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20世紀少年/浦沢直樹

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著者: 浦沢直樹
巻数: 22巻

浦沢直樹の新刊
20世紀少年の新刊

最新刊『20世紀少年 22


出版社: 小学館
シリーズ: ビッグコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

Minefrom 【マンガ】20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス) 映画でみたことある人も多いのでは?映画では話されていない真実が、、、 https://t.co/Rc4ei1nZya
kurumi84223312 浦沢直樹「20世紀少年でカツマタをトモダチにしたのには理由があります」 https://t.co/wOZhoogH8p https://t.co/U4v6LZvRYq
goldenbillybat RT @fleuve1996: 20世紀少年を描いた浦沢直樹も天才だと思う。浦沢直樹の描く人物の表情がすごくいい。 20世紀少年は面白い。
CorTaur RT @osamupurple: 浦沢直樹と言えば…「YAWARA」「20世紀少年」←一般人 「マスター・キートン」「MONSTER」←オタ 「パイナップル・アーミー」←オッサン
sf_mi 日帰り温泉の無料漫画コーナーで「20世紀少年」を読んだ。テレビで放送された映画版を視聴済み。昭和の雰囲気は、とてもリアル。空想の中のSF。現代を舞台にしたミステリーは、今後は成立しない感じがする。

20世紀少年の既刊

名前発売年月
20世紀少年 1 2000-03
20世紀少年 2 2000-07
20世紀少年 3 2000-10
20世紀少年 4 2001-03
20世紀少年 5 2001-06
20世紀少年 6 2001-09
20世紀少年 7 2001-12
20世紀少年 8 2002-04
20世紀少年 10 2002-10
20世紀少年 11 2003-02
20世紀少年 12 2003-05
20世紀少年 13 2003-08
20世紀少年 14 2003-11
20世紀少年 15 2004-02
20世紀少年 16 2004-06
20世紀少年 17 2004-12
20世紀少年 18 2005-04
20世紀少年 19 2005-08
20世紀少年 20 2005-12
20世紀少年 21 2006-04
20世紀少年 22 2007-01

本格科学冒険漫画 20世紀少年』(ほんかくかがくぼうけんまんが 20せいきしょうねん、20th Century Boys)は、浦沢直樹による日本の漫画作品。

1999年から2006年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された。完結編である『21世紀少年』(21せいきしょうねん、21st Century Boys)は、2007年1月から7月まで連載された。単行本は『20世紀少年』が全22巻、『21世紀少年』は上・下巻の2巻が発売された。

『21世紀少年』、及びこれら2作を原作とした日本映画『本格科学冒険映画 20世紀少年』についてもここで扱う。

概要

作品名は、T・レックスの曲「20th Century Boy」に因んだものである雑誌『AERA臨時増刊号 AERA in FOLK 〜あれはロックな春だった!』2006年3月18日発売(朝日新聞社)。作品の中でも主人公 遠藤健児の敬愛する曲として登場する。単行本19巻の初回限定版には同曲を収録したCDが特典として付属された。

第48回小学館漫画賞青年一般部門をはじめ、第25回講談社漫画賞一般部門、第6回文化庁メディア芸術祭優秀賞、第37回日本漫画家協会賞大賞、第39回星雲賞コミック部門、フランスジャパンエキスポアワードグランプリ受賞、海外でも2003年にヨーロッパ最大の漫画賞と言われるアングレーム国際漫画祭の最優秀長編賞を受賞する。その他にも多数の賞を受賞している。

累計発行部数は2800万部を記録。

あらすじ

高度成長による「夢と希望」に満ちあふれていた時代から、一転して経済は停滞しオカルトブームが起き、世界滅亡の空気まで漂いはじめた、1970年前後。

そんな時代に少年たちが空想した未来。地球滅亡をもくろむ悪の組織、東京を破壊し尽くす巨大ロボット。世界は混沌とし、滅亡に向かっていく。それに立ち向かい地球を救う、勧善懲悪の正義のヒーローとその仲間たち。こんな下らないストーリーを“よげんの書”と、少年たちは名付けた。しかし大人になるにつれ、そんな空想の記憶は薄れていく。

