HOME > コミック > 鉄腕バーディー

鉄腕バーディー/ゆうきまさみ

共有

著者: ゆうきまさみ
巻数: 1巻

ゆうきまさみの新刊
鉄腕バーディーの新刊

最新刊『鉄腕バーディー 第1巻


出版社: 小学館
シリーズ: 少年サンデーブックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

left_bend_dandy RT @randomsakuga: Key Animation: Yoshiyuki Ito (伊藤 嘉之) (?) Anime: Tetsuwan Birdy (鉄腕バーディー) (1996) https://t.co/ctrMBeZufK https://t.co/1Fa
wota_ranking2 【コミック(無料)】7位(継続中/前回8位) 鉄腕バーディー(2) 【期間限定 無料お試し版】 (ヤングサンデーコミックス) http://t.co/9Z3dZiTJDk ■ランキング一覧 http://t.co/JOxC7BvtiQ
comic_010_ekc Amazonで売れてるマンガTOP10入り!『鉄腕バーディー(2) 【期間限定 無料お試し版】 (ヤングサンデーコミックス)』2003-09-05発売! http://t.co/fAjeDk3bS2 #comic #manga
comic_002_mc Amazonで売れてるマンガTOP10入り!『鉄腕バーディー(3) 【期間限定 無料お試し版】 (ヤングサンデーコミックス)』2003-12-05発売! http://t.co/kGMobQift9 #comic #manga
Nohara_Kei RT @spiritsofficial: イブです! コミック小学館ブックスでは、本日から期間限定で「土竜の唄」「鉄腕バーディー」など人気11作品が3集まで無料試し読みできます!コチラから〜▶︎ http://t.co/IMHoQdWPTb http://t.co/OVoiNV

鉄腕バーディー』(てつわんバーディー、BIRDY THE MIGHTY)はゆうきまさみによるSF漫画作品。及びこれを原作としたOVA・ドラマCD・テレビアニメ等のメディアミックス作品。

テレビアニメの詳細については鉄腕バーディー DECODEを参照。

概要

ゆうきまさみが『鉄腕バーディー』のタイトルで発表した作品には2つの連載作品と4つの読切作品があり、この他に「ブラック・マジックKNIGHT」というスピンオフ作品がある。オリジナルとなるのはよりの間に『週刊少年サンデー増刊号』(小学館)に連載されていた未完の作品(以下・旧版)で、読切はこの『旧版』の番外編として描かれた作品である。そしてこれらの作品を元により『週刊ヤングサンデー』(小学館)で連載が開始されたセルフリメイク作品(以下・リメイク版)があり、この『リメイク版』は掲載誌を『ビッグコミックスピリッツ』に移し、その後『鉄腕バーディーEVOLUTION』(以下・『EVOLUTION』)に改題した上で連載を継続している2009年12月5日現在。

単行本は『旧版』が少年サンデーブックスより全1巻、『リメイク版』がヤングサンデーコミックスとビッグスピリッツコミックスより計23巻発売されている。また、設定資料やアニメの情報をまとめた『鉄腕バーディー ARCHIVE』(以下・『ARCHIVE』)が2008年に発売されており、こちらにはそれまで単行本未収録となっていた読切がスピンオフ作品を含め収録されている。メディアミックスも行なわれており、にはOVA化(後述)・ドラマCD化(後述)されている。また、には『鉄腕バーディー DECODE』(以下・『DECODE』)のタイトルでオリジナルストーリーでのテレビアニメ化がされている。

指名手配犯を追って地球にやって来た連邦警察のアルタ人女性警察官・バーディーと、彼女の失敗により致命傷を負い、体の修復を待つ間の措置としてバーディーの体に意識を移された地球人の少年・千川つとむの2人を主人公とした「二心同体」のSF漫画作品。

1980年代の前半、「怪力美少女もの」にはまっていたゆうきがその中から発想した作品の一つで、同時期には「アッセンブル・インサート」の発想も得ている。女の子を主人公にした作品を描いたきっかけとしては、少年漫画の中で男の子にとって都合の良い"添え物"のように描かれている女の子にも主役だって張れるという事を見せたかった旨をゆうきが述べている「BIRDY THE INTERVIEW」『ARCHIVE』85 - 86頁。。タイトルの「鉄腕」は『鉄腕アトム』に主人公の1人つとむをあわせた「鉄腕ツトム」という駄洒落から始まっており、さらにどのような漫画であるかが分かりやすいという事でつけられた

旧版

『週刊少年サンデー (WS) 』(小学館)系列では「♡LY BLOOD」に続く2作目の連載作品として、『週刊少年サンデー増刊号 (WS増刊)』誌上において、1月号から連載を開始(第一部)。しかし、『WS』本誌での『究極超人あ〜る』の連載開始により、同年7月号までで連載が中断される。『あ〜る』連載中にも番外編の読切を不定期に発表し続け、同作の連載終了後には『WS増刊』において12月号より連載が再開された(第二部)。しかし『WS』本誌での『機動警察パトレイバー』の連載開始のため翌2月号までで再度連載が中断され未完のままとなっていた。

長らく単行本化はされずにいたが、に『サンデー大増刊』として本編全話および発表済の番外編3編が収録された総集編が発行された。その後のOVA化の際に、番外編を除いた本編全10話を収録した単行本が少年サンデーブックスレーベルより発行されている。

連載版はつとむの高校受験前から物語が始まり、高校1年時の2学期直前までの半年強の時間が描かれている。

番外編

『旧版』第一部と第二部の間の「あ〜る」連載中に3編、OVA化の際に記念として「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」連載中に1編の番外編が発表されている。上記『旧版』の単行本にこれらの番外編は収録されず、のテレビアニメ化の際に発売された『ARCHIVE』で単行本初収録となった。

ゆうきにとって『バーディー』が未完となっている事は懸案事項であったため、OVA化記念以外の3本はゆうきの「描かせてくれ」という願いから執筆されている「BIRDY THE INTERVIEW」『ARCHIVE』88頁。

千年の鼓動
『WS増刊』1986年2月号に掲載。平安時代の鬼伝説にアルタ人を絡めた作品。この作品によって「千年前になぜアルタ人が地球に来ていたのか」という問題が生まれ、これに対する答えが後の『リメイク版』の構想の柱となっているゆうきまさみ「「千年の鼓動」解説」『ARCHIVE』129頁。
幻の潮騒
『WS増刊』1986年9月号に掲載。ホラー的な要素を題材とし、SF要素の少ない作品ゆうきまさみ「「幻の潮騒」解説」『ARCHIVE』163頁。
オールグリーン
『WS増刊』1987年2月号に掲載。 バーディーの幼少時代を描き、『リメイク版』第12章

