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蒼天航路/王欣太

共有

著者: 王欣太
巻数: 36巻

王欣太の新刊
蒼天航路の新刊

最新刊『蒼天航路 36


出版社: 講談社
シリーズ: 講談社漫画文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

kinuraNaohiro 『蒼天航路』という漫画で、孫策が死ぬ時「わが孫家は、代を重ねる度に豪壮になってゆくのだ!」と叫びながら死んでいく。一方、踊るシリーズは、代を重ねる度にダメになっていく。だから踊るの事を今度は、逆孫家と呼ぼうと思う。 #eiga
kotetsurui リビングのテーブルの周りが蒼天航路だらけになってて、しかもブックオフで買ってきたヤツだから\105って書いてある値札はがさないと本棚に片付けられないじゃん。ああ、めんどくさい。めんどくさい。

蒼天航路の既刊

名前発売年月
蒼天航路 1 2000-12
蒼天航路 2 2000-12
蒼天航路 3 2001-01
蒼天航路 4 2001-01
蒼天航路 5 2001-02
蒼天航路 6 2001-02
蒼天航路 7 2001-03
蒼天航路 8 2001-03
蒼天航路 9 2001-04
蒼天航路 10 2001-04
蒼天航路 11 2004-10
蒼天航路 12 2004-11
蒼天航路 13 2004-12
蒼天航路 14 2005-01
蒼天航路 15 2005-02
蒼天航路 16 2005-03
蒼天航路 17 2006-11
蒼天航路 18 2006-12
蒼天航路 19 2000-03
蒼天航路 20 2000-06
蒼天航路 21 2000-12
蒼天航路 22 2001-04
蒼天航路 23 2001-09
蒼天航路 24 2001-12
蒼天航路 25 2002-06
1   

蒼天航路』(そうてんこうろ / 英名表記:Beyond the Heavens)は、原案・李學仁(イ・ハギン)、作画・王欣太(きんぐ ごんた)による漫画。1994年10月から2005年11月まで「モーニング」で連載されていた。

2009年4月から9月までテレビアニメが放送された。

概要

中国の歴史的英雄曹操を主人公として、新しい解釈のもとで三国志の世界を描いた長編大作。漫画自体の完成度と、三国志の正史と演義のエピソードへの独自のアレンジで高い評価を受ける。

王欣太が当時の編集長に「ブロードウェイのミュージカルのように三国志を描いてみないか?」と言われたことをきっかけに連載が決まった。連載当初は、原作・李學仁、作画・王欣太の分業により進行。1998年9月に李學仁が死去して以降は、王欣太一人によって執筆された(クレジットは“原案”・李學仁に変わっている)。

原作者の死去による作風の変化が語られることが多いが、第一話から既にほぼ原作原稿と離れた内容であり(CHRONICLE EDITIONより)、王欣太は「原作とのスタンスは当初からフリーにしてもらった」「(外的要因で)影響が如実に出ていることといえば、編集者の交代」と述べている。また王欣太は連載前は三国志の知識が全く無く(曹操も知らず、孔明の名前をわずかに聞いたことがある程度)、「曹操が主人公」というコンセプトはもっぱら李學仁の功績であると述べている。

単行本の累計発行部数は1800万部を超える(2009年9月時点)。1998年度第22回講談社漫画賞一般部門を受賞。 その後、王欣太自身の完全監修により製作された『画伝蒼天航路』が造本装幀コンクールにて入賞。

ストーリー

舞台は中国後漢末期から三国時代。日本でよく知られる『三国志演義(演義)』ではなく、『三国志(正史)』を基に主に脚色されている。


というモノローグから、『三国志演義』では悪役であった曹操に「最も人に興味を示した英雄」としてスポットライトを当てる。屯田制の採用や、政治・文学を儒教から分離させる政教分離政策からパイオニア精神を中心に据えた曹操像を導き出し、劉備・諸葛亮との対立を(ある種の儒教的精神により美化されて来たイメージと定義した上で)その延長線上に置く。

ストーリーは既成概念や旧体制からの脱却、空虚な観念論より実利の追求という曹操の行動原理を軸にして展開する。官渡の戦いでは最大の領袖である袁紹を没落した漢帝国の利権に群がる「変革を求めぬ者」と断じる。華佗との対立や荀彧とのすれ違いも、徹底した現実主義・実利主義者である曹操と「儒」の価値観に縛られるものの摩擦という観点で描かれている。

登場キャラクター

各登場キャラクターの詳細については各リンク先を参照。便宜上、三国鼎立以前に登場したキャラクターも、血縁や主に活躍した陣営によって魏・蜀・呉の項で記述する。なお声優はテレビアニメ版のものを記述する。

