青春鉄道/青春
著者: 青春
巻数: 2巻
最新刊『青春鉄道 2』
『青春鉄道』(あおはるてつどう)とは青春による日本の漫画作品である。鉄道擬人化を題材としている。
概要
作品中では従来のような車両の擬人化ではなく、鉄道路線の擬人化が行われている。そのため、「架線が弱い」「ダイヤが乱れる」「振り替えを頼む」などの発言が多々みられる。
当初同人作品として発表、メディアファクトリーより同人作品のよりぬきに書き下ろしを加えて単行本化。同社『コミックフラッパー』にて2009年11月号より連載開始。
登場する路線
作品中にはJR各社の在来線と新幹線、東武鉄道、西武鉄道、東京地下鉄(東京メトロ)、他私鉄5社の路線が登場、新幹線以外はほとんどが首都圏の路線である。
ここではあくまで漫画に登場するキャラクターについて記述する。元となる各路線についてはリンク先を参照。
JR在来線
襟、前合わせ、袖口に白い縁取りの入った各ラインカラーの詰襟を着用している。スラックスも同色で裾は折り返し。新幹線を上官とする。
- 山手線
- 身長175cm、体重67kg。
- 短髪の青年。内回りと外回りそれぞれが存在するが、内回りは人形。外回りがそれを利用して腹話術で会話する。
- やかましい内回りに対して外回りは寡黙で陰鬱、他の路線のような接続も乗り入れもないことをぼやく寂しがりやである。
- 同じところをぐるぐる回っているため、終点で時々止まらないと自分が何をしているのかわからなくなる。
- 京浜東北線
- 身長178cm、体重65kg。
- 茶髪の青年。メガネをかけている。
- 最初から最後まで乗る人はいないと言われる、本命になれない二次路線。JR在来線のまとめ役的存在だが、個々の個性が強過ぎてまとめ切れていない。
- 自らの誇りである209系に別れを告げ車両を全交換したが、それでも事故ゼロは目指せない。本人は交換以前の3割にすると言っている。
- 宇都宮線(東北本線)
- 身長186cm、体重75kg。
- 黒髪の青年。前髪を(本人から見て)右側で分けており、この点以外は高崎線と外見がそっくりである。
- 一見にこやかなので騙されそうになるが、高崎線が「歪んだ性格」と評するほどに性格が悪い。趣味は私鉄いじめ。しかし上官である新幹線の前ではいたって優等生で模範的な応答をし、振り替えの交渉では一歩も引かない。そのため、上越新幹線からは危険人物として見られている。
- 本数と乗客で高崎線に負けているのを気にしてないようで気にいらない。
- 高崎線
- 身長186cm、体重72kg。
- 黒髪の青年。目つきが鋭く、宇都宮線とは逆に左側で前髪を分けている。
- 目付きが悪く言葉もきついので誤解を受けやすいが、面倒見がいい上に宇都宮線よりもはるかに人が好い。
- 路線としては全体的に宇都宮線よりも上にいるが、何故か下っ端のような存在。
- 埼京線
- 身長175cm、体重65kg。
- ふわふわの金髪に童顔の青年。
- 事故、痴漢被害、ラッシュ、どれを取っても最強(埼京だけに)。湘南新宿ラインが出来てからは、架線接続の関係で宇都宮線や高崎線にも被害を及ぼしている。そのため、彼らからしばしば小馬鹿にされる。
- 宇都宮線にいじめられた(手厳しく非難された)際に優しくしてくれたりんかい線と直通運転をすることにした。
- 武蔵野線
- 身長172cm、体重60kg。
- 茶髪の青年。
- 雨が降ったら遅延し、風が吹いたら運休するやる気の無い路線。遅延しても「人は振り替えで行けるが貨物は回せない」と貨物を優先して走らせる。「JRはJrと書いていつまでも子供の心を忘れない路線でありたい」と思っている。
- 西武池袋線いわく「ハメハメハ大王の再来」。
- 中央線
- 身長176cm、体重60kg。
- 金髪マッシュルームカットの穏やかそうな青年。
- かつての某ワースト1位。台風は割と好き。
- 総武線
- 身長164cm、体重53kg。
- 外はねの金髪の青年。目つきが悪い。
- ヤンキー揃いのJR千葉支社を束ねる千葉の番長。千葉の路線達からは「パネェ」と崇められている。
- 八高線
- 身長178cm、体重72kg。
- 灰色のセミロングウェーブを後ろで束ね、丸いサングラスをしている。
- 基本的に陽気で、「HA HA HA HA」という笑い方と語尾の「☆」が特徴。
- 東海道本線
- 身長180cm、体重74kg。
- 黒髪の青年で、東海道新幹線の弟。通称ジュニア。前髪を左側で分けている。
