食キング/土山しげる
著者: 土山しげる
巻数: 5巻
最新刊『食キング 第5巻』
『食キング』(しょっきんぐ)は、土山しげるの漫画作品。
概要・解説
「週刊漫画ゴラク」にて連載。『喧嘩ラーメン』に続くグルメに題材をとった作品である。
副題に「B級グルメ店復活請負人」とあるとおり、主人公である「北方 歳三」(きたかた としぞう)がラーメン屋や洋食屋などの一流、高級レストランとはいえない庶民向けの飲食店を再建するストーリーである。本作の特徴として、北方は料理人に対して単に料理のトレーニングや客寄せとなる料理を教えるのではなく、一見料理とは無関係の特訓をさせることにある。 北方はこれを「修業」と称している。修業の例を以下にあげる。
- カレーライスに小学校の調理師
- オムライスにジョギング
- 親子丼に卓球
- 餃子にホテルのベルボーイ
- うどんにダンスダンスレボリューション
- ハンバーグに力士部屋でマッサージ
- お好み焼きにスーダラ節
- 弁当にパラグライダー
- ラーメンにサーカスのナイフ投げ
- おにぎりに京都の寺で修行させ鬼の特殊メイクで驚かす
これら意味不明の修業を強制された料理人は、「なんでこんな事を? 」と尋ねるが、それに対して北方は「一切の質問は許さん!!」と答えるのがパターンになっている。
また、本作では物語は基本的に区切り(再建する店)ごとでほぼ完結していて、北方以外にはレギュラーとなるキャラクターがいないのも特徴である。ある意味主人公は料理人で、北方は狂言回しともいえる。このような構成は「刑事コロンボ」における、犯人とコロンボの関係に似ていなくもない(犯人=料理人、コロンボ=北方)。
後半からは北方が幾多の料理人と様々な料理対決を行うようになる。最初は自らの腕に自惚れていたり、利益ことしか考えていない料理人が北方に敗れることで改心する、というパターンが多い。
主人公の北方を初めとして、登場人物の名前は、幕末を中心に歴史上の著名人から取られていることが多い(例:北方歳三 ← 土方歳三)
あらすじ
函館一と言われる名門レストラン・「五稜郭亭(函館の老舗レストラン五島軒がモデルと思われる)」。北方歳三はその創始者の曾孫であり、伝説のシェフと謳われた名コックだった。しかし、経営者の道に進んだ弟と、店の経営方針を巡って対立。歳三が店を出奔する事で決着をつけた。
それを幸いとして弟・精四郎は、ますます強引な経営をするようになり、いずれは日本の外食業界を牛耳ろうとフランチャイズ方式にまで手を出し始めた。
このままでは個人経営の店は潰されてしまうと危ぶんだ歳三は、経営の傾いた飲食店を建て直す「再建請負人」となり、「五稜郭亭」相手に孤独な闘いを挑むことになる。
作品データ
初出
雑誌掲載
- 本編
- 『漫画ゴラク』(1999年4月 - 2004年4月)
- 『漫画ゴラクネクスター』(No.71 - 72)
- 外伝
- 「維新洋食伝」『漫画ゴラクスーパー増刊』2001年5月
- 「ハイカラ洋食伝」『漫画ゴラクスーパー増刊』2001年10月
- 「モダン洋食伝」『漫画ゴラクスーパー増刊』2001年12月
- 「チンピラ洋食伝」『漫画ゴラクスーパー増刊』2002年2月
単行本
- ニチブンコミックス版(日本文芸社)全27巻。
- Gコミックス版(コンビニエンスストア向け廉価版、日本文芸社)