1997年、主人公のケンヂは、突然失踪した姉の娘のカンナを養い、コンビニを営む平凡な日々を送っていたが、お得意先の一家の失踪や幼なじみの死をきっかけに、その薄れかけていた記憶を次第に呼び覚まさせていく。そして世界各地の異変が、幼い頃空想した“よげんの書”通りに起こっていることに気づく。出来事に必ず絡んでくる謎の人物“ともだち”との出会いによって、全ての歯車は回り出す。

用語

ウイルス
世界を二度にわたって滅亡の危機に追い込んだ殺人ウイルス。“血の大みそか”以前のものは潜伏期間が無いに等しく、発症後はすぐさま体中至る所から激しく出血、感染者を即座に失血死させる。2015年に使われたものは風邪によく似た初期症状がまず現れ、その後数日の間に前述のような大量出血を引き起こす。これらにより世界人口の半数以上の人々が感染し死亡する事となり、人類が存亡の危機に立たされる事となった。
作中では細菌とウィルスが混乱して描かれているので生物兵器と解釈するべきである。
絶交
“ともだち”側の人間が敵対する者、邪魔者や裏切り者を殺害することを指す。
首つり坂の事件(原作のみ)
1971年、ケンヂたちが首つり坂の屋敷で幽霊を見に行った出来事。首を吊って自殺を遂げた女性の幽霊が出ると噂されていた。バーチャルアトラクションでは1970年の出来事になっており、このことは1970年の嘘と大きく関わっている。
友民党(友達民主党)
“ともだち”組織たちで構成される政治政党。党首は万丈目胤舟。徐々に市民の支持を得て、連立内閣に組み入り、結果“ともだち”は政治的権力をも持つことになった。
地球防衛軍
ウイルスをばらまいた宇宙人の侵略から地球を守るために作られた部隊。特撮のような制服とヘルメットを身につけており、レーザー銃(但し玩具のように極端に出来が悪く、まともに武器とも言えない武器)で武装している。一応拳銃などの現実的な武器も所持している。
映画版では制服が「ウルトラマン」の科学特捜隊に酷似している。また、レーザー銃も形状こそ原作と同様だが、実弾を発射するものに変更されている。代わりに銃口付近にレーザーサイトを内蔵しており、ある程度は実用的な武器となっている。
親友隊
“ともだち”の親衛隊。任務内容は地球防衛軍とほぼ共通している。指揮権は当初万丈目が持っていたが、彼の死後は新幹事長となった高須が掌握する。
ともだちランド
一見遊園地、またはアミューズメント施設だが、実は“ともだち”による洗脳施設。“ともだち”に関わる事柄について調べている青少年が主にその対象となるため、“ともだち”に対する強い信仰を持った人物か、逆に“ともだち”に対する不信感を持った人物が主なターゲットとなっている。さまざまなアトラクションがあり、その中の一つにケンヂや“ともだち”の子供時代を再現した仮想空間もある。ここで成績が悪かったり、従順化せず研修を終えた者は、再教育のためともだちワールドという場所へ送られる。
ドリームナビゲーター
ともだちランドのスタッフ。“ともだち”に従順な信者によって構成され、マニュアルに機械のように従う人間がそろえられている。またドリームクリーナーと呼ばれる清掃員などもいる。
エロイムエッサイムズ
小泉響子が追っかけをしていたバンド。メンバーはルシフェル斉藤、メデューサ井上、ダミアン吉田(脱退

