青春兵器ナンバーワン/長谷川智広
著者: 長谷川智広
巻数: 7巻
最新刊『青春兵器ナンバーワン 7』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
青春兵器ナンバーワンの既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
青春兵器ナンバーワン 1 | 2017-02 |
青春兵器ナンバーワン 2 | 2017-04 |
青春兵器ナンバーワン 3 | 2017-07 |
青春兵器ナンバーワン 4 | 2017-10 |
青春兵器ナンバーワン 5 | 2018-01 |
青春兵器ナンバーワン 6 | 2018-04 |
青春兵器ナンバーワン 7 | 2018-05 |
『青春兵器ナンバーワン』(スプリングウェポンナンバーワン)は、長谷川智広による日本の漫画作品。
概要
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、2016年46号より連載中のギャグ漫画。話数カウントは「mission○」。
ギャグ描写は所謂ノリツッコミのほか、「零一が全身を改造された挙げ句誤って分解され死にかける」などと言った、兵器である事を思い出させるようなブラックなギャグも多い。また、しばしば単行本の帯や登場人物の名前などにウルトラマンシリーズのパロディらしき描写が用いられる。連載開始当初は人気が低かったものの、徐々に人気を上げ打ち切りを回避した事から、編集部内では「不死鳥」と呼ばれているという。
あらすじ
世界征服を企む狂気の科学者Dr.モサリーナ率いる人造人間集団、秘密化学組織ナンバーズ。ナンバーズ(人造人間)は人智を超えた力を持ち日夜あらゆる凶悪犯罪に手を染めている。そんなナンバーズと戦うため作られたのが、対人造人間専門平和組織(MonsterAttackProfessional&PacificOrganization)通称MAPPO(マッポ)である。特殊な訓練を積んだエージェント達からなる極秘国際防衛組織で、MAPPOのエージェントは色々な姿で世界中に派遣されている。
日本のとある高校に派遣されたエージェント北斗英二の高校にある日、難波零一と名乗るナンバーズが転校して来た。余りにも普通に転校して来た零一に対し警戒し、校舎裏に呼び出し始末しようとする英二であったが、ナンバーズである零一に返り討ちに合う。この際に英二は、零一の目的が「戦争で失った青春を取り戻す」ことであり、そのために彼が組織を抜け出したことを知る。さらに別のナンバーズとの戦いを通し零一と友達になる。こうして、彼らの甘くほろ苦い青春(戦い)の日々が始まった。
登場キャラクター
主要登場人物の名前には数字が入っていることが多い。
主要人物
- 難波 零一(なんば ぜろいち)
- 本作品の主人公。ナンバーズの”No.1(ナンバーワン)”で、詳細を把握していないMAPPOからは最強の戦闘能力を持つ「始まりの最終兵器」と恐れられているが、頭が円形で頭頂部にネジが埋め込まれている間抜けな見た目のおかげかクラスメイトはともかくMAPPOのエージェントでさえも、彼がナンバーズであることには気付かない。
- 戦いばかりの日常に嫌気が差し、キラキラしておしゃれで楽しそうな外の世界に憧れ組織を脱走、英二のいる学校に転校生として編入してきた。搭載されていた武器を全て外した現在でもなお最強と呼ばれるだけの戦闘能力は保持しており、放置すると甚大な被害が出るようなはた迷惑な機能も健在で、英二が常に頭を悩ませる原因・大抵の騒動の発端となっている。
- 体中に大量の傷跡があるが英二いわく「背中には一切の逃げ傷が無い」。
- 戦いに明け暮れて味わうことが出来なかった青春を謳歌するべく色々と画策するが、いざ本番となると気後れして予定していた行動に移せなくなる程に奥手。尚且つ授業の内容すらも理解できない程に勉強も不得意、自分を慕うハチがあっさり学校で受け入れられていることに露骨に嫉妬する器の小ささ、実は内弁慶な気質、更に意外と落ち込みやすいメンタルの弱さ、ここぞというときによく足をくじくなど、あらゆる面でポンコツぶりを見せ付けている。女子とコミュニケーションを取るのが苦手だが、白百合アンヌに一目惚れしてしまい片思い中。
- 対青春制御螺子(スプリングボルト)
- 頭頂部に埋め込まれたネジ。これを緩めることで本来の能力の一端を解放することが出来るが、その間は零一の意識は半ば喪失してしまうため、緩めすぎると暴走状態に陥ってしまう。
- 対青春装備その1 青春謳歌度計測器(せいしゅんおうかどけいそくき)
