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龍狼伝/山原義人

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著者: 山原義人
巻数: 10巻

山原義人の新刊
龍狼伝の新刊

最新刊『龍狼伝 10


出版社: 講談社
シリーズ: 講談社漫画文庫


龍狼伝の既刊

名前発売年月
龍狼伝 1 2005-06
龍狼伝 2 2005-06
龍狼伝 3 2005-07
龍狼伝 4 2005-07
龍狼伝 5 2005-08
龍狼伝 6 2005-08
龍狼伝 7 2005-09
龍狼伝 8 2005-09
龍狼伝 9 2005-10
龍狼伝 10 2005-10

龍狼伝』(りゅうろうでん)は、山原義人による日本の漫画作品。1993年から『月刊少年マガジン』(講談社)にて連載中。

概要

  • 『三国志演義』に題を採った作品であり、中でも漢や匈奴に関する独自のストーリーが描かれている点が本作品の特徴として挙げられる。
  • 2010年1月現在、単行本は43冊発売されている。37巻までが「龍狼伝」、それ以降は「龍狼伝 中原繚乱編」となっている。
  • 平成9年度(第21回)講談社漫画賞少年部門受賞。
  • 1998年にドラマCD「龍狼伝〜竜天女の哀涙〜」が発売された。

ストーリー

中国へ修学旅行に向かう途中、飛行機に乗っていた天地志狼と泉真澄は、突如現れた龍に飲み込まれ、207年の中国へ時間移動する。「三国志の時代」の人々は、龍に乗って天から降りてきた2人を「竜の子」と神聖視し、否応なく戦乱へと巻き込んでいく。

登場人物

『演義』に登場する人物の詳細は各リンク先を参照。キャラクター名の横の「声」はドラマCDのキャスト。

竜の子

天地志狼(あまち しろう)(声:阪口大助)
本作の主人公。日本人の父と中国人の母を持つハーフで、額にはホクロがある(作中“天運の相”と呼ばれる)。
幼馴染の真澄と共に龍に飲み込まれ、「三国志の時代」の只中、劉軍と曹軍の戦場へ時間移動する。そして、自分達を守ろうと落命した単福(徐庶)の代役を見事に務め、以後「竜の子」「竜の軍師」と呼ばれるようになる。また修行の末に「雲体風身」や「闘仙術」を習得し、現在では三国志の英雄と肩を並べるほどの戦闘能力を手に入れている。
能天気な性格に見えるが、真面目な一面も持つ。また物事の要点を無意識に掴む能力を持ち、登場人物の大半から「大物(=成竜)になる素質を持つ」と評されている。
「龍狼伝」では劉軍の軍師として活躍したが、「中原繚乱編」では自身が率いる「竜騎兵団」と共に曹操の元に身を寄せ、征南将軍に任ぜられている。
泉真澄(いずみ ますみ)(声:宮村優子)
本作のヒロイン。幼馴染の志狼と共に、龍に飲み込まれ「三国志の時代」へ時間移動する。
時間移動後しばらくは志狼と共に劉軍に留まっていたが、“仲達”の手で曹操の下へ連れて行かれる。この時“天運の相”(彼女の場合は痣)が出来、「竜娘々」として崇められるようになる。
五虎神の黒瘴虎の正体を黄巾党の主導者・張角と見破る。
赤壁の戦いで行方不明となるが、後に許昌にいることが発覚する(1年間、強制的に眠らされていた)。許昌で志狼と一時的な再会を果たすも、“仲達”の野望を阻止する為に許昌に残ることを選択し、現在に至る。
中学校一の才女で、張飛にバカにされた時に悔しさを滲ませたこともある。また意外なことに酒に強く、張飛に酒飲みで勝っていた。

