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逆転裁判/前川かずお 黒田研二脚本

共有

著者: 前川かずお 黒田研二脚本
巻数: 5巻

前川かずおの新刊
黒田研二脚本の新刊
逆転裁判の新刊

最新刊『逆転裁判 5


出版社: 講談社
シリーズ: ヤングマガジンKC


逆転裁判の既刊

名前発売年月
逆転裁判 1 2007-04
逆転裁判 2 2007-06
逆転裁判 3 2007-12
逆転裁判 4 2008-07
逆転裁判 5 2008-12

逆転裁判』(ぎゃくてんさいばん)は、カプコンの法廷バトルアドベンチャーゲーム、およびそのシリーズ名。また、同作品に関連した漫画、小説、舞台などを指す。

ファンの間では「逆裁」と呼ばれることが多いが、逆転裁判製作チームのスタッフは、「逆転」と呼んでいる。

概要

本作品は“法廷バトル”という今までにないジャンルを生み出したゲームである(広義ではアドベンチャーであるとされる)。主に殺人事件が話の中核となり、被告人や証人との駆け引き、真犯人への追及という部分に重きが置かれている。

初期シリーズ(『1』 - 『3』『蘇る』)の主人公は弁護士の成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)。『4』の主人公は王泥喜法介(おどろき ほうすけ)。

ゲームは、移動と会話をくりかえして裁判のための情報・証拠品を集める「探偵パート」と、そこで得た証拠を武器に依頼人である被告人の弁護を行う「法廷パート」に分かれている。法廷においては、自分の手元にある入手した情報や証拠品、または検察側から提出された証拠品とつきあわせつつ、証人達の証言を聞き、尋問においてその中にある事実と食い違う部分、つまり「ムジュン(矛盾)」を探し追及するのが、このゲームシステムにおける原則である。また多くの矛盾点を暴いていくことで事件の「真相」を徐々に明らかにしていき、依頼人の無実及び無罪を立証するのが最大の目的である。

制作上の意図により、ゲーム中の裁判制度は2000年代現在の日本のものとは大きく異なる。例えば、本作特有の裁判のシステム序審法廷制度が最たるものだが、ほかにも異なる点がある。ゲーム中、裁判長の手にある木槌は実際の日本の法廷では使われておらず、「異議あり!」の発言も証人に向かって叫ぶのではなく、弁護士・検事が互いの質問・尋問に対して判事に申し立てるものである。しかし、本作のように弁護人や検事でない人物が法廷に立つことは、簡易/家庭/地方裁判所で「特別弁護人」として実際に認められている。

2010年6月の時点での、国内外におけるシリーズ累計販売本数は390万本に及ぶ株式会社カプコン シリーズソフトの累計販売本数

基本ルール

物語は基本的に「法廷パート」と「探偵パート」とに分かれ、プレイヤーは弁護士となって両方のパートを繰り返しながら、事件を解決へと導いていく。

法廷パート

証人が行う「証言」を聞き、それに対してプレーヤー(弁護士)は「尋問」を行う。証言をさらに問い詰める「ゆさぶる」、事実と証言が異なることを証明するために証拠品を提示する「つきつける」の2つを駆使して真実を暴く。

『1』『蘇る』ではペナルティポイントが5点あり、選択肢や証拠品の選択をまちがえると1点減点され、全ての点数を失うと有罪判決(ゲームオーバー)となる。『2』以降はペナルティポイントがゲージ制になっており、ペナルティを受けるとゲージが減少する。『1』『蘇る』とは異なり、失敗する局面での減少量が異なり、重要な局面であるほどペナルティが大きい(ゲージを全て奪われ即有罪判決になる場合もある)。『1』『蘇る』では話中の特定の区切り(パート)を通過する際にペナルティポイントが全回復するのに対し、『2』以降は一日の法廷パートを全てクリアしない限りゲージは回復しない。

なお、尋問時のBGMは各作品ごとに2種類(「尋問〜モデラート」・「尋問〜アレグロ」)ある。『検事』では3種類(「対決〜モデラート」・「対決〜アレグロ」・「対決〜プレスト」)となっている。

『逆転検事』ではこの「法廷パート」は存在せず、事件現場やその周辺で事件関係者と論争する「対決パート」に変更となっている。相手の発言をゆさぶったり、ムジュンする部分に証拠品をつきつけたりといった基本的な流れは同じ。

つきつける
プレイヤーは証言の台詞のうちムジュンがある部分に対して「つきつける」を選び、同時にムジュンの根拠になる証拠を示す。『2』『3』では人物リストも選択肢に含まれる。これが正解ならストーリーは先に進むが、指摘する部分や提示すべき証拠品をまちがえた場合はペナルティを受け証言からやり直しとなる。
ゆさぶる
証言のセリフに対して「ゆさぶる」を選ぶと、詳しい情報が得られる。「つきつける」を使わず証言をゆさぶり続けることでストーリーが進む場合もある。ゆさぶった後で新しい証言が出されることがあり、ゆさぶりで動揺した証人がここで矛盾したことを言う場合もある。基本的に何度ゆさぶってもペナルティにはならない。「ゆさぶる」を使った時点でペナルティを受ける場合は、事前に警告されることが多い。
みぬく
『4』で登場。特定の証言のセリフに対して腕輪を選ぶと、証人が嘘をつくときに出る「クセ」を見抜き、それを指摘して進める。王泥喜とみぬきがこの能力を使用することができる。この時は証人のしゃべるスピードが非常に遅くなり、嘘をついたときにクセが出る。見逃した場合はもう一度聞き直すことができる。
上記の各操作を行なうと、弁護人の考え・方針を答えなければならない設問が発生する場合がある。設問の形式は様々で、選択肢の中から正しいものを選ぶ形式、証拠品・人物提示、資料図示、動画図示などがある。画面に残りゲージが表示されている設問では間違った答えを選ぶとペナルティとなるが、残りゲージが表示されていない設問ではペナルティの対象とならない。

探偵パート

さまざまな人物から情報を手に入れたり、現場検証して証拠品を集めるなどの行動を繰り返し、裁判に必要な手がかりを集めることが目的。ペナルティはない(ただしサイコ・ロックにはペナルティあり)。