- 対象の脳の電波の波長を測定し、相手の趣味や友人の数といったパーソナルデータから日常の幸福度を算出する機能。
- 対青春装備その2 お色気場面透視光線(おいろけシーンとうしこうせん)
- 目的の内部を透過する光線を眼から射出する。元々は戦場で敵の位置を探るための索敵機能だったが、現在はのぞき用に使うために解像度を上げるなど、より悪質な機能と化している。
- 対青春装備その3 全てを拾う勝者の掌(スプリング・マグネット)
- 本来は磁場を操り敵の銃火器を無力化する機能。女子が落としたヘアピンを即座に拾って渡すべく、威力を落とした代わりに正確な場所に集められるようになった。
- 対青春装備その4 魂交換(ユア・ネーム)
- 零一が青春映画に影響されて搭載した”夢と知りせば(とりかへばや)システム”。
- 近くにいる人間と同時に強いショックを受けた時、お互いの魂が顔ごと入れ替わる。
- また、発動中は入れ替わりの条件が緩和されるようで、少しの接触でも入れ替わりが発生する。効果は24時間続く。
- 対青春装備その5 青春形態変化(スプリング・フォームチェンジ)
- 全く別のものになり変わることができる。ただし、完全な再現は不可能で、もとに戻すことができる。
- 例えば、羊羹になると、それは食べることもできるが、消化は不可能となる。
- テレパシー機能
- 対象の脳内にだけ直接声を届ける。
- 頭部着脱機能
- 頭部と胴体部分を分離する。頭部が胴体から30分以上離れたままでいると、半径2kmを巻き込んで自爆するようになっている。
- スイッチ(後頭部)
- 美容室に行った際、カリスマ美容師・神野葉沙美(かみの はさみ)によって発見された。零一のエネルギーの元栓のようなもので、スイッチを入れてしまうと頭身まで変化し、本来のエネルギーが無限に放出される。零一の体は巨大化を続け、やがて地盤はその質量に耐え切れなくなり崩れ、果ては地球すら破壊してしまう恐れがある。
- 対恋敵専用兵器"あいにくの雨で"
- 即座に天候を雨に変える。
- 青春水流(スプリング・ウォーター)
- 零一が飲んだ水を勢いよく手のひらから放出する。
- 先輩風
- 後輩に対し、自分は先輩だと威張る態度をとるときに発生。その威力は校舎が吹き飛びそうになるほど。
- 2年生に進級したときに催行された1年生との交流会では先輩風による被害を回避するため、ハチにより「対先輩風複合装甲(チョバムアーマー)」を装着させられての参加となった。
- その際1年生の天貝さんに心から彼女を思ってのアドバイスをし、精神的に少し成長したことで暴風を吹かすことはなくなった。
- しかしその後も先輩気取りの時は足元につむじ風(微風)が吹く。
- 北斗 英二(ほくと えいじ)
- 本作品のもう1人の主人公で、戦闘能力、頭脳共に優秀で、訓練学校を首席で卒業したMAPPOのエリート。
- 幼いころに外国で両親に捨てられたという悲惨な過去があるが、本人はその境遇にあまり悲観しておらず、むしろ自分を拾って育ててくれたMAPPOには感謝している。
- それからはエージェントしての訓練に人生を費やしてきたせいか一般社会の常識に欠ける部分があり、学校では周囲からも浮いた状態になってしまっていたMAPPOのエージェントであることは周囲にも秘密にしているが、入学初日にスパイを匂わす怪しい挨拶をしてしまったため、自然と『エージェント』のアダ名が付いてしまっている。。転校してきた零一の正体を見抜いて戦いを挑むも、彼の強さと本心を知り、不本意ながらも(監視のため)居候させ友人関係となってからは、零一の行動に振り回されながらも知らず知らずのうちに、英二も本来の少年としての青春を謳歌しつつあり、周囲と打ち解けるようになってきている。
ナンバーズ
- Dr.モサリーナ(ドクターモサリーナ)
- 世界征服を企む狂気の科学者。彼が製造した人造人間(ナンバーズ)により日夜あらゆる凶悪犯罪が引き起こされている。製造した人造人間を「息子達」と呼び溺愛しているが、世界征服に全く興味のない零一と彼を慕うハチには裏切られ、組織を脱走されている。
- なお、本名は「中林昭二」らしい。
一ケタ(シングル)ナンバーズ
全員が二頭身で、零一以外は動物をモチーフにしており、それぞれマフラーを巻いている。
- No.01「始まりの最終兵器」/ 難波 零一(なんば ぜろいち)
- 前述の本作の主人公。
- No.02「失敗作」 / ツー
- ライオンのような外見をした、ナンバーズの一人。零一と対等の力をもつ最高戦力の一人。ハチやナナ達にとっては兄のような存在。強大な力を使うためのエネルギーが大きすぎて常にコンセントにつないでないと活動ができないことからエージから完全なる失敗作と称される。
