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蒼天の拳/原哲夫

共有

著者: 原哲夫
巻数: 全22巻

原哲夫の新刊
蒼天の拳の新刊

最新刊『蒼天の拳 22


出版社: 新潮社
シリーズ: バンチコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

hyperbonus 南斗聖拳 『公式 北斗の拳VS蒼天の拳 オフィシャルガイドブック』の「拳法概論」によるところ、南斗聖拳の流派は「最盛期には1000派を超え、核戦争によって20世紀末には108までに激減」とされる。 #hokutonoken

蒼天の拳の既刊

名前発売年月
蒼天の拳 1 2001-10
蒼天の拳 2 2002-01
蒼天の拳 3 2002-05
蒼天の拳 4 2002-08
蒼天の拳 5 2003-01
蒼天の拳 6 2003-05
蒼天の拳 7 2003-09
蒼天の拳 8 2004-01
蒼天の拳 9 2004-05
蒼天の拳 10 2004-08
蒼天の拳 11 2004-12
蒼天の拳 12 2005-03
蒼天の拳 13 2005-07
蒼天の拳 14 2006-01
蒼天の拳 15 2006-07
蒼天の拳 16 2007-02
蒼天の拳 17 2007-09
蒼天の拳 18 2008-03
蒼天の拳 19 2008-10
蒼天の拳 20 2009-03
蒼天の拳 21 2009-12
蒼天の拳 22 2010-11

蒼天の拳』(そうてんのけん)は、原哲夫による日本の漫画作品。『週刊コミックバンチ』にて2001年創刊号から2010年39号(休刊号)まで連載された。

作品概要

かつてのヒット作品『北斗の拳』の過去を描く物語で、北条司の「エンジェル・ハート」(シティー・ハンターの実質的な続編)と共に掲載誌『週刊コミックバンチ』の中心的役割を果たしていた。コミックバンチ創刊準備号および創刊号の表紙を飾り、紙面最初の1ページ目を巻頭カラーで飾った作品である。単行本は2010年11月現在で22巻を持って完結した。最終回では「魔都上海編:完」と記されているがその後の続編については不明である。

雑誌『ラジャー』Vol.001(ゴマブックス・2006)の取材に答えた堀江信彦バンチ編集長によると、本作品は『北斗の拳』サーガの「エピソード3」、週刊少年ジャンプに連載された『北斗の拳』は「エピソード4」にあたるという。

『北斗の拳』と同じく原哲夫が作画をしているが、今回は堀江信彦が原作執筆をしている蒼天の拳 DVD Vol.9 特典映像「原哲夫×堀江信彦 対談」より。前作『北斗の拳』で原作執筆を担当していた武論尊は今回「監修」に回り、アドバイザー的な立場とされている漫画街 武論尊コラム 第9回。本作では前作のような豪快過激な暴力描写や、武士道やキリスト教的感傷性豊富な教訓譚などはあまり見られず、絵以外、基本的作風が異なる人体爆発描写の抑制については、昨今の社会事情を鑑みての事と原哲夫がコメントしている。ただ、『北斗の拳』でもあった漢の生き様や愛、友情などのテーマは本編を通じてしっかりと描かれており、本作品では「朋友」がテーマになっている。

主人公は北斗神拳伝承者の霞拳志郎で、『北斗の拳』のケンシロウの2代前の伝承者であり、ケンシロウの血縁的描写があるものの、関係ははっきりとしていない。ケンシロウがストイックで無口であったのに対して、霞拳志郎の人を食ったような言動や性格付けは、同じく原哲夫による連載漫画『公権力横領捜査官 中坊林太郎』の主人公である中坊林太郎に近い。これは「もし中坊林太郎が北斗神拳を使えたらどうなるだろう……?」という、原哲夫が打ち合わせの席上で漏らした一言が企画の端緒であり単行本2巻 巻末記事より、原・堀江の感じるヒーローの理想像を窺うことができる。なおケンシロウが20代前半として描写されていたのに対し、霞拳志郎は30歳ぐらいとして描写されているため、大人のキャラクターとしての性格が強い

舞台設定は1935年頃の主に上海蒼天の拳DVDでの原哲夫と堀江信彦との対談では、作品の性格上、或る程度の無法地帯を必要としたため、それが当時の上海を舞台として選んだ理由だとしている。。日本を含め海外の列強勢力が多く入り込んでいる当時の中国の状況当時は中華民国が統治していたが、蒋介石の国民党政府は必ずしも全土を制圧しておらず、軍閥の勢力も猶根強かった。を踏まえ、様々な社会的立場のキャラクターが登場する点は、核戦争によって文明と秩序が崩壊し単純化された世界を舞台とした『北斗の拳』との大きな違いの一つ。一方、それらのキャラクター同士の接触・対話の比重が多いため、『北斗の拳』ほどには北斗神拳を駆使して戦うといった場面は見られない。また、ストーリーや設定には『北斗の拳』と相容れない部分も多い。