「人形の記憶」の原型となった作品ゆうきまさみ「「オールグリーン」解説」『ARCHIVE』191頁。

〜迷宮の王〜 THE KING IN THE LABYRINTH
OVA化記念として『週刊少年サンデー超』1996年7月号に掲載。前作「オールグリーン」に引き続き、バーディーの過去を描いている。バーディーのライバルとして『リメイク版』にも登場するネーチュラーの初登場作品で、『リメイク版』の中において本編の事件内の行動について言及されているゆうきまさみ「「〜迷宮の王〜 THE KING IN THE LABYRINTH」解説」『ARCHIVE』227頁。。『DECODE』第5話「Another World」はこの話の後日譚と言う設定で描かれている出渕裕「第5話スペシャルコメンタリー」『鉄腕バーディー DECODE DVD3巻 完全生産限定版 特典ディスク TETSUWAN BIRDY"DECODER"3』アニプレックス、2008年11月26日発売。

リメイク版

未完のままとなっていた旧版『鉄腕バーディー』をセルフリメイクした作品。旧版と同じ『鉄腕バーディー』のタイトルの元、『週刊ヤングサンデー (YS) 』誌上において連載されていたが(以下・『YS版』)、同誌の休刊に伴い『ビッグコミックスピリッツ (BS) 』に移籍し、『鉄腕バーディーEVOLUTION』と改題の上で連載を継続している。『YS版』6巻以降ではコンセプチュアルデザイン協力として佐山善則、『EVOLUTION』以降はアイデア協力として出渕裕・大野木寛・鹿野司の名前が記載されている。

『旧版』の続編としての連載再開ではなくリメイク版として最初から描き直された理由としては、「月刊の続きを週刊でやるとリズムが変わる事」「時代背景が変わった事」が理由として挙げられている「BIRDY THE INTERVIEW」『ARCHIVE』92 - 93頁。。「機動警察パトレイバー」の連載時には時代の変化もあり『バーディー』はもう描けないとゆうきは考えていたが、「じゃじゃ馬グルーミン★UP! 」の連載中にOVA化記念として描かれた読切「迷宮の王」に手応えを感じた事が後へと繋がって行ったゆうきまさみ・中島伸介「ゆうきまさみクロニクル」『CONTINUE Vol.43』19 - 20頁。。リメイクとして新たに書き直す件については、『リメイク版』連載開始以前にも「連載当時と考え方が変化したので、再開するなら新たに書き起こす」旨の発言をゆうきはしており『週刊少年サンデーオープン大増刊』1992年春。、『ゆうきまさみのはてしない物語』においても、OVAを受けて「これはもう、もう一度書き直す」という決意を示す文面が欄外に記されていた。そして直接的には「パンゲアの娘 KUNIE」の打ち切りによって仕事の無くなっていたゆうきに、『ヤングサンデー』に移動していた「じゃじゃ馬」時の担当が『バーディー』を名指しで連載を持ちかけた事がきっかけとなっている

『旧版』の設定・エピソードの多くを引き継いでいるが、作中背景の描写は基本的に発行年代における「現代」になっており、『旧版』連載時には普及前で登場していなかった携帯電話が、『リメイク版』では作中の標準的な小道具として、更には主人公バーディー / 千川つとむの基本装備として描写される。更にはインターネットが利用され、つとむの協力でバーディーの捜査でも情報収集手段として使われた話も描かれている。

YS版

長らく主な活動の場として来た『週刊少年サンデー』を離れ、『YS』誌上において2003年4・5合併号より連載を開始。35号での同誌の休刊に伴い、『ビッグコミックスピリッツ (BS) 』に移籍して同年41号から43号まで連載し、一旦区切りをつけた。ただし物語としては完結しておらず、『EVOLUTION』に続いている。単行本はヤングサンデーコミックスより全20巻が発行されている。

つとむが高校受験を終えた時期から始まり、高校1年生の冬までのおよそ1年ほどが描かれている。

鉄腕バーディー EVOLUTION

鉄腕バーディー EVOLUTIONは、『BS』2008年46号から4週掲載2週休載のペースで連載されている『YS版』の続編。単行本はビッグスピリッツコミックスより発行されている。

舞台を『YS版』終了時のおよそ2年後連載開始時より3年後。『E1巻』1頁。に移しており、つとむが高校を卒業して大学浪人として予備校に通っている。

巻末オマケ漫画

『リメイク版』のコミックスの巻末に収録されているオマケ漫画。元ネタはゆうきまさみのウェブページ『ゆうきまさみのにげちゃだめかな?』に掲載されたスケッチであり、『もしも漫画のキャラクターを俳優として扱ったらどうなるか? 』という思考実験に基づいている。このオマケ漫画では私生活ではものすごく地味なバーディーや監督であるゆうきまさみ達が特撮『鉄腕バーディー』の撮影スタジオを舞台にして本編の文字通りの舞台裏を描いている。ただし毎回この設定に基づいて描かれるわけではなく、単純なギャグ色の濃いオマケ漫画として描かれる場合もある。

『DECODE』の限定版DVDには本作と同じように作中のキャラクターとゆうきが掛け合う、ゆうき描き下ろしの1ページ漫画「鉄腕バーディーえんこーど」が付随している。

あらすじ

連邦捜査官バーディー・シフォンは、テロリストであるクリステラ・レビを追って地球まで赴くが、捜査の途上で事件現場に紛れ込んだ地球人、千川つとむに誤って致命傷を与えてしまう。瀕死のつとむの体と精神を救う窮余の一策として、彼女は自らの体につとむの記憶と心を宿して姿を変え、“二心同体”の状態となる。しかし、レビ一党により栽培されていた酔魂草を見てしまったつとむは、テロリスト達からつけ狙われることになる。

何故彼らは、本来地球外の植物である酔魂草の培養を行っているのか?何故、地球を潜伏先に選んだのか?その最終的な目的はいったい何なのか?捜査が進むにつれ、事態は宇宙規模の政治・軍事的大事件へと発展しかねない様相を呈し始めた。

登場人物

本項では『リメイク版』の描写を基本としている。

主人公

「二心同体」の言葉が象徴する通り、本作の主人公の二人は一つの体を共有している。正確にはバーディーの肉体につとむの人格および記憶を移植する形で二心同体を実現しており、事情を知る他の連邦捜査員からはしばしば「地球人を飼っている」という表現を使われている。