曹操とその親族

曹操(そう そう、字・孟徳、幼名・阿瞞)
声:宮野真守(子供時代:井上喜久子)
本作品の主人公。
富士額と一本長く伸びた独特な下睫毛が特徴(この下睫毛の特徴は曹操の子らにも現れている)。一人称は「俺」。あらゆる物事に才を発揮する万能人。年少時より既存の概念にとらわれない破格の発想を持ち、当時としては飛躍した言動や行動で敵・味方を含めて多くの人間を困惑させつつも惹きつける。「最も人に興味を示した英雄」として描写され、才能さえあれば平民でさえ名前を覚えており、出自に関係なく要職に登用する。反面、家柄や儒教思想など既成概念に固執する者には激しく憤慨する。初期は自らの運命を「天意」と言って憚らない。次第に人としての天下を目指すようになる。最高権力を握る立場に至った後も、自らが皇帝になることは拒み続けた。従来の天下人・政治家としてだけでなく文人としての曹操も頻繁に描かれる。極度の女好き。蜂が苦手。気まぐれな性格で軍師が立てた完璧な策も平然と変更する。我が子であろうと才能を見出さねば名前を覚えられず、娘の桃華と孫の曹叡を間違えるほど家中に関しては無頓着。
夏侯惇(かこう とん、字・元譲)
声:草尾毅
曹操の従兄・幼馴染であり、挙兵以来の最古参である「曹操四天王」の筆頭。他の四天王からは「惇兄(とんにぃ)」と呼ばれる。曹操陣営では唯一、曹操を字で呼び捨てにし対等な口で話すなど無二の親友として描かれ、時には曹操に冗談めかして「母親」と呼ばれる。曹操の破天荒な言動に困惑しつつもそれを楽しみにしているきらいがある。物事の本質を見抜くことに長けており、隻眼ゆえに両目では量れない人との間合いを見いだしている。
作中で夏侯惇が左目を矢で射抜かれたのは董卓討伐の時で、正史と違いかなり早い時期に隻眼になっている。
夏侯淵(かこう えん、字・妙才)
声:稲田徹
「曹操四天王」の一人。曹操の従兄・幼馴染で、夏侯惇の従弟。弓の名手で剛弓の描写が多い。前半は目立った活躍の場はないが、後半では「王たる将」として曹操にその才を見込まれる。定軍山にて劉備軍に敗れて戦死。旗揚げ以来の股肱の臣で一国を任せられた存在の死として、劉備の脳裏に関羽のそれを連想させた。許褚の人物評では「狼」。
曹仁(そう じん、字・子孝)
声:千葉一伸(子供時代:高城元気)
「曹操四天王」の一人。曹操の従兄(血は繋がらない)・幼馴染。第1話から登場する。年少時は端正な顔立ちであるものの、中年になる頃には完全に頭が禿げあがり恰幅も良くなった。物語前半では戦果を挙げられずに空回りしがちな役回りを演じたが、次第に戦歴を重ねて成長し、後半では厳格で有能な猛将となった。
曹洪(そう こう、字・子廉)
声:江川央生
「曹操四天王」の一人。曹操の従兄(血は繋がらない)・幼馴染。前半に目立ったキャラクター付けはされていなかったが、後半では「鬼教官」として味方はもとより敵将の戦いぶりまでを冷静に見定める。周りの将らに憚ることなく己の貪欲な本性をさらけ出す。下弁での張飛との一騎討ちで左腕を失うが顔色一つ変えず指揮を執り続けた。
曹騰(そう とう、字・季興)
声:野沢那智
曹操の祖父。中常侍と呼ばれる高級宦官であり、跡継ぎのために曹嵩を養子とした。幼い曹操の才覚を見抜き、生きがいとした。
曹嵩(そう すう、字・巨高)
声:家中宏
曹操の実父。中常侍・曹騰の養子となる。曹騰には柔和な人物と評される。何をしでかすか分からない曹操に手を焼き心配している。後に兗州牧となった曹操に自領に招かれるが、その途中で賊の襲撃に遭い殺害された。
白蓮(びゃくれん)
声:百々麻子
曹操の実母で曹嵩の妻。奔放な若き曹操の事を心配していたが、一方で信頼している面を窺わせる。
丁美湖(てい みこ)
声:遠藤綾
曹操の許婚で、正室となる。あまり素直な性格ではないが、何かと奔放な曹操の事を気にかけている。曹昂の死をきっかけに離縁。
卞玲瓏(べん れいろう)
声:田中敦子
曹操の側室だったが、丁美湖の離縁後に正室となる。歌妓の出身で曹操に出会う以前は董卓の愛人だった。若き頃の野望は「皇帝を産む」こと(後に実子曹丕が帝位につくことで実現)。懐が広く、他の夫人の子にも分け隔てなく愛情を注ぐ。
環霖明(かん りんめい)
曹操の第五夫人。卞玲瓏の側にいることでその器の大きさを感じ取り、彼女には敵わないと感じている。新たに夫人となった趙翠湍をどう見ても田舎者と不快に思っていた。
曹昂(そう こう、字・子脩)
声:諏訪部順一
曹操の長子。母は劉夫人。母の死後は丁美湖に育てられる。天文の心得があり、宛城で星を見て自分の天命を知る。張繡と賈詡の奇襲の際、自らの馬を差し出して曹操を救出するが、自分はその身代わりとなり死亡した。
曹丕(そう ひ、字・子桓)
曹操の子。母は卞玲瓏。容姿は青年時代の曹操に似る。曹操が拘り続けた漢中を鶏肋と切り捨てるなど、怜悧・冷徹な性格として描かれる。曹操の後継者として家督を継ぐが、彼の目指すものは「奸雄の類の住めぬ世」で父のそれとは大きく異なる。圧倒的な存在である父曹操に囚われることの愚かさをよく理解しており、彼に対してコンプレックスを見せることはなかった。
甄姚(しん よう)
曹丕の正室。元は袁煕の室。曹丕よりも5歳年上。官渡の戦いの後、落城する袁家の城から初陣の曹丕が奪っていく。実は曹操にも狙われていた。のちに曹植も彼女の運命に同情し、そして惹かれていった。
曹彰(そう しょう、字・子文)
曹操の子。母は卞玲瓏。曹丕の弟。勇猛だが熱くなりやすい性格。猛獣と格闘できたという正史のエピソードに基づき、孫権が飼う虎(仁)と戦い、その心臓を手刀の一撃で抉り出した。曹操からは「黄鬚(きひげ)」と呼ばれている。
曹植(そう しょく、字・子建)
曹操の子。母は卞玲瓏。曹丕、曹彰の弟。純朴な性格で感性的な詩を詠み、奇抜な服装と酒を好む。曹丕の妻である甄姚に想いを寄せ、その想いを曹丕に感づかれたかのような描写もある。詩才は曹操を越え(というより、唐代以前における中華最高の文学者とされ)、さらに天下の戦と政の大局を読む才をも有する。当事者間では互いにどうとらえているのかは描かれなかったが、曹操の後継者の地位を巡り、曹丕との間で派閥争いがあった。曹彰とは仲が良い。
曹節(そう せつ)
曹操の娘。曹操によく似ている。献帝の後宮に姉の曹憲、妹の曹華とともに貴人として迎えられる。頭の中は曹操の話でいっぱいである。献帝と気が合い、後に伏皇后に代わり彼の正室となった。
当時の「曹操という時代」を代表する存在として位置づけられ、作者自身、何晏と並んで「はずせない」存在と語っている。
曹安民(そう あんみん)
声:松田佑貴
曹操の甥。曹昂と仲が良かった。宛城で張繍軍の急襲に遭った際には典韋とともに防戦するが、そこで戦死した。
曹休(そう きゅう、字・文烈)
曹操の甥。曹仁・曹洪とは血縁だが、曹操と血の繋がりはない。漢中攻めで初登場。優秀だがまだ若く、呉蘭・雷銅に隙を突かれそうになった所を曹洪に助けられ注意を受ける。
曹泰(そう たい)
曹仁の長子。樊城攻防戦で登場。その姿は若き日の曹仁によく似ている。

家臣(武官)