登場人物

“声 - ”は特筆した場合を除きテレビアニメ版/CR・パチスロ版の順。キャスト欄が-印の場合は該当の媒体、表記無しの場合はいずれにも登場しない。

拳士

北斗神拳

霞拳志郎(かすみ けんしろう)
声 - 山寺宏一/山野井仁(ケータイバンチの着ボイス - 神谷明)
本作の主人公。第62代北斗神拳伝承者。寧波で生まれる。頭部には北斗七星の形の痣があり、リュウケンはこの痣を受け継いだケンシロウに兄の再来と期待をかけた。ケンシロウとはまた違ったタイプの人物で、どこまでも奔放かつ、朋友のために戦う男である。上海でマフィアや拳法家を相手に腕を磨き、「閻王」(えんおう)として暗黒街でその名を轟かせる。一時期上海から姿を消し日本で暮らしていたが、朋友のために再び上海に舞い戻り、これにより北斗の宿命が動き出す。北斗神拳伝承者としての拳志郎の強さはすでに極まっており、劉宗武との戦いでは究極奥義「無想転生」を繰り出した(ケンシロウやラオウのものと同一なのかは不明)。本を一冊丸ごと覚えて複書本を作ったり、女子大の講師をしたり、ドイツ語のカルテを読めたりと頭脳も非常に優秀。また犬並みの嗅覚、直観像記憶能力(一度見たものを写真のように記憶し、忘れない力)の持ち主でもある。「儞已經死了(読みはニイイチンスラ…お前はもう死んでいる、という意味の中国語)」や「北斗の文句は俺に言え!」というセリフが決め台詞。ヘビースモーカーで、いつでもタバコを吸っており、ギーズや夏文麗に事あるごとに注意されているが本人は血管を締めるためと意に介さない。父、霞鉄心と同じく、極十字聖拳の使い手である流飛燕との戦いで背中に十字型の傷を負っている。
霞羅門(かすみ らもん)
声 - 麦人(少年時:近藤隆)/大塚周夫
拳志郎の弟(異母兄弟)で、後の第63代北斗神拳伝承者リュウケン。まだ子供で未熟なため(それでも並みの拳法使いならあっという間に倒す力はある)銃を手にした玉玲に圧倒される場面がある。物語冒頭では、まるでケンシロウの実父のように描かれている。アニメでは上海に旅立つ拳志郎を見送りに自転車で港へ向かうシーンがあった。
霞鉄心(かすみ てっしん)
拳志郎・羅門の父で第61代北斗神拳伝承者。無敗の拳仙・李散や極十字聖拳の魏瑞鷹と闘った過去を持つ。魏瑞鷹には背中に十字型の傷跡を刻みつけられた。2人の息子の内、拳志郎には北斗宗家の血統の証である「頭部に北斗七星の痣」があるのに羅門(リュウケン)には痣が無い。拳志郎と羅門が異母兄弟の関係にある事を鑑みれば鉄心は北斗宗家の血統を有さない「拳法としての北斗神拳伝承者」であり、拳志郎が有する北斗宗家の血統は母親から受け継がれたものと推測される。
なお、鉄心は拳志郎に実の母親(劉月英)については決して語らなかったが、それは彼女を愛しつつも、拳志郎の育ての母にして羅門の実の母である妻に対する優しさゆえであり、拳志郎はその事実を承知して決して鉄心を恨まず、むしろ尊敬していた。
シュケン
声 - -/大塚周夫
北斗神拳創始者。本作では約2000年前、受け技が極められた北斗宗家の拳に秘孔の技を取り入れるため、西斗月拳伝承者に弟子入りしてその技を学び取り、北斗神拳を創始したという設定である。詳細は北斗宗家を参照。
拳志郎の祖先
「天授の儀」にて拳志郎が見た過去(平安時代、戦国時代)のビジョンに登場する。
平安時代のビジョンでは、空海と共に遣唐船に乗って日本に旅立とうとする3人兄弟の姿が映る。長兄はラオウ、次兄はトキにそれぞれ酷似し、そして末弟は額に北斗七星の痣を持った、幼い拳志郎(またはケンシロウ)に酷似した少年である。拳志郎は、涙ながらに母と最後の別れの言葉を交わす末弟と、母と生き別れた自分の人生を重ねた。
戦国時代のビジョンでは、本能寺の変で焼ける本能寺の中で、織田信長と対面する青年の姿が映った。この青年の語るところによれば、北斗の拳士は三国志の英雄のみならず、それぞれの時代の「英雄の星を持つ者」を代々守護し続けてきたとの事である。互いに北斗天帰掌を交わした後、信長は安らかに微笑みながら「余も天に帰ろう」の一言を残して炎の中に消えた。

北斗劉家拳

別名を北斗琉拳という。

劉宗武(りゅう そうぶ)
声 - -/玄田哲章
北斗劉家拳伝承者。ナチスに与しドイツ軍の将校(階級は少尉)となり、強さと争乱を求める。コミックスの帯には「あのラオウを超える暴君現る」と書かれていた。魏瑞鷹をして、もし宗武と同世代であったら早死にしていたと言わしめるほどの力を持つ。劉家拳の使い手であることを象徴してか、ラオウやカイオウを髣髴とさせる容姿をしている。
少年時代、杜天風に父を殺されてから孤児となり各地を浮浪していたが、そこで老齢ながらとてつもない実力を有する玄信と出会い、始めは玄信に勝ちたいという思いから戦いを挑むが返り討ちにされてばかりいた。だが、その心を評価した玄信から弟子入りを許され、北斗劉家拳の修行を開始する。しかし、修行を進めていく内に師玄信への尊敬の念とは別に、自らの力におぼれついには「勝利さえも飽きた」という境地に達し、中国を飛び出してドイツ軍の将校になった末争乱を望むあまり平和への道を阻む存在と化してしまった。
拳志郎の力量に接することで「天授の儀」とは一切関係無く、純粋に拳志郎と戦いたいと願うようになり、剃髪して覚悟を表した。その宗武の姿はかつて宗武の不意を突いて傷を負わせたヤサカをも驚愕させた。
夏文麗(か ぶんれい)
声 - -/岡本麻弥
劉宗武のかつての恋人。深く劉宗武を愛しており、彼が大罪への道に進む時必死で止めたが、女であるから愛す、ならば女を捨てよと宗武に乳房を抉り取られる。この事を機に文麗は尼僧となった。その後、重病を患い死が迫りつつも拳志郎や宗武と接し、そこで宗武の心の変化を目の当たりにする。
今でこそ尼僧姿だが、宗武と始めて会った少女時代はまだ出家しておらず、一見すると普通の少女だった。しかし、この時点ですでに北斗劉家拳をある程度習得していた模様。
ジュウケイ
後の北斗琉拳のジュウケイ。日本軍の爆撃で死亡した妹に祈りを捧げてもらうため、飛燕が牧師となった教会に来る。祈りの後、自害しようとするが拳志郎に生きよと諭され、飛燕やエリカと一緒に暮らし始める。
劉玄信(りゅう げんしん)
北斗劉家拳先代伝承者。劉宗武の先代にあたる。老齢でも養子である宗武を寄せ付けない強さを見せる。若き日の鉄心が「天授の儀」を控えた頃すでに高齢であったものの、玄信は鉄心との戦いを望んでいたが鉄心は高齢の者と戦うことを躊躇い、「天授の儀」は取り止めとなった。しかし、そこには鉄心が玄信の娘月英と愛し合い、愛する者の父と戦いたくないという思いもあった。後にその事実を知った玄信は月英を出家させ、彼女の生んだ鉄心の子を手放させた。
宗武が成人した後、年老いるまで後継者を得ることができなかったわが身の不徳を天に詫びるために、護摩堂にて護摩行を行い、その猛火の中に己が身を投じて天に召された。その後、宗武は玄信の遺骨を常に肌身離さず身に付け、拳志郎との「天授の儀」が迫る中自らも護摩行を行った。

北斗曹家拳

張太炎(ちょう たいえん)
声 - 大塚芳忠/新垣樽助
北斗曹家拳伝承者・章大厳の子で紅華会一番頭・章烈山の異母弟。ただし彼の母の前夫の息子であり、厳密には大厳の実子ではない。紅華会の二番頭でもある。美女を好むが、その裏には親への屈折した思いが隠されている。拳志郎に敗北後は改心し、一子相伝の掟に従い、伝承者の章大厳を倒し曹家拳の伝承者となる。ギーズの妹ソフィーを殺した張本人であるため、改心した際にギーズによって×字の傷を顔に付けられ、その傷と痛みを一生忘れない事を誓っている。
天授の儀に際して、漁夫の利を得ようと両者の戦いを傍観するヤサカの前に再登場。ヤサカと拳の打ち合いや舌戦を繰り広げた。
拳志郎との戦いでは拳格の違いを指摘されたが、その戦いを星の運行により見ていた北斗の長老達には彼の力は玄妙の域に達していると評されている。
章大厳(しょう だいげん)
声 - 加藤精三/-
北斗曹家拳伝承者。例え息子であろうと非情に振舞い、巨大な烈山も父の前では小さくなる。一子相伝の厳しい掟に長男・烈山は耐えられないことを見抜いており政治家にさせ、次子・太炎に強さを見出しあえて血の繋がらぬ彼に曹家拳を教える。そして、太炎との一子相伝の掟による戦いの果て、太炎に倒され死す。
一星(いっせい)
声 - 長嶝高士/-
北斗曹家拳五叉門党(北斗曹家拳の一派)の一人。上海の女郎屋・桃華荘で拳志郎と戦い、自白する秘孔を突かれたが自ら命を絶った。
二番星(にばんぼし)
声 - 上別府仁資/-
五叉門党の真の使命は張太炎が章大厳を越えるまで仕えることであった。拳志郎に太炎が敗れた時、自らの命と引き換えに太炎が曹家拳の伝承者となるまでの命を拳志郎に請う。