)、穣二・A・ロメロ(新加入 )・不明の4人で成り立つ。ダミアンは西日暮里の交差点で「悪魔くん」ことケンヂに出会い、彼の作った曲と破天荒なギター技術を教わった。

2000年血の大みそか
世界各地で突如ウイルスが撒き散らされた事件。2000年12月31日に起きた事件であるためこのように名付けられた。この事件の自作自演によって、“ともだち”と彼の率いる友民党は、世界の救世主たる地位を確立する。また首謀者はテロリストとして指名手配されていたケンヂ一派とされ、後の教科書にも正史として記録された。
超能力
劇中で何度も登場する謎の力。主にスプーン曲げに代表されるが、神様には予知能力らしきものがある。フクベエ、万丈目、カンナの3人に関わる出来事ではスプーン曲げの場面がいくつか描かれている。が、一方で単なるイカサマであるというシーンも描かれており、ほとんどの場面では超能力が曖昧な存在として描かれている。
1970年の嘘
フクベエが万博に行けなかったことを隠すためについていた嘘。“ともだち”の少年時代を再現しているヴァーチャルアトラクション内では、“ともだち”の少年時代として当初はその嘘がそのまま再現、設定されていた。少年時代、フクベエは万博に行けなかった事を隠すため外出を控え、ケンヂ達に嘘がバレぬよう必死で身を潜めていた(映画版ではフクベエではない人物になっている)。
ラビット・ナボコフ
友路
ともだち暦3年(西暦2017年)の時点で日本で使われている通貨。読み方は“ゆうろ”。
喜楽庵(原作のみ)
氷の女王のアジト。蕎麦屋である。右側の真ん中の席に座り、あるもの(ひえひえ)を頼むと氷の女王の仲間になれる。実は蕎麦を茹でる店員は、“ともだち”のスパイであったため、解雇された。
宇宙特捜隊バッジ
ケンヂ達の子供時代、ジジババの店で売られているガムの当たり券の景品であったバッジ。当時の子供達の間ではレアアイテムとして注目されていた。映画版では「地球防衛軍バッジ」という名称に変更されている。作中ではマルオがこれを引き当てていた他、サダキヨ以外の「お面の子供」がこれを胸に着けていた。なお、映画版最終章にてヨシツネも引き当てていたことが判明した。原作と映画版を共通し、物語終盤では“ともだち”の核心を掴むための手掛かりである重要なアイテムとなっている。
形状などから「ウルトラマン」で科学特捜隊員が通信機として使用していた「流星バッジ」がモデルと思われる。

よげんの書

ケンヂ達が小学校の頃に秘密基地のメンバーで考えた「将来やってくるだろう悪の組織の地球征服」の方法を書いたもの。しかし、それとは別にフクベエ(映画版ではカツマタ)達がしんよげんの書を作っていた。

よげんの書(旧来)
  • サンフランシスコで細菌兵器が散布される。(1ページ目)
  • ロンドンで細菌兵器が散布される。(2ページ目)
  • 大阪で細菌兵器が散布される。(3ページ目)
  • 羽田空港が爆破される。(4ページ目)
  • のろしが上がる(国会議事堂が爆破される)。(5ページ目)
  • 2000年12月31日、東京に巨大ロボットが襲来。世界各地で細菌兵器が散布される。(6ページ目)
  • 9人の戦士(書かれた時点ではケンヂ、オッチョ、ユキジ、ヨシツネ、マルオ、モンちゃん、ケロヨン、コンチ、ドンキーのはずであった)が立ち上がる。(7ページ目)
しんよげんの書(新来)
  • 新宿の教会で救世主が暗殺される。(1ページ目)
  • 万博が開かれる。(2ページ目)
  • リリリンと電話が鳴り、人類滅亡の準備が整う。(3ページ目)
  • スーツケースを持ったセールスマンが世界中でウイルスを散布し始める。(4ページ目)
  • 聖母(キリコ)が天国か地獄をたずさえて降臨する。(5ページ目)(原作のみ)
  • 2015年で西暦が終わる。(6ページ目)
  • 世界大統領が誕生する(7ページ目)
  • 世界大統領が火星移住計画を発表する。(8ページ目)(原作のみ)
  • ともだち暦3年(西暦2017年)の8月20日、宇宙人が地球を襲い、世界が滅びる。(映画9ページ目)
しんよげんの書 最後のページ
  • 巨大ロボットに秘密基地が踏み潰されたとき隠された反陽子爆弾のスイッチが押され世界が滅びる(原作9ページ目)。
  • そして人類はほとんど死に、世界大統領は仲のいい友達と楽しく暮らす。(映画10ページ目)

時系列

※ 記述が膨大なため、伸縮型のメニューとして表示する。

番外編

映画版の公開に伴いスピリッツに掲載。内容と設定は下記の映画版を基盤にしている。

  • 20世紀少年 予告(血の大晦日のロボットに向かい歩むケンヂたちのエピソード、「20世紀少年探偵団」にも収録)
  • 20世紀少年 第2章 最後の希望 予告(VA内に入ったカンナが幼年ケンヂと別れた後のエピソード)
  • あおぞらChu-意報 作・画/ウジコウジオ(劇中漫画家ウジコウジオがユキジに見せた劇中漫画)
  • まんがり道 作・画/ウジコウジオ(劇中漫画家ウジコウジオがユキジに見せた劇中漫画シリーズ)

