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1・2の三四郎2/小林まこと

共有

著者: 小林まこと
巻数: 4巻

小林まことの新刊
1・2の三四郎2の新刊

最新刊『1・2の三四郎2 4



1・2の三四郎2の既刊

名前発売年月
1・2の三四郎2 3 1996-10
1・2の三四郎2 4 1997-06

1・2の三四郎 2』(いちにのさんしろう つー)は、小林まことによる日本の漫画作品。

概要

『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、1994年第17号から1998年第25号に隔週連載された。プロレスを題材にした漫画。単行本は全6巻が発売されている。

本作は作者の過去作である『1・2の三四郎』の続編にあたり、プロレス界から引退していた主人公が、同期のライバルや周囲の人々に懇願され渋りつつも復帰し、かつての後輩がエースとして君臨する団体に席捲されそうになっている日本のプロレス界を立て直していくというもの。

純然たるプロレスファンとして有名な作者が描いている為、作品内のプロレス業界の描写や、技のかけ方や力の入れ具合に至るまで綿密に描かれている。

前作から10年も経って続編を描いたことについて、作者は単行本最終巻の巻末インタビューで「最初はカッコイイ男を主人公にしようって思っていたんだけど、なかなか思いつかなくて。そんな時『あぁそういえば三四郎がいたなぁ』って思い出した。どうせ描いても三四郎みたいになるなら、いっそのこと続編にしちゃえってなった」と述べている。

作品を観ていくと作者はアンチ格闘技系プロレスであるかのような描写もあるが(実際、掲載初期の頃「UWFはあまり好きじゃない」と発言した事もある)「最初はプロレスは楽しく見るものって意識があったから。でも連載が進んでいくうちに、格闘技の持っている緊張感も必要だなってだんだん思うようになった。猪木の異種格闘技戦なんか好きだったからね」と述べている。

この作品の続編として『格闘探偵団』が執筆された。

あらすじ

3年間の海外武者修行を終えて帰国したプロレスラー・東三四郎は、その間に所属団体の新東プロが解散していたため、引退し、ファミレスの雇われ店長として働いていた。

それから2年後。三四郎の店にかつての三四郎の同僚レスラー・五頭信が現れる。両膝を壊して自分の立ち上げた団体であるFTOから解雇された彼は、新団体を立ち上げることを決意し、そのエース格として三四郎に復帰を懇願しに来た。しかし三四郎は頑として首を縦に振らなかった。

後日、三四郎は五頭の様子が気になり、後楽園ホールの『ドリームチーム』旗揚げ戦を観に行き、五頭のふがいない姿を目の当たりにする。

かつて一大勢力だった新東プロが崩壊し、日本のプロレス界は16もの団体が乱立し戦国時代に突入していた。その中でも人気実力ともNo.1だった五頭率いるFTOは順調に客足を伸ばしていたが、1年程前にキックやサブミッションを中心とした格闘技系プロレスを標榜した赤城欣市が「五頭のプロレスは子供騙しのショー」と反旗を翻し、五頭もまた「大人から子供まで楽しめるのがプロレスだ」と反論し、お互いの主張を譲らなかった。かくして世代闘争の一騎打ちを行い、五頭は赤城の前にボロボロにされ5戦5敗と完敗を喫した上に両膝を壊されてしまう。

赤城の、自分達のプロレスを否定する発言に心を揺さぶられ、「闘魂」に火がついた三四郎。誰よりも最強であることにプライドを持つ三四郎は、復帰の意志を見せる。

最強のプロレスラー・東三四郎の新たなる闘魂伝説が幕を開けようとしていた。

登場人物

ドリームチーム

FTOを追われた五頭信が立ち上げた、日本で17番目の団体。旗揚げ戦で入場者数52人という不入りでスタートするが、元新東プロの実力派だった東三四郎以下、元『桜軍団』のレスラー達が入団し活気を見せ始める。