- ハチによってモバイルバッテリーが搭載されたが、全力で活動可能な時間はわずか10秒。
- 充電が切れると省エネモード(作画労力も削減)になり幼児退行するため、週に一度英二によってMAPPO日本支部で充電してもらっている。
- No.03「完全兵器」
- 鮫をモチーフにした、ナンバーズの一人。真面目な性格で、現在のナンバーズを束ねている。登場当初はバイトで皿洗いすらまともに出来ない不器用さだったが、自炊生活を続けるうちに料理が得意になった。
- それ以降は趣味の域を超えてかなり腕前を上げており、海野幸恵(うみの さちえ)の名前で料理本を出して20万部を売り上げた。
- No.04「試作機」
- 顔を包帯で隠した黒猫のような外見をした、ナンバーズの一人。零一曰く、「間違っても組織を裏切る奴じゃない」。
- No.05「剣聖」/ ゴロー
- 眼帯をつけた熊のような外見をした、ナンバーズの一人。任務のため零一たちの街にやってきたが、空腹のところを委員長に助けられ、一宿一飯の恩にあずかってからは「七倉潤のペット」を自称する。
- No.06「戦艦斬り」
- 甲冑を着込んだアザラシのような外見をした、ナンバーズの一人。ゴローを師匠と呼んでいる。魚肉ソーセージをよく食べている。外見通り、生物学的にはアザラシそのもの。
- No.07「神創頭脳(ゴッドブレイン)」/ 軟葉 ナナ(なんば ナナ)
- ナンバーズの一人。的中率99%の未来予知能力と"ナンバーズ"一の情報分析力を誇るが、本人はそれを恋愛関係にしか使わないため「恋愛のスペシャリスト」と呼ばれる。身体能力は人間並み。
- 零一達からは「ナナ姉」と親しまれており、零一の恋愛指南をしていた際、東に一目ぼれして零一たちのクラスに転校してくる。
- No.08「軍神」/ 南場 八(なんば ハチ)
- 軍服を着込んだ犬のような外見をした、ナンバーズの一人で、強大な戦闘能力を持つ。銃火器の扱いに長け、「軍神」の異名を持つ。組織を抜けた零一を追いかけて後に自身も組織を脱走した。
- 組織ではなく零一に忠誠を誓っているため、零一と共に世界征服を目指すべく学校にやって来たが、零一の本心を知ってからは彼の青春を謳歌する手伝いをするべく学校に残ることになった。
- 英二とは敵対組織のエージェントかつ、零一の一番の友人というポジションに収まっていることに敵愾心を抱いていたが、全力のPK勝負で敗北したことをキッカケに「一度付いた勝負にケチはつけない」という軍人としてのポリシーから、勝負後は零一と対等の友人として慕っている。
- 多才なうえに頭脳明晰でコミュニケーション能力に優れており、更に空気も読めるとリア充としての素質を完璧に備えているため、零一が羨む程に青春を謳歌していることに気付いていない。
- No.09「鳥葬(ちょうそう)」
- ペンギンをモチーフにしたヘルメットを被った、ナンバーズの一人。最速の暗殺兵器で、八を尊敬している。
その他のナンバーズ
- No.12「武神(ぶしん)」
- ナンバーズの一人。
- No.13「死神(しにがみ)」
- ナンバーズの一人。数え切れない程の要人暗殺をこなしてきた超危険人物で、その戦闘力は”一ケタ”に次ぐと評されている。
- No.15「破壊王(はかいおう)」
- ナンバーズの一人。腹部に爆弾を備えている。
- No.17「狙撃王(そげきおう)」
- ナンバーズの一人。
- No.20「全身大砲(ぜんしんたいほう)」
- 組織から逃げ出した脱走者を追い掛けてきたナンバーズの一人。異名が示す通り、本来の姿になると全身に無数の砲門が出現する。青春を味わうために兵器であることを捨てた零一を腑抜けと断じて襲い掛かったが、腹に受けたパンチ一発で瞬殺された。脱走者の存在は知っていたが、それが最強のナンバーズである零一だとは知らなかった様子。
- No.60
- ナンバーズの一人。
- No.72「魔拳(まけん)」
- ナンバーズの一人。
MAPPO
- 白百合 アンヌ(しらゆり アンヌ)
- MAPPOの美少女エージェント。ナンバーズの1号を倒し最大の功績をあげることが目標だが、零一がその張本人ということには気づいていない。身体能力が高く戦闘に長けているが、クールビューティな外見と言動に似合わず賢さとモラルに欠ける。
- 一般社会で暮らすようになり、スイーツ好きになる。また、日本のお笑い好きでもある。
- 無料で食べ物を食べられる状況に置かれると戦場で補給が絶たれたときの経験から、備えとして無限に食い溜めする癖がある(備蓄形態/ストック・フォーム)。
- アンドリュー・シンドー