北斗孫家拳

芒狂雲(ぼう きょううん)
声 - 梁田清之/東地宏樹
霊王」(れいおう)を名乗る。北斗神拳を越えることを目指しており禁断の奥義「狂神魂」「秘孔変位」を身に付ける。しかしその奥義を身に付けるために阿片の力を借りたため体は崩壊寸前であった。拳志郎と戦っている最中、紅華会の田たちの銃撃を受ける。崩壊寸前の肉体では避けることができなく、拳志郎が彼を抱え蘇州江に飛び降りる。その後、拳志郎に玉玲が生きていることを告げ、その生涯を閉じる。耳が良く、百メートル先の囁き声まで聞こえる。許婚であった拳志郎の恋人・玉玲を愛し、紅華会から守るため記憶を奪い、馬賊に託した。
シャルル・ド・ギーズ
声 - 楠大典/置鮎龍太郎
青幋に協力するユダヤ系フランス人のフランス陸軍情報武官。階級は大佐。上海生まれで、霊王と共に孫家拳を学ぶ。ユダヤの楽園を夢見る。北斗孫家拳を「護身術」と言い切り、それを使用することは滅多にない。当初は拳志郎や青幇を自らの目的のために利用していたが、その過程で何度か互いに助け合う内に拳志郎を心から信頼するようになり、拳志郎からも朋友と認められる。葉・子英親子をはじめとする青幇の面々からも慕われており、潘光琳とはウマが合っていた。後にエリカをめぐる武装SSとの暗闘の果て、立場上味方のはずで死鳥鬼と呼ばれる流飛燕から「オラァより強くないとエリカは守れない」と戦いを挑まれ、敗れて致命傷を負う。だが、自ら秘孔を突いて安らかに死なずに苦痛が長引くのを代償に命を延ばし、拳志郎に飛燕や希望の目録を持つエリカの存在を伝え、エリカを守る事を託す。その後、拳志郎と玉玲に見守られながら眠るように絶命した。
ちなみに、作中「北斗孫家拳を操る人間が銃を使えばどうなるか」という趣旨の発言をしながら銃を構える場面があるが、「北斗の拳」ではジャギが北斗神拳の使い手でありながら重火器を用いている。このとき、ギーズは銃弾の軌道を曲げる技を披露しているが、本来ギーズは銃よりもサーベルを使う方が多かった。
孫家拳の師父
声 - 沢木郁也/-
狂雲やギーズの師匠。狂雲が北斗神拳伝承者と戦うことを制止したが、「秘孔変位」を会得した狂雲に殺されてしまう。

極十字聖拳

魏瑞鷹(ぎ ずいよう)
北斗劉家拳を離れて流派を興した達人。見た目は下品だが実に豪快な性格。北斗神拳を倒せると言い劉家拳を出る際、自らの油断で右足に毒矢を受け、その慢心を師父から指摘される。礼がわりにその右足を切断し置いて行った。その後、当時の伝承者だった鉄心と闘い彼の背中に十字架の傷を負わせたが、激闘の末敗北する。しかし、彼の右足が義足である事を悟った鉄心はその才能を惜しみ、次代の伝承者で決着を付ける事を望み、命は取らなかった。その後は孤児だった白鳳と飛燕に、自らの技を伝授しこの世を去っていった。
彪白鳳(ひょう はくほう)
飛燕の兄弟子。白鬼と恐れられるほどの使い手。幼少期に貧困に苦しんだ経験から共産党の革命戦士となるも、拳法家として拳志郎との戦いに臨む。しかし、拳志郎が子供を助けたため一旦勝負を預ける。後、革命戦士達のアジトにてエリカを連れた飛燕と再会するが、不用意に窓のカーテンを開けた結果エリカを追ってきたドイツ軍にその身を晒してしまい、一斉射撃を受けて命を落とす。拳志郎との対決時にはレストランの店員も驚愕するほどの巨大な体躯だったが、その後縮んでしまっていた。少年期に苦楽を共にした飛燕には「あんちゃん」と呼ばれ、敬愛されていた。
流飛燕(りゅう ひえん)
声 - -/子安武人
物資輸送の警護を生業とする北平漂局で「死鳥鬼」(しちょうき)と呼ばれ、馬賊も恐れる凄腕の使い手。しかし、護衛していたエリカの温もりに触れ、彼女を命懸けで守ろうとする。死地に赴く時、鬼と化すために血で化粧をする。ドイツ軍の襲撃で命を落とした白鳳に代わって、拳志郎と激闘を繰り広げるが、敗北。その後は彼の朋友となり、牧師のふりをして教会に乗り込み、エリカやジュウケイ達沢山の孤児の面倒を見ていたが、ヤサカの不意打ちを受けて秘孔を突かれ、捕らえられる。その後ヤサカと闘って傷を負わせるが敗れ、拳志郎に助け出されるがすでに致命傷を負っており、エリカを悲しませまいと拳志郎に小船で一人出航させてもらい、エリカを想いながら右手で唇を笑わせて息を引き取った。一人称は「オラァ」。

