駅弁ひとり旅/はやせ淳 櫻井寛 はやせ淳櫻井寛
はやせ淳の新刊
櫻井寛の新刊
はやせ淳櫻井寛の新刊
駅弁ひとり旅の新刊
最新刊『駅弁ひとり旅 15』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
『駅弁ひとり旅』(えきべんひとりたび)は、櫻井寛監修・はやせ淳作画の漫画。漫画アクションに連載されている駅弁をテーマにした料理・グルメ漫画兼鉄道漫画兼紀行漫画である。現在第10巻(106話)までコミックスが出版されている。
概要
鉄道ファンで弁当店経営者の中原大介が、結婚10周年として妻から休暇をもらい、日本一周を期限として特急富士号のA寝台個室のきっぷをもらうことから始まる。九州、四国、中国、近畿、北海道、東北、北関東、新潟県の順に旅を続けている。 駅弁を取り扱った漫画であるが駅弁に分類されていない食堂車の料理やフェリーの弁当も含んでいる。また基本的に日本国内の旅行であるが、北海道からフェリーでサハリン州にも渡っている。しかし九州の旅行の時でも沖縄県には渡っていない。外国人が何人か登場しており日本文化の人気を伺わせる。
「駅弁ひとり旅」というタイトルではあるが、主人公は多くの時間を行きずりの女性や子供と共に旅をしており、あまり一人旅はしていない。また、連載開始から数年経っても劇中での日数は百日程度しか経過していないが、ダイヤなどは常に最新のものに置き換わっている。
登場人物
- 中原大介 - なかはら だいすけ
- この話の主人公。京王電鉄笹塚駅近くで駅弁をモチーフにした持ち帰り弁当を調製・販売する弁当店「大ちゃん」を経営する男性。35歳。太った体型とひげ面から「ヒグマ」と呼ばれたこともある。鉄道に詳しく、旅先では鉄道の薀蓄を常にたれている。また様々な分野の薀蓄も知っている。弁当を食べるときは常に講釈を行う。健啖家のため、メタボリックシンドロームの傾向がある。高所恐怖症で、高い橋梁やケーブルカーから下をのぞいたりすることが苦手である。
- 中原優子 - なかはら ゆうこ
- 大介の妻。「大ちゃん」の成功で趣味の鉄道旅行が出来なくなり元気をなくしていた大介を日本一周の駅弁食べ歩きに送り出す。4巻でのトワイライトエクスプレスでの北海道旅行で大阪駅で合流。その際乗車した車両はあこがれの1号車1番の展望スイート。カシオペアで東京に戻るが、ハプニングで函館駅まで大介が同じ部屋に乗車することになる。両列車でも食堂車を夫婦で堪能することになる。
- 尾崎菜々 - おざき なな
- 女性雑誌記者。九州の取材ではやぶさ号に乗車したが、食堂車や売店・車内販売がないことを知らず、大介からシウマイ弁当をもらうことで仲良くなる。関門トンネルを詳しく語る大介の薀蓄から鉄道に興味を持つ。門司駅での両列車の解結で別れるが、高千穂で偶然合流し、駅弁を食べながらの2人旅になる。九州を一周し、あまりの別れの寂しさに由布院温泉で涙したが、別府駅で買った駅弁とワインを大介に渡し、関西汽船に乗る大介と別府国際観光港で別れる。
- その後、森駅のいかめし取材で、大介がいかめしをすべて買ってしまったために売り切れていたことを悔やんでいたところ、乗り継いだ普通列車で大介に偶然合流し、北海道を一緒に旅する。
- 水越美希 - みずこし みき
- 司法試験に失敗し、四国八十八箇所めぐりをしていた女性。道後温泉の休憩所で会ったマドンナだったが、卯之町駅に着く前に宇和島駅で待っていると声をかけると、翌日宇和島駅で2人旅のために待っていた。四国を一周した後岡山駅から後楽園にいき、後楽園内で甥の洋史と一緒に食事する。
- 洋史 - ひろし
- 美希の甥。岡山駅で美希と母親に紹介される。父親を交通事故で亡くして母子家庭になったため旅行ができず、亡き父と一緒に行くはずだったSLやまぐち号と余部鉄橋を見るのが憧れの鉄道ファンの少年。最初は無愛想でさめていたようだったが大介から伯備線でのD51の3重連の話を聞いてから打ち解ける。時々亡き父を思い出すが、大介に慰められる。中国地方をめぐり、両方を見た後、城崎温泉駅で別れる。
- その後京都駅で待ち合わせ、梅小路蒸気機関車館を見学し、大阪駅でトワイライトエクスプレスを見送って別れる。魚類、特に小魚が嫌い。
- ケイト
- 名古屋市在住のオーストラリア人女性。城崎温泉で日本の入浴方法を知らず、水着で男湯に入っていた。その後、駅弁に興味を持ち、同行。福知山城・姫路城に興味を持つ。たこが苦手、鯨を食することを批判、駅弁の牛肉をオージービーフと比較する、お茶漬けを知らなかったといった感じだが、自然に納得。日本文化に興味を持つ。関西と紀伊半島を巡り、亀山駅で名古屋に行くケイトと別れる。
- セルゲイ
- 菜々の編集部の上司が紹介したサハリン州在住のロシア人男性。「南大門」などの日本語の文字も読むことができるほど日本語が流暢に話せる。鉄道に関心があるために大介や奈々にD51のレトロ号の走る日やサハリンに渡ったキハ58系の廃車体を紹介し、帰りの夜行列車「サハリン・エクスプレス」も紹介した。ちなみにほかに登場したロシア人の夜行列車の女性クルーも日本語に流暢。
- クリスティーナ
- 日本を旅行中のフランス人女性。秋田内陸縦貫鉄道の車内で出会う。日本語はある程度話せるが漢字は読めないようである。駅弁に興味を持つ。大介のことを「ダイスキ」と言い、「大好き」を「ダイスケ」と言う。
- 夏美瑶 - しゃ めいやう、夏美琪 - しゃ めいち
- 水戸で出会った台湾出身の双子。姉の美瑶は瑶々(やうやう)、妹の美琪は妹々(めいめい)と呼ばれる。
- 武おじさん - たけ おじさん
- 大介・優子の親類。トワイライトエクスプレスの途中駅金沢駅にて地元の高級駅弁を差し入れる。
- 待田立津夫 - まつだ たつお
- 大介の笹幡小学校時代の同級生。北海道でのDMV試乗会で出会い、青森駅で再会し、一緒に竜飛海底駅に行く。さらに福島駅から峠駅へ向かう列車の中で再会する。北九州工業大学(架空 - 住所から九州工業大学がモデルと見られる)の研究生。
- 昆野尚 - こんの しょう
- 大介とは調理師学校時代に知り合う。下北交通の大畑駅で再会する。ホテルの和食シェフ。
- 中阪 - なかさか
- 菜々が勤める雑誌社のデスク。
作品中の季節感
この物語は、第1巻から休むことなく主人公が日本一周の旅を続けているというもの。物語は単行本1冊(9~14話)で約1~2週間の時間が経過していると思われるが、漫画アクションが隔週雑誌で実際の連載執筆に約半年かかっているため、登場人物の服装も雑誌掲載時の季節に合わせて変えられている。つまり単行本の始まりでは半袖(腕まくり)だったのが終盤にはコートを羽織っており、その逆もある。特に顕著なのが第5巻の北海道(道南から道東)の旅で、短期間の旅にもかかわらず、夏から極寒の冬へと変化している。