- 林間学校中に英二の助っ人として派遣されたMAPPOのエージェント。スキンヘッドにサングラスをかけた、大柄で厳つい風貌をした大男で、物騒な発言を平気で口にするなど一般人に紛れる気が欠片もない。零一やハチがナンバーズであることには気付いていない。
- オフの日は人が変わったように意外な一面を見せる。
- ミコナミ・ユウ
- MAPPO専属の天才科学者。弱冠13歳ながら、英二の助っ人として英二たちが通う高校に転入してきた。
- 左手にフクロウのパペットを着けており、話すときは腹話術のようにパペットを操作する。
- 委員長の父(N)の教え子で、近年のMAPPOの発明品の多くは彼女によるものである。
- 学校生活に溶け込んでいるシングルたちの正体を即座に見抜いたが、自身が持つ膨大なデータの中に存在しない零一の素性に強い興味を示す。
その他の人物
- 七倉 潤(ななくら じゅん)
- 学級委員長。成績優秀で優しい心を持つ美少女で、花のヘアピンがトレードマーク。
- しかし、極端に天然な性格で人を疑うことを知らず、父親が世界的な権威を持つ科学者であることにも気付いていない。その家庭環境もあって組織(ナンバーズ)からも常に狙われる危険性があり、MAPPOからは最重要クラスの保護対象になっているため、英二は学校内では彼女の護衛任務に就いている。英二に対してはエージェントしての奇行もあってか距離を置いていたが、零一がやって来てからは親しみやすい人物に変わったと評価を改めており、仲の良いクラスメートになってきている。
- ゴローを拾ってからというもの彼をペットとして心底溺愛しており、さまざまな芸や技術を教え込んでいる。
- 東 光太(ひがし こうた)
- 零一達のクラスメイト。一年生にしてすでにサッカー部のエースであり、イケメンで、校内でファンクラブが開設されるほどの人気。男女ともに人気が高い。
- 常に光をまとっており、人を決して疑わない純真さを持つ。また、正義感も強い。
- 非の打ち所のない人気者であることもあり、青春能力値は驚きの値を算出する。
- 藤 アキ(ふじ アキ)
- 零一達のクラスメイト。1年生時から漫画研究会のエース。
- 週刊少年ジャンプ編集部に持ちこみを行い、敏腕編集者にその才能を認められ名刺をもらった。
- 零一や英二の普段の言動・行動にヒントを得て想像・執筆した漫画の中では、ナンバーズとMAPPOの敵対関係や零一が組織を脱走した理由などが描かれていたが、これらは全て事実と一致していた(英二曰く「もはや機密文書」)。
- その洞察力の高さから、作中よほどのことでは動じない一般の人間たちの中で彼女だけは唯一(主に英二の)突拍子もない行動や異変に気づき、普段の笑顔からは想像もできない表情を見せる。
- 作者によれば「普通の人代表であり、最後の希望」。
- 梔子 今日子(くちなし きょうこ)
- 零一達のクラスの担任教師。常に笑みを絶やさない明るい性格で、笑顔と水玉のリボンで結んだポニーテールがトレードマーク。
- 作者の前作品『恋のキューピッド 焼野原塵』から引き続き登場しており、中学時代は消極的かつ極度の引っ込み思案だったが、本作では紆余曲折を経て志した教師の夢を叶えることができた他、現在のような明るい性格に変わったことから心身ともに成長を遂げた。
用語
- MAPPO(マッポ)
- 特殊な訓練を積んだエージェントを派遣する極秘国際防衛組織で、正式名称は『対人造人間専門平和組織(Monster Attack Professional & Pacific Organization)。エージェントは世界中の様々な場所に一般人に紛して派遣されており、エージェントの任務を助ける便利な機能を有したグッズなども完備している。しかし肝心の人材は戦闘に明け暮れる日常を送っているためか、一般人に紛れる気もない言動をしたり、敵が目の前にいても気付かないなど、どこか抜けている人間が多い。
- ナンバーズ
- 狂科学者『DR.モサリーナ』が率いる秘密科学犯罪組織の名称であり、彼に製造された人造人間達を指す。世界征服を目的にして造られるためか、戦いにしか興味を持たない人造人間が多く、その中でも一ケタ(シングル)ナンバーズと呼ばれる人造人間は特に強大な力を有し、恐れられている。日夜あらゆる凶悪犯罪に手を染めるMAPPOの不倶戴天の敵として暗躍中。
書誌情報
- 長谷川智広 『青春兵器ナンバーワン』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊5巻(2018年1月4日現在)
脚注
出典
以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。