この移植の影響により、バーディーは自然寿命の半分を失っており、ただでさえ大喰らいである彼女の“燃費”が更に悪くなった。一方つとむは、眼鏡なしでは日常生活に支障を生じるほどの近視が治っていたり、虫歯の治療痕やお尻の傷跡など、遺伝情報にない後天的な身体的特徴がなくなっているなどの変化が生じた。

肉体を共有しているため、バーディーの負傷はつとむの負傷にもなる。逆の場合の描写は見られないが、恐らく同様。また、外見はつとむのままで、バーディーの意志で自由に動かす事もできる。その際には瞳孔がイクシオラ・アルテクスの特徴である「猫のような縦長の瞳孔」になり、瞳の色も変化する。ただし、つとむの姿でバーディーの運動能力を発揮するには限界がある。感覚などは、視覚はバーディーと完全共有し、聴覚は共有しているが可聴能力に差があり(1巻)、バーディーの意志で声や味覚(15巻、恐らく嗅覚も)は切り替えられる様子。痛覚は、バーディーからつとむへの伝達はされないらしいが、つとむからバーディーへの伝達については一応痛みがあるらしい?(→OVA版第2話参照)。

人格・記憶については互いに独立しており、片方だけが知っている知識については基本的に発話によるコミュニケーションを介してでしか伝達されない。表に出ていない方の人格から、表に出ている方の人格への意思の伝達は思考によって行われるが、その逆は口頭で行われる。思考による意思伝達は一応双方向で可能だが、人格融合の恐れがあるため、推奨されていない。そのため、妙な独り言を喋っている、と周囲からおかしな目で見られることがあり、バーディーと他の宇宙人との会話をつとむが理解できない場面がしばしばある。

しかし物語が進むにつれて、次第に二人の精神から境界が失われていく。『EVOLUTION』の冒頭では、二人の人格の融合を防ぐため、バーディーの精神活動を2年ほど停止していたことが語られているが、結局それは応急的な措置でしかなかった。二人の人格融合は進み続けており、つとむが激情に任せてバーディーの力を引き出すという事態にも発展している。また、二人の共作であるという淫夢に悩まされる事も…。

バーディー・シフォン・アルティラ
本作の主人公。「狂戦士(バーサーカー)殺し」の二つ名を持つ連邦捜査官。階級は巡査。直情径行型のお姐さん。名は「シフォンで生まれたアルタ人のバーディー」の意で(このため、本来は「アルティラ」は付かない)、遺伝子操作などの形で人工的に生み出された強靭な肉体を持つ。調整アルタ人(イクシオラ・アルテクス)で、姿は地球人に酷似するが、地球人をはるかに上回る身体能力を持つ。反面、頭の回転は人並みで、どちらかというと行動が警戒心に優先してしまいがちで、思慮が足りないこともしばしば。
アルタ人というだけで自身と同年代の子供達や、その保護者らに嫌悪されたために一般の学校には短い期間しか在籍できず、同じアルタ人の大人らには警察組織の一員として恵まれているという理由から悪意を向けられ、そのせいで孤独な幼年期を過ごし、更にはレビのテロが原因で育ての親の一人を失ってしまうという悲哀な過去を持つ。
育ての親であるメギウス警部の配慮により、高いエリート教育を施されている。これは、社会的地位が低いアルタ人としてのハンデを少しでも軽減することと、アルタ人全体の社会的地位向上の担い手にさせることが目的(いずれも本人には知らされていない様子)。このため、法律や過去の歴史(事件)など捜査官としての知識は優秀だが、元々頭を使うことが苦手な性格から数学や物理などには弱い面もある。
捜査官としてレビを追って地球に来たが、ギーガーを逮捕しようとして、その場に居合わせたつとむに誤って致命傷を与えてしまう。幸い脳は損傷していなかったため、生命活動が完全に停止する前につとむの記憶や遺伝情報を採取し、エコノス=クィルでの修復が終わるまでの間バーディー自身の肉体をもって補完するため、つとむと二心同体となった。
地球の「お風呂」がお気に入りである。その他、地球の料理(つとむの母の手料理が?)も好みの様子である。
基本的にアルタ人特有の強靭な肉体を武器とする格闘戦を得意とし、銃器や武器などを使わない。彼女の腕力はアルタ人の中でも強力な部類にあるらしく同じイクシオラであるカシューが彼女を「怪力娘」と呼んだことがある。
イクシオラの特性として、物理的攻撃にめっぽう強い「生体防壁」と呼ばれる防御力を持ち、生身でアサルトライフルの弾を弾くほど(ただし相当痛いらしい)。ただし地球上ではほぼ無敵の生体防壁も、疲労や空腹で効果が衰えることが、作中幼少期に受けた試験の際に言及されている。また同族と接触している部分は生体防壁が無効になり、刀などの一般的な武器が通用するようになる。
ほとんど宇宙人らしい特殊な能力を持たない作中でも『YS版』2巻で「武器は己の体のみだ」という旨の発言をしている。が、生体防壁を利用した衝撃波「クラッシュ」を持っており、手に集中させて放つと地球人の体をぶち破るほどの威力を見せる。また一時的に自らの体を重くする「アンカー」という技を持っており、敵の突進に耐えたり、水中での急転換など応用の幅が広い。
また連邦の捜査官の標準装備としてナチュラムという寄生粘菌を利用した生体皮膜・スーツを持っており、戦闘時に使用する。バーディーはテュートが死亡した際に彼のパーツから現在のつとむの携帯電話を作り出しており、スーツはこの携帯電話が変形したものである。その為、スーツの機能(捕縄など)を使用する際に「テュート」と呼びかけている。一度意識を失って解剖されそうになった時の言及から察すると着用時は彼女の体と一体化しているようだ。
千川 つとむ(せんかわ つとむ)
本作のもう一人の主人公。私立久遠高校に通う高校一年生で、廃墟マニア。廃墟となった山奥のホテルに羽沢や正久保と探検に行った際に、バーディーに追われていたギーガーの身代りにされ致命傷を負う。連邦の技術によって破損した肉体を修復する間、意識だけがバーディーに移植され、容姿を切り替えつつ二心同体となって二重生活を送ることになった。戸成中学校出身。近所に住んでいる早宮とは幼稚園以来の腐れ縁で、高校でも同じクラス。
優柔不断で嫌なことは後回しにするタイプだが、バーディーとの奇妙な「同居」生活を続けるうちに、徐々に変化しつつある。
また、マイペースで男女関係に疎いバーディーとの二心同体生活には彼女以上に頭を悩まされている。
『EVOLUTION』では高校を卒業し一浪、予備校生になっており、室戸の事務所でアルバイトをしている。

