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超犬リープ/桑田次郎

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著者: 桑田次郎
巻数: 3巻

桑田次郎の新刊
超犬リープの新刊

最新刊『超犬リープ 3


出版社: パンローリング
シリーズ: マンガショップ


超犬リープの既刊

名前発売年月
超犬リープ 1 2004-12
超犬リープ 3 2004-12

超犬リープ』(ちょうけんリープ)はSF漫画。原作は平井和正、作画は桑田次郎(現・桑田二郎)。連載は昭和40年(1965年)10月から昭和42年(1967年)8月まで、秋田書店の月刊漫画雑誌「まんが王」にて。

概要

ロボット犬リープが主人公。当初はMMM団との対決がメインとなっていたが、第5話で同組織は壊滅。以降は未来人や宇宙生命体、妨害同盟、恐竜などが登場する。

エピソードリスト

第1話 恐怖の地震砲
地震砲を開発した牧博士は、娘とともにMMM団を脱走。リープに助けられる。
第2話 殺し屋クルップ兄弟
MMM団はリープを手に入れるべく、クルップ兄弟を派遣する。
第3話 怪獣サンダー
生みの親・オビ技師に救われたリープは、放浪の旅に出る。自殺しようとする少女を救うリープだが、その頃、謎の銀色の怪獣が暴れていた。
第4話 偽のエコー
MMM団の首領ラインハウゼンは、死を逃れるため、リープの電子頭脳に自らの記憶を移植しようとする。
第5話 おばけ犬
記憶(電子頭脳)のないリープが放浪、騒動を起こす。MMM団の壊滅が描かれる。
第6話 未来人の復讐
70世紀から未来人が来襲。20世紀の人類を滅ぼそうとする。
第7話 怪生命アニマ
精神生命体(アニマ)が宇宙から飛来。自らの行動を自律できない彼らは、トラブルを引き起こす。被害は拡大し、新幹線の暴走に発展する。
第8話 妨害同盟
田西博士が発明した反重力装置を狙い、妨害同盟が暗躍する。彼らは撃退したが、時空に異変が起こり、恐竜が現れた。

登場人物

リープ

ロボット犬。SF社のオビ技師長(技術部長)が製作した。
普段はシェパードの姿をしている。この姿でも、ペンを咥えて文字を書く(「リープ」という名も、自分から紹介した)。
製作の経緯
娘(エコー)の愛犬リープ(シェパード)が、交通事故で死亡。悲嘆にくれるエコーのため、ロボット犬を製作した。
性能
目はサーチライト。
飛行時は翼が出る。
口からはフラッシュ弾。
耳には高性能の聴音機が内蔵されている。
尾から電撃を放つ。

リープの関係者等

田中次郎(たなか じろう)
リープと仲の良い少年。
田中善右ェ門(たなか ぜんうぇもん)
次郎の父。警視総監。階段を転げ落ちる癖がある。
牧博士(まき)
地震の研究家。地震砲を製作した。フルネームは不明。
第2話以降は登場しない。
牧千波(まき ちなみ)
牧博士の娘。田中家に住み続けている。
オビ(第2話終盤より)
リープの開発者。元、SF社の技師長(「技術部長」と表示される場合もある)。
ロボット犬リープを連れ、自家用飛行機でSF社から逃亡するが、娘を事故死させてしまう。
娘の死後は、リープを「魔犬」と忌避し、アルコール中毒になっていた。
少女(サンダーの飼い主)を介抱する事によって、アルコールから離れる。偽のエコーとの出会い、MMM団首領の手術を経て、第5話以降は後見人となる(助言などを行う)。
エコー
オビの一人娘。生まれながらの小児麻痺で、両足が不自由(松葉杖を使用)。
SF社からの逃避行の最中、ロッキー山脈上空で事故に遭い、死亡。

ゲスト

少女(第3話~第4話)
サンダー(虎)の飼い主。氏名は不明。元はサーカスの団員(父親はオーナー)。
生きる気力を無くしており、食事もしない。何度も自殺を試みる(その度にリープや次郎に止められている)。
オビ技師の介抱により、食事を取るようになったが、その後の消息は不明。
サンダー(第3話)
虎。実験のため銀色の防護服を着ており、拳銃ぐらいの火器は通用しない。
未来人の女性(第6話)
自らの醜さを呪っている。原因(核戦争)を作った先祖(20世紀の人類)を絶滅させる為、20世紀に襲来。
田西博士(たにし )(第8話)
反重力装置を発明した。
妨害同盟(第8話)
既存の企業の権益を守るため、新技術を封印しようと暗躍する。『8マン』にも同様の組織が登場している。

MMM団

テロ組織で、死の商人。MMM(スリーエム)団の由来は、軍隊(military)・殺人(Murder)・狂気(MAD)の頭文字から。

本部はモビィ・ディックという原子力潜水艦(名前の由来は『白鯨』から)。構成員は爆弾を埋め込まれている。

SF社を支配下に置いている。

第1話 恐怖の地震砲

リンツ伯爵
ムチを持っている。部下の命を何とも思っていない、非情な性格。地震砲を誤作動させ、自滅する。モデルは先輩SF作家小松左京の『エスパイ』に現れる悪役リンツ伯爵であろう。
リンツ伯爵配下の3人組
ポール
黒服の男。レーザー砲でリープを狙撃したが、反射され自滅する。
アブドーラ
大男。バンボからは「アブドラ」と呼ばれた。リンツに処刑(爆死)される。
バンボ
リンツ伯爵と同じく自滅する。