西斗月拳

ヤサカ 
声 - -/若本規夫
緑色の目をした男。杜天風の用心棒として拳志郎らに闘いを挑む。北斗神拳を憎悪しており、北斗の名を冠する傍流はおろか偽者すら容赦しない。劇中では自ら閻王を騙る偽者の用心棒に対して、彼が閻王(拳志郎)の偽者と知りながら秘孔を突き、笑みを浮かべながら殺した。女を決して手にかけないという信念を持つが、反面男に対してはこの限りではなく、飛燕を捕らえる際には少年を囮にした(もしこの時飛燕が少年を守っていなかったら、少年はヤサカの飛び道具によって無事ではすまなかった)。
杜天風に迫った宗武に襲い掛かり、当の宗武が敵を討てると半ば油断していたその隙を突き、傷を負わせ天風を逃がす。新月の夜に「月氏の神への生贄」として飛燕と戦い、致命傷を負わせた直後に拳志郎と遭遇し戦うも、日本軍と国民党軍との戦いが迫ってきたので戦いを中断して去る。その後、拳志郎との「天授の儀」を控えた宗武を殺すべく宗武の前に姿を現すが、剃髪しヤサカいわく「生きることに無気力ゆえにあったどこか投げやりな隙」が無くなった宗武の姿を見てその実力や才を見抜く。そして、そんな宗武が北斗神拳1800年の歴史に終止符を打つかも知れぬという思考に北斗に対する怨讐の念すら霞むほど拳法家としての本能を痺れさせられ、「死合いの勝者を屠れば事足りる」と言い放って宗武との決着を見送り、天授の儀を傍観することを決める。
北斗神拳を憎悪しているが、実は彼こそシュケンとヤーマの子孫その人であった。
ヤサカの名は古代ヘブル語で「神を見る」を意味し、ヤサカ自身も神が見えていることを示唆する発言をしている。
ヤーマ
二千年前に歴史の闇に消えた西斗月拳の女弟子。シュケンを愛し、シュケンの子を身ごもっていた。しかし、シュケンが平和のためにあえて西斗月拳を封印しようとしているのを目の当たりにし、シュケンへの愛からそれを抵抗無く受け入れ、「平和を成すには悲しみを知る必要がある」とシュケンの目の前で投身自殺した。しかし、彼女は狼に助けられて死にきれず、シュケンの子を出産し親子2人で生きていこうとするがそれを認めぬ月氏の人々に追われ、「裏切り者シュケンの子のみを殺す」と主張する彼らに追い詰められる。しかし、我が子への母として抱く愛と、月氏の人々に対する同朋意識から彼女は月氏の1人から奪った剣で誰一人傷付けず、「私の命と引き換えにこの子の命を」と自ら胸を突き、自決した。
シュケンとヤーマの兄弟子
弟弟子のシュケンや妹弟子のヤーマの面倒を見ていた西斗月拳の弟子。しかし、新月の夜に西斗月拳を封印する使命を帯びたシュケンから涙ながらに一撃を受け、最初の犠牲者となった。死の間際、ヤーマがシュケンの子を身ごもっていると打ち明けた。
シュケンとヤーマの子
ヤーマがシュケンと愛を育む中で身ごもり、投身自殺に失敗した後で出産した赤ん坊。だが、ヤーマの思いとは別に月氏の人々からは「裏切り者シュケンの子」と蔑視され、この世に生きる事すら認められなかった。その結果ヤーマを失い、泣きじゃくるその身に刃を向けられるが彼らの統率者から「この場に置き去りにしてもいずれは死ぬが、天が望めばヤーマの願いは叶えられる」と置き去りにされ、そこに現れた狼から乳を与えられ生き延びた。
この子の子孫こそが、北斗神拳を憎悪するヤサカである。
声 - -/高乃麗
月氏の遺跡に入った拳志郎の前に姿を現した、人の言葉を話す狼。その正体は、かつてシュケンに殺された月氏の怨念の集合体であり、シュケンや北斗神拳への恨みからこのような姿になった。拳志郎に襲い掛かるがその拳志郎がシュケンのごとく涙する姿を見て、攻めの手を止めた。そして、シュケンの悲しみが消えないように自らの恨みも消えぬと言い残し、本来の姿に戻る。それは1人の女性の遺体で、それを見た拳志郎は「まさか、これがヤーマ?」と言った。
古くはヤーマとは別の存在で、彼女が投身自殺したのを彼女や身ごもった子供、そしてシュケンに更なる試練を与えるかのごとくその命を救い、結果としてヤーマの「母親としての死」とヤサカに連なる「北斗神拳を憎悪する、シュケンの血筋」を残した。拳志郎は宗武との戦いを終えた直後、その事実を知らされた。

拳士以外

主要人物

潘光琳(はん こうりん)
声 - てらそままさき(少年時:高城元気)/石塚運昇
拳志郎の朋友。上海の秘密結社「青幇」の総帥。翁洪元の養子となり、若き幹部として青幇を仕切る。その後、拳志郎が上海を去るのに伴って勢力を拡大した紅華会の呉東来に捕まり、凌遅刑により足を失ったが、上海に戻った拳志郎らとともに紅華会を追落として、青幇を復活させ、幇主の座に昇る。しかし章烈山の殺し屋に襲われ、車椅子での生活を余儀なくされる。後、妹の玉玲が青幇を継いだ。
潘玉玲(はん ぎょくれい)
声 - 久川綾/冬馬由美
潘光琳の妹。拳志郎の恋人(後に妻)。霊王の許婚であったが、拳志郎を愛していた。そのため霊王は記憶を奪い、馬賊に託した。その後、紆余曲折を経て拳志郎と再会、記憶が戻り、彼と結婚した。後、潘光琳が銃弾を受け、車椅子での生活を余儀なくされてからは、新たに「青幇」の総帥になる。拳志郎は玉玲を「虫も殺せない女」と評していたが、馬賊時代より、銃の達人となる。大川中将にして「大陸に咲く大輪の花」といわせる程の美女。
楊美玉(やん びぎょく)
声 - 大原さやか/浅川悠
中国の有名女優であり潘光琳の恋人。潘兄妹とは小さい頃から過ごしてきた仲。呉東来に何度も言い寄られたが、潘を愛しており、その信念を曲げなかった。後に玉玲の記憶を戻すために拳志郎に協力した。潘曰く「面食い」だが、自分の容姿に対する自慢の台詞と思われ、楊自身は否定している。

北斗関係者

美福庵主(みふくあんしゅ)
声 - -/篠原恵美
北斗劉家拳の菩提寺・泰聖殿にいる女性。心を読むことが出来る。年齢は初老を超えているが、それを感じさせない容貌を持つ。
泰聖殿で拳志郎と対面し、彼の父鉄心や生みの母に対する思いを聞き、闘気で岩を砕く様を見て深く感動する。それは、彼女こそが拳志郎の実母にして、北斗劉家拳先代伝承者劉玄信の娘劉月英張本人であったからであり、玄信の命で手放した拳志郎が成長したことを喜んだ。

青幇

李永健(り えいけん)
声 - 佐々木梅治/-
かつては「睡龍」と呼ばれ、青幇随一の毒使いであったが、紅華会により両足の指を切断されてしまう。拳志郎に潘光琳、玉玲のその後を伝えるため溥儀の毒見役となって来日。一緒に過ごす中で拳志郎が穏やかな暮らしを手に入れたことを知り、久々に会えたことを感謝する手紙だけを残し、藩たちのことは知らせずにひっそりと去る。その後、セメント工場に身を投げて自害しようとするが、拳志郎との対決を望む金克栄に、彼を呼び寄せるための人質として捕らえられた。金は対決が終わり次第病院に連れて行くと約束していたが、既に体は病のために限界だった。拳志郎に玉玲が亡くなったことを伝えた後、眠るように逝く。
葉(よう)
声 - 有本欽隆/檜山修之
青幇の幹部で、潘光琳の右腕を勤める。二丁拳銃による早撃ちの名手。紅華会の処刑遊戯の炮烙によって全身に火傷を負ったため、全身に包帯を巻いている。割と出番のあるキャラクターだが、フルネームは判明していない。
葉子英(よう しえい)
声 - 佐藤雄大/-
葉の一人息子。紅華会に殺されそうになったところを拳志郎に救われる。風呂にあまり入らなかった時期もある。
ジダンダール
フランス租界の前巡査総長。青幇の後ろ盾を勤めていたが、紅華会により殺され、ロシア人の娼婦と心中したかのように黄浦江に浮いていた。
沈(ちん)
声 - 秋元羊介/-
青幇のメンバーであったが、青幇狩りで朱に殺される。
翁洪元(おう こうげん)
声 - 有本欽隆/-
潘光琳と玉玲を引き取り育てた養父。青幇の幇主に昇りつめるのが野望であった。そのために時の幇主魏教父暗殺を決意し、青幇にとって手柄を立て過ぎて次期幇主と目された潘にその実行役を任せた。しかし、潘が暗殺を実行しなかったため霊王に玉玲を報酬として依頼。なおかつ潘も邪魔になり殺そうとした。その果てに潘から銃口を向けられるも、潘に撃つことはできずそこを返り討ちにしようとしたが、拳志郎に秘孔を突かれ眠りながら死亡した。誕生日はクリスマス当日。
魏教父(ぎ)
青幇の幇主。幇主の座を狙う翁洪元に依頼された霊王によって暗殺される。名前だけ登場した。
景(けい)
声 - 上別府仁資/-
1年前、霊王がやって来ることを告げ、玉玲に逃げることを促した初老の男。直後、霊王に殺された。
宋全徳(そう ぜんとく)
青幇の幹部の1人。北斗曹家拳五叉門党の襲撃にあい殺されるが、血文字で潘達に五叉門党の出現を知らせた。
高(こう)
おそらく青幇の幹部。章烈山が送り込んだ馬賊が上海で暴れた時、潘に兵隊を貸してくれるよう頼んだ。
黄金栄(こう きんえい)
作中では名前だけ登場。かつての青幇のボス。
夏(か)
青幇の六番頭。章烈山の狙撃兵により銃殺された。作中では名前だけ登場。
顧(こ)
青幇一の殺し屋。顔付きが梟に似ているため、「フクロウの顧」と呼ばれる。慌てているときは「ホーホー」と言う。小心者だが、「拳志郎のような漢に朋友と呼ばれたい」と自らの死を覚悟の上で彼の躯を拾おうと同じ事を考えた青幇のメンバーと共に拳志郎と章烈山の対決を見守った(結局拳志郎は無事生還したが)。
孔(こう)
通称「ノミの孔」。羅虎城よりも小さいが読唇術を心得ている。右手はフック船長のような義手をしている。あまり風呂に入らない。
張(ちょう)
杜天風の元にスパイとして潜入していた。玉玲が乗船する船に合図を送っていたがヤサカに見抜かれ、体に火をつけ自害した。