許褚(きょ ちょ、字・仲康)
声:桜井敏治
類稀な怪力を持つ、丸々と太った巨漢。朴訥で鈍重な性格。間延びした話し方をする。曹操とは少年時代に出会っている。一時、家族を養うために黒山賊に身を落とし、その頃は仲間たちから「虎痴」と呼ばれていた。曹操との再会後は彼の護衛として忠勤する。人物をしばしば動物に喩え、その観察眼の確かさは曹操の評価が高い。しかし曹操に、曹操自身を喩えよと言われた際にはわからなくなってしまった。
宋鎰(そう いつ)
声:掛川裕彦
洛陽北門守備隊長として登場。人相が悪い。黄巾の乱に際し、諜報のため黄巾軍に潜入するが、実戦部隊に組み込まれて抜け出せなくなる。その後は登場しない。
李(り)
洛陽北部尉時代の曹操の部下。曹操が頓丘県令に就いて任地に赴く際、後任の北部尉である王忠に、五彩棒を封印する提言をするよう曹操に指示される。
張奐(ちょう かん、字・然明)
声:福田信昭
双斧・投げ斧の達人。十常侍の不正を正す証拠を持ちながらも隠遁していたが、曹操に見出され、若き曹操軍を支える将となる。黄巾の乱において、食料砦襲撃の際に張曼成との一騎打ちで敗死。
于禁(う きん、字・文則)
声:田中正彦
初登場は青州黄巾党との戦い。元々は鮑信の部下で彼の遺志に従い曹操に仕える。剛毅な性格で、昔は侠者であったらしい。樊城での関羽への降伏も堂々としたものに描かれている。
典韋(てん い)
声:小野健一
頭に角のような突起があり、魁偉な容貌をしている。初登場時に、牙門旗をたった一人で掲げたり、許褚との棒引きで互角の勝負をするなど、相当な力の持ち主である。登場期間は短く、宛城で壮絶な最期を遂げるシーンがハイライトであることは正史や演義と共通する。 曹操への忠義よりも武人としての誇りの方が大きな幅を占めていた。
汎(はん)
逞しい女傑で体格や武力も並みの男に勝る。青州黄巾党の老師達に張角の後継者として育てられた。青州黄巾党が曹操に降伏した後は、その軍団を再編した青州兵を率いて曹操軍の一翼を担った。
張繡(ちょう しゅう)
声:鈴木清信
元董卓旗下の涼州騎馬軍を率いる最後の将で、後に賈詡と共に曹操に降伏する。臣下の賈詡曰く「与しやすそうにみえて実は想像以上に手ごわく、私の軍略に最も合う」将であり、平時は小人物のような描写が多いが、戦場では豪放に戦う男。長坂の戦いで趙雲に討たれる。その死は賈詡を動揺させた。
楽進(がく しん、字・文謙)
声:三宅健太
小柄ながらも退く事を知らない胆勇の将で、兵卒として初登場した頃からすでに全身に生傷が刻まれていた。練兵中の所を曹操に見込まれ将軍に抜擢される。同時期に仕官した荀攸から戦場で兵法を体得した。進軍の際には必ず「ズンッ」という擬態語とともに一人でどんどん前進していく。長坂で張飛と戦うことにより初めて退く事を知る。合肥における凌統との一騎討ちで右脇腹に重傷を負い、その加療中さらに疫病に侵され絶命。しかし病床にあってもその闘魂はなお健在であり、見舞いに訪れた曹操たちに改めて大きな感銘を与えた。
李通(り つう、字・文達)
声:小西克幸
作中では幼名の「万億」で呼ばれる。敵陣を縦まっ二つに貫き切り裂く戦を好む。赤壁の戦い後に病死。
張遼(ちょう りょう、字・文遠)
声:安元洋貴
最強の武にこだわる武人。若い頃からすでに白髪。董卓陣営にいた時、呂布と関羽の一騎討ちに感銘を受けて、関羽の武器でもある青龍偃月刀を使用する。呂布陣営にいた時、徐州において関羽と一騎討ちをするが敗北した。呂布の武に心酔していたが、その死後はさらなる最強の武を求めて曹操の配下となる。郭嘉とは敬意を抱き合う仲で、烏丸討伐では絶妙のコンビネーションをとる。合肥防衛戦では鬼神の強さを見せた。この時にはすでに青龍偃月刀を使用していない。黒捷(こくしょう)、赫傀(かくかい)、銀睟(ぎんすい)という三頭の名馬を持つが、ことごとくが甘寧に盗まれ、激しく憤った。関羽との再戦を強く望むも、関羽の死によって願いは叶わなかった。
朱霊(しゅ れい、字・文博)
初登場は、曹操に袁術攻めを命じられた劉備の行軍に監視役として同行した時。曹操からは、軍才も上々、残忍を好む性質も問題というほどではないと評される一方で、味の悪い物言いを不快に思われている。
車冑(しゃ ちゅう)
声:逢坂力
呂布との戦いの後に徐州刺史となる。曹操を裏切った劉備を捕えようとするも、劉備によって斬られた。
劉延(りゅう えん)
声:城山堅
袁紹との戦いでの白馬津の守将。意気の上がる顔良軍の猛攻にさらされるが、突如援軍に来た関羽・張遼の加勢を得て、退ける事に成功した。
徐晃(じょ こう、字・公明)
猫のように伸びた髭が特徴的で気さくな性格。「死ななければ負けではない」という信念を持ち、常に安全な退路を頭に留める退き上手から「負けずの徐晃」を名乗る。夏侯淵の元で各地の賊や群雄討伐に功績をうちたてる。その後の荊州争奪戦では作中最強の武を誇る関羽と一騎打ちを挑んでよくもちこたえ、樊城救援を成功させるなど活躍した。
山隆(さん りゅう)
官渡の戦いで登場。曹操軍の平凡な一兵卒。顔中にピアスを開けていて、坊主頭で腕に刺青し、関西弁で話す。食うため女にモテるために兵となった単純な若者。曹操の命により兵卒となった夏侯惇と同じ幕舎での寝泊まりをきっかけに、彼を心から信頼し憧れるようになり常に戦いでは行動をともにする。窮する陣営から逃亡者が続出する中、最後まで逃げなかった。曹操軍の反攻開始時に、将軍に戻った夏侯惇が駆け抜ける中、乱戦のうちに絶命する。
山隆という名前や外見は王欣太の亡くなった友人「ヤマモト」に由来する。
李典(り てん、字・曼成)
官渡の戦いで初登場。額に×字傷がある。明るく能弁な性格で、対照的な性格の張遼・楽進とは犬猿の仲。武人としての戦死でなく、文官として死ぬことを望んでいる。合肥の戦いで、甘寧に負わされた傷がもとで死亡。生前の望み通りに、曹操の指示で文官の墓に埋葬された。発明家として霹靂車(投石器)、超大型弩弓といった攻城戦用兵器から仕込武器のような対人武器まで様々な武器を開発し、その多くの発明品は彼の死後も徐晃等が使用した。
満寵(まん ちょう、字・伯寧)
初登場は赤壁の戦い。前髪の生え際の中心に傷がある。髻が縦に長く大きい。関羽との戦いでは曹仁の副将として戦う。関平とは二度に渡り一騎討ちを行い、その血筋に劣らぬ武勇を前に舌を巻いた。
馮楷(ふう かい)
雷緒討伐時に夏侯淵配下として初登場。その後も西涼攻めや漢中攻防戦で夏侯淵、曹操のもとで戦う。
龐悳(ほう とく、字・令明)
始めは馬超の家臣であり西涼の乱で曹操軍と戦う。その後、馬超と袂を分かち漢中に身を寄せ、曹操が入城した際に降伏した。樊城での関羽との交戦では、関羽の額を射抜く武勇を見せ奮闘するも、後に斬られた。
張郃(ちょう こう、字・儁乂)
袁紹配下時代は作中では描かれず、涼州の乱で初登場。自分の中の天賦の才を、生涯をかけて掘り起こそうと努力し続ける「歴戦」の将。漢中攻防戦以降の不甲斐無い戦績を悔やんだことに対し、曹操から敗北こそを自分の経験にすべきと説かれる。
費瑶(ひ よう)
涼州の乱で初登場。張郃の副将。目が細い。
臧覇(ぞう は、字・宣高)
かつては泰山の軍閥の首魁で呂布に従っていた武将。名前だけは序盤から出てくるが、実際に登場するのは物語後半になってからである。「常山の蛇」の用兵で呂蒙を感嘆させる。
路招(ろ しょう)
夏侯淵配下として漢中攻防戦で登場。特徴的な笑い方をする。劉備追撃時に夏侯淵の援護むなしく劉備の救助にきた馬超に討たれる。
牛金(ぎゅう きん)
樊城攻防戦で登場。曹仁の副将。大きな傷跡が、額に真一文字に、頬に縦に走っている。曹仁の制止を聞かず、関羽に挑むも一撃で真っ二つにされて死亡。
成公何(せいこう か)
樊城攻防戦で登場。于禁の配下で成公英の弟。龐悳とともに関羽と対峙し、涼州の武を貫くも討死。
雑誌掲載時には成何という名前で掲載されていた。
徐商(じょ しょう)
北辺を転戦していたが、樊城攻防戦に参戦。首が長い。物凄く臭い。
呂建(りょ けん)
北辺を転戦していたが、樊城攻防戦に参戦。頬に縦に大きな傷跡がある。物凄く臭い。
殷署(いん しょ)
樊城攻防戦で登場。樊城救援部隊の将。徐晃の策により夏侯惇に変装し、関羽軍西門包囲部隊を大混乱に落とし入れる。正体を見切っていた趙累に斬られた。
朱蓋(しゅ がい)
樊城攻防戦で登場。樊城救援部隊の将。徐晃の策により張遼に変装し、関羽軍西門包囲部隊を大混乱に落とし入れる。正体を見切っていた趙累に斬られた。