連邦

連邦政府

ティルル・ギゼー
連邦の主席執政官。鳥型宇宙人。穏健派のリーダーだが、政治的立場は安定していない。外交畑の出身で、アクラバルでのテロ当時は外務次官だった。軍組織の介入を嫌って、期限の引き伸ばし工作をおこなう。
連邦警察
テュート
バーディーの相棒。ロボットの一種で「マーカー」と呼ばれ、捜査官の情報収集や通信などの支援を行う「装備」の一部らしい。クラゲのような姿をしており礼儀正しい。臥龍苑の事件で致命的な損傷を受け、その後の瀕死となったつとむの生命維持装置として活躍するも機能停止する。同事件で破損したつとむの携帯電話に部品を組み込んで再構成された。転位することによってバーディーの生体皮膜となる。元々はメギウスが使用していたようである。
ルー・メギウス
バーディーの直接の上司にして、育ての親の一人。連邦警察刑事部特捜課課長で階級は警部。冷静沈着なルベラント人(昆虫型宇宙人)で、スケルツォ曰く「清廉の人」。社会正義の実施が信条らしく、不正義・差別に義憤を爆発させることもあり、バーディーの親代わりを引き受けたのもこうした性格からである。政権内部での勢力地図の変化に疑念を抱き、レビ一党への捜査がただの対テロリスト作戦ではないことに気付きつつある。15巻の(恐らく地球の)9月1日付けで警視補に昇任、星務次官室監察部長に着任し、連邦警察特捜部長の任を解かれる。いらつくと人間でいう『歯ぎしり』をする癖があり、その音で周囲は迷惑する。また、妻がいることが確認されている。好物はコガネトビイカのゲソの炙り。脱皮は現在19回目。
スケルツォ・ガ=デール
メギウスの友人で良き相談相手。いかにも古強者(ふるつわもの)といった印象の強面バルボックス人(恐竜型宇宙人)。性格もいかにも豪傑タイプで、良く言えば豪放磊落、悪く言えば大雑把でいい加減な人。しかし面倒見が良く、また交渉ごとの押しの強さでも定評がある。連邦警察官の勲章として顔面の人工筋骨を剥き出しにしている。シフォンにある連邦捜査官の養成学校で教官職に就いており、バーディーも教え子の一人だが、幼年期から遊びを通して訓練するなど、存外教育者向きな性分である。メギウス同様、バーディーの育ての親の一人で、彼女の身元引受人(連邦の制度により、調整アルタ人には他種族の身元引受人が必要らしい)である。赴任地の関係で留守がちなため、オリオテーラにおけるバーディーの保証人代理をメギウスに依頼する。
カペラ・ティティス
治安警察出身のイクス系アルタ人女性捜査官。無慈悲にして驕慢、目的のためには手段を選ばない性格。外見は少女だが、実年齢はバーディーより上。前任地は独立運動の盛んな惑星フォゾンで、反乱軍を相手に治安警察の一員として活動しており、政権内部の急進派との繋がりが推測される。仲間は作らず敵は早めに潰すタイプだが、それ以外の方法を知らないらしく、強引かつ残忍な捜査手法が目立つ。軽くあしらえる相手には容赦がないが、ゴメスたちと接触した際には対になった鳥形のマーカー2体(デュガス・ボー、デュガス・エー)を失って自身は重度の火傷を負い大敗するなど、より強い相手に当たったときの脆さも見え隠れしている。
クリステラ・レビが引き起こしたとされる、アクラバル消失事件への関与が示唆されている。
カシュー・ゲーゼ
カペラとともに派遣されて来たイクス系アルタ人の男性捜査官。ゲーゼという惑星の出身。クールで知謀に長けるが、存外軽い言動も見られ、どうにも掴み所がない飄々とした存在。目的の達成を最重要視する点ではカペラと気が合うが、余り強硬な手段で敵を作るよりは、適度に接して利用するタイプ。三人の中では、一番地道に捜査に勤しみ、北米地域で隠れ住む同盟系宇宙人と接触するなどして情報収集を行っている。治安警察との繋がりは不明。切れ味の鋭い極細のワイヤらしきものを武器にする。リューズというマーカーを連れている。「EVOLUTION」では、米国でアンカーマンの部下となっているようだが、その経緯や目的等は不明。
原作ではネーチュラーとは旧知の仲(恋人関係?)で、バーディーの扱い方・接し方に関しては基本的に同じ考えを持っている。
キデル・フォルテ
増援として地球に派遣されて来た、リクルス人の連邦捜査官。地球のネズミに酷似した姿をしている。種族としての特質故かバーディー曰く「陽気でせっかちな性格」。地球に派遣された連邦捜査官の中では、最も温厚かつ良識人だが、群体生物の宿命か、雑念が多く注意力散漫で、それゆえの細かなミスも多い。柱や食料をかじり散らす癖もある。ただし警察官としての職務には熱心で、かなり危険な潜入捜査に率先して動く。階級は巡査部長。同じくリクルス人であるピエド・ルンカとタルトという「2名」の部下がおり、マーカーとしてピシュメース、アトロモス、テリリュートの3体を連れており、彼らも地球で活動している。
応援に派遣されるも乗ってきた宇宙船はあまり上等ではなかったらしく、故障して墜落し地球の海に沈没浸水して、持ち込んだ食料などが水浸しになるなど散々な目にあっており、修復中の乗ってきた宇宙船やバーディーの宇宙船、更には千川家の屋根裏などを行き来している。地球のお菓子(カントリーマアムやオレオといったクッキー)が特に最近のお気に入り。
ウィージ・ガッハウ
メギウス警部の秘書を務めるウルグ人(犬型宇宙人)の女性。連邦における一般的な美的感覚によれば、かなりの美女であるらしい。バーディーとは友人的な付き合いがあるらしく、通信では事務上の連絡をこえたやり取りもしており、表情も豊か。後述のクレド・ガッハウの姉。
ギャロ・ペンダリオ
メギウスの後任の連邦警察特捜部部長で、エオン人(ヤギ型宇宙人)。元司法省内務局総務部次長で、警察勤務が一度も無く、特捜創設以来異例の人事。司法局長の腰巾着で、この異例の人事は、司法局長による特捜部掌握の一端と思われる。
ギューイ
鳥型宇宙人。連邦警察の課長で、ペンダリオが部長となった際にバーディーの直属の上司となった。バーディがペンダリオと直接対話することを許可しないなど、バーディに対して非協力的な態度をとる。
軍関係者
キルツ・ケルツ
メギウス警部と同じルベラント人で、クリステラ・レビが科学省総監であった当時の、連邦軍軍務局長。エタナ系アルタ人に酔魂草の成分を投与して、超兵士を造り出すための人体実験を、当時極秘で行っていた。連邦においても人体実験は重罪だが、発覚後も罪には問われていない(既に時効か?)。カペラとの間に繋がりがあるが、背後関係は不明。
オプラ・ガルテ船長
辺境観測船オプラ・ガルテの船長でウルグ人の男性。思想的には強硬派だが、真面目で有能、かつ公明正大で責任感の強い人物。軍籍にあり、事故により地球に墜落した強行偵察機回収について強硬論を唱え、穏健派の外務省渉務官と対立する。後にニエトの船内破壊活動により殉職。
ニエト・ウォシュガム
オプラ・ガルテ所属のヌビア人の女性兵士。地球に降下したクレドの捕獲任務に就き、行掛けの駄賃でつとむらを宇宙船に拉致する。前線経験があり、オプラ・ガルテの水兵たちの中では任務遂行能力が高いが、性格はきわめて利己的かつ残忍で、捕獲したクレドに独断で拷問を加え、それをとがめられると乗船内で破壊活動を行う。その結果、オプラ・ガルテは完全に破壊され、ほとんどの乗員が犠牲となった。
外務省職員
渉務官
鳥型宇宙人の男性で、クレドの上司。オプラ・ガルテに搭乗した外務省の職員中最上位の地位にある。クレドの地球降下を非公式に承認した。偵察機回収については穏健な方針を採ろうとしたため、軍人である船長と対立する。
クレド・ガッハウ
幼年学校でバーディーのクラスメイトであった、ウルグ人の少年。ウィージの弟。社会全体の風潮による影響でアルタ人に対し偏見を持ち、初対面からバーディーを苛めたが、自分の責任でバーディーが学校に行けなくなってしまったのかと気にかけていた。ヴァイオリン死亡の原因となったテロ事件でバーディーに助けられて以来、化け物(アルタ人)ではなく「友達(ないしは命の恩人)」として彼女に好意を持つようになる。現在は社会人として連邦外務省の三等書記官をしており、それなりの出世の道を歩んでいる。地球に接近中のオプラ・ガルテに同乗しており、バーディーに会いたいあまり独断で接触を図り、トラブルのタネとなる。
奥の院・神祇庁
ネーチュラー・ゲーゼ
神祇官。イクス系アルタ人としては破格の待遇で扱われており、かなりのエリート。知的ではあるが人付き合いを好まず、誰とも距離を置いている。「神話時代 - 帝国時代のブラックボックス」を解く呪文を正確に発音できる人種がアルタ人とエネマ人に限られるため、一部の神祇官はアルタ人である必要があるらしいが、それ以上に能力的に優れるためか、高待遇を受けている。カシューとは同郷で、旧知の間柄(恋人関係?)。怜悧な判断力と業務遂行能力を持つが、やや高慢さが目立つ。幼少時のバーディーを知っているほか、同時期のメギウスとも面識がある。辺境観測船オプラ・ガルテに同乗し、地球に降下している。
神祇官の中でも「特殺官」と呼ばれる役職で、その場の判断で必要なら被疑者の殺害も認められるものであるらしく、また予め指定された対象者をその場で殺害する処刑人でもあるらしい。過去、政治的理由から当人には罪は無いが連邦にとって存在自体が不都合な無抵抗の人物を殺害したこともある(『迷宮の王』)。
無邪気さが抜けないバーディーに対しては屈折した感情を持っているらしく、原作でも『DECODE』でも「嫌いだ」と言いながら、バーディーの危機に際して助けを入れている。
レー・シグナ
「奥の院」第七席審神者。様々な種で構成される連邦人の中でもかなりの巨体で、異様な姿をしている。神祇官からは「猊下」と呼ばれており、相当の高位にある人物と察せられる。神祇官としてバーディーを育てる案を温めていた。レビの起こしたテロにより死亡。
チュニカ・シフォン
クリステラ・レビの回想に登場。レビの少年期、オリオテーラの神祇庁神学校での同級生。神祇官とされるべく純粋培養されたイクシオラの少女。テロに巻き込まれ、レビとともに死亡。奥の院による手術により、レビと融合。