また、必要となる全ての証拠品および情報を得なければ次の法廷パートへ進まないので、「探偵パートで調べ忘れをしたために法廷パートのクリアが不可能になる」といういわゆる「手詰まり」の状態は発生しないようになっている。

『逆転検事』では「捜査パート」に名称が変更されている。

サイコ・ロック(心理錠)
『2』『3』『4』に登場。霊力のこもる勾玉を持った人間に、他人の心の中にある“秘密にしておきたい事”が赤い錠と鎖という形をとって見えている物。赤い錠の数が隠しておきたい気持ちの強さを意味し、原則的に多いほど聞き出すのは困難。赤い錠の数は最大で5個。基本的にその時、勾玉を持っている人間にしかサイコ・ロックは見えない。解除する際に、勾玉をつきつけると尋問が開始されるが、『4』では会話コマンドの画面に勾玉が表示される表になっており、タッチすることで尋問が開始される。プレーヤーはそれらに対して1問ずつ正しい証拠品または人物を提示する。不正解ならばペナルティとなりゲージが減るが、0になるとほんのわずかだけ回復するためゲームオーバーにはならず、何度でも挑戦できる。すべて正解すれば解除成功となり、錠のかかっていた情報を聞くことが可能になり、ゲージも半分回復する。また、サイコ・ロックは裁判の審理中に現れることはない。
なお、サイコ・ロックは発見直後の時点での手持ちの証拠品で解除可能とは限らない。大抵の場合、別の場所で新たな証拠品及び情報を探した後に戻ってきて解除することになる。
色は基本的に赤色だが、『4』では黒いサイコ・ロックも登場した。因みに御剣は「さいころ錠」と誤解して呼んでいる。
電波・金属探知
『2』『3』に登場。『1』にも金属探知機は登場するが、所持した状態で特定の場所へ行くと、イベントが発生するだけのもので後述するような操作は行わない。
電波もしくは金属の反応がある場所にカーソルを重ねると、カーソルが「ピー」という音を立てて赤色に変化し(DS版では「CHECK」の文字が点灯し)、その場所や物を調べることができる。この操作をくり返し、目的の証拠品を発見すると成功となる。電波探知器や金属探知機は電波発生源や金属のある場所にはすべて反応するが、目的外の場所や物を調べてもペナルティにはならない。
カガク捜査
『蘇る』『4』に登場。DSのタッチパネルを利用した新要素。なお、タッチペンが存在しない携帯アプリ版『蘇る』では操作は簡略化されている(3Dで変更できる視点が決まっている、指紋採取で粉をまいて吹き飛ばすまでが自動で行われる)。
3D証拠品
証拠品を3Dで表示し、X軸回し・Y軸回し・拡大縮小で色々な角度から調べることができる。
ルミノール試薬
血痕に反応する薬品を証拠品ファイルで「ふきつける」を選ぶことによって使用する。タッチペンで薬品を吹きつけ、反応があると青白く光って見える。血痕は本編に関わるものよりも、むしろ「お遊び要素」として出されているものが多い。
『蘇る』第5話の探偵パート・『4』第3話の法廷パート(一回のみ)で使用する。
指紋検出
タッチペンでの操作で指紋のありそうなポイントに採取粉を置き、マイクに息を吹きかけて「吹き飛ばす」ことによって指紋を検出し、その指紋と一致する人物を調べる。iPhone/iPod touch版ではマイクに息を吹きかける代わりにフリック操作で払う形に変更されている。『蘇る』第5話・『4』第2話に登場。
足跡検出
『4』第2話に登場。足跡にタッチペンで石膏をまんべんなく流し込み、ドライヤーで乾かした後にインクをつけて足跡をとる。あとは指紋と同様に一致する人物を調べる。
毒物検出
『4』第4話に登場。ルミノール試薬とほぼ同じだが、こちらは毒物に反応する。
X線解析装置
『4』第4話に登場。X線を使って物体を透過して調べる。断面を見ながら反応するポイントを探し、反応した場所をタッチペンで固定した後、調べたい部分を再び探す。これをくり返すことで封筒の中身や絵の下絵を調べることができる。
ロジック
『逆転検事』に登場。御剣の得意技で情報と情報のつながりを見つけ、そこから新たな情報を得るシステム。御剣は現場検証をしている内に判明した事実や疑問に思った事などを自分の頭脳に蓄積していく。御剣の頭脳に事件の情報が一つでもある時に、「ロジック」パネルをタッチするかLボタンを押すことで、頭の中の情報を思い出すロジックモードに移行する。それから情報と情報の関連性を見つけ、「まとめる」ことで更なる情報を導き出す。
間違った情報を選ぶと真相ゲージが減るため、慎重な推理が求められる。
まとめる
ロジックモードに移行した状態で2つの異なる情報を選択し、「まとめる」パネルにタッチするかXボタンを押して「まとめる」ことで、新たな情報を得たり仮説を立てたりする。関係無い情報どうしをまとめた場合、真相ゲージが減ってしまう。
原則的にまとめられる情報は一度につき2つまでであり、3つ以上まとめるのは不可能。例を挙げると、3つの情報A・B・Cがあったとする。一度に全てをまとめるのは不可能だが、情報Aと情報Bをまとめたことで得た新たな情報Dを更に情報Cとまとめるといったことならば可能。
推理
『逆転検事』に登場。現場の様子と証拠品との間にムジュンが生じている場合、それを指摘して新たな情報を得ることができる。事件現場の中でも死体の周辺などの重要な場所では、カーソルを操作することでより詳しく調べられるのだが、この時に画面に「推理」パネルが表示されていれば、パネルにタッチするかXボタンを押すことでカーソルを合わせた箇所そのものに証拠品をつきつけることができる。間違えれば真相ゲージが減る。
情報再現
『逆転検事』に登場。通称「ぬすみちゃん」と呼ばれる、美雲が持つ携帯電話に似た機械。情報を入力する事でそれを立体映像にしてシミュレーション出来る。情報さえあれば大きな館の通路から、果ては動く物まで再現出来る優れ物。集めた情報や証拠品などのデータを特殊な機械に入力することで、犯行当時の事件現場の状況を、擬似的に等身大で再現する。その再現された現場を更に捜査することで、入力データに間違いはないか、またはデータが不足していないかを確かめながら、隠された真実に迫っていくことができる。再現中に得た情報によっては、再現の内容が更新されることもある。