家臣(文官)

辛(しん)
声:茶風林
洛陽北部尉時代の曹操の秘書官として登場。曹操に「有能な秘書官」と評される。黄巾の乱後は登場しない。
荀彧(じゅん いく、字・文若)
声:吉野裕行
雌伏中の曹操に軍師として志願する秀才少年として初登場し、その知謀で歴戦の軍人たちをもたじろがせる。黄巾の乱鎮圧後、一旦曹操の下を離れ西域を一人で旅して異民族と交わりを深め、王佐の才を開花させる。数年の後曹操の下へ帰還。以後、曹操陣営では許褚と並んで最も明るく茶目っ気あるキャラクターとなった。「あいやーっ」が口癖。曹操陣営の中では一番劉備に好印象を持っている。曹操の覇業を最も大きな視点で理解しながらも、後年は儒の思想を捨てきれず曹操の臣と漢の臣という立場の間で葛藤する。葛藤は心身を蝕み、病床において曹操から見舞いに送られた食蓋の意味を誤解し絶望。華佗の弟子から与えられていた薬を大量に服用する。次第に遠のく意識の中で夢うつつに食蓋の真意に気が付くもそのまま死去した。
郭嘉(かく か、字・奉孝)
声:木内秀信
極めて戦好きの軍師で、賈詡曰く「純粋軍師」。戦が終わると、すでに次の戦での兵法を頭で描いている。童顔で釣り上がった目をしている。何事もはっきり言う性格で、曹操に対してもしばしば手厳しい指摘を行う。官渡の戦いの後、政略じみているからという理由で軍議に参加せず、酒と女に奔るなど、素行の悪さが突然目立つ様になる。この時すでに吐血するほどの病魔に侵されていた。曹操に万里の長城を越えるよう進言し、鬼謀を発揮して、烏丸族撃破の立役者となる。烏丸制圧後、烏丸兵と張遼軍による神出鬼没の遊軍の作成を曹操に請う。この発言は曹操から、一介の軍師を越えた存在、「王」の誕生であるとして非常に喜ばれた。しかしその直後、病床で曹操と語らいながらに死没する。
演義の赤壁の戦いにおける、戦艦同士を鎖で繋ぎ合わせる「連環の計」は郭嘉が烏丸討伐時に考え出し、それを張遼が曹操に献策したものとなっている。
程昱(てい いく、字・仲徳)
声:谷口節
曹操陣営の軍師の中では最も年長。背が高く髭が立派という正史どおりの風貌で描かれる。かなりの悪筆。他の軍師達と比べると目立った活躍がなく、本人も後にその事で大いに悩む。しかし駐屯先の合肥で、自らの精神が劉馥・蒋済・温恢ら次代の人士に受け継がれていた事を知り、晴々と引退を宣言する。
毛玠(もう かい、字・孝先)
ボサボサ頭の小さな老人。全く新しい屯田制を考えている者として荀彧に人材抜擢される。老いて、話すより筆をとる方が早く説明が済むため、大量の竹簡とともに曹操の前に現れた。
賈詡(か く、字・文和)
声:立木文彦
張繡の参謀として初登場。張繡とは馬が合う。宛城で曹操をあと一歩まで追い詰める活躍を見せる。その後、張繡と共に降伏し曹操の配下になる。曹操軍の中で最も酷薄で残忍な軍師を自称するが、何かと曹操の気まぐれに振り回される事が多い。しばしば自分の智に自惚れるが、それに見合った才能の持ち主である。
荀攸(じゅん ゆう、字・公達)
声:青山穣
荀彧の六歳上の甥。荀彧に招かれて曹操陣営に加わる。曲者揃いの曹操陣営軍師の中では控えめな性格で顔つきも地味だが、内には気骨があり最もしぶとい軍師とされている。布陣がとても上手く、赤壁の戦いでは吾粲から「こんなものを考えつくのは天下に一人か二人」と評される。物真似が得意。後に病没。
外見は佐久間象山がモデル単行本32巻、作者コメントより。
陳琳(ちん りん、字・孔璋)
声:檜山修之
元袁紹軍幕僚で建安七子の一人。官渡大戦前夜の曹操の常識破りな宣戦布告に対し、「宣戦誣告」での対抗を提案。彼の文才は曹操を激昂させると共に感嘆させた。袁家滅亡後は曹操に招かれ、曹操や曹植の導く「新しい言葉の世界」の到来に歓喜する。その後も曹植とは親交を保ち、曹操の後継者にも彼を推していたようである。建安21年の南征において、曹植の遠征記を読み発奮し中原に安住し続けることで自らの才が堕落することを恐れ、他の七子と共に従軍を志願する。遠征先の合肥にて疫病を患い陣没。
宋忠(そう ちゅう、字・仲子)
荊州の儒者。官渡大戦時、自身が身を寄せる劉表に対し、袁・曹どちらにも与せず中立を保つことを進言するが、それを逆手に劉表から二人を取り持つため、使者となることを要請される。荊州降服後は中原の学士と交わり、「曹操」という人物を量ることで時代の転換点を悟り、戦後経営に尽力することを誓った。
文庫版発売以降の増刷本では官渡大戦時の紹介はされていない(全く外見の異なる人物であるため修正され別人扱い)。
杜襲(と しゅう、字・子緒)
曹操軍幕僚。赤壁大戦前夜、孫権軍攻撃への慎重論の中心人物として登場。八方に伸びた髭が特徴。赤壁後も参謀として地方や中央で曹操に振り回されながらも様々な提言をする。
華歆(か きん、字・子魚)
曹操軍参謀。元孫策幕下。赤壁前夜、対孫権軍主戦論者の中心として初登場し、杜襲らの慎重論と対立する。杜襲とはその後も揃って登場することが多い。元孫策幕下であったためか、孫権のことを何か思うところがあるかのように「仲謀」と字を呼びすてにする描写がある。
蔡瑁(さい ぼう、字・徳珪)
元劉表配下の参謀。荊州降伏後に同僚の張允と共に登場。降伏兵の内情を曹操に訴えていたが、異民族との交流を経て曹操に惹かれ「種」を与えられたと語るまでになる。新たな自分を予感していたが霧の中から現れた甘寧に両断された。
張允(ちょう いん)
元劉表配下の参謀。荊州降伏後に同僚の蔡瑁と共に登場。曹操の異民族との直接交流や賈詡からの話を通して「曹操」という存在に惹かれていく。奇襲に訪れた甘寧に蔡瑁ともども殺害される。
劉曄(りゅう よう、字・子揚)
曹操の合肥訪問に付き従って初登場。光武帝の子・阜陵王劉延の末裔。首が長い。はじめは若輩未熟であることを理由に、世俗と交わるを良しとせず、滅多に他者と会話をしなかった。後に諜報を一手に任されることとなり、吉本の乱、魏諷の乱を鎮圧する。乱の情報を握った上でわざと反乱分子を全て集結させ、乱の関係者全てを炙り出したところでそのことごとくを処断するという苛烈な策を用いる。
温恢(おん かい、字・曼基)
曹操が合肥を訪れた時に、劉馥死後の揚州刺史後任として初登場。小柄でとても顔が大きい。質実剛健な職務姿勢は曹操等の評価も高い。合肥の戦いでは、張遼の格好を真似て進軍するも、すぐ呂蒙にその外見から正体を気付かれてしまった。「合肥の刺史は、あらゆる防御に精通している」と豪語して「円圏」なる体術で呂蒙の攻撃を捌くなど、武の面でも相応の実力を持っている。
蔣済(しょう せい、字・子通)
曹操が合肥を訪れた時に初登場。瞳がとても大きく、目が全て黒目に見えるのが特徴的。先の揚州刺史・劉馥の死後、その遺志を受け継ぎ、温恢の副官として合肥を発展させる。曹操の漢中攻めの際には側近の軍師となり、曹操に漢中からの撤退を決断させる。
劉馥(りゅう ふく、字・元穎)
赤壁後に曹操が合肥を訪れた時には故人。曹操に揚州刺史に任ぜられ、単身で何もない空城を8年で7万の民を抱く一大城市に興した。無から一を生み、一を発展させていった彼に曹操は最大限の敬意を払った。