竜騎兵

志狼が率いる、総数500から成る精鋭揃いの騎兵団。顔ぶれのほとんどは元は“仲達”率いる「虎豹騎」の一員であり、“仲達”に反感を抱いている。

蓮花(レンファ)(声:氷上恭子)
元は劉軍の女性兵で、志狼が初めて出会った「三国志の時代」の人物。相手を惑わせて一瞬で斬る「虚の剣」と、仙術武具の1つ「乾坤圏」の使い手。
両親を山賊に殺された時に単福(徐庶)と出会い、以後彼の義妹となる。
志狼と真澄を生かす為に単福が死んだ為、当初は志狼のことを「兄を殺したに等しい」として快く思っていなかったが、共に死線をくぐるにつれ次第に好意を寄せるようになる。現在は劉備の依頼を受ける形で軍を離れ、志狼に同行している。竜騎兵としては武将として、兵卒たちに指示を出せる地位にある。
ちなみに人物像のモチーフは『ストリートファイターII』の春麗。
遊岐(ユウキ)
竜騎兵団の兵卒で、志狼を「大将」と呼ぶ。血の気は多いが腕は確かで信頼厚く、志狼の作戦に頻繁に同行。
蓮花に好意を寄せている。
呂烈
元は夏侯惇に招かれた将兵であったが、現在は征南将軍となった志狼の配下。竜騎兵が虎豹騎の一員だった頃から仲間を束ねており、現在は志狼の下で副将的な立場にある。志狼を除けば竜騎兵最強の武将。
龐統
鳳雛と呼ばれ諸葛孔明と並び称される天才軍師。赤壁の戦いでは曹操軍に仕え連環の計で周瑜率いる呉軍を苦しめる。「中原繚乱編」では母の仇である呉軍と戦うため、竜騎兵の軍師となった。酒と女に目がなく、蓮花曰く「助平親父」。

志狼に同行する人々

アイリン (声:笹本優子)
刑州の油売り・モンランの妹。兄が劉軍兵士に志願する折、一緒に付いてきた。
兄亡き後も志狼を慕い、荷物に紛れて帯同するなど行動力のある少女。
「中原繚乱編」では龐統に娘として引き取られる。
暁明(シャオミン)
呉領内の農民の娘。飢えていたところをアイリンらに助けられ、以後彼女の義妹となる。
「中原繚乱編」では里親が見つかり、アイリンの元から去っていった。
左慈 (声:関根信昭)
仙人。志狼と伍真の仙術の師。時折現れては、的確な助言をくれる。
伍真(ウーヂェン)
元“仲達”配下の虎豹騎の兵。博望坡の戦いで関羽と戦い捕縛されるが脱走。後に左慈の元で仙術を学ぶ。匈奴の反乱軍の単于の子で、志狼らを助けるため反乱軍を率いて摩牟と戦う。
「中原繚乱編」では豹、黄忠とともに援軍集めに奔走する。
劉豹
匈奴の王、呼厨泉を叔父に持つ。仲間からは豹と呼ばれることが多い。
生年不明の人物であるが蔡文姫の逸話から考えると本作では幼く描かれている。志狼を「竜の兄貴」と慕う。
現在、黄忠・伍真と行動を共にしている。
黄忠
漢津で僵尸鬼と闘う志狼に助勢する。赤壁の戦い直前まで魏延と共に劉備に帯同する。
呉に恭順しなかったため投獄されていたところを志狼の命を受けた伍真らに助け出され、打倒“仲達”の援軍を募るため彼らと同行中。
老齢だが巨大な弓を操り一撃で何人もの兵を屠るなど、その実力は健在である。

劉軍

劉備
基本的には『演義』に準ずる。
ストーリー前半では物語の核となっている。求心力だけでなく武力においても相当なものを持っていることが本作の特徴である。しかし、後半においては出番が少なくなり、「竜の子」志狼に漢の運命を託す自分を情けなく思う姿が描かれている。
諸葛亮
基本的には『演義』に準ずる。作中で唯一、志狼と真澄の素性を知る人物。
作中では目立った活躍は無いが、“仲達”が仕掛ける策略から劉備を護る。
月英(ユエイン)(声:折笠愛)
孔明の妻。月氏(インド)の血を引く。亡き母と印象が似ていることもあって、志狼にとっても特別な存在。
伝心術が使え、左慈をして「底が見えぬ」と言わしめた。
関羽
基本的には『演義』に準ずる。本作序盤で志狼に体術を教えており、後に志狼と対決する場面もある。闘仙術に対しても相打ちに持ち込めると豪語する。
張飛 (声:荒川太郎)
基本的には『演義』に準ずる。関羽に「自分よりも強い」と言わしめる実力者。
趙雲
基本的には『演義』に準ずる。本作序盤で志狼に槍術を教えている。「匈奴編」では劉備から密命を受ける形で終盤に再登場を果たし、志狼を助けている。
孫乾
劉備の参謀を務める文官。主に他国との交渉事などを担当する。
単福(徐庶)
劉軍の軍師として帯同していたが、志狼と真澄を助ける為に戦死する。
その後、劉軍の指揮を執ることになった志狼は、実際の「歴史」で徐庶が用いた戦術をそのまま用いて曹軍を破っている(志狼はゲームの影響で『演義』を読破しており、「歴史」を知っていた)。

