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風と木の詩/竹宮恵子

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著者: 竹宮恵子
巻数: 4巻

竹宮恵子の新刊
風と木の詩の新刊

最新刊『風と木の詩 第4巻


出版社: 中央公論
シリーズ: CHUKOコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

manga_qma_bot 【順番】 次の少女漫画を舞台となっている時代が古い順に選びなさい 日出処の天子→あさきゆめみし→アルカサル -王城-→ベルサイユのばら→風と木の詩→はいからさんが通る→エロイカより愛をこめて→地球へ…
midori_piyopiyo この間 穂村弘さんが昔の少女漫画の話をしてて。風と木の詩 とか ポーの一族 とか。で、思い出したんだけど、中学校で女の子達がきゃっきゃ言ってる輪に何故か入れない時があって。普段仲良しなのに。今にして思えば 思春期の女の子の話題に乗り遅れたんだなー。以来今日まで乗り遅れたまま…
lemmingofthebda RT @Masa_R1216: 風と木の詩 #フォロワーが知らないだろって漫画を呟いてRTされたら負け
mito_orihara K、レイノルズをみてると、竹宮恵子キャラを思い出す、、。風と木の詩とか。
comicBUNKO RT @kmuramatsu: うむ。ベルサイユのばらとか、トーマの心臓とか風と木の詩とか、kindleでは読めないけど、ebookjapanでは読めるのか。。。。

風と木の詩の既刊

名前発売年月
風と木の詩 第1巻 1993-08
風と木の詩 第2巻 1993-09
風と木の詩 第3巻 1993-10
風と木の詩 第4巻 1993-11

風と木の詩』(かぜときのうた)は、竹宮惠子による日本の漫画作品。

1976年、『週刊少女コミック』(小学館)第10号から連載開始。1982年7月号から、連載誌を『プチフラワー』(小学館)に変えて1984年まで連載された。全2部構成。第25回(昭和54年度)小学館漫画賞少年少女部門受賞。

概要

19世紀末のフランス、アルルのラコンブラード学院の寄宿舎で繰り広げられる、思春期の多感な少年達を中心とする物語。愛欲、嫉妬、友情など、さまざまな人々の想いが交錯するなか、運命に翻弄される2人の主人公、華麗なジルベールと誠実なセルジュの切ない愛が描かれる。「少年愛」のテーマを本格的に扱った漫画作品であり、少年同士の性交渉、レイプ、父と息子の近親相姦といった過激な描写は当時センセーショナルな衝撃を読者に与えたが、後述のように知識人たちからは高い評価を得ている。

フラワーコミックス(小学館)から全17巻。白泉社文庫版全10巻。愛蔵版(中央公論社)全4巻。2007年の時点で490万部が出版され、少女漫画としては歴代53位ただし、文庫版などが含まれた数字であるかは不明。。1987年には、安彦良和監督の下、同タイトルでアニメーション化された『風と木の詩 SANCTUS−聖なるかな−』 製造/発売元 小学館・ヘラルド・エンタープライズ(株) 販売 ポニーキャニオン。1987年11月発売、現在絶版。

寺山修司は「これからの少女漫画は、風と木の詩以降という言い方で語られることとなるだろう」と語り、河合隼雄は「少女の内界を見事に描いている」と評し『風と木の詩』(小学館叢書版第1巻解説)、上野千鶴子は「少年愛漫画の金字塔」とした『発情装置』132頁。

作者の竹宮惠子は構想から1976年の発表まで7年の歳月を費やしたとしているおはようとくしま 2006年2月1日 漫画家 竹宮惠子(つまり竹宮が構想を始めたのは上京前の1969年頃ということになる)。竹宮は一夜にして物語のプロットを頭に描き、翌日、親友の増山法恵(当時は「のりえ」)に8時間かけてストーリーを話したという。漫画化されたのはそのうちの前半のストーリーであり、後半は主にセルジュのその後の人生であるとされる。それは増山による小説『神の子羊』の中で断片的に語られるが、そのストーリーは時代、登場人物の大部分まで含めて、増山による創作である。竹宮は「(風木の後半は)あなたに任せたからね」と真の後半部を描く意思はないことを増山に語ったと言われる白泉社文庫版第10巻解説。