コミックス・関連書籍

単行本

単行本は、全て小学館より刊行された。巻数表示は、『20世紀少年』のみ「第○集」である。定価は、ほとんどの巻が505円(税抜き)だが、『20世紀少年』第16集、第22集、『21世紀少年』上・下巻は524円である。

『20世紀少年』 (全22巻)
  • 第1集 「ともだち」 2000年3月1日発行、ISBN 4-09-185531-8
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』1999年第44号-第51号、2000年第1号、第2・3合併号初出。
  • 第2集 「予言者」 2000年7月1日発行、ISBN 4-09-185532-6
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2000年第4・5合併号-第10号、第13号-第17号初出。
  • 第3集 「ギターを持った英雄」 2000年10月1日発行、ISBN 4-09-185533-4
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2000年第18号-第25号、第27号-第30号、第33号初出。
  • 第4集 「愛と平和」 2001年3月1日発行、ISBN 4-09-185534-2
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2000年第34号-第41号、第44号-第47号初出。
  • 第5集 「さいかい」 2001年6月1日発行、ISBN 4-09-185535-0
    • 本巻の途中から、舞台は2014年に移る。週刊『ビッグコミックスピリッツ』2000年第48号-第50号、2001年第1号-第10号初出。
  • 第6集 「最後の希望」 2001年9月1日発行、ISBN 4-09-185536-9
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2001年第13号-第21・22合併号、第26号、第27号初出。
  • 第7集 「真実」 2001年12月1日発行、ISBN 4-09-185537-7
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2001年第28号-第33号、第36・37合併号-第41号初出。
  • 第8集 「ケンヂの歌」 2002年4月1日発行、ISBN 4-09-185538-5
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2001年第41号-第44号、第47号-第51号、2002年第1号-第4・5合併号初出。
  • 第9集 「ラビット・ナボコフ」 2002年8月1日発行、ISBN 4-09-185539-3
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2002年第6号、第7号、第11号-第19号初出。
  • 第10集 「顔のない少年」 2002年10月1日発行、ISBN 4-09-185540-7
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2002年第20号-第31号初出。
  • 第11集 「成分表示」 2003年2月1日発行、ISBN 4-09-186631-X
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2002年第34号-第46号初出。
  • 第12集 「ともだちの顔」 2003年5月1日発行、ISBN 4-09-186632-8
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2002年第47号、第49号-2003年第1号、第3・4合併号-第9号初出。
  • 第13集 「終わりの始まり」 2003年8月1日発行、ISBN 4-09-186633-6
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2003年第10・11合併号-第22・23合併号初出。
  • 第14集 「少年と夢」 2003年11月1日発行、ISBN 4-09-186634-4
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2003年第24号、第25号、第27号-第36号初出。
  • 第15集 「ばんぱくばんざい」 2004年2月1日発行、ISBN 4-09-186635-2
    • 巻末より舞台は「ともだち歴3年」(西暦換算で2017年にあたる)に移る。週刊『ビッグコミックスピリッツ』2003年第37・38合併号、第39号、第42号-第51号初出。
  • 第16集 「鏡のむこう」 2004年6月1日発行、ISBN 4-09-186636-0
    • 巻頭カラー。週刊『ビッグコミックスピリッツ』2004年第4・5合併号-第16号初出。
  • 第17集 「クロスカウンター」 2004年12月1日、ISBN 4-09-186637-9
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2004年第17号-第20号、第22・23合併号-第25号、第33号-第36号初出。
  • 第18集 「みんなの歌」 2005年4月1日発行、ISBN 4-09-186638-7
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2004年第37・38合併号-第41号、第44号-第47号、第49号-第51号初出。
  • 第19集 「帰ってきた男」 2005年8月1日発行、ISBN 4-09-186639-5
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2004年第52号-2005年第3・4号、第7号、第10号、第11号、第13号-第15号、第17号初出。
  • 第20集 「人類の勝負」 2005年12月1日発行、ISBN 4-09-186640-9
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2005年第18号、第19号、第21・22合併号、第23号、第26号-第28号、第30号、第32号-第34号初出。
  • 第21集 「宇宙人現る」 2006年4月1日発行、ISBN 4-09-180159-5
    • 週刊『ビッグコミックスピリッツ』2005年第38号-第40号、第42号-第44号、第47号-第49号、第51号、第52号初出。
  • 第22集 「正義の始まり」 2007年1月1日発行、ISBN 4-09-180805-0
    • 本巻は、単行本の中では最もページ数が多く、唯一250ページを超えている。週刊『ビッグコミックスピリッツ』2006年第1号、第3・4合併号、第5・6合併号、第8号、第10号、第11号、第13号-第15号、第18号-第21・22合併号初出。
『21世紀少年』 (全2巻)
  • 上巻 「“ともだち”の死」 2007年6月4日発行、ISBN 978-4-09-181216-2
    • 巻頭カラー。週刊『ビッグコミックスピリッツ』2007年第4・5合併号-第10号、第12号-第14号初出。
  • 下巻 「20世紀少年」 2007年10月3日発行、ISBN 978-4-09-181495-1
    • 巻頭カラー。週刊『ビッグコミックスピリッツ』2007年第26号-第33号初出。