作者が作品内で忘れて欲しくない人物10人の内の1人と語っている。
荀顗(じゅん ぎ、字・景倩)
荀彧の四子。極めて生真面目な性格に加え、儒学の影響が強いことから、荀粲からはカビ臭いと評されている。
荀粲(じゅん さん、字・奉倩)
荀彧の末子。奔放な性格の持ち主。老荘思想の影響を強く受けており、儒学的な思想を否定している。
崔琰(さい えん、字・季珪)
「儒」を象徴する人物の一人。曹操に媚び諂う現在の儒者の情勢を嘆き、あくまで「才」と「徳」は不可分であると説き、本来の「儒」の誇りと権威をとり戻そうとする。
司馬懿(しば い、字・仲達)
涼しげな容貌の若者。控えめの性格で人ごみを嫌い、いつも後ろの方にいる。軍才により見出されたが孫権の降伏文に触発され、政に携わるようになる。後に太子(曹丕)の四友の一人に。首が180度回る狼顧の相で曹操を驚かせる。何晏からは胡散臭いと思われている。濡須口での戦いや張魯との戦いに従軍した。
杜畿(と き、字・伯侯)
西涼攻めで初登場。曹操に「とっつきにくい顔」とからかわれながらも二千石の郡太守として曹操軍の兵站を一挙に担う。兵站のスペシャリストとしてその後の戦でも後方支援に徹する。また、漢中攻防戦では兵糧をおとりに黄忠を誘い出すことにも成功する。
賈逵(か き、字・梁道)
西涼攻めで初登場。頭部の大きなこぶが特徴。曹操にそのこぶを育てた「激しい怒り」を認められ、いきなり弘農郡の代理太守に任じられる。
丁斐(てい ひ、字・文侯)
西涼攻めに際して曹操が賈詡に紹介した不届き者の一人。収賄の罪で投獄されていた。賄賂で得た金は全て牛馬の購入に充てていた。曹操からは、牛馬の扱いに長けた人物として紹介される。馬超が曹操を襲撃した際、曹操を救うべく牛馬を放して状況を混乱させた。
楊沛(よう はい、字・孔渠)
西涼攻めに際して曹操が賈詡に紹介した不届き者の一人。法に厳格なあまり高官に怪我を負わせてしまい、髠刑を受けて投獄されていた。曹操からは、融通という物がまるでない人物として紹介される。無表情に力技で、指揮下の兵士の喧嘩を仲裁する。
婁圭(ろう けい、字・子伯)
西涼攻めに際して曹操が賈詡に紹介した不届き者の一人。常に不満をブツブツと呟いている。曹操からは、一番の嫌われ者・うぬぼれ具合は賈詡と双璧、と紹介される。
鍾繇(しょう よう、字・元常)
西涼攻めで初登場。とても長い耳毛が生えている。この耳毛はセンサーのように反応し、時たまに上を向くことがある(曹操が現れる前ぶれになど)。魏諷のクーデターに際しては、魏諷の仕官を推挙したのが鍾繇であったことから、連座し処罰の対象となった。
張既(ちょう き、字・徳容)
西涼攻めで初登場。有能な外交官であり、それまで涼州軍閥との交渉で活躍してきた。そのため曹操陣営にありながら韓遂らと親しい仲にある。関中以西の情勢に詳しく、後に漢中攻防戦では曹洪の副将として従軍した。人見知りが激しく、外見も小柄で気弱な印象を受けるが、一人丸腰で敵陣に入り込み交渉を行ったり、張飛を相手に槍一本で立ち向かったりと、意外に剛胆な面がある。
徐奕(じょ えき、字・季才)
西涼攻めで登場。乱後の関中復興のために集められた人材の一人。城市と治水の修復計画を担当。
趙儼(ちょう げん、字・伯然)
西涼攻めで初登場。篤実な性格。乱後の関中復興のために集められた人材の一人。軍事を担当。樊城攻防戦では、徐晃と共に樊城救援の指揮をとる。
鄭渾(てい こん、字・文公)
西涼攻めで登場。乱後の関中復興のために集められた人材の一人。農事を担当。
董昭(とう しょう、字・公仁)
曹操の魏公就任を提案する幕僚たちの中心人物。その提案には、曹操幕下の者たちに功績に見合った位を与え、彼らの不満を解消させる意図があった。しかしそれは曹操の帝位簒奪にも繋がるとして、大いに荀彧を悩ませることになる。
韋康(い こう、字・元将)
涼州刺史。涼州の乱後、馬超と和議を結ぶも、裏切られて馬超に殺された。
何晏(か あん、字・平叔)
何進の孫。幼き頃より曹家で育てられる。曹植の親友で互いに「植(ちー)ちゃん」「晏ちゃん」と呼ぶ仲。遊び人で怠け者、やや冷めたような言動が多い。体が弱く五石散という麻薬を常用している。妻は曹操の娘だが、婚前交渉によって子を儲けていた。「毒を以って毒を制せ」という曹操の命により敢えて曹操の嫌う儒の道へと進む。
外見のモデルは浅野忠信
魏諷(ぎ ふう、字・子京)
物語終盤に登場。強い眼力と極度に縮れた毛髪が特徴。学問の場に赴き「崇息観(すうそくかん)」と呼ばれる独特の呼吸法を基とする思想によって、中央の士大夫層を中心に同志を増やす。関羽の樊城攻略の際に大規模なクーデターを起こすも、計画は事前発覚していたため即鎮圧されて、曹丕によってその首を斬られる。赤子の頃から少年時代の孔明によって煽動家としての運命を決定付けられていた。養父は曹操の徐州虐殺の生き残り。銭申(せんしん)という猿を連れている。
銭申もまた、陳禕が捕えられ拷問を受けた際に処刑されている。
楊訓(よう くん)
崔琰に推挙された儒者。歯の浮くような佞言で曹操の功績を賛辞する才能しかなく、曹操に処罰される。全裸で檻に入れられて、崔琰の前に引き出された。
涼茂(りょう ぼう、字・伯方)
曹操の魏王就任時に登場。就任の祝辞を述べて良いのか悪いのか、曹操の表情からは全く見当がつかず困惑していた。
王粲(おう さん、字・仲宣)、応瑒(おう とう、字・徳璉)、徐幹(じょ かん、字・偉長)、劉楨(りゅう てい、字・公幹)
いずれも建安七子。建安21年の南征において、曹植の遠征記を読み発奮し中原に安住し続けることで自らの才が堕落することを恐れ、他の七子と共に従軍を志願する。遠征先の合肥にて疫病を患い、全員陣没。
陳矯(ちん きょう、字・季弼)
魏郡の治安責任者。投獄された崔琰の様子を曹操に報告する。
郭淮(かく わい、字・伯済)
夏侯淵の軍に派遣された若き軍師。高い計算能力で夏侯淵を補佐する。夏侯淵の死後はその軍をまとめ、将として成長する。曹操の漢中撤退の際には、伏兵100を率いて漢中の山中に潜んだ。後に山賊を雇い入れ、孟達・劉封が率いる関羽軍の別働隊の補給線を撹乱する。
呉質(ご しつ、字・季重)、朱鑠(しゅ しゃく)、陳羣(ちん ぐん、字・長文)
いずれも司馬懿とともに太子(曹丕)の四友。曹丕と四友全員で、漢中の軍事撤退を曹操に進言する。しかし激怒した曹操にそれを完全否定され、畏縮し切ってしまった。
陳禕(ちん い)
魏諷の同志の一人。何晏から「鼻息男(はないきおとこ)」と名付けられる。何晏の密告で捕えられ拷問を受けた結果、魏諷の乱が事前発覚し、即鎮圧されることになる。手酷い拷問を受け、精神崩壊してしまった。他の仲間とともに射殺される。
宋度(そう たく)、王昭(おう しょう)、王耽(おう たん)、張泉(ちょう せん)、劉偉(りゅう い)
魏諷の同志たち。順に、宋忠の長子、王粲の長子、次子、張繡の長子、劉廙の実弟。魏諷の乱に加担するも、計画は事前発覚していたため即鎮圧されて、全員射殺された。