その他

ヴァイオリン
女性型の人形。型式名はラウナI型で、希少な部類に入るらしい。ヴァイオリンは「第三世代」にあたり、連邦時代に入ってから起動された「比較的新しい」ものらしい。バーディーの育ての親の一人で、オリオテーラにおける幼年期の養育係。短時間であれば軍事用ロボットのバーサーカーとすら互角以上に渡り合うほどの性能を持つ。また、戦闘用人形を複数体使役できる機能があるらしく

、本来の用途は貴人の子供の養育及び警護又は戦闘指揮と思われる。性格は真面目だが、その真面目さが仇となってバーディーがヘソを曲げると気に病むなど、苦労性な性分だった。レビの起こしたテロが原因で「死亡」し、そのことがバーディーのトラウマとなっている。

キンゼル・ハウアー
ヌビア人のテロリスト。外伝「迷宮の王」に登場し、『YS版』第132話や第133話でも名前だけは言及される。かつて、敵対組織との抗争のために町ひとつを壊滅させ、その住民を喰うという蛮行を行い、「人食いキンゼル」の異名を持つ。一種の犯罪マニアであり、究極と言えるほどの愉快犯であるが、その間に大学を3つも卒業するほどのインテリでもある。
『EVOLUTION』ではすでに逮捕されて投獄されているが、メギウスとの会話の中で、「犯罪心理学を研究する(往々にして実践を行う)マッドサイエンティストでもあること」が明らかになる。
基本フォルムのデザインは出渕裕。
オッセンテッカ
バーディーが連邦警察の研修生だった頃に勉強を習った家庭教師でヤギ形宇宙人(エオン人)。あだ名は「ヒゲメガネ」。幼年学校に通えなくなったバーディーのためにメギウスが頭を下げて頼んだ。メギウスが知る限り最高の家庭教師らしく、彼に厳しく叩き込まれたおかげでバーディーは歴史に詳しくなった。元は中等学校の先生でスケルツォを教えたことがあり、その時の厳しい教育のせいでスケルツォはこの先生のことが苦手。

