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AL/所十三

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著者: 所十三
巻数: 全4巻

所十三の新刊
ALの新刊

最新刊『AL 4



ALの既刊

名前発売年月
AL 1 2010-04
AL 2 2010-07
AL 3 2010-09
AL 4 2010-11

AL』(アル)は、所十三による日本の漫画作品。秋田書店の『週刊少年チャンピオン』2010年2・3合併号から同年39号まで連載された。全34話。

正式タイトルは、『AL THE WHITE TRICERATOPS』。

概要

白いトリケラトプスの子供、アルとその仲間の恐竜と共に敵に立ち向かうバトル漫画。前作とは違って、人間が一切登場していない。よって、登場人物は全て恐竜となっている。

また、登場人物の恐竜の殆どは、大阪弁などの方言を使って喋っている。

ストーリー

アルは、白いトリケラトプスの子供。牙王というティラノサウルスに襲われたアルは、流れ者で初めての友達でもあるモノさんの捨て身で命を救われる。

強くなりたいと心に誓ったアルは、モノさんの仇の牙王を倒すべく旅出った。

登場人物

三本角

作中におけるトリケラトプスの通称。大阪弁で話し、名前はカタカナで表記される。

アル
本作の主人公。突然変異個体で白い体に青い眼を持つ三本角の幼竜。名前の由来はラテン語で『白』を意味する『albo(アルボ)』とイグアノドンの発見者として知られるギデオン・アルジャーノン・マンテルから単行本1巻の作者コメントより。。あまりにも目立つ純白の体が原因で群れの他の竜に蔑まれていたが、同じくハンデを抱えるモノさんに励まされながら生きる気力を得る。しかし、牙王に襲われた際に群れとモノさんを同時に失い天涯孤独の身となる。モノさんの仇を討つために牙王と闘うことを誓い、旅に出る。三方ヶ丘出身。
モノさん
流れ者の三本角で、アルの初めての友達。生まれつき鼻の上の角一本だけしか伸びていない。牙王に襲われたアルを守るために命を落とした。
エド
通称「地獄谷のエド爺」(または「地獄谷のご隠居」)で、アルからは『エド爺』と呼ばれ慕われている。頭部の右側の角とフリルの一部を欠いた老竜。牙王とは深い因縁がある。アルの友達となり共に旅に出る最初の仲間になる。牙王との最終決戦で牙王に角をえぐり取られて致命傷を負ってしまい、最期にアルに『おおきに』と言い遺して息を引き取る。
ジャノン
雌の仔竜。牙王に襲われそうな所をアルとエド爺に助けられ、旅に同行する。コゴミヶ原出身。
カブ
大型の三本角で、アルの旅に同行。とても温厚な性格。大曲出身。実は大曲を統率する三本角ビルの息子である事がのちに判明した。
バック
通称「御館山(おやかたやま)の蒼鬼」。青灰色の鱗に包まれた巨躯と図抜けて長い角を持つ三本角。三角山の大カルデラに住まう三本角を統べるリーダーで、エドを深く尊敬している。
ギド
バックの配下の三本角。バックに面会しに来たアルを殺そうと攻撃をしかけるも、エドを見て戦意喪失する。
旋ヶ原三兄弟
長兄マレウス、次兄インクス、末弟スタペスの兄弟の三本角。棘頭の谷で用心棒を勤める。尊大な性格の持ち主。
ランド
不動山(ふどうやま)を統率していた三本角。ホシカブトに殺されたと思われていたが、実は牙王により、仲間を皆殺しにされ、自身も半殺しにされ、苦しんでいた所をみかねたホシカブトが、楽にしてやる為に殺した事が後に判明した。

暴君竜

作中におけるティラノサウルス等の肉食恐竜の通称。標準語で話し、名前は漢字で表記される。

牙王(ガオウ)
体の大きさや身体能力、戦闘力は従来のティラノサウルスを大きく上回る突然変異個体。眼窩周囲のコブは角のように発達している。また捕食者としては異端の存在で捕食のためではなく殺戮衝動にまかせて恐竜を殺戮する。牙王の通ったあとには、残った獲物目当てで多くの肉食恐竜が従う形で大集団を成している。ある出来事で三本角に対して強い憎悪を表している。自身の気分を害した者、邪魔になる者ならたとえ同属でさえ瞬殺する残虐性を持つ。

四神牙

牙王の血を受け継ぐその中でも抜きんでたティラノサウルス達。それぞれ特殊な能力を持つ。

青牙(セイガ)
東方山地を統べるティラノサウルス。生まれた時から戦う運命にあり、孵化と同時にまだ孵化の時期を迎えていない兄弟を殻から引きずり出し殺すという残忍性を見せた。その行動は父である牙王から受け継いだ遺伝子の支配によるとされ、捕食とは無関係の殺戮を繰り返し、やがて頭突きでパキケファロサウルスを凌駕する存在となった。通称、破竜槌の青牙。
朱牙(シュガ)
東南平原を支配する女帝。その足はダチョウ恐竜の異名を持つオルニトミムスより速く、ナイフの如く発達した鋭利な角質のトサカで首を切り落とす。通称、首狩り朱牙。
白牙(ハクガ)
兄弟の中で一番父・牙王に似た姿のティラノサウルス。圧倒的な速度で敵を瞬殺する力がある。配下のティラノサウルス達を虐殺するという行為を行っていたが、実はそれは彼女曰く「自分と交わる行為の資格がある強い雄」を探す為の行為だという。兄弟である「玄牙」も彼女の行動を「怖い婚活」と畏怖した。
玄牙(ゲンガ)
父・牙王の血を受け継ぐ四神牙の中で最も異様な姿をしたティラノサウルス。前身はまるで現在の黒豹の如く黒い色をしており、暗闇から敵を襲撃する事を得意とする。

風衆

牙王の配下の恐竜。駿足を持つナノティランヌス・ランスエンシスの姉弟。牙王から主に捜索の任務を請け負っている。

慈円(ジエン)
風衆の長であり長姉。牙王に自らの命を差し出すほど忠誠心が強い。
慈安(ジアン)
風衆の長兄。洞察力と判断力に優れており、慈円が不在の際には弟達の指揮を執る。
慈雲(ジウン)
風衆の次兄。姉弟の中では一番荒々しい性格をしている。
慈音(ジオン)
風衆の末弟。姉弟の中では一番姉弟に対する思いやりが強い。

堅頭竜

トリケラトプスと同じ周飾頭類に分類される為か、作中の彼等の台詞は三本角と同じく大阪弁。

長老
“高地の民”と呼ばれる棘頭(ドラコレックス)の老齢個体。大頭の集団に群れを脅かされ、アル達一行に助太刀を要請する。その後、風衆の一匹、慈雲に遭遇したジャノンと棘頭の子供たちを守る為、慈雲ごと谷に落ち命を落とした。
ホシカブト
突然変異個体の大頭(パキケファロサウルス)。同族からなる「兜党」と言う野党集団を率いる無法者。牙王により重傷を負わされ、苦しんでいたランドを安楽死させた張本人。

その他の恐竜

ファラ
カブの知り合いのメスの脚竜。台詞は漢字以外はカタカナ表記されている。

単行本

  1. 2010年4月8日 ISBN 978-4-253-21487-4
  2. 2010年7月8日 ISBN 978-4-253-21488-9
  3. 2010年9月8日 ISBN 978-4-253-21489-6
  4. 2010年11月8日 ISBN 978-4-253-21525-1

備考

  • 2010年4月30日と5月7日にBS2で放送された熱中スタジアムの恐竜特集で作者の所が出演、本作の制作現場もテレビ放映された。

脚注