- 兄のことで文句を言いつつも途中から褒め言葉に変わっていく辺り、ややブラコンの気がある。
- 京葉線
- 身長176cm、体重70kg。
- 赤茶色のセミロングヘアーの青年。
- 自称セレブで魔法使い。京浜東北線から209系を貰い受けるが、余計なことを言ってケンカになる。武蔵野線にすら「JRナンバーワン根性無し路線」と言われるほどすぐ止まり、独特の物腰でイラつかせることもある。
- 常磐線
- 身長166cm、体重58kg。
- 薄紫色の髪をしたおかっぱの青年。
- 茨城のヤンキー。からかう相手を常に探している。
JR新幹線
袖口および前合わせに金色のラインの入った濃い緑色の制服を着用し、白い手袋をはめている。JR在来線達の上官。九州新幹線以外の路線は、1つの部屋に詰めている。
- 秋田新幹線
- 身長177cm、体重75kg。
- 長い髪をアップにしてまとめている。女性的な外見だが、れっきとした男性。
- 大食漢で、自分の路線で撥ねた熊を軽々かつげる程の力持ち。
- 山形新幹線
- 身長179cm、体重65kg。
- オールバックでショートカットの青年。
- 冬になり、路線に落ち葉が積もると山から下りてこられなくなる。方言がきつい。
- 東北新幹線
- 身長178cm、体重65kg。
- 短髪の男性。左耳にピアスをしている。
- 基本的に無口で、自分に関係ないことには無関心な節がある。
- 上越新幹線
- 身長182cm、体重70kg。
- ショートカットの物腰が柔らかい青年。左側で前髪を分けている。
- 進んで在来線の振り替えに動く。回される車両がお古ばかりでイライラしており、そのせいかキレると止まらないほうである。
- 長野新幹線
- 身長130cm、体重28kg。
- 北陸新幹線の計画路線の一部で、まだ子供である。将来は先輩である東海道新幹線のようになりたいと思っている。
- 東海道新幹線
- 身長175cm、体重55kg。
- 黒髪の青年で、東海道本線の兄。弟と対称の髪型で、違いは頭頂部にアホ毛が生えている点。
- 自分が高速鉄道であることに誇りを持っており、それがいきすぎてややヒステリック。在来線の振り替えをする気はまったく無い。1兆円を稼ぐ新幹線の大黒柱ゆえに金にうるさく、「航空に負ける」ことを気にしている。
- 九州新幹線とは過去に因縁があり、未だに根に持っている。そのため、自分の路線につばめが乗り入れるのを頑なに拒んでいる。
- 山陽新幹線
- 身長185cm、体重74kg。新幹線では最も長身。
- 茶髪で気さくな雰囲気の青年。
- プライドの高い東海道新幹線と、見下し目線の九州新幹線との板ばさみで苦労している。
- 500系のことが忘れられない。
- 九州新幹線
- 身長179cm、体重70kg。
- 七三分けで目付きの鋭いメガネの男性。
- 打倒本州を掲げている。直通させない東海道新幹線への嫌がらせのために新型車両の内装を新幹線とは思えないほど豪華にし、九州への航空利用者を増やそうと企んだりしている。
- かつては東海道で「つばめ」と呼ばれていた特急であり、同じく「はと」と呼ばれていた東海道新幹線とは姉妹特急だった。
東武鉄道
色違いのツナギを着用し、左腕に路線名を記した腕章を巻いている。
- 伊勢崎線
- ターコイズブルーのツナギを着た小柄な青年。童顔。
- 可愛い顔に似合わず、叩き上げの体育会系で男らしい性格。
- 日光線
- 赤いツナギを着た黒髪の青年。
- 女子供は平気で殴れるが、伊勢崎線だけは殴れない。
- 大師線
- 伊勢崎線とお揃いのツナギを着ている幼い子供。
- 「いせさき(伊勢崎)」が発音できず、「いささき」になってしまう。
- 東上線
- オレンジのツナギを着た黒髪真ん中分けの青年。ツナギの中には左胸に「東上」と書かれた白いTシャツを着ている。
- 過去に乗り入れを打ち切られた秩父鉄道には未だ未練があり、彼の前では途端に大人しくなる。逆に、自分に代わって秩父鉄道との相互乗り入れを続ける西武を嫌っている。また本線とも仲が悪く、「東武線」と呼ばれるのを嫌がっている。
- 越生線
- 目付きの悪い子供。東上線の腰あたりまでしか身長がない。
- 東上線のフォローをしているはずの発言が痛いほどに核心を突いて逆に東上線を落ち込ませ、「ある意味核弾頭」と評される。
西武鉄道