関連書籍

  • 竹熊健太郎 『20世紀少年探偵団』 小学館<ビッグコミックススペシャル>、2008年(平成20年)、ISBN 978-4-09-182194-2
    • 漫画の主な舞台となった1970年代の世相・風俗を解説したオフィシャル本。
    • 原作者である浦沢直樹が監修を担当している。
  • 浦沢直樹、ウジコウジオ 『20世紀少年の脇役 ウジコウジオ作品集』 小学館<ビッグコミックススペシャル>、2010年(平成22年)、ISBN 978-4-09-183245-0
    • 『20世紀少年』スピンオフ作品集。

映画

総制作費60億、総キャスト数300名を動員して製作された。2008年から3部作で公開。2008年の1月から6月まで第1章と第2章の一部が撮影され、8月から第2章の一部と第3章(以下、最終章と記す)が撮影された。第1章「終わりの始まりDVD・BD化の際につけられたサブタイトル。公開時のタイトルは「20世紀少年」のみは2008年8月30日、第2章「最後の希望」は2009年1月31日、最終章「ぼくらの旗」は2009年8月29日に公開された。製作は日本テレビ放送網を筆頭に16社。制作プロダクションはシネバザール、オフィスクレッシェンド。配給は東宝。日本テレビ開局55年記念作品。

それぞれ主に、第1章は20世紀(西暦1997、2000年)、第2章は21世紀(西暦2015年)、最終章はともだち暦3年(西暦2017年)のストーリーを基にしている。原作と異なる展開となる映画について、脚本を手がけた作者の浦沢は「もうひとつの『20世紀少年』として観ていただければと。ただ、映画を見終わったときの“風合い”が原作と同じであれば、観た人は納得してくれると思うんですよ。」と語っている『週刊ファミ通』9月24日増刊『オトナファミ』October 2009 No.20、15頁。

第1章は2008年8月7日に六本木ヒルズアリーナにて4000万円をかけた巨大ロボット(幅9m×高さ9m×奥行9m)の前で完成披露会見を行った。また、パリのルーブル美術館で世界初となるモナリザの前でワールドプレミア記者会見を行い、アメリカのサンフランシスコで開催されたプレミアイベントでは、第1章が日本文化の代表として出展された。第2章は太陽の塔を国内史上最大のイベント費用8000万円で1日だけ「ともだちの塔」に変え、その前で完成披露会見を行った。最終章は東京国際フォーラムにて完成披露会見を行った。最終章では映画オリジナルの結末が描かれていることから、完成披露試写会では情報漏れを防ぐためにエンドロール後のラスト約10分をカットした特別編集版が上映された。劇場公開以前で、製作スタッフの中でも結末を知っていたのは監督含めわずか数名に留まるとされている。

3部作の公開に際し、様々な形でタイアップやコラボレーションなども行われた(後述)。

制作状況
監督の堤幸彦については浦沢曰く「ね!」ってひと言いえば「そうそう」って通じる何かがあったとのことで、安心して脚本を渡せたという。このように原作者と監督の関係は良好だったものの、企画・脚本を担当した長崎尚志によれば、長崎と浦沢の原作チームと映画サイドでは意見がバラバラで毎回激論となり大変だったと証言している。その一例として脚本のことを挙げており、第1章と第2章では脚本の段階では3時間くらいになったものを2時間くらいに収めたが、最終章にいたっては4時間半くらいになり、4部作にして『21世紀少年』やるかという話も出たという。なお、第3章ラストの映画オリジナルの展開となる最後の10分については、「原作を読んでないお客さんも多いし、それなら原作よりではなく映画『20世紀少年』の方向でいこう」ということで製作スタッフ全員の意見が一致したとしている『週刊ファミ通』9月24日増刊『オトナファミ』October 2009 No.20、68頁。