東 三四郎(あずま さんしろう)
本編の主人公。かつての新東京プロレス(以下新東プロ)で最も将来を嘱望されたレスラーであり、当時は最強ヒール集団の『桜軍団』に所属していた。新東プロの若手戦線で五頭らと熱い戦いを繰り広げていたが、高校時代からのガールフレンド志乃と結婚し入籍した直後に3年間の単身長期アメリカ武者修行に旅立つ。アメリカではヒールレスラー『ザ・カミナリマン』として活躍。非公式もあわせ1000試合をこなし、その半分がプロレスラーを舐めて挑戦してくる素人チャンピオンを完膚なきまでに叩きのめすのを役割としていた。その強さと凶悪さは全米中を震え上がらせたという。新東プロ時代のデビュー戦で負けた以外は実に9年間もの間フォール、ギブアップ負けをしたことがない。無類のタフネスさとナチュラルなパワーを誇り、馬之助によると「とにかくつまらない技でも1つ1つが重いから効く」。ガチンコのレスリングをさせたら若手時代から一番強かったとされ、多くのプロレスファンが今も「東三四郎最強説」を信じて疑わない。テクニックよりも己の野性的な闘争本能で戦うリアル・プロレスラー。ニックネームは「闘魂」。口癖は「ウッシャ~~~~!!」。
武者修行を終えて日本に帰国するも、新東プロは社長の塚原のサイドビジネス失敗から不渡りを出してしまい、解散した後だった。そういった事情と3年間淋しい思いをさせた志乃のことを思い、プロレスから足を洗ってファミレスの雇われ店長として2年間を過ごす。その間も基礎トレーニングだけは怠っていなかったらしく、今でもファミレスに不法駐車した車を簡単に素手で引き摺ることも出来るパワーを堅持。そこにかつてのライバル・五頭が現れ、突然現役復帰を懇願されるがこれを拒否。しかし三四郎の店でアルバイトをしていた本間ほたるの説得と、かつての後輩・赤城欣市の挑発に乗る形でリングに戻ることを決意。鈍った身体をかつての鋼のような肉体に戻す為2ヶ月間の猛トレーニングを課した。新東プロ時代に培った練習量と経験がハンパではなく、すぐに当時の力と勘を取り戻し、そのパワーは750CCのバイクを正面からブレーンバスターで持ち上げられるほど。プロレスラーが皆怖れる赤城と戦う理由を「ヒマだから」の一言で片付けてしまうほど、その実力と自信(単に「何も考えてないバカ」とも揶揄される)は常人では計り知れない。
性格は極めて単純で騙され易く、暗示にかかりやすい。己の強さに相当な自信を持っており、負けることなど一切考えていない。復帰後各プロレス団体に挑戦状を送ったが、そこでも「自分が強すぎて誰も挑戦してこないから、こっちから挑戦してやる」と傲慢不遜な文章を書いており、案の定一部を除いては対戦を拒否される。これは劇中の団体ではなく、実在のプロレス団体に宛てて挑戦状を送っており、各団体選手からの返事が直筆で掲載されていた。挑戦された中には女子プロレスラーのアジャ・コングまでいたが、三四郎は「あんまり強いんで男かと思った」と発言している。元祖闘魂・アントニオ猪木のブロンズ像を神様として崇めている。
他人より尾てい骨が少し長く、自分の意志で動かすことができる。志乃は病気ではないかと心配したが、診断した医師によると、退化した「尻尾」とのこと。また相手の攻撃を避けることだけは生まれて間もない頃から得意だったらしく、まだおすわりができるようになった頃に三四郎の姉が落としたお手玉をあっさりかわして見せたという。
妻の志乃とは大恋愛の末に結婚。しかし自身のアメリカ遠征で離れ離れになっていた期間が長かったからか、帰国後は何かというと乳繰り合ってしまい、職場のファミレスには遅刻ばかりしていた。「むにゅ(志乃の胸の間に顔をうずめる)」を行うことで元気を回復するらしい。
得意技は、強烈無比なラリアットと師匠譲りのヘッドバット、ゲーリー・オブライトばりのジャーマン・スープレックス、バックドロップ、そして一撃必殺の垂直落下式ブレーンバスター。作者によれば、三四郎の決め技にブレーンバスターを選んだのは「昔、ローラン・ボックが出てきて人間風車を使ったとき、あの古臭い技がこんなにすごいんだって再認識させられた。あの驚きを漫画の中でも出したかった」からと述べている。
五頭 信(ごず しん)
ドリームチーム代表取締役社長兼レスラー。元アマレスチャンピオンで新東プロの黄金期を支えた若手実力No.1レスラーであり、三四郎のライバルだった男。ニックネームは「炎の男」。新東プロ解散後は新東プロのメンバーを引き連れて自らをエースとするプロレス団体『FTO』を立ち上げ、人気団体にまで押し上げたが、所属レスラーで若手の実力者・赤城欣市が格闘技色の強いプロレスを打ち出し「五頭のプロレスは単なるショーだ」と突如として反旗を翻され、「プロレスとは大人も子供も楽しめるものでなけりゃならない」という信念を持つ五頭は世代闘争による一騎打ちを承諾。しかし1年間の世代闘争の末に5戦全敗という結果に終わり、更にその試合で両膝を破壊されてしまいレスラーとしての全盛期に完治不能な深手を負ってしまう。赤城に乗っ取られる形でFTOから去ることになるが、その際赤城に「切符売りとして残ってくれ」と言われ、レスラーとしての意地からこれを拒否。自分を慕ってついてきた谷、保坂と共に新団体『ドリームチーム』を立ち上げる。