地球人

千川家

千川 孝司(せんかわ たかし)
つとむの父。常識人の会社員で、自宅ではつとむ共々生活力が無い凡庸な性格をしており、大学生の娘の生活が近年派手になっているとか、思春期な息子の回りで不審火など怪事件が頻発しているのが目下の悩みらしい。
『DECODE』では第一話冒頭で妻と共に転勤した。『EVOLUTION』でも、妻と共に転勤したことがつとむの口から語られている。
千川 はづみ(せんかわ はづみ)
つとむの姉で大学生。強気で遊びたいさかりの今時の娘。弟に対して態度は大きいが、その実で細やかな気配りを見せるなど、案外弟思い・家族思いの性格である。「事件」については何も知らないが、本人の意志とは関わりのないところで「事件」に巻き込まれ、酔魂草の成分を投与されてしまう。
『EVOLUTION』では大学を卒業して東京の会社(アグニ・エレテック)に就職し、転勤した両親に代わってつとむの保護者となっている。
『旧版』での名前は「はずみ」で、発音は変わらないものの表記が変わっている。

つとむの友人

早宮 夏美(はやみや なつみ)
つとむの幼なじみで、快活・世話好きな女子高校生。歯医者の娘。つとむとは同じ高校に通っておりクラスも一緒。バーディーの体を持ってしまったつとむのお陰で、バチルスに喰われかけたり、米国の工作員に拉致されたりと、ロクな目にあっていない。そういった特殊な状況に置かれ続けたため、なにやら常識では測れない事態が進行中だというのは認識していた。つとむの正体に違和感を持ったことも。後に、須藤とともに二心同体の事情を教えられる。
『EVOLUTION』では大学生となり、須藤と付き合っている。
須藤 良太(すどう りょうた)
千明の幼なじみで、つとむのクラスメイト。口は悪いが正義感が強く、ひたむきな純粋さを持っている。早宮曰く「かわいい性格」らしい。実家は個人経営の肉屋。兄が浄火学館に入信・活動していることを高校時代は気に病んでいたが、『EVOLUTION』では持ちネタとしていた。口より先に手が出る性分。つとむとバーディーが二心同体であることを知る事となる。
『EVOLUTION』では一浪し、つとむと同じ予備校に通っており、早宮と交際中。
千明 和義(ちぎら かずよし)
つとむのクラスメイト。柔和な風貌で穏やかな性格の好青年だが、実はエタナ系アルタ人(レビの言動から、旧アルタ王家と思われる)の血を色濃く引く「チギラ」一族の末裔。特異体質(おそらくはアルタ人の体質)の持ち主で、過去に大病を患ってからレビ一党により酔魂草を投与され続けている。それが原因で両親が浄火学館にのめり込み、遂には全財産を寄進するに至ってしまった。身体に異変が起こっており、人間としてのアイデンティティに不安を抱える。バーディーに一目惚れ。
『EVOLUTION』では、ゴメスの依頼により、椿が創設した「第4特務自衛隊(通称、ザ・フォース、4特)」に隊員として所属。隊内では「チョビ」と呼ばれ、覆面をつけ素顔を隠している。
原作では比較的重要なポジションを占めるキャラクターだが、『DECODE』では単なる温和で凡庸な脇役キャラになり、「事件に巻き込まれ」て「人間としてのアイデンティティに悩む」という立場などは後述の中杉小夜香に割り振られている。
羽沢 昌之(はざわ まさゆき)
つとむの中学以来の友人。体型が太め。高校も同じだが、クラスは別。ただし廃墟愛好仲間であるつとむにちょっかいを出すためにつとむらのクラスにしばしば出没している。
正久保 りょうた漢字は不明。『3巻』53頁に「ryota masak」の表記がある。。(まさくぼ)
つとむの中学以来の友人。眼鏡をかけている。高校も同じだが、クラスは別。羽沢と連れ立って、休み時間などにつとむのクラスに入り浸っている。
北村 可奈絵(きたむら かなえ)
つとむのクラスメイト。早宮と仲が良くつとむ達と行動を共にすることが多いが、事態にはほとんど絡んでいない。
中杉 小夜香(なかすぎ さやか)
『EVOLUTION』より登場。元々は『DECODE』のオリジナルキャラクター。つとむ達が2年生になったときのクラスメイトでロボット開発を手がけているナカスギ工業の社長令嬢。池袋でナンパ男に絡まれているところを、(バーディーの力を借りた)つとむに助けられたことにより、つとむに対して手作り弁当を持参する等、つとむに対して恋愛感情を持つ。2年の途中に転校してしまったが、高校の同窓会でつとむと再会する。つとむへの恋愛感情はいまでも変わっていないようである。大学生になった現在は介護用ロボットの人工知能の研究をするべく勉強している。別名「お弁当の君」。
つとむと待ち合わせ中に、かつて父親の部下だったPMIの相模原研究所所長の佐々木と出会い、心を乱して交通事故に遭い、意識不明となる。その際、彼女の記憶は県の手でオンディーヌに移されてしまう。
河合 ひな子(かわい ひなこ)
『EVOLUTION』より登場。小夜香が通っている図書館で知り合った、小学3年生の少女。2年前に父親・隆二が失踪しており、そのせいかしっかり者で、物言いが妙に大人びている。海辺の町の出身で、小夜香を通じてつとむ達と知り合い、伯父・隆一の経営するペンション「ぼうよう」に招待する(ちなみにペンションの隣は祖父が経営する民宿「いづ海」)。
バーディーとは、失踪した父親を通じて哀しい因縁を生むことになる。