紅華会(こうかかい)

章烈山(しょう れつざん)
声 - -/楠見尚巳
元北洋軍閥。国民党西北軍総司令(元帥)で、紅華会の御大(一番頭)である。北斗曹家拳伝承者・章大厳の長男で、張太炎の異母兄。ものすごく巨大な男で2mの人間も片手に乗せることができる。しかし本人は大きいと呼ばれることが大嫌いであり、周囲の者に自分の大きさを感じさせるなと厳命している。そのため周囲の人間は色々と苦労をしている(たとえば烈山が使えるサイズの電話機を完成させ、最初は喜ばれていたが、直後に「象の耳かきか?」と言われ、作り直すよう命令された件など。なお大型トラックを改造しあたかも普通サイズの乗用車であるかのごとく偽装した自動車は、章に大いに気に入られた)。ちなみに男性器のサイズだけは普通人と同じであると告白しており、女性に関しては小柄な者が好みである。戦う時は釵を武器として使う。拳志郎と対決するが、敵うはずもなく、その場に現れた太炎から父・大厳の死と、大厳が烈山の性格から一子相伝の曹家拳の修行に耐えられないという親心のために政治家にしたという事実を知って改心。大厳の真意に気付けなかった事を恥じて太炎に眼を潰させる。アニメでは尺の都合から登場せず。
張太炎(ちょう たいえん)
声 - 大塚芳忠/新垣樽助
紅華会の二番頭で、烈山の異母弟。詳細は、#北斗曹家拳へ。
黄西飛(こう せいひ)
声 - 秋元羊介/川津泰彦
紅華会の三番頭。神に懺悔すれば(具体的には金を寄付すれば)自分の犯した罪が無くなると信じていた。かつて拳志郎に顔半分を吹き飛ばされる常人なら確実に即死している大怪我を負い、上海を去ったが、サイボーグ手術を受けて復活。拳志郎がいなくなった後、上海を牛耳り紅華会の威勢を市民に知らしめるため、大新世界にて処刑遊戯を行っていた。大新世界で処刑遊戯の果てに拳志郎に追い詰められた際、両腕に仕込んだ暗器で襲い掛かり、顔に傷を負わせるも頭の秘孔を突かれる。最期は「今度こそ上海を去る」と拳志郎に命乞いをしたが、「いや、もういい。この世を去れ」と拳志郎に言われ、死亡した。追い詰められたりすると吹き飛ばされた頭の傷が疼き、「あ・い・た」と連発することから、彼の口癖となっている。なお、よく心の独り言ではよく語尾に「じゃん」をつける若者言葉で喋る。
呉東来(ご とうらい)
声 - 茶風林/大久保利洋
紅華会の四番頭。かなりの女優狂いで、彼に惚れられたため自殺した女優がいるほどであるが、全く懲りない(厚顔にも、その女優を弔う墓を作っている)。潘光琳の恋人である楊美玉に迫るが、美玉が潘光琳しか愛さないことを知る。その後美玉に裏切られたと一方的に思い込むと、その恨みから潘を広東料理「龍虎闘」のメインディッシュにしようとするが、拳志郎によって逆に油の煮えたぎる鍋に放り込まれ、煮殺される。かつて拳志郎にやられた傷の後遺症で首を自力で傾けることが出来ず、レバーを回して角度調整する必要があるが、銃撃はかなり早い。また、車椅子を利用しているがこちらは偽装で本当は足は自由に動く。その上、靴底にバネを仕込んで素早く飛び回ることも可能。
話が閻王(拳志郎)のことになると「で、首はいつ届く」と我を忘れる。その際に拳志郎への恐怖のあまり部屋に入ってきた者に向けて銃を乱射しまくるため、大体の者が殺される。そのため、この台詞は彼の部下の間では「死亡フラグ」となり、呉に性的な奉仕をしていた女性たちすら、この台詞を聞いたら反射的に逃げ出すまでになった。
なお、原作ではよく「」呼ばわりされていたが、後述のブタオの事項でもふれる様にブタという表現が少し過激ということもあり、アニメ版では「トド」に変更されていた。煮殺された時でも、原作での「豚の姿揚げ」に対し、アニメ版では拳志郎の台詞は「トドの唐揚げ」になっている。
田学芳(でん がくほう)
声 - 稲葉実/島田敏
黄と呉の死亡後に、(おそらく黄の後継として)紅華会の新三番頭に昇格した男。「水虎(シェイフー)の田」こと、「カッパハゲの田」(拳忘郎は「田ガッパ」と呼ぶ)の異名を持つが、本人はそう呼ばれるのをかなり嫌っており、非常に重い鋼鉄の鬘をボルトで頭蓋骨に固定して隠そうとしている(周囲からはすぐに気づかれている)が、そのお陰で事故に遭う事が多くなっている。また、髪に関する同音異語にも敏感であり(例:「ケガないか」→「毛がないか」)、バレそうになった時には慌てて周囲の人間を殺してしまう事もしばしば。拳志郎には両手を潰されたらしく、両手共に鉄製になっている。最期は大浴場(銭湯場)にて、拳志郎に関節をはずされた上、風呂に投げつけられ、重い鬘のせいで浮き上がる事ができず溺死。死後、鬘は青幇に回収された。パチスロ機の演出では黄と呉が田の体ごと拳志郎にぶつける「田学砲」なる技を見せている。
陳永祥(ちん えいしょう)
声 - 二又一成/-
紅華会の新七番頭。「イタチの陳」と呼ばれる。屁と商売が臭くて有名。かつて上海で北大路剛士を狙った際、ラーメンを食べようとした拳志郎を邪魔してしまい、ラーメンの器の砕けた部分で半殺しにされた。昔は貧乏猟師だった。右手が義手になっていてサブマシンガンなどを装備可能。最後は張太炎に証文を返され、紅華会新二番頭に昇格したが直後水死。なおこの時は、名前が陳狷民(ちん けんみん)になっていた(おそらく字(あざな)と思われる)。紅華会の頭の中では性格的にまともな部類に入るが、先述の北大路剛士を狙った時に居合わせ気絶していた綾を「用が無い」という理由で撃ち殺そうとする、ヤクザらしい冷酷な面もある。アニメでは大炎を助けて拳志郎を殺そうとするも、ギーズによって倒される。しかしそれでも生き残り、紅華会を復活させようとする。
憑英正
声 - 宝亀克寿/-
鉄の顎の紅華会幹部。噛み合わせの際のポグポグという音が特徴で、大変グルメな男。やや悲観的である。最期は描かれていないので生存説があるが詳細は不明。アニメでは葉に撃ち殺されている。
沐大洪
声 - 天田益男/-
紅華会幹部。後頭部のあたりが機械化している。丸いサングラスが特徴。アニメでは葉に撃ち殺されている。
朱(しゅ)
声 - 西嶋陽一/-
青幇狩りで沈を殺した男。過去に何度も阿片泥棒をしていた度に、沈に助けられていたらしい。
朱富徳(しゅ とみとく)
声 - 西嶋陽一/-
張亡き後の大新世界新支配人。ネズミの朱と呼ばれていた。潘に撃ち殺される。アニメ版ではキャラクターデザインなどが大きく変更された。
ゴラン
声 - 園部好徳/-
大新世界で青幇の拳法使いを処刑してきた男。仏領インドシナでボクシングやムエタイを会得し上海のチャンプとなる。拳志郎と戦うために上海へと来るが、処刑遊戯にて拳志郎に殺される。3つ以上の数が数えられないほどの頭脳の持ち主。アニメ版では「オラオラシュッシュッ、オラシュッシュッ、オラオラシュッシュッ、オラシュッシュッュー」という名言を残した。
張(ちょう)
声 - 天田益男/-
葉の子分であったが紅華会に寝返り大新世界の支配人となる。昔風呂屋で爪切り屋をやっていたがそれを言われるとキレる。拳志郎を銃撃しようとするがギーズに腕を切り落とされる。
ジャン・カルネ
声 - 池田勝/-
ジダンダール死亡後に後任となったフランス租界巡査総長。紅華会と組み青幇虐殺に加担する。フランス本国に紅華会との癒着が露見し、本国に召還さそうになるが、ギーズから偽造パスポートと南米行きの船券を渡され休養するよう言われる。だが出港直後、ギーズからその情報を得た潘光琳に銃殺される。
司祭(しさい)
声 - 田中総一郎/長嶝高士
悪徳神父。黄西飛に対して神に悪行を許してもらえるためとして、暗に金を要求していた(黄は喜んで聞き入れていた)。また、懺悔に来た青幇の者達の事を紅華会に流すなど卑劣な事をやっていたため、復活した潘光琳から報復を受けた。
マルロー
声 - 仲木隆司/-
フランス租界警察の刑事科長。紅華会とつながっている。ギーズを上海から追い出すためソフィーを誘拐しようとしたが、恋人・ペーターが命がけで守ったため彼を殺した。記憶を取り戻したソフィーからギーズに知られることを恐れ、殺そうとしたが拳志郎に遭遇、秘孔により秘密をしゃべらされた後、拳志郎の怒りに触れ殺される。
周(しゅう)
声 - 青森伸/-
青幇から紅華会の田学芳に内通したスキンヘッドの男。青幇復活のパーティーで田の鬘をプレゼントされる。その後、葉に撃ち殺される。潘光琳とは元々兄弟分の同格で同僚からは兄貴と慕われていた。田の鬘を装着して傾斜してもその重さを感じさせないほど筋力が強い。
普(ふ)
声 - 園部好徳/-
地底を掘って進むことができる男。通称「モグラの普」。ペストノミが混入した麦を青幇の阿片倉庫にばらまく役目を負う。が、拳志郎に発覚して逆にペストノミを飲まされる。後、張太炎の元に逃げ、失敗したことを告げるが太炎に秘孔を突かれ死亡。
楊(やん)
通称「オカマの楊」。張太炎との連絡役で汗臭い男がタイプ。普段はオカマだがキレると男に戻り口調も荒々しくなる。油まみれになったところを拳志郎にタバコを落とされ爆死。
喬鋳成(きょう ちゅうせい)
上海市商界理事。語尾に「ダス」をつける。紅華会とグルで葉の子分を10人は殺した。海に浮いて助けを求めているところを葉に撃ち殺された。
蔡(さい)
少佐。張太炎が青幇に攻撃されていることを章烈山に報告した。
陸(りく)
紅華会系の銀行の支配人。