既に自らの身体では満足なプロレスを見せられないことを知っており、かつてのライバルだった三四郎が帰国している情報を掴んだ五頭は、三四郎の働く店に現れ自らの団体でエースとして復帰することを嘆願する。最初はにべも無く拒否されるが、店のアルバイト店員だった本間ほたるの助力もあって、紆余曲折の末に三四郎たち元『桜五郎軍団』の実力派レスラーたちを引き入れることに成功する。三四郎たちも若手の頃、自分たちの最初の壁になった五頭の実力を高く評価している。逆に五頭の三四郎たちの評価は「人間としては許せないが、レスリングだけは真面目」。
自分を慕うあまり、学校をサボってドリームチームを手伝っていたほたるのことを心配して学校へ戻るように言うが、ほたるの複雑な家庭環境を知ってから徐々に気になる存在になる。結局藤原への恩とほたるの意志の固さに負けて入門を許可するが、自分の不甲斐なさでプロレスをやらせてしまっていると思い、ほたるが戦うたびに「すまねぇ…」と泣いている。
三四郎との絡みで知り合うことになり、結果として自分の団体に所属することになったほたるを心配していたが、それはいつしか恋愛感情へと移り変わっていった。三四郎対赤城戦後、女子アマレスチャンピオンとの対戦を控えたほたるに対し、五頭は古傷の腰を痛めているにもかかわらず自らがアマレス出身という事もありスパーリングを買って出る。その際「自分が勝ったら結婚してくれ」とプロポーズ。ほたるは「体がガタガタの今の五頭には負けない」と対戦を承諾するが、五頭が意地で放った全く威力のないジャーマンスープレックスに五頭の本気を感じて、フォールされたままギブアップと宣言。両思いを改めて確認する。
西上 馬之助(にしがみ うまのすけ)
元桜軍団の若手レスラー。関西出身で、三四郎の高校時代からの親友でプロレス入りも三四郎と一緒。元はアマチュアレスリング出身で、軽量ながら高校時代はインターハイで優勝するなど抜群のレスリングテクニックを持っている。三四郎がアメリカに渡っている間に、メキシコ修行へ出ていたらしく、マスクマン「ザ・オコノミマン」としてルチャリブレ殺法と変幻自在のグラウンドテクニックを駆使し「メキシコの英雄」と呼ばれた人気レスラーだった。しかし新東プロ不渡りによる解散を経てレスラーから引退。「かおり」という元ミス沖縄の女性と結婚し、沖縄で味が自慢のお好み焼き屋を経営していた。ニックネームは「テクニシャン」。
引退してからトレーニング等は殆どやっていなかったらしく、その上に中年太りでたるんだお腹になっている。五頭の自殺未遂騒ぎで再会した三四郎達と共に赤城に挑発されて現役復帰を決意。しかし復帰の際に妻に反対されて離婚。お好み焼き屋も慰謝料代わりに手放すことになってしまった。
馬が合うのか合わないのか、三四郎とは逢えばお互いを「アホ」「バカ」と罵り合い、喧嘩ばかりしているが、お互いの実力の程は良く判っていて、スパーリングでも三四郎の相手をできるのは自分以外にいないと理解している。今でも現役時代と変わりないキレのある動きができるが、トレーニングを怠っていたことでスタミナ不足らしく、たるんだお腹を無理矢理凹ませて試合をする為、長時間のファイトは出来ないらしい。
得意技は空中殺法と必殺のジャーマン・スープレックス。復帰後はデルフィンスペシャル1号まで繰り出している。
三四郎対赤城戦後、離婚した奥さんと復縁。
成海 頁二(なるみ ぺいじ)
元桜軍団の若手レスラー。スキンヘッドで長身痩躯の元空手チャンピオン。最初は新東プロに入るつもりでいたが、入門テストで一緒になった三四郎を気に入り、共に桜五郎軍団に入る。それ以外にも、塚原巧の娘が風呂の掃除をしている時、知らずに全裸で浴室に入り、全裸を見られた事で、恥ずかしくて新東プロにいられなかったらしい。新東プロ解散後はレスラーを辞めて寺の住職になっていた。しかし五頭の自殺未遂騒ぎで再会した三四郎達と共に赤城に挑発されて現役復帰を決意。「探さないで下さい」の書置きを残し、三四郎たちの元へ馳せ参じる。
普段は無口だが喋ると何故か「ウガ」としか喋れない(本当は普通に喋べれるのだが、喋るとコテコテの関西弁になってしまう為、無理に標準語を喋ろうとするが、結果的に喋れない為「ウガ」となってしまう)。しかしそれでも三四郎たちは彼が何を喋っているのか理解できる。試合用の空手の道着には「有我」と書かれている。
実家は大阪で家具問屋を営み、上に美人の姉が3人いて、家族からは『ぺーちゃん』と呼ばれている。
そのファイトスタイルは自身の空手をベースにしたもので、蹴り技が主体。その全てが強烈無比だが、反面寝技は苦手らしく、三四郎曰く「立っている時はべらぼうに強いが、一旦寝かされるとただの棒切れ」。得意技は各種の蹴りとニールキックとギロチンドロップ。
谷 晴彦(たに はるひこ)
元新東プロの中堅レスラー。FTOを去る五頭について『ドリームチーム』の旗揚げメンバーとして参加する。相撲出身のあんこ型の体型で、威勢はいいが、実力はソコソコで、後輩である三四郎たちに及ばない。得意技はスモウチョップとスモウタックル。
保坂 健二(ほさか けんじ)
元新東プロの中堅レスラー。谷と共に五頭について『ドリームチーム』の旗揚げメンバーとして参加。こちらは本格派のレスリングを展開する実力を持っているが、やはり三四郎たちには敵わない。三四郎の初シングルマッチの対戦相手を務めた。