シリーズ一覧

ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS等で発売されている。逆転検事以外のシリーズ作品のディレクターとシナリオは全編を通して巧舟が担当している。以下は特に説明の無い限り全て日本国内向けに発売されたバージョンについての情報。

  • 逆転裁判(GBA 2001年10月12日発売)
  • 逆転裁判2(GBA 2002年10月18日発売、DS 2006年10月26日発売、Wiiウェア 2010年1月26日配信)
  • 逆転裁判3(GBA 2004年1月23日発売、DS 2007年8月23日発売、Wiiウェア 2010年2月23日配信) - CEROレーティング12歳以上対象
  • 逆転裁判 蘇る逆転(DS 2005年9月15日発売、Wiiウェア 2009年12月15日配信開始、iPhone/iPod touch版 2009年12月21日配信開始) - CEROレーティング12歳以上対象、PEGIレーティング7歳以上対象
  • 逆転裁判4(DS 2007年4月12日発売) - 限定版のみCEROレーティング12歳以上対象
    • 『3』までの主人公成歩堂龍一に代わり、新キャラクターの王泥喜法介が主人公になっている。
  • 逆転検事(DS 2009年5月28日発売) - CEROレーティング12歳以上対象。
    • シリーズ初のスピンオフ作品。検事・御剣怜侍を主人公とする。
  • 逆転検事2(DS 2011年春発売予定)
  • レイトン教授VS逆転裁判(3DS 発売時期未定 )
    • レイトン教授シリーズ(レベルファイブ)とのコラボレーション作品。

Wiiウェア版はWiiリモコンの加速度センサーによる操作に、iPhone版はタッチパネルによるフリック操作に対応。

カプコンのケータイサイトでは携帯電話用アプリとして、『逆転裁判 蘇る逆転』『逆転裁判2』『逆転裁判3』『逆転裁判4』(『4』は2009年●月現在ドコモのみ)が移植されているほか、ドコモのみではあるが『逆転裁判ポーカー』『クイズ逆転裁判』『昇進テスト』といったオリジナル作品も配信されている。

  • 以下は移植作品(ソースネクストから販売)
    • 逆転裁判 PC(Windows 2005年12月23日)2,970円(税込)
    • 逆転裁判2 PC(Windows 2006年3月31日)2,970円(税込)
    • 逆転裁判3 PC(Windows 2006年3月31日)2,970円(税込)
    • 逆転裁判 PC 1・2・3セット(Windows 2006年3月31日)6,980円(税込)

逆転裁判

シリーズ第1作目。全4話。続編が出る予定はなかったため、4話でほぼ全ての伏線を回収している。システムはこの時点でほぼ完成されており、続編において大きな変更は見られない。

メインキャラクターデザインは末包久美子、BGMは杉森雅和。

第1話:初めての逆転
綾里法律事務所所属の新米弁護士、成歩堂龍一の初弁護。アパートで殺人事件が発生し、被害者の恋人で成歩堂の小学校以来の親友・矢張政志が逮捕された。成歩堂は矢張の無実を信じ、初めての弁護を引き受けることを決意する。
第2話:逆転姉妹
綾里法律事務所で、成歩堂の師匠・綾里千尋が撲殺された。その犯人として、第一発見者であり、被害者の妹で修行中の霊媒師である綾里真宵が逮捕される。留置所を訪れ、彼女が犯人ではないと確信した成歩堂は弁護を引き受け、真相を調べ始めるが、彼の前に大きな壁が立ちはだかる…。
元々はこのエピソードが第1話の予定だったが、プレイヤーが初めて遊ぶことになる第1話は法廷パートのチュートリアル的なエピソードに変更することになり、第2話に回された。
第3話:逆転のトノサマン
人気テレビ番組のヒーロー・トノサマンが怪人アクダイカーンを倒した!テレビではごく当たり前のことが、現実に殺人事件として起こってしまった。トノサマンファンの真宵に引っ張られ、成歩堂は留置所にいるトノサマンの役者・荷星三郎を訪れることになるが、事件は二転三転し…。
第4話:逆転、そしてサヨナラ
公園の湖のボート上で殺人事件が発生。容疑者として逮捕されたのは、なんとライバルであり旧友でもある天才検事・御剣怜侍。成歩堂は御剣を弁護するため、留置所へ向かうが、御剣は成歩堂の弁護を一向に受けようとしない。調査を進めるにつれて、15年前のDL6号事件との関連性が浮き彫りになっていき、過去の確執と真相が明らかになり始める…。

蘇る逆転

GBA版『1』のニンテンドーDSへの移植にあたり、『1』と『2』の間の時期に新シナリオ1話を加えたもの。元は逆転裁判の海外進出のために開発されたもので、日本発売版でも設定を切り替えて英語版がプレイ可能。なお、英語版ではストーリーに大きな変更はないが、場所の設定は日本からアメリカに変更されている。また、証拠品ファイルの説明や台詞の表示がされるウィンドウの大きさにも違いがある。このことから、『蘇る逆転』は海外における『1』に相当する。

1 - 4話のシナリオはGBA版と全く同一であるが、第1話のみタイトルが「初めての逆転」から「はじめての逆転」とひらがな表記に変更された。DSの機能を活かして、法廷記録が下画面での1ページあたり8個の表示に変更され素早く選択できるようになっていたり、マイクを使った音声入力で「待った!」「異議あり!」「くらえ!」が可能だったりと、ユーザーインターフェースには改良がなされている。

追加された新シナリオでは、ニンテンドーDSの機能を活かした3D証拠品や指紋検出といった「カガク捜査」が導入されている。

登場人物デザインは塗和也が担当した。BGMは木村明美。なお、BGMは「GBA版の懐かしい雰囲気を出すためあえて音質上げを行わなかった」としており、追加されたBGMもGBA版と同じ音源が使用されている。

