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龍/村上もとか

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著者: 村上もとか
巻数: 42巻

村上もとかの新刊
の新刊

最新刊『龍 42



龍の既刊

名前発売年月
龍 1 1991-08
龍 2 1991-12
龍 3 1992-06
龍 4 1992-11
龍 5 1993-05
龍 6 1993-08
龍 7 1994-01
龍 8 1994-07
龍 9 1994-12
龍 10 1995-07
龍 11 1995-12
龍 12 1996-04
龍 13 1996-09
龍 14 1997-03
龍 15 1997-07
龍 16 1997-11
龍 17 1998-01
龍 18 1998-05
龍 19 1998-08
龍 20 1998-11
龍 21 1999-04
龍 22 1999-09
龍 23 2000-01
龍 24 2000-05
龍 25 2000-08
1   

龍-RON-』(りゅう ロン)は、村上もとかによって1991年から2006年まで『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて連載された歴史漫画。また、それを基に制作・放送されたテレビドラマである。

概要

昭和初期の京都から物語は始まる。京都の名門押小路家の長男に生まれた押小路龍は、家督を継ぐ気もなく、幼い時から得意としてきた剣道を生かして大日本武徳会の武道専門学校(通称:武専)へ入学する。そこで出会った剣道科主任である内藤高治によって、彼の人生の指針は決まっていく。

物語はその後、舞台を帝都、上海、満州と変えて、龍という人間の半生を壮大に描く。

主要人物

押小路龍(李龍)
この物語の主人公。幼少より剣道を得意とし、関西の龍と呼ばれる。名門であり数々の事業を行う実家を継ぐ気もなく、武専へ入学するが、主任教師の内藤や同級生たちとの出会いによって、自分が学んだ武道を生かし、その道の為に生きることを決意する。その後、ある事情により中国へ渡り、自分の出生に関わる国家抗争に巻き込まれる。その抗争は第二次世界大戦終結のを求め、列強各国の争いが激しくなる中、世界中の人々の平穏な生活を守るために、一時は家族をも見捨てる覚悟でいた。しかし全ては自分の信じるのための行動であり、これからも自分の命が続く限り周りの人々を助け続けていく決心をする。
田鶴てい
東北の農村出身の娘。貧しい実家への仕送りのため懸命に働いている。龍と知り合った後、偶然に押小路家で女中に雇われる。その後、龍の父・一磨の計らいで女学校へ入学する。その頃から龍と恋愛関係になり、事態が公になったのを機に押小路家を離れ、映画スタジオで炊事係をしているうち、撮影の見学中に映画女優としてスカウトされ、瞬く間にスタアの座に上り詰める。外地慰問のため上海に渡り、そこで龍と再会し、結婚する。その後、満州へ渡って満州映画協会(通称:満映)で女流映画監督として活躍するようになる。
小鈴
龍の幼馴染で、京都一と謳われた舞妓。龍と互いに想いを寄せ合っていたが、龍の叔父・卓磨に身請けされて妾となり、息子冬馬を産む。その後、満州へ渡り、激動の時代を生きる。冬馬の出生に関して、龍とたった一度だけ持った関係に疑問を持ち、龍への想いを引きずっている。
曹徳豊
中国人留学生の青年。朝鮮人街の暴動を食い止めた龍の人徳を慕い、半ば強引に師と仰ぎ行動を共にする。その正体は、とある組織から龍を監視するために派遣された工作員だった。しかし、龍との友情と任務との間で次第に彼の心は揺れ動き、組織に背き龍を助ける行動をとるようになる。
キム・スンヨン
京都の朝鮮部落街に住んでいた少年。日本人を憎んでおり、龍も例外ではなかったが、龍の真摯な行動によって和解し、やがて友情を越え義兄弟の契りを結ぶまでになる。ふとした成り行きから、彼も龍と共に中国へ渡ることになる。
押小路一磨
龍の父親。名門押小路財閥の事業を継がず陸軍に入り、北京に武官として駐在中に高瀬紅子と出会い、龍を授かる。その直後に紅子と死別し、息子の育児に専念するために退役する。退役後も家業は弟の卓磨に任せて祇園の芸妓と遊ぶ放蕩親父と化しているが、裏では妻の死の原因を探るべく妻の家系と清朝の歴史を探っていた。
押小路卓磨
一磨の実弟で龍の叔父。軍人になった兄の代わりに家業を任され、押小路財閥の総帥になる。兄同様、好き勝手に生きていると龍に厳しく冷たく当たるが、龍の中にある、人を引きつける才能を察知し、次代の総帥にと考えている。
内藤高治
実在の人物(1862年 - 1929年)。警視庁の剣道教師を務めいたが、大日本武徳会に剣道主任として招聘される。現代剣道の行く末に憂い、剣道並びに武道におけるを重んじている。彼の説いた武士道は龍の人生の指針となった。
朱鳳花
中国の若手京劇俳優。身体に男女両性の性器を持つ半陰陽で、それが原因か京劇の修行時代には同門たちから性的暴行を受けた。しかし、そんな仕打ちにも負けることなく、若手ナンバー1にまで上り詰める。龍との出会いから日本での京劇公演を引き受けることとなるが、その来日がある事件を引き起こすこととなる。
李文龍
中国に渡った龍の命を救った少年。古来、彼の先祖は科挙合格者を何人も出した名門であったが、姉と2人で細々と生活するまでに没落していた。彼の名付け親はかつて親交のあった魯迅であり、同じく魯迅の下で働いた経験のある龍と義兄弟の契りを結んだ。魯迅に憧れ、作家になるべく龍と共に上海へ出るが、友情、恋愛、学業という成長を経る中で龍の行動に疑問を持ち、歴史の波へと飲み込まれていく。
甘粕正彦
実在の人物(1891年 - 1945年)。史実通り、満州国の影の権力者であり、表向きは満州映画協会の理事長を務めている。日中戦争の終結のため、龍の出生に興味を持ち、龍と接触を試みる。龍、てい夫婦が共に深く関わることになる人物。

その他、魅力あるキャラクターが多く登場する。登場人物は、軍人においては実在する人物が多く登場し、その他は経済界や映画界から実在の人物を模した人物が登場する。また、日本人に限らず、当時の日本を取り巻く海外の主要政治家、とりわけ、毛沢東や周恩来や鄧小平、スターリン、モロトフも登場する。

テレビドラマ

1995年5月7日から5月28日までNHK衛星第2テレビジョンで毎週日曜日21:00~21:45 (JST) に放送された。また、それを再編集したものがNHK総合テレビジョンで1996年1月1日と1月2日の22:30~24:00 (JST) に放送された。

キャスト

  • 押小路龍:市川染五郎
  • 押小路一磨:藤竜也
  • 小鈴:千堂あきほ
  • 田鶴てい:持田真樹
  • 押小路卓磨:大竹まこと
  • 龍の母:黒木瞳
  • 萬屋錦之介
  • 亀山忍
  • 中村嘉葎雄
  • 大滝秀治

スタッフ

  • 脚本:香取真理
  • 演出:広瀬満
  • 制作・著作:NHK大阪放送局