本間 ほたる(ほんま ほたる)
三四郎が店長を務めていたファミレスでアルバイトをしていた黒髪のロングヘアを持つ美少女女子高生。三四郎を訪ねてきた五頭の誠実さに惹かれて『ドリームチーム』のバイトとして転がり込む。明るく楽天的な性格で、頭はあまり良くないようだが、逆に体力には自信があるらしく、人の気持ちによく気がつく。とにかく気が強くハキハキした言動が多く、復帰を渋る三四郎にハッパをかけて焚き付けたり、高校時代の志乃を思わせるからか、ファミレス時代から三四郎も気に入っていた。ファミレスでは三四郎不在の時に酔っ払った客を自ら抓み出した経験もあるらしい。
実は両親が既に離婚していて、父に引き取られたが、父は愛人のところに出入りし家には殆ど帰って来ず、生活費を稼ぐ為にアルバイトをしていた。五頭に学校をサボってドリームチームの手伝いをしていることを咎められるも、離れたくない一心で学校を退学し、自らもプロレスラーになることを志願。キャンディ藤原を頼り、共にドリームチーム入りする。何の格闘技経験も無かったが、根性だけは人一倍あり、キャンディ藤原の厳しい猛特訓により、ド新人ながら徐々にレスラーらしい顔つきになっていく。勝つためなら凶器攻撃も辞さない必死さと、新人ながらそのルックスの良さで会場人気は一番。河口の撮ったほたるの写真は1枚500円で飛ぶように売れている。得意技は伸びのあるドロップキックと「ファイアフライ・スペシャル(トップロープからのヒップドロップ)」。
キャンディ藤原(キャンディふじわら)
ベテランの現役女子プロレスラー。PPW女子プロレスのコーチ兼選手であり、道場の無いドリームチームに練習場としてPPW女子の道場を貸していた。昔から三四郎たちの実力は良く知っていたようである。後にほたるの情熱を買ってPPW女子を抜けて『ドリームチーム』に移籍。現役選手兼ほたるのコーチ教育係としてほたるを一人前のレスラーにするべく鍛え上げる。田中プロレスとのタッグマッチで、ほたるの根性を見るためあえて助けに行かない、などコーチ役としての親心も見せた。女子ながら関節技を得意としたファイトスタイルで、スタイルは抜群であるものの、顔は某男子レスラーに似ている。
PPW女子を抜けた本当の理由は、広報の山崎が好きでしょっちゅう電話をかけていたところ「もうかけてこないで下さい」と言われて失恋したから。リングネームの由来はJWPで活躍した女子プロレスラーキャンディー奥津と藤原喜明から取られた。
東 志乃(あずま しの)
三四郎の妻。元々高校時代からのガールフレンドで、トレードマークは黒のロングヘアとヘアバンド。柔和な顔と抜群のプロポーションを持ち、誰にでもすぐ打ち解ける明るい楽天的な性格。三四郎とは大恋愛の末に結婚したが、その直後に三四郎が長期アメリカ遠征に出てしまったため、三四郎が帰国してからはそのベタベタ振りに拍車がかかっているようで、ヒマさえあれば裸になって乳繰り合っている。普段は専業主婦をしているようで、三四郎の復帰後はドリームチームの世話役としてほたると共にちゃんこを作ったり、会場整理やグッズ販売など裏方作業を一手に引き受ける。夫の職業を良く理解している懐深い女性。しかし人前で豊満な胸に三四郎の顔をうずめさせたり、美鈴亮が自宅に訪ねてきてもノーブラのまま出迎えたり、あまり恥じらいというものが無い。
帰国後に三四郎がアメリカで稼いだファイトマネーを頭金に不動産投資目的で高級マンションを購入。しかし三四郎が現役復帰することになりそれを売り払おうとするも、バブルの崩壊で値崩れしてしまい、たとえ3000万で売っても利子と合わせて2000万以上の借金があることが発覚。それでもリングで戦う三四郎が一番輝いていると復帰を全面的に支援する。
赤城戦を前にほたるから「もし三四郎さんに何かあったらどうするんですか?」と問われて「これで赤城君を刺すわ」と買い物篭から包丁を取り出したように、三四郎は志乃のすべてといってよいのかもしれない。
河口(かわぐち)
ほたるの同級生でカメラ好きの高校生。ほたるのことが好きで、いつも隠れてはほたるのパンチラを盗撮していた。実は子供の頃からのプロレスファンであり、特に無類の強さを見せる東三四郎の大ファン。良く会場に出かけては三四郎がトイレに入っているところや着替えで尻を出しているところを撮ったりしていたカメラ小僧として三四郎の記憶にも残っていた。
ほたるに盗撮しているところを見つかってカメラを壊されてしまうが、ひょんな事からプロレス(三四郎)ファンであることを知られてしまい、バイト先の店長が三四郎本人と確かめたかったほたるから三四郎の首実見を依頼される。その後はほたるやドリームチームの面々と仲良くなり、自身の保管していたプロレスの資料を五頭の自宅兼ドリームチーム事務所に大量に持ち込んだり、学校が休みの時は会場で本間ほたるの写真を売ってドリームチームを応援する。
実は体が弱く、運動すると病気が出るために激しく運動することが出来ない。それがあっていつも元気なほたるやプロレスに強い憧れを持つようになる。会場ではアマチュアカメラマンとして三四郎たちの試合を写真に収めている。将来はプロレス報道のカメラマンになるのが夢で、会場に度々現れる謎のカメラマン(岩清水)に憧れを抱く。