キャスト追加する場合はノートでの議論に目を通した上で行ってください。PJ:MANGA#登場人物にある、「むやみに列挙せず、主要キャラクター程度でよい」という方針に基づき、主要でないキャストの列挙を制限しています。<-->

3作すべてに出演

  • ケンヂ/遠藤健児:唐沢寿明、田辺修斗(中学生時代)、西山潤(幼少)
  • オッチョ/落合長治:豊川悦司、澤畠流星(幼少)
  • ユキジ/瀬戸口雪路:常盤貴子、松元環季(幼少)
  • カンナ/遠藤カンナ:平愛梨、畠山彩奈(幼少)
  • ヨシツネ/皆本剛:香川照之、小倉史也(幼少)
  • マルオ/丸尾道浩:石塚英彦(ホンジャマカ)、安岡壱哉(幼少)
  • フクベエ/服部哲也:佐々木蔵之介、上原陸(幼少)
  • 漫画家・角田:森山未來
  • ジジババ:研ナオコ
  • 万丈目胤舟:石橋蓮司
  • 神様:中村嘉葎雄
  • キリコ/遠藤貴理子:黒木瞳
  • ヤマさん/山崎:光石研
  • 田村マサオ/13番:ARATA
  • 敷島ミカ:片瀬那奈

2作に出演

第1章・第2章
  • モンちゃん/子門真明:宇梶剛士、矢野太一(幼少)
  • ヤマネ/山根昭夫:小日向文世、安彦統賀(幼少)
第1章・最終章
  • ケロヨン/福田啓太郎:宮迫博之(雨上がり決死隊)、森山拓哉(幼少)
  • ヤン坊・マー坊:佐野史郎、山田清貴(幼少)
  • 諸星壇:津田寛治
  • 市原節子:竹内都子
  • 遠藤チヨ:石井トミコ最終章ではもうひとつのエンディングバージョンで出演。
  • ケンヂの同級生:石橋保
第2章・最終章
  • コンチ/今野裕一:山寺宏一、清水歩輝(幼少)
  • 蝶野将平:藤木直人
  • 漫画家・金子:手塚とおる
  • 漫画家・氏木:田鍋謙一郎
  • 春波夫:古田新太
  • 高須:小池栄子
  • 小泉響子:木南晴夏
  • 仁谷神父:六平直政
  • 中国マフィア・王:陳昭榮
  • タイマフィア・チャイポン:Samat Sangsangium

1作限りの出演

第1章
  • ドンキー/木戸三郎:生瀬勝久、吉井克斗(幼少)
  • ピエール一文字/一文字勇三:竹中直人
  • アルバイト店員・エリカ:池脇千鶴
  • 池上正人:藤井フミヤ、吉田海夕(幼少)
  • ロックバンドのボーカル:及川光博
  • ケンヂの同級生:入江雅人
  • ノブオ:布川敏和
  • チョーさん/五十嵐長介:竜雷太
  • 血まみれの男:遠藤憲一
  • 諸星の母:吉行和子
  • 女性アナウンサー:豊田順子
  • 敷島ゼミの学生:鈴木崇大(タカアンドトシ)、三浦敏和(タカアンドトシ)
  • スクーターの男たち:中田敦彦(オリエンタルラジオ)、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)
第2章
  • サダキヨ/佐田清志:ユースケ・サンタマリア、藤原薫(幼少)
  • マライア:前田健
  • ブリトニー:荒木宏文
  • ホクロの巡査:佐藤二朗
  • 七龍の店主:西村雅彦
  • 仲畑:山崎樹範
  • 歌舞伎町警察署長:石丸謙二郎
  • 斉木刑事(歌舞伎町署):西村和彦
  • 東野刑事(歌舞伎町署):田中要次
  • 山根宅の隣人:佐々木すみ江
  • オデオン座の老人:梅津栄
  • 万博司会者:徳光和夫
  • 珍宝楼の店主・珍:小松政夫
  • 男性アナウンサー:羽鳥慎一(日本テレビアナウンサー)
  • パレードのリポーター:小倉淳
最終章
  • ビリー:高橋幸宏(YMO)
  • 磯乃サナエ:福田麻由子
  • 敷島鉄男:北村総一朗
  • 厳道館師範代・大垣:武蔵
  • 地球防衛軍隊員:高嶋政伸、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)
  • 猟師:遠藤賢司
  • エロイムエッサイムズのギタリスト:武内享
  • コンサートの客:ダイアモンド☆ユカイ、MCU、吉田照美、原口あきまさ、斎藤工、左右田一平
  • カツマタ/勝俣忠信:神木隆之介(中学生時代)、黒羽洸成(幼少)