劉備三兄弟とその親族

劉備(りゅう び、字・玄徳)
声:関智一
非常に長い腕と大きな耳の持ち主。作中で最も人間臭い人物。自称「幽州の北斗七星」「天下の器」。一人称は「おいら」で、江戸っ子のべらんめぇ口調。関羽と張飛には「長兄」と呼ばれる。初登場時は、昼は草鞋を売りながら、夜は侠の頭「鬼嚢(きのう)」として困った人達を助けていた。関羽・張飛と義兄弟の契りを交わし、第六感と並外れた人気で徒手空拳から天下を狙う。危機にさらされる度に、人としてのプライドを投げ捨ててしまう場面もしばしばあるが、幾多の困難を乗り越えて自らの器を再確認していく。
作者曰く、登場人物の中では最も作者に性格が似ているという。
関羽(かん う、字・雲長)
声:諸角憲一
美髯をもち青龍偃月刀を愛用する、義侠と理知に富んだ士。肌の色は赤みを帯びている。自称「義侠の積乱雲」。美髯団(びせんだん)という義侠集団の頭目として初登場。若き日の劉備と出会い、その民を想う心意気に打たれ、張飛とともに義兄弟の契りを交わす。劉備には「関さん」、張飛には「雲長兄ぃ」と呼ばれる。呂布と互角に渡り合うなど、作中最強の人物の一人。武人としての才のみならず、曹操に降った際には為政者としての素質をも見出されるなど、敵味方を問わず曹操に最も高く評価される。晩年には荊州を任され、劉備が漢中王に即位すると北伐を開始。樊城を攻め立て、神々しいまでの武を奮う。関羽包囲網での激戦の後、孫権自らの手で首を落とされる。首は曹操の下に送られた。あくまでも大地に根ざした理想を掲げる曹操とは対照的に、神へ昇りつめる存在である極めて重要な人物として描かれている。
作者は終盤の活躍を描くにあたり、神である関羽への礼を失しないよう自分の描いたイラストを基に神棚まで作ったという。
張飛(ちょう ひ、字・益徳)
声:関貴昭
虎髭を生やし蛇矛を扱う、無学・粗暴・大酒飲みながら侠気溢れる豪傑。自称「義侠の雷動」。字は正史に基づき益徳だが、講談師などの間ではこの頃からすでに「翼徳」と演義の字が間違って流布している。劉備と関羽には字で呼ばれる。先に義兄と仰いでいた関羽が敵対していた劉備と義兄弟となったため、自身もなし崩しに劉備の義弟となってしまう。そのためか序盤はあまり劉備に敬意を払っている節は伺えないが、徐々に息の合うコンビネーションを形成していく。劉備・関羽の突飛な言動に振り回される中、三兄弟の中では常識的な言動をとる。長坂の戦いでは天下無双の武を見せる。許褚の人物評では「猪」。
糜亀姸(び きけん)
劉備の室。口元にほくろがあり、お亀顔。おっとりとしているが気丈な性格。何か悩み事がある時に劉備はよく彼女を抱く。劉備からは「亀(かめ)ちゃん」と呼ばれていた。長坂の戦いにて、崩壊する馬車より阿斗を守るも重傷を負い死去。
甘夫人(かん-)
劉備の室で、劉禅の母。長坂の戦いでは糜亀姸と同じ馬車にいたが、劉冀と趙雲によって助け出される。赤壁の戦いの後に死亡。
劉冀(りゅう き、字・公徳)
声:松本さち
劉備の長子。劉備が徐州にいた頃に生まれたと思われる。幼くして儒の思想を語り、漢帝国への忠誠心は父・劉備よりも強い。曹操の徐州再侵攻の際、関羽や他の劉備の親族と共に捕虜となり数年を曹操の下で暮らす。長坂の戦いの中で、父と自身の天命を知るが、直後に背中に矢玉を受け死亡。
劉禅(りゅう ぜん、字・公嗣、幼名・阿斗)
劉備の子。母は甘夫人。長坂の戦いで初登場。利発で快活な少年。孫燁夏をよく慕っており、自らも関西弁で喋る。
劉封(りゅう ほう)
劉備の養子。関羽最後の出兵時に登場。孟達と共に上庸城を守備した。関羽軍へ要請通り援軍を出すよう慎重な孟達に強く迫るが、その若さによる血気に逸る言動をたしなめられる。
関平(かん へい)
関羽の長子。本格的に登場するのは終盤であるが、幼少期の関平らしき人物が長坂の戦いに登場している。髯の長短以外は容姿、性格とも関羽に瓜二つの若者。実戦経験がほとんど無いにもかかわらず満寵に「とんでもない血統」と驚愕されるほどの武の才能を持つ。一方で過剰に礼を重んじるなど古風で合理性に欠ける一面がある。陸遜に斬られる。