Wiiウェア版は4話まで収録され、第5話は『2』『3』配信後の2010年3月16日より有料の追加コンテンツ(要300Wiiポイント)として配信予定。Wiiウェア版ではWiiリモコンを活用した操作が可能で、証人をゆさぶる場合はリモコンを縦に振る、証拠をつきつける場合はリモコンを突き出すことで操作が出来る。

iPhone版の2話以降は有料の追加コンテンツとして配信される(3話以降は2010年1月配信)。

第5話:蘇る逆転
ひょうたん湖での殺人事件(『1』第4話の事件)から2か月。あの事件以来、成歩堂も御剣も法廷に立っていなかった。そんなある日、成歩堂の元に一人の少女が「姉を助けて欲しい」と事務所に駆け込んでくる。彼女の姿が、事務所を去った真宵と重なって見えた成歩堂は依頼を引き受ける。依頼された事件は、検察局の駐車場で捜査官が刺殺されたというもの。しかし、その殺人事件と同日・同時刻同じ捜査官が警察局でも殺害され、別の人間が逮捕されるという奇妙な事件が起こっていた。
巧舟曰く「ボリュームは『今までのシナリオの一番長いものの1.5倍くらい』」。
ゲームオーバー#バッドエンドが存在しており『逆転裁判』シリーズの時間軸でバッドエンドは『蘇る逆転』が最初である。

逆転裁判2

前述の通り、続編を作る予定はなかったのだが、スタッフの一言により、再び製作された。当初は全5話を予定していたが、ROM容量の不足からやむなく収録エピソードを一つ削ることが決まり、全体の構成がやり直しになり開発全体がかなり難航したという逆転裁判2「コラム第6回 メテオ兄弟」。また、GBA版では全話を通して誤植が見られる(DS版ではほとんど修正されている)。

変更点

  • 『1』では「つきつける」コマンドの対象は証拠品ファイル内のものだけだったが、今作から人物ファイルもつきつけられるようになった。
  • 法廷パートでの尋問時に、方向キーで証人の証言内容を先へ送ろうとしたとき、うっかりキーを押し過ぎてループさせてしまうというミス(スキップができない成歩堂のセリフが入った後、証言内容の先頭に戻ってしまう)が『1』ではよく発生したが、『2』でこれに対して防止措置がとられた。
  • 法廷パートで間違ったタイミングや証拠で異議を唱えた場合、『1』ではどんな間違いでも重みが同じで1回の裁判につき4回のペナルティまで許されるという回数制だったが、『2』からはゲージ制に変更された。失敗した状況によってペナルティの大きさが変化し、一度の重大な局面でのミスが即ゲームオーバーに繋がる緊迫感を演出する。
  • サイコ・ロックという新要素が導入された。これは探偵パートで秘密を抱えた人物から証拠品を突きつけて情報を引き出すというもの。

ニンテンドーDS版が2006年10月に発売されたが、『蘇る逆転』の第1話 - 第4話に加えられた変更と同様、タッチペン対応の証拠品リストやマイクでの音声認識機能と英語版の追加はあるものの、新シナリオその他の追加要素は特に無い純粋な移植作品となっている。なお、DSにGBA版とDS版を同時に差し込むことで、最初から全ての話を遊べるようになる。

なお、ディレクターの巧は「なるほど逆転裁判!」にて、難易度の高さを「個人的に大きな反省点」として挙げている。

TVCMでは、小雪と相島一之が出演、法廷シーンを再現した。

キャラクターデザイン担当は岩元辰郎。BGM担当は木村明美。

第1話:失われた逆転
公園で、婦人警官が恋人の男性警官を殺害した容疑で起訴された。弁護を引き受けた成歩堂だったが、開廷直前に何者かに殴られ記憶喪失になってしまう。自分が弁護士であることも思い出せないまま、成歩堂は法廷に立つことに…。
第2話:再会、そして逆転
医療ミスで14人もの死者を出した「霧崎医院」の院長・霧崎哲郎が、自らの潔白を真宵の霊媒で証明するため、成歩堂法律事務所を訪れた。成歩堂は霧崎医師とともに真宵のいる倉院の里を訪れるが、霊媒中に霧崎が殺害されてしまう。真宵を救うため、成歩堂は再び真宵の弁護を引き受ける。審理が進むにつれ、事件発生にまつわる驚くべき事実が明らかになる。
『1』で話順と時間の進行が一致していたが、『2』以降は必ずしもそうではなく、この事件は第1話の2か月前の出来事を回想している設定。
第3話:逆転サーカス
有名なサーカス団・タチミサーカスの公演を観に来た成歩堂達。ところがその翌日、同サーカスの団長が殺害され、大スターである天才マジシャン、マックスことマキシミリアン・ギャラクティカが逮捕されてしまう。成歩堂はマックスの大ファンである真宵に引きずられ、留置所を訪れる。次々と姿を現す「ありえない」証拠が導く結末とは…。
第4話:さらば、逆転
「大江戸戦士トノサマン・丙!」の主役で大スターの王都楼真悟が、ライバル俳優の殺人容疑で逮捕された。その直後、真宵が営利誘拐され、成歩堂は殺し屋を名乗る誘拐犯から王都楼の弁護と無罪判決の要求を依頼される。逆転裁判シリーズで初めてバッドエンドが登場するエピソードとなる。

逆転裁判3

成歩堂の師匠、綾里千尋の新人時代の様子も描かれる作品。前作にも増して霊媒の扱いが大きくなり、ストーリーのみならず事件の中核に直接関わるようになった。

ゲームシステム自体は前作からほとんど変更は無いが、『2』では探偵パートでのみだった“一度クリアしたエピソードのメッセージスキップ”が法廷パートでも可能になっている。一回でゲームオーバーになる部分も減らされており、システム面が大幅に改善されている。逆転裁判シリーズでは珍しく窃盗事件を扱い、第1話同様第4話も法廷パートのみの物語になっている。

なお、このゲームは2004年1月25日 - 1月29日および1月31日 - 2月5日に東京駅と新大阪駅構内で東海道新幹線利用者向けに午前10時から深夜24時にかけてゲームボーイアドバンスSPと共にソフトを無料で貸し出しするという鉄道サービスとしては世界で初めての試みも行われた。ちなみにこのサービスのキャッチコピーは「新大阪に着くまでに犯人を見つけ出せるか!?」であった。