ドリームチームが挑戦状を送った実在のレスラー

連載時期には団体数が多く、他団体に交流戦を求めた。

グレート・サスケ
みちのくプロレスのオーナー兼エース。「こちらにはメリットがない」と丁重に拒否した。
新崎人生
「米国WWFに於いて巡礼中により、貴殿の挑戦に答える術なし」と返答。渡米直前に成海頁二と道ですれ違い、互いに無言でポーズを決めて挨拶を交わす。
天龍源一郎
連載当時のWARの看板レスラー。「否!」と一言で拒否。追伸として「いきなり復帰してふざけた事を貫かすな」と三四郎に対し厳しく批判した。
アジャ・コング
連載当時は全日本女子プロレスのトップヒールだった。「挑戦を受けてやってもいいが、私は女だ」と返信した。三四郎曰く「あまりにも強いので男だと思った」とのこと。
アントニオ猪木
前作でも本人が登場してるが今回は手紙の返事のみ。「私は何時誰の挑戦でも受ける」と容認していたが、志乃が「これを視ると三四郎が舞い上がって試合どころではなくなる」と三四郎には伏せられた。猪木が三四郎を覚えていたかは不明であるが、三四郎が『猪木信者』と言う事は変わってないらしい。

リングリーダァ

美鈴拳が立ち上げた際物のインディ団体。「リングリーダァ」とは「悪の親玉」という意味で、世界一の悪党を決めるというのがコンセプト。それ故凶器の使用や有刺鉄線マッチ、五寸釘板マッチは当たり前。怪我人も数え切れない。それなりに人気を獲得しているようで、熱い支持者たちもいる。美鈴以外の若手は独身者が多く、初対面の志乃やほたるに興奮状態に陥ったりしていた。

美鈴 拳(みすず けん)
リングリーダァ社長兼エース。アメリカ遠征中の三四郎とカンサス地区で半年ほどタッグを組み、アメリカンプロレスの何たるかを教え、私生活面での世話もしていた恩人。三四郎も認めるテクニシャンだったらしく、その後怪我で一度は引退したが、帰国後に『リングリーダァ』を立ち上げ、過激なデスマッチを売りにするレスラーに変貌していた。三四郎から出された挑戦状を受け、反則自由の八面地獄ピラニアデスマッチによる一騎打ちを提案。負けた方が勝った方の団体に吸収されるという条件を出す。
とにかく無茶苦茶な狂乱ファイトが心情で、火のついたトーチを使ったファイヤーデスマッチでは金山というレスラー相手に火の中にパワーボムを決め、皮膚移植の末半年も入院させるほどの重度3の大火傷を負わせている。その他にも何人ものレスラーを病人送りにしている「デスマッチの帝王」。その一方で、義理人情に篤く、三四郎に負けドリームチームに吸収された後も三四郎のサポートに尽力したり、柳が負けたことで行き場を失ったプロ柔道の選手たちを引き受けるなど、面倒見が非常に良い親分肌。デスマッチを繰り広げながらも、東三四郎のプロレス復帰を誰よりも喜んだ良き理解者。三四郎も世話になったという妻がいたが、スクーターに乗って買い物に出たところ交通事故に遭い、3年前に死別。現在は一人息子の亮と一緒に暮らしている。
その出自からモデルを大仁田厚に求めるのは容易。また大仁田とは直接関係のない別団体のデスマッチエピソードも付加されている。
ヴァイパー政次(ヴァイパーせいじ)
リングリーダァで実力No.1と言われるレスラー。美鈴のデスマッチ路線には常々対立している。威勢よく三四郎に一騎討ちを挑むも、その実力は三四郎に遠く及ばなかった。
シルバーバット
リングリーダァに籍を置く骸骨マスクを被ったレスラー。だが素顔はマスクを外しても対して変わらない顔をしている。桜五郎が、自分の正体を隠して三四郎達の前に現れる為に何度か狙われ、その都度締め落とされ、入れ替わられている。
オオカミ男
リングリーダァに籍を置く狼マスクを被ったレスラー。シルバーバット同様、マスクを外しても大して変わらない素顔をしている。
ジムグリ山田、プリティ・カン
リングリーダァに籍を置くレスラー達。鳴海頁二と2対1のハンデキャップマッチに挑むも、それぞれ蹴りの一発ずつで沈められる。
湯浅(ゆあさ)
リングリーダァ代表。創設時から美鈴とともにリングリーダァを盛り上げてきた。
ドリームチームに吸収されることが決まったとき、離反しかけるが、ほどなく三四郎たちに強引に引き戻される。その後は営業スタッフとして活動し、厳しい台所事情のドリームチームを支えた。三四郎が赤木に勝利した後に横浜文化体育館が満員になったときも、赤城戦で負った負傷のため参戦を渋る三四郎に「五頭が作った借金がまだまだある」と語り、営業面での手厳しさを見せる。

プロ柔道

競技人口が多いにもかかわらず、柔道家が4年に一度しか表に出るチャンスが無いことに疑問を抱いた柳正紀が、自らの理想を持って柔道家の受け皿になるべく立ち上げた。アマ柔道家がプロに挑戦できるコーナー(プロに勝ったら10万進呈)とプロ柔道トーナメントの2本立て興業。まだ出来たばかりでそれほど知名度は無いが、気軽に見られる雰囲気と元人気レスラーの柳の知名度から会場はなかなかの盛り上がりを見せていたが、エースである柳が赤城に敗れた為、評価が急落し活動を休止せざるをえない状況になってしまう。