家臣

諸葛亮(しょかつ りょう、字・孔明)
声:平田広明
董卓の死後に中性的な少年として初登場。十数年を経て再登場した時には、張飛よりも背の高い筋肉の隆々とした大男になっていた。額面通りの知識者・智恵者ではなく、劉備との初対面で突然勃起した男性器を露出するなど作中最大の色物人物として、また幻想世界を眺望できるような常識外の人物として描かれている。言動も突飛で飄々とし、劉備を天下人として覚醒させたかと思えば、敵であるはずの曹操にも興味を持ち接近する。しかし、完全に現実世界で生きる曹操には幻想世界に生きる彼の名も存在も認識すら出来ず、両者の相手に対する関心の落差は大きい。赤壁の戦いまでは幻想世界側での立ち居地が色濃く、常に異国の女性数人と、老人二人、童子二人を付き従えていた。赤壁における幻想の中で曹操に「俗世間の垢にまみれよ」と切り捨てられた後は、金髪が黒髪に変わり三つあった瞳が一つになるなど、外見・性格ともに大分おちついて、現実世界よりの人物となる。また、法家の能吏としての実績を積んでいく。しかし自身の曹操への並々ならぬ執着と、相反する曹操からの無関心は変わらない。
作者曰く「従来の三国志を有り難がっている人達に感じた違和感全てを持ってきたキャラクター」。また、連載前は三国志を全く知らなかった作者が唯一名前だけは知っていた人物。
趙雲(ちょう うん、字・子龍)
声:森川智之
美形で冷静沈着。眉毛が太い。劉備曰く「きれいな男、返り血ひとつ浴びない武人」。初登場の際には、袁紹陣営を単騎で通り抜け公孫瓉陣営に参加し、麴義を一撃で討ち取った。亡き母の喪に服して目を閉じている間に一時的に失明するも、再会した劉備によって再びその眼は開くことになる。一軍の将としてよりも一武人としての色合いが強く、超人的な馬術と槍術で数多の戦場を駆け巡った。許褚の人物評では「スズメ蜂」。
曹豹(そう ほう)
声:室園丈裕
元・陶謙の配下。陶謙が没するに当たって徐州を劉備に譲るという遺言を預かり、以後は劉備の配下となる。後に張飛に諫言した際、逆に激昂した張飛に絞殺された。
徐庶(じょ しょ、字・元直)
坊主頭をしていて頭から顔にかけて傷だらけである。己の「方寸」に従い生きることを信条としている。長坂の戦いでは錯乱した劉備に替わり兵を動かすも、曹操軍に捕縛される。その後、曹操軍の陣中で、自分の存在が歴史上「劉備に諸葛亮を紹介した人物」としてしか語られないことを悟り、全身から血を噴き出すほど激昂する。
周虎(しゅう こ)
長坂の戦いで登場。張飛のことを「益徳兄ィ」と呼んでいる。満身創痍になりながら張飛の子を助けるも、子は張飛の元に届いた時にはすでに死んでいた。劉冀らとともに矢玉を背中に受け死亡。
馬良(ば りょう、字・季常)
赤壁の戦い後の孫劉同盟締結時の会談で登場。「白眉」の故事通り眉が白い。声が非常に小さく、目一杯張り上げてもろくに聞こえないほどである。
麋竺(び じく、字・子仲)
糜亀姸の兄。赤壁の戦い後の孫劉同盟締結時の会談で登場。お亀顔。徐州時代から劉備に従う。
殷観(いん かん、字・孔休)
元劉表の臣。赤壁の戦い後の孫劉同盟締結時の会談で登場。荊州の返還を強硬に主張し、劉備に一喝される。
馬超(ば ちょう、字・孟起)
馬騰の子。馬騰は羌族との混血であり、その血を引く馬超も漢帝国の支配を受けない民族からの信望が厚い。少年期に董卓と呂布を目の当たりにしたトラウマにより、漢帝国の完全なる破壊と新たな国の創造を目指す、異常なまでに純粋で理想高い性格となっている。漢帝を擁する曹操に叛旗を翻し盟主として乱を起こす。しかし乱においては、潔癖であるが故の脆さをのぞかせ、一度は単騎で曹操を追い詰めるも、逆撃を被り多くの仲間を失う。退却の最中、己の心情を崇高に優先した結果、生き残った龐悳らと訣別することになる。失意のうちに彷徨いたどり着いた劉備の元でその器の大きさに触れ、人としての心を取り戻した。以後は劉備の夢のために武を振るう。許褚の人物評では「鷹」。
作者いわく「キーワードは『凶気の桜』」。
馬岱(ば たい)
馬超の従弟。涼州の乱で初登場。馬超・龐悳と比べると感情的な性格。馬超の事を「孟起殿」と呼んでいる。涼州の乱で、馬玩の犠牲をもって龐悳とともに馬超の窮地を救い、その後も彼に付き従っていたが、一時行動を別にする。だが、劉備の漢中侵攻時にはいつの間にか劉備に仕え、一軍の将となっている。
龐統(ほう とう、字・士元)
無頼漢めいたクールな美男、冷徹なマキャベリストとして描かれる。左腕がない。長坂逃避行の後の曹操と荀彧との会話の中や孫劉会談時の馬良の発言の中で名前のみ登場するが、実際に作中で描かれるのは劉備の蜀侵攻時である。粗末な着衣に言動も不遜で、主君劉備に対しても物怖じせずに発言するが、それを受け入れる劉備に心服している。雒城周辺の砦での戦いで矢傷を負い、諸葛亮を呼び寄せるよう劉備に進言して息を引き取る。
作者の人物設定ノートによれば目のデザインモデルはデビッド・ベッカム単行本29巻、「公開・蒼天ノート」より。
馬謖(ば しょく、字・幼常)
兄に馬良。蜀への侵攻時に初登場。利発そうな青年。諸葛亮からの受け売りで、劉備に「漢中王」なる呼称の真意を説く。
法正(ほう せい、字・孝直)
劉璋の配下であったが、孟達と共に劉備に寝返り、蜀獲りを勧めると同時にその軍師となる。感性的な孔明とは対照的に理知的な軍略を繰り広げ、部屋には膨大な量の書簡がある。定軍山の戦いで無名ながらその実力を遺憾なく発揮するが、激務がたたって戦線離脱することになった。その翌年死去。
孟達(もう たつ、字・子度)
劉璋配下であったが、法正とともに劉備に寝返り蜀獲りを勧める。後に上庸を劉封とともに占領するも郭淮のゲリラ戦に翻弄され、関羽への援軍を出せなかった。
簡雍(かん よう、字・憲和)
鬼嚢時代から劉備に付き従っていたようだが、初登場は蜀への侵攻時。楽観的な性格で劉備のよき相談相手。劉璋から玉製の帯留めをくすねるなど盗っ人時代の癖が抜けていない。心のこもった言葉で劉璋に降伏を勧める。
黄忠(こう ちゅう、字・漢升)
劉備の蜀獲りの際、劉備旗下の将軍として初登場。漢中戦において法正の密命を受け、定軍山の麓で劉備と対峙していた夏侯淵を討とうと目論むも、逆に負傷させられる。その後、諸葛亮が潜ませていた兵の矢によって致命傷を負った夏侯淵に対し、負傷しながらも止めを刺した。続く戦いで療養を命じられる身であったにもかかわらず、罠が張られた曹操軍補給路を一人で潰して生還するなど、老いてもなお盛んである。
魏延(ぎ えん、字・文長)
劉備の蜀獲りの際、黄忠と共に初登場。土佐弁で話す。当初は一騎兵であったが、緒戦の活躍で将軍に抜擢された。戦場では荒武者だが、かなりの上がり症である。
卓膺(たく よう)
劉備の蜀獲りで登場。龐統の部下。雒城周辺の砦での戦いで討ち死する。
李恢(り かい、字・徳昂)
劉備の蜀獲りで初登場。法正とともに劉備の帷幕にいた幕僚。
厳顔(げん がん)
元・劉璋配下。漢中争奪戦で初登場。老将。
陳式(ちん しょく)
漢中争奪戦で初登場。顔に斜めに走る大きな傷が特徴。
雷銅(らい どう)
漢中争奪戦で登場。容姿性格ともに張飛に似た人物。呉蘭と組むが、下弁にて曹洪に斬られる。
呉蘭(ご らん)
漢中争奪戦で登場。容姿性格ともに関羽に似た人物(しかも関羽に譲られた古着を纏っている)。雷銅と組む。呉蘭・雷銅の二人のやり取りは、完全に関羽・張飛のパロディコントであり、上司となった張飛を辟易させた。下弁にて無数の矢と曹洪の攻撃を受け、崖から落ち戦死。
廖化(りょう か、字・元倹)
漢中争奪戦時に初登場。元は侠。樊城攻防戦では、呂蒙の荊州南郡占拠を関羽に知らせるために、単身三日三晩に渡り逃亡劇を繰り広げる。しかし、先回りしていた孫皎の虎燕拳により倒された。
張翼(ちょう よく、字・伯恭)
漢中争奪戦で初登場。睫毛が長い。揉み上げ部分の髪を後ろで結わずに長く前に垂らしている。
趙累(ちょう るい)
樊城攻防戦時に関羽軍の都督として登場。平凡な容姿だが戦局を正確にとらえられる冷静さと呉の奇襲に激しく憤慨する熱い心を併せ持つ。関羽とは古馴染みであるらしく、絶大な信頼をよせられており、関羽が戦だけに集中することができるよう軍の配置や兵糧の手配を担当する。乱戦の最中、陸遜に斬りつけられた関平に気をとられた隙に、敵兵士に斬られる。関平の将来の立派な姿を幻想しながら逝った。
孫狼(そん ろう)
関羽の樊城攻めに呼応して蜂起するが、民兵に討たれ司馬懿に首を差し出された。
王甫(おう ほ、字・国山)
樊城攻防戦で登場。後方を自らが守りぬくことを誓い、荊州の呂蒙のもとに向かった関羽を心配する趙累を、関羽への援軍に向かわせた。