第2話 殺し屋クルップ兄弟

クルップ兄弟
リープの捕獲を目的として派遣された。非情で残忍な性格。
モデルロボット犬に追われ、自動車で崖から落ちて死亡。
コルバート博士
SF社で20年も研究に携わり、良い成績を残している。
悪人ではないが、小心者であるため、クルップ兄弟に加担、リープを調査した(会社命令でもある)。
ホッホマイヤー
法的にリープを抑えようとしたが、失敗。リープの追跡を受けた際、誤って同僚を死亡させる。
千波と同じ牢に入れられ、リープの侵入を知る。それをクルップ兄弟に知らせるが、本部からは処刑命令が出ていた。次郎・千波と脱走するが、銃殺される。

第3話 怪獣サンダー

※サブタイトル(エピソードの構成)は、サンワイドコミックス版による。

ラインハウゼン
MMM団の首領。余命いくばくもない。第4話にも登場。

以下の2名は、引き続き第4話、第5話にも登場。

ジャベル博士
「ヨーロッパ一の名医」と呼ばれている。策略家でもある。
偽のエコー
ジャベル博士に整形され、エコーそっくりの外見をしている。本物と違い、両足に障害はない。

第4話 偽のエコー

マリア
オビの助手として手術のサポートを行う。オビを尊敬し、MMM団を裏切る。

第5話 おばけ犬

テトロフ
MMM団幹部。ジャベル博士の裁判で、生存に投票した。彼と組み、リープを狙う。

超科学の産物

オビの製作した物

リープ
#リープを参照。
モデルロボット犬
リープと同時に作られた。構造は同じ。
意志(電子頭脳)はなく、オビに操られている。

MMM団の使用した武器

第1話 恐怖の地震砲

レーザー砲
トラックに乗せて運搬。使用時は鏡を使用し、反射させた(反射衛星砲と同じ使用方法)。
地震砲
製作者の牧博士によると、水爆以上の威力がある。元は地震の研究(実験)のために開発された。

第2話 殺し屋クルップ兄弟

冷凍爆弾
リープを倒すために用意していたが、ホッホマイヤーが誤って仲間に使用した。
メーザーガン
クルップ(兄)が使用。リープを行動不能に陥れる。
超音波ナイフ
クルップ(弟)が使用。次郎に奪われ、逃走に使用された。

第3話 怪獣サンダー

サイボーグ犬(ドーベルマン)
リープを倒すためにジャベル博士が用意した。3匹で1チーム。

その他

タイムマシン
70世紀人が使用。飛行能力を備え、火器を有している。

コミックガンマ版

1995年から1996年にかけて竹書房の漫画雑誌「コミックガンマ」にてリメイクされている。エグザクト企画によって企画され、ストーリーは風野真知雄が担当。作画は大貫健一。リメイクに当たっては設定がほぼ刷新されている。平井・桑田の両名は原作者として名義のみの登場。

連載途中に雑誌が廃刊となり、打ち切り。コミックスは発刊されていない。

掲載一覧

  • 1995年 11月号 FILE1:謎の来訪者
  • 1995年 12月号 FILE2:リープ死す?
  • 1996年 1月号 FILE3:もう一匹の犬
  • 1996年 2月号 FILE4:超犬出現!
  • 1996年 3月号 FILE5:謎の古代獣
  • 1996年 5月号 FILE6:リープの秘密
  • 1996年 6月号 FILE7:明日への闘い

他の平井和正作品との関係

8マン
前作に相当する(直接の関係は語られていない)。作画も、同じ桑田次郎。
「妨害同盟」と同じ機能の組織が登場する。
エリート
同時期に連載。作画も、同じ桑田次郎。
サイボーグ・ブルース
超音波ナイフが登場。その他、レーザー砲などSF兵器を揶揄するシーンがある。
超革命的中学生集団
「妨害同盟」

と同じ機能の組織(「<企業防衛同盟>」)が登場する。

東京が大変だよ
短編。『妨害同盟』

と共通するプロット(「横丁のマッドサイエンティスト」による反重力装置の発明、恐竜の出現)。

関連項目

8MAN infinity
本作の登場人物(田中善右ェ門)が登場。その他、リープ(登場時は「3匹で1チーム」だった)、サンダーという名のマシナリーも登場する。
サイボーグ009
『移民編』の設定と、本作の70世紀人の設定に共通点がある(平井と石ノ森章太郎には親交がある)。

備考

最初の単行本化(全1巻)の際、編集がひどかったので平井が絶版とさせた。昭和62年(1987年)、朝日ソノラマのサンワイドコミックスで全2巻として全話が刊行された。サンワイドコミックスの1巻は、通常のコミックス(サンデーコミックスなど)の1.5巻分(以上)に相当する。

以下は、サンワイドコミックス第1巻の解説(西部直樹)による。

リープの名前は、跳躍(leap)に由来する。
最初のコミック化の際(上記)、エピソードは1/3しか収録されなかった。
リープは『8マン』と『ウルフガイ(アダルト・ウルフガイ)』の橋渡し役。

作者の登場シーン

第2話
桑田次郎が速筆のマンガ家として、平井和正が遅筆のライターとして登場。
第3話
両者が登場。平井は酔っ払っていた(桑田が酔っているかどうか不明)。
第8話
両者が登場。平井は余裕があるが、桑田は締め切りに追われ、徹夜続きで朦朧としていた。