その他

愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)
声 - 家中宏/-
清朝最後の皇帝で満州国皇帝。暗殺の恐怖に常に怯え、来日の折、北斗神拳の使い手「閻王」こと霞拳志郎を護衛の近衛隊に入れようとした。しかし、毒見役の李永健が溥儀の近衛隊士に殺されそうになったため拳志郎の怒りを買う。ある夜、拳志郎と対峙した際、もはや中原の王ではないことを悟り、拳志郎に手元に残っていた剣を託す。
北大路綾(きたおおじ あや)
声 - 久川綾/-
拳志郎が講師を勤める藤和女子大学校の女学生で、同校創始者である北大路剛士の娘。拳志郎によれば汗の匂いが非常に特徴的らしい(臭いわけではない)。拳志郎に好意を持っている。アニメでは玉玲に酷似しているという設定になっている。
金藤政夫(こんどう まさお)
声 - 中多和宏/-
東和女子大学校の教頭で、綾と結婚し時期学長になるという野望を抱いている。禿げ上がった頭頂部を隠すため横髪を伸ばして頭に乗せているのが特徴。本人曰く、柔道二段、ソロバン八段、合わせて十段のツワモノ。何かと驚くたびに「まああぁーあ!」という悲鳴を上げる。アニメでは李永健の元に向かう拳志郎に車で案内させられ、拳志郎を振り落とそうとするが、買ったばかりの新車と一緒に川に飛び込んだ。その後壊れたはずの新車をボロボロの状態でも使いきろうとしていたが、マフィアによって再び海へと落とされる。
大原幸代(おおはら ゆきよ)
声 - 羽村京子/-
東和女子大学校の学長。寛容な性格で金藤教頭が拳志郎のことで告げ口しても、逆に拳志郎を褒めることが多い。
ブタオ
声 - 桜井敏治/-
溥儀の護衛の近衛隊の隊員。「ブタオ」は当然本名ではなく拳志郎に太った容姿をおちょくられ「ブタオさーん」と呼ばれたことから。ドブネズミとも呼ばれた。李を散々侮辱したため拳志郎の怒りに触れ殺される。因みにドラマCD版では「子ブタさん」、アニメではブタという発言が少し過激すぎることもあり、「カバ平さん」に変更された。
金克栄(きん かつえい)
声 - 大友龍三郎/-
溥儀の護衛の近衛隊第一隊隊長。八極拳の使い手。ほかに鉄扇も使用する。「河北の拳侠」の異名をとり、ユダヤ財閥の用心棒を務めていた頃、その強さに目をつけた拳志郎の挑戦を受け、引き分けた(漫画では具体的な描写はないが、アニメでは具体的に描かれた。上海での拳志郎との戦いで高速の蹴りなどを繰り出し、拳志郎と互角の戦いをした。その後、拳を鉄扇で防いだが砕かれ、その破片で胸に傷をつけたとなっている)。その時、拳志郎が北斗神拳を使用しなかったことその時の拳志郎はまだ伝承者ではなく拳法修行中の身だったため。を屈辱と感じ、李を利用して拳志郎をおびき寄せ再戦を謀るも、必殺の拳を腕一本で抑えられ、本能的な恐怖で体が動かなくなってしまい、ほとんど拳を交えないまま敗れた。戦いの後、拳志郎とは和解し、病死した李の遺体を中国へ連れ帰った。
北大路剛士(きたおおじ たけし)
声 - 佐々木勝彦/-
北大路財閥の総帥。日本軍や馬賊とも親交があり、非常にスケールが大きい人物として描かれている。拳志郎とは上海で紅華会の陳に襲われた所をたまたま居合わせた拳志郎に助けられたことから親交が始まる。ユダヤ人移住計画構想の協力者。ユダヤ人移住構想として実際の構想は河豚計画である。
謎の道士
声 - 池田勝/麻生智久
拳志郎の前に度々現れ「運命」について説く(問う)謎の老人で、拳志郎に羅龍盤を手渡した人物でもあり、占星術を極めている。拳志郎の他にも劉宗武、芒狂雲、潘玉玲たちの前にも現れている。「ホェヘヘヘ〜」という奇妙な笑い声が特徴で、一見すると背が低く薄汚れた老人だが非常に身が軽い。また、拳志郎や芒狂雲のような達人にも気配を感じさせなかったり、氣を操る術(すべ)も習得しており、指に氣を集中させて対象を突く「指突」でガラス製のグラスに穴を空けられるなど、謎の多い人物である。
洪(こう)
声 - 上別府仁資/-
ヘロインの売人。子英にヘロインを売らせていたが、紅華会の印紙がないことを理由に紅華会に殺された。
唐(とう)
葉の回想で登場。毒入りワイン(ブルゴーニュ産の年代物らしい)で潘を殺そうとするが拳志郎に見抜かれ、葉の早撃ちで殺される。
芳蘭(ほうらん)
黄西飛の第三夫人。浮気をしたため黄西飛に撃ち殺された。
崔(さい)
声 - 上別府仁資/-
楊美玉のボディーガード。南派洪家門五形拳の使い手。拳志郎が200万元の賞金首と知り、勝負を挑むがあっという間に敗れる。
林燐夕(りん りんゆう)
呉東来が入れ込んでいた女優で、呉によって自殺に追い込まれた。その後、呉は燐夕の墓の傍らに自分の先祖の霊廟を移した。
バーテン
声 - 西嶋陽一/-
熊笹徳三郎(くまざさ とくさぶろう)
声 - 古田信幸/-
北大路物産の上海支社長。ギーズといるところをパンダ顔の殺し屋に襲われ、拳志郎に助けてもらった時「笹だけにパンダに食われなくて良かったね」と言われた。
ソフィー
声 - 田中理恵/-