白い縁取りの入ったブルーのコートを着用している。そろって愛社精神が過剰で、西武グループ会長を神のごとく崇拝している。さらに、「JRもしょせんは国鉄」「13号線がメトロの墓標」などと他社路線を見下している。
- 池袋線
- 金髪の青年。前髪で常に左目を隠している。
- 日本の首都は所沢だと言って憚らない。常に会長の肖像を携帯している。
- ドラマCDでは、西武鉄道線のセリフは全て彼が喋っている。
東京地下鉄(東京メトロ)
白いワイシャツと黒のスラックス、各ラインカラーのネクタイを着用している。元々が帝都高速度交通営団であるため、しばしば営団と呼ばれることがある。
なお東京メトロ全9路線のうち、千代田線はコミックスには未登場。
- 銀座線
- ゆるいウェーブのかかった茶髪の青年。茶色のベストタイプのセーターを着用している。
- 常に優雅なメトロの重鎮。他のメトロの路線が全部止まったときに、「楽しそう」という理由で止まろうと考えたりする。
- 丸ノ内線
- 黒髪のビジネスマン風の青年。外見に反して性格は能天気。
- 日比谷線
- 真ん中分けの茶髪で、丸いメガネをかけている。冷静なツッコミ役。
- 東西線
- 黒髪をオールバックにした青年。顔にそばかすがある。
- メトロ1の混雑度で頑張っているが、気苦労が多い。長い地上区間に加えて陸橋があるため地下鉄なのに気象の影響を受けやすく、副都心線や南北線に嫌味を言われたりする。
- 千代田線
- 黒髪にメガネの青年。直通運転先である常盤線とは互いにズバズバとした物言いをする間柄。
- 有楽町線
- 金髪の青年。東京メトロのまとめ役にして、メトロ1の苦労性。
- 西武池袋線に東武東上線、武蔵野線や副都心線など周囲が個性的過ぎるために胃の痛い毎日を過ごす。副都心線の教育係だったが、新人教育を間違えてしまった。副都心線の失態を一番尻拭いした路線。
- 半蔵門線
- 長めの金髪で、軽い性格の青年。ワイシャツではなくTシャツにネクタイを巻いていることもある。
- 空気を読まない。直通先双方から直通運転を切られたりしても、気にするつもりはない。
- 南北線
- スラックスにサスペンダーを付け、頭にアイマスクを乗せている。平成生まれで言動が子供っぽい。
- 副都心線
- 短く刈り込んだ金髪で、耳にピアスをしている。開業前は紙袋を被っていた。元有楽町新線。
- 一番新しい路線でダイヤ通りの練習を一回もせずに開通を迎えて大混乱を招くなど、先輩の有楽町線に迷惑をかけっ放しである。慇懃な口調で空気を読まない発言ばかりしては有楽町線につっこまれている。
他私鉄
- 秩父鉄道
- 無精ヒゲで頭にタオルを巻いた、ガテン系の男性。
- 利益重視の西武池袋線に「鉄道は心で走るもの」と言い放つ。
- りんかい線
- 黒髪、黒シャツの細身の青年。運行障害の件で宇都宮線・高崎線に手厳しく言われ傷心の埼京線を慰めて、直通運転にこぎつけた。
- ゆりかもめ
- 水色のツインテール、ミニスカートにニーソックスのコスプレ風衣装を着ている。性別不詳。
- 銚子電鉄
- 少しパーマのかかった髪型でアホ毛がある、童顔の青年。いつもマフラーをしている。
- 少々天然のため、新商品として鉄道会社なのに新米を発売した。
- 総武線やJR千葉sと仲が良い。
- いすみ鉄道
- 長髪の目が細い青年。JR在来線と似た服を着ている。
- 銚子と同等なぐらい天然である。廃線の危機感を持ってはいるがやる気がない。
- 総武線と仲が良い。
コミックス
- メディアファクトリーより
- 2009年6月23日発売 ISBN 978-4-8401-2579-6
ドラマCD
第1弾
メディアファクトリーより、2010年2月24日に発売。
- キャスト
- 東武東上線 - 鈴村健一
- 有楽町線 - 鳥海浩輔
- 西武池袋線 - 遊佐浩二
- 武蔵野線 - 小野坂昌也
- 秩父鉄道 - 井上和彦
- 副都心線 - 岸尾だいすけ
- 東武越生線 - 真堂圭
第2弾
メディアファクトリーより、2010年12月22日に発売予定。
- キャスト
- 東海道新幹線 - 宮野真守
- 山陽新幹線 - 櫻井孝宏
- 東北新幹線 - 三木眞一郎
- 九州新幹線 - 大川透
- 上越新幹線 - 谷山紀章
- 山形新幹線 - 関俊彦
- 秋田新幹線 - 斎賀みつき
- 長野新幹線 - 高橋美佳子
- 東海道本線 - 間島淳司
- ナレーション - 小杉十郎太
関連項目
- 鉄道擬人化
- ミラクル☆トレイン - 鉄道駅の擬人化
外部リンク