曹軍

曹操(声:大川透)
基本的には『演義』に準ずる。
作中では漢の覇権を握らんとする冷酷な野心家として描かれているが、全ての災厄の大本である戦乱を早く終わらせ、民と国を安んずる事を願う心中も明かされている。
竜娘々(真澄)との出会いを機に、民や配下に優しく接する一面も見られるようになった(部下の荀彧にも「以前までの曹公とは明らかに違う」と評されている)。また竜の子(志狼)とも、赤壁の戦いを機に心を通わせており、「中原繚乱編」で自軍に迎えている。
曹仁
基本的には『演義』に準ずるが、本作では2度も合戦に敗れた為に将軍職を外されている。曹操の従兄弟で「影衆」なる集団の長。
「匈奴編」では、匈奴に協力を求めて彼らの地に赴くも、道中様々な妨害に遭う。しかし最終的には南匈奴と協力し摩牟(去卑)を倒すことに成功する。
志狼とは縁深く、志狼による度重ねる敗戦で要職を外されていながら、志狼が曹操の配下となって以後は助言、口添え等尽力し助けたりもしている。
曹丕
曹操の長子で、そのことを何より誇りにしている。
「匈奴編」では曹仁と共に匈奴の地に赴いた。劉豹とはケンカ友達のような仲で、蓮花に好意を寄せている。
曹仁に、武術の才だけなら曹操をも上回ると評されるほどの剣捌きを見せる。
張遼
基本的には『演義』に準ずる。武力では曹軍一とされる、義に厚き忠臣。
赤壁の戦い後は徐晃と共に荊州を守備する。現在は征南将軍となった志狼の配下。
ラン
張遼の養女で、優れた剣の使い手。男勝りで義父同様義に厚く、時に愚直。実父である呂布を虚空に殺されていることから、彼に深い憎しみを抱いており、志狼と虚空の対決を実現させようと画策する。
許褚(声:菅原淳一)
基本的には『演義』に準ずる。曹軍随一の実力者で、曹操や真澄の護衛を勤めるが、黄尸虎に対して「良くて相打ち」に持っていける程度らしい。
于禁
基本的には『演義』に準ずる。21巻での再登場時に同一人物とは思えないほどの変わりぶりを見せている。
夏侯惇
基本的には『演義』に準ずる。「中原繚乱編」での竜騎兵は元夏侯惇の配下で、彼が鍛え上げた。

孫軍

孫権
基本的には『演義』に準ずる。
仁姫
基本的には『演義』に準ずる。
気がとても強く、周りの事を考えない性格。「雲体風身」を学ぶ為、「同盟の破棄」を持ち出して志狼を脅したこともある。
周瑜
基本的には『演義』に準ずるが、志狼の暗殺を企てるなど、より奸智に長けた人物として描かれている。
赤壁の戦いでは裏で“仲達”と通じていた。
病が進行しており、余命幾ばくもない状態だが戦場で指揮を続け、志狼率いる軍勢と交戦中。
太史享
太史慈の子息。周瑜の配下として、「隠兵」と呼ばれる暗殺集団を率いる。
師である周瑜に心酔しており、彼のためならばいかなる非情な振る舞いも厭わない。
陰兵を率いて、志狼等が立て籠もる襄陽城に潜入し、城門を制圧。
ランを人質にするが、ライに邪魔をされ、計画が頓挫した事に激昂してライに襲いかかるも、呆気なく殺されてしまう。
陸遜
基本的には『演義』に準ずる。
本作では時折町民に変装し、民と国を連結させようと情報操作を行う姿が描かれている。
甘寧
基本的には『演義』に準ずる。本作では独自の体術「遠当て」を使っている。
志狼と闘い負けを認める。志狼打倒に執念を燃やす。