報道関係者

室戸 圭介(むろと けいすけ)
久遠高校報道研究会のOBで、フリージャーナリスト、ノンフィクション作家。宇宙人や超能力などの超常現象を専門に扱っている。バーディーの存在を嗅ぎつけ、周辺を取材しはじめる。5年前に酔魂草に関わった少年と知り合い、それが取材の一つのきっかけになっている。一時、離婚した元妻(カコちゃん)の所に退避するなど、多少常識はずれな所がある。元々は良質な記事を書くルポライターではあったようだが、何処で何があったか、すっかり世間を斜に見るようなひねくれた性分になってしまい、作中現在ではやらせ記事なども書いているらしい。とはいえ、登場人物の中では、事件に対し「大人の対応」ができる、数少ない人物の一人。
真田 かをり(さなだ かをり)
久遠高校報道研究会のOGで、TVキャスター出身の硬派のジャーナリスト。早宮の憧れの人物である。『YS版』でも名前だけは出ていたが、本人の登場は『EVOLUTION』より。防衛省の強化兵計画を追っているらしく、重信と接触している。報道研の先輩である室戸とも面識あり。
久利生(くりゅう)
テレビディレクター。カメラマンの「テッちゃん」やオーパーツ研究家の野際とともに阿留多荘に伝わる「鬼」の伝説について取材しに来た。「鬼」のような変な遺物や遺跡に詳しい。「鬼」を不用意に復活させてしまい、その「鬼」に殺害される。
野際 不二哉(のぎわ ふじや)
久利生たちによる阿留多荘の「鬼」に対する取材に同行した、東昭工大に所属する学者。オーパーツ研究に際しての視点は現実的であり、ニセ物はきっちり見分け、ニセ物で無い場合でも当時の人が作る方法が何かあったのではないかと模索する事を旨としている。

警察関係者

吉良(きら)
警視庁秋川署の老刑事。階級は巡査部長。臥龍苑廃墟の倒壊事件を担当。稲城とコンビを組んでいた。地道な捜査と事態を先入観抜きに観察する目を信条としているらしく、目の前で「人形」(半自律ロボット)が暴れた際に、事態を正確に描写した報告書を提出したようで、その後のビースト(酔魂草中毒者)事件などでも顔を出している。
稲城 武彦(いなぎ たけひこ)
警視庁秋川署の刑事。階級は巡査長。吉良と共につとむに聞き込みをしていたが、戸成町の公園で「人形」によるつとむ襲撃の現場に遭遇し全身を殴打され、それが元で死亡。
菅原(すがわら)
警視庁練馬北署の刑事。階級は不明。「獅子舞みたいな顔」をした永瀬の同僚(先輩、あるいは上司)。ビースト事件では専従捜査班に配属されそれなりの立場であるらしく、ちょくちょく登場している。強面だが、パフェが好物。千川つとむが一連の怪事件周辺にたびたび顔を見せていることから、なんらかの関連性を疑っている。
永瀬 悟郎(ながせ ごろう)
警視庁練馬北署の刑事。階級は巡査長。中学校以来の先輩であった稲城がつとむによって殺されたと思いこみ、執拗に追い回す。後にバチルスに身体を乗っ取られ死亡。死後、バチルスが永瀬の姿で久遠高校に侵入し教師や生徒に発砲するなどしたため、犯罪者として扱われてしまっている。

氷川一派

氷川 省吾(ひかわ しょうご)
レビの下で酔魂草を培養する野心家の男性。「氷川ケミストリィ」という製薬会社を経営し、政界にも顔が利く。外見は30歳前後で、表向きは、氷川ケミストリィの創業者「氷川精一郎」の孫ということになっているが、その正体は「氷川精一郎」本人で90年程も生きている戦前の亡霊。未だに軍国主義時代の野望を追い続け、かつての仲間たちの亡霊と語り合っている。冷酷な性格の持ち主で、リーを過酷に道具扱いし、特異体質の千明和義に興味を抱く。酔魂草に由来する特殊な薬を使うことで若返った上に自らの研究成果と融合させ、超人的な力を得る。後にバーディーと一騎打ちを演じて、彼女の弱点を見破り、日本刀の業物一本で重傷を負わせ追い詰めるが、生命の危機により暴走した彼女に殺害される。
元々は『旧作』OVAのオリジナルキャラクター。
リー・シャンファ
在日中国人女性。悲惨な環境で育ち、天涯孤独の身であったが、氷川に拾われ配下として活動する。千明に次ぐスピリッツ(酔魂草)の適合者として、人間としての意識を保ったまま、自分の意思で自在に獣化することができる。自らを道具としか見ない氷川に対し、上官に対する以上の愛憎を抱く。エタナ系アルタ人の血を引き、千明に対して本能的に反応し、嫉妬と憎悪が入り混じった感情で執着する。
ナガマツ
元浮浪者でリーの部下、その実は氷川によるリーの監視役。普段は氷川やリーに従順でおとなしい。一度は酔魂草によるビースト化で我を失い浮浪者狩りをしていた少年らを誤って殺害してしまうも、リーのグループでも最も常識的で、気弱な万年サラリーマン風の風体をし、力を過信して暴走気味な仲間とは一線を画している。吃音症を持つが、酔魂草の影響なのか元々からなのかは不明。
『EVOLUTION』では、阿久津の部下として運転手をしている。
氷川の兵隊たち
リーと同様、人間としての意識を保ったまま自分の意志で自在に獣化できる者たち。固有名は不明だが、デカブツ、ノッポ、坊主と呼びあう。自分の能力を過信する傾向があり、殺人すら平然とやってのける危険な存在。リーと行動を共にし、ゴメスが保護する千明を奪取しようとする。
彼らの存在を危険視したゴメスは、バーディーに取引を持ちかけ、バーディーが氷川を殺害する代わりに、彼らを殺害した。
御堂 剛三(みどう ごうぞう)
齢百歳に達する、政財界の元黒幕。老衰で死にかけていたが、レビの造った薬により健康を取り戻し、政界に対する権力も回復した。戦前の旧満州で氷川精一郎の上司であった。精一郎の「孫」を自称する氷川省吾とも個人的な繋がりを持つが、氷川省吾が氷川精一郎本人であることは知らなかった。好色かつ絶倫で、精力を求めて酔魂草に由来する若返り薬を過剰に服用した結果、獣人(ビースト)化。御堂邸内にて発生した火災により死亡した。
阿久津 敏郎(あくつ としろう)
「浄火学館」系列医院の医師で、酔魂草の投薬実験を担当。客観的な判断力の持ち主で、学究肌らしい風貌。薬の研究を通じて氷川との関係も濃いが、彼の本性を察知して不審を抱く。氷川のほうは、彼の才能を優秀な部下として評価し、自分の研究を学術的に引き継ぐことができる無二の存在だと考えているのか、余り締め付けるような管理はしていない様子も見られる。投薬を通じてリーをサポートするうちに、リーにのめり込んでしまう。
『EVOLUTION』では、氷川ケミストリィからアグニ・ケミカルに引き継がれた酔魂草(強化兵)計画のリーダーを務めている。