スタッフ

  • 原作:浦沢直樹
  • 監督:堤幸彦
  • 脚本:長崎尚志、福田靖(第1章)、浦沢直樹(第1章、最終章)、渡辺雄介(第1章、第2章)
  • 脚本監修:浦沢直樹(第2章)
  • 脚本協力:渡辺雄介(最終章)
  • 音楽監督:白井良明
  • 音楽:白井良明、長谷部徹、Audio Highs、浦沢直樹
  • 製作指揮:小杉善信(第1章、第2章)、宮崎洋(最終章)
  • エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
  • 企画:長崎尚志
  • プロデューサー:飯沼伸之、甘木モリオ、市山竜次
  • Coプロデューサー:大平太、大村信
  • セカンドユニット監督:木村ひさし
  • 撮影:唐沢悟
  • アクションコーディネーター:諸鍛冶裕太、村上潤
  • 美術:相馬直樹
  • 照明:木村明生
  • 録音:鴇田満男
  • 編集:伊藤伸行
  • VFXスーパーバイザー:野崎宏二
  • VFXディレクター:阪上和也
  • 助監督:白石達也
  • 製作担当:吉崎秀一
  • ラインプロデューサー:井上潔
  • キャスティング:才士真司(オガワシンジ)
  • 製作委員会:日本テレビ放送網、小学館、東宝、バップ、讀賣テレビ放送、電通、読売新聞、シネバザール、オフィスクレッシェンド、ディーライツ、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送
  • 制作プロダクション:シネバザール、オフィスクレッシェンド
  • 配給:東宝

楽曲

  • 主題歌:T・レックス「20th Century Boy」
  • 挿入歌(第1章)
    • Kenji「Bob Lennon」
    • 「愛・ROCK・友」
    • Otoho in Shibuya「Brothers」
    • PAUL MAURIAT GRAND ORCHESTRA「"PENELOPE"/エーゲ海の真珠」
    • ボブ・ディラン「ライク・ア・ローリング・ストーン」
    • 「恋の季節」
      • 作詞:岩谷時子、作曲:いずみたく
  • 挿入歌(第2章)
    • Kenji「Bob Lennon」
    • ハロハロ音頭
    • 燃え落ちた家
    • Suspense
    • 世界の国からこんにちは
    • 帰ってきたヨッパライ
    • The Thunderer
    • 24 Preludes Op.28 No.3 G-dur: Vivace
  • 最終章主題歌:The Million Dollar Band「Bob Lennon」

キャッチコピー

原作版との相違点

タイアップ・コラボレーション

  • ケイ・オプティコム『eo光』(唐沢が出演)とのタイアップしたCMが第1章の公開前後に放送された「よげんの書」を捩った「せつやくの書」「おトクの書」が登場
  • 日本テレビ『スッキリ!!』(8月4日 - 29日の放送)では、「20世紀の少年たち」と題して出演者の少年時代の話の再現ドラマを放送、映画の子役たちが各キャストに併せて演じた。また第2章、最終章では「20世紀少年からの贈り物」と題し、プレゼント企画を行った。
  • 2008年8月23日から31日に開催された「わくわく宝島」に、巨大ロボットと「ともだちの塔」が展示された。
  • 2008年11月24日放送の『ヤッターマン限定1時間SP』では同作品の実写版の三悪キャストの舞台挨拶が行われた映画館に『22世紀少年』というタイトルのポスターが貼られ、ドクロベエがともだちのシンボルマークの上に現れ、「ドロンジョくん、あそびましょ」と言っていた。
  • 2009年1月26日 - 29日、日本テレビで21時台の番組の放送直前に放送されるミニ番組に"ともだち"が登場した。また、25:44 - 25:54にはカウントダウン番組が行われ、1月30日には見所紹介番組が放送されていた。