献帝
漢の皇帝。王朝の実権を曹操に握られていたが、赤壁の戦い後、“仲達”一派の活躍もあって実権を取り戻す(同時期、“仲達”に“破凰の相”の種を埋め込まれた)。
竜娘々(真澄)を深く愛しており、竜の子(志狼)に奪われることを恐れている。
馬超
献帝の下に集まった諸侯の息子として登場。怪力と卓抜した槍術を誇り、その実力は「五虎神」以上とも噂される。
真澄を救出に来た志狼と皇宮で闘い、志狼の念体を受け倒れる。真澄を取り返しに来た献帝と近衛兵から志狼を逃がすため、愛馬・千山を再戦の約束として預ける。

“仲達”一派

“仲達”(ちゅうたつ) (声:家中宏)
本作品の最大の敵。己が求む“破凰の相”の下、全てを滅ぼそうと企む男。
元は曹軍の武将で、曹純の急死により虎豹騎の将となる。その後、赤壁の戦いで曹操を裏切り、現在は漢の丞相となっている(赤壁の戦いで斃されたのは影武者)。
「雲体風身」の体術に加え、「五虎神」の全ての技が使えるなど、凄まじい戦闘能力を誇る。登場当初から感情の起伏があまり無いが、嘲笑を心中でする描写が多い。
本作中に司馬仲達と呼ばれることがあったため、司馬懿と同様の人物と思われる。
大幻(ダーファン)
仙人。元は左慈と同門の道士であったが、その後敵対し袂を分かつ。
“仲達”と青龍に仙術を教えた男であり、本作では黒幕として描かれているが、“仲達”と青龍を完全に操っているわけではなく、その関係は未だ不明な点が多い。
虚空(こくう)
“仲達”配下で「五虎神」と一線を画す強者。本作では呂布の弟。盲目ではあるが、大気の振動や氣から敵を認識できる「心眼」を持つ。
赤壁の戦いでは圧倒的な力で志狼を追い詰めるも、真澄の「力」による降雨で形勢を逆転されて敗れる。
初登場時は物腰柔らかな青年として登場していたが、志狼との対戦時には圧倒的な風格を持ち、「ワシ」と一人称が変化するなど変化が見られる。
ちなみに初期の頃は五虎神最強の男などという肩書きが所々に見受けられたが、青龍登場以後は五虎神には数えられずに別格の存在として扱われている。
志狼と対戦するまで“仲達”に完全に忠実な部下であった。これは心中に埋め込まれた「呪縛」によるものである。しかしその後「呪縛」の力が弱まり、自らの意思で行動している描写がある。
妖将・李に対する殺害について“仲達”や赤飛虎が驚いている描写があり、志狼もそのことを虚空の意思によるものと疑っている。
“仲達”に対する態度も“仲達”様から“仲達”公へと変わり、その命をつけ狙うことを再開している。
作中では呂布が曹操に敗れる数日前に、城内で呂布と戦い倒し深手を負わす。
赤飛虎(せきひこ) (声:沢海陽子)
“仲達”配下で「五虎神」と称される部将の1人。
大気の刃を放つ「阻刀術」の他、「空破山」を得意とする。また暗示も得意で、長坂で志狼と戦闘になった際、志狼に暗示をかけて“破凰の相”の種を埋め込んだ。現在はその暗示の能力を活かして陰謀工作を担当している。
作中、“仲達”の情婦をしている描写がある。
黄尸虎(おうしこ)
“仲達”配下で「五虎神」と称される部将の1人。「双天戟」という槍を用いて戦う。その正体は、趙雲の父親の同門・黄順の操る鎧人形。大病を患った黄順が鎧と死んだ武将の遺髪を依代として使役している。しかし、この病は大幻と仲達によって仕組まれたものだった。
張飛に匹敵する怪力、趙雲と互角の槍術、馬超と同様の神速の攻撃ができるなど、武力については「五虎神」最強と“仲達”が認める。また、一切の攻撃が本体に伝わらず、不死身である(しかし、その分槍術の力が落ちてしまう)。
「匈奴編」では幾度となく志狼と一騎打ちを繰り広げるも、最終的に第三関城の攻防戦で敗れる。この時、黄順が本来の槍術の力を発揮するため、自分の意識を黄尸虎と融合させた為に痛みが黄順にも伝わり、黄順は命を落とした。
黒瘴虎(こくしょうこ)
“仲達”配下で「五虎神」と称される部将の1人。黒装束を纏い、顔を包帯で覆っている。その正体は黄巾の乱の主導者・張角。
「影斬り」や黒糸の操作など、暗殺技術に長けている。また、仙術武具の1つ「乾坤圏」も使える。自分たち黄巾族がなしえなかった国の変革をなしえるかもしれない志狼や真澄た竜の子たちに対し、激しい嫉妬と敵意を抱いている。
白冥虎(はくめいこ)
“仲達”配下で「五虎神」と称される部将の1人。
生きた人間の心臓を抜き取り、代わりに「符心臓」と呼ばれる仮の心臓を与えることで人物を操る能力を持つ。また寄生虫や毒に関する方術にも通じている。
「五虎神」の中で、今までに志狼と直接対峙したことがない唯一の部将。
青龍(せいりゅう)
“仲達”配下で「五虎神」と称される部将の1人。治癒の力を持ち、許昌では皇宮官吏を務めている邵何(しょうか)という人物。
「匈奴編」ではグエンに暗示をかけることで匈奴同士の戦争を引き起こすことに成功する。体術もかなりの腕を誇り、摩牟や呼厨泉、志狼を撃破するも、黄尸虎の双天戟を用いた趙雲に敗れる。現在は密かに許昌に帰還し、傷を癒している。
心臓を貫かれても死ぬことがなく、一時的に動きが止まるだけという驚異的な肉体を持つ。また、氣を消したまま闘うことができるため、あらゆる仙術に対して優位性を持つ(ただし、動揺すると"鬼氣"

