銀色のハーモニー/柊あおい

『銀色のハーモニー』（ぎんいろのハーモニー）は、柊あおいによる日本の少女漫画作品。

概容

1990年2月号から1992年9月号まで、『りぼん』（集英社）本誌に連載された。全28回。またこれとは別に、番外編「遥かなトロイメライ」がある。コミックスは全7巻、文庫版は全4巻。

人気作「星の瞳のシルエット」の連載が終了した翌年から連載が始まっているが、作者の交通事故による入院のため1991年12月号（コミックスでは第5巻の終わり）でいったん連載が中断。4ヵ月の休載の後、1993年5月号から連載再開となり、9月号で最終回を迎える。連載が中断した時に作者の入院先を見舞いに訪れた際の思い出を、友人の水沢めぐみが文庫版の解説の中で記している。

タイトル「銀色のハーモニー」が示す通り、音楽、特にピアノが物語の展開の上で重要な役割を果たしている。作品の中では、海の演奏するシューマンの「トロイメライ」の他、ショパンの「英雄ポロネーズ」や「スケルツォ第2番」などの楽譜が随処にちりばめられて、独特の効果を生み出している。

あらすじ

結城琴子は、内気な性格の女の子。ひょんなことから知り合った霧島海くんという男の子のことが、妙に気になり始める。そんなある日、海が琴子に話しかけて来た。それ以来、何回か海と話をした琴子は、自分の海への思いが「恋」だということに気がつく。しかし、琴子の前に強力なライバル仁科響子が出現。琴子は響子から、「カイくんに近づかないで」と言われてしまう…。　

主な登場人物

結城 琴子（ゆうき ことこ）

内気な中学2年生の女の子。図書委員をしている。極度の運動オンチ。幼い頃、ピアノ教室に通い止めたものの、榊が勤める楽器店でピアノを見て興味を再び持った事が切っ掛けで、榊の指導の元で2度目のピアノのレッスンを始める。髪型はショートカットだが、話数を重ねるにつれて伸びていった。誕生日は3月1日、魚座のO型。家族構成は父、母、弟の4人。母親はいつも割烹着姿で、かつなぞなぞ好きである。

霧島 海（きりしま うみ）

ピアノが上手な少年。サッカー部にも所属している。同級生にはカイと呼ばれている。研一郎と親しい。中学卒業後は県外の高校の音楽科に進学する。蟹座のAB型。

小池 鈴子（こいけ すずこ）

琴子の親友で、クラスメイト。勝ち気な性格。担任の矢野先生のことが好きだったが断念し、後に奏一に惹かれる。髪型は天然パーマ。牡羊座のO型。

神崎 研一郎（かんざき けんいちろう）

海と同じクラスの秀才で、海と親しい。テニス部に所属。鈴子のことが好き。誕生日は9月4日、乙女座のA型。

仁科 響子（にしな きょうこ）

琴子のライバルで、積極的で強気な性格。自称海のガールフレンドだが海は相手にしていない。髪型はロングヘア。獅子座のB型。

仁科 奏一（にしな そういち）

名門校に通う、響子の兄。冷めた性格。幼い頃に琴子と同じピアノ教室に通っていた。

矢野 恭二（やの きょうじ）

琴子たちのクラスの担任。担当は数学。

榊 晴海（さかき はるうみ）

琴子の叔父。若い頃はウィーンに音楽留学しており、帰国後は楽器店に勤めている。自宅にスタインウェイ・アンド・サンズのピアノを所有している。

霧島 詩史（きりしま しふみ）

海の母親で、喫茶店を経営している。未亡人。夫と晴海と一緒に同じ高校（音楽科）に通っていた。

コミックス

• 第1巻　№533。1990年8月発行。1990年2月号から5月号までを収録。ISBN 4-08-853533-2
• 第2巻　№554。1991年2月発行。1990年6月号から10月号までを収録。ISBN 4-08-853554-5
• 第3巻　№576。1991年8月発行。1990年11月号から1991年3月号までを収録。ISBN 4-08-853576-6
• 第4巻　№591。1991年12月発行。1991年4月号から8月号までを収録。ISBN 4-08-853591-x
• 第5巻　№611。1992年5月発行。1991年9月号から12月号までと4コマ漫画「銀色のハーモニー／それぞれのおもわく」（1991年9月号別冊付録）を収録。ISBN 4-08-853611-8
• 第6巻　№637。1992年11月発行。1992年5月号から7月号までと「夢からさめても」（りぼんオリジナル1990年秋の号）を収録。ISBN 4-08-853637-1
• 第7巻　№649。1993年2月発行。1992年8月号から9月号（最終回）までと番外編「遥かなトロイメライ」（りぼんオリジナル1992年秋の号）および「夏からこぼれた葉書」（りぼんオリジナル1986年秋の号）を収録。ISBN 4-08-853649-5

以上すべて集英社発行。