2007年8月23日にはDS版が発売(GBA版とDS版の違いは『2』に準ずる)。これにより、1 - 4までの全ての作品がDSに揃った。

キャラクターデザイン担当は岩元辰郎。BGM担当は岩垂徳行。

第1話:思い出の逆転
成歩堂の師匠である、綾里千尋の過去の物語。初めての裁判でボロボロになった千尋が1年ぶりに弁護を引き受けた依頼人は、自身の恋人の元恋人の殺害容疑をかけられた大学生、成歩堂龍一だった。
このシナリオではプレイヤーは成歩堂ではなく、綾里千尋として法廷に立つ。
第2話:盗まれた逆転
「倉院の里秘宝展」で展示する予定であった秘宝「倉院の壷」が、怪人☆仮面マスクによって盗まれた。成歩堂たちは壷を取り戻すために調査を開始するが、名探偵や謎の検事の登場で事件は思わぬ方向へ進んで行く。
本作では第2話と第3話と第5話は、『2』の半年後という設定。
第3話:逆転のレシピ
糸鋸によると、“成歩堂”の雑な弁護のせいで「あるウエイトレス」に有罪判決が下されたという。全く身に覚えのない成歩堂は自分の「偽者」がいると考え、調査を開始するが、ひと癖もふた癖もある証人ばかりが登場する。
このエピソードは『2』で削られたものであるため、背景や登場人物に前作とつながる部分がいくつか存在する『逆転裁判3 真相解明マニュアル』239ページより
第4話:始まりの逆転
今から6年前、誘拐殺人の死刑囚が脱獄し、その死刑判決を決定付けた警察官を殺害した。新米弁護士・綾里千尋の初審理。そしてもう一人、検事局始まって以来の天才検事の初審理でもあった。
成歩堂が過去の記録を調べているという一種の回想形式で描かれる(現実での時系列は、第5話の途中)。
成歩堂の姿が見られるのは冒頭と終わり部分の少しだけで、プレイヤーは再び千尋として法廷へ立つ。また、成歩堂は全く関与していない。
第5話:華麗なる逆転
成歩堂は真宵と春美から、霊力を鍛えるために霊場へ保護者として同行してほしいと頼まれる。あまり乗り気ではなかった成歩堂だが、その霊場を特集した雑誌の写真にかつてある事件で有罪となったはずの「ある人物」の姿があった。これがどういうことなのかを確かめるため、霊場を管理している寺「葉桜院」に向かう。

逆転裁判4

「新章開廷!!」をコンセプトにし、『3』第5話の7年後の世界で、新キャラクター・王泥喜法介が主人公。『蘇る逆転』に登場したカガク捜査、ポリゴンの証拠品などのシステムは全編に組み込まれている。また、今作から「みぬく」と呼ばれる「人の癖をみぬく」能力を用いて法廷パートを進行させる新システムが登場する。また、探偵パートで人物ファイルをいつでも突きつけること、蘇る逆転でいつでも可能だったカガク捜査ができなくなっている。

当初はシリーズを一新させる意味で、旧作のキャラはいっさい出さない予定だったが、上層部からの意見により「成歩堂龍一」と「裁判員制度」を登場させることになった、とディレクターの巧舟が公式ブログ逆転裁判4公式ブログやインタビューで語っている。亜内や裁判長は引き続き登場。糸鋸は回想シーンのみで登場、また『蘇る逆転』と『2』に登場した人物も再登場している。「霊媒」を除いた前作までに登場していた用語も引き続き登場している。

テレビCMや広告などには、イメージキャラクターとして、丸山和也が出演した。広告キャッチフレーズは「嘘を暴く快感。」。初回限定版には『逆転裁判事典』と銘打ったこれまで発売されたシリーズのあらゆるデータを収録したソフトがもう一本付属していた。

なお、CAPCOMのオンライン販売サイトであるe-CAPCOMにて限定版の予約開始の際に、サーバーの許容範囲を遥かに超えるアクセスが殺到し、トップページ含むサイト内全てのアクセスが不能となり、翌日CAPCOMが陳謝する事態となった。

メインキャラクターデザインは塗和也が担当。BGM担当は堀山俊彦、奥河秀樹、木村明美。

第1話:逆転の切札
ロシア料理レストラン「ボルハチ」でポーカーの最中に殺人事件が起こり、王泥喜の師匠・牙琉霧人の親友でピアニストの成歩堂龍一が逮捕された。その成歩堂からの指名で弁護を引き受けた王泥喜だが、初めて立つ法廷で依頼人を救うことが出来るのか。
第2話:逆転連鎖の街角
王泥喜は成歩堂に呼び出され、事務所の仕事をなし崩しに押し付けられる。新パートナー・みぬきと共に町の小さな事件に関わっていく末に、王泥喜はある殺人事件の弁護を依頼される。
第3話:逆転のセレナード
異国の人気歌手・ラミロアのマネージャーが牙琉響也率いるバンド「ガリューウエーブ」の歌詞になぞって射殺された。容疑者になった異国のピアニストを言葉が通じない状況で弁護する事になる。
第4話:逆転を継ぐ者
裁判員制度の裁判の被告人を王泥喜が弁護する事になる。現場の調査に行くと知らないはずの王泥喜と被害者の意外な繋がりが判明した。
後半で7年前に成歩堂が弁護士の資格を剥奪された事件を見てから、成歩堂が7年前と現代で事件を調査して真相にたどり着く「メイスンシステム」が登場。また、プレイヤーの選択でバッドエンドが存在する。

逆転検事

NEW逆転 NOT裁判をコンセプトにした、逆転裁判シリーズ初のスピンオフ作品。御剣怜侍が主人公で、法廷パートはないが、「ゆさぶる」「つきつける」を用いた、対決パートによる尋問は存在する。

システムも、ゲージや吹き出しに入ったボイス付きのセリフなどはシリーズのものを踏襲しているが、探偵パートは捜査パートと名を変え、御剣を第三者の視点で操作する形となっている。ゲージも従来の作品に比べるとやや長い(最低ペナルティが少ない)。また、シナリオの進行度によってゲームオーバーの内容が変化する。時系列は『3』の約1ヶ月後(『3』の第5話の日付と本作の第1話の日付から)。逆転裁判シリーズでは珍しく連続殺人事件を扱う。

TVCMや広告には、松田翔太が出演。キャッチフレーズは、「ヒラメキで、追いつめる快感。」

本作のシナリオ担当・ディレクターは『蘇る』と『4』の企画及び一部テキストを担当した山崎剛で、逆転裁判シリーズでシナリオを担当していた巧舟は本作には関与していない。キャラクターデザイン担当は岩元辰郎。BGM担当は岩垂徳行。