柳 正紀(やなぎ まさのり)
現プロ柔道代表。プロ柔道世界チャンピオン。元超高校級の柔道選手でオリンピック候補だったが、高校時代の柔道大会で素人参加だった三四郎に負け、それ以来三四郎の後を追ってプロレス入り。柔道殺法と噛み付きなどのラフファイトで五頭と肩を並べる新東プロの看板選手だった。新東プロ崩壊後も都合7年間に渡りプロレスを続けていたようだが、新たに長年の夢だったプロ柔道を旗揚げし、たまたま同じ会場で翌日に興業を控えていた柳が挨拶の為に三四郎たちの元を訪れた。プロ柔道振興の為、命運をかけてFTOの赤城に挑戦状を叩き付ける。
得意技は、「柳スペシャル(腕取り逆回って体落とし風投げ。今で言う逆一本背負いに近い)」。過去にこの技の3連発で馬之助が失神させられたことがある。
赤城戦では胴タックルを狙いに来る柳の戦略を読んだ赤城がわざと隙を作り、狙い済ました鋭角的なエルボーを叩き込んで柳は大流血。それを皮切りに馬乗りになった赤城は非常なベアナックルパンチを容赦なく柳の頭部に浴びせTKOする。その重いダメージにより、柳は一時植物人間となってしまうが、三四郎対赤城戦で三四郎の闘気が伝わったのか、意識を取り戻す。息子はオコノミマンのファンだが、正体が馬之助である事は知らない。
金田 麻男(かねだ あさお)
プロ柔道所属選手。高校時代、三四郎や柳の参加した柔道大会で三四郎と対戦し、破った男。おかっぱ頭でいつも名前を「キンタマオトコ」と呼ばれて、その度に訂正するのが定番の登場の仕方。後にオリンピックで銀メダルを獲得し大学で先生をしていたが、次のオリンピック予選で判定負けを喫し目標を見失っていたところを柳からプロ柔道旗揚げの誘いを受け、その姿勢に共鳴しプロ柔道選手となる。柳を倒してプロ柔道世界チャンピオンになるのが夢。プロ柔道が活動を休止した際、美鈴の厚意でドリームチームの世話になる。外見はとぼけた感じだが相当の実力者であり、田中プロレスとの対抗戦で、受身の取れない背負い投げでプロレスラーを失神させた。
ピーター・キンタマニー
元オランダのオリンピック代表候補のプロ柔道選手。プロ柔道トーナメントで金田麻男を1回戦であっさり下しそのまま優勝。次回の柳との対戦権を得るが、柳が赤城戦を優先させたため、作中では未対戦。ハンサムで日本にも追っかけファンがいる。金田同様、プロ柔道が活動休止となった際、ドリームチームの世話になり、田中プロレスとの対抗戦にて対戦相手のプロレスラーに圧勝する。
チョチョンマンチ・マキチョチハ
身長2mを越すロシアの元無差別級チャンピオン。柳の持つプロ柔道世界タイトルマッチに挑むも、柳スペシャルを喰らいあっさり敗北。

FTO

赤城 欣市(あかぎ きんいち)
世代交代で五頭を完膚なきまでに叩きのめし、自らFTOエースの座に君臨した実力派レスラー。格闘技志向のプロレスを展開し、相手の技を受けず、ロープにも飛ばないといういわゆるUWFスタイルの旗手として絶大な人気を得る。脂肪を殺ぎ落としたしなやかな肉体を誇り、ニックネームは「キングオブFTO」。試合では非常に理論的に攻撃を組み立て、わざと隙を作ってそこに罠をはって仕留めるのが得意。しかし裏に回れば変質的なねちっこい性癖を持つ真性のサディストで、下手すれば相手を殺しかねない程痛めつける。戦争マニアであり、自宅には各国の戦場写真集やモデルガン収集などもしている。そのあまりに片寄った性格形成はすべて母の影響によるもののようだ。
元新東プロの新人レスラー時代、デビュー戦で三四郎と対戦。頭突きで流血させられた上に必殺のブレーンバスターで完膚なきまでに叩き潰されるという本物のプロの洗礼を浴びて惨敗。しかし負けてなお三四郎を追いかけて攻撃をしようとした程の闘争心を持つ。新東プロでの1年目では65戦61勝4敗。負けた相手は、三四郎の他に五頭、田中、柳。その後に東三四郎の付き人となるも、プロレスとは別にあらゆる格闘技道場に出入りし今のスタイルを築き上げた。三四郎は色々な意味で可愛がったつもりでいるが、当人はそれを快く思っておらず(リングネームを「スネーク赤城」と付けられた等)、自分の野望の為に邪魔になるであろう三四郎のことを常に心の中で警戒していた。暫く対戦を避けつづけていたが、三四郎が直接赤城の下に乗り込んできたことで「負けたらリングから降りて引退する」事を条件に対戦を承諾する。
実生活の上ではCMで人気の女性タレント亜紀形ひなこと交際しているところを写真週刊誌にキャッチされているが、心の中では新人時代に自分に優しくしてくれた志乃の事を未だに忘れられずにいる。子供の頃から愛というものを全く知らずに育った為に、盲目的な愛し方しか出来ず、最初のファイトマネーで志乃に自転車を買ってやったところまではまだしも、80万円のダイヤの指輪まで贈ろうとし、気持ち悪がった志乃に返して来いと言われた。また未確認ながら新東プロ時代に志乃の入浴現場を覗いていたかもしれない疑惑も持たれていた(後日それは桜五郎の仕業だったことが判る)。それだけに志乃を奪っていった三四郎に対しての憎悪は深く、三四郎の対戦要求を受けた際に「アンタに試合で勝ちたいんじゃなく、殺してやりたいんだ」と発言した。愛車は横浜ナンバーの黄色のポルシェカレラ。
野呂(のろ)
赤城の片腕としてFTOを支えるレスラー。しかし血の気が多く、町でたむろしている不良たちにわざと喧嘩を吹っ掛けてウサ晴らしをする等、あまり出来た人間ではない。新東プロの新人レスラー時代に三四郎から「のろまのノロ助」と呼ばれ、赤城対柳が行なわれた日本武道館で三四郎に殴られた事を今でも根に持っている。赤城が現在のプロレスで最強であるという事を少しも疑ってもいない。
曙(あけぼの)
野呂と共にFTOを支えるレスラー。元新東プロ出身で、新人レスラー時代から三四郎のポテンシャルの高さを良く知っているだけに、内心では「三四郎が本気を出したら、今の赤城でも敵わないのではないか」とオドオドしている。