が流れてしまうようである)。本人いわく「治癒」の力を有しており驚異的な回復力はそれによるもの。また、触れるだけで相手に対して治癒の力を流し込み、過剰な治癒力で体を自壊させるなど攻撃にも使える。

「青龍」という男性であると同時に、「鳳凰」という女性でもあるなど、五虎神の中で最も謎めいている人物。
初登場時(五虎神揃い踏み)の影絵でのイラストや口調などは、かなり異なっていた。
“仲達”の影武者(ちゅうたつのかげむしゃ)
赤壁の戦いにおいて曹軍と志狼と戦った“仲達”の影武者。
その正体はキョウ尸鬼。凄まじい戦闘力を誇り曹操も志狼も影武者と見抜けなかった。
“仲達”に比べ感情の起伏が激しいなどの特徴がある。
「乾坤圏」により邪気を破られ絶命する際に“仲達”を止めるよう志狼に託す。作者によれば本物の“仲達”の非常に近しい人間であったらしい。
ライ
呂布の遺児。父を殺した曹操に恨みを抱く。張遼の養女となっているランとは兄妹である。
呂布の死後、虚空によって育てられる。
武力は竜の子である志狼をも上回る実力の持ち主(同等の資質だが武の熟練度で勝っているため)であり、「天運の相」の持ち主でもある。志狼を圧倒するも念体を受け敗北、捕縛されるが脱走。
太史享の策で襄陽城の城門を抑えられ、妹のランが人質にされた際、助けに入り、逆上して襲いかかって来た太史享を倒す。

山越

炎武(イェンウー)
山越の頭領。呉と敵対し山賊行為を働いていた。しかし、その背景には越の再興を狙う大儀も持っている。空破山や衝破山というカマイタチによる剣術・印刀術を赤飛虎に教えた男であり、志狼とも対戦したが、衝破山が剣と剣のぶつかり合いによらなければ生じないことを見抜かれ、敗れた。
以後は志狼と和解し、再会を予告して姿を隠す。

匈奴

呼厨泉
摩牟の弟。摩牟が単于になるまでは匈奴の王であった。“仲達”と同盟を結ぶ際に欺かれ、妖将・李の城に豹と共に監禁される。その後、曹操と同盟を結んだことが裏切りと見なされ、摩牟に単于の座を奪われた。
張飛以上の怪力を持ち、一切の刃を通さない鋼の体を持つ。
“仲達”と対戦した際に一切の攻撃が効かず、敗れた心の隙に暗示をかけられ「孟鬼」とされて操られた。しかし、志狼との対戦により自分を取り戻す。その際に志狼の拳に暗示を解く力があることが示唆される。このことは虚空によっても言及がある。
青龍と闘い死亡する。
テンゲル
摩牟
呼厨泉の兄。匈奴の単于である。
“仲達”と同盟を結び、匈奴の反乱軍討伐を目指す。
呼厨泉以上の実力を持つが、思慮に欠ける部分があり利用されていただけだった。
“仲達”の裏切りに気付き、青龍と闘うも姦計により毒に冒されており、絶命寸前まで追い詰められた。