=== ソフト化 === 現在、第1章から第3章までがDVD、Blu-rayでソフト化されている。第1章は2009年1月30日、第2章は2009年8月28日発売。最終章は2010年2月24日発売。 DVDは1枚組の通常版と、封入特典付き2枚組(第1章のみ1枚組)の豪華版、Blu-ray Disc(最終章のみ「DVD豪華版」と同内容のドキュメントDVD付き2枚組、第1章~最終章共に封入特典無し)で発売されている。 第2章のBlu-ray版で、アナログ出力で視聴した際にハイビジョン画質ではなくスタンダード画質での再生となってしまう不具合が起こっている。なお不具合版と修正版では、ジャケットのvapの文字の色と貼られているシールの色が白から黄色に変更されているので区別することができる。

最終章のDVDおよびBlu-rayには、劇場公開バージョンのほか、上映時間の都合でカットされた約11分を追加した『もうひとつのエンディングバージョン』が収録されている。

他にも第1章を中心としたナビゲートDVD「秘密大図鑑・上巻」や、シリーズ3部作全てを収録したDVDセット(本編のみの3枚組)、及びBlu-rayセット(最終章豪華版DVD・Blu-rayにも収録されているドキュメントDVD付き4枚組)もリリースされている。(DVDセット及びBlu-rayセットは初回限定生産)

その他

  • 2008年8月22日午後5時5分頃、撮影中に撮影用クレーンが横転し、クレーン下部の台車を動かしていた男性スタッフ3人が頭を打つなどのけがをした『毎日新聞』2008年8月23日東京朝刊
  • ボウリングの振興に貢献した著名人やテレビ番組などを表彰する「第16回ボウリング・マスメディア大賞」で映画「20世紀少年」が、特別貢献賞を受賞した。出演している女優の木南晴夏が出席した。映画にボウリングのエピソードは一切登場しないが、木南晴夏は『ビッグコミックスピリッツ』内のインタビューにおいて収録自体はしたと語っている。内容は『もうひとつのエンディングバージョン』において見ることができる。
  • 2009年8月21日の「金曜ロードショー」で初回放送された第1章(オリジナル版)の、関東地区での視聴率は15.5%
  • 第22回日本メガネ・ベストドレッサー賞で唐沢寿明がサングラス部門を受賞した。映画「20世紀少年」でのサングラス姿が評価され「サングラス部門賞」に輝いた。
  • 2010年8月13日・20日・27日には「金曜ロードショー」にて全シリーズを3週にわたって一挙放送を行った。第2章と最終章は地上波初放送。最終章のエンドロール後に、劇場版にはない新たなシーンが追加された。
  • TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の映画批評コーナー「ザ・シネマハスラー」においては三部作ともに酷評され、シネマハスラー2008年全映画ランキングでは対象38作品中第1章がワースト5位、2009年全映画ランキングでは対象53作品中第2章がワースト6位、最終章がワースト2位を記録している。

TVスペシャル

いずれも本編に未公開シーンと新たに撮影されたシーンを加え、新たな角度から描くアナザーバージョンに相当する作品となっている。両作品とも、演出:木村ひさし、総監督:堤幸彦。

『本格科学冒険映画 20世紀少年 〜もう一つの第1章〜』
第2章公開直前の2009年1月30日21:00 - 22:54、金曜特別ロードショー枠で放映。劇場版第1章でカットされたシーンなどが原作に忠実となるよう構成が編集されている。関東地方における視聴率は18.6%
『本格科学冒険映画 20世紀少年 〜もう一つの第2章〜』
最終章公開直前の2009年8月28日21:00 - 23:09、金曜特別ロードショー枠で放映。劇場版になかった着流しの男(演:平田満)が登場するカジノのエピソードや、マルオがともだちを巻き込んで自爆しようとするエピソードが追加されているが、サダキヨやマライア・ブリトニーに関するエピソードは全てカットされており、未収録映像の追加版というより、劇場版とは違う別バージョンとなっている。前週の8月21日に同じく金曜ロードショー拡大枠(20:00 - 22:54)で放送された『本格科学冒険映画 20世紀少年 第1章 終わりの始まり』と2週連続で放送された。関東地方における視聴率は17.5%

脚注

外部リンク

be:20th Century Boys ca:20th Century Boys

fa:پسران قرن بیستم

gl:20th Century Boys id:20th Century Boys

ko:20세기 소년

sv:20th century boys th:ทเวนตี้เซนจูรี่บอย

vi:20th Century Boys