こんぴらプロレス

四国を拠点とするローカルプロレス団体。

丸亀 鶴丸(まるがめ つるまる)
こんぴらプロレスのエース。元パワーリフティング&アームレスリング世界チャンピオン。メインイベントで自分の相手だったグレート・タミーが出場をキャンセルした為、週刊ハガスポの表紙になっていた三四郎に興味を示し対戦相手に指名した。日本におけるNo.1のパワーファイターで、力任せの攻撃が得意。実は2年前に赤城と対戦していて3分12秒チョークスリーパーで敗れているが、赤城相手に3分持った男という事で四国では英雄になっているらしい。
得意技は強靭な握力を生かしたアイアンクロー。

田中プロレス

新東京プロレスの実力派レスラーだった田中敬三が立ち上げたプロレス団体。女子プロあり、格闘技系ありとバラエティに飛んだ試合を組める、それなりに陣容が揃った準メジャー級団体。

田中 敬三(たなか けいぞう)
田中プロレス代表取締役社長。元新東プロ所属。三四郎達の先輩レスラーで、ファイトスタイルは地味だが和製カール・ゴッチと比喩されるストロングスタイルの実力者。新東プロの若手選手はこの田中に勝って初めて海外修行に出る事を許されていたことから『アメリカの壁』と呼ばれていた。誌面を通じて赤城への挑戦をぶち上げた三四郎に対し「俺たちと戦え!来月後楽園ホール抑えてあるから来い!」と挑戦状を送ってくる。三四郎たちは「要は俺たちに出てくれってことなのか?」「田中先輩にはいろいろおごってもらったし断りきれん」と参戦を決意する。
新東プロでは先輩レスラーでありながら、三四郎と9回シングルマッチで対戦して9敗と全く敵わなかった(三四郎のデビュー3戦目の対戦相手で、三四郎はこの時の試合ですでに田中に勝っている)。それ故三四郎の実力を良く知っていて、三四郎なら赤城に勝てると踏んで、実力が鈍っていないか確かめるテストの意味で自らの団体に呼び込んだ。
1年前に赤城と一騎討ちを行なったが容赦のない膝関節蹴りを喰らい膝を壊して長期欠場。その影響で客足が遠のき経営が悪化、その日の食事にも事欠く有様で、三四郎たちの参戦前日に不渡りを出してしまった。つまりこの日が田中プロレス最後の自主興業だった。
ギララ・ミカ、安生洋子(あんじょう ようこ)
キャンディ&ほたる組とタッグマッチで対戦した相手。ギララはペイントレスラー。ジャンピング・パワーボムやブレーンバスターを使い、ほたるを痛めつける。
安生洋子は顔が某男子レスラーに似ていて、キャンディがPPW女子を辞めた理由を知っていたが為に、キャンディから猛烈な反撃を受ける。得意技は反則攻撃と「女サソリ固め」。
中村 成利(なかむら なりとし)
田中プロの所属レスラー。ドリームチームの一員として上がった金田麻男とバーリトゥードルールで対戦。金田の受身の取れない背負い投げ一発で顔面から落とされ3分20秒で失神KO負け。
小笠原 鉄男(おがさわら てつお)
田中プロの所属レスラー。ドリームチームの一員として上がったピーター・キンタマニーとバーリトゥードルールで対戦。僅か2分15秒チョークスリーパーで失神KO負け。
デンジャラス山崎、サカーノ大助
田中プロの所属レスラー。凶器公認デスマッチで美鈴&五頭組と対戦。良い所の無いまま惨敗。
宗村 宗男(むねむら むねお)
田中プロの所属レスラー。田中が育てた秘蔵ッ子で、現在の田中プロレスでは事実上のエースらしい。他流試合経験も豊富で、ヨーロッパ遠征時は「サムライ」と怖れられていた。趣味は時代劇観賞の26歳。田中と組んで三四郎&馬之助&鳴海のドリームチーム最強トリオとメインで迎え撃った。打撃、投げ、関節技、空中殺法と何でもこなすトータルファイター。
ウェイン・タムラック
田中プロの所属レスラー。田中と組んで三四郎&馬之助&鳴海のドリームチーム最強トリオとメインで迎え撃った。

