい)
夜叉王と阿修羅が旅の途中で出会った踊り子。阿修羅のお母さん的存在となっていた。後に帝釈天の軍団に殺害される。
愛染明王(あいぜんみょうおう)
声:こおろぎさとみ
帝釈天が反旗を翻した時に、遥か北の地へ逃げるも魔族と遭遇し、供の者を失う。OAV「氷城炎獄編」では、寂しさのあまり魔族とともに生きることを選ぶが、原作ではその美しい姿を奪おうとした魔族に食われてしまう。

OVA

スターチャイルドからOVA化されている。同作では『聖伝-リグ・ヴェーダ-』と表記された。

第一巻:「氷城炎獄篇」 第二巻:「双城炎雷篇」

関連項目

  • 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』
    • CLAMPの歴代作品のキャラクターが登場する作品で、本作からは阿修羅、蘇摩、龍王、阿修羅王、夜叉王、倶摩羅天、乾闥婆王などが登場している。「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-の登場人物#紗羅ノ国(しゃらのくに)」も参照。
  • 『天空戦記シュラト』
    • 1989年に放送された、インド神話をモチーフに、八部衆をメインキャラクターにしたテレビアニメ。CLAMPは同作品のサウンドトラックのイラストを一部担当し、同人誌も作成している。

外部リンク

th:ฤคเวท ศึกเทวยุทธ์