ギーズの妹。ユダヤ系フランス人。ナチスのユダヤ人狩りから逃走中に恋人・ペーターと身ごもった子供を失ったショックで記憶を失う。拳志郎のことをペーターだと思っていた。後に拳志郎の秘孔治療によって記憶を取り戻す。兄との記憶を取り戻して以来初めての再開を目前にして、張太炎の仕掛けた爆弾によって死亡する。
除詠進(じょ えいしん)
声 - 西嶋陽一/-
フランス租界公董局の秘書。張太炎の術にかかりギーズ暗殺を謀るも逆に殺されるが、死の間際にギーズに太炎の出現を知らせる。野良猫に餌をあげるいい人。
ペーター
声 - 神谷浩史/-
ソフィーの恋人。故人。ソフィーを守ったためシベリアでマルローに殺された。
梨花(りんか)
声 - 松下こみな/-
上海の高級娼館桃華荘の娼婦。もとは交産銀行の御曹司と結婚するはずだったが、張太炎によって結婚式当日に略奪される。張太炎に銃で挑むも、殺されそうになるが拳志郎に助けられる。
朱(しゅ)
黄浦江近辺で乞食をしていた老人。眼が見えない。玉玲を知っていることから、昔、青幇にいたらしい。
拳崎志郎(けんざき しろう)
日本軍に投降する李秀宝(玉玲)のために北大路が拳志郎を通訳とした。拳志郎が眼鏡をかけ七三になった姿。
李散(りさん)
張太炎に無影脚を直伝した人物。拳仙の称号を持つ。拳志郎の父鉄心と闘ったことがあるが敗れた。
チャン
声 - 上別府仁資/-
平和飯店のジャズホールのバーテンダー。玉玲にカクテルを出していた。
呉鉄城(ご てつじょう)
上海市長。羅虎城を迎える時、あまりにも小さいため目に入らず、後ろの衛兵を羅虎城と思い握手をしたために尻にナイフを受けた。
張(ちょう)
「時事申報」の編集主任。抗日の英雄・羅虎城の帰還を大々的に新聞に載せたことで章烈山から大金をもらった。
李集雲(り しゅううん)
北平漂局の漂頭。ハルピン駅で飛燕たちを待っていた。飛燕が言うにはドイツ軍に殺されたらしい。またこの際、エリカの直感像記憶と希望の目録の真相がドイツ軍に漏れた模様。
レビ博士
ハルピンのユダヤ人協会に所属する老人。ハルピンでエリカを引き取ったが、直後ナチスに殺される。
エリカ・アレント
声 - -/小池いずみ
希望の目録を持つ少女。サーシャという偽名を使用していた。目録を託された一家はエリカを除いてナチスに殺された。直観像記憶(一度見たものは忘れない力)により希望の目録を暗記している。
鮫島義山(さめじま ぎざん)
かつて孫文の中国革命を財政面で支えた人物で、日中の戦争を終結するための密使となるはずだったが、戦乱を望む劉宗武曰く「殺す価値がある」と暗殺される。
珍(ちん)
劉宗武の情報屋。飛燕や拳志郎、夏文麗の情況を報告する。拳志郎と宗武が戦っている時、金に目が眩み、国民党にその情報を流したため宗武に殺される。その際、宗武は「孫」と間違って呼んでいた。杜天風の情報屋でもある。
劉宗建(りゅう そうけん)
劉宗武の父。金貸しをしていたが義賊を騙る杜天風によって殺された。
杜天風(と てんぷう)
軍閥並みの勢力を誇る秘密結社「太湖幇」の総帥。瓶切りの技を使うなど拳法家としての腕前は相当なものだが、非常に用心深く、自らの腕前を信じて強敵と対峙する事は無い。また自己中心的で、自らを「泥棒」などと小物的に呼ばれることを嫌う。劉宗武からは親の仇として狙われている。極度の博打好きで麻雀、競馬、ドッグレース、ハイアライ、カジノのサイクルで回る。そして博打に負けることが大嫌いであり、自分が勝つためにはイカサマ三昧、負けた時は相手の指や腕を切り落として帳消しにし、それでも文句を言おうものなら殺してしまう。麻雀で負けた時にその傾向が強く、事前に上機嫌で「アガッてもいい」と言っておきながら、いざ自分が負けると「水に流そうや」の言葉と共に対戦相手の子分と雀卓を機械仕掛けの人工洪水で本当に流すことまでした。とにかく博打好きなため女性関係などは一切興味がなく拳志郎から同性愛者かとも疑われたが部下の口から否定されている。
ヘッケラーを抱き込み、ヤサカを雇うなど宗武そして拳志郎への対策を整え、数々の手を打つ。そして移動アジトである武装輸送船にて秘孔突き対策スーツを開発し、改良を施した結果、宗武の用意した潜水艦の魚雷攻撃で船が沈められたものの潜水艦に取り付く形で生き延びる(この魚雷攻撃は、玉玲が宗武をだまして行わせたもの)。そして、潜水艦の甲板上で一度はスーツの高圧電流で宗武の秘孔突きを防ぐも、最後には電気を通さない乾いたブーツ越しの蹴り技で湖に落とされ、感電死(及び溺死)した。享年58。宗武に蹴られたときに発した「あなごぉ」や、感電した際の「ぱぴりや〜〜!!」等、蒼天史に残る断末魔を披露した。
虎(ふー)
豊潤洋行で働く男。非常に落ち着きが無く、ドモりながら喋るので大旦那のことを呼び捨てで喋ってしまう。
彪(ひょう)
虎拳虎爪掌の使い手で料理人。ヤサカに自分の出した料理を不味いとこき下ろされ、喧嘩を売るが殺される
胡潤(こじゅん)
寧波にある豊潤洋行の大旦那。霞鉄心の朋友。
空海(くうかい)
日本に真言密教をもたらした大阿闍梨。拳志郎が見る過去の時代のビジョンにおいて登場する。唐における密教の修行を終えた時、空海は師の恵果の命によって、北斗神拳の使い手である三兄弟を伴って日本に帰国する。
恵果(けいか)