その他

南小路 虎吉(みなみこうじ とらきち)
高校時代からの三四郎たちの友人。現在は売れっ子漫画家として出世し、何本もの連載を抱える。三四郎の復帰を知り、払いすぎていた税金の戻りを使ってドリームチームに祝儀代わりの移動用ワゴン車と軍団旗を提供する。しかしその軍団旗に見せかけたものは、漫画の宣伝が書かれていた。代表作は『ウッシャ~マン』。
桜 五郎(さくらごろう)
かつての強豪ヒールレスラーで桜軍団の親玉。三四郎、西上、成海にプロレスの基礎から叩き込んだ師匠であり、今日の三四郎たちがプロレスで食べていけるのもこの男のおかげと言っても過言ではない。新東プロの社長だった塚原とはリングを降りれば親友であり、その為資金繰りが悪化していた新東プロの為に詐欺・恐喝行為を働いた疑いで逃走し指名手配に。しかも逃走中に暴れて警察24人と一般市民8人に怪我をさせてしまったために傷害罪のおまけまで付いてしまった。美人の外国人の奥さんがいる。
三四郎対赤城戦が決まった際、三四郎を鍛える為にシルバーバットに無理矢理変装し、リング上で稽古をつける。未だにグラウンド技術は錆び付いておらず、三四郎も思わず驚いた。
塚原 巧(つかはら たくみ)
元新東プロ社長。日本でも有数のプロレス団体を持ちながらサイドビジネスに手を出して失敗し、団体崩壊の原因を作ってしまった。詐欺・恐喝容疑で刑務所に服役していたが、三四郎対赤城戦の前に出所してくる。
ザ・スノウマン
かつて、ひまわり軍団と行動を共にした外国人・覆面レスラー。全米でもトップクラスの超売れっ子レスラーだが、その後も新東プロレスの選手達とは交友関係を維持し、ドリームチーム旗揚げに際し、五頭の頼みを快諾し来日、メインイベントで五頭と対戦する。
美鈴 亮(みすず りょう)
美鈴拳の一人息子。父を尊敬し、自身も中学を卒業したらプロレスラーになりたいと懇願するが、甘い世界ではないことを知っている父から反対される。母親の不慮の事故死がトラウマとなっているが、三四郎やその周囲の人々と知り合い、精神的な成長を遂げる。三四郎の夜間トレーニングを見学した時、腕立て100回とヒンズースクワット1000回を言い渡され、「親父はお前ができる訳ないと思っているんだから、ギャフンと言わせてやれ」と励まされ、それから必死にトレーニングを積む。学校の柔道部に入部した。
金沢(かなざわ)
プロレス週刊誌『週刊ハガスポ』の記者。ドリームチームを取材するうち元桜軍団の高い実力と三四郎に興味を示し、対赤城戦を目指す三四郎に許可を取って、ハガスポの1面に「逃げるな、赤城!」と三四郎を表紙に載せて対戦を煽った。フットワークが良く、赤城の過去を知る為、わざわざ赤城の故郷に取材に行ったりもする。
栗針(くりはり)
『週刊ハガスポ』編集長。かつては新東プロの番記者だった。金沢の「東三四郎を表紙にしたい」という提案を聞き入れ、了承する。赤城のデビュー戦である対三四郎戦を取材で生で見ている。興奮すると鼻水をたらす。
赤城の母(あかぎのはは)
田舎の一軒家にただ1人引きこもって住んでいる。尋常ならざる被害者意識の持ち主で、他人の幸せが嫉ましくてしょうがないらしく、美人で評判の同級生の顔を石で殴ってボコボコにしてしまったことがある。赤城にも愛情を一切与えず「絶対に他人に舐められるな」と言う事だけを教え込んだ。その為、子供の頃の赤城は、ただ吠え掛かった同級生の飼い犬を火箸で滅多打ちにして殺したり、凶暴性のみ突出した子供として育っていった。近所の住人たちは赤城が生まれてからの15年間は地獄だったと当時を振り返っている。
参豪(さんごう)
柔道の全日本強化コーチ。三四郎や馬之助、寅吉の同級生で柔道部の主将だった。三四郎たちを仲間にして団体戦で活躍。卒業後プロレスラーになった三四郎たちを今でも応援している。作者の別作である『柔道部物語』の登場人物、三五十五や西野新二を鍛え込んでいるようだ。
伊呂毛 達譜利子(いろけ たっぷりこ)
西西放送の美人アナウンサー。三四郎の高校時代の同級生。三四郎対赤城戦のレポーターとして大阪城ホールに現れる。
工藤先生(くどうせんせい)
高校時代の三四郎の恩師でラグビー部顧問。奥さんと一緒に大阪城ホールまで三四郎の応援に来ていた。夫人は大恋愛の末、射止めた三四郎の姉であり、三四郎の義兄にあたる。
岩清水健太郎(いわしみず けんたろう)
神出鬼没のヌードカメラマン。三四郎や馬之助の高校時代の同級生で友人。作中に時々現れては言葉巧みに女性を脱がせてヌード写真を撮っていく。売れっ子らしくヌード写真の入門書『女はみんな脱ぐべきだ』を出している。試合会場でその脱がせテクニックを見た河口が師匠と崇める人。

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