第1話:逆転の来訪者
海外出張から帰ってきた御剣。ほぼ1ヶ月ぶりに検事局の執務室に入ると、何故か血の臭いが漂い、男性の死体が横たわっていた。誰も入れなかったはずの執務室で何故殺人事件が発生したのか。御剣は糸鋸刑事と共に捜査を開始する。
第2話:逆転エアライン
海外出張を終えて、日本に帰る為にジャンボジェット機に乗った御剣。一人で機内の1Fラウンジにいたが、飛行中に機体がエアポケットに入ったことで激しく揺れ、地震恐怖症の御剣は気絶してしまう。意識が回復し、2Fの自分の座席に戻ろうと機内のエレベーターのドアを開けるが、目に飛び込んできたのは一人の乗客の死体であった。その瞬間、ラウンジに来て死体を見たCAの悲鳴が響き渡る。殺人犯だと誤解された御剣は自分の無実を証明することができるのか。
第2話は第1話の2日前の出来事を回想している設定。
第3話:さらわれる逆転
日本に帰国して空港から出ようとした御剣の携帯電話に着信があった。電話を掛けてきたのは御剣のかつての恩人である天野河丈一郎だった。丈一郎の長男・天野川光が身代金目的で誘拐されたという。御剣は身代金を運ぶ役目を請け負い、身代金の受け渡し場所である人気テーマパーク「バンドーランド」に向かう。
第3話は第1話の前日であり、第2話に引き続き回想している設定。
第4話:過ぎ去りし逆転
舞台は7年前(『3』の第4話で回想された審理の約半年前)の地方裁判所。ある殺人事件の裁判で突然、被告人の真刈透が担当検事の一条九郎を殺人の依頼人と告発した。その為に裁判は休廷となり、代理として師匠の狩魔豪から推薦された新人検事の御剣が法廷に立つ事になる。審理の再開を法廷で待つ御剣と狩魔豪だったが、そこへ突然、新人刑事の糸鋸刑事が法廷に駆け込んで来て、第2控え室で一条検事と真刈透が死んでるという事を報告しに来た。
第4話は第3話の事件が解決した直後に回想している設定。
第5話:燃え上がる逆転
過去の事件で遭遇した犯罪者が現れる情報を入手した御剣は、その真偽を確かめる為に予告された場所へ向かう。そこは、2つの国の大使館が1つの建物に入っている特殊な大使館だった。当然、警察が厳重な警備を行っていたが、それにも拘らず両方の大使館でそれぞれ事件が発生してしまう。御剣は2つの異なる“国”を跨って捜査を行う事になる。
第5話は第1話と同日に発生している設定。

逆転検事2

『逆転検事』の続編。 今回御剣は自分自身の生き方について、大きな選択を迫られることになる。

レイトン教授VS逆転裁判

「今度のナゾムジュンに満ちている」をコンセプトにした、レベルファイブの人気作品であるレイトン教授シリーズとのシリーズ初のコラボレーション作品。逆転裁判側の主人公は1~3までの主人公である成歩堂龍一が務める。これまでの逆転裁判と異なり中世風の異世界『ラビリンス・シティ』が舞台となっており成歩堂と同じく異世界へ飛ばされたレイトン教授と共に魔女裁判の謎に挑む。

主要登場人物

内はゲーム中に表示される名称。キャラクターのネーミングの由来について言及されている場合は、全て開発上の命名の由来を意味するものであり、劇中での設定ではない。全登場人物の一覧は逆転裁判の登場人物の一覧を参照。

初期シリーズ(1/蘇る - 3)