防衛庁

重信(しげのぶ)
日本政府の高級官僚(参事官)。表向きの所属は防衛省戦史編纂部日比谷分室。その実は、非合法な研究や実験を行う部署のようである。御堂剛三らと共に、日本を再び軍事大国にするべく計画を進めるが、常識人でもあり無用な混乱は避ける慎重派。情報の少なさと状況証拠からバーディーに対して危機感を抱き、防衛庁の特殊部隊を動かす。また、氷川の酔魂草計画にも関わりを持つものの、暴走がちな彼等の行動に対しては不安を抱いている。
御堂の後ろ盾で選挙に出馬しようとしていたが、御堂の死亡とともに失脚、『EVOLUTION』ではホームレスとなっている。
椿(つばき)
『EVOLUTION』から登場。防衛省の参事官で失脚した重信の後任。何かにつけ、「前任者とは違う」ことを強調する。「地球外からの脅威」に備えるため、強化兵計画推進のリーダーとして、レビ一党やアグニ・ケミカルと係わっている。
第4特務自衛隊
地球外からの脅威に備え椿が創設した、既存の3自衛隊に属さない特務部隊。通称、ザ・フォース、4特。隊長は三佐、隊員は三尉と言う、通常では考えられない階級が与えられている。隊員は全員が酔魂草に適合した、人間の意識を保ったままの獣人と思われ、素手で獣人と互角に渡り合うことができる。吉祥寺に出現した獣人の捕獲が最初の任務であった。
現在は隊長の武藤(むとう)以下、勝呂(すぐろ)、久鬼田(くきた)、「セイさん」こと石動(いするぎ)、唯一の女性隊員である姫野(ひめの)、「チョビ」こと千明和義の5名の隊員で構成されている。

浄火学館

火之宮 水晶(ひのみや すいしょう)
「浄火学館」を主宰している「教母」。地球において「クリステラ・レビ」として活動している女性で、容姿もクリステラ・レビに酷似しているが、男性であったはずのクリステラ・レビとの関係は不明。
火之宮 永遠(ひのみや とわ)
水晶の息子で、「浄火学館」の「教祖」(ただし本人いわく「教祖は祖父」)。少年ながら教団幹部として信徒とは一線を画しており、立ち居振る舞いも大人びているが、本心では打ち解けた友人がいないことを寂しがっている。「バチルスに餌食にされかねない」とのゴメスの発言から、ただの地球人ではないことが伺える。
槇枝(まきえだ)
「浄火学館」系列医院の副理事長。神経質な性格。「浄火学館」の信徒。レビなど教団上位には頭が上がらず、運営を預かった病院の経営者として盲従している。
『EVOLUTION』ではアグニ・ケミカルに勤務。
根来(ねごろ)
「浄火学館」系列医院の医師で、千明和義の主治医。ゴメスとも個人的な繋がりを持つ。元々は個人経営の小児科病院の医師で、幼い千明和義が患った難病の治療に苦慮していたところ、氷川の紹介で火之宮水晶と出会い治療薬を提供されたことで浄火学館と関係するようになった。人柄もよく、酔魂草計画に携わったとはいえ、その過去を恥じつつ人助けが医者の本分だと認識している様子。
安斎(あんざい)
「浄火学館」の事務長。レビの秘書的存在。落ち着きのある初老の男性。無手の武術(袴を着用しており、柔術か合気道と思われる)に秀で、力と速さで勝る千明を軽くいなす実力の持ち主。
須藤(すどう)
須藤良太の兄(下の名前は不明)。大学時代に入信し、現在では家を出て「浄火学館」で奉仕活動中。奉仕活動の現場で他の信者に指示を与えている場面が多い。
瀬戸川 麻紀(せとがわ まき)
「浄火学館」の在家信者で、須藤良太の兄とも顔見知り。「瀬戸際麻紀」というあだ名がある。元グラビアアイドルで、現在は遺跡や幽霊屋敷などを扱うテレビ番組「世界迷宮紀行」にレポーターとして出演しているタレント。その仕事の中で何か特別なものが見つかった場合「浄火学館」に知らせている。ネットワークの存在も知っている。室戸と一度一緒にテレビの仕事をした事がある。

米国政府関係者

アンカーマン
米国情報組織(国家緊急警告機構 = NEWS)の高官。帝国残党とのコネクションを持つが、現在起こっている事態を正確に把握しきれないでいる。日本国内で独自の活動を行うものの、被害が出るばかりで今のところ成果は上がっていない。鼻が高く落ち着いた風貌を持つ、冷徹果断なエリート。
ロドニー・ヒューズ
帝国残党の技術力で、体の一部を機械に取り換えている米国の工作員。階級は伍長。仲間内からは「ヘッケル」と呼ばれている。「Lady on the roof(屋上の淑女)」の暗号名を持つバーディーと接触を試みるため派遣された。6、7人のユニットで行動していたが、荒っぽい手法が祟りバーディーと衝突。その際、カペラに仲間を殆ど殺される。自身は逃げ延びるが、ゴメスにより捕獲されてしまい「浄火学館」で虜囚の身となる。
ジャッケル
帝国残党の技術力で、体の一部を機械に取り換えている米国の工作員。旧版では彼が「ヘッケル」と呼ばれており、何故YS版で名前が入れ替わったかは不明。
ペンシル
米国情報組織の高官で、アンカーマンの同僚。機械兵と呼ばれるアンドロイド開発に携わる。

アグニグループ

高柳 縁(たかやなぎ ゆかり)
『EVOLUTION』に登場する、アグニ・ケミカル豊田研究所の女性研究員。学生時代に獣人の血液分析に係わり、また弟が氷川の実験によって死亡したことから、会社が氷川から引き継いだ非人道的な実験に気づいた。そこで実験データを新聞社にリークしたものの、リーク先の新聞記者が会社と癒着していると知らなかったため、生命の危機にさらされる。
一度はバーディーに救われ室戸に匿われるが、海外逃亡の直前に拉致され、口封じのためリーク先の記者とともに心中を装って殺害される。彼女の非業の死は、つとむのその後の行動に大きな影響をあたえることになる。
奥田(おくだ)
『EVOLUTION』に登場する、アグニケミカル南総研究所の男性研究員。バーディーに南総研究所の研究物の解説をし、重要な事実を教える。
海和(かいわ)
『EVOLUTION』に登場する、アグニファウンデーションズの男性職員。はづみの伝手で、アグニ・ケミカルに就職希望と騙して内情を聞き出した。はづみとは食事会などで親しくしており、はづみの方から話しかけたらしい。

ナカスギ工業関係者

中杉 香世子(なかす