ストーリー

登場人物

ジルベール・コクトー
14歳。オーギュスト・ボウとアンヌ・マリーとの間にできた不義の子。少女のように美しい妖艶な少年で多くの男たちと破滅的な関係を持つが、それは叔父(実父)「オーギュ」の倒錯した愛に飢えてのことだった。しかしセルジュの献身的な愛に支えられ、オーギュ以外には閉ざしていた心を次第に開いていく。
セルジュ・バトゥール
14歳。貴族の跡取りだった父・アスランと、ジプシーの血を引く高級娼婦だった母・パイヴァとの間に生まれる(この両親の立場は小デュマ「椿姫」から想を得ており、作中で当人たちも『椿姫』に自分たちをなぞらえている)。
父亡き後、父方の祖母に引き取られるも、ほどなく祖母も、その直前に母親も死去。後見人になった伯母リザベートはセルジュに愛情を持たず、彼が相続した爵位及び財産が目当てである。
伯母の娘(セルジュにとっては従姉妹)のアンジェリンが顔に大火傷を負った事故をきっかけに、ラコンブラード学院に転入する。ジルベールの自虐的な行為に心を痛め、彼を救おうと献身的に努めるうちに真の純愛に目覚めていく。
ピアニスト志望だった父の才を継いでおり、天才的なピアノの腕前を持つ。
肌の色が母譲りの「とび色」の為、最初はからかわれることになるが、皆セルジュの性格を知るとからかうのを止め、慕うようになる。
オーギュスト・ボウ
パリの高名な詩人でジルベールの叔父(本当は実父)、オーギュとジルベールに呼ばれる。幼い頃コクトー家に養子に入る。コクトー家の実の息子(オーギュの義兄ペール)の奥小姓として育ち、義兄の結婚相手アンヌ・マリーとの間に不義の子ジルベールをもうける。倒錯した愛をジルベールに注ぎ、肉体関係によって息子を支配している。
セルジュの父アスランと同い年。ラコンブラード学院時代には生徒監督制度を創設。卒業以後も学院に多額の寄付をし、生徒総監達とつながりを持ち、裏の権力を行使する。ジルベールが学院でどんなにスキャンダラスな問題を起こしても退校処分とならないのはそのためである。
ボナール
パリの彫刻家でジルベールを愛する男色家で、ジルベールを最初にレイプした男。
ルノー
ボナールの一番弟子。ボナールを好いていて、男色趣味を嫌う。ジルベールを愛するボナールへの嫉妬で、ジルベールと喧嘩をしたこともある。
パスカル・ビケ
セルジュとジルベールの同級生。「主席にならないと進級しない」という自身への戒めのせいで3回落第しているが、のちに学年首席になり飛び級に成功する。セルジュの友。最後まで、セルジュとジルベールを見守った。
カール・マイセ
セルジュとジルベールの同級生でB級監督生。寮生ではなく街の下宿から通っているセルジュの友人。心配性で真面目な人柄。セルジュに好意を寄せている。後に神学校に進学する。
パトリシア
通称「パット」。パスカルの妹。セルジュに好意を持つ。お互いに良き理解者。
アンジェリン・カーライル・マディソン
セルジュの伯母リザベートの娘(セルジュにとっては従姉妹)。セルジュに恋心を抱き続けていたが、セルジュとジルベールの関係を知って離れる。のちにオーギュストの策略で婚約するが、破棄される。
アリオーナ・ロスマリネ
生徒総監であり、学院の中で絶対的な権力を持つ。白い王子と呼ばれている。成績は常にトップ。北欧貴族の血を引いている。オーギュストの遠い従兄弟。潔癖症でドアノブなどをハンカチ越しにしか触れない。原因はオーギュストにあるらしいのだが…。
ジュール・ド・フェリィ
A級監督生。家柄ではロスマリネ家より上だが、没落貴族。そのため学費と母親の生活費をロスマリネ家に頼っている。ロスマリネとは特別な関係がある。以前は学園一の不良で、今でもジュールの名を出せば不良たちは逃げ出すほど。

OVA

風と木の詩 SANCTUS -聖なるかな-』のタイトルで、1987年11月6日よりポニーキャニオン発売されたOVAVHS(V118F8196)。LD・LP・CDサントラ盤でも発売。

キャスト

  • ジルベール:佐々木優子
  • セルジュ:小原乃梨子
  • ロスマリネ:榊原良子
  • オーギュスト:塩沢兼人
  • パスカル:竹村拓
  • カール:柏倉つとむ
  • ジャック:西原孝子
  • クルト:向殿あさみ
  • ドレン:速水奨
  • セバスチャン:小粥よう子
  • ワッツ先生、ブロウ:小杉十郎太
  • ルイ・レネ先生:千葉耕市
  • ルーシュ教授:根本嘉也
  • 校長:西尾徳
  • ネカー:水原りん
  • 生徒:秋山嘉子、桜井耕市、大野登美恵、大和麻美

スタッフ

  • プロデューサー:宇田川東樹、浅見勇、神立勝一
  • アシスタント・プロデューサー:浅理義美
  • 監督:安彦良和
  • 制作:寺門稔、友枝竜一
  • 演出助手:平松達也
  • 撮影:スタジオキャバーン
  • 音楽:中村暢之
  • 絵コンテ:安彦良和
  • 監修:竹宮惠子
  • 音響監督:千葉耕一
  • 撮影監督:高橋明彦
  • 美術監督:石川山子
  • 作画監督:神村幸子
  • VHS販売:ポニーキャニオン
  • 制作:コナミ工業
  • 製作・発売:ヘラルドエンタープライズ、小学館

解説担当者

白泉社文庫版

  • 1 寺山修司「万才!ジルベール」
  • 2 わかぎえふ「ジルベールの思い出」
  • 3 井沢満「純愛と青春の物語」
  • 4 林あまり「清らかな病」
  • 5 安珠「愛は孤独と安らぎに揺らぐ」
  • 6 阿木燿子「早過ぎた作品」
  • 7 高取英「囚れの少年ジェット」
  • 8 鶴見俊輔「その時の決断」
  • 9 安彦良和「竹宮さんの背筋」
  • 10 増山法恵「拝啓、我が「戦友」竹宮惠子様」

小学館叢書版

  • 1 河合隼雄

参考文献

  • 竹宮惠子『風と木の詩』(小学館叢書、1988年)ISBN 9784091970510
  • 上野千鶴子『発情装置―エロスのシナリオ』(筑摩書房、1998年)ISBN 9784480863119

脚注

外部リンク

sk:Kaze to Ki no Uta: Seinaru ka na