馬賊

李秀宝(り しゅうほう)
声 - 久川綾/冬馬由美
馬賊の女頭領で、射撃の達人。その正体は拳志郎の恋人である潘玉玲本人であり、霊王によって記憶を消された後、王に拾われ馬賊の頭目となっていた。その時の経験から日本人を嫌っていたが、上海で拳志郎と出会い、時には自分の記憶を巡って衝突するも最後は玉玲としての記憶を取り戻した。
王欖把(わんらんば)
声 - 山野史人/-
記憶を失った玉玲を助け平原で生きる術を教えた老人。北大路剛士の朋友。玉玲に万が一の時は自分と同じ、流浪の民の安息の国の建設(桃源郷)の夢を持つ北大路剛士のもとへ行けと教えた。後、日本軍の爆撃で死亡。
郭(かく)
声 - 広瀬正志/-
王の側近。霊王こと狂雲が記憶を失った玉玲を王の元へ連れてきた件を知る人物。
韓(かん)
密雲県の馬賊の旅団長。日本軍に満州から追われ中国では東北人と差別され、仕事もなく馬賊に身を落とした。イギリス人の警官を殺したため処刑され、晒し首になっているところに李秀宝(玉玲)が献花をした。
連(れん)
声 - 宝亀克寿/-
李秀宝(玉玲)の側近。拳志郎扮する拳崎志郎に蟷螂拳で挑むがあっさり見切られる。後に玉玲の記憶が戻り、彼女と拳志郎が恋人同士だった事を知って2人を祝福しに来たが、その直後、玉玲を庇って殺されてしまった。彼の死が、玉玲が青幇の総帥となる決意をする一因となる。
宇占海(う せんかい)
声 - 園部好徳/-
三年前に大川奉作の息子を殺した馬賊。拳志郎に殺された。李秀宝(玉玲)が日本軍の大川奉作に面会する前日、宇の首が大川の部屋に届けられた。
天鬼(てんき)
如虎部隊と呼ばれる馬賊の親玉。エリカを奪おうとするが流飛燕に殺される。

日本軍

中尉
声 - 園部好德/-
部隊を率いて李秀宝を追っていた日本軍中尉。逃げ遅れた馬賊を処刑しようとしたが、現れた秀宝に撃ち殺され、しかも彼女の策で部隊はすでに大勢の馬賊に周囲を囲まれていた。
軍曹
中尉の部下。中尉が撃たれた後残された部隊に発砲命令を出して秀宝を撃とうとするが、秀宝の率いる馬賊に囲まれていることを部下から知らされて気付き、慌てて撃っちゃダメと命令を取り消した。
後に上海での日本軍と国民党軍との戦いで軍曹と呼ばれる日本軍人が、敵の狙撃兵に恐れをなした部下を叱り、臆病者は撃ち殺すと銃口を向けたところで拳志郎にカージャックされた日本戦車が登場して暴れ回り、唖然となる場面がある。
大川奉作(おおかわ ほうさく)
声 - 角田信朗/-
関東軍司令部の中将。李秀宝(玉玲)ら馬賊たちが日本軍に投降するときの日本軍の交渉役。かつて息子を馬賊に殺された過去を持つ。その馬賊の首とそこに添えられたメッセージ、そしてメッセージの主である拳志郎や秀宝との交渉にて拳志郎の思いを知り、一軍の将としての矜持を保って譲歩した。
松井石根(まつい いわね)
大将。国民党政府が没落するまで戦争を推進しようとした軍人。
五島泰治(ごとう たいじ)
日本陸軍特務機関大尉。上海が日本に占領される際、青幇のボスである玉玲の夫・拳志郎に近づき、手を組もうとするが「強盗退治」などとからかわれる。それにキレるが拳志郎に会いに来た劉宗武に吹っ飛ばされる。

国民党

張作霖(ちょう さくりん)
関東軍に奉天で爆殺された軍閥。
羅虎城(ら こじょう)
関東軍に叛旗を翻し死んだとされる抗日の英雄であり伝説の将軍。その小柄の体格で目立たない(眼に入らない)事から、神出鬼没で捕まる事が無かったとされる。ただ本人は小柄である事を相当に気にしており、章烈山と逆のコンプレックスを抱いている。しかし、恐ろしく響く声を出すことができ、それを見た章烈山をして「(小柄であるはずなのに)大きく見える」と驚かせた。この大声のハッタリと巧みな話術を併用することで、人心を惹きつけることに長けたペテン師。抗日の英雄という表の顔とは対照的に欲深い本心を持っており、かつて満州で関東軍に追い詰められていたときは国民党の将軍でありながら、敵対する共産党と通じてソ連ルートで脱出した。髭が刺客を察知できるほど敏感。拳志郎の「雷暴神脚」をも上回るほどの軽功術を使うが、犬並みの嗅覚で簡単に捕まり、拳志郎に本名を口にすると死んでしまう術をかけられ、最終的にはうっかり本名を口にして破裂、「しまっ…たぶれっとぉー」という断末魔を残しながら死んでいった。
死後、彼の行為は国民党の面々の知るところとなるが、「理由はどうあれ国民党の将軍を殺した以上、報復は死あるのみ」として、拳志郎はその首に賞金を掛けられた。
陳立夫(ちん りっぷ)
国民党組織部長。拳志郎抹殺の切り札として死鳥鬼こと飛燕を使おうと、集雲を裏稼業の麻薬密売をネタに脅迫した。
何応欽(か おうきん)
国民党軍上将。
張群(ちょうぐん)
国民党外交部長。
蒋介石(しょう かいせき)
国民党軍事委員会委員長。羅虎城が上海で殺されたのを聞き、拳志郎に暗