孫家三代とその親族

孫堅(そん けん、字・文台)
声:相沢正輝
碧眼で西洋人のような風貌が特徴。作中では「帝王」と称される。曹操とは違った形で物事の合理性を追求しており、曹操もその実力を認める。夏侯惇も孫堅のカリスマ性を見抜いており、孫堅もまた夏侯惇を評価している。若年の周瑜の才能を見抜いており、「孫家はいつか周瑜に乗っ取られるぞ」と冗談まじりに孫策に話している。正史よりやや早く董卓死亡以前に死を遂げている。
孫策(そん さく、字・伯符)
声:松風雅也
孫堅の長子。辮髪が特徴的。豪胆な性格で、作中では「覇王」と称される。江南平定戦においては、民から熱烈な歓迎を受けるが、その反面で、攻められた側からはおびただしい怨嗟を受けるようになる。それが元で刺客に狙われ、いよいよ曹操のいる中原に軍を進めようとした矢先、毒矢を受けてしまう。なおも若さに任せて軍を進めるが、毒に耐え切れずに道中で倒れ、壮絶な最期を遂げた。
孫権(そん けん、字・仲謀)
声:洞内愛
孫堅の次子。虎の仁(じん)をはじめ様々な獣に勝手に懐かれる性質を持っている。一人称は「儂」で「~じゃ」という話し方をする。少年期はとても無邪気な性格で、孫策と周瑜にその器を早くから見出されていた。孫策の死後はやや無気力感が漂う。しかし頭の中では、自身の周りで起きた不幸や世の中の流れについて終わる事のない自問を繰り返しており、赤壁の大戦、曹操・劉備との対面、合肥の戦い、関羽討伐などを通して王として成長していく。曹操とは互いに親子のような感情を抱く好敵手となる。
孫燁夏(そん ようか)
孫堅の娘。「江南随一、孫家の娘(女)」と評されるように、気丈夫な女性として描かれる。関西弁で話すのが特徴。政略結婚で劉備の下へ嫁ぐが、実際に劉備の器には大いに惚れ込む。孫一族と劉備以外の者は、その直視から目をそらしてしまう。
大喬(だいきょう)
孫策の室。小喬の姉。孫策の死後、通常の倍の期間喪に服していた。赤壁の戦いに際して周瑜に意見すべく、周瑜邸を訪れる。琴が得意。
孫紹(そん しょう)
孫策の子。孫策が許都に軍を進める直前に登場。
孫皎(そん こう、字・叔郎)
孫権の従弟。関西弁を喋る。酒席で甘寧にからんだエピソードと共に登場し、独特の武技を得意とする。関羽と一騎打ちを行い、敗れて斬られた。

家臣

韓当(かん とう、字・義公)
声:藤真秀
黄蓋・程普らとともに初期から孫堅に仕える武将。張飛のような激しい顔つきではないが、虎髭をたくわえている。
黄蓋(こう がい、字・公覆)
声:奈良徹
前半は、韓当、程普とまとめて扱われる。赤壁前半戦の奇襲においては、白旗を掲げる曹操軍の兵士に容赦なく射殺命令を下した。演義のエピソードである苦肉の策も描かれており、亡き大君(孫堅)の意志を胸に曹操船団に接近する。後に死去。
程普(てい ふ、字・徳謀)
声:森訓久
韓当同様、目立った出番は無いが、赤壁では最古参の将として威を示し、たびたび周瑜に詰問する。程普・魯粛が相次いで逝去した際、その報せを聞いた孫権が、血が流れるほど唇を噛み締めた事から、孫軍の中での存在の大きさが伺える。
周瑜(しゅう ゆ、字・公瑾)
声:遊佐浩二
孫堅時代は少年らしく快活な描写もあったが、孫策時代に再登場してからは、智に優れた礼節ある美青年となる。許都に密かに潜入した時に荀彧と会見している。赤壁時から孫堅・孫策亡き後の孫呉の覇業を一人で支える重荷に心