成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)[ナルホド]
初代主人公。刑事事件を専門とする弁護士であり、成歩堂法律事務所の所長。ギザギザした髪型と青いスーツが特徴。小学生の頃の学級裁判がきっかけで御剣怜侍、矢張政志とは親しい間柄。正義感が強くお人よし。大学時代に無実の殺人容疑で逮捕され、綾里千尋の弁護を受けた(『3』第1話より)。千尋から受け継いだ「発想の逆転」と、「依頼人の無実を信じ通す心」が最大の武器である。
綾里 千尋(あやさと ちひろ)[チヒロ]
成歩堂の師匠にあたる凄腕の弁護士。『1』の第2話にて撲殺された。霊媒師として育てられたが、母が失踪した後に、弁護士になり星影法律事務所に勤めた。その後、独立し綾里法律事務所を開いた。非常に早い退場でユーザーを驚かせたが、その後真宵や春美の霊媒で度々登場し、成歩堂に力添えをしてくれる。
綾里 真宵(あやさと まよい)[マヨイ]
千尋の妹であり、倉院流霊媒道の霊媒師(『1』では“修行中の”と自分で付け足していた)。『1』の第2話にて千尋殺害の容疑者として逮捕され、成歩堂と出会う。成歩堂の弁護によって無罪となって以降、成歩堂と行動を共にしている。『2』にて、修行が成功し一人前の霊媒師になった。大江戸戦士トノサマンシリーズの大ファン。従妹である春美とは仲が良く、実力も認めている。
綾里 春美(あやさと はるみ)[ハルミ]
『2』から登場した千尋・真宵の従妹にあたる礼儀正しい少女。古風な口調で話す。真宵を姉のように慕っており「真宵さま」と呼ぶ。分家の娘でありながら、真宵の勾玉に霊力を込め、サイコ・ロックを見る力を与えることができるほどの霊力を有している。しかし春美が千尋を霊媒中に、真宵によって千尋をジャックされており、真の実力では真宵に一歩及ばないようである。箱入り娘であるため、里の外のことを余り知らず、男女の仲に敏感な面があり、成歩堂を真宵の「運命の人」だと思い込んでいる。図画工作が苦手。真宵・千尋からは「はみちゃん」と呼ばれる。
矢張 政志(やはり まさし)[ヤハリ]
成歩堂の最初の依頼人。「事件のカゲにヤッパリ矢張」と言われるほどのトラブルメーカーであり、成歩堂の親友。色々な女性と付き合うがよい結果を生まない。『1』ではマンジュウ売り、『3』の第2話では警備員など職を転々としていたが、次第に芸術方面の能力を見い出し、『3』第5話では絵本作家・天流斎エリス(てんりゅうさい エリス)に弟子入りして天流斎マシスを名乗っている。意外にも絵が上手で芸術方面が長けている事が発覚した。特に似顔絵が得意。
御剣 怜侍(みつるぎ れいじ)[ミツルギ]
天才検事。国内最年少の20歳で検事になる。その5年間、常に有罪判決を得てきたが、親友の成歩堂との再会と彼との法廷での戦いを経て、その考えを徐々に改めてゆく。赤いスーツとフリルタイが特徴。小学生の頃は弁護士である父の影響を受け弁護士を志していたが、父が殺害されたDL6号事件を境にして弁護士を憎むようになり、検事となった。DL6号事件の影響により地震を苦手とする。劇中では「欠点の無いカンペキな男」と表現されているが、前述の地震の他、人付き合い、折紙、世間話など、身近なもので苦手なことが多い。成歩堂の代わりに特別弁護人として弁護士席に立ったことがある。逆転裁判シリーズ初のスピンオフ作品『逆転検事』で主人公になる。
狩魔 冥(かるま めい)[カルマ]
『2』『3』に登場。『1』に登場した狩魔 豪の娘。アメリカで育ち、13歳のときに検事になった。成歩堂に対しあからさまな敵意を向けており、成歩堂から有罪判決を得ることに執念を燃やしていた。父親同様「完璧な立証」に強くこだわり、証拠の隠滅や証言の操作が主戦法とする。常にムチを携えており、何者に対しても一撃を与える。他人をフルネームで呼ぶ癖があるが、他人からフルネームで呼ばれることは嫌っている。
ゴドー[ゴドー]
『3』に登場。白い髪と赤く発光するバイザーが入った仮面が特徴の検事。「クッ…!」が口癖でハードボイルドな性格を持ち、わかりにくい比喩を用いることがある。本名・年齢・経歴がいっさい不明という謎の人物。成歩堂に対し敵対的な態度を見せ、成歩堂を「まるほどう」と呼ぶ。有罪を得ることよりも「真実」を暴くことを目的としているため、非合法な手段を使わずに立証を行う。コーヒーを何より好み、審理中にもしばしば飲んでいて、その際に飲んで良い量は17杯までと決めている。理由は様々だが、 時折コーヒーが入ったままのカップを成歩堂に投げ付けることもある。
亜内 武文(あうち たけふみ)[アウチ]
各シリーズの第1話を担当する検事であり、成歩堂が最初に対峙した検事。『検事』第1話では現場を見に来た野次馬として登場している。髪型が毎回変化しており、『3』第1話でかつての髪型はリーゼントで“新人つぶし”の異名を持つ敏腕検事だったが、綾里千尋に敗北しその面影はすっかり無くなった。
糸鋸 圭介(いとのこぎり けいすけ)[イトノコ]
厳つい風貌と完璧に程遠い頭脳を持つ刑事であり、殺人の初動捜査を担当。26歳で刑事課に配属。通称「イトノコ刑事」。口癖は語尾に「~ッス」。気は強くないが、部下には威厳のある話し方をする。御剣の事を「尊敬できる上司」として厚く信頼している。常に着用しているコートは最初はベージュ色だったが、シリーズを重ねるごとに色あせて緑色とカーキ色を混ぜたような色になった。失敗が多いため過去何度も減給されており、ソーメンが主食らしい。無精髭を生やしているので狩魔冥や春美から散々な呼び方をされる。見た目に反して機械に強く、成歩堂の調査を助けることもある。
裁判長(さいばんちょう)[サイバンチョ](「1」では1
つるりとした頭と髭が特徴の地方裁判所の裁判長であり、本名・年齢は不明。ゲーム内屈指のボケ役であり、弁護士・検事の意見に左右されやすく、すぐに判決を下そうとする。ただし、彼が担当した裁判は結果的によい方向に終息するらしく、不思議で不気味な裁判長とも言われている。コンピュータを知らないほど機械関係の横文字に弱い。木槌に思い入れを持っているようである。

後期シリーズ

王泥喜 法介(おどろき ほうすけ)[オドロキ]
『4』の主人公で熱い性格の新米弁護士。紅いスーツと上に角のように尖らせた前髪が特徴。響也からは「おデコくん」と呼ばれる。牙琉法律事務所に所属していたがある事件の解決後、成歩堂の事務所で働くことになった。証人の癖を見抜き、嘘を見破る能力を持つ。常に左腕に腕輪をはめているが、それが前述の力と関係する特別な物とは知らなかった。成歩堂と同様に高所恐怖症である。発声練習を頻繁に行っているため声が大きい。そのためか喉を痛めたり苦情が出ている。「大丈夫です!」が口癖。プロモーションムービーで声を担当しているのはKENN。
成歩堂 みぬき(なるほどう みぬき)[ミヌキ]
成歩堂龍一の養女。成歩堂を「パパ」と呼ぶ。中学生にしてマジシャンの見習いでもあり、「ビビルバー」でマジックを行っている。「成歩堂芸能事務所」(後に「成歩堂なんでも事務所」に改称)の所長であり、彼女がほとんど生計を立てている。相手の癖を見抜く能力を持っており、王泥喜にもその能力があることに気付き能力覚醒の手助けをする。また、人生の最期は「脱出マジック中に行方不明」になると決めているらしい。得意芸は「ぼうしクン」と「マジック・パンツ(マジック用のパンツから様々な物を取り出す)」。とことん明るい性格。
牙琉 霧人(がりゅう きりひと)[ガリュウ][キリヒト]
現在、最高と言われる凄腕弁護士で王泥喜の先生。法曹界で最もクールな弁護士とも呼ばれている。成歩堂とは7年前からの親友。落ち着いた振る舞いをしており、王泥喜に助言をしてくれる。非常に几帳面な性格をしている。
牙琉 響也(がりゅう きょうや)[ガリュウ][キョウヤ]
検事。王泥喜の師匠である牙琉霧人によく似た弟である。アメリカで検事になった(初法廷時は17歳)。検事でありながら、ロックバンド「ガリューウエーブ」のボーカル・ギター担当のリーダーであり女性からも人気が高い。真実を知ることを第一に考えているため、勝ち負けにはこだわらず、王泥喜の手助けをすることもある。普段はクールで大人びているが、愚痴をこぼすこともある。見かけによらず、とても真面目な性格で、成歩堂が弁護士資格を剥奪された事件の担当検事であった。
宝月 茜(ほうづき あかね)[アカネ]
『4』における初動捜査担当の刑事。『蘇る』では成歩堂の助手として登場しており、成歩堂と面識がある。『蘇る』の事件後から9年間、アメリカで科学捜査について学び、帰国して科学捜査官の試験を受けたが落ちてしまい刑事課に配属された。そのことが影響してかは定かではないが常に不機嫌で、黙々とかりんとうを食べていることが多く、食べているときは周りの話をほとんど聞かなくなる(さらに不機嫌になると、場所を問わず、かりんとうを投げつけてくる)。渡米中に成歩堂が弁護士を辞めたことを残念に思っている。今も自称科学捜査官で、科学捜査と称し通信販売で買ってきた道具(私物である)を使って色々な実験を行っている。王泥喜によく捜査状況を教えてくれる。
成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)[ナルホド]
初期シリーズ主人公。7年前(『3』第5話の約2か月後)に弁護士の資格を剥奪されて以来、ロシア料理店「ボルハチ」でピアニストとして活動しているが、裏の顔は無敗のポーカーの勝負師である。弁護士の資格を剥奪されてから、ピアノのひけないピアニストと名乗っている。初期シリーズと比べ大幅に雰囲気が変わっており、皮肉屋的な言動が多く謎めいた行動をとるので王泥喜も苦手としているが、実は根本的な性格は変わっておらず、さらにみぬきには非常に甘い(お小遣いを15年分前借りを許すなど)。第1話の被告人として王泥喜に弁護を依頼した。みぬきのお手製の「PaPa」と書かれた青いニット帽子を被っている。
亜内 武文(あうち たけふみ)[アウチ]
初期シリーズに続いて第1話を担当する検事。かなりのベテランだがなぜか貫禄がない。本人曰く、検事になって7年間は無敗だったらしい。「禿げたから伸ばした」というコンセプトにより、異様な髪型になっている。
裁判長(さいばんちょう)[サイバンチョ]
前期シリーズと同一人物であり、いっさい容姿に変化がない。孫がガリューウエーブのファンである。