その他

シュアン
仙人。志狼の闘仙術の師匠。その力は凄まじく、雲体風身を会得した悪鬼数人を瞬時に屠る。
元武の実弟である。年齢は少なくとも300歳以上であることが示されている。
元武(ユァン・ウー)
闘仙術を生み出した仙人。元は慈愛に満ちた優れた導師であったが、邪仙の氣を取り込んでしまい自らも邪仙と化す。
若い娘との性交により氣を喰らい、娘を惨殺し続けた。その術は凄まじく、他の強者とも明らかに一線を画する。雲体風身程度ではまったく歯が立たない。闘仙術においては無数の念体を生み出すことが出来る。さらに巨大化、ビームを放つ、天地の災害さえ起こせることを示唆するなど、「天地神」を自称するに足る力を持つ。
華佗
医師。曹軍にいた真澄に医術を教えた。
妖将・李
『三国志演義』において曹操に討たれた李と同一人物。
死んだように見せかけて存命しており、妖術を極め、曹操に復讐するために“仲達”と手を結ぶ。その条件は曹操の一族を城に監禁し嬲り殺しにすることであった。
妖術・暗の術を使い、相手の視力を奪う他、完全に五感を奪うこともできる。
その正体は髪の毛を超高速で振動させ発生させた超音波であった。
最終的には虚空によって殺害されたが、肉体を失っても想念のみで存在できるなど、妖将の名に恥じない力を持つ。想念の状態で志狼を追うが大狼の咆哮で消滅。
大狼(ダーラン)
匈奴に伝わる伝説の巨狼。山に潜み狼の群れを率いているが、その正体は"大地の意思"そのものであり、狼は依代に過ぎなかった。人間を軽蔑し仙人でさえ矮小な存在と語る。
志狼が未来から来たことも知っている。また大地の上で起こったこと全てを熟知している。
戦乱により大地や自然、他の動物を滅ぼす人間を憎み“仲達”による破滅を支持したことから志狼と激しく対立した。
戦闘の際には依代の巨狼で闘う。その動きは全く眼で見えず、爪による攻撃は硬氣功でさえ完全には受け止められない。また妖術、仙術の奥義や仙術武器も一切通用しない。“仲達”や元武(ユァン・ウー)よりも力が上回るとされ、本作中で、これまでの相手の中では最強と思われる。
依代の狼と相打ちになった志狼と傷ついた蓮花の傷を治し、現在は別の狼を依代にしている。
人間を認めたわけではないが当分見守ると語る。

術・技

雲体風身
「氣」を使って、人体の五体を意思のままに操る術。その習得は荒業であり、大抵の人間は習得に失敗して身体の自由を失ってしまう。しかし、習得すると以下に挙げるようなことが可能になる。
  • 腕力や視力などの身体能力が桁外れに上昇する。
  • 自身の身体感覚を無くすことが出来る。
  • 切創(擬似的なものに限る)や脱臼などを治せる。
但し、使用時は身体に多大な負担がかかる為、多様しすぎると身体がボロボロになってしまう(長い鍛錬を積めば負担を軽減することが可能)。
作中では以下の人物が習得している。
  • 天地志狼
  • “仲達”
  • 左慈
  • 伍真
  • 冒頓
  • シュアン
  • 元武(及びその弟子)
闘仙術
外敵を滅ぼす為、仙道に武道を取り込んで創られた術。現在に至るまで仙道士が多数亡くなっている為「死仙術」の別名を持つ。
念体
闘仙術の奥義。
強力な仙気で相手の氣脈と繋がり、相手の五感を操った状態で強力な攻撃を与える。そうすると相手の肉体は「傷を加えられた」と認識させられ、結果自己崩壊に追い込まれる、というもの。
但し「相手の氣脈と繋がる」という性質上、相手の邪気を取り入れてしまうという弱点もある。また、「不死身に近い生物」や「命を捨てて戦う人間」には効果が無い。
作中、天地志狼がシュアンに教示されて習得に成功している。元武が開祖であり、シュアンに教えたものと思われる。

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