用語

裁判関連

異議あり!(いぎあり!)
本作の代名詞とも言える台詞。ほとんどの場合、法廷パートにて登場する。通常の台詞と違い、ギザギザの吹き出しが出てきてその中に赤い文字で表現される。GBA版では縦書きで発言者寄りもしくは中央に表示されるが、DS版は横書きに画面いっぱいで表示され、他言語と吹き出しの大きさが同じになっている。弁護士と検事の場合のみスタッフの声が当てられている。『検事』では弁護士と検事ではない人にも当てられるようになる。音声が当てられていない真宵とみぬきと証人が発言するときは効果音と共に吹き出しが表示される。「意義あり!」と間違われることが多い。各作品の最後はこの言葉で締め括られ、そのままスタッフロールに入る事がお馴染みとなっている。
また、法廷パートでは「待った!」という語も同様の表現方法で使われ、証拠品をつきつける場合には「くらえ!」という語が使われる。また『4』では、「みぬく」時に「そこだ!」が、『検事』では、「推理」時に「これだ!」、狼の音声として「異議あり!」の代わりに「アマいな!」が加えてある。
地方裁判所
「法廷パート」で裁判が行われる裁判所。東京都にある。DL6号事件や『検事』第4話では殺人現場となった。法廷は複数存在し、裁判長席と傍聴人席は同じ高さにある。
有罪/無罪
普通語とほぼ同義。プレイヤーは主人公となって依頼人の無罪を勝ち取ることを目指す。そのため、依頼人が無罪になればゲームクリア、有罪となればゲームオーバーである。なお、法廷パートにおいて、ペナルティーによりゲージがゼロになると有罪となり、ゲームオーバーとなる。
序審法廷制度(じょしんほうていせいど)
逆転裁判の世界において、刑事事件の審理は、まず起訴された容疑者が有罪か無罪かのみを最長3日以内で審理する「序審」と、有罪が確定した後に被告の量刑などを審理する「本審」とに分れている。序審法廷制度はその制度の名称。増加する犯罪に対し、迅速に処理できるように制定された。ゲーム中で主人公が参加するのは全てこの序審法廷である。『4』で、成歩堂はこの制度に対し疑問を投げかけている。
裁判員制度(さいばんいんせいど)
『4』で登場する新しい裁判システム。その内容は、裁判員と呼ばれる人達が裁判の様子(加えて、それ以前の調査の様子)を別室で視聴し、有罪・無罪の判断を下すというもの。成歩堂が案内役を務める。ゲーム付属の取り扱い説明書に“本当の”裁判員制度の解説があったり、法務省のサイトのURLの記載があるなど、プレイヤーに対して裁判員制度の見識を広めようとする製作者側の意図も見受けられる。尚、実際の制度はゲーム中のものとは大きく異なる。

アイテム

勾玉(まがたま)
綾里家に伝わる勾玉。そのままではただの石だが、『2』第2話で春美が霊力をこめたことで、サイコ・ロックを見ることができる重要なアイテムとなった。『3』では糸鋸にキャンディーと間違われて食べられかけたことも、また盗まれたことも、そしてある事件の時に御剣に弁護士バッジとともに貸したこともある。『4』でも成歩堂が持っており、使っていた。ただし、『4』では証拠品扱いではない。
腕輪(うでわ)
王泥喜が常に左腕につけている腕輪。この腕輪が反応しているときのみ「みぬく」を使用することが出来る。腕輪は特殊な金属でできており、人の体温に合わせて伸び縮みするため常に腕とぴったり合うようになっている。そのため王泥喜が証人の緊張を察知すると、腕輪が腕を締め付けるため、「みぬく」を使う場面がわかりやすくなる。
ぬすみちゃん
『検事』で登場。美雲が持つ、携帯電話に似た黒い機械。
情報を入力する事で、辺り一面に立体映像を映し出す事が出来る。入力によっては小さなものから果ては館の一部などそっくり丸ごと再現できる。

その他

倉院流霊媒道(くらいんりゅうれいばいどう)
『1』『2』『3』に登場しており、非常に霊力の強い家系である綾里家(霊力を有するのは女性のみ)に伝わる“本物の”霊媒術。始祖は綾里供子。他の流派も存在する(『2』の春美の発言から)。『